JP7372641B2 - 水系離型剤及び剥離部材 - Google Patents

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Description

本発明は、水系離型剤及び剥離部材に関し、詳しくは、剥離層を作製するために利用できる水系離型剤及びこの水系離型剤から作製された剥離層を有する剥離部材に関する。
剥離層を有する剥離部材は、例えば粘着シールの保護などのために使用されたり、シリコンウエハなどの電子材料のキャリアとして使用されたりする。
例えば特許文献1には、ステアリルメタクリレート、メチルメタクリレート、及び2-ヒドロキシエチルメタクリレートをトルエン中で共重合させたプレポリマーにジブチル錫ラウレートを添加したプレポリマー溶液(A)と、ヘキサメチレンジイソシアネートのトルエン溶液とを混合してから、トルエンで希釈して離型剤を調製し、この離型剤を基材上に塗工して加熱することで架橋させることで剥離被膜を作製することが開示されている。
特開2007-2092号広報
特許文献1に開示されている離型剤は、溶剤としてトルエンを含有する。トルエンのような有機溶剤は、作業環境の悪化を招きやすい。
本発明の目的は、溶媒として水を含有し、かつ良好な離型性を有しうる剥離層を作製できる水系離型剤、及びこの水系離型剤から作製された剥離層を備える剥離部材を提供することである。
本発明の一態様に係る水系離型剤は、炭素数10以上30以下のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(a1)20質量%以上80質量%以下と、カルボキシル基含有不飽和単量体(a2)20質量%以上80質量%以下とを含む単量体成分(a)の重合体である、水溶性アクリル系共重合体(A)、架橋剤(C)及び水(B)を含む。
本発明の一態様に係る剥離部材は、基材と、前記基材上にある、前記水系離型剤から作製された剥離層とを備える。
本発明によると、溶媒として水を含有し、かつ良好な離型性を有しうる剥離層を作製できる水系離型剤、及びこの水系離型剤から作製された剥離層を備える剥離部材が得られる。
以下、本発明の一実施形態について説明する。なお、以下の説明において、「(メタ)アクリ」とは、「アクリ」と「メタクリ」とのうち少なくとも一方を意味する。すなわち、アルキル(メタ)アクリレートとは、アルキルアクリレートとアルキルメタクリレートとのうち少なくとも一方を意味する。
本実施形態に係る水系離型剤は、水溶性アクリル系共重合体(A)と、水(B)とを含む。水溶性アクリル系共重合体(A)は、炭素数10以上30以下のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(a1)とカルボキシル基含有不飽和単量体(a2)とを含む単量体成分(a)の重合体である。単量体成分(a)に対するアルキル(メタ)アクリレート(a1)の百分比は20質量%以上80質量%以下である。単量体成分(a)に対するカルボキシル基含有不飽和単量体(a2)の百分比は20質量%以上80質量%以下である。
なお、水溶性アクリル系共重合体(A)が水溶性を有することは、技術常識に基づいて判断される。水溶性アクリル系共重合体(A)は、特に次の(1)から(5)のうち少なくとも一つを満たすことが好ましい。(1)水溶性アクリル系共重合体(A)のみから形成される厚み20μmの薄膜の表面全体に常温の水を0.005MPaの噴霧圧で20分間噴霧すると、この薄膜が全て水に溶解する。(2)水溶性アクリル系共重合体(A)から形成される厚み20μmの薄膜の表面全体に50℃の水を0.005MPaの噴霧圧で10分間噴霧すると、この薄膜が全て水に溶解する。(3)水溶性アクリル系共重合体(A)と常温の水を1:5の質量比で混合し、得られた液に超音波を20分間照射すると、水溶性アクリル系共重合体(A)が水に全て溶解する。(4)水溶性アクリル系共重合体(A)と50℃の水を1:5の質量比で混合し、得られた液に超音波を10分間照射すると、水溶性アクリル系共重合体(A)が水に全て溶解する。(5)水溶性アクリル系共重合体(A)と親水性有機溶媒を1:5の質量比で混合し、得られた液を90℃で1時間撹拌すると、水溶性アクリル系共重合体(A)が溶媒に全て溶解する。なお、水系溶媒とは水、又は水と親水性溶媒との混合溶媒である。親水性溶媒は、水と混ざり合う公知の溶媒であればよい。
