JP2002060710A - 記録用粘着シート - Google Patents

記録用粘着シート

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JP2002060710A
JP2002060710A JP2001035384A JP2001035384A JP2002060710A JP 2002060710 A JP2002060710 A JP 2002060710A JP 2001035384 A JP2001035384 A JP 2001035384A JP 2001035384 A JP2001035384 A JP 2001035384A JP 2002060710 A JP2002060710 A JP 2002060710A
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adhesive
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Masasuke Tomikanehara
正祐 冨金原
Satoru Matsubayashi
悟 松林
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】表面基材の片面に記録層、他面に粘着剤層を有
する粘着シートであり、記録を行った後、例えば郵便葉
書等のような紙被着体に何度も貼付、および再貼り替え
ができる粘着シートに関する。 【解決手段】表面基材の片面に記録層、他面に粘着剤層
を有する記録用粘着シートにおいて、該粘着剤層を構成
する粘着剤が、粘着性微粒子および必要に応じてバイン
ダーを含有し、且つ粘着剤層の含水分量が7%以下であ
ることを特徴とする記録用粘着シートである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面基材の片面に
記録層、他面に粘着剤層を有する粘着シートであり、記
録を行った後、例えば郵便葉書等のような紙被着体に何
度も貼付、および再貼り替えができる粘着シートに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、フルカラー画像記録方式として、
電子写真記録、インクジェット記録、溶融熱転写記録、
昇華熱転写記録、感熱記録等の種々の記録方式がある。
それらの中でも、特に画像階調性に優れたプリントが可
能な昇華熱転写方式が注目されている。昇華熱転写方式
によるプリントは、昇華性染料層を有するインクシート
と染料染着性受容層を有する染料熱転写受容シートを重
ね合わせ、プリンターのサーマルヘッド等から供給され
る熱により、インクシートの所望箇所のイエロー、マゼ
ンタ及びシアンの3色(あるいはこれにブラックを加え
た4色)の染料を順次所定濃度だけ受容層上に転写して
画像を形成するものである。フルカラー画像は、インク
シートの各色の染料を受容シートに順に繰り返し転写す
ることによって得ることができるのである。
【0003】染料熱転写受容シートは、シート状基材の
表面側にポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、セ
ルロース誘導体等の染料と親和性の高い樹脂、およびプ
リントの際のサーマルヘッドとインクシートの融着防止
として離型剤、架橋剤、滑剤等を主成分とする染料受容
層が設けられており、シート状基材の裏面側には、静電
気の帯電防止や摩擦係数適正化によりプリンター走行性
を付与するために、裏面塗工層が設けられるのが一般的
である。
【0004】近年、デジタルカメラやパーソナルコンピ
ューター等の普及にともない、家庭で官製はがきなどに
記録を行うことが増えている。しかし、官製はがきなど
はプリンターでの記録適性を有さないので、プリンター
に適した記録層を有する専用のはがきしか使用できなか
った。特に、昇華転写記録方式は、受容層の無いはがき
には記録が全くできなかった。最近、昇華転写記録方式
においても、特殊なインクシートを用いることによっ
て、例えば郵便葉書等のように表面に染料染着性樹脂を
全く塗工していない紙基材に直接印画できるタイプがあ
る。この場合、インクシートには、既述のイエロー、マ
ゼンタ及びシアンの3色(あるいはこれにブラックを加
えた4色)の染料に加えて、染料染着性樹脂、離型剤、
架橋剤、滑剤等を主成分とする染料受容層が設けられて
おり、印画時には、まず、郵便葉書等に対して染着性樹
脂を熱転写することで、これを擬似的に染料熱転写受容
シート化し、次いで染料を順次転写していくことによっ
てフルカラー画像を形成するというものである。しかし
ながら、このタイプではフルカラー画像を形成する際、
紙基材の表面平滑性がかなり低いため、サーマルヘッド
およびインクシートと郵便葉書等の表面に擬似的に設け
られた染料受容層との接触が不十分となり、結果として
印画濃度が薄く、さらに微小な印画白抜けが多発してし
まいフルカラー画像としては極めて劣るものとなる欠点
を有している。
【0005】この問題を解決するために、剥離シート上
に粘着剤層、シート状基材、及び記録層(染料受容層)
を順次積層した平滑性に優れる記録用粘着シートにあら
かじめ画像を形成し、この粘着シール(剥離シートを除
いた構成)を剥がして郵便葉書等に貼り付けることが考
えられる。確かにこの方法によると、印画時の記録シー
ト(受容シート)は、フィルム等を基材に適用すること
で表面平滑性に優れるものとなり、印画の際の画像品質
は満足できるものを得ることができる。しかし、粘着シ
ールを剥離シートから剥がして紙被着体に貼り付ける
際、誤って目標からずれた位置に貼り付けてしまったり
気泡が入ってしまうことが多く、一般に上手に貼り付け
るのが難しいため、できあがったものの見栄えが著しく
悪くなってしまう。このような場合、粘着シールを剥が
