JPH07133461A - 貯蔵安定性良好な被覆用水性樹脂組成物 - Google Patents

貯蔵安定性良好な被覆用水性樹脂組成物

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JPH07133461A
JPH07133461A JP28320193A JP28320193A JPH07133461A JP H07133461 A JPH07133461 A JP H07133461A JP 28320193 A JP28320193 A JP 28320193A JP 28320193 A JP28320193 A JP 28320193A JP H07133461 A JPH07133461 A JP H07133461A
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resin
meth
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water
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JP28320193A
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Kanako Mizuno
佳奈子 水野
Atsushi Katsuya
敦 勝屋
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Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は,印刷インキ,塗料,シーラント,接
着剤,表面処理剤等として用いられる,貯蔵安定性に優
れた被覆用水性樹脂組成物の提供を目的とする。 【構成】カルボキシル基を含有する樹脂をアンモニアま
たは有機アミンで中和してなる水溶性樹脂(a) の存在
下,シクロアルキレンカルバミドアルキル(メタ)アク
リルアミドと他のアルド基またはケト基含有エチレン性
不飽和化合物とを少なくとも含むエチレン性不飽和化合
物(b) を乳化重合して得られる樹脂エマルジョン(A)
と,ヒドラジン残基を2個以上有するヒドラジン誘導体
(B) とを, アルド基またはケト基1当量に対しヒドラジ
ン残基が 0.1〜5 当量になるような比率で含む被覆用水
性樹脂組成物。 【効果】本発明により,硬化被覆物の諸物性が優れてい
ると共に,貯蔵粘度安定性が良好な被覆用水性樹脂組成
物が得られるようになった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,プラスチックフィル
ム,金属,紙,ガラス等の基材の被覆,即ち印刷イン
キ,塗料,シーラント,接着剤,表面処理剤等として用
いられる,貯蔵安定性に優れた被覆用水性樹脂組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】硬化性を有する被覆用水性樹脂組成物と
して,アルド基やケト基などのカルボニル基含有共重合
物とヒドラジン誘導体を含有する水性分散液が知られて
いる。これらの水性分散液は,比較的低温で造膜し,被
着材に対する密着性が良いことから注目されている。例
えば,特開昭 54-110248号公報および特開昭 54-144432
号公報には,ヒドラジン誘導体および重金属イオンを含
有する,カルボニル基含有共重合物の水性分散液が開示
され,特開昭 57-3850号公報には,複層構造のカルボニ
ル基含有共重合物粒子とヒドラジン誘導体を含む水性分
散液組成物が開示されている。
【0003】また,特開昭 57-3857号公報には,ガラス
転移温度の異なる2種のカルボニル基含有共重合物とヒ
ドラジン誘導体を含む水性分散液組成物が開示され,特
開平4-227947号公報には,ベンゾフェノンを含むカルボ
ニル基含有合成樹脂調合物が開示されている。さらに,
特開平4-249587号公報および特開平4-372674号公報に
は,ノニオン部分を含むアニオン界面活性剤を乳化重合
時に使用したカルボニル基含有エマルジョン粒子とジヒ
ドラジド化合物とからなる塗料用組成物が開示され,特