水溶性アクリル系共重合体(A)は、水溶性を有するため、水系離型剤が水(B)を含む溶媒を含有していても、水系離型剤中で水溶性アクリル系共重合体(A)が溶解又は分散しうる。このため、水系離型剤を使用する場合に水系離型剤中の溶媒に起因する作業環境の悪化が起こりにくく、かつ防曝等のための設備の必要性を低くできる。また、水系離型剤から作製される剥離層にはタックが生じにくく、かつ剥離層に粘着テープ、シリコンチップなどの部材が重なった場合に、剥離層から部材を剥離させやすい。すなわち剥離層は良好な離型性(易剥離性ともいう)を発現しやすい。また剥離層から部材を剥離する際に、水溶性アクリル系共重合体(A)は部材へ移行しにくく、そのため剥離層は部材を汚染させにくい。また、水系離型剤はポリエステルフィルムなどの樹脂シートとの間で良好な密着性を有しやすい。また、基材上に水系離型剤の塗膜を形成してから基材に二軸延伸処理などの延伸処理を施した場合に、外観の悪化、ヘーズの上昇などが生じにくい。さらに、水溶性アクリル系共重合体(A)は有機溶剤に溶解しにくく、そのため剥離層は良好な耐溶剤を有することができる。
水系離型剤の成分について説明する。
水溶性アクリル系共重合体(A)は、単量体成分(a)の重合体である。単量体成分(a)は、上述のとおり、アルキル(メタ)アクリレート(a1)とカルボキシル基含有不飽和単量体(a2)とを含む。
アルキル(メタ)アクリレート(a1)は、上述のとおり炭素数10以上30以下のアルキル基を有する。アルキル基の炭素数が10以上であることで剥離層は良好な離型性を発現しやすい。また、アルキル基の炭素数が30以下であることで、水溶性アクリル系共重合体(A)の水溶性が確保されやすい。
アルキル(メタ)アクリレート(a1)は、例えばステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、及びベヘニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有する。なお、アルキル(メタ)アクリレート(a1)が含みうる成分は前記のみには制限されない。
カルボキシル基含有不飽和単量体(a2)は、水溶性アクリル系共重合体(A)にカルボキシル基を導入できる。このため、水溶性アクリル系共重合体(A)は、アルキル(メタ)アクリレート(a1)に由来する炭素数10以上のアルキル基を有するにもかかわらず、水溶性を有することができる。また、特に水系離型剤が後述する架橋剤(C)を含有する場合、水溶性アクリル系共重合体(A)におけるカルボキシル基が架橋剤(C)と反応することで、剥離層に耐熱性を付与しやすい。なお、本実施形態における耐熱性とは、剥離層が加熱されても剥離層と部材との間の剥離強度が上昇しにくい性質のことをいう。
カルボキシル基含有不飽和単量体(a2)の分子量は300以下であることが好ましい。この場合、カルボキシル基含有不飽和単量体(a2)は、水溶性アクリル系共重合体(A)に水溶性を特に付与しやすく、かつ剥離層に高い強度、高い耐熱性、及び高い耐溶剤性を特に付与しやすい。カルボキシル基含有不飽和単量体(a2)は、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、2-アクリロイロキシエチル-コハク酸、及びβ-カルボキシエチルアクリレートからなる群から選択される少なくとも一種の化合物を含有する。なお、カルボキシル基含有不飽和単量体(a2)が含みうる成分は前記のみには制限されない。
単量体成分(a)は、上記のアルキル(メタ)アクリレート(a1)及びカルボキシル基含有不飽和単量体(a2)のみを含んでもよく、アルキル(メタ)アクリレート(a1)及びカルボキシル基含有不飽和単量体(a2)以外の成分(a3)を更に含んでもよい。成分(a3)は、例えば水溶性アクリル系共重合体(A)及び剥離層の特性を調整できる。例えば成分(a3)の種類及び量を適宜調整することで、水溶性アクリル系共重合体(A)のガラス転移温度を調整できる。これにより、剥離層のタック性を調整できる。
成分(a3)は、例えばアルキル(メタ)アクリレート(a1)及びカルボキシル基含有不飽和単量体(a2)以外のラジカル重合性を有する化合物を含有する。例えば成分(a3)は、上述のアルキル(メタ)アクリレート(a1)以外のアルキル(メタ)アクリレートを含有してもよい。すなわち、成分(a3)は、炭素数10未満のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを含んでもよく、炭素数30超のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを含んでもよい。
成分(a3)は、例えば2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ジメチル(メタ)アクリルアミド、及びメチル(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有する。特に2-エチルヘキシル(メタ)アクリレートとスチレンは硬化物のガラス転移温度を調整することができる。すなわち2-エチルヘキシル(メタ)アクリレートは硬化物のガラス転移温度を低下させることで離型層の柔軟性を向上することが可能である。スチレンは、硬化物のガラス転移温度を上昇させることで離型層の耐熱性を向上することができる。また、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートは、水溶性アクリル系共重合体(A)にヒドロキシル基を導入することで、ヒドロキシル基を利用した架橋反応により硬化物の耐熱性を向上させることができる。