して再度貼り直そうとしても、郵便葉書等の紙被着体は
一般に表面強度が弱く破れやすいため外観を傷つける
上、粘着剤の粘着強度が強いために印画した粘着シール
にも剥離時の折れ傷が入ってしまい、これをも再使用不
能となってしまう。特に基材としてフィルムを使用して
いる場合は、フィルムに皺が生じてしまう。再剥離性を
有さないことに加えて、葉書等の被着体は表面が粗面で
あるため粘着剤表面との接触面積が十分に得られないた
め静置粘着力が低く、不用意に粘着シールが脱落しやす
いという問題も有している。
【0006】貼付時の気泡混入対策、および再貼り替え
性付与として、粘着剤をストライプパターンで塗工した
り、あるいは、あらかじめ記録シートに極端なエンボス
加工を施すことも考えられる。しかし、この方法では確
かに気泡の混入は軽減できるものの、塗工部/未塗工部
における粘着剤の厚み違い、あるいはエンボス自身に起
因する記録シートの平滑性低下により、既述の印画濃度
低下や印画白抜けが発生してしまう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、表面基材の
片面に記録層、他面に粘着剤層を有する記録用粘着シー
トであり、印画したシールを剥離シートから剥がして、
例えば郵便葉書等のような紙被着体に何度も貼付、およ
び再貼り替えができる記録用粘着シートを提供するもの
である。これにより、印画画像品質として満足できるも
のを得ることができる上、印画粘着シールを紙被着体に
貼り付ける際、誤って目標からずれた位置に貼り付けて
しまったり気泡が入ってしまった場合でも、郵便葉書お
よび粘着シールの外観を損なうことなく粘着シールを剥
がして再度貼り直すことが可能となる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、所望とす
る紙被着体からの再剥離/再貼り替えを得るために粘着
剤について鋭意研究を行った。その結果、本発明者等
は、粘着剤層に粘着性を有する微粒子を含む粘着剤を適
用し、粘着剤表面に粘着性を有する粘着性微粒子の凹凸
を形成することにより、被着体表面性にかかわらず安定
した粘着性を有し、且つ再剥離、再貼着可能な粘着力を
維持できることを見いだし、第一の発明に至った。さら
に本発明者等は、適用する粘着剤層の凹凸形状に関し種
々検討した結果、記録画像の品質に影響を与えないため
の凹凸形状の適正条件を見いだし、第二の発明に至っ
た。すなわち、昇華転写記録方式のような加熱により昇
華性染料を染料染着性受容粘着シートに記録する場合、
良好な粘着物性を得るための第一の発明に加え、鮮明な
画像を得るためには適用する凹凸状粘着剤層の凸部の平
均高さに適正な範囲があること(第二の発明)を見いだ
し、本発明を完成した。なお、粘着剤層の凹凸が印画面
の画質に影響を与える原因としては、(1)粘着剤層の
凹凸により受容層表面が凹凸に変形(平滑性の低下)
し、熱ヘッドとインクリボンおよび受容層間の密着性が
低下する。(2)粘着剤層の凹凸により発生する粘着剤
層の面方向に生じる粘着剤成分の密度分布のムラにより
プリンターの熱ヘッドから昇華インクリボンを通して粘
着シートに伝わる熱の伝導や蓄熱の分布にムラが発生す
る。等が推測される。特に、表面基材がポリエチレンテ
レフタレート等の硬質フィルムの場合は、画質低下が顕
著である。
【0009】即ち、本発明は、表面基材の片面に記録
層、他面に粘着剤層を有する記録用粘着シートにおい
て、該粘着剤層を構成する粘着剤が、粘着性微粒子およ
び必要に応じてバインダーを含有し、且つ粘着剤層の含
水分量が7%以下であることを特徴とする記録用粘着シ
ートである。また、表面基材の片面に記録層、他面に粘
着剤層を有する記録用粘着シートにおいて、該粘着剤層
面が凹凸形状を有し、凸部の平均高さが7〜30μmで
あることを特徴とする記録用粘着シート。さらに、該粘
着剤層を構成する粘着剤が、体積平均粒子径が10〜3
3μmの弾性微球体を含む記録用粘着シート。また、該
粘着剤層の含水分量が7%以下である記録用粘着シート
である。
【0010】
【発明の実施の形態】まず、第一の発明の主点である粘
着剤層について述べる。一般に粘着剤としては、アクリ
ル系、合成ゴム系、天然ゴム系等各種組成のものがあ
り、形態として溶剤に希釈した溶剤系粘着剤、水中に粘
着剤を分散したエマルジョン系粘着剤が広く使用されて
いるが、本発明においては所望とする紙被着体からの再
剥離/再貼り替えを得るために粘着剤層に粘着性を有す
る微粒子を含む粘着剤を使用する。粘着性微粒子は通常
0.1〜500μm、好ましくは1〜300μm、特に
好ましくは1〜200μmの範囲内の粒子径を有し、そ
の体積平均粒子径は8〜100μm、好ましくは20〜
80μmである。
【0011】この粘着剤は、粘着性を有する粘着性微粒
子が粘着剤表面に突出することで粘着剤表面に凹凸を形
成しているため、接着しやすい平滑な被着体と粘着剤の
接触(接着)面積を減少させる。一方、接着しにくい粗
面の被着体には粘着剤表面の凹凸が接触(接着)面積を
増大させると推測する。従って、該粘着剤を塗布した粘
着シートは、被着体表面の粗さにかかわらず一定の接触
面積が得られやすく、再剥離、再貼着可能な粘着力を維
持できるものである。
【0012】しかし、該粘着性微粒子は弾性体であるた
め、その形状が圧力に対し不安定であり、例えば、粘着
シートを巻き取り製品の状態で保管する場合、その巻圧
により粘着性微粒子が扁平化(半球状もしくは球状の粘
着性微粒子が巻圧により平坦な形状へ塑性変形するこ
と)するため粘着剤表面の凹凸が小さくなり、紙被着体
等の粗面に対する軽圧着時の粘着力が低くなる問題があ
る。
【0013】本発明者らは、前記粘着性微粒子を含む粘
着剤を用い粘着シートとする場合、粘着剤層の水分量が
7%以下であることが重要であることを見出した。即
