JP3191043B2 - 化粧シート - Google Patents

化粧シート

Info

Publication number
JP3191043B2
JP3191043B2 JP26905696A JP26905696A JP3191043B2 JP 3191043 B2 JP3191043 B2 JP 3191043B2 JP 26905696 A JP26905696 A JP 26905696A JP 26905696 A JP26905696 A JP 26905696A JP 3191043 B2 JP3191043 B2 JP 3191043B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
resin
meth
acrylate
decorative sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP26905696A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1095078A (ja
Inventor
浩昭 高橋
正文 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=17467057&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP3191043(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP26905696A priority Critical patent/JP3191043B2/ja
Publication of JPH1095078A publication Critical patent/JPH1095078A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3191043B2 publication Critical patent/JP3191043B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の内装、建
具の表面化粧、車両内装等に用いる表面に対して意匠賦
与および表面保護の目的で設けられる化粧シートに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、上記の用途に用いる化粧シートと
しては、主に3種の化粧シートがあった。
【0003】(I)ポリ塩化ビニルフィルムを使用し
て、これに印刷、エンボス加工等で装飾を施す。(特公
昭28-5036 号、特公昭58-14312号公報) (II)ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン系フィルムを使用する。(特開昭54-62255号公報)
【0004】(III )(II)の欠点を改良するもの。
(特開平6-210808、特表平4-504384号公報、)特開
平7-26038 号公報)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、提案されてい
る上記のようなポリオレフィン系樹脂シートを用いた化
粧シートは必ずしも満足できるものではない。すなわ
ち、建築物の内外装用、建具・家具等の表面化粧用、車
両内装用等に用いる表面化粧シートには、通常、下記
(1)〜(10)のような機能が要求される。
【0006】(1)ポリ塩化ビニル並みの熱成形性。特
に、温度変化にともなう一定荷重時伸度の変化がポリ塩
化ビニルとほぼ同等の緩やかで連続的に変化すること。
また、加熱→冷却にともなって、強度低下等の材料力学
的特性の劣化が生じない。
【0007】(2)耐クリープ変形性。外装材や内装材
には建具や家具による定荷重が長時間かけられる場合が
多く、クリープ変形が生じると、荷重部分がめくれた
り、剥がれたりする。従って、極力クリープ変形が生じ
ない材料であることが求められる。
【0008】(3)耐寒折り曲げ強度。寒冷時にVカッ
ト加工等の折り曲げ加工を行うと応力緩和が不十分な場
合は、折り曲げ部に白化、亀裂、破断等が生じ易くな
る。
【0009】(4)耐有機溶剤性。化粧シートと被着体
を接着する接着剤中の溶剤により化粧シートが膨潤・変
形するのを防止する。多層構造の化粧シートを得る場合
も同様である。
【0010】(5)破断時伸度、耐衝撃強度。Vカット
加工時の折り曲げ部の亀裂を防止するために、この特性
が求められる。 (6)適度な曲げ弾性率。曲げ加工部での化粧シートの
追従性が十分であるために必要とされる。
【0011】(7)透明性が良好。 (8)エンボス加工適性。エンボス加工等にともなう加
熱と冷却が加わっても、再結晶による白化、濁りを生じ
ない。 (9)易接着性。 (10)耐候性に優れる。
【0012】前記(II)の仕様の化粧シートは、工業的
に量産が難しく、かつ、ポリオレフィン系樹脂は結晶化
度が高いため等の理由から、図1の曲線bに示すよう
に、ポリ塩化ビニル樹脂に比べて融点前後の物性の変化
が急峻であり、従来汎用のポリ塩化ビニルシートに比べ
加工可能な条件範囲が狭い欠点を有しており、上記の条
件の内、特に、(1)、(5)〜(10)の条件を十分
には満足できないものであった。(III )の仕様のもの
は、オレフィン系熱可塑性エラストマーを混合させたこ
とにより、(1)、(5)、(6)の条件は改善され、
熱成形性、エンボス加工性等は向上したが、透明性、耐
候性、及び耐熱性では不十分なものであった。
【0013】本発明は、オレフィン系樹脂を用いた従来
の化粧シートの持つ上記のような不都合を解消すること
を目的としており、具体的には、オレフィン系樹脂を用
いながらポリ塩化ビニル系樹脂を用いた化粧シートと同
等の熱成形性、耐候性、透明性及び被着体との易接着性
を持つ化粧シートを提供することにある。
【0014】
【課題を解決する手段】上記の課題を解決するために、
本発明においては、装飾処理を施したオレフィン系樹脂
フィルムにシリカを含む易接着プライマー層を設けてな
る化粧シートを見出し、さらに、該オレフィン系樹脂フ
ィルムが、主原料が高密度ポリエチレン、熱可塑性エラ
ストマー、着色剤、及び無機充填剤からなる記載シート
としての着色フィルムに、その上に、アイソタクティク
ポリプロピレンとアタクティクポリプロピレンの混合系