単量体成分(a)が成分(a3)を含有する場合、単量体成分(a)に対する成分(a3)の百分比は60質量%以下であることが好ましい。この場合、水溶性アクリル系共重合体(A)の水溶性、剥離層の離型性、剥離層の耐熱性及び剥離層の耐溶剤が、良好に維持されやすい。成分(a3)の百分比は、例えば0質量%より多く60質量%以下であり、10質量%以上50質量%以下であればより好ましい。
水溶性アクリル系共重合体(A)は、カルボキシル基含有不飽和単量体(a2)に由来するカルボキシル基を有することができる。水溶性アクリル系共重合体(A)の有するカルボキシル基の少なくとも一部は、中和剤で中和されていてもよい。この場合、水溶性アクリル系共重合体(A)が特に高い親水性を有することができる。
中和剤は、例えばアンモニアとアミンとのうち少なくとも一方を含む。この場合、水溶性アクリル系共重合体(A)の親水性が特に向上しやすい。アミンは、例えばトリエチルアミンを含有する。なお、中和剤に含まれうる成分は前記のみには制限されない。
水溶性アクリル系共重合体(A)の酸価は、100mgKOH/g以上600mgKOH/g以下であることが好ましい。酸価が100mgKOH/g以上であると、水溶性アクリル系共重合体(A)は特に良好な水溶性を有することができ、かつ剥離層が特に高い架橋密度を有することができる。また、酸価が600mgKOH/g以下であると、剥離層が過度に吸湿しにくくなることから、吸湿によるタックの上昇及び耐熱性の低下が起こりにくくなる。
なお、上述の水溶性アクリル系共重合体(A)の酸価は、例えば単量体成分(a)の組成を調整することで実現できる。例えば単量体成分(a)中のカルボキシル基含有不飽和単量体(a2)の割合及び分子量を調整することで、酸価が調整される。
水溶性アクリル系共重合体(A)のガラス転移温度は、0℃以上100℃以下であることが好ましい。ガラス転移温度が0℃以上であると、剥離層にタックが特に生じにくくなる。また、このガラス転移温度が100以下であると、基材上に水系離型剤の塗膜を形成してから基材に二軸延伸処理などの延伸処理を施した場合に、外観の悪化、ヘーズの上昇などが特に生じにくい。このガラス転移温度は20℃以上100℃以下であればより好ましく、40℃以上90℃以下であれば更に好ましい。
水溶性アクリル系共重合体(A)の分子量に特に制限はないが、水溶性アクリル系共重合体(A)の重量平均分子量は、例えば1000以上500000以下である。なお、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィによる測定結果から得られるポリスチレン換算した分子量分布から導出される。
水溶性アクリル系共重合体(A)は、例えば溶媒中でモノマー成分(a)を溶液重合法で重合させることで合成される。溶媒は、モノマー成分(a)を溶解させうるように適宜選択される。溶媒は、例えばメタノール、エタノール、2-プロパノール、ブタノール、エチレングリコール及びグリセリン等の炭素数が1~4の脂肪族1~4価アルコール;アセトン;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のグリコールエーテル;ジオキサン;酢酸メチル、酢酸エチル等の酢酸エステル;及びジメチルホルムアミド等からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有する。
溶液重合法で使用されるラジカル開始剤は、例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;及び2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス-2-メチルブチロニトリル、2,2’-アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル、1,1’-アゾビス-1-シクロヘキサンカルボニトリル、4,4’-アゾビス-4-シアノ吉草酸、2,2’-アゾビス-(2-アミジノプロパン)-ジヒドロクロリド等のアゾ系化合物からなる群から選択される一種以上の成分を含む。
重合時の温度、時間等の重合条件は適宜設定される。重合反応は、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスの雰囲気下で行ってもよい。
水系離型剤は、架橋剤(C)を更に含有してもよい。架橋剤(C)は、水溶性アクリル系共重合体(A)との間で架橋反応を生じる化合物である。架橋剤(C)は、特に水溶性アクリル系共重合体(A)の有するカルボキシル基(中和剤で中和されている場合を含む)と反応することが好ましい。また、架橋剤(C)は水溶性を有することが好ましい。