ち、7%を越えると、前記粘着性微粒子が外圧により扁
平化し易いのである。これは、粘着剤ポリマー間の水分
子が粒子内部を可塑化させるためと考えられる。また、
さらに好ましくは水分量を5%以下とすることにより、
より外圧に対する耐圧性(耐扁平化)が良好となる。前
記粘着性微粒子の組成としては、前記条件を満たすもの
であれば特に限定されるものではないが、得られる再剥
離型粘着剤組成物の諸物性の優秀さより、アクリル系共
重合体からなることが好ましい。
【0014】本発明において使用される粘着性微粒子
は、40℃における貯蔵弾性率が25000〜6000
0Paであることが好ましく、より好ましくは3000
0〜55000Pa、特に好ましくは30000〜50
000Paとすることにより良好な粘着性、再剥離性、
再貼着性に加えて良好な製品保管安定性が得られる。
【0015】貯蔵弾性率とは、動的粘弾性測定装置(オ
リエンテック製RHEOVIBRON DDV−25F
P)を用いて約2mm厚の板状に成膜した粘着性微粒子
を40℃、周波数1Hzで剪断変形させたときに得られ
る動的複素弾性率の位相角δの余弦成分を指す。ここで
いう粘着性微粒子とは、粘着性微粒子の懸濁重合液また
は粘着性微粒子を含有してなる再剥離型粘着剤組成物を
脱イオン水にて希釈後東洋濾紙製定性濾紙No.101
により濾過分離し乾燥されたものである。
【0016】因みに、40℃における貯蔵弾性率が25
000Pa未満では、粘着性微粒子の弾性率が低いため
粘着シートの巻き取り保管時等に外圧により微粒子が扁
平化することで品質が低下し製品保存安定性に欠ける傾
向にある。また、60000Paを越えると、粘着性微
粒子の弾性率が高すぎるため、粘着シール貼付時の被着
体への密着性が低くなるために接着性が乏しくなる傾向
にある。
【0017】なお、貯蔵弾性率を40℃で測定するとこ
ろに特徴があり、常温領域(20℃前後)、また高温域
(50℃前後)での測定値では有意差が小さく判断がで
きない。原因は不明だが、粘着性微粒子への長期加重に
よる変形負荷が、40℃程度での貯蔵弾性率測定時の該
粘着性微粒子への剪断負荷と関係があるのではないかと
考える。また、それより高温域では、該粘着性微粒子の
ガラス転移温度(Tg)が大きく影響し、判断できない
のではないかと考える。
【0018】本発明の粘着剤層に含有される粘着性微粒
子は、基材に物理的に固着する結合剤として、バインダ
ーを使用する。バインダーは粘着性微粒子を基材に物理
的に固着する結合剤としての機能を有しているものであ
れば特に限定されるものではないが、得られる粘着剤の
諸物性の優秀さより、下記単量体(1)〜(3)、
(1)一般式 CH=CRCOOR(但し、R
はHまたはCH、R炭素数1〜12の直鎖または分
岐アルキル基)で示される(メタ)アクリル酸エステル
系単量体50〜100重量%、(2)カルボキシル基を
有する不飽和単量体0〜10重量%、(3)前記単量体
(1)および(2)と共重合可能なその他の不飽和単量
体0〜50重量%、を共重合してなるアクリル系共重合
体であることが好ましく、さらに該アクリル系共重合体
のTgが−40℃〜60℃であることが特に好ましい。
【0019】本発明に係る前記バインダーは前記粘着性
微粒子に対してその固形分重量比で100/0〜60/
40、好ましくは95/5〜65/35、より好ましく
は95/5〜70/30として使用できる。該バインダ
ーの使用量が40重量%を越えると接着性がやや劣る。
【0020】本発明の粘着性微粒子を含有する粘着剤を
塗工する装置としては、例えばロールコーター、リバー
スロールコーター、ナイフコーター、エアーナイフコー
ター、バーコーター、スロットダイコーター、リップコ
ーター、グラビアコーター、リバースグラビアコーター
等の一般の塗工装置が挙げられ、また、スクリーン印
刷、グラビア印刷等の印刷機でも製造することができ
る。なお、粘着シートの製造方法としては、通常直接
法、即ち表面基材裏面上に粘着剤を塗布乾燥して粘着剤
層を設け、次いで剥離シートと貼合する方法で仕上げら
れる。この場合の表面基材裏面へ直接粘着剤を塗布する
のは、粘着剤表面に粘着性微粒子が形成する物理的な凹
凸面を得るためであり、一旦剥離シート上に粘着剤を塗
布、乾燥し、表面基材と貼合する転写法でも、塗工方法
や製造後の粘着シートの養生方法により、前記直接法で
得られる粘着剤層表面と同様な面が得られれば問題な
く、直接法、転写法に限定はされない。粘着剤層の塗工
量は、所望とする品質に応じて任意に調整可能である
が、好ましくは3〜30g/mの範囲である。因み
に、塗工量が30g/mを越えると、粘着剤はみだし
(ウーズ)の懸念があり、一方、3g/mより少ない
と粘着力が極端に低くなる。
【0021】次に表面基材について述べる。本発明に使
用される表面基材としては、公知の紙基材、フィルム基
材(合成紙を含む)、これらの積層基材が適宜使用でき
るが、印画画質の均一性や階調性の点から平滑性に優れ
るものが使用され、例えばPETフィルム、多孔質PE
Tフィルム、合成紙や、ポリエチレン、ポリプロピレン
等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポ
リスチレンなどを主成分とした延伸フィルム、多層構造
フィルムが例示される。
【0022】サーマルヘッドで記録される記録層を形成
する場合の支持体としては、記録時の熱により熱収縮す
る恐れがあるので、熱収縮率の低いシート、例えばPE
Tフィルムやフィルムを紙などに積層した積層支持体の
使用が好ましい。特にフィルム単体の場合、厚みが薄い
と粘着剤層の微球体の凸凹面が、表面側に現れるおそれ
が有るのである程度の厚みが必要であり、例えばポリエ
チレンテレフタレート系フィルムの場合、30〜200
μm程度の厚みが好ましい。
