JPH09226072A - 化粧シート及び積層成形体 - Google Patents

化粧シート及び積層成形体

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JPH09226072A
JPH09226072A JP3643896A JP3643896A JPH09226072A JP H09226072 A JPH09226072 A JP H09226072A JP 3643896 A JP3643896 A JP 3643896A JP 3643896 A JP3643896 A JP 3643896A JP H09226072 A JPH09226072 A JP H09226072A
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JP
Japan
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sheet
decorative sheet
layer
resin
olefin resin
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JP3643896A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Nakamichi
均 中道
Hiroya Kamimura
浩也 上村
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Kyowa Leather Cloth Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Leather Cloth Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面の加飾・高機能化が可能で、ベースシー
トに対するコロナ処理、プライマー処理等を要すること
なく、ベースシートに印刷層を形成できる化粧シートと
この化粧シートを有する積層成形体を提供する。 【解決手段】 化粧シート10は、ハード成分としての
(A)熱可塑性オレフィン系樹脂と、ソフト成分として
の(B)水添スチレン系共重合体と、のブレンドタイプ
のオレフィン系樹脂組成物を材質とするベースシート1
1の少なくとも表面に、低塩素化オレフィン系樹脂を主
要樹脂とする印刷層12を有し、その印刷層12面側に
透明シート13が形成された層構造からなる。低塩素化
オレフィン系樹脂には、低塩素化プロピレン系樹脂、又
は低塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体等が好適であ
る。化粧シート10には、オレフィン系の樹脂及び/又
はゴムからなる成形基材61が積層され、積層成形体6
2が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化粧シート及びこ
れを用いた積層成形体に係り、特にベースシートの表面
に絵柄等を印刷された壁紙、家具、建材、自動車内装
材、自動車外装材等に使用されるのに好適なオレフィン
系樹脂組成物を用いた化粧シート及びその化粧シートを
用いた積層成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、化粧シートのベースシートの材質
としては、加工適性、印刷適性、エンボス適性等に優
れ、可塑剤の添加量により硬度を容易に調節でき、ま
た、安価である等の利点があるため、塩化ビニル樹脂
や、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等からなるシート
等が広く用いられてきた。
【0003】また、本出願人は、以前に化粧シートのベ
ースシートの材質として、オレフィン系樹脂組成物を使
用したものを提案している(特願平6−16318
1)。ベースシートの材質としてオレフィン系樹脂組成
物を使用したものは、燃焼時に塩化水素ガス等の有害な
ガスを発生させないため、環境を汚染することが少な
く、またリサイクル性も優れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなオレフィン系樹脂組成物をベースシートに使用した
ものは、オレフィン系樹脂組成物の有する接着性の低さ
から、ベースシートの表面に印刷層を設ける際にプライ
マー層が必要となる、あるいはその前処理としてコロナ
処理が必要となり、製造工程が複雑化し、また製品構成
が複雑になり加工性が劣るものであった。
【0005】本発明の第1の目的は、印刷層を設けても
コロナ処理が不要でプライマー層を有しないオレフィン
系樹脂組成物をベースシートとする化粧シートを提供す
ることにある。本発明の第2の目的は、上記した化粧シ
ートを有する積層成形体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明の化粧シートは、ハード成分としての
(A)熱可塑性オレフィン系樹脂と、ソフト成分として
の(B)水添スチレン系共重合体と、のブレンドタイプ
のオレフィン系樹脂組成物を材質とするベースシートの
少なくとも表面に、低塩素化オレフィン系樹脂を主要樹
脂とする印刷層を有することを特徴とする。また、本発
明の積層成形体は、上記した化粧シートとオレフィン系
の樹脂及び/又はゴムからなる成形基材との積層構造を
有することを特徴とする。以下、本発明をさらに詳細に
説明する。
【0007】本発明の化粧シートのベースシートのハー
ド成分としての(A)熱可塑性オレフィン系樹脂とは、
エチレン、プロピレン、又は炭素数4〜10のα−オ
レフィン、例えば、ブテン−1、4−メチル−1−ペン
テン等の単独重合体又は共重合体、エチレン又はプロ
ピレンを主成分とし、これらと共重合しうる他のモノマ
ー(例えば酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリ
ル酸エステル等)との共重合体等が例示される。
【0008】プロピレン系樹脂の場合には、得られるフ
ィルム・シートの透明性、メルトフローレート、曲げ弾
性率、融点、及び結晶性などの点から目的に応じて任意
に選定すればよいが、特にプロピレンを主成分とするエ
チレン−プロピレンランダム共重合体が好適である。プ
ロピレンを主成分とするエチレン−プロピレンランダム
共重合体は、ポリマーの立体規則性が乱れて結晶性が比
較的低く、そのため透明度が高く柔軟性を付与すること
ができる。
【0009】このようなプロピレンを主成分とするエチ
レン−プロピレンランダム共重合体において、特に透明
性に優れ、メルトフローレート(JIS K 675
8)は0.3〜30g/10min.好ましくは0.3
〜9g/10min.、曲げ弾性率(JIS K 67
58)は3000〜30000kgf/cm2 、好まし
くは4000〜13000kgf/cm2 、ビカット軟
化点(JIS K 6758)は70〜150℃のもの
が望ましく、市販品としては、FS6632(住友化学
工業(株)製)、ハイポールB230(三井石油化学工
業(株)製)、ノーブレンGEB−G5(三井東圧化学
(株)製)などを挙げることができる。
【0010】エチレン系樹脂の場合には、特に耐衝撃強
度、透明性に優れた低密度ポリエチレン又は機械的特
性、耐熱安定性に優れた高密度ポリエチレンが好適であ
り、これらは単独又は併用して使用することができる。
これらのポリエチレンでは、例えば、溶融温度が70〜
140℃程度が好ましく、またメルトフローレート(J
IS K 6760)が0.3〜30g/10min.
