JPH11216956A - 感熱記録体 - Google Patents

感熱記録体

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JPH11216956A
JPH11216956A JP10021133A JP2113398A JPH11216956A JP H11216956 A JPH11216956 A JP H11216956A JP 10021133 A JP10021133 A JP 10021133A JP 2113398 A JP2113398 A JP 2113398A JP H11216956 A JPH11216956 A JP H11216956A
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heat
alkyl group
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JP10021133A
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Osamu Ono
修 大野
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像の色濃度が高く、白色度が高く、白色度
の経時低下の少ない感熱記録体の提供。 【解決手段】 感熱記録体のシート状基体上に形成され
た感熱発色層において、染料前駆体として式(I)の化
合物を用い、顕色剤として、式(II)の官能基を分子当
り2個有する芳香族化合物及び同じく1個有する芳香族
化合物を用い、白色度低下防止剤として、15m2 /g
以上のBET比表面積を有する炭酸カルシウム粒子を用
い、前記式(I)の染料前駆体を、式(V)の界面活性
化合物と混合した後に他の成分と混合して調製した塗工
液を用いて感熱発色層を形成する。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感熱記録体に関す
るものである。更に詳しく述べるならば、本発明は、経
時的消色高温高湿下における消色、及び油脂及び/又は
可塑剤などとの接触による消色などに対して高い抵抗性
を有し、高い白色度と、経時的白色度低下に対する優れ
た抵抗性を有する感熱記録体に関するものである。
【0002】本発明の感熱記録体は、例えば自動券売機
用感熱記録型の乗車券、及び長期保存性を必要とする回
数券や定期券などへの使用、水、可塑剤、油脂との接触
が避けられない、ポリ塩化ビニルフィルムで包装された
食品の包装面に貼付けられるPOS用バーコードシステ
ム用のラベルとして適するばかりでなく、長期保存用の
ファクシミリ用紙やワープロ用紙、また、CRT用画像
プリンター用紙としても有用なものである。
【0003】
【従来の技術】感熱記録体は、一般に紙、合成紙、プラ
スチックフィルム等の支持体上に電子供与性ロイコ染料
のような発色性物質と電子受容性のフェノール性化合物
等の有機酸性物質のような顕色性物質とを主成分とする
感熱発色層を設けてなり、それらを熱エネルギーによっ
て反応させて記録発色画像を得ることができる。このよ
うな感熱記録体は特公昭43−4160号、特公昭45
−14039号、及び特開昭48−27736号などに
開示されており、広く実用化されている。
【0004】上述のような構成を有する感熱記録体(こ
れを染料型感熱記録体と呼ぶ)は、記録装置がコンパク
トで、安価で、かつ保守が容易であることから、電子計
算機のアウトプット、ファクシミリ、自動券売機、科学
計測器のプリンター、あるいはCRT、医療計測用のプ
リンター等に広範囲に使用されている。しかし、従来の
染料型感熱記録体にあっては、発色反応が可逆的である
ため、発色画像が経時的に消色するという問題点がある
ことが知られている。この消色は曝光、高湿、高温雰囲
気下に加速され、さらに可塑剤および油等の接触によっ
て速やかに進行し、画像は読み取り不可能な程度まで消
色してしまう。
【0005】この消色現象を抑制するために数多くの技
術(例えば特開昭60−78782号、特開昭59−1
67292号、特開昭59−114096号、特開昭5
9−93387号、特開昭56−14796号、特開昭
58−199189号、特開昭62−164579号、
および特開昭62−169681号)が開示されてきた
が、得られる感熱記録体の白色度、記録濃度、印字保存
性、及び価格においてバランスのとれるものは極めて少
なく、このため新しい技術の開発が求められてきた。本
発明者らは、これらの問題点を解決する新しい技術は、
特開平5−147357号、及び特開平5−14822
0号などに開示されている。それは、前述の染料前駆体
を発色させる顕色剤として従来のフェノール性化合物と
は異なる、スルホニルウレア基を有する芳香族化合物を
用いる技術であり、これにより得られる感熱記録体は上