【0023】特に、昇華熱転写記録方式の場合、印画画
質の均一性や階調性の点からフィルム基材が好ましい。
また、印画時カール軽減の目的で、フィルムの裏面に芯
材層を積層し剛度アップすることもでき、この芯材層と
しては、セルロースパルプを主成分とする紙、コート
紙、アート紙、キャストコート紙、少なくとも一方の面
に熱可塑性樹脂層を設けたラミネート紙等、または合成
樹脂を主成分とするポリエステル、ポリアミド、ポリオ
レフィン、ポリスチレン、ポリカーボネート等のフィル
ムを用いることができる。積層方法としては特に限定さ
れるものではなく、ウェットラミネート、エキストルー
ジョンラミネート、ドライラミネート等の公知の技術が
使用できる。
【0024】この表面基材の片面に記録層を形成する。
次に記録層について説明する。記録層としては、電子写
真記録、インクジェット記録、溶融熱転写記録、昇華熱
転写記録、感熱記録等の記録方式に適した記録層を形成
することができる。その中でも、昇華熱転写記録は銀塩
写真に近いフルカラー画像が形成できるので好ましい。
以下、昇華熱転写記録の記録層(受容層ともいう)を代
表例として説明する。
【0025】受容層には、染料染着性を有する熱可塑性
樹脂が使用できる。例えば、ポリ塩化ビニル、ポリビニ
ルブチラール、ポリアセタール、ポリ塩化ビニリデン、
ポリ酢酸ビニル、ポリビニルホルマール、ポリスチレ
ン、スチレン・アクリロニトリル共重合体、ポリエチレ
ン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、
ポリアセタール、ポリメチルメタクリレート、MMA・
スチレン共重合体、ポリアミド、エチルセルロース、酢
酸セルロース、プロピルセルロース、酢酸・酪酸セルロ
ース、硝酸セルロース、ポリカーボネート、フェノキシ
セルロース、ポリエステル、ポリウレタン等を単独、も
しくは併用することも可能である。また、プリントの際
のサーマルヘッドとインクシートの融着防止として離型
剤、架橋剤、滑剤等も配合できる。
【0026】染料熱転写方式で得られた画像は一般に光
による退色が激しく、これは染料や熱可塑性樹脂が太陽
光等によって含まれる紫外線(290〜400nm)の
影響を受け劣化が進むためと考えられる。これを防ぐた
めに受容層中に、特にHALSや紫外線吸収剤を配合す
ることが効果的である。
【0027】HALSは2,2,6,6−テトラメチル
ピペレジン骨格を有する化合物であり、それ自身紫外線
吸収能はないが、光劣化で生じるラジカルを捕捉するこ
とにより、劣化を効果的に防止すると考えられている。
また前記HALSの分子量が250以下であると、画像
の安定性がさらに向上しさらに好ましい。これはHAL
Sが比較的低分子であると、受容層の塗工乾燥工程時に
HALSが受容層表面に拡散しやすくなり、このためよ
り効率的に光劣化を防ぐためと考えられる。配合量とし
ては熱可塑性樹脂100部に対して1〜40重量部のH
ALS配合が好ましい。
【0028】一方、紫外線吸収剤(UVA)は紫外線領
域に強い吸収を持ち、分子内で吸収したエネルギーを無
害な形、たとえば熱、リン光、蛍光に変換して放出し、
ポリマーや染料が励起されることを防止していると考え
られる。HALSとUVAを併用することにより、おの
おの単独で使用した場合の効果を足し合わせた以上の相
剰効果が得られる。
【0029】紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾー
ル系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、蓚酸ア
ニリド系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤
のうち少なくとも1種類をHALSと併用することで耐
光性が向上する。とくにベンゾトリアゾール系は他紫外
線吸収剤と比較し、吸収波長が広く、また高波長側に極
大吸収ピークを持ち、また吸光度も大きいことから好ま
しく用いられる。受容層中の紫外線吸収剤の配合量とし
ては、熱可塑性樹脂100部に対して1〜40重量部の
配合が好ましい。
【0030】受容層の塗工は、グラビアコーター、バー
コーター、ロールコーター、エアナイフコーター、ブレ
ードコーター等公知の設備によって任意に行うことがで
き、塗工量は1〜20g/mが適当である。因みに、
1g/m未満では、印画濃度、画質が不十分となりや
すく、一方、20g/mより多いと経済性の面から実
用性に乏しい。
【0031】次に、剥離シートについて述べる。剥離シ
ートとしては、剥離剤層および剥離シート基材からなる
公知の剥離シートが使用できる。剥離剤層は、ビニル
基、又は水酸基含有ポリジメチルシロキサンをメチルヒ
ドロキシシロキサンと付加/縮合反応させるシリコーン
系、長鎖アルキルアクリレート重合物等に代表される非
シリコーン系等の剥離剤を任意に使用することができ
る。剥離剤の塗工は、グラビアコーター、バーコーター
等公知の設備によって行うことがでる。剥離剤の塗工量
は、0.05〜1.5g/mが適当である。因みに、
0.05g/m未満では、剥離性能のばらつきが大き
く、一方、1.5g/m以上では経済性の面から実用
性に乏しい。
【0032】剥離シート基材としては、例えば、PET
フィルム、発泡PETフィルム、ポリカーボネートフィ
ルム、ポリプロピレンフィルム、合成紙、塗工紙、ラミ
ネート紙、グラシン紙等が挙げられ、特にその種類につ
いては限定されないが、印画白抜けの観点から、剥離シ
ートの剥離剤面の中心線平均粗さ(Ra)が1μm以下
であることが好ましい。
【0033】剥離シートの裏面には、プリンター走行性
向上、静電気の防止、シート相互の擦れによる受容層の
損傷防止、さらにはプリントした受容シートを重ねおき
したとき、受容層からそれに隣接接触する受容シート裏