からなる複合立体構造を有する表面子としての無色又は
着色透明な軟質ポリプロピレン系樹脂フィルムを積層し
てなる化粧シートを見出し、発明を完成するに至った。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明における高密度ポリエチレ
ンとしては、好ましくは、比重が0.94〜0.96のポリエチ
レンであって、低圧法で得られる結晶化度が高く分子に
枝別れ構造の少ない高分子である高密度ポリエチレンが
用いられる。
【0016】本発明における熱可塑性エラストマーとし
ては、ジエン系ゴム、水素添加ジエン系ゴム、オレフィ
ンエラストマー等が用いられる。水素添加ジエン系ゴム
とは、ジエン系ゴム分子の二重結合の少なくとも一部分
に水素原子を付加させてなるもので、ポリオレフィン系
樹脂(本発明においては高密度ポリエチレン)の結晶化
を抑え、柔軟性をアップさせる。ジエン系ゴムとして
は、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、プ
ロピレン・ブタジエンゴム、アクリロニトリル・ブタジ
エンゴム、アクリロニトリル・イソプレンゴム、スチレ
ンブタジエンゴム等がある。オレフィンエラストマーと
しては、2種類又は3種類以上のオレフィンと共重合し
得るポリエンを少なくとも1種加えた弾性共重合体であ
り、オレフィンはエチレン、プロピレン、α−オレフィ
ン等が使用され、ポリエンとしては、1,4ヘキサジエ
ン、環状ジエン、ノルボルネン等が使用される。好まし
いオレフィン系共重合体ゴムとしては、例えば、エチレ
ン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン非
共役ジエンゴム、エチレン−ブタジエン共重合体ゴム等
のオレフィンを主成分とする弾性共重合体が挙げられ
る。
【0017】熱可塑性エラストマーの添加量としては、
オレフィン系樹脂フィルム中に10〜60重量%、好ましく
は30重量%程度である。10重量%より低いと一定加重時
伸度の変化が急峻になり過ぎ、また、破断時伸度、耐衝
撃性の低下が生じ、60重量%より高いと透明性、耐候性
及び耐クリープ性の低下が生じる。
【0018】本発明における無機充填剤としては、炭酸
カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルク等の粉末が
用いられる。添加量としては、オレフィン系樹脂フィル
ム中に 5〜60重量%程度、好ましくは30重量%程度であ
る。5 重量%より低いと耐クリープ変形性及び易接着性
の低下が生じ、60重量%より高いと破断伸度及び耐衝撃
性の低下が生じる。
【0019】本発明における着色剤は基材シートに化粧
シートとして必要な色彩を持たせるためのものであり、
チタン白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、
チタン黄、カーボンブラック等の無機顔料、イソインド
リノン、ハンザイエローA、キナクリドン、パーマネン
トレッド4R、フタロシアニンブルー等の有機顔料ある
いは染料、アルミニウム、真鍮等の金属顔料、二酸化チ
タン被覆雲母、塩基性炭酸亜鉛等の箔粉からなる真珠光
沢顔料等が用いられる。着色は透明着色、不透明(隠
蔽)着色いずれでも可であるが、一般的には、被着体を
隠蔽するために不透明着色が好ましい。
【0020】さらに、必要に応じて、熱安定剤、難燃
剤、ラジカル捕捉剤等を添加する。熱安定剤は、フェノ
ール系、サルファイト系、フェニルアルカン系、フォス
ファイト系、アミン系等公知のものであり、熱加工時の
熱変色等の劣化の防止性をより向上させる場合に用いら
れる。難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マ
グネシウム等の粉末が用いられ、これらは、難燃性を付
与する必要がある場合に添加する。
【0021】これらの材料をブレンドしたものをカレン
ダー製法等の常用の方法により製膜して不透明着色基材
シートを得る。前記のように、得られる基材シートは化
粧シートの基材シートに求められる前記(1)〜
(6)、(9)、(10)の条件を満足する。基材シー
トの厚みは50〜200 μm程度、好ましくは100 μm程度
である。
【0022】アイソタクティクポリプロピレンとアタク
ティクポリプロピレンの混合系からなる複合立体構造を
有するポリプロピレンは、好ましくは、(A)数平均分
子量(Mn)が25000 以上、かつ、重量平均分子量(M
w)と数平均分子量Mnとの比Mw/Mnが7以下の沸
騰ヘプタン可溶性ポリプロピレン(アタクティクポリプ
ロピレン)10〜90重量%と(B)メルトインデックスが
0.1 〜 4g/10分の沸騰ヘプタン不溶性ポリプロピレン
(アイソタクティクポリプロピレン)90〜10重量%とか
らなる軟質ポリプロピレン(詳細には、例えば特公平6-
23278 号公報に記載されている)である。
【0023】(A)成分のアタクティクポリプロピレン
はプロピレンの単独重合体であってもよく、プロピレン
単体と40重量%以下の他の炭素数2 〜30のα−オレフィ
ン単位とを含有するプロピレン共重合体であってもよ
い。また、このアタクティクポリプロピレンは1種用い
てもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0024】(B)成分のアイソタクティクポリプロピ
レンは、立体規則性を有するプロピレン単独重合体であ
ってもよいし、該立体規則性を有するプロピレンと他の
α−オレフィンとの共重合体であってもよい。また、こ
の共重合体に用いられる他のα−オレフィンとしては、
例えば、エチレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセ
ン−1、ヘプテン−1、オクテン−1等が好ましく、中
でも、エチレン及びブテン−1が好適である。また、共
重合体としては、前記の他のα−オレフィン単位を通常
40重量%以下含有するブロック共重合体やランダム共重
合体が用いられる。
【0025】(A)成分と(B)成分の特に好ましい比
率は1:1であり、(B)成分の比率を高くすることに
より、得られる軟質ポリプロピレンのヤング率は高くな
る。この混合系ポリプロピレンには、化粧シートの表面
層として求められる機能を補強するために、所望によ
り、各種添加剤、補強材、充填剤、例えば紫外線吸収