好ましくは0.3〜10g/10min.のものが望ま
しい。
【0011】ブテン系樹脂としては、ブテン−1を主モ
ノマーとし、チーグラー系触媒を用いて重合された高立
体規則性の結晶性ポリマーが好適であり、これらのポリ
ブテンでは、溶融温度が70〜140℃程度が好まし
く、またメルトフローレート(JIS K 6760)
が0.3〜30g/10min.好ましくは0.3〜1
0g/10min.のものが望ましい。
【0012】本発明の化粧シートのベースシートにおけ
るハード成分としての(A)熱可塑性オレフィン系樹脂
は、上記した熱可塑性オレフィン系樹脂の2種又は3種
以上の混合物の方が望ましい。この混合物としては、プ
ロピレン系樹脂を必須成分とし、これに他の熱可塑性オ
レフィン系樹脂としてエチレン系樹脂及び/又はブテン
系樹脂を混合することが望ましい。また、プロピレン系
樹脂100重量部に対するエチレン系樹脂及び/又はブ
テン系樹脂の混合割合は1〜100重量部、好ましくは
1〜75重量部、さらに好ましくは1〜50重量部であ
る。プロピレン系樹脂100重量部に対してエチレン系
樹脂及び/又はブテン系樹脂の混合割合が、100重量
部を越えると化粧シートの引っ張り強度や伸び率などの
物性が低下するため好ましくなく、1重量部未満である
と、加工性が低下し好ましくない。
【0013】また、本発明の化粧シートのベースシート
のソフト成分としての(B)水添スチレン系共重合体と
しては、例えば、水添スチレン系ブロック共重合体、水
添スチレン系ランダム共重合体等が挙げられるが、これ
らの水添スチレン系共重合体は必ずしもすべての二重結
合が飽和されていなくてもよい。水添スチレン系ブロッ
ク共重合体としては、スチレン−ブタジエン−スチレン
ブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブ
ロック共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合
体、スチレン−SBRブロック共重合体、スチレン−S
BR−スチレンブロック共重合体等の水添したものが例
示される。水添スチレン系ブロック共重合体の市販品と
しては、例えば、クレイトンG(シェル化学(株)
製)、ハイブラー((株)クラレ)、タフテック(旭化
成工業(株)製)等が挙げられる。
【0014】また、水添スチレン系ランダム共重合体と
しては、スチレンとブタジエンの水素添加したランダム
共重合体等が挙げられる。水添スチレン系ランダム共重
合体の市販品としては、例えば、ダイナロン(日本合成
ゴム(株)製)等が挙げられる。
【0015】ハード成分としての(A)熱可塑性オレフ
ィン系樹脂に対するソフト成分としての(B)水添スチ
レン系共重合体の混合割合は、1〜200重量部:1〜
200重量部、好ましくは50〜150重量部:10〜
80重量部、さらに好ましくは80〜120重量部:2
0〜60重量部である。ハード成分としての(A)熱可
塑性オレフィン系樹脂に対するソフト成分としての
(B)水添スチレン系共重合体の混合割合が、200重
量部を越えると柔らかすぎて加工性が低下するため好ま
しくなく、1重量部未満だと結晶性が高過ぎて加工性が
低下し好ましくない。
【0016】本発明の化粧シートにおけるベースシート
には、必要に応じて特性を改良するために任意の成分を
添加することができる。任意の成分として、例えば、紫
外線吸収剤、帯電防止剤、酸化防止剤、耐光安定剤、着
色剤等を挙げることができる。
【0017】本発明の化粧シートは、上記したベースシ
ートの少なくとも表面に印刷層を有し、更に化粧シート
の用途等によりベースシートの表面(印刷層側)にオレ
フィン系の樹脂及び/又はゴムからなる透明層やその他
の塩化ビニル樹脂以外の樹脂等からなるコーティング層
を設けてもよい。
【0018】本発明の化粧シートに設けられる印刷層を
形成するインキの主要樹脂としては、低塩素化オレフィ
ン系樹脂が望ましく、この中でも特に低塩素化プロピレ
ン系樹脂及び/又は低塩素化EVA(エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体)系樹脂が好ましく、これらの中でも低塩
素化ポリプロピレンが望ましい。また、顔料の分散性や
印刷適性の改良等の目的で、水酸基やカルボキシル基な
どを導入した変性ポリプロピレンの低塩素化物や変性E
VA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)の低塩素化物も
好ましい。低塩素化プロピレン系樹脂や低塩素化EVA
系樹脂の塩素含有率は、10〜50重量%程度が望まし
い。
【0019】低塩素化プロピレン系樹脂や低塩素化EV
A系樹脂の塩素含有率が10重量%よりも少ないと、顔
料の分散性、発色性あるいは印刷適性が低下して好まし
くなく、一方、50重量%よりも多いとベースシートへ
の接着性が乏しくなり、好ましくない。
【0020】低塩素化プロピレン系樹脂や低塩素化EV
A系樹脂の市販品としては、例えば、スーパークロン低
塩素化物(日本製紙(株)製)等が挙げられる。インキ
に使用する低塩素化オレフィン系樹脂は、インキの貯蔵
安定性、塗工性、ベースシートへの接着性等の点から、
塩素含有率や重合度の異なるものをブレンドして使用す
ることが望ましい。また、印刷層を形成するインキは、
上記した低塩素化オレフィン系樹脂を主要樹脂とする
が、インキを形成する樹脂は低塩素化オレフィン系樹脂
単独でもよく、さらにこの低塩素化オレフィン系樹脂に
アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂等の樹脂を併用してよ