面への染料移行の防止などを目的として裏面塗工層が形
成されていてもよい。裏面塗工層には、アクリル樹脂、
エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ア
ルキッド樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、PVA、
デンプン、CMC等のバインダー類単独、またはそれら
にカチオン系、アニオン系、ノニオン系の各種導電剤、
カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン、タルク、硫酸
バリウム、尿素樹脂フィラー等の無機又は有機顔料、シ
リコーンオイル、金属石鹸、脂肪族ワックス等の滑剤等
を適宜配合することができる。
【0034】裏面塗工層の塗工は、グラビアコーター、
バーコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、
ブレードコーター等公知の設備によって任意に行うこと
ができ、塗工量は1〜10g/mが適当である。因み
に、1g/m未満では、所望とする種々性能が不十分
となりやすく、一方、10g/mより多いと経済性の
面から実用性に乏しい。
【0035】粘着シートの総厚みは、20〜300μm
の範囲であることが好ましい。因みに、厚さが20μm
より薄いと、粘着シートの物理的強度、硬さ、変形に対
する反発力が不十分となり、印画の際に生じるカールを
十分に防止できなくなる。一方、厚さが300μmを越
えると、所定容積のプリンターに粘着シートを収納する
際の収納枚数の低下や、あるいはプリンターの容積増等
の問題を招く。
【0036】次に、第二の発明である粘着剤層の凹凸形
状に関して述べる。凹凸を形成する粘着剤には特に限定
はなく、同じ材料であっても異種材料の混合物であって
も構わないが、熱伝導性の均一性向上のためには同種材
料の方が好ましい。すなわち、アクリル系、合成ゴム
系、天然ゴム系から選ばれる同種の粘着剤を凹凸形状と
なるように粘着シートを作製することが好ましい。
【0037】粘着剤層を凹凸形状にする手段には特に限
定はなく、従来公知の方法が適用できる。例えば、最初
に平面状の粘着剤層を有する粘着シートを作製し、次い
で凹凸形状の型を押し当てるエンボス法や、予め凹凸形
状を形成したエンボス剥離シート上に粘着剤を塗工し表
面基材に転写する方法等がある。また、第一の発明のご
とき粘着性微粒子等の弾性微粒子を含む粘着剤を用いて
も構わない。この場合、弾性微粒子とバインダーは同種
材料の中から選定することが好ましい。また、再剥離、
再貼着等の粘着適性の点からは、粘着性微粒子等の弾性
微粒子を含有する粘着剤を用いる方法が好ましい。
【0038】昇華転写記録方式のような加熱により昇華
性染料を染料染着性受容粘着シート記録する場合、受容
シートの表面の平滑性や熱の伝導、蓄熱の均一性が画像
に影響するため、粘着剤層の凸部の平均高さが7〜30
μm、好ましくは10〜20μmである。因みに、30
μmを越えると、印画した画像にムラが発生する。ま
た、7μmより小さいと画質は良好であるが、再剥離
性、再貼着性が低下するため好ましくない。この場合の
凸部高さの測定は三次元表面構造解析顕微鏡で可能であ
り、例えば「ZYGO New View 200(Z
YGO社製)」が使用できる。測定方法としては、粘着
シートの剥離シートを剥がした粘着剤面をZYGO顕微
鏡にて観察し、任意のラインプロファイルをとることで
測定できる。
【0039】粘着剤の凸部を所定の範囲に制御する手段
としては、エンボス法ではエンボスロールの溝の深さを
7〜30μmにすることで得られる。7μmより小さく
ても、また30μmより大きくても、所定の凹凸部が得
られない。また、凹部の平均深さが7〜30μmのエン
ボス剥離シートを用い、通常の方法で粘着シートを作製
することでも得られる。一方、粘着性微粒子等の弾性微
粒子含有粘着剤を適用する場合は、体積平均粒子径は1
0〜33μm、好ましくは12〜28μmの弾性微粒子
を用いることで得ることができる。10μmより小さく
ても、また33μmより大きくても所定の凹凸部が得ら
れない。本発明で使用される弾性微粒子の粒子径は、懸
濁重合するときの界面活性剤量および攪拌条件等で所望
の粒子径に調整することが可能である。
【実施例】下記の実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、勿論、本発明の範囲はこれらに限定されるもの
ではない。なお、実施例において、特に断らない限り
「%」、及び「部」は全て「重量%」、「重量部」を示
す。
【0040】実施例1 <剥離シートの製造>厚さ100μmの白色多孔性PE
Tフィルム(商標:W900E100、ダイヤホイル
製)に下記裏面塗工層用塗料を絶乾塗工量で1g/m
となるように、バーコーターで塗布乾燥した。 「裏面塗工層用塗料」 成分 重量部 アクリル樹脂(商標:SAR−615A、中央理化製) 100部 エポキシ架橋剤(商標:SAR−615B、中央理化製) 5部 カチオン系帯電防止剤(商標:ST2000H、三菱油化製) 75部 シリカ(商標:P78A、水澤化学製) 30部 IPA/トルエンにて希釈 次に、裏面塗工層の反対面上に下記剥離剤層用塗料を、
絶乾塗工量が0.15g/mとなるようにバーコータ
ーで塗布乾燥し、剥離シートを得た。
【0041】 「剥離剤層用塗料」 成分 重量部 剥離剤(商標:SD7236、東レ・ダウ・コーニング・ シリコーン製) 100部 剥離コントロール剤(商標:SD7292、東レ・ダウ・ コーニング・シリコーン製) 40部 触媒(商標:SRX212、東レ・ダウ・コーニング・ シリコーン製) 1.5部 トルエン/n−ヘキサン混合溶剤にて希釈
【0042】<染料熱転写受容表面基材シートの作成>