開平5-179102号公報には,アルカリまたは有機溶剤添加
により可溶化したカルボニル基含有共重合体樹脂とヒド
ラジン誘導体を混合してなる樹脂組成物が開示されてい
る。
【0004】これらの界面活性剤存在下で得られるエマ
ルジョンは,分子量を増大させても比較的低粘度な樹脂
分散液が得られるため取扱いが簡単で,フィルム形成性
が高い。しかし,分散の安定性が劣る,界面活性剤が多
く含まれるために塗膜物性その他に悪影響を及ぼす,塗
工,印刷適性が不十分である等の問題がある。
【0005】一方,水溶性樹脂存在下で得られるエマル
ジョンとしては,特開昭62-25163号公報および特開昭64
-48801号公報に,アルデヒド基またはケト基を有する水
溶性共重合体を分散剤として用いて重合性単量体を重合
させてなるアルデヒド基またはケト基を含有する共重合
体の水性分散液にヒドラジン誘導体を含有せしめてなる
組成物が開示されている。しかし,該組成物は,その安
定性が不十分であるという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記問題
を解決すべく鋭意検討の結果,カルボキシル基を含有す
る樹脂をアンモニアまたは有機アミンで中和してなる水
溶性樹脂の存在下,アルド基またはケト基含有エチレン
性不飽和化合物とシクロアルキレンカルバミドアルキル
(メタ)アクリルアミドとを少なくとも含むエチレン性
不飽和化合物を乳化重合して得られるアルド基またはケ
ト基ならびにシクロアルキレンカルバミドアルキル(メ
タ)アクリルアミドを含有する樹脂エマルジョンが,ヒ
ドラジン誘導体を特定の比率で配合後の貯蔵安定性,塗
工適性,乾燥後の被覆物性に優れた性能を有することを
見出し,本発明に至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は,カル
ボキシル基を含有する樹脂をアンモニアまたは有機アミ
ンで中和してなる水溶性樹脂(a) の存在下,下記一般式
で示されるシクロアルキレンカルバミドアルキル(メ
タ)アクリルアミド(式中,R1は水素原子またはメチル
基,R2は炭素数 1〜12のアルキル基,R3は炭素数1 〜 8
のアルキレン基)
【化2】 と他のアルド基またはケト基含有エチレン性不飽和化合
物とを少なくとも含むエチレン性不飽和化合物(b) を乳
化重合して得られるアルド基またはケト基ならびにシク
ロアルキレンカルバミドアルキル(メタ)アクリルアミ
ドを含有する樹脂エマルジョン(A) と,ヒドラジン残基
を2個以上有するヒドラジン誘導体(B) とを, アルド基
またはケト基1当量に対しヒドラジン残基が 0.1〜5 当
量になるような比率で含む被覆用水性樹脂組成物を提供
する。
【0008】本発明において,カルボキシル基を含有す
る樹脂をアンモニアまたは有機アミンで中和してなる水
溶性樹脂を保護コロイドとして用い,アルド基またはケ
ト基含有エチレン性不飽和化合物とシクロアルキレンカ
ルバミドアルキル(メタ)アクリルアミドとを少なくと
も含むエチレン性不飽和化合物を乳化重合して得られる
樹脂エマルジョン(A) 中のアルド基またはケト基は,水
中では保護コロイドによりヒドラジン残基とは接触せ
ず,水分が除去され造膜した後,シクロアルキレンカル
バミドアルキル(メタ)アクリルアミドの効果によりヒ
ドラジン残基と反応して優れた塗膜を形成する。
【0009】カルボキシル基を含有する樹脂は,カルボ
キシル基含有エチレン性不飽和単量体と共に,スチレ
ン,メチルスチレン等のスチレン類,(メタ)アクリル
酸メチル,(メタ)アクリル酸エチル,(メタ)アクリ
ル酸ブチル,(メタ)アクリル酸プロピル,(メタ)ア
クリル酸2-エチルヘキシル,(メタ)アクリル酸ステア
リル,(メタ)アクリル酸メトキシエチル,(メタ)ア
クリル酸エトキシエチル,(メタ)アクリル酸プロポキ
シエチル,(メタ)アクリル酸メトキシエトキシエチ
ル,(メタ)アクリル酸エトキシエトキシエチル,(メ
タ)アクリル酸ブトキシエトキシエチル等の炭素数 1〜
18の脂肪族1価アルコール,炭素数 3〜30のエチレング
リコールモノアルキルエーテルもしくは炭素数 3〜30の
