JP2000211070A - 化粧シ―ト - Google Patents

化粧シ―ト

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JP2000211070A
JP2000211070A JP11015814A JP1581499A JP2000211070A JP 2000211070 A JP2000211070 A JP 2000211070A JP 11015814 A JP11015814 A JP 11015814A JP 1581499 A JP1581499 A JP 1581499A JP 2000211070 A JP2000211070 A JP 2000211070A
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亨 阪本
Takashi Kitaguchi
貴司 北口
Kenshiro Chihara
憲四郎 千原
Kazuyasu Kono
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建築物の内装、建具の表面化粧、車両内装の
表面化粧等に使用される化粧シートであって、印刷層を
設けたオレフィン系樹脂からなる基材シートにアクリル
系樹脂からなる保護層を積層してなる従来の化粧シート
は、印刷層の耐候性が悪いか、又は印刷層の耐候性には
優れるが印刷層とアクリル樹脂からなる保護層等との層
間密着性が悪いものであって、従来から公知の方法では
耐候性及び層間密着性に優れる上記構成の化粧シートを
製作することができなかった。 【解決手段】 オレフィン系樹脂からなる基材シート2
に印刷層3、アクリル系樹脂からなる保護層4を順次積
層してなる化粧シートにおいて、印刷層のバインダーに
相互に混合可能なアクリル樹脂とウレタン樹脂からなる
混合物を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の内装、建
具の表面化粧、車両内装等に用いる表面化粧シートとし
て利用可能な装飾性に優れた化粧シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、基材シートの表面に熱可塑性
樹脂からなる表面樹脂層を設けた化粧シートが公知であ
る。例えば特開昭51−34967号公報には、塩化ビ
ニル系樹脂又はポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂
を溶融状態とした後、任意模様を印刷した紙、不織布等
の多孔性基材の表面に重ね押圧し、該基材に上記熱可塑
性樹脂を浸透させてなる化粧シートが開示されている。
【0003】また近年、塩化ビニル樹脂を用いない化粧
シートが提案されている。このような化粧シートとして
例えば、隠蔽性を有するポリオレフィン系樹脂よりなる
基材シートの表面に、印刷層、接着剤層、熱可塑性透明
エラストマーフィルム層を順次積層し、積層と同時にエ
ンボス加工によるエンボス模様を施してなるエンボス化
粧シート(特開平6−79830号公報)や、隠蔽性を
有するポリオレフィン系樹脂よりなる基材シート上に印
刷層を設け、ポリオレフィン系や透明樹脂を溶出して積
層すると同時にエンボス凹部を設け、該エンボス凹部を
着色インキで充填してなるワイピング化粧シート(特開
平6−79850号公報)等が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来は、上記オレフィ
ン系樹脂よりなる基材シート上に印刷層を設ける場合、
印刷層を形成するインキのバインダーに酢酸ビニル、塩
化ビニル・酢酸ビニル共重合体を用いていた。しかしな
がら、酢酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体は
オレフィン系樹脂よりなる基材シート中の紫外線吸収
剤、光安定剤等の耐候性を失活させ、これらの樹脂をバ
インダーに用いた化粧シートは耐候性が不充分で長時間
紫外線に曝されると印刷層と基材シート又は保護層との
層間密着性が低下し、印刷層がその界面において剥離し
易くなるという欠点を有していた。一方、上記インキの
バインダーにアクリル樹脂を用いると化粧シートの耐候
性は向上するが、アクリル樹脂は上記各種の樹脂と比較
すると固い樹脂なので層間密着性に劣り、アクリル樹脂
をインキのバインダーとして使用した化粧シートは実用
に耐えないものであった。従って、耐候性に優れると同
時に層間密着性も良好なバインダーとして使用できる樹
脂は存在せず、その結果従来技術では、印刷を施したオ
レフィン系樹脂からなる基材シートにアクリル系樹脂か
らなる保護層を積層した化粧シートであって、耐候性及
び層間密着性が優れているものを得ることができなかっ
た。
【0005】上記の従来技術の問題点を解決するため本
発明者等は鋭意研究した結果、本発明に到達した。本発
明は印刷を施したオレフィン系樹脂からなる基材シート
にアクリル系樹脂からなる保護層を積層した化粧シート