水系離型剤が架橋剤(C)を含有すると、水系離型剤から作製される剥離層は、水溶性アクリル系共重合体(A)と架橋剤(C)とが反応することにより生じる架橋構造を有することができる。これにより、剥離層が加熱されても剥離層と部材との間の剥離強度が上昇しにくい。すなわち、剥離層が耐熱性を有することができる。
架橋剤(C)は、例えばメラミン系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、及びカルボジイミド系架橋剤からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有することが好ましい。この場合、剥離層が特に高い耐熱性を有しやすく、このため剥離層が加熱されても離型性が落ちにくくなる。架橋剤(C)がメラミン系架橋剤を含有することが特に好ましい。
メラミン系架橋剤の例は、メチル化メラミン樹脂を含み、具体的にはダイセル・オルネクス社製のサイメル325及びサイメル327などを含む。イソシアネート系架橋剤の例は、アニオン系の脂肪族系水系ブロックイソシアネートを含み、具体的には北広ケミカル社製TZ-1372などを含む。エポキシ系架橋剤の例は、ポリグリセリンポリグリシジルエーテル及びソルビトール系ポリグリシジルエーテルを含み、具体的には阪本薬品工業社製SR-4GL(ポリグリセリンポリグリシジルエーテル、エポキシ当量175g/eq)及びSR-SEP(ソルビトール系ポリグリシジルエーテル、エポキシ当量170g/eq)などを含む。オキサゾリン系架橋剤の例は、オキサゾリン環を有する水溶性のアクリルポリマーを含み、具体的には日本触媒製エポクロスWS-500(不揮発分39%、オキサゾリン価220g/eq)及びWS-700(不揮発分25%、オキサゾリン価220g/eq)などを含む。カルボジイミド系架橋剤の例は、水溶性のカルボジイミド化合物である日清紡ケミカル社製カルボジライトV-02(有効成分40%、カルボジイミド当量590g/eq)及びカルボジライトSV-02(有効成分40%、カルボジイミド当量430g/eq)などを含む。
水系離型剤は、溶媒として水(B)のみを含有してもよく、水(B)と親水有機溶媒とを含有する水系溶媒を含有してもよい。親水性溶媒は、水に対する溶解度が10g/水100g(25℃)以上である有機溶媒であることが好ましい。このような親水性溶媒は、例えばメタノール、エタノール、2-プロパノール、ブタノール、エチレングリコール及びグリセリン等の炭素数が1~4の脂肪族1~4価アルコール;アセトン;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のグリコールエーテル;ジオキサン;酢酸メチル等の酢酸エステル;及びジメチルホルムアミド等からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有する。
水系離型剤は、水溶性ポリエステル樹脂(D)を含有してもよい。水溶性ポリエステル樹脂(D)は、水系離型剤とポリエステルフィルムなどの基材との密着性を高めることができる。
なお、水溶性ポリエステル樹脂(D)が水溶性を有することは、技術常識に基づいて判断される。水溶性ポリエステル樹脂(D)は、特に次の(1)から(5)のうち少なくとも一つを満たすことが好ましい。(1)水溶性ポリエステル樹脂(D)のみから形成される厚み20μmの薄膜の表面全体に常温の水を0.005MPaの噴霧圧で20分間噴霧すると、この薄膜が全て水に溶解する。(2)水溶性ポリエステル樹脂(D)から形成される厚み20μmの薄膜の表面全体に50℃の水を0.005MPaの噴霧圧で10分間噴霧すると、この薄膜が全て水に溶解する。(3)水溶性ポリエステル樹脂(D)と常温の水を1:5の質量比で混合し、得られた液に超音波を20分間照射すると、水溶性ポリエステル樹脂(D)が水に全て溶解する。(4)水溶性ポリエステル樹脂(D)と50℃の水を1:5の質量比で混合し、得られた液に超音波を10分間照射すると、水溶性ポリエステル樹脂(D)が水に全て溶解する。(5)水溶性ポリエステル樹脂(D)と水系溶媒を1:5の質量比で混合し、得られた液を90℃で1時間撹拌すると、水溶性ポリエステル樹脂(D)が溶媒に全て溶解する。なお、水系溶媒とは水、又は水と親水性溶媒との混合溶媒である。親水性溶媒は、水と混ざり合う公知の溶媒であればよい。
水溶性ポリエステル樹脂(D)は、例えば水溶性付与成分を含む単量体成分をエステル化反応させることで、合成される。水溶性付与成分は、水溶性付与基を有するモノマーである。水溶性付与基はイオン性の極性基を有する基である。極性基は、中和されていてもよい。水溶性付与基は、例えば極性基としてカルボキシル基と金属スルホネート基とのうち少なくとも一方を有する基を含む。