ジエチレングリコールモノアルキルエーテルと(メタ)
アクリル酸とのエステル,酢酸ビニル,マレイン酸エス
テル,アクリロニトリル等の単量体の1種または2種以
上を共重合して得られる。
【0010】カルボキシル基含有不飽和単量体として
は,(メタ)アクリル酸,イタコン酸,マレイン酸,フ
マール酸,クロトン酸などの重合性不飽和カルボン酸お
よびそれらの無水物が挙げられる。単量体の組成は,得
られる樹脂の酸価が70〜350 の範囲となるよう選択され
ることが好ましい。酸価が70未満の場合,下記の中和操
作によって得られる樹脂は水溶性に乏しく,保護コロイ
ドとしての性能が悪い。また,酸価が 350を越える場
合,該樹脂を中和して得られる水溶性樹脂は保護コロイ
ドとしての性能は良いが,この存在下エチレン性不飽和
化合物を乳化重合して得られる樹脂エマルジョンの塗膜
物性が悪くなる。カルボキシル基を含有する樹脂の分子
量は,3000〜60000 が好ましい。
【0011】上記カルボキシル基を含有する樹脂は,従
来よりよく知られている塊状重合,溶液重合,乳化重
合,懸濁重合などの重合法に従い製造できる。例えば溶
液重合法の場合,その構成単量体の所定量を適当な有機
溶媒の存在下に重合することにより,容易に製造でき
る。重合開始剤としては,過酸化ベンゾイル,アゾビス
イソブチロニトリル等の触媒を用いることができる。ま
た,反応系には必要に応じてメルカプタン類等を添加す
ることができ,これにより適宜重合度を調整することが
できる。
【0012】上記のごとくして得られるカルボキシル基
を含有する樹脂は,重合反応終了後,反応系内にアンモ
ニアもしくはトリエチルアミン,トリメチルアミン,ジ
メチルアミノエタノール,モノエタノールアミン等の有
機アミン類を添加して中和することにより,所望の水溶
性樹脂(a) とすることができる。アンモニア等の添加量
は,樹脂中のカルボキシル基の中和率が約70〜120 %と
なる範囲が好適である。中和率が低すぎる場合,得られ
る水溶性樹脂の保護コロイドとしての能力が低下するた
め好ましくない。
【0013】アルド基またはケト基ならびにシクロアル
キレンカルバミドアルキル(メタ)アクリルアミドを含
有する樹脂エマルジョン(A) は,上記のごとくして得ら
れる水溶性樹脂(a)100重量部の存在下,シクロアルキレ
ンカルバミドアルキル(メタ)アクリルアミドと他のア
ルド基またはケト基含有エチレン性不飽和化合物とを少
なくとも含むエチレン性不飽和化合物(b) 20〜1000重量
部,好ましくは50〜600 重量部を乳化重合することによ
り得られる。エチレン性不飽和化合物(b) を20重量部に
満たない量で用いる場合,水溶性樹脂成分の含有量が大
きくなり,塗工物のフィルム形成性や物性が劣ることに
なる。一方,1000重量部を越える量で用いる場合,得ら
れる樹脂エマルジョンの凝集,増粘を生じ,貯蔵安定性
が悪い。また,チキソトロピー性も大きくなり,塗工物
の平滑性は劣る。
【0014】エチレン性不飽和化合物(b) 中の他のアル
ド基またはケト基含有エチレン性不飽和化合物の割合
は, 0.1〜30重量%であることが望ましい。 0.1重量%
未満では, 得られる被覆用水性樹脂組成物の架橋密度が
小さくなり乾燥後の被覆物の耐溶剤性や耐水性が劣る。
一方,30重量%を超えると得られる被覆用水性樹脂組成
物の耐水性が劣る。また,エチレン性不飽和化合物(b)
中のシクロアルキレンカルバミドアルキル(メタ)アク
リルアミドの割合は,0.1〜 5重量%が望ましい。0.1重
量%未満では乾燥後の被覆物の耐溶剤性や耐水性への効
果が不十分であり, 5重量%を超えると乾燥後の被覆物
の耐水性や耐溶剤性が劣る傾向がある。
【0015】他のアルド基またはケト基含有不飽和化合
物としては,アクロレイン,ジアセトン(メタ)アクリ
ルアミド,ホルミルスチロール,ビニルメチルケトン,
ビニルエチルケトン,ビニルイソブチルケトン,(メ
タ)アクリルオキシメチルプロパナール,ジアセトン
(メタ)アクリレート,アセトニル(メタ)アクリレー
ト,およびN-メチロール(メタ)アクリルアミド,N-ブ
トキシメチル(メタ)アクリルアミド等のN置換(メ
タ)アクリル系単量体等が挙げられる。