であって、耐候性に優れると共に層間密着性にも優れた
化粧シートを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち本発明の化粧シート
は、オレフィン系樹脂からなる基材シートに印刷層、ア
クリル系樹脂からなる保護層を積層してなる化粧シート
であって、印刷層のバインダーが相互に混合可能なアク
リル樹脂とウレタン樹脂からなる混合物であることを特
徴とする。
【0007】上記印刷層のバインダーに用いられる相互
に混合可能なアクリル樹脂とウレタン樹脂の重量比は、
1:1〜9:1であることが好ましく、該保護層の表面
には凹凸模様を形成することが好ましく、該凹凸模様の
凹陥部には着色層を設けることが更に好ましく、該保護
層表面には表面保護層を設けることが好ましい。又、本
発明の化粧シートの基材シート裏面には易接着処理を施
すことが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づき詳細
に説明する。図1は、本発明の化粧シート1の基本的構
成を示す縦断面図である。図1において、2はオレフィ
ン系樹脂からなる基材シートを、3は基材シート2の表
面に設けられた印刷層を、4は印刷層3の表面に設けら
れたアクリル樹脂からなる保護層をそれぞれ示す。
【0009】基材シート2は、オレフィン系樹脂であれ
ばいかなるものでも使用できるが、 主原料がハードセグメントとしての高密度ポリエチレ
ン又はポリプロピレンのいずれかからなり、これにソフ
トセグメントとしてのエラストマー及び無機充填剤を添
加してなる混合物を用いることができる。また、特開
平4:111055号公報、特開平5−77371号公
報、特開平7−316358号公報等に記載されるエチ
レン−プロピレン−ブテン共重合体を基材シート2に用
いることもでき、特公平6−23278号公報記載の
ハードセグメントであるアイソタクチックポリプロピレ
ンとソフトセグメントとしてのアタクチックポリプロピ
レンとの混合物を基材シート2に用いることもできる。
【0010】前記のオレフィン系樹脂におけるハード
セグメントとしての高密度ポリエチレンとしては、好ま
しくは、比重が0.94〜0.96のポリエチレンであ
って、低圧法で得られる結晶化度が高く、分子に枝分か
れ構造の少ない高分子である高密度ポリエチレンが用い
られる。また、ハードセグメントとしてのポリプロピレ
ンとしては、好ましくは、アイソタクチックポリプロピ
レンが用いられる。
【0011】前記のソフトセグメントとしてのエラス
トマーとしては、ジエン系ゴム、水素添加ジエン系ゴ
ム、オレフィンエラストマー等が用いられる。水素添加
ジエン系ゴムは、ジエン系ゴム分子の二重結合の少なく
とも一部分に水素原子を付加させてなるもので、ポリオ
レフィン系樹脂の結晶化を抑えて、その柔軟性を向上さ
せる。ジエン系ゴムとしては、イソプレンゴム、ブタジ
エンゴム、ブチルゴム、プロピレン・ブタジエンゴム、
アクリロニトリル・ブタジエンゴム、アクリロニトリル
・イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム等がある。
オレフィンエラストマーとしては、2種類又は3種類以
上のオレフィンと共重合しうるポリエンを少なくとも1
種類加えた弾性共重合体であり、オレフィンとしてはエ
チレン、プロピレン、α−オレフィン等が使用され、ポ
リエンとしては、1,4ヘキサジエン、環状ジエン、ノ
ルボルネン等が使用される。好ましいオレフィンエラス
トマーとしては、例えばエチレン−プロピレン共重合体
ゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエンゴム、エチ
レン−ブタジエン共重合体ゴム等のオレフィンを主成分
とする弾性共重合体が挙げられる。なお、これらのエラ
ストマーは、必要に応じて有機過酸化物、硫黄等の架橋
剤を用いて、過重架橋させても良い。
【0012】これらエラストマーの添加量としては、1
0〜60重量%、好ましくは30重量%程度である。1
0重量%より低いと一定荷重伸度の変化が急峻になり過
ぎ、また、破断時伸度、耐衝撃性、易接着性の低下が生
じ、60重量%より高いと透明性、耐候性および耐クリ
ープ性の低下が生ずる。
【0013】又、前記の無機充填剤としては、炭酸カ
ルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルク等の平均粒径
0.1〜10ミクロン程度の粉末が用いられる。添加量
としては、1〜60重量%程度、好ましくは5〜30重
量%程度である。1重量%未満では耐クリープ変形性及
び易接着性の低下が生じ、60重量%を超えると破断時
伸度及び耐衝撃性の低下が生じる。
【0014】前記のオレフィン系樹脂としては、エチ
レン・プロピレン・ブテン共重合体樹脂からなる熱可塑
性エラストマーが用いられる。ここで、ブテンとして
は、1ブテン、2ブテン、イソブチレンの3種の構造異
性体のいずれも用いることができる。共重合体として
は、ランダム共重合体であって、非晶質の部分を一部含
む。