単量体成分が含みうる成分として、多価カルボン酸成分、ポリオール成分及びヒドロキシ酸成分が挙げられる。多価カルボン酸成分は多価カルボン酸と多価カルボン酸のエステル形成性誘導体とのうち少なくとも一方を含む。ポリオール成分はポリオール成分とポリオール成分のエステル形成性誘導体とのうち少なくとも一方を含む。ヒドロキシ酸成分はヒドロキシ酸とヒドロキシ酸のエステル形成性誘導体とのうち少なくとも一方を含む。
多価カルボン酸は、例えば芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジカルボン酸とのうち少なくとも一方を含む。芳香族ジカルボン酸は、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ジフェン酸、ナフタル酸、1,2-ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸及び2,6-ナフタレンジカルボン酸からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含む。脂肪族ジカルボン酸は、直鎖状、分岐鎖状及び脂環式のうちいずれでもよい。脂肪族ジカルボン酸は、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、グルタール酸、アジピン酸、ピメリン酸、2,2-ジメチルグルタール酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、ジグリコール酸、及びチオジプロピオン酸からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含む。
ポリオールは、例えばエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-2-ブチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-2-イソブチル-1,3-プロパンジオール、2,2,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジオール、1,2-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール、4,4’-ジヒドロキシビフェノール、4,4’-メチレンジフェノール、1,5-ジヒドロキシナフタリン、2,5-ジヒドロキシナフタリン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、及びビスフェノールSからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含む。ポリエチレングリコールは、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ヘキサエチレングリコール、ヘプタエチレングリコール、及びオクタエチレングリコールからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含む。ポリプロピレングリコールは、例えばジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、及びテトラプロピレングリコールからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含む。
ヒドロキシ酸は、例えば脂肪族ヒドロキシ酸と芳香族ヒドロキシ酸とからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有する。脂肪族ヒドロキシ酸は、例えばグリコール酸、乳酸、タルトロン酸、グリセリン酸、ヒドロキシ酪酸、リンゴ酸、酒石酸、シトラマル酸、クエン酸、イソクエン酸、ロイシン酸、メバロン酸、パントイン酸、セレブロン酸、キナ酸、及びシキミ酸からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有する。芳香族ヒドロキシ酸は、例えばサリチル酸、バニリン酸及びシリング酸等のモノヒドロキシ安息香酸;ピロカテク酸、レソルシル酸、プロトカテク酸、ゲンチジン酸及びオルセリン酸等の、ジヒドロキシ安息香酸誘導体;没食子酸等のトリヒドロキシ安息香酸;マンデル酸、ベンジル酸及びアトロラクチン酸等のフェニル酢酸;並びにメリロト酸、フロレト酸、等のヒドロケイヒ酸からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有する。