【0016】エチレン性不飽和化合物(b) のシクロアル
キレンカルバミドアルキル(メタ)アクリルアミドと他
のアルド基またはケト基含有不飽和化合物以外の成分
は,得られる被覆用水性組成物の硬度,耐熱性,付着
性,造膜性等を考慮して選択する。例えば,アルキル基
の炭素数 1〜22の(メタ)アクリル酸エステル,(メ
タ)アクリル酸アミド,(メタ)アクリロニトリル,ス
チレンなどが用いられる。
【0017】上記エチレン性不飽和化合物(b) を乳化重
合する際の開始剤としては,過硫酸アンモニウム,過硫
酸カリウム等の過硫酸塩触媒やこれらに酸性亜硫酸塩等
を組み合わせたレドックス系触媒を例示できる。また,
本発明の乳化重合反応系内には,必要に応じて分子量調
整剤や,塗膜物性その他に悪影響を及ぼさない範囲で界
面活性剤を添加することもできる。
【0018】ヒドラジン残基を2個以上有するヒドラジ
ン誘導体(B) は,下記一般式で示される官能基を2個以
上有する化合物である。
【化3】
【0019】ヒドラジン誘導体(B) としては,シュウ酸
ジヒドラジド,マロン酸ジヒドラジド,こはく酸ジヒド
ラジド,グルタル酸ジヒドラジド,アジピン酸ジヒドラ
ジド,セバシン酸ジヒドラジド等の脂肪酸ジヒドラジド
の他,炭酸ポリヒドラジド,脂肪族,脂環族,芳香族ビ
スセミカルバジド,芳香族ジカルボン酸ジヒドラジド,
ポリアクリル酸のポリヒドラジド,トリヒドラジド,芳
香族炭化水素のジヒドラジド,ヒドラジン−ピリジン誘
導体およびマレイン酸ジヒドラジド,フマル酸ジヒドラ
ジド等の不飽和ジカルボン酸のジヒドラジド等が挙げら
れる。
【0020】ヒドラジン残基を複数有するヒドラジン誘
導体(B) は,アルド基またはケト基1当量に対して 0.1
〜5 当量,好ましくは 0.2〜3 当量になるような比率で
用いる。ヒドラジン残基が 0.1当量未満では, 得られる
被覆用水性樹脂組成物の架橋密度が小さくなり乾燥後の
被覆物の耐溶剤性や耐水性が劣る。一方,5当量を超え
ると得られる被覆用水性樹脂組成物の耐水性が劣る。
【0021】本発明の被覆用水性樹脂組成物には,上記
(A),(B) の他,必要に応じてフタロシアニンブルー,フ
タロシアニングリーン,酸化チタン,カーボンブラック
等の有機または無機の顔料,染料,炭酸カルシウム,沈
降性硫酸バリウム,クレー等の体質顔料,微粉末シリカ
等のチキソトロピー剤,コロイダルシリカ,アルミナゾ
ル等のゾル類,ポリビニルピロリドン,ポリビニルアリ
コール,シェラック,水溶性ポリエステル樹脂,水溶性
または水分散性のポリウレタン樹脂あるいはポリアミド
樹脂等の水溶性または水分散性樹脂,乳化剤,消泡剤,
レベリング剤,粘着性付与樹脂,エタノール,カルビト
ールなどの水溶性または親水性溶剤,防腐剤,防黴剤な
どが配合され,公知の分散機,混合機,混練機などによ
り,分散,混合または混練される。
【0022】本発明の被覆用水性樹脂組成物は,目的に
応じて,グラビア印刷機,フレキソ印刷機,ロールコー
ター,スプレーコーター,スピンコーター,刷毛,ロー
ラー塗布機,ロールコーター,リバースコーター,ナイ
フコーター等の手段により,プラスチック,紙,金属,
木材,ガラス,コンクリート,スレート,不織布,皮
革,合成皮革等の基材上に,印刷インキ,塗料,シーラ
ント,接着剤,表面処理剤等として印刷または塗布さ
れ,常温でまたは加熱して硬化乾燥される。
【0023】
【実施例】以下,本発明を実施例によりさらに詳しく説
明する。例中,「部」とは「重量部」を,「%」は「重
量%」をそれぞれ表す。 〔製造例1〜3 〕攪拌装置,温度計,滴下装置及び還流
冷却管を備えた反応容器にイソプロピルアルコール 300
部を仕込み83℃に昇温,表1に示す組成のモノマー混合
物 200部及びアゾビスイソブチロニトリル 6部を2時間
で滴下した後,83℃で4時間反応させた。次に,イソプ
ロピルアルコールの全量を減圧留去させ,反応生成物中
のカルボキシル基と当量のアンモニアを含有するアンモ
ニア水 600部を添加し,樹脂水溶液(固形分25%) (a)
〜(c) を得た。なお,表1に示す酸価は, アンモニアで
中和する前のものである。
【0024】