【0015】上記エチレン・プロピレン・ブテン共重合
体樹脂の好ましい具体例としては、次の(i)〜(iii)
が挙げられる。 (i)特開平4:111055号公報に記載されるエチ
レン、プロピレン及びブテンの3元共重合体によるラン
ダム共重合体。単量体成分の重量比率はプロピレンが9
0重量%以上である。メルトフローレートは、230°
C、2.16kgの条件下で1〜50g/10分である
ことが好ましい。このような3元ランダム共重合体10
0重量部に対して、上記ランダム共重合体は、燐酸アリ
ールエステル化合物を主成分とする透明造核剤を0.0
1〜50重量部、炭素数を12〜22の脂肪酸アミド
0.003〜0.3重量部を溶融混練してなるものであ
る。
【0016】(ii)特開平5−77371号公報に記載さ
れるエチレン、プロピレン及びブテンの3元共重合体で
あって、プロピレン重量比率が50重量%以上の非晶質
重合体20〜100重量%に、結晶質ポリプロピレンを
80〜0重量%添加してなるエチレン・プロピレン・ブ
テン共重合体。
【0017】(iii)特開平7−316358号公報に記
載されるエチレン、プロピレン、1ブテンの3元共重合
体であって、プロピレン及び/又は1ブテン含有率が5
0重量%以上の低結晶質重合体20〜100重量%に、
アイソタクチックポリプロピレン等の結晶性ポリオレフ
ィン80〜0重量%を混合した組成物に対して、Nアシ
ルアミノ酸アミン塩、Nアシルアミノ酸エステル等の油
ゲル化剤を0.5重量%添加したエチレン・プロピレン
・ブテン共重合体。
【0018】上記(i)〜(iii)のエチレン・プロピレ
ン・ブテン共重合体樹脂は、単独で用いても良いし、該
エチレン・プロピレン・ブテン共重合体樹脂に必要に応
じて更に他のポリオレフィン樹脂を混合して用いても良
い。
【0019】前記のオレフィン系樹脂としては、特公
平6−23278号公報記載の(A)ソフトセグメント
として数平均分子量Mnが25000以上、且つ重量平
均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mn≦7
の沸騰ヘプタンに可溶なアタクチックポリプロピレン1
0〜90重量%と、(B)ハードセグメントとしてのメ
ルトインデックスが0.1〜4g/10分の沸騰ヘプタ
ン不溶性のアイソタクチックポリプロピレン90〜10
重量%との混合物からなる軟質ポリプロピレンが挙げら
れる。
【0020】上記のオレフィン系熱可塑性エラストマ
ーの中でも、アイソタクチックポリプロピレンとアタク
チックポリプロピレンの混合物からなり、且つアタクチ
ックポリプロピレンの重量比率が5〜50重量%のもの
が好ましく、アタクチックポリプロピレンの重量比率が
20〜40重量%のものが特に好ましい。アタクチック
ポリプロピレンの重量比率が5重量%未満ではエンボス
加工をしたり、3次元形状や凹凸形状の物品に成形加工
する際にネッキングによる不均一なシートの変形や、そ
の結果としての皺、絵柄の歪み等が生ずる。一方、アタ
クチックポリプロピレンの重量比率が50重量%を超え
ると、シート自体が変形し易くなり、シートを印刷機に
通した時にシートが変形し、印刷層の絵柄の歪み、多色
刷の場合に見当が合わなくなる等の不良が発生しやすく
なり、成形時においてはシートが破れ易くなる。
【0021】前記基材シート2のオレフィン系樹脂中に
は必要に応じて、着色剤、熱安定剤、難燃剤、紫外線吸
収剤、ラジカル捕捉剤等が添加される。着色剤として
は、チタン白、亜鉛華、べんがら、朱、群青、コバルト
ブルー、チタン黄、黄鉛、カーボンブラック等の無機顔
料、イソインドリノン、ハンザイエローA、キナクリド
ン、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブルー等
の有機顔料あるいは染料、アルミニウム、真鍮等の箔粉
からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸
亜鉛等の箔粉からなる真珠光沢顔料等が用いられる。着
色剤は、基材シートに化粧シートとして必要な色彩を持
たせるために添加され、透明着色と不透明(隠蔽)着色
のいずれでも構わないが、一般的には被着体を隠蔽する
ために不透明着色が好ましい。
【0022】又、熱安定剤としては、フェノール系、サ
ルファイト系、フェニルアルカン系、フィスファイト
系、アミン系等公知のものが使用でき、熱加工時の熱変
色等の劣化の防止の向上を図る場合に用いられる。難燃
剤は、難燃性を付与する場合に添加され、水酸化アルミ
ニウム、水酸化マグネシウムなどの粉末が用いられる。
【0023】紫外線吸収剤は、樹脂により良好な耐候性
(耐光性)を付与するためのものであり、ベンゾトリア
ソール、ベンゾフェノン、サリチル酸エステル等の有機
物、又は、0.2μm径以下の微粒子状の酸化亜鉛、酸
化セリウム、酸化チタン等の無機物が用いられる。その
他に、ベンゾトリアゾール骨格にアクリロイル基又はメ
タクリロイル基を導入した反応型紫外線吸収剤も用いら
れる。尚、これらの紫外線吸収剤の添加量は、通常0.