水溶性付与成分は、例えば金属スルホネート基含有多価カルボン酸成分を含有する。すなわち、例えば単量体成分が、金属スルホネート基含有多価カルボン酸成分を含む多価カルボン酸成分を含有してもよい。この場合、水溶性ポリエステル樹脂(D)に優れた水溶性が付与される。金属スルホネート基含有多価カルボン酸は、5-スルホイソフタル酸のアルカリ金属塩、2-スルホイソフタル酸のアルカリ金属塩、4-スルホイソフタル酸のアルカリ金属塩、スルホテレフタル酸のアルカリ金属塩、及び4-スルホナフタレン-2,6-ジカルボン酸のアルカリ金属塩からなる群から選択される少なくとも一種の化合物を含むことが好ましい。この場合、水溶性ポリエステル樹脂(D)に特に優れた水溶性を付与することができる。金属スルホネート基における金属は、ナトリウム、カリウム、又はリチウムであることがより好ましい。
水溶性付与成分は、例えば三価以上の多価カルボン酸成分を含有してもよい。すなわち、例えば単量体成分が、三価以上の多価カルボン酸成分を含む多価カルボン酸成分を含有してもよい。この場合も、水溶性ポリエステル樹脂(D)に優れた水溶性が付与される。三価以上の多価カルボン酸は、例えばヘミメリット酸、トリメリット酸、トリメジン酸、メロファン酸、ピロメリット酸、ベンゼンペンタカルボン酸、メリット酸、シクロプロパン-1,2,3-トリカルボン酸、シクロペンタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸、及びエタンテトラカルボン酸からなる群から選択される少なくとも一種の化合物を含む。
水溶性ポリエステル樹脂(D)の重量平均分子量は、例えば2000以上50000以下である。なお、水溶性ポリエステル樹脂(D)の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィによる測定結果から得られるポリスチレン換算した分子量分布から導出される。
水系離型剤中の、水(B)を含む溶媒の量は、例えば水系離型剤の固形分10質量部に対して10質量部以上200質量部以下である。なお、水系離型剤の固形分とは、水系離型剤の溶媒を除く成分のことである。
水系離型剤が架橋剤(C)を含有する場合、架橋剤(C)の量は、水溶性アクリル系共重合体(A)100質量部に対して、1質量部以上100質量部以下であることが好ましい。架橋剤(C)の量が1質量部以上であると、剥離層の架橋密度が特に高まりやすく、そのため、剥離層の耐熱性が高まりやすい。また、架橋剤(C)の量が100質量部以下であると、架橋剤(C)による離型性の低下が起こりにくい。架橋剤(C)の量は10質量部以上50質量部以下であればより好ましい。水系離型剤が水溶性ポリエステル樹脂(D)を含有する場合は、架橋剤(C)の量は、水溶性アクリル系共重合体(A)と水溶性ポリエステル樹脂(D)との合計100質量部に対して、1質量部以上100質量部以下であることが好ましく、10質量部以上50質量部以下であればより好ましい。
水系離型剤が水溶性ポリエステル樹脂(D)を含有する場合、水溶性ポリエステル樹脂(D)の量は、水溶性アクリル系共重合体(A)100質量部に対して100質量部以下であることが好ましい。この場合、水溶性ポリエステル樹脂(D)は、剥離層の離型性を阻害しにくい。水溶性ポリエステル樹脂(D)の量が50質量部以下であればより好ましい。また、水溶性ポリエステル樹脂(D)が水系離型剤と基材との密着性を特に高めるためには、水溶性ポリエステル樹脂(D)の量は5質量部以上であることが好ましい。
水系離型剤は、上記以外の成分を更に含有してもよい。例えば水系離型剤は、塩酸、p-トルエンスルホン酸等の酸性触媒、レベリング剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、顔料、染料、有機粒子、無機粒子、帯電防止剤、消泡剤等からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有できる。
水系離型剤は乳化剤を含有してもよいが、含有しない方が好ましい。また、水系離型剤はシリコーンを含有してもよいが、含有しない方が好ましい。本実施形態では、水系離型剤中では水溶性アクリル系共重合体(A)が良好に溶解又は分散しうるため、水系離型剤は乳化剤を含有する必要がない。また、一般に離型性の向上のためにシリコーンが用いられることがあるが、本実施形態では、水系離型剤がシリコーンを含有しなくても、水系離型剤から作製される剥離層は良好な離型性を発現できる。このため、水系離型材は乳化剤を含有しなくてもよく、シリコーンを含有しなくてもよい。水系離型材が乳化剤を含有しない場合は、剥離層から部材を剥離する場合に剥離層中の乳化剤が部材に付着することがないため、部材が汚染されにくい。また、水系離型材がシリコーンを含有しない場合は、剥離層から部材を剥離する場合に剥離層中のシリコーンが部材に付着することがないため、部材が汚染されにくい。