い。低塩素化プロピレン系樹脂や低塩素化EVA系樹脂
の印刷層を構成するインキ中の含有率は、これらの樹脂
における塩素含有率、印刷層用インキの塗布量等によっ
ても異なるが、ほぼ10〜60重量%程度含有するのが
望ましい。
【0021】印刷層を形成するインキには顔料等の着色
剤が含有される。使用する顔料としては、通常の着色顔
料の他にパール顔料、ビーズ顔料、雲母系やアルミニウ
ム系の光輝性顔料等が使用でき、これらの顔料の使用に
よって化粧シートに意匠性を付与することができる。
【0022】印刷層を形成するインキをベースシートに
施すと、コロナ処理やプライマー処理等の前処理無しで
も簡単に印刷層がベースシートに接着する。従って、プ
ライマー層を設ける必要がない。本発明において、化粧
シートのベースシート成形方法としては、カレンダー
法、押出し法等が挙げられるが、カレンダー法の方が多
品種生産に向いている等の点で望ましい。
【0023】また、化粧シートは、良好な感触を求めら
れる場合、発泡層を有することが望ましい。発泡層は化
粧シート中最も成形基材側に位置するように設けられて
いることが望ましい。発泡層としては、ポリオレフィン
系発泡層が望ましく、ポリオレフィン系発泡層として
は、プロピレン系樹脂(例えば、ホモポリプロピレン、
プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−
エチレンブロック共重合体)及び/又はエチレン系樹脂
(例えば、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレ
ン)等のオレフィン系樹脂を主に配合された発泡体等が
好ましい。
【0024】ポリオレフィン系発泡層の圧縮硬さは、
0.5〜2.1kgf/cm2 (JIS K 676
7)が好ましい。圧縮硬さが0.5kgf/cm2 より
も小さいと、ポリオレフィン系発泡層をベースシートと
貼り合わせる際にポリオレフィン系発泡層が潰れるため
好ましくなく、一方、圧縮硬さが2.1kgf/cm2
よりも大きいと、積層成形体の感触が硬くなり好ましく
ない。
【0025】また、ポリオレフィン系発泡層の発泡倍率
は5〜30倍、好ましくは10〜25倍が望ましい。発
泡倍率が5倍よりも小さいと、積層成形体の感触が硬く
なり好ましくなく、一方、発泡倍率が30倍よりも大き
くなると、発泡層のみが柔らかくなりすぎて積層成形体
としては底つき感が出て感触が好ましくない。
【0026】ポリオレフィン系発泡層の厚みは、0.1
〜20mm、好ましくは0.5〜5mm程度の範囲で選
定されてよい。このようなポリオレフィン系発泡層に使
用される材料としては、PPAM(東レ(株)製)、P
PSM(東レ(株)製)等が挙げられる。成形用表皮材
中にポリオレフィン系発泡層を有することにより極めて
良好な感触を有することになる。
【0027】ベースシートの厚みは、化粧シートの層構
造やその用途により異なるが、引き裂き強度等の物性又
は取扱い易さの点から、0.05〜1mmが望ましい。
【0028】このように成形される化粧シートに対して
オレフィン系の樹脂及び/又はゴムからなる成形基材が
積層された積層構造からなる積層成形体が形成される。
成形基材としてのオレフィン系の樹脂及び/又はゴムと
しては、熱可塑性オレフィン系エラストマー、熱可塑性
オレフィン系樹脂、熱可塑性オレフィン系ゴム、又は熱
可塑性オレフィン系グラフト共重合体の群から選ばれる
少なくとも1種の重合体からなることが、化粧シートと
の接着性の点で望ましい。成形基材の厚みは、成形でき
る厚みであれば特に制限はないが、0.5〜8.0m
m、好ましくは、1.0〜5.0mm程度である。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の化粧シ
ートの一形態を示す概略的断面図である。図1におい
て、ベースシート11は、ハード成分としての(A)熱
可塑性オレフィン系樹脂と、ソフト成分としての(B)
水添スチレン系共重合体と、のブレンドタイプのオレフ
ィン系樹脂組成物からなり、以下の図におけるベースシ
ートにおいても同様である。ベースシート11に対し、
絵柄等の印刷による印刷層12が形成されるが、ベース
シート11自体にも意匠的効果を付与させるようにして
もよい。ベースシート11自体に意匠的効果を付与させ
るには、ベースシート11自体に公知の顔料あるいはパ
ール顔料等の光輝性顔料などを練り込むことにより着色
することができる。これらの点については、以下の実施
例の図におけるベースシートにおいても同様である。
【0030】印刷層12を形成するインキは、主要樹脂
に低塩素化オレフィン系樹脂を用い、さらに顔料等を分
散したものを使用する。使用する顔料としては、通常の
着色顔料の他にパール顔料、ビーズ顔料、雲母系やアル
ミニウム系の光輝性顔料等を使用することができる。印
刷方法としては、グラビア印刷、オフセット印刷、オフ
セットグラビア印刷、シルクスクリーン印刷等の印刷手
段の他に転写手段を用いて形成することができる。印刷
層12には、格子模様、水玉模様、抽象柄、石目柄、木
目柄等の天然物の柄、文字、記号等から任意のパターン
を選定することができる。印刷層12は、上記したよう
な印刷や転写により形成できるとともに、部分蒸着、グ
ロスマット印刷等により形成することができる。グロス
マット印刷は、例えば、シートの全面に光沢のあるイン
キを用いて全面ベタ印刷を施し、次いで印刷パターン面
に艶消しインキを用いて模様を印刷する方法である。こ
れらの点については、以下の実施例の図における印刷層
においても同様である。
【0031】印刷層12が形成された面には、透明シー