5〜10重量%程度である
【0024】紫外線による劣化を更に防止し、耐候性を
向上させるためには、ラジカル捕捉剤を添加することが
好ましい。ラジカル捕捉剤としては、ビス−(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ビペリジニル)セバケー
ト、ビス−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−ビペリジニル)セバケート、その他、例えば特
公平4−82625号公報に開示されている化合物等の
ヒンダード系ラジカル捕捉剤、ビペリジニル系ラジカル
捕捉剤等が使用される。
【0025】基材シート2は、これらの前記材料をブレ
ンドしたものをカレンダー加工等の常用の方法により製
膜して得ることができる。基材シートの厚みは50〜2
00μm、好ましくは100μm程度である。
【0026】基材シート2の表面には、易接着層の塗
布、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理等の易
接着処理を施すことが好ましい。易接着層(プライマー
層、或いはアンカー層ともいう)としては、アクリル樹
脂、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹
脂、ウレタン樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩化ポリエ
チレンを使用することができる。
【0027】印刷層3は、絵柄印刷、着色印刷等により
形成される。印刷層は、具体的には顔料添加による着色
(透明又は不透明)の模様又はベタ印刷等からなり、グ
ラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、
転写シートからの転写印刷等の公知の印刷法を用い、イ
ンキ(或いは塗料)にて形成する。印刷層3の模様とし
ては、木目模様、石目模様、布目模様、皮絞模様、幾何
学図形、文字、記号等がある。印刷層3は基材シート2
表面の全面に設けても部分的に設けても何れでもよい。
又、印刷層3は図1に示すように、基材シート2の表面
全面に設けたべタ印刷層31と、該印刷層の表面に部分
的に設けた模様印刷層32とから構成してもよい。
【0028】印刷層3に用いられるインキは、バインダ
ーとして、アクリル樹脂とウレタン樹脂の混合物を用い
ることが好ましい。但し、アクリル樹脂とウレタン樹脂
は相互に混ざりにくい性質を有するので、通常のアクリ
ル樹脂、ウレタン樹脂を用いることはできず、相互に混
合可能なアクリル樹脂、ウレタン樹脂を選択する必要が
ある。具体的には、本発明において使用できるウレタン
樹脂と混合可能なアクリル樹脂としては、メタクリル酸
メチル(MMA)、メタクリル酸ヒドロキシエチル(H
EMA)、ジメチルアミノエチルメタクリレートの混合
物が挙げられる。又、上記アクリル樹脂とよく混ざるウ
レタン樹脂としては、多価アルコールとしてのブタンジ
オール、イソシアネートとしてのイソホロンジイソシネ
ート(IPDI)、アジピン酸を原料として製造したも
のが挙げられる。但し、本発明において用いることがで
きるアクリル樹脂とウレタン樹脂は上記のものに限定さ
れず、相互に混合可能なものであれば、適宜に選択、配
合、合成、重合等して用いることができる。
【0029】印刷層3のバインダーにおけるアクリル樹
脂とウレタン樹脂の重量比は1:1〜9:1であること
が好ましく、1.3:1〜5:1であることがより好ま
しく、1.5:1〜4.5:1であることが特に好まし
い。アクリル樹脂に対するウレタン樹脂の重量比が1:
1を越えると、密着性は向上するが耐候性が悪くなる。
一方、アクリル樹脂に対するウレタン樹脂の重量比が
9:1未満では良好な印刷層の層間密着性が得られな
い。
【0030】本発明における保護層3はアクリル系樹脂
からなる。該アクリル系樹脂としては、ポリ(メタ)ア
クリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ
(メタ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸
ブチル、(メタ)アクリル酸メチル・(メタ)アクリル
酸ブチル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸メチ
ル共重合体、スチレン・(メタ)アクリル酸メチル共重
合体等の(メタ)アクリル酸エステルを含む単独又は共
重合体(但し、ここで(メタ)アクリルとはアクリル又
はメタアクリルを意味するものとし以下同様である。)
からなるものが挙げられる。このアクリル系樹脂シート
の厚さは、20〜100μm程度が好ましい。
【0031】本発明においては、図示はしないが、印刷
層3を形成した基材シート2と保護層4の間に接着剤層
を設けることもできる。接着剤層に用いる樹脂は、印刷
層3を形成した基材シート2と保護層4を接着しうるも
のであればいかなるものでもよく、アクリル、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポリウレタ
ン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等が用