記の条件を全て満たすものであった。しかし、このよう
な新規顕色剤を用いる感熱記録体にも、新しい顕色剤ゆ
えに、さらに改良の余地があった。
【0006】そのひとつは、上記の新しい顕色剤を用い
た感熱発色層塗工用の塗工液を比較的温暖な環境下で長
期にわたって保存すると、次第に塗工液の白色度が落
ち、そのため、その塗工液を用いて製造された感熱記録
体の白色度も低下するという現象である。30℃を越え
る温度における塗工液の保存により、上記問題点が現わ
れることがある。また、上記の新しい顕色剤を用いた感
熱発色層を塗工して製造した感熱記録体を高温高湿下で
長時間保存すると、感熱記録体の白色度が低下する傾向
が見られることがあり、これらの問題点の解決が望まれ
ていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、比較的あた
たかい環境下で長時間保存した塗工液を用いて製造した
感熱記録体の白色度の低下という問題点を解決し、感熱
記録体製造時の操業性、作業性を向上し、かつ、白色度
が高く、耐油性、耐可塑剤性等の発色画像の長期保存性
に優れる感熱記録体を提供しようとするものである。ま
た本発明は、高温高湿下で長期に保存された後も、高い
白色度を保つことのできる感熱記録体を提供しようとす
るものである。さらに本発明は、例えば自動券売機用感
熱記録型の乗車券として使用できるのみならず、長期保
存性を必要とする回数券や定期券などへの使用、水、可
塑剤、油脂との接触が避けられないポリ塩化ビニルフィ
ルムで包装した食品の包装面に貼付けるPOS用バーコ
ードシステム用のラベルとして適するばかりでなく、長
期保存用のファクシミリ用紙やワープロ用紙、また、C
RT用画像プリンター用紙としても利用できる感熱記録
体を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る感熱記録体
は、シート状基体、及びこのシート状基体の少なくとも
1面上に形成され、かつ無色又は淡色の染料前駆体と、
この染料前駆体と加熱下に反応してこれを発色させる顕
色剤と、白色度低下防止剤と、分散剤とを含む感熱記録
層を有し、前記染料前駆体が、下記式(I)により表さ
れるフルオラン化合物:
【化6】 〔但し、式(I)中、R1 及びR2 は、それぞれ互に独
立に、アルキル基、アラルキル基、又はアリール基を表
し、R3 は、水素原子又は低級アルキル基を表し、R4
は、無置換フェニル基、或は低級アルキル基、ハロゲン
原子及びハロゲン化アルキル基から選ばれた1個以上に
より置換されたフェニル基を表す〕であり、前記顕色剤
が、下記式(II)により表される官能基:
【化7】 〔但し、式(I)中、R5 は、水素原子、低級アルキル
基、ハロゲン原子、又は低級アルコキシ基を表す。〕を
1分子当り2個有する芳香族化合物、並びに、前記式
(II)の官能基を1分子当り1個有する芳香族化合物を
含み、前記白色度低下防止剤が、BET比表面積が15
2 /g以上である炭酸カルシウム微粒子を含み、前記
分散剤が、ポリオキシアルキレンモノアルキルフェニル
エーテルから選ばれ、かつ、前記感熱発色層が、前記染
料前駆体と、前記分散剤とを含む水性分散液を調製し、
この水性分散液に、少なくとも前記顕色剤及び白色度低
下防止剤を添加して感熱発色層形成用塗工液を調製し、
この塗工液を、前記シート状基体の少なくとも1面上に
塗布乾燥して形成されたものである、ことを特徴とする
ものである。本発明の感熱記録体の前記顕色剤におい
て、前記式(II)により表される官能基を1分子当り2
個有する芳香族化合物が、下記式(III):
【化8】 により表される化合物であることが好ましい。本発明の
感熱記録体の前記顕色剤において、前記式(II)により
表される官能基を1分子当り1個有する芳香族化合物
が、下記式(IV):
【化9】 により表される化合物であることが好ましい。また本発
明の感熱記録体の感熱発色層において、前記ポリオキシ
アルキレンモノアルキルフェニルエーテルが下記式
(V)の化合物:
【化10】 〔但し、式(V)中、R6 は、1〜18個の炭素原子を
有するアルキル基を表し、R7 は、2〜4個又は8個の
炭素原子を有するアルキレン基を表し、nは1〜150
の整数を表す。〕から選ばれることが好ましい。前記式
(I)において、R1 及びR2 により表されるアルキル
基は、1〜10個の炭素原子を有することが好ましく、
例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピ
ル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、ter
t−ブチル及びデシル基などから選ぶことができ、ま
た、式(I)において、R1 ,R2 により表されるアラ
ルキル基は、ベンジル及びフェネチル基などから選ばれ
ることが好ましく、さらに、式(I)において、R1
2 により表されるアリール基は、フェニル、トリル、