水系離型剤を調製する場合は、例えば水溶性アクリル系共重合体(A)と水(B)とを混合し、更に必要により親水性有機溶媒を混合することで、水溶性アクリル系共重合体(A)の溶液を得る。水溶性アクリル系共重合体(A)を中和するために、この溶液に中和剤を加えてもよい。この溶液に、必要により、架橋剤(C)、水溶性ポリエステル樹脂(D)、その他の成分等を加える。これにより、水系離型剤が得られる。なお、水系離型剤の調製方法はこれに制限されない。
本実施形態に係る剥離部材は、基材と、基材上にある水系離型剤から作製された剥離層とを備える。剥離部材は、例えばシート状の基材と剥離層とを備える剥離シートである。
剥離部材は、例えば粘着シールの保護などのために使用されたり、シリコンウエハなどの電子材料のキャリアとして使用されたりする。
基材は、例えば樹脂シートである。特に基材がポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルから作製される場合、剥離層と基材との間の高い密着性が得られやすい。なお、基材は、剥離層を支持できるであれば、ポリエステル以外の樹脂から作製されていてもよく、樹脂以外の材料から作製されていてもよい。
剥離部材を製造する場合、例えば基材上に水系離型剤を塗布して塗膜を作製する。この塗膜を乾燥させて溶媒を除去する。続いて、必要により、基材に二軸延伸処理などの延伸処理を施してもよい。続いて、水系離型剤が架橋剤(C)を含有する場合には、必要により、塗膜を加熱するなどして塗膜中の水溶性アクリル系共重合体(A)と架橋剤(C)とを反応させる。これにより、剥離層を作製して、基材と剥離層とを備える剥離部材が得られる。剥離部材における基材の厚みは、例えば25μm以上1000μm以下であるが、これに制限されない。剥離部材における剥離層の厚みは例えば0.02μm以上5μm以下であるが、これに制限されない。
以下、本実施形態の具体的な実施例について説明する。なお本実施形態は、以下の実施例のみに制限されない。
1.離型剤の調製
攪拌機、窒素導入管、温度計及び冷却管を備えた容量1リットルのフラスコに、表1から3の「アクリル系共重合体原料」の欄に示す成分と、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.3質量部と、イソプロピルアルコール100質量部とを入れて混合液を得た。この混合液を、窒素気流下、80℃で2時間加熱することで、反応させた。続いて、フラスコ内の液中にヘキサン300質量部を加えることでアクリル系共重合体の析出を生じさせ、このアクリル系共重合体を回収した。
このアクリル系共重合体25質量部と、濃度25%のアンモニア水溶液7.1質量部と、水67.9質量部とを混合し、これらを攪拌しながら80℃の温度下に2時間保持することで、濃度25質量%のアクリル系共重合体水溶液を得た。
このアクリル系共重合体と、架橋剤と、場合により水溶性ポリエステル樹脂とを、表1から3の「離型剤組成」の欄に示すとおり混合して、離型剤を得た。
なお、表1から3中の水溶性ポリエステル樹脂及び架橋剤の詳細は次のとおりである。
・プラスコートZ-446:金属スルホネート基含有水溶性ポリエステル、固形分25%、酸価5mgKOH/g以下、ガラス転移点47℃、重量平均分子量16000。
・プラスコートZ-3310:金属スルホネート基含有水溶性ポリエステル、固形分25%、酸価5mgKOH/g以下、ガラス転移点-20℃、重量平均分子量15000。
・プラスコートZ-690:金属スルホネート基含有水溶性ポリエステル、固形分25%、酸価5mgKOH/g以下、ガラス転移点110℃、重量平均分子量28000。
・プラスコートZ-730:カルボキシル基含有水溶性ポリエステル、固形分25%、酸価40~60mgKOH/g、ガラス転移点46℃、重量平均分子量3000。
・サイメル327:メラミン系架橋剤、ダイセル・オルネクス社製、品名サイメル327。
・SR-SEP:エポキシ系架橋剤、阪本薬品工業社製、品番SR-SEP。
・カルボジライトSV-02:カルボジイミド系架橋剤、日清紡ケミカル社製、品名カルボジライトSV-02。
2.評価
(1)樹脂酸価
アクリル系共重合体の酸価を中和滴定法で測定した。
(2)ガラス転移温度
アクリル系共重合体のガラス転移温度(Tg)を、Foxの式で求めた。Foxの式とは、n種の単量体の共重合体のTg(℃)についての下記の関係式である。
1/(273+Tg)=Σ{W/(273+Tg)}
:全単量体に対するi番目(1≦i≦n)の単量体の質量分率
Tg:i番目の単量体の単独重合体のTg(℃)
なお、単独重合体のTgは、ポリマーハンドブック第4版(POLYMER HANDBOOK Fourth Edition),John Wiley & Sons, Inc.(1999)による。
(3)水への溶解性
上記の離型剤の調製の際に用意した濃度25質量%のアクリル系共重合体水溶液における、アクリル系共重合体の水への溶解の程度を観察し、下記のとおり評価した。