【表1】
【0025】〔製造例4〕製造例1〜3と同様の反応装
置に,樹脂水溶液(a)400部を仕込み,80℃に加熱し,メ
タクリル酸メチル20部,シクロプロピレンカルバミドエ
チルアクリルアミド 4部,アクリル酸2-エチルヘキシル
11部, ジアセトンアクリルアミド15部及び過硫酸アンモ
ニウム 0.1部を精製水 1.9部に溶解して得られる水溶液
2.0部を30分間で滴下し,次いで90℃で1時間反応さ
せ,精製水を加えて固型分を28%に調整し,樹脂エマル
ジョン(d) を得た。
【0026】〔製造例5〕製造例1〜3と同様の反応装
置に,樹脂水溶液(b)400部及び精製水80部を仕込み,80
℃に加熱し,メタクリル酸メチル90部,シクロエチレン
カルバミドエチルメタクリルアミド 3.6部,アクリル酸
n-ブチル86.4部, アクロレイン20部及び過硫酸アンモニ
ウム 1.0部を精製水 9.0部に溶解して得られる水溶液10
部を 120分間で滴下し,次いで90℃で1時間反応させ,
精製水を加えて固型分を42%に調整し、樹脂エマルジョ
ン(e) を得た。
【0027】〔製造例6〕製造例1〜3と同様の反応装
置に,樹脂水溶液(c)400部及び精製水 400部を仕込み,
80℃に加熱し,メタクリル酸n-ブチル 335部,アクリル
酸2-エチルヘキシル 160部,ジアセトンアクリルアミド
100 部 ,シクロエチレンカルバミドエチルメタクリルア
ミド 5部, 分子量調整剤としてチオグリコール酸2エチ
ルヘキシル3部及び過硫酸アンモニウム 1.0部を精製水
9.0部に溶解して得られる水溶液10部を 150分間で滴下
し,次いで90℃で1時間反応させ,精製水を加えて固型
分を46%に調整し、樹脂エマルジョン(f) を得た。
【0028】〔製造例7〕製造例1〜3と同様の反応装
置に,樹脂水溶液(c)400部及び精製水80部を仕込み,80
℃に加熱し,ジアセトンアクリルアミド10部,メタクリ
ル酸メチル80部,アクリル酸n-ブチル65部,アクリル酸
2-エチルヘキシル45部, 及び過硫酸アンモニウム 1.0部
を精製水 9.0部に溶解して得られる水溶液10部を 120分
間で滴下し,次いで90℃で1時間反応させ,精製水を加
えて固型分を44%に調整し、樹脂エマルジョン(g) を得
た。
【0029】〔製造例8〕製造例1〜3と同様の反応装
置に,樹脂水溶液(c)400部及び精製水80部を仕込み,80
℃に加熱し,メタクリル酸メチル 100部,アクリル酸2-
エチルヘキシル50部, シクロエチレンカルバミドエチル
メタクリルアミド 2.4部, メタクリル酸n-ブチル47.6部
及び過硫酸アンモニウム 1.0部を精製水 9.0部に溶解し
て得られる水溶液10部を 120分間で滴下し,次いで90℃
で1時間反応させ,精製水を加えて固型分を42%に調整
し、樹脂エマルジョン(h) を得た。
【0030】〔実施例1〜3および比較例1〜3〕表2
に示す組成物を混合し,被覆用水性樹脂組成物を調整し
た。得られた被覆用水性樹脂組成物をアルミ箔上にワイ
ヤーバーで塗布した。得られた乾燥塗膜のセロテープ接
着性,耐アルコール性,耐アルカリ性および耐熱性を評
価した結果を表2に示す。また,被覆用水性樹脂組成物
を40℃, 10日間貯蔵した時の粘度安定性を評価した結果
を表2に示す。なお,評価方法および結果の表示は次の
通りである。
【0031】
【表2】 表中,リオノールブルー FG-7330は東洋インキ製造社製
フタロシアニンブルー, サーフィノールPCはエアープ
ロダクト社製消泡剤。
【0032】セロテープ接着性・・・ニチバン社製セロ
ハンテープによる剥離程度を目視で評価した。 耐アルコール性・・・70%エチルアルコールを含ませた
脱脂綿で塗膜表面をラビングし,塗膜状態を目視で評価
した。 耐アルカリ性・・・塗膜にpH12.5の水酸化ナトリウム水
溶液をスポットし,塗膜の剥離程度を目視で評価した。 耐熱性・・・塗膜とアルミ箔を重ねて 180℃で 2秒間加
圧(2kg/cm2) した後,アルミ箔をはがし,塗膜の剥離程
度を目視で評価した。 ◎;全く剥離が認められない。 ○;僅かに剥離が認められる。 △;塗膜の一部が剥離している。 ×;塗膜の大部分が剥離している。 貯蔵粘度安定性・・・○;粘度上昇10%以下, △;粘度