ト13が設けられる。この透明シート13は、ベースシ
ート11と同様なオレフィン系樹脂組成物が使用され
る。透明シート13は、厳密な意味での透明の他に、所
謂、着色透明であってもよく、また、印刷層12が透け
て見える程度であれば半透明であってもよい。
【0032】この透明シート13の面に任意のエンボス
(絞付け)が施される。エンボスとしては、例えば平版
プレス機、ロールエンボス機等の公知のプレス機、エン
ボス機を用いることができ、熱及び圧力によりエンボス
版の凹凸形状がシート上に賦形される。ロールエンボス
機による手段では、円筒状のエンボス版の凹凸形状を熱
及び圧力でシートに賦形することができる。皮絞、泥目
絞、布目絞、砂目絞、及び抽象柄の絞等の凹凸形状の他
に鏡面のエンボスも含む。エンボス時における材料の熱
及び圧力条件は、ベースシート11の熱変形温度と溶融
温度との間の温度範囲で加熱し、エンボス版をベースシ
ート11の表面に押圧して賦形した後、冷却する。加熱
方法としては、例えば、温風吹き付け、加熱ローラーに
よる伝導熱、赤外線照射、誘導加熱等の方法が用いられ
る。また、シート上にエンボスを形成する場合、エンボ
ス版を用いることなく賦形フィルムを用いたキャスト同
時賦形等により設けることもできる。エンボスは、印刷
層12を設けた部分面のみに設けてよく、また、透明シ
ート13の全面に設けてもよい。これらのエンボス方法
については、以下の実施例の図においても同様である。
【0033】図2は、本発明の化粧シートの他の形態を
示す概略的断面図である。この化粧シートは、図1にお
ける透明シート13の代わりに表面保護層23が用いら
れている点が異なっている。表面保護層23は、化粧シ
ートの表面における耐候性、耐汚染性、耐摩耗性、耐擦
傷性等を向上させるために設けられる。この表面保護層
23は、例えば、表面物性に優れた無色透明又は着色透
明の、1液タイプのウレタン系樹脂又はウレタン系エラ
ストマー、ポリウレタン系の2液硬化型樹脂、エステル
系樹脂、アクリル系樹脂、EB硬化型アクリル系樹脂、
UV硬化型アクリル系樹脂等がコーティング又はスプレ
イにより形成され、その表面には砂目模様等の任意のエ
ンボスが施される。
【0034】図3は、本発明の化粧シートの更に他の形
態を示す概略的断面図である。この化粧シートは、本発
明のベースシートの材質であるオレフィン系樹脂組成物
からなる透明ベースシート33の表面に印刷層34及び
裏面に印刷層32がそれぞれ施され、さらに印刷層34
が設けられた面に表面保護層35と、印刷層32が設け
られた面に裏面着色層31とが設けられている。この化
粧シートにおいて、裏面着色層31は、本発明のベース
シートの材質であるオレフィン系樹脂組成物を用いるこ
とができるが、表面保護層35としては図2の表面保護
層23と同様の材質とすることが望ましい。
【0035】図4は、本発明の化粧シートの更に他の形
態を示す概略的断面図である。この化粧シートは、ベー
スシート41に印刷層42を形成し、次いでベースシー
ト41とこのベースシート41に使用されているものと
同様なオレフィン系樹脂組成物からなる透明シート43
とをラミネートエンボス(貼り合わせ同時絞付け)を施
し、透明シート43の表面に木目調等のエンボスを形成
した後、ワイピングを施しエンボスにより形成された凹
部内にワイピングインキ45を充填することによって、
例えば、木目の導管部の外観を発現させるのに有効であ
り、化粧シートの意匠的効果をさらに向上させることが
できる。
【0036】このワイピングの手段による加工方法とし
ては、エンボスを設けたシートの表面全面に着色インキ
や塗料等のワイピングインキを塗工し、エンボスにより
形成された凸部のインキや塗料等をドクターブレード、
エアナイフ、あるいはスポンジ等で拭き取ることにより
成形される。この際、必要に応じて凸部のインキを若干
残留させても良い。
【0037】ワイピングインキとしては、種々のインキ
を使用することができるが、主要樹脂としては、低塩素
化オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、イソシアネート、アミン等の硬化剤
を用いた2液硬化型のウレタン系樹脂、エステル系樹
脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂等を用いることが
できるが、低塩素化オレフィン系樹脂が接着性等の点で
好ましい。ワイピングインキによる処理の後にその表面
に表面保護層44が設けられる。表面保護層44として
は、図2の表面保護層23と同様の材質とすることが望
ましい。
【0038】図5は、本発明の化粧シートの更に他の形
態を示す概略的断面図である。図5は、図2における化
粧シート20に対して更にポリオレフィン系発泡層51
が積層された化粧シート52を示すものである。
【0039】図6は、本発明の積層成形体の一実施の形
態を示す概略的断面図である。図6は、図1における化
粧シート10に対してオレフィン系の樹脂及び/又はゴ
ムからなる成形基材61が積層された積層成形体62を
示すものである。
【0040】図7は、図3における化粧シート30に対
して、オレフィン系の樹脂及び/又はゴムからなる成形
基材71が積層された積層成形体72を示すものであ
る。
【0041】図8は、図4における化粧シート40に対
して、さらにポリオレフィン系発泡層51が積層されて
形成された化粧シート48にオレフィン系の樹脂及び/
又はゴムからなる成形基材81が積層された積層成形体
82を示すものである。
【0042】
【実施例】次に上記した形態からなる化粧シート及び積