いられる。接着剤層の厚みは1〜20μmが好ましく、
更に好ましくは3〜5μmである。
【0032】シート基材2と保護層4とを積層する方法
としては、溶融押し出し塗工(エクストルージョンコー
ト)、熱プレスによる融着、或いは2液硬化型ポリウレ
タン樹脂、ポリエステル樹脂等の接着剤を用いたドライ
ラミネート等が挙げられる。
【0033】図2は、本発明の具体的構成例を示す縦断
面図である。図2において、5は保護層4の表面に形成
した凹凸模様の凹陥部を、6は凹陥部5の中に形成した
着色層を、7は表面保護層を、8は基材シート2の裏側
に設けた易接着層をそえぞれ示す。
【0034】保護層4の表面に凹凸模様を形成するに
は、例えば、加熱加圧によるエンボス加工法がある。こ
のエンボス加工法は、保護層4表面を加熱軟化させ、該
表面をエンボス版で加圧してエンボス版の凹凸模様を賦
形し、冷却して固定化するもので、公知の枚葉式、或い
は輪転式のエンボス機を用いることができる。またヘア
ライン加工によって凹凸模様を形成することもできる。
【0035】凹凸模様としては、例えば木目板導管溝、
石板表面凹凸(花崗岩劈開面等)、布表面テクスチャ
ア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等が挙げられ
る。
【0036】凹凸模様の凹陥部5に形成した着色層6
は、ワイピング法により形成することができる。ワイピ
ング法としては、ドクターブレードコート法またはナイ
フコート法にて凹陥部5を含む表面全面に着色剤インキ
を塗布した後、凹陥部5以外の表面から着色剤インキを
除去することにより、凹陥部5のみに着色層6を形成す
る方法を用いることができる。着色層6を形成するため
の着色剤インキとしては、有機顔料と無機顔料、光輝性
顔料等の着色顔料と、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電
離放射線硬化型樹脂等の結着剤樹脂と、ベヒクルとから
なるインキ、エマルジョン型の水系タイプインキを使用
できる。
【0037】表面保護層7は、上記凹凸模様を形成した
保護層4の表面を保護するために被覆されたものであ
る。表面保護層7は塩素化ポリオレフィン、二液硬化型
ポリウレタン、電離放射線硬化型樹脂等により形成する
ことが好ましい。
【0038】上記電離放射線硬化型樹脂は、具体的には
分子中に重合性不飽和結合又はカチオン重合性官能基を
有するプレポリマー、ポリマー及び/又は単量体を適宜
混合した組成物であって、電離放射線により硬化可能な
ものが好ましく用いられる。尚、ここにおける電離放射
線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち分子を重合あるい
は架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通
常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられる。
【0039】硬化塗膜を形成する電離放射線硬化型樹脂
は、更に具体的には分子中に(メタ)アクリロイル基、
(メタ)アクリロイルオキシ等のラジカル重合性不飽和
基、エポキシ基等のカチオン重合性官能基又はチオール
基を2個以上有する単量体、プレポリマー又はポリマー
からなる。これら単量体、プレポリマー又はポリマーは
単独で用いるか、あるいは複数混合して用いる。
【0040】ラジカル重合性不飽和基を有するプレポリ
マーの例としては、ポリエステル(メタ)アクリレー
ト、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)
アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリア
ジン(メタ)アクリレート等が使用でき、通常、分子量
250〜10000程度のものが用いられる。ラジカル
重合性不飽和基を有するポリマーとしては、上記プレポ
リマーの重合度を10000程度以上としたものが用い
られる。
【0041】カチオン重合性官能基を有するプレポリマ
ーの例としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボ
ラック型エポキシ樹脂等のエポキシ系樹脂、脂肪族系ビ
ニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル等のビニルエー
テル系樹脂等のプレポリマーが挙げられる。
【0042】ラジカル重合性不飽和基を有する単量体と
しては、(メタ)アクリレート化合物等の単官能単量
体、例えば、メチル(メタ)アクリレート、2−エチル
ヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メ
タ)アクリレート等や、多官能単量体、例えばジエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリ
コール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエ
チレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、ジペンタ
エリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタ
エリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げら
れる。
【0043】カチオン重合性官能基を有する単量体とし
ては、上記カチオン重合性官能基を有するプレポリマー
の単量体が利用できる。またチオール基を有する単量体
としては、トリメチロールプロパントリチオグリコレー
ト、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート等が
挙げられる。
【0044】上記電離放射線硬化型樹脂を紫外線又は可
視光線にて硬化させる場合には、該電離放射線硬化型樹
脂中に光重合開始剤を添加する。ラジカル重合性不飽和
基を有する樹脂系の場合は、光重合開始剤として、アセ
トフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等を単独又は混
合物として用いることができる。また、カチオン重合性
官能基を有する樹脂系の場合は、光重合開始剤として、
芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族
ヨードニウム塩、メタセロン化合物、ベンゾインスルホ
ン酸エステル等を単独又は混合物として用いることがで
きる。尚、これらの光重合開始剤の添加量は、電離放射
線硬化型樹脂100重量部当たりに対し、0.1〜10
重量部程度である。
【0045】また表面保護層7を艶消しにする場合に
は、艶消剤(光拡散剤)を添加する。艶消剤としては、
炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、硫酸バリウム、ウ
レタン樹脂ビーズ、ポリカーボネート樹脂ビーズ等の、
粒径1〜30μm程度の微粒子が有効である。表面保護
層8の厚みは1〜100μm程度が好ましい。
【0046】本発明の化粧シート1においては、より良
好な耐候(光)性を樹脂に付与するために、必要に応じ
て保護シート4、表面保護層7の中に、紫外線吸収剤、
光安定剤を添加することができる。
【0047】上記紫外線吸収剤としては、ベンゾトリア
ゾール、ベンゾフェノン、サリチル酸エステル等の有機
物、または0.2μm径以下の微粒子状の酸化亜鉛、酸
化セリウム、酸化チタン等の無機物を用いることができ
る。光安定剤としては、ビス−(2,2,6,6- テトラメチル
-4- ピペリジニル)セバケート等のヒンダードアミン系
ラジカル捕捉剤、ピペリジン系ラジカル捕捉剤等のラジ
カル捕捉剤等を用いることができる。紫外線吸収剤、光
安定剤とも、通常、0.5〜10重量%程度となるよう
に添加するが、一般的には紫外線吸収剤と光安定剤とを
併用するのが好ましい。
【0048】また化粧シート1においては、難燃性を付
与するために、基材シート2や保護シート4、表面保護
層7の中に、難燃剤を添加することができる。難燃剤と
しては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の
粉末が用いられる。難燃剤の添加量は、高密度ポリエチ
レンと熱可塑性エラストマーとの合計量を100重量部
に対し、10〜150重量部程度が好ましい。
【0049】易接着層8は、本発明の化粧シート1を各
種被着体に積層し、所定の成形加工等を施して各種装飾
用等として用いことを容易にすることを目的として基材
シート2の裏面側に形成される。易接着層8の形成に
は、アクリル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、ポリエステル、ポリウレタン、塩素化ポリプロピレ
ン、塩素化ポリエチレン等が使用されるが、特に塩素化
ポリプロピレンが望ましい。
【0050】本発明の化粧シート1は他の被着体(裏打
材)に積層して用いることができる。図3は被着体が立
体形状物品11の場合を、図4は被着体が平板状又は曲
面状の板材12の場合を示す。化粧シート1と被着体と
の積層は、被着体に化粧シート1自体が(熱融着等で)
接着可能な場合は、接着剤を用いずに行うことができる
が、化粧シート1自体が被着体と接着しない場合には、
適当な接着剤を用いて積層する。本発明の化粧シート1
を被着体に積層することにより化粧材のような最終製品
となる場合もあれば、化粧シート1の力学的強度の補
強、或いは隠蔽性を付与するために被着体に積層する場
合もある。
【0051】上記接着剤としては、化粧シート1と被着
帯とが接着可能なものであればよく、例えば酢ビ系、尿
素系等が挙げられる。
【0052】被着体としては図3に示すような立体形状
の成形品や、図4に示すような平板状、曲面状等の板
材、シート(或いはフィルム)等の各種形状の物品が対
象となる。板材、立体形状物品、或いはシート(フィル
ム)のいずれにも用いられる素材としては、木材単板、
木材合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MD
F)等の木材板、木質繊維板等の木質板、鉄、アルミニ
ウム等の金属、アクリル、ポリエステル、ポリスチレ
ン、ポリオレフィン、ABS、フェノール樹脂、ポリ塩
化ビニル、セルロース系樹脂、ゴム等の樹脂、専ら板
材、或いは立体形状物品として用いられる素材として