A:アクリル系共重合体の溶け残りが認められない。
B:アクリル系共重合体の溶け残りが僅かに認められる。
C:アクリル系共重合体の溶け残りが明確に認められる。
(4)延伸性
未延伸の樹脂シート(ポリエチレンテレフタレートフィルム)上に離型剤をマイヤーバーを用いて塗布した後、80℃で3分間乾燥することで、厚み2μmの乾燥塗膜を形成した。続いて樹脂シートを、株式会社東洋精機製作所製の二軸延伸試験装置EX10-B1を用いて、90℃に加熱しながら、縦方向および横方向に各々4倍に延伸した後、200℃で1分間加熱した。これにより樹脂シートの上に剥離層を形成し、基材である樹脂シートと剥離層とを備える剥離部材(剥離シート)を得た。この剥離シートの延伸性を下記のとおり評価した。
A:延伸による外観の悪化は認められず、ヘーズの上昇も認められない。
B:延伸による外観の悪化は認められないが、ヘーズの上昇が僅かに認められる。
C:延伸による外観の悪化が認められ、ヘーズの上昇も認められる。
(5)耐溶剤性
上記延伸性の評価の場合と同じ方法で作製した剥離シートにおける剥離層の表面を、エタノールを染み込ませた綿棒で擦ることにより生じる外観の変化を確認し、その結果を下記のとおり評価した。
A:外観の変化が認められない。
B:剥離層の表面に多少の荒れ又は白化が認められる。
C:剥離層が溶解する。
(6)タック性
上記延伸性の評価の場合と同じ方法で作製した剥離シートにおける剥離層に、未延伸の樹脂シート(ポリエチレンテレフタレートフィルム)を重ねて、剥離層に樹脂シートが貼り付くか否かを確認し、その結果を下記のとおり評価した。
A:剥離層への樹脂シートの貼り付きは認められない。
B:剥離層への樹脂シートの貼り付きが僅かに認められる。
C:剥離層への樹脂シートの貼り付きが明確に認められる。
(7)剥離強度
上記延伸性の評価の場合と同じ方法で作製した剥離シートにおける剥離層の表面に、25mm幅のアクリル系粘着テープNo.31B(日東電工株式会社製)を重ね、これらを1.96kPa(20g/cm2)の圧力でプレスしながら、70℃で20時間加熱することで、剥離シートに粘着テープを貼り合わせた。
剥離シートに粘着テープを貼り合わせた直後に、引張試験機(株式会社エー・アンド・ディ製 テンシロン万能材料試験機RTC-1225)を用いて、剥離速度100mm/分、剥離角度180°の条件で剥離シートから粘着テープを引き剥がした際の剥離強度を測定した。
なお、この剥離強度の値が6N/25mm以下であれば剥離強度が低く、2N/25mm以下であれば剥離強度が特に低く、1N/25mm以下であれば非常に低いと判断できる。
また、剥離シートに粘着テープを貼り合わせた後、剥離シート及び粘着テープに100℃、1時間の熱処理を施した場合と、150℃、30分間の熱処理を施した場合との各々についても、同様に剥離強度を測定した。

Claims (8)

  1. 炭素数10以上30以下のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(a1)20質量%以上80質量%以下と、カルボキシル基含有不飽和単量体(a2)20質量%以上80質量%以下とを含む単量体成分(a)の重合体である、水溶性アクリル系共重合体(A)と、
    水(B)とを含有
    前記水溶性アクリル系共重合体(A)の有するカルボキシル基の少なくとも一部が中和剤で中和されている、
    水系離型剤。
  2. 前記カルボキシル基含有不飽和単量体(a2)の分子量が300以下である、
    請求項1に記載の水系離型剤。
  3. 前記水溶性アクリル系共重合体(A)の酸価が100mgKOH/g以上600mgKOH/g以下である、
    請求項1又は2に記載の水系離型剤。
  4. 前記水溶性アクリル系共重合体(A)のガラス転移温度が0℃以上100℃以下である、請求項1から3のいずれか一項に記載の水系離型剤。
  5. 前記中和剤は、アンモニアとアミンとのうち少なくとも一方を含む、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の水系離型剤。
  6. 架橋剤(C)を更に含有する、
    請求項1からのいずれか一項に記載の水系離型剤。
  7. 前記架橋剤(C)は、メラミン系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、及びカルボジイミド系架橋剤からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有する、
    請求項に記載の水系離型剤。
  8. 基材と、
    前記基材上にある、請求項1から7のいずれか一項に記載の水系離型剤から作製された剥離層とを備える、
    剥離部材。
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