層成形体の具体的実施例を説明する。化粧シート 〔実施例1〕 シートの組成A プロピレン系樹脂 70 重量部 水添スチレン系ブロック共重合体 15 重量部 エチレン系樹脂 5 重量部 酸化防止剤 0.5重量部 ステアリン酸系滑剤 0.2重量部 顔料 9.3重量部
【0043】 シートの組成B プロピレン系樹脂 70 重量部 水添スチレン系ランダム共重合体 25 重量部 ブテン系樹脂 4.4重量部 酸化防止剤 0.5重量部 造核剤 0.1重量部
【0044】着色インキA 色目 :赤 粘度 :400cps/25℃ 顔料分 : 8% 樹脂分 : 38% 樹脂系 :低塩素化ポリプロピレン 顔料系 :キナクリドン 溶剤系 :トルエン
【0045】着色インキB 色目 :黄 粘度 :900cps/25℃ 顔料分 : 8.5% 樹脂分 : 38.5% 樹脂系 :低塩素化ポリプロピレン 顔料系 :イソインドリン 溶剤系 :トルエン
【0046】着色インキC 色目 :青 粘度 :3000cps/25℃ 顔料分 : 8.5% 樹脂分 : 26% 樹脂系 :低塩素化ポリプロピレン 顔料系 :シアニンブルー 溶剤系 :トルエン、酢酸ブチル
【0047】着色インキD 色目 :白 粘度 :50cps/25℃ 顔料分 : 9% 樹脂分 : 29% 樹脂系 :低塩素化ポリプロピレン 顔料系 :酸化チタン 溶剤系 :トルエン
【0048】着色インキE 色目 :黒 粘度 :750cps/25℃ 顔料分 : 8% 樹脂分 : 29% 樹脂系 :低塩素化ポリプロピレン 顔料系 :カーボン 溶剤系 :トルエン
【0049】図1に示す化粧シートの製造方法 上記のシートの組成Aからなる厚み0.1mmのベース
シート11をカレンダー法により形成し、該ベースシー
ト11の表面にグラビア印刷によって木目柄からなる印
刷層12を施した。印刷には、上記の着色インキA、着
色インキB、着色インキC、着色インキD、及び着色イ
ンキEをそれぞれ適量配合したインキを用い、3つの少
しずつ異なる版を重ねて印刷した。
【0050】次に、上記の組成Bからなる厚み0.1m
mの透明シート13をカレンダー法により形成し、前記
の木目柄印刷を施したベースシート11と木目調絞のラ
ミネートエンボス(貼り合わせ同時絞押し)を行なっ
て、図1に示す化粧シート10を得た。この化粧シート
10は、ベースシート11と印刷層12の間にプライマ
ー層を有せず、また印刷の前処理としてのコロナ処理も
必要としないので、加工性に優れている。
【0051】〔実施例2〕図2に示す化粧シートの製造方法 実施例1のシートの組成Aからなる厚み0.12mmの
着色したベースシート21をカレンダー法により形成
し、その表面にグラビア印刷によって抽象柄の印刷層2
2を施した。使用した印刷用インキは、実施例1と同じ
着色インキA、着色インキB、着色インキC、着色イン
キD、着色インキEをそれぞれ適量配合したインキを用
いて、2つの異なる版を重ねて印刷した。さらにその印
刷面に熱可塑性ウレタン系エラストマーからなる厚み5
μm(乾燥後)の表面保護層23を形成させた。この表
面保護層23の面側に砂目柄のエンボス(絞付け)を行
なって、所望の化粧シート20を得た。この化粧シート
20は、ベースシート21と印刷層22の間にプライマ
ー層を有しないので、加工性に優れている。
【0052】〔実施例3〕図3に示す化粧シートの製造方法 実施例1のシートの組成Bからなる0.15mmの透明
ベースシート33をTダイの押出し法により形成した。
次に、該透明ベースシート33の表面及び裏面にそれぞ
れ2版の木目柄をグラビア印刷により印刷し、印刷層3
2及び印刷層34を形成した。印刷に使用したインキ
は、実施例1と同様のインキを使用した。その後、印刷
層34の表面に熱可塑性ウレタン系エラストマーからな
る厚み10μm(乾燥後)の表面保護層35を設け、実
施例1のシートの組成Aからなる厚み0.2mmの着色
裏面層31とラミネートエンボス(貼り合わせ同時絞押
し)を行なって、所望の化粧シート30を得た。この化
粧シート30は、透明ベースシート33と印刷層32の
間、及び透明ベースシート33と印刷層34の間にプラ
イマー層を有せず、また印刷の前処理としてのコロナ処
理も必要としないので加工性に優れ、また各層間の剥離
強度等の物性も優れている。
【0053】〔実施例4〕図4に示す化粧シートの製造方法 実施例1のシートの組成Aからなる厚み0.1mmの着
色したベースシート41をカレンダー法により形成し、
そのベースシート41の表面に抽象柄をグラビア印刷し
て印刷層42を形成した。その際、インキは実施例1と
同一のインキを使用した。次いで、印刷層42を有する
ベースシート41と、実施例1のシートの組成Bからな
る厚み0.1mmの透明シート43とをラミネートエン
ボスを行ない、このエンボス(絞付け)によって透明シ
ート43の表面に形成される凹部内にワイピングインキ
を充填させて印刷層45を形成させた。その後、ポリウ
レタン系の2液硬化型樹脂を主要樹脂とする有機溶剤タ
イプの塗料をコーティングにより塗布・乾燥・硬化させ
た表面保護層44(厚み10μm)を有する化粧シート
40を得た。この化粧シート40は、着色したベースシ
ート41と印刷層42の間にプライマー層を有せず、ま
た印刷の前処理としてのコロナ処理も必要としないので
加工性に優れ、また各層間の剥離強度等の物性も優れて
いる。
【0054】〔実施例5〕図5に示す化粧シートの層構成 ベースシート21:実施例1のシートの組成A、厚み0.4mm、グレイ色に 着色 印刷層22 :実施例1と同様に、着色インキA、着色インキB、着色イ C、着色インキD、及び着色インキEをそれぞれ適量配合 したインキを用い、ダークグレイ系の色目にて抽象柄Cを 印刷 表面保護層23 :主にアクリル系樹脂.厚み2μm(乾燥後) ポリオレフィン系発泡層51: 発泡倍率15倍、厚み3mm