白色多孔性PETフィルム(厚み75μm、商標:W9
00J75、ダイヤホイル製)に下記受容層用塗料を塗
工量が5g/m2となるように塗布乾燥して受容層を形
成し、染料熱転写受容表面基材シートを作成した。
【0043】 「受容層用塗料」 成分 重量部 ポリエステル樹脂(商標:バイロン200、東洋紡製) 100部 シリコーンオイル(商標:KF393、信越シリコン製) 3部 イソシアネート(商標:タケネートD−140N、武田薬品製) 5部 HALS(商標:アデカスタブLA−87、旭電化工業製) 20部 紫外線吸収剤(商標:Tinubin P、:ベンゾトリアゾール系) チバスペシャリティーケミカルズ製 20部 トルエンで希釈
【0044】<粘着性微粒子(A1)含有液の製造>温
度計、攪拌機、窒素導入管および還流冷却器を備えた反
応器にイオン交換水730重量部、あらかじめ溶解して
おいた5重量%濃度の部分ケン化ポリビニルアルコール
131重量部、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ
ーテル硫酸エステルソーダ塩型アニオン系界面活性剤水
溶液(不揮発分27重量%)を13重量部仕込み充分攪
拌した。次に2−エチルヘキシルアクリレート(以下2
EHAと略称する)320重量部、メタクリル酸(以下
MAAと略称する)6.5重量部、過酸化ベンゾイル
(以下BPOと略称する)1.5重量部を別の容器にて
攪拌溶解した。次いでこの単量体混合液を先に準備され
た反応器中の水溶液に添加して攪拌した。攪拌500r
pm前後で1時間攪拌した後昇温開始する。内温が約7
0℃となったら窒素による置換を行った。75〜80℃
で重合反応が始まり、急激に90℃前後まで発熱した。
冷却し80℃を保持し5時間反応を行った。その後生成
した水性懸濁重合液を30℃まで冷却させ25%アンモ
ニア水を約0.7重量部添加しpH8〜9とした。得ら
れた水性懸濁重合液および粘着性微粒子の物性値は、4
0℃における貯蔵弾性率は33000Pa、平均粒子径
が50μmであった。
【0045】<バインダー(B)含有液の製造>温度
計、攪拌機、窒素導入管および還流冷却器を備えた反応
器にイオン交換水330重量部を仕込み内温を80℃に
昇温させる。一方、別の容器にイオン交換水195重量
部並びにポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル
硫酸エステルソーダ塩型アニオン系界面活性剤水溶液
(不揮発分27重量%)を66重量部仕込み、攪拌して
溶解し、次いで2EHA297重量部、メタクリル酸メ
チル(以下、MMAと略称する)297重量部、アクリ
ル酸(以下、AAと略称する)6重量部よりなる単量体
混合物を加えて攪拌し、単量体乳化液を得た。反応器の
内容物を窒素気流下に攪拌しながら加熱し、反応器内の
水温が80℃に達した時点で重合開始剤および還元剤と
して過硫酸アンモニウムおよびメタ重亜硫酸ソーダ各々
0.4重量部添加した後、単量体乳化液および8%重量
濃度の過硫酸アンモニウム水溶液60重量部を逐次添加
して重合開始させ、80℃で約3時間重合反応を行っ
た。重合反応終了後、同温度で約1時間攪拌を継続して
から冷却し、25%アンモニア水を4重量部添加してp
H調整しアクリル系水性エマルジョンを得た。この水性
エマルジョンは固形分濃度50.3重量%、、粘度60
cps(25℃、20rpm)、平均粒子径0.2μm
であり、共重合体のTgは−4℃であった。
【0046】<粘着剤の調整>粘着性微粒子(A1)含
有液を357重量部(粘着性微粒子(A1)の固形分重
量約100重量部)にバインダー(B)含有液を30重
量部(バインダー(B)の固形分重量約15重量部)を
添加し、次いで増粘剤およびアンモニア水を添加して固
形分濃度29.5%、粘度約1600cps(25℃、
60rpm)の粘着剤を得た。
【0047】<粘着シートの作製>染料熱転写受容表面
基材シートに、コンマコーターにて塗工量が15g/m
であり、粘着剤層の水分が7%となるように、粘着剤
を基材に直接塗布乾燥したのち粘着剤塗布面と剥離紙剥
離剤塗布面を貼り合わせて染料熱転写受容粘着シートを
得た。なお、水分は赤外線水分計KJT−100(ケッ
ト科学研究所製)で測定した。
【0048】実施例2 <粘着性微粒子(A2)含有液の製造>実施例1におい
て、2EHA320重量部、MAA6.5重量部、BP
O1.2重量部を用いる代わりに、2EHA320重量
部、MAA6.5重量部、BPO2.2重量部、ジビニ
ルベンゼン(DVB)0.16重量部を用いる以外は実
施例1と同様にして水性懸濁重合液を得た。得られた水
性懸濁重合液および粘着性微粒子の物性値は、40℃に
おける貯蔵弾性率が48000Pa、平均粒子径が45
μmであった。
【0049】<粘着剤の調整>粘着性微粒子(A2)含
有液を357重量部(粘着性微粒子(A2)の固形分重
量約100重量部)にバインダー(B)含有液を30重
量部(バインダー(B)の固形分重量約15重量部)、
可塑剤としてポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル(付加モル数10.5、HLB12)8重量部を添加
し、次いで増粘剤およびアンモニア水を添加して固形分
濃度30.8%、粘度1630cps(25℃、60r
pm)の粘着剤を得た。
【0050】<粘着シートの作製>粘着剤層の水分が5
%となるように粘着剤を塗布乾燥した以外は、実施例1
と同様にして染料熱転写受容粘着シートを得た。
【0051】実施例3 <粘着性微粒子(A3)含有液の製造>実施例1におい
て、2EHA320重量部、MAA6.5重量部、BP
O1.2重量部を用いる代わりに、2EHA294重量
部、MAA6.5重量部、BPO1.5重量部を用いる
以外は実施例1と同様にして水性懸濁重合液を得た。得