剤、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難
燃剤等が添加される。
【0026】紫外線吸収剤、光安定剤は、樹脂により良
好な耐候性(耐光性)を付与するためのものであり、そ
の添加量は紫外線吸収剤、光安定剤とも通常0.5 〜10重
量%程度である。一般的には、紫外線吸収剤と光安定剤
とを併用するのが好ましい。紫外線吸収剤としては、ベ
ンゾトリアゾール、ベンゾフェノン、サリチル酸エステ
ル等の有機物、又は、0.2 μm径以下の微粒子状の酸化
亜鉛、酸化セリウム、酸化チタン等の無機物を用いるこ
とができる。光安定剤としては、ビス−(2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート等の
ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤、ピペリジン系ラジ
カル捕捉剤等のラジカル捕捉剤を用いることができる。
難燃剤は、基材シートの場合と同様であってよい。
【0027】これらの材料をブレンドしたものをカレン
ダー製法等の常用の方法により製膜して無色又は着色透
明な軟質ポリプロピレン系樹脂フィルムを得る。前記の
ように、得られたフィルムは化粧シートの表面シートに
求められる前記(1)〜(8)、特に、(7)、(8)
の条件を満足する。表面シートの厚みは50〜200 μm程
度、好ましくは100 μm程度である。
【0028】上記の表面シートの基材シートとの接触面
には、好ましくは、基材シートの場合と同様にして、易
接着層の塗布、コロナ放電処理、プラズマ処理等の易接
着処理が施される。
【0029】前記した着色フィルムである基材シートと
上記無色又は着色透明なポリプロピレン系樹脂フィルム
である表面シートは、通常の手段により積層される。積
層方法としては、溶融押し出し塗工(エクストルージョ
ンコート)、熱プレスによる融着、或いは、2液硬化型
ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等の接着剤を用い
たドライラミネート法であってもよい。なお、図1は、
定荷重下における温度と伸びの関係を示すグラフであ
り、その測定法は、各試料から、幅5mm ×長さ10mmのサ
ンプルを用意し、5gの荷重をかけて、上昇温度毎分20℃
で170 ℃まで上昇させつつ、延びを荷重の降下距離とし
て測定した結果であり、曲線aは半硬質塩化ビニルシー
トを、曲線bは結晶性の高密度ポリエチレンをベースと
するシートを、曲線cは後述する本発明による積層シー
トをそれぞれを試料とした場合を示している。
【0030】本発明におけるオレフィン系樹脂フィルム
としては、ポリエチレン、エチレン・プロピレン共重合
体、エチレン・ブテン−1共重合体、ポリプロピレン、
プロピレン・ブテン−1共重合体、ポリブテン−1、ブ
テン−1・プロピレン・エチレン・3元共重合体、ブテ
ン−1・ヘキセン−1・オクテン・1・3元共重合体、
ポリメチルペンテン、或いは特開平6-16832 号公報等に
記載のオレフィン系エラストマー等が使用される。厚さ
は50〜500 μm程度で、延伸シート、未延伸シートのい
づれも使用可能であるが、Vカット加工等の成形適性上
は、未延伸シートの方が良好である。
【0031】これらオレフィン系樹脂フィルムはそれ自
体でも用いられるが、オレフィン系樹脂に柔軟性、耐衝
撃性、易接着性を付与する為に、好ましくは各種ゴム類
を添加する。ゴム類としては、ジエン系ゴム、水素添加
ジエン系ゴム、オレフィンエラストマー等であるがなか
でも水素添加ジエン系ゴムが好ましい。水素添加ジエン
系ゴムは、ジエン系ゴム分子の二重結合の少なくとも一
部分に水素原子を付加させてなるもので、本発明におい
てはポリオレフィン系樹脂の改質剤として、使用され
る。ポリオレフィン系樹脂の結晶化を抑え、柔軟性、透
明性をアップさせる役割がある。又、一般にポリオレフ
ィン樹脂にジエン系ゴムを添加するとジエン系ゴムの二
重結合の為、耐候性、耐熱性はジエン系ゴム無添加のポ
リオレフィン系樹脂より低下するが、本発明では、ジエ
ン系ゴムの二重結合を水素で飽和させる為、ポリオレフ
ィン系樹脂の耐候性、耐熱性の低下もない良好なものと
なる。
【0032】ジエン系ゴムとしては、イソプレンゴム、
ブタジエンゴム、ブチルゴム、プロピレン・ブタジエン
ゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、アクリロニ
トリル・イソプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム等
がある。本発明の目的からは特にスチレン・ブタジエン
ゴムが好ましい。添加量としては、オレフィン系樹脂10
0 重量部に対し、1 〜90重量部程度とする。1重量部未
満だと、ゴム添加による弾性、伸び率、耐衝撃性が不足
し、Vカット加工、絞り加工等の折り曲げ加工時に亀
裂、割れを生じ易くなる。又、90重量部以上だと、弾
性、及び伸び率が大きくなりすぎ、印刷時の見当合わせ
が不良になり好ましくない。さらに、本発明のオレフィ
ン系樹脂フィルムに、オレフィン系以外の樹脂を積層し
た構成も使用できる。該ポリオレフィン系以外の樹脂と
して、アクリル樹脂、エチレン・ビニルアルコール共重
合体樹脂、又は熱可塑性ポリエステル樹脂のいずれかか
ら選択したものが使用される。此処において、アクリル
樹脂としては、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ
(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸プ
ロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アク
リル酸メチル・(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、エ
チレン・(メタ)アクリル酸メチル共重合体、スチレン
・(メタ)アクリル酸メチル共重合体の(メタ)アクリ
ル酸エステルを含む単独又は共重合体からなるアクリル
樹脂のことである。このアクリル樹脂シートの厚さは、
20〜100 μm程度である。
【0033】本発明の装飾処理とは、顔料添加による着
色(透明又は不透明着色)、模様の印刷、エンボス加工
(加熱プレス)、ヘアライン加工等による凹凸模様賦形
等のことである。