【0055】図5に示す化粧シートの製造方法 実施例1のシート組成Aからなる厚み0.4mmの着色
したベースシート21をカレンダー法により形成し、そ
の表面にグラビヤ印刷によって抽象柄Cからなる印刷層
22を施した。さらに印刷層22の表面に主にアクリル
系樹脂からなる厚み2μmの表面保護層23をグラビヤ
印刷により形成した。印刷層22及び表面保護層23を
有するベースシート21とポリオレフィン系発泡層51
と、を砂目絞のラミネートエンボスを行って、化粧シー
ト52を得た。この化粧シート52は、ベースシート2
1と印刷層22との間にプライマー層を有せず、また、
印刷の前処理としてのコロナ処理を必要としないので加
工性に優れ、また各層間の剥離強度等の物性も優れてい
る。
【0056】積層成形体 〔実施例6〕図6に示す積層成形体の層構成 ベースシート11:実施例1のシートの組成A、厚み
0.15mm、茶色系に着色 印刷層12 :実施例1と同様に、着色インキA、着色
インキB、着色イC、着色インキD、及び着色インキE
をそれぞれ適量配合したインキを用い、3つの異なる木
目調の版を重ねて印刷 透明シート13:実施例1のシートの組成B、厚み0.
05mm、木目調絞付き 成形基材61:プロピレンを主成分とするエチレン−プ
ロピレンブロック共重合体を主体とするリサイクル材、
厚み3.0mm
【0057】図6に示す積層成形体の製造方法 実施例1のシートの組成Aからなる0.15mmのベー
スシート11をカレンダー法により成形し、そのベース
シート11の表面にグラビヤ印刷によって木目柄からな
る印刷層12を施した。印刷には実施例1と同様に着色
インキA、着色インキB、着色インキC、着色インキD
及び着色インキEをそれぞれ適量配合したインキを用
い、3つの異なる木目調の版を重ねて印刷した。次に実
施例1のシートの組成Bからなる厚み0.05mmの透
明シート13をTダイの押出し法により形成し、前記木
目柄の印刷層12を施したベースシート11と木目調絞
のラミネートエンボス(貼り合わせ同時絞押し)を行っ
て、化粧シート10を得た。次いで、前記化粧シート1
0を真空成形にて予備賦形し、不要の外周部分等を鋏、
カッター等で取り除いた後、射出成形用金型のキャビテ
イ側に固定して成形基材61としてプロピレンを主成分
とするエチレン−プロピレンブロック重合体を主体とす
るグレー色系のリサイクル材を用いて射出成形し、所望
の積層成形体62を得た。この積層成形体62は、ベー
スシート11と印刷層12との間にプライマー層を有せ
ず、また、印刷の前処理としてのコロナ処理を必要とし
ないので加工性に優れていた。
【0058】〔実施例7〕図7に示す積層成形体の層構成 ベースシート31:実施例1のシートの組成A、厚み
0.2mm、青色系に着色 印刷層32 :実施例1と同様に、着色インキA、着色
インキB、着色インキC、着色インキD、及び着色イン
キEをそれぞれ適量配合したインキを用い、若干濃色系
の青色にて抽象柄Aを印刷 透明ベースシート33:実施例1のシートの組成B、厚
み0.1mm 印刷層34:印刷層32と同様なインキを使用し、若干
淡色系の青色にて抽象柄Aと若干異なる抽象柄Bを印刷 表面保護層35:熱可塑性ウレタン系エラストマー、厚
み2μm(乾燥後) 成形基材71:プロピレンを主成分とするエチレン−プ
ロピレンブロック共重合体、厚み3.5mm、青色系に
着色
【0059】図7に示す積層成形体の製造方法 実施例1のシートの組成Bからなる0.1mmの透明ベ
ースシート33をTダイの押出し法により形成した。そ
の際、押出し機の引き取り装置側に鏡面のエンボスロー
ルと細かい砂目のエンボスロールを0.1mmのロール
間隔を設けて固定して、Tダイから出てくる透明ベース
シート33を若干圧延しながら、透明ベースシート33
の表面及び裏面を印刷ができる程度に平滑にした。(印
刷層34を施す面側に、鏡面のエンボスを施した。ま
た、印刷層32を施す面側に、細かい砂目のエンボスを
施した。) 次に透明ベースシート33の表面及び裏面にそれぞれ抽
象柄A及び抽象柄Bをそれぞれグラビヤ印刷し、印刷層
32及び印刷層34を形成した。その後、印刷層34の
表面に熱可塑性ウレタン系エラストマーからなる厚み2
μm(乾燥後)の表面保護層35をグラビヤ印刷により
設けた。次いで表面保護層35と印刷層34と透明ベー
スシート33と印刷層32の構成体と、実施例1のシー
トの組成Aからなる厚み0.2mmの青色系の着色裏面
層31と、鏡面絞のラミネートエンボス(貼り合わせ同
時絞押し)を行って、化粧シートを30を得た。次い
で、前記化粧シート30を真空成形にて予備賦形し、不
要の外周部分等を取り除いた後、射出成形用金型のコア
側に固定して成形基材71としてプロピレンを主成分と
するエチレン−プロピレンブロック重合体を用いて射出
成形し、所望の積層成形体72を得た。この積層成形体
72は、透明ベースシート33と印刷層32との間、及
び透明ベースシート33と印刷層34との間にプライマ
ー層を有せず、また、印刷の前処理としてのコロナ処理
を必要としないので加工性に優れ、また各層間の剥離強
度等の物性も優れていた。
【0060】〔実施例8〕図8に示す積層成形体の層構成 ベースシート41:実施例1のシートの組成A、厚み
0.3mm、茶色系に着色 印刷層42 :実施例1と同様に、着色インキA、着色
インキB、着色インキC、着色インキD、及び着色イン
キEをそれぞれ適量配合したインキを用い、若干濃色系
の茶色にて格子柄Aを印刷 透明シート43:実施例1のシートの組成B、厚み0.