られた水性懸濁重合液および粘着性微粒子の物性値は、
40℃における貯蔵弾性率が55000Pa、平均粒子
径が40μmであった。
【0052】<粘着剤の調整>粘着性微粒子(A3)含
有液を357重量部(粘着性微粒子(A3)の固形分重
量約100重量部)にバインダー(B)含有液を30重
量部(バインダー(B)の固形分重量約15重量部)を
添加し、次いで増粘剤およびアンモニア水を添加して固
形分濃度29.5%、粘度1580cps(25℃、6
0rpm)の粘着剤を得た。
【0053】<粘着シートの作製>粘着剤層の水分が3
%となるように粘着剤を塗布乾燥した以外は、実施例1
と同様にして染料熱転写受容粘着シートを得た。
【0054】比較例1 実施例1において粘着剤として、粘着性微粒子を含まな
い下記粘着剤を使用した以外は実施例1と同様にして染
料熱転写受容粘着シートを得た。 「粘着剤」 成分 重量部 粘着剤(商標:PE115、日本カーバイド製) 100部 架橋剤(商標:CK202、日本カーバイド製) 3部 トルエンで希釈
【0055】比較例2 粘着剤層の水分が8%となるように粘着剤を塗布乾燥し
た以外は、実施例1と同様にして染料熱転写受容粘着シ
ートを得た。
【0056】参考例1 <粘着性微粒子(A4)含有液の製造>実施例1におい
て、2EHA320重量部、MAA6.5重量部、BP
O1.2重量部を用いる代わりに、2EHA320重量
部、MAA3.2重量部、n−ドデシルメルカプタン
(NDM)0.16重量部、BPO0.8重量部を用い
る以外は実施例1と同様にして水性懸濁重合液を得た。
得られた水性懸濁重合液および粘着性微粒子の物性値
は、40℃における貯蔵弾性率が24000Pa、平均
粒子径が41μmであった。
【0057】<粘着剤の調整>粘着性微粒子(A4)含
有液を357重量部(粘着性微粒子(A4)の固形分重
量約100重量部)にバインダー(B)含有液を30重
量部(バインダー(B)の固形分重量約15重量部)を
添加し、次いで増粘剤およびアンモニア水を添加して固
形分濃度29.4%、粘度1560cps(25℃、6
0rpm)の粘着剤を得た。 <粘着シートの作製>実施例1と同様にして染料熱転写
受容粘着シートを得た。
【0058】参考例2 <粘着性微粒子(A5)含有液の製造>実施例1におい
て、2EHA320重量部、MAA6.5重量部、BP
O1.2重量部を用いる代わりに、2EHA294重量
部、メチルメタクリレート(MMA)26重量部、MA
A6.5重量部、DVB0.32重量部、BPO2.5
重量部を用いる以外は実施例1と同様にして水性懸濁重
合液を得た。得られた水性懸濁重合液および粘着性微粒
子の物性値は、40℃における貯蔵弾性率が62000
Pa、平均粒子径が37μmであった。
【0059】<粘着剤の調整>粘着性微粒子(A5)含
有液を357重量部(粘着性微粒子(A5)の固形分重
量約100重量部)にバインダー(B)含有液を30重
量部(バインダー(B)の固形分重量約15重量部)を
添加し、次いで増粘剤およびアンモニア水を添加して固
形分濃度29.4%、粘度1520cps(25℃、6
0rpm)の粘着剤を得た。 <粘着シートの作製>実施例1と同様にして染料熱転写
受容粘着シートを得た。
【0060】上記の通り得られた8種類の染料熱転写受
容粘着シートについて、以下試験方法(1)〜(5)に
従って物性測定を行った。
【0061】<試験方法> (1)サンプルの調整 サンプルは、染料熱転写受容粘着シート加工直後のサン
プルを初期品質におけるサンプルとし、製品保存後のサ
ンプルとしては、染料熱転写受容粘着シート巻取り1ヶ
月経過後の巻芯部分を採取し、それぞれ評価した。
【0062】(2)貼着性 被着体として、官製郵便葉書を使用し、手貼りで粘着シ
ールを貼着した際の、貼付具合を下記基準により目視で
評価した。 ○:気泡混入がなく良好。あるいは気泡が混入しても手
でしごいて抜くことができる。 ×:気泡混入し、手でしごいても抜くことができない。
【0063】(3)再剥離性 被着体として、官製郵便葉書を使用し、圧着条件として
2kgの圧着ローラーで300mm/分、1往復圧着し
た後、40℃の環境で7日間、さらに22℃、65%R
Hの環境に2時間放置後、粘着シールを葉書から剥が
し、再剥離性能を下記評価基準により評価した。 ○:葉書の紙やぶれ、糊残りなく良好。 △:葉書の紙やぶれがないが、やや糊残りあり。 ×:葉書の紙やぶれがあり、きれいに剥がすことができ
ない。
【0064】(4)再貼着性(浮きめくれの有無) 粘着シートを16mm×20mmの大きさに調整し、被
着体として官製郵便葉書を使用し、圧着条件として2k
gの圧着ローラーで、300mm/分、1往復圧着した
後、40℃の環境で7日間放置後、粘着シートを葉書か
ら剥がし、直径50mmの円筒状の郵便葉書に粘着シー
トを20mm部分が湾曲するように再貼着させ、24時
間後の浮き、剥がれ具合を下記評価基準により評価し
た。 ○:粘着シートの浮き、剥がれなく良好。 △:粘着シートの浮き、剥がれが見られる。 ×:粘着シートの浮き、剥がれが著しい、もしくは剥が
れる。
【0065】(5)糊面観察 粘着シートの粘着剤剤塗工面を走査型電子顕微鏡にて観
察(観察条件:Au蒸着、傾斜角70゜、倍率150
倍)し、粘着剤剤面の粘着性微粒子の形状を観察し下記
評価基準により評価した。 ◎:粘着性微粒子の100%が全く扁平せず形状を保持
している。 ○:粘着性微粒子の80〜100%が扁平せず形状を保
持している。 △:粘着性微粒子の30〜80%が扁平せず形状を保持
している。 ×:粘着性微粒子の70%以上が扁平し、粘着剤面が平
坦である。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】さらに、以下の粘着シートを作製し、下記