【0034】また、顔料添加としては、チタン白、亜鉛
華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、黄
鉛,カーボンブラック等の無機顔料、イソインドリノ
ン、ハンザイエローA、キナクリドン、パーマネントレ
ッド4R、フタロシアニンブルー、インダスレンブルー
RS、アニリンブラック等の有機顔料(或いは染料も含
む)、アルミニウム、真鍮等の金属顔料、二酸化チタン
被覆雲母、塩基性炭酸亜鉛等の箔粉からなる真珠光沢
(パール)顔料である。
【0035】これらは、粉末、或いは鱗片状箔片として
添加、分散せしめられる。
【0036】絵柄印刷としては、グラビア印刷、凹版印
刷、オフセット印刷、活版印刷、フレキソ印刷、シルク
スクリーン印刷、せいでん印刷、インクジェット印刷等
が挙げられる。もしくは、別に離型性シート上に一旦絵
柄模様を形成して、転写シートを作成し、得られた転写
シートを用いて転写印刷によって形成してもよい。
【0037】絵柄模様としては、木目模様、石目模様、
布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、線画、
各種抽象模様や全面ベタ印刷等がある。模様はシートの
表面、裏面、表裏両面、或いは層間に設ける。
【0038】また、絵柄印刷用のインキとしては種々の
ものを用いることができ、着色剤、体質顔料、結着剤、
硬化剤、添加剤、溶剤等からなる組成物を使用すること
ができる。なお、結着剤としては、特に、制限はなく、
塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、酢酸ビニ
ル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹
脂等の熱可塑性樹脂、ポリウレタン等の常温又は熱硬化
性樹脂、またはアクリル系等の電離放射線硬化型樹脂な
ど通常のものが使用できる。
【0039】オレフィン系樹脂フィルムに直接印刷する
場合は、結着剤として塩素化ポリオレフィン、ポリウレ
タン等が接着性の点で好ましいが、易接着プライマー層
を適当に選択して層形成すれば、その他の結着剤を用い
ても十分な接着性を与える。
【0040】本発明の表面には、凹凸模様の凹部を形成
するには、例えば、その方法として加熱加圧によるエン
ボス加工法があり、このエンボス加工法は、ポリオレフ
ィン樹脂を加熱軟化させ、エンボス版で加圧、賦形し、
冷却固定して形成するもので、公知の枚葉、或いは輪転
式のエンボ機が用いられる。
【0041】凹凸形状としては、木目板導管溝、石板表
面凹凸(花崗岩劈開面等)、布表面テクスチャア、梨
地、砂目、ヘアライン、万線条溝である。
【0042】さらに、上記のエンボス法により設けられ
た凹陥部にはワイピング法により、着色剤を施してもよ
く、ワイピング法としては、ドクターブレード法または
ナイフコート法にて凹陥部を含む表面全面に着色剤イン
キを塗布し凹陥部以外の表面から着色剤インキを除去す
ることにより、凹陥部に着色剤を充填する方法を用いる
ことができる。着色剤を形成するための着色剤インキと
しては、有機顔料と無機顔料、光輝性顔料等の着色顔料
と、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化型樹
脂等の結着剤樹脂とこれらと溶解する溶剤とからなるベ
ヒクルとからなるインキ、エマルジヨン型の水系タイプ
インキを使用できる。
【0043】更に金属薄膜層を全面又は部分的にパター
ン状に積層してもよく、この金属薄膜は、アルミニウ
ム、クロム、金、銀、銅等の金属を用い、真空蒸着、ス
パッタリング等の方法で製膜する。或いはこれらの組み
合わせでもよい。
【0044】本発明の易接着プライマー層としては、そ
のバインダー樹脂としてアクリル、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体、ポリエステル、ポリウレタン、塩素化ポ
リプロピレン、塩素化ポリエチレンが使用されるが、特
に塩素化ポリプロピレンが望ましい。
【0045】アクリルとしては、ポリ(メタ)アクリル
酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メ
タ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチ
ル、(メタ)アクリル酸メチル・(メタ)アクリル酸ブ
チル共重合体、(メタ)アクリル酸エチル・(メタ)ア
クリル酸ブチル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル
酸メチル共重合体、スチレン・(メタ)アクリル酸メチ
ル共重合体の(メタ)アクリル酸エステルを含む単独又
は共重合体からなるアクリル樹脂{但し、ここで(メ
タ)アクリルとはアクリル又はメタアクリルを意味す
る}等が用いられる。
【0046】ポリウレタンとはポリオール(多価アルコ
ール)を主剤とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)
とするポリウレタンである。ポリオールとしては、分子
中に2個以上の水酸基を有するもので、例えばポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリル
ポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポ
リオール等が用いられる。
【0047】また、イソシアネートとしては、分子中に
2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネー
トが用いられる。例えば、2−4トリレンジイソシアネ
ート、キシレンジイソシアネート、4−4ジフェニルメ
タンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、或い
はヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソ
シアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素
添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(な
いしは脂環族)イソシアネートが用いられる。
【0048】体質顔料としてのシリカは、プライマー層