3mm 表面保護層44:ポリウレタン系の2液硬化型樹脂、厚
み10μm(乾燥.硬化後) 印刷層 45:印刷層42と同様なインキを使用し、若
干淡色系の茶色にてワイピングにより格子柄Bを印刷 ポリオレフィン系発泡層51:オレフィン系樹脂発泡
層、発泡倍率20倍、厚み3mm 成形基材81 :プロピレンを主成分とするエチレ
ン−プロピレンブロック共重合体、厚み3mm、色目は
ナチュラル色
【0061】図8に示す積層成形体の製造方法 実施例1のシートの組成Aからなる0.3mmの着色し
たベースシート41をカレンダー法により形成し、その
ベースシート41の表面に格子柄Aをグラビヤ印刷して
印刷層42を形成した。ついで印刷層42を有するベー
スシート41と、実施例1のシートの組成Bからなる厚
み0.3mmのカレンダー法により形成した透明シート
43と、を格子絞のラミネートエンボス(貼り合わせ同
時絞押し)を行い、このエンボス(絞付け)によって、
透明シート43の表面に形成される凹部内にワイピング
インキを充填させて印刷層45を形成した。その後、ポ
リウレタン系の2液硬化型樹脂を主要樹脂とする有機溶
剤タイプの塗料をグラビヤ印刷により塗布・乾燥・硬化
させて表面保護層44を形成した。こうして得られた表
面保護層44と印刷層45と透明シート43と印刷層4
2及びベースシート41の構成体と、ポリオレフィン系
発泡層51と、を鏡面絞のラミネートエンボスを行い化
粧シート48を得た。次に前記化粧シート48を真空成
形法にて予備成形し、不要の外周部分や開口部分のシー
トを鋏やカッター等で取り除いた後、射出成形用金型の
キャビティ側に固定して、成形基材81として特に着色
していないプロピレンを主成分とするエチレン−プロピ
レン共重合体を低圧射出成形し、積層成形体82を得
た。この積層成形体82は、自動車内装のインストルメ
ントパネル及びその周辺部品、コンソールボックス及び
その周辺部品、ピラー及びその周辺部品に使用するのに
好適である。この積層成形体82は、ベースシート41
と印刷層42の間にプライマー層を有せず、また、印刷
の前処理としてコロナ処理も必要としないので加工性に
優れ、また、各層間の剥離強度等の物性も優れている。
【0062】〔実施例9〕図9に示す積層成形体の層構成 ベースシート91:実施例1のートの組成A、厚み0.
25mm、グレー系に着色 印刷層92 :実施例1と同様に、着色インキA、着色
インキB、着色インキC、着色インキD、及び着色イン
キEをそれぞれ適量配合したインキを用い、若干濃色系
のグレーにて抽象柄Dを印刷 透明シート93:実施例1のシートの組成B、厚み0.