キシリル及びナフチル基などから選ばれることが好まし
い。前記式(II)において、R5 により表される低級ア
ルキル基は、1〜6個の炭素原子を有することが好まし
く、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロ
ピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、te
rt−ブチル及びヘキシル基などから選ばれることが好
ましく、R5 により表されるハロゲン原子は、炭素、フ
ッ素、臭素などから選ばれることが好ましく、R5 によ
り表される低級アルコキシ基は1〜6個の炭素原子を有
することが好ましく、例えばメトキシ、エトキシ、プロ
ポキシ及びフェノキシ基などから選ばれることが好まし
い。前記式(V)において、R6 により表されるアルキ
ル基は、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、
ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デ
シル及びステアリル基などから選ばれることが好まし
く、また、R7 により表されるアルキレン基は、メチレ
ン、エチレン、プロピレン、ブチレン、およびオクチレ
ン基から選ばれることが好ましく、nは1〜150の整
数である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において、無色または淡色
の染料前駆体として使用できる一般式(I)で表わされ
るフルオラン化合物は例えば下記の化合物から選ぶこと
ができる。3−(N−エチル−N−イソペンチルアミ
ノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエ
チルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o、p−ジメチ
ルアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−p−
トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフ
ルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミ
ノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエ
チルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、
3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フル
オラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロ
メチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6
−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ
−6−メチルフルオラン、および3−シクロヘキシルア
ミノ−6−クロロフルオラン、及び3−(N−エチル−
N−ヘキシルアミノ)−6−メチル−7−(p−クロロ
アニリノ)フルオラン等。
【0010】これらの一般式(I)で表わされる染料前
駆体化合物を分散する際に、あるいは、分散後の染料分
散液に加えるポリオキシアルキレンモノアルキルフェニ
ルエーテルは「化学物質の審査及び製造等の規制に関す
る法律」において、既存化学物質の登録ナンバー7−1
72に分類される化合物であり、一般的には前記一般式
(V)で表わされる物質である。その具体例としては、
ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、及びポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどをあげる
ことができる。
【0011】これらは、染料を分散する場合に、分散剤
として、単独で、あるいは分散助剤として他の分散剤と
併用して用いることができる。また、他の分散剤で分散
して得られた染料分散液に、分散後に添加する形で使用
してもよい。いずれの場合も、その添加量は、染料前駆
体に対し0.1〜5重量%であることが好ましく、0.
5〜2重量%が特に好ましい。添加率が0.1%未満で
は、白色度安定化効果は小さく、またそれが5%を越え
ると、得られた感熱記録体の発色感度が低下するなどの
弊害が見られることがある。
【0012】ポリオキシアルキレンモノアルキルフェニ
ルエーテルを主な分散剤として染料前駆体を分散後、あ
るいは染料分散液にポリオキシアルキレンモノアルキル
フェニルエーテルを添加後、染料前駆体分散液は顕色剤
分散液、顔料分散液、増感剤、分散液バインダーなどと