全重量(乾燥状態)に対して、好ましくは21〜29重量
%、好ましくは22〜28重量%を添加して使用することが
できる。シリカの添加量が、21重量%未満であると、巻
取り加工時にブロッキングが発生し、29重量%を超えて
添加すると、易接着性が劣る結果となる。
【0049】被着体としては各種素材の平板、曲面板等
の板材、シート(或いはフィルム)等の各種形状の物品
が対象となる。板材或いはシート(フィルム)のいづれ
にも用いられる素材としては、木材単板、木材合板、パ
ーティクルボード、中密度繊維板(MDF)等の木材
板、木質繊維板等の木質板、鉄、アルミニウム等の金
属、アクリル、ポリカーボネート、エチレン・酢酸ビニ
ル共重合体、エチレンビニルアセテート、ポリエステ
ル、ポリスチレン、ポリオレフィン、ABS、フェノー
ル樹脂、ポリ塩化ビニル、セルロース系樹脂、ゴム等の
樹脂、専ら板材、或いは立体形状物品として用いられる
素材としては、硝子、陶磁器等のセラミックス、ALC
(発泡軽量コンクリート)等のセメント、珪酸カルシウ
ム、石膏等の非セメント窯業系材料、専らシート(或い
はフィルム)として用いられる素材としては、上質紙、
和紙等の紙、炭素、石綿、チタン酸カリウム、硝子、合
成樹脂等の繊維からなる不織布又は織布等がある。
【0050】これら各種被着体への積層方法としては、
例えば接着剤層を間に介して板状基材に加圧ローラー
で加圧して積層する方法、特公昭50-19132号公報、特
公昭43-27488号公報等に記載される様に、化粧シートを
射出成形の雌雄両金型間に挿入して、両金型を閉じ、雄
型のゲートから溶融樹脂を射出充填して後、冷却して樹
脂成形品の成形と同時にその表面に化粧シートを接着積
層する、所謂射出成形同時ラミネート法、特公昭56-4
5768号公報、特公昭60-58014号公報等に記載される様
に、成形品の表面に化粧シートを間に接着剤層を介して
対向ないしは載置し、成形品側からの真空吸引による圧
力差により化粧シートを成形品表面に積層する、所謂真
空プレス積層方法、特公昭61-5895 号公報、特公平3-
2666号公報等に記載される様に、円柱、多角柱等の柱状
基材の長軸方向に、化粧シートを間に接着剤層を介して
供給しつつ、複数の向きの異なるローラーにより、柱状
体を構成する複数の側面に順次化粧シートを加圧接着し
て積層してゆく、所謂ラッピング加工方法、実公大15
-31122号公報、特開昭48-47972号公報等に記載される様
に、先ず化粧シートを板状基材に接着剤層を介して積層
し、次いで板状基材の化粧シートとは反対側の面に、化
粧シートと板状基材との界面に到達する、断面がV字
状、又はU字状を切削し、次いで該溝内に接着剤を塗布
した上で、該溝を折り曲げ箱体又は柱状体を形成する所
謂、Vカット又はUカット加工方法、等がある。
【0051】本発明の化粧シートは各種被着体に積層
し、所定の成形加工等を施して、各種用途に用いる。例
えば、壁、天井、床等建築物の内装、窓枠、扉、手摺、
等の建具の表面化粧、家具又は弱電・OA機器のキャビ
ネットの表面化粧、自動車、電車等の車両内装、航空機
内装、窓硝子の化粧等である。
【0052】図2に示すように、基材シート1が被着体
30に面する側に易接着プライマー層4を設ける、基材
シート1に積層した表面シート2と模様層3との間に易
接着層4を設ける場合がある。模様処理としては、図2
に示すような模様4の印刷、図2に示すようなエンボス
加工(加熱プレス)、ヘアライン加工等による凹凸模様
賦形5等であってもよく、さらに、凹凸模様5の凹部に
公知のワイピング法によって、着色インキ6を充填する
こともできる。
【0053】模様印刷としては、グラビア印刷、オフセ
ット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シートからの転
写印刷等公知の印刷法を用いインキ(或いは塗料)にて
模様を形成する。模様としては、木目模様、石目模様、
布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、或いは
全面ベタ等がある。インキ(或いは塗料)としては、バ
インダーとして、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロ
ピレン等の塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリ
ウレタン、アクリル、酢酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビ
ニル共重合体、セルロース系樹脂等を用い、一種又は二
種以上混合して用いる。これに前記に列挙した様な公知
の顔料を添加した物を用いる。
【0054】基材シートに直接印刷する場合は、バイン
ダーとして塩素化ポリオレフィン、ポリウレタン等が接
着性の点で好ましいが、易接着プライマーを適当に選択
して層形成すれば、その他のバインダーを用いても十分
な接着性を与える。エンボス加工としては、基材シート
を加熱軟化させ、エンボス版で加圧、賦形し、冷却固定
して形成するもので、公知の枚葉、或いは輪転式のエン
ボス機が用いられる。凹凸形状としては、木目板導管
溝、石板表面凹凸(花崗岩劈開面等)、布表面テクスチ
ュア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等である。着
色インキは前記と同様の物が可能である。但し、耐磨耗
性の点で、2液硬化型ウレタン樹脂をバインダーとする
物が好ましい。
【0055】金属薄膜は、アルミニウム、クロム、金、
銀、銅等の金属を用い、真空蒸着、スパッタリング等の
方法で製膜する。或いはこれらの組み合わせでもよい。
該金属薄膜は、全面に設けても、或いは、部分的にパタ
ーン状に設けてもよい。
【0056】さらに、前記積層シートの表面シート側の
表面にも、必要に応じて模様層を形成する。模様処理と
しては、エンボス加工(加熱プレス)、ヘアライン加工
等による凹凸模様賦形、或いは、模様の印刷であっても
よい。本発明の表面シートの上に艶調整保護コート層を
形成することもできる。バインダーとして塩素化ポリオ
レフィン、2液硬化ポリウレタン等が好ましく、また、
電離放射線硬化型樹脂も用い得る。電離放射線硬化型樹
脂は、具体的には、分子中に重合不飽和結合又はカチオ
ン重合性官能基を有するプレポリマー、ポリマー及び/
又はモノマーを適宜混合した電離放射線により硬化可能