の評価を行った。 実施例4 ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エス
テルソーダ塩型アニオン系界面活性剤水溶液(不揮発分
27重量%)を30重量部とし、また攪拌を750rp
mとした以外は、実施例1と同様にして粘着性微粒子含
有液を製造し、染料熱転写受容粘着シートを得た。その
時の得られた水性懸濁重合液および粘着性微粒子の物性
値は、40℃における貯蔵弾性率が33000Pa、平
均粒子径が20μmであった。
【0069】実施例5 ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エス
テルソーダ塩型アニオン系界面活性剤水溶液(不揮発分
27重量%)を30重量部とし、また攪拌を750rp
mとした以外は、実施例1と同様にして粘着性微粒子含
有液を製造し、染料熱転写受容粘着シートを得た。その
時の得られた水性懸濁重合液および粘着性微粒子の物性
値は、40℃における貯蔵弾性率が33000Pa、平
均粒子径が10μmであった。
【0070】実施例6 ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エス
テルソーダ塩型アニオン系界面活性剤水溶液(不揮発分
27重量%)を30重量部とし、また攪拌を550rp
mとした以外は、実施例1と同様にして粘着性微粒子含
有液を製造し、染料熱転写受容粘着シートを得た。その
時の得られた水性懸濁重合液および粘着性微粒子の物性
値は、40℃における貯蔵弾性率が33000Pa、平
均粒子径が33μmであった。
【0071】比較例3 ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エス
テルソーダ塩型アニオン系界面活性剤水溶液(不揮発分
27重量%)を40重量部とし、また攪拌を1000r
pmとした以外は、実施例1と同様にして粘着性微粒子
含有液を製造し、染料熱転写受容粘着シートを得た。そ
の時の得られた水性懸濁重合液および粘着性微粒子の物
性値は、40℃における貯蔵弾性率が33000Pa、
平均粒子径が8μmであった。
【0072】実施例4、実施例5、実施例6、比較例
3、参考例2で得られ染料熱転写受容粘着シートの粘着
剤面について、三次元表面構造解析顕微鏡「ZYGO
NewView 200(ZYGO社製)」を使用して
観察し、任意のラインプロファイルを採り、平均高さを
測定し、表3記載した。
【0073】さらに、実施例4、実施例5、実施例6、
比較例3、参考例2で得られた染料熱転写受容粘着シー
トについて、松下電器社製プリンター「MPX−5」を用
いてカラー画像を印画し、下記の評価基準により画質を
判定した。
【0074】(6)画質 ○:印画濃度に因らず全体に良好な画質であり、良好。 △:薄い印画濃度の部分にやや印画ムラがあるものの、
全体的にはあまり目立たず、問題ない。 ×:全体的に印画ムラが目立ち、特に薄い印画濃度の部
分では際立った印画ムラがあり、不良。
【0075】
【表3】
【0076】
【発明の効果】本発明の粘着シートは、印画粘着シール
部を郵便葉書の如き紙被着体に貼り付ける際、誤って目
標からずれた位置に貼り付けてしまったり気泡が入って
しまった場合でも、葉書およびシールの外観を損なうこ
となく粘着シールを剥がして再度貼り直すことが可能で
あり、実用価値の高いものである。さらに、粘着剤面の
凹凸の凸部の高さ範囲を特定することにより、良好な画
質を得ることができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面基材の片面に記録層、他面に粘着剤層
    を有する記録用粘着シートにおいて、該粘着剤層を構成
    する粘着剤が、粘着性微粒子および必要に応じてバイン
    ダーを含有し、且つ粘着剤層の含水分量が7%以下であ
    ることを特徴とする記録用粘着シート。
  2. 【請求項2】記録層が染料染着性の熱可塑性樹脂を主成
    分とする受容層である請求項1記載の記録用粘着シー
    ト。
  3. 【請求項3】表面基材がフィルム、又は少なくとも記録
    層側にフィルムを含む積層体である請求項1又は2記載
    の記録用粘着シート。
  4. 【請求項4】表面基材が厚み30〜200μmのポリエ
    チレンテレフタレート系フィルムである請求項1又は2
    記載の記録用粘着シート。
  5. 【請求項5】粘着性微粒子の40℃における貯蔵弾性率
    が25000〜60000Paである請求項1〜4の何
    れか一項に記載の記録用粘着シート。
  6. 【請求項6】表面基材の片面に記録層、他面に粘着剤層
    を有する記録用粘着シートにおいて、該粘着剤層面が凹
    凸形状を有し、凸部の平均高さが7〜30μmであるこ
    とを特徴とする記録用粘着シート。
  7. 【請求項7】該粘着剤層を構成する粘着剤が、体積平均
    粒子径が10〜33μmの弾性微球体を含む請求項6記
    載の記録用粘着シート。
  8. 【請求項8】粘着剤層の含水分量が7%以下である請求
    項6又は請求項7記載の記録用粘着シート。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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BE1017644A3 (fr) * 2006-10-03 2009-03-03 Alfac S A Ensemble stratifie en forme de feuille.
JP2017088823A (ja) * 2015-11-17 2017-05-25 日東電工株式会社 表面保護シート
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