は、硝子、陶磁器等のセラミックス、石膏等の非セメン
ト窯業系材料、専らシート(或いはフィルム)として用
いられる素材としては、上質紙、和紙等の紙、炭素、石
綿、チタン酸カリウム、硝子、合成樹脂等の繊維からな
る不織布又は織布等がある。
【0053】これらの各種被着体への積層方法しては、
例えば接着剤を間に介して板状基材に加圧ローラーで
加圧して積層する方法、特公昭50−14:132号
公報、特公昭43−27488号公報等に記載されるよ
うに、化粧シートを射出成形の雌雄両金型間に挿入し
て、両金型を閉じ、雄型のゲートから溶融樹脂を射出充
填して後、冷却して樹脂成型品の成形と同時にその表面
に化粧シートを接着積層する、所謂射出成形同時ラミネ
ート方法、特公昭56−45768号公報、特公昭6
0−58014号公報等に記載されるように、成形品の
表面に化粧シートを間に接着剤を介して対向乃至は載置
し、成形品側からの真空吸引による圧力差により化粧シ
ートを成形品表面に積層する、所謂真空プレス積層方
法、特公昭61−5895号公報、特公平3−266
6号公報等に記載されるように、円柱、多角柱等の柱状
基材の長軸方向に、化粧シートを間に接着剤層を介して
供給しつつ、複数の向きの異なるローラーにより、柱状
体を構成する複数の側面に順次化粧シートを加圧接着し
て積層してゆく、所謂ラッピング加工方法等が挙げられ
る。本発明の化粧シート1を表面化粧層として有する立
体物品を得るには、上記ラッピング加工法、射出成形同
時ラミネート法、真空成形同時ラミネート法等が好まし
い。
【0054】上記化粧シート1を積層した各種被着体
は、所定の成形加工等を施して、各種装飾用素材等とし
て用いることができる。例えば、壁、天井、床等建築物
の内装、窓枠、扉、手摺等の建具の表面化粧、家具又は
弱電・OA機器のキャビネットの表面化粧、自動車、電
車等の車輌内装、航空機内装、窓硝子の化粧用等の用途
が挙げられる。
【0055】
【実施例】以下、具体的な実施例を挙げて本発明を更に
詳細に説明する。 実施例1 基材シートとして三菱化学MKV株式会社製PB001
(ポリプロピレン系樹脂、厚み80μm)を用い、その
表面にバインダーとして下記配合の樹脂を使用した昭和
インキ株式会社製のインキ「TMK−1」を用いて木目
模様のグラビア印刷を行い、さらにその上に三菱レーヨ
ン株式会社アクリル樹脂シート(HBE028)を16
0°Cでラミネートすると同時にエンボス加工を行っ
た。次に、昭和インク株式会社製のアクリル樹脂からな
るOP−A17(厚み1〜3μm)を表面保護層として
グラビアコーティングして化粧シートを得た。
【0056】「TMK−1」のバインダーの配合(重量
比) MMA、HEMA、ジメチルアミノエチルメタクリレー
トの混合物からなるアクリル樹脂:2.3 ブタンジオール、IPDI、アジピン酸を原料として製
造したウレタン樹脂:1
【0057】実施例2 下記配合のウレタン樹脂とアクリル樹脂の混合物をバイ
ンダーとして使用した昭和インキ株式会社製のインキ
「TMK−2」を用いて木目模様のグラビア印刷を行っ
た以外は実施例1と同様に化粧シートを作製した。
【0058】「TMK−2」のバインダーの配合(重量
比) MMA、HEMA、ジメチルアミノエチルメタクリレー
トの混合物からなるアクリル樹脂:4 ブタンジオール、IPDI、アジピン酸を原料として製
造したウレタン樹脂:1
【0059】実施例3 下記配合のウレタン樹脂とアクリル樹脂の混合物をバイ
ンダーとして使用した昭和インキ株式会社製のインキ
「TMK−3」を用いて木目模様のグラビア印刷を行っ
た以外は実施例1と同様に化粧シートを作製した。
【0060】「TMK−3」のバインダーの配合(重量
比) MMA、HEMA、ジメチルアミノエチルメタクリレー
トの混合物からなるアクリル樹脂:9 ブタンジオール、IPDI、アジピン酸を原料として製
造したウレタン樹脂:1
【0061】実施例4 下記配合のウレタン樹脂とアクリル樹脂の混合物をバイ
ンダーとして使用した昭和インキ株式会社製のインキ
「TMK−4」を用いて木目模様のグラビア印刷を行っ
た以外は実施例1と同様に化粧シートを作製した。
【0062】「TMK−4」のバインダーの配合(重量
比) MMA、HEMA、ジメチルアミノエチルメタクリレー
トの混合物からなるアクリル樹脂:1 ブタンジオール、IPDI、アジピン酸を原料として製
造したウレタン樹脂:1
【0063】比較例1 印刷層のバインダーとしてアクリル樹脂のみからなる昭
和インキ株式会社製のインキ「TMK−5」を用いた以
外は実施例1と同様の方法で化粧シートを作製した。し
かし、アクリル樹脂のみからなるバインダーを使用する
と、見掛け上は化粧シートであっても層間密着性が極め
て悪く、後述する碁盤目セロテープ密着性試験を行った
所、全ての桝目が剥離し実用には耐えないものであっ
た。
【0064】比較例2 印刷層のバインダーとしてウレタン樹脂のみからなる昭
和インキ株式会社製のインキ「TMK−6」を用いた以
外は実施例1と同様の方法で化粧シートの作製を試み
た。しかし、ウレタン樹脂を印刷層のバインダーとして
使用すると、印刷後のシートのブロッキングが激しく化
粧シートを作製することができなかった。尚、ブロッキ
ングとは、シートを重ねておくとシートが互いに付着