な組成物が好ましくは用いられる。なお、ここで電離放
射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち分子を重合ある
いは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、
通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられ
る。
【0057】硬質塗膜を形成する電離放射線硬化型樹脂
は、具体的には、分子中に(メタ)アクリロイル基、
(メタ)アクリロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽
和基、エポキシ基等のカチオン重合性官能基又はチオー
ルを2個以上有する単量体、プレポリマー又はポリマー
からなる。これら単量体、プレポリマー又はポリマーは
単体で用いるか、あるいは複数種混合して用いる。な
お、ここで、例えば、(メタ)アクリロイル基とは、ア
クリロイル基又はメタアクリロイル基の意味で用いてい
る。
【0058】ラジカル重合性不飽和基を有するプレポリ
マーの例としては、ポリエステル(メタ)アクリレー
ト、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)
アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリア
ジン(メタ)アクリレート等が使用できる。分子量とし
ては、通常250 〜10000 程度のものが用いられる。ラジ
カル重合性不飽和基を有するポリマーとしては、上記ポ
リマーの重合度を10000程度以上としたものが用いられ
る。
【0059】カチオン重合性官能基を有するプレポリマ
ーの例としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボ
ラック型エポキシ樹脂等のエポキシ系樹脂、脂肪族系ビ
ニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル等のビニルエー
テル系樹脂等のプレポリマーがある。ラジカル重合性不
飽和基を有する単量体の例としては、(メタ)アクリレ
ート化合物の単官能単量体としては、例えば、メチル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等
がある。
【0060】ラジカル重合性不飽和基を有する多官能単
量体の例としては、ジエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、プロピレンクリコールジ(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレート等がある。
【0061】カチオン重合性官能基を有する単量体の例
としては、上記カチオン重合性官能基を有するプレポリ
マーの単量体が利用できる。チオール基を有する単量体
の例としては、トリメチロールプロパントリチオグリコ
レート、ジペンタエリスリトールテトラチオグリコレー
ト等がある。
【0062】紫外線又は可視光線にて硬化させる場合に
は、電離放射線硬化型樹脂中に光重合開始剤を添加す
る。ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合は、
光重合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノ
ン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチ
ルエーテル等を単独又は混合して用いることができる。
また、カチオン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、
光重合開始剤として、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ス
ルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合
物、ベンゾインスルホン酸エステル等を単独又は混合物
として用いることができる。なお、これらの光重合開始
剤の添加量としては、該電離放射線硬化型樹脂100 重量
%に対して、0.1 〜10重量%程度である。
【0063】艶消しにする場合には、艶消(光拡散)剤
を添加する。艶消剤としては、炭酸カルシウム、シリ
カ、アルミナ、硫酸バリウム、ウレタン樹脂ビーズ、ポ
リカーボネート樹脂ビーズ等の粒径 1〜30μm程度の微
粒子が有効である。膜厚は 1〜100 μm程度が好まし
い。本発明において、得られる積層シート(化粧シー
ト)10は、延伸・未延伸いづれのシートも使用可能で
あるが、エンボス加工適性、Vカット加工等の成形加工
適性の点からは未延伸シートの方が好ましい。
【0064】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。
【0065】(実施例1〜3)オレフィン系樹脂フィル
ム(タツノ化学株式会社製 F21)に、プライマー層
(昭和インク工業株式会社製 AFSメジウム、ウレタ
ン2液硬化型)、絵柄印刷層(昭和インク工業株式会社
製 化X、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂・アク
リル系樹脂)を順次設ける。上記絵柄印刷層面側に、透
明艶消しアクリルフィルム(三菱レイヨン株式会社製
HBS−027、厚み30μm) を、木目導管模様のロー
ルエンボスによりラミネートと同時にエンボス加工を行
う、即ちダブリングエンボスする(ラミネート温度120
℃、エンボス圧力20Kg)。上記で得られた凹陥部に、ワ
イピングインキ(昭和インク工業株式会社製 PW−1
2、アクリルポリオール、イソシアネート2液硬化型)
をドクターブレードにより充填して化粧シートを得た。
次に、上記で得られた化粧シートのエンボス凹陥部を有
する表面に表面保護及び艶調整のためにトップコートイ
ンキ(昭和インク工業株式会社製 OP−A12、アク
リルポリオール・イソシアネート2液硬化型)をグラビ
アコート法により塗布形成した。さらに、上記化粧シー
トのオレフィン系樹脂フィルムの裏面側に、プライマー
(昭和インク工業株式会社製 OP−A12、シリカ含
有ウレタン2液型インキ)を表1の組成の各インキをグ