上昇50%以下, ×;粘度上昇50%以上。
【0033】
【発明の効果】本発明により,硬化被覆物の諸物性が優
れていると共に,貯蔵粘度安定性が良好な被覆用水性樹
脂組成物が得られるようになった。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カルボキシル基を含有する樹脂をアンモニ
    アまたは有機アミンで中和してなる水溶性樹脂(a) の存
    在下,下記一般式で示されるシクロアルキレンカルバミ
    ドアルキル(メタ)アクリルアミド(式中,R1 は水素
    原子またはメチル基,R2 は炭素数 1〜12のアルキル
    基,R3 は炭素数1 〜 8のアルキレン基) 【化1】 と他のアルド基またはケト基含有エチレン性不飽和化合
    物とを少なくとも含むエチレン性不飽和化合物(b) を乳
    化重合して得られるアルド基またはケト基ならびにシク
    ロアルキレンカルバミドアルキル(メタ)アクリルアミ
    ドを含有する樹脂エマルジョン(A) と,ヒドラジン残基
    を2個以上有するヒドラジン誘導体(B) とを, アルド基
    またはケト基1当量に対しヒドラジン残基が 0.1〜5 当
    量になるような比率で含む被覆用水性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】エチレン性不飽和化合物(b) 中,他のアル
    ド基またはケト基含有エチレン性不飽和化合物が 0.1〜
    30重量%であることを特徴とする請求項1記載の被覆用
    水性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】エチレン性不飽和化合物(b) 中,シクロア
    ルキレンカルバミドアルキル(メタ)アクリルアミドが
    0.1〜5 重量%であることを特徴とする請求項1または
    2記載の被覆用水性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】水溶性樹脂(a) の酸価が70〜350 であるこ
    とを特徴とする請求項1ないし3記載の被覆用水性樹脂
    組成物。
  5. 【請求項5】水溶性樹脂(a)100重量部に対し,エチレン
    性不飽和化合物(b) が20〜1000重量部であることを特徴
    とする請求項1ないし4記載の被覆用水性樹脂組成物。
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JP (1) JPH07133461A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09255894A (ja) * 1996-03-27 1997-09-30 Mitsubishi Rayon Co Ltd 水性被覆組成物
JP2002294176A (ja) * 2001-03-29 2002-10-09 Nippon Paint Co Ltd 水性塗料組成物およびそれを用いる複層塗膜形成方法
JP2008544542A (ja) * 2006-05-04 2008-12-04 ハンファ ケミカル コーポレーション 高分子膜でコーティングされた銅ワイヤーを有する半導体パッケージ及びその製造方法
US20080311415A1 (en) * 2005-08-30 2008-12-18 Lapeyre Use of a Latex Composition Having at Least One Ureido Function For Adhering to Wood
EP3781622B1 (de) * 2018-04-20 2022-10-12 Basf Se Haftklebstoffzusammensetzung mit auf vernetzung über keto- oder aldehydgruppen beruhendem gelgehalt

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