混合され、感熱発色層塗工用塗工液が調製されるが、こ
のとき、ポリオキシアルキレンモノアルキルフェニルエ
ーテルを加えてから、感熱発色層塗工用塗工液調製ま
で、時間間隔を十分にとったほうが、ポリオキシアルキ
レンモノアルキルフェニルエーテルの白色度安定化効果
が、より大きく発現する。この、時間間隔は1時間以上
であることが好ましく、24時間以上であることがより
好ましい。この理由は明確ではないが、ポリオキシアル
キレンモノアルキルフェニルエーテル界面活性剤が染料
前駆体表面に安定した吸着状態になるのにこの程度の時
間がかかるためと考えられる。
【0013】また、本発明で使用する一分子中に前記化
学式(II)によって表わされる官能基を二つ有する顕色
剤芳香族化合物を具体的に例示すれば下記の通りであ
る。ビス(pートルエンスルホニルアミノカルボニルア
ミノ)ケトン、1,2−ビス(pートルエンスルホニル
アミノカルボニルアミノ)エタン、1,5−ビス(pー
トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)−3−オ
キサペンタン、1,5−ビス(pートルエンスルホニル
アミノカルボニルアミノ)−3−チオペンタン、1,3
−ビス(pートルエンスルホニルアミノカルボニルアミ
ノ)−2−プロパノン、1,3−ビス(pートルエンス
ルホニルアミノカルボニルアミノメチル)−ベンゼン、
1,4−ビス(pートルエンスルホニルアミノカルボニ
ルアミノメチル)−ベンゼン、4,4’ービス(pート
ルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)−ジフェニ
ルメタン(式(III))、4,4’ービス(oートルエン
スルホニルアミノカルボニルアミノ)−ジフェニルメタ
ン、4,4’ービス(ベンゼンスルホニルアミノカルボ
ニルアミノ)−ジフェニルメタン、4,4’ービス(p
ークロロベンゼンスルホニルアミノカルボニルアミノ)
−ジフェニルメタン、4,4’ービス(pーメトキシベ
ンゼンスルホニルアミノカルボニルアミノ)−ジフェニ
ルメタン、2,2−ビス(4’,4’’−(pートルエ
ンスルホニルアミノカルボニルアミノ)フェニル)プロ
パン、1,2−ビス(4’−(pートルエンスルホニル
アミノカルボニルアミノ)フェニルオキシ)エタン、
2,5−ビス(pートルエンスルホニルアミノカルボニ
ルアミノメチル)フラン、1,3−ビス(pートルエン
スルホニルアミノカルボニルアミノ)ベンゼン、1,4
−ビス(pートルエンスルホニルアミノカルボニルアミ
ノ)ベンゼン、1,5−ビス(pートルエンスルホニル
アミノカルボニルアミノ)ナフタレン、1,8−ビス
(pートルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ナ
フタレン、4,4’−ビス(pートルエンスルホニルア
ミノカルボニルアミノ)ジフェニルエーテル、3,3’
−ビス(pートルエンスルホニルアミノカルボニルアミ
ノ)ジフェニルスルホン、および4,4’−ビス(pー
トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニ
ルスルホン。特に前記式(III)により表される化合物を
用いることが好ましい。
【0014】さらに、前記一般式(II)によって表わさ
れる官能基を一分子中に1つ有する顕色剤芳香族化合物
を具体的に例示すれば下記の通りである。N−(p−ト
ルエンスルホニル)−N’−フェニル尿素(式(I
V))、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−(p
−メトキシフェニル)尿素、N−(p−トルエンスルホ
ニル)−N’−(o−トリル)尿素、N−(p−トルエ
ンスルホニル)−N’−(m−トリル)尿素、N−(p
−トルエンスルホニル)−N’−(pートリル)尿素、
N−(p−トルエンスルホニル)−N’−(p−n−ブ
チルフェニル)尿素、N−(p−トルエンスルホニル)
−N’−(o−クロロフェニル)尿素、N−(p−トル
エンスルホニル)−N’−(mークロロフェニル)、N
−(p−トルエンスルホニル)−N’−(2,4−ジク
ロロフェニル)尿素、N−(p−トルエンスルホニル)
−N’−ベンジル尿素、N−(p−トルエンスルホニ
ル)−N’−(1−ナフチル)尿素、(p−トルエンス
ルホニル)−N’−(1−(2−メチルナフチル))尿
素、N−(ベンゼンスルホニル)−N’−フェニル尿
素、N−(p−クロロベンゼンスルホニル)−N’−フ
ェニル尿素、N−(o−トルエンスルホニル)−N’−
フェニル尿素、N−(p−トルエンスルホニル)−N’
−メチル尿素、N−(p−トルエンスルホニル)−N’
−エチル尿素、N−(p−トルエンスルホニル)−N’
−(2ーフェノキシエチル)尿素、N、N’−ビス(p
−トルエンスルホニル)尿素、N−(p−トルエンスル
ホニル)−N’−(pーエトキシカルボニルフェニル)
尿