ラビアコート法により塗布形成した。このプライマー層
側と合板を接着剤(コニシ株式会社製 CVC−36、
ウレタン変性ビニル系エマルジョン型)で貼り合わせて
化粧材を得た。得られた化粧シート及び化粧材の物性
は、表2のような結果が得られた。 (実施例4) (1)高密度ポリエチレン60重量%をベースに熱可塑性
エラストマーとしてスチレン−ブタジエンゴムを30重量
%、無機添加剤として炭酸カルシウム10重量%、また、
着色顔料として弁柄とカーボンブラックを5 重量%添加
して、熱安定剤及びヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤
を5 重量%ブレンドしたものをカレンダー製法にて厚み
100μmに成膜した不透明着色シートを成製した。
【0066】(2)上記着色シートの表裏面にコロナ放
電処理あと、裏面側にシリカを8重量%含むウレタン系
プライマーコート(ヘキサメチルイソシアネート+アク
リルポリオール)(昭和インク工業株式会社製)、表面
側にウレタン系プライマーコート(同上)(昭和インク
工業株式会社製)及び柾目柄印刷(昭和インク工業株式
会社製 化X)を施し、印刷シートを得た。
【0067】(3)上記印刷シートの上に、厚さ 100μ
mのアイソタクティクポリプロピレン50重量%とアタク
ティクポリプロピレン50重量%の混合系ポリプロピレン
に紫外線吸収剤としてヘンゾトリアゾール系紫外線吸収
剤を3000ppm 、光安定剤としてヒンダーミント系ラジカ
ル捕捉剤を5000ppm 添加したことからなる軟質透明ポリ
オレフィンフィルムを、その裏面ラミネート面にコロナ
処理を施したのち、接着剤( 大日精化工業株式会社:E
288L)を用いてラミネートし、さらに、軟質透明ポ
リオレフィンフィルム側の表面に木目導管模様をエンボ
ス加工した。
【0068】該エンボス加工面にコロナ処理を施した
後、エンボス面に着色インキ(昭和インク工業株式会社
製:PE−12)を充填し、艶調整コート(昭和インク
工業株式会社:OP−A4)を施して化粧シートを得
た。
【0069】(4)得られた化粧シートから、幅5mm ×
長さ10mmのサンプルを得、荷重5g、上昇温度毎分20℃で
170℃まで上昇させつつ延びを測定したところ(TMA
測定)、図1(c)に示すように、半硬質塩化ビニルシ
ートより約15℃温度域の高いところで、同様の挙動を示
すことがわかった。
【0070】(比較例1〜3)上記の実施例において、
プライマー層組成が表1とした以外は実施例と同様にし
て化粧シート及び化粧材を得た。得られた化粧シート及
び化粧材の物性は、表2のような結果が得られた。 (以下余白) (物性測定方法) 耐熱クリープ:60℃オーブン中でシート貼り合わせ面を
下にした板を水平に固定する。シートの一端を剥離し、
そこに500g重の重りをつり下げ、1 時間以上放置し、剥
がれた長さが5mm 以下を合格(○)とする。 局部荷重膨れ:10mm×20mmのシートを貼り合わせた合板
の両面に10mm(厚さ)×50mm×150mm のアクリル板を重
ね、アクリル板の4隅にドリルで孔を開け、ボルトナッ
トにて 22Kgfのトルクで締めつけてサンプルを作る。得
られたサンプルを60℃(2時間) ←→−20℃(2時間) のヒ
ートサイクルを10回繰り返し、局部膨れの無いものを合
格(○)とする。 ブロッキング:展色直後にそのシートを5 枚ずつ重ね合
わせ、2Kg/cm2 の荷重を加えて10時間後にシート間にプ
ロッキングの無いものを合格(○)とする。
【0071】
【発明の効果】本発明による材質及び層構成により得ら
れるポリオレフィン系の化粧シートは、ポリ塩化ビニル
並みの熱成形性を有し、温度変化にともなう一定荷重時
伸度の変化がポリ塩化ビニルとほぼ同等の緩やかで連続
的に変化し、また、加熱→冷却に伴う強度低下等の材料
力学的特性の劣化が生じない。さらに、耐クリープ変形
性がよく、外装材や内装材には建具や家具による定荷重
が長時間かけられても荷重部分がめくれたり、剥がれた
りすることがない。
【0072】その他、耐寒折り曲げ強度、耐有機溶剤性
がよく、Vカット加工時等に必要な破断時伸度、耐衝撃
強度、曲げ加工部での化粧シートの追従性のために必要
な曲げ弾性率の値も要求を満たすものである。
【0073】透明性が良好で、エンボス加工等にともな
う加熱と冷却が加わっても、再結晶による白化、濁りを
生じない。
【0074】また、被着体への接着性もよく、製品とし
た状態での耐候性にも優れた化粧シートである。
【図面の簡単な説明】
【図1】素材の違う各種化粧シートの温度−伸びの関係
を示すグラフ
【図2】本発明による化粧シートを説明する断面図
【符号の説明】
1 基材シート 2 表面シート 3 模様 4 易接着プライマー層 5 エンボス等の凹凸模様 6 着色インキ 10 化粧シート 20 接着剤 30 被着体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アイソタクティクポリプロピレンとアタ
    クティクポリプロピレンの混合系からなる複合立体構造
    を有する表面シートとしての無色又は着色透明な軟質ポ
    リプロピレン系樹脂フィルムの裏面に、主原料が高密度
    ポリエチレン、熱可塑性エラストマー、着色剤、及び無
    機充填剤からなる基材シートとしての装飾処理を施した
    着色フィルム、及びシリカを含む易接着プライマー層を
    此の順に積層してなることを特徴とする化粧シート。
JP26905696A 1996-09-20 1996-09-20 化粧シート Expired - Fee Related JP3191043B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26905696A JP3191043B2 (ja) 1996-09-20 1996-09-20 化粧シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26905696A JP3191043B2 (ja) 1996-09-20 1996-09-20 化粧シート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1095078A JPH1095078A (ja) 1998-04-14
JP3191043B2 true JP3191043B2 (ja) 2001-07-23