し、剥離することができなくなる現象をいう。
【0065】比較例3 印刷層のバインダーとして塩化ビニル・酢酸ビニル共重
合体を使用した昭和インキ株式会社製のインキ「化X」
を用いた以外は実施例1と同様の方法で化粧シートを得
た。
【0066】上記実施例1〜4、比較例1〜3によって
得られた化粧シートについて1500時間、2000時
間の耐候性試験を行った後、層間密着性を碁盤目セロテ
ープ密着性試験により評価した。結果を表1に示す。
【0067】表1から、オレフィン系樹脂の基材シート
に印刷層、アクリル系樹脂からなる保護層を積層してな
る化粧シートであって、印刷層を形成するインキに従来
のバインダーを用いた場合は、ウエザ・オ・メーターに
より紫外線を1500時間照射すると印刷層における層
間剥離が起きたが、バインダーにアクリル樹脂とウレタ
ン樹脂の混合物を用いると、紫外線を2000時間照射
しても層間剥離が殆ど起きず、特にアクリル樹脂とウレ
タン樹脂の重量比率が1:1〜9:1の範囲内の場合は
層間剥離が全く起きなかった。
【0068】耐候性の試験は、スガ試験機製サンシャイ
ン・ウエザ・オ・メーター「WEL−300」を用い
て、ブラックパネル温度63℃、120分間中18分間
の雨有りサイクルの条件下で行った。尚、120分間中
18分間の雨有りサイクルとは、120分間の内18分
間、試験片に雨を擬した水を噴射することをいう。
【0069】碁盤目セロテープ密着試験は、化粧シート
を表面を2ミリ間隔の縦横100区分の碁盤目状にカッ
ターで切り、粘着性テープを貼った後に剥がす作業をセ
ロテープを取り替えながら5回繰り返した後、何枚の枡
目が剥がれずに残っているかを数える試験であって、剥
がれずに残っている枡目が多い程耐候性に優れていると
評価する試験法である。尚、表1中の層間密着性の欄の
分数の表示において、分母は100区分の桝目を、分子
は剥がれずに残った桝目の数を表す。
【0070】
【表1】 注 A=アクリル樹脂、U=ウレタン樹脂、C=塩化ビ
ニル・酢酸ビニル共重合体
【0071】
【発明の効果】以上説明したように、オレフィン系樹脂
からなる基材シートに印刷層、アクリル系樹脂からなる
保護層を積層してなるオレフィン系樹脂からなる基材シ
ートに印刷層、アクリル系樹脂からなる保護層を積層し
てなる化粧シートであって、印刷層を形成するインキの
バインダーとして相互に混合可能なアクリル樹脂とウレ
タン樹脂の混合物を用いた化粧シートは、従来公知の樹
脂をバインダーとして用いた化粧シートに比較し、極め
て耐候性に優れ、且つ層間密着性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
化粧シート
【図1】本発明の化粧シートの基本的構成を示す縦断面
図である。
【図2】本発明の化粧シートの具体的構成を示す縦断面
図である。
【図3】本発明の化粧シートを被着体に積層した立体物
品の縦断面図である。
【図4】本発明の化粧シートを被着体に積層した板状体
の縦断面図である。
【符号の説明】
1 化粧シート 2 基材シート 3 印刷層 4 保護層 5 凹陥部 6 着色層 7 表面保護層 8 易接着層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 千原 憲四郎 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 河野 和保 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AK03A AK07 AK25B AK25C AK25K AK51B AK51K AL05B AR00B AR00D AR00E AS00B BA03 BA04 BA05 BA07 BA10A BA10C BA10D BA10E DD09D EJ39C EJ91C EJ91E GB08 GB33 GB81 HB00D HB21C HB31B JK06 JL09 JL10D JL13E

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オレフィン系樹脂からなる基材シートの
    表面に印刷層、アクリル系樹脂からなる保護層を積層し
    てなる化粧シートであって、印刷層のバインダーが相互
    に混合可能なアクリル樹脂とウレタン樹脂からなる混合
    物であることを特徴とする化粧シート。
  2. 【請求項2】 印刷層のバインダーにおける相互に混合
    可能なアクリル樹脂とウレタン樹脂の重量比が1:1〜
    9:1であることを特徴とする請求項1記載の化粧シー
    ト。
  3. 【請求項3】 保護層表面に凹凸模様を形成したことを
    特徴とする請求項1、2記載の化粧シート。
  4. 【請求項4】 エンボス模様の凹陥部に着色層を設けた
    ことを特徴とする請求項1〜3記載の化粧シート。
  5. 【請求項5】 保護層表面に表面保護層を設けたことを
    特徴とする請求項1〜4記載の化粧シート。
  6. 【請求項6】 基材シートの裏面に易接着処理を施した
    ことを特徴とする請求項1〜5記載の化粧シート。
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