25mm、表面に指紋状の細かい絞つき 成形基材94 :プロピレンを主成分とするエチレン−
プロピレンブロック共重合体、厚み3mm
【0063】図9に示す積層成形体の製造方法 実施例1のシートの組成Aからなる厚み0.25mmの
ベースシート91をカレンダー法により形成し、該ベー
スシート91の表面に抽象柄Dをグラビヤ印刷して印刷
層92を形成した。次に実施例1のシートの組成Bから
なる厚み0.25mmの透明シート93をTダイの押出
し法により形成し、前記印刷層92を有するベースシー
ト91と指紋状絞のラミネートエンボス(貼り合わせ同
時絞押し)を行って、化粧シート95を得た。次いで、
押出し機のTダイから成形基材94としてプロピレンを
主成分とするエチレン−プロピレンブロック共重合体を
3mmの厚みで押出しし、冷えない内に前記化粧シート
95を熱ラミネートして積層成形体96を得た。この積
層成形体96は、その後圧空成形により用途に適した形
状とし、コンビニエンスストア等の店舗の外装材、照明
器具カバー、電気冷蔵庫の内装材、自動車のインストル
メントパネル・ドアトリム・成形天井等の内装材、自動
車ボデー外板の一部、住宅用浴室内装材、OA機器やハ
イテク機器のハウジング、POSのハウジング、カラー
コピー機のカバー、プリンターカバー、楽器ケース、医
療機器のハウジング、壁画パネル、新幹線客席テーブ
ル、農機具カバー、ゴルフカート等に使用するのに好適
である。この積層成形体96は、ベースシート91と印
刷層92の間にプライマー層を有せず、また印刷の前処
理としてのコロナ処理を必要としないので加工性に優
れ、また各層間の剥離強度等の物性も優れている。
【0064】〔比較例1〕図10に示すように、実施例
1と同様のシートの組成Aからなる厚み0.1mmのベ
ースシート101にコロナ放電処理を施し、その処理面
のぬれ指数を40dyn/cmとした。次にベースシー
ト101のコロナ放電処理面に、ウレタン系樹脂を主成
分とした有機溶剤タイプの主剤に対しイソシアネート系
硬化剤を5重量%添加したプライマー剤を塗布・乾燥し
てなるプライマー層102をグラビア印刷により形成し
た。このプライマー層102の面にグラビア印刷によっ
て木目柄からなる印刷層103を印刷した。インキに
は、主要樹脂にウレタン系樹脂を用いその他に顔料や有
機溶剤等を含むインキを使用し、3つの版を重ねて印刷
した。次に、実施例1と同様のシート組成Bからなる厚
み0.1mmの透明シート104をカレンダー法により
形成し、前記の木目柄印刷を施したベースシート101
と木目調絞のラミネートエンボスを行なって、比較例1
の化粧シート100を得た。この化粧シート100の作
製にはコロナ放電処理やプライマー処理を必要とし、加
工性が劣るものである。
【0065】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ベースシ
ートの材質を構成するハード成分とソフト成分からなる
ベースシートを有する化粧シートは、表面に加飾・高機
能化を発現でき、また、この化粧シートに対して、オレ
フィン系の樹脂及び/又はゴムからなる成形基材を積層
した積層成形体は、燃焼時に有害なガスの発生がなく、
しかも成形基材へのリサイクルが容易である。さらに化
粧シートにおけるベースシートに低塩素化オレフィン系
樹脂を主要樹脂とするインキにより印刷層を構成するの
で、印刷の前処理としてのコロナ処理を必要とすること
なく、また、プライマー処理等の煩雑な処理を要するこ
となく、したがって、加工性に優れ、各層ベースシート
と印刷層との間の剥離強度等の物性も優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧シートの一実施の形態を示す概略
的断面図である。
【図2】本発明の化粧シートの他の実施の形態を示す概
略的断面図である。
【図3】本発明の化粧シートの更に他の実施の形態を示
す概略的断面図である。
【図4】本発明の化粧シートの更に他の実施の形態を示
す概略的断面図である。
【図5】本発明の化粧シートの更に他の実施の形態を示
す概略的断面図である。
【図6】本発明の積層成形体の一実施の形態を示す概略
的断面図である。
【図7】本発明の積層成形体の他の実施の形態を示す概
略的断面図である。
【図8】本発明の積層成形体の更に他の実施の形態を示
す概略的断面図である。
【図9】本発明の積層成形体の更に他の実施の形態を示
す概略的断面図である。
【図10】従来の化粧シートの形態を示す概略的断面図
である。
【符号の説明】
10,20,30,40,52 化粧シート 11,21,33,41,91 ベースシート 12,22,32,34,42,92 印刷層 13,43,93 透明シート 23,35,44 表面保護層 31 裏面着色層 45 ワイピング印
刷層 51 ポリオレフィ
ン系発泡層 61,71,81,94 成形基材 62,72,82,96 積層成形体

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハード成分としての(A)熱可塑性オレ
    フィン系樹脂と、ソフト成分としての(B)水添スチレ
    ン系共重合体と、のブレンドタイプのオレフィン系樹脂
    組成物を材質とするベースシートの少なくとも表面に、
    低塩素化オレフィン系樹脂を主要樹脂とする印刷層を有
    することを特徴とする化粧シート。
  2. 【請求項2】 ハード成分としての(A)熱可塑性オレ
    フィン系樹脂が、オレフィン系モノマーの単独重合体又
    は共重合体である請求項1に記載の化粧シート。
  3. 【請求項3】 ハード成分としての(A)熱可塑性オレ
    フィン系樹脂が、オレフィン系モノマーの単独重合体の
    混合物及び/又はオレフィン系モノマーの共重合体の混
    合物である請求項1に記載の化粧シート。
  4. 【請求項4】 オレフィン系モノマーが、エチレン、プ
    ロピレン、及び炭素数4〜10のα−オレフィンより選
    ばれたものである請求項2又は請求項3に記載の化粧シ
    ート。
  5. 【請求項5】 水添スチレン系共重合体が、水添スチレ
    ン系ブロック共重合体及び/又は水添スチレン系ランダ
    ム共重合体からなる請求項1に記載の化粧シート。
  6. 【請求項6】 低塩素化オレフィン系樹脂が、低塩素化
    ポリプロピレンからなる請求項1に記載の化粧シート。
  7. 【請求項7】 低塩素化オレフィン系樹脂が、低塩素化
    エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる請求項1に記載
    の化粧シート。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の化粧シートとオレフィ
    ン系の樹脂及び/又はゴムからなる成形基材との積層構
    造を有することを特徴とする積層成形体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000211070A (ja) * 1999-01-25 2000-08-02 Dainippon Printing Co Ltd 化粧シ―ト
JP2005343383A (ja) * 2004-06-04 2005-12-15 Calsonic Kansei Corp 車両用内装材
JP2008087153A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Maho Morita 装飾シート及びその施工構造

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