Family

ID=17467057

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26905696A Expired - Fee Related JP3191043B2 (ja) 1996-09-20 1996-09-20 化粧シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3191043B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012181418A (ja) * 2011-03-02 2012-09-20 Dic Corp 車両ステッカー用粘着フィルム

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1095078A (ja) 1998-04-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4450845B2 (ja) 化粧シート
JP3990795B2 (ja) 化粧シート
JP3678851B2 (ja) 化粧シート
JP4073538B2 (ja) 化粧シート、化粧板及び化粧シートの製造方法
JP3791717B2 (ja) 化粧シート
JP3004928B2 (ja) 化粧シート
JP3093156B2 (ja) 化粧シート
JP3191043B2 (ja) 化粧シート
JP3868647B2 (ja) 化粧シート
JP4571244B2 (ja) 化粧シート
JP4347936B2 (ja) 化粧シート
JP3846812B2 (ja) 化粧シート及び該シートを用いた化粧材
JP3714753B2 (ja) 化粧シート
JP3051532U (ja) 床 板
JP2916130B1 (ja) 化粧シート
JP4578512B2 (ja) 化粧シート
JP3051530U (ja) 床 板
JPH10305550A (ja) 化粧シート及び化粧シートの製造方法
JPH11216833A (ja) 化粧シート
JP3051531U (ja) 床 板
JPH11207894A (ja) 化粧シート
JP3051179U (ja) 化粧扉
JP3051177U (ja) 化粧扉
JP3162331B2 (ja) 化粧シート
JP3051178U (ja) 化粧扉

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20010327

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080525

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090525

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090525

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100525

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110525

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120525

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120525

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130525

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140525

Year of fee payment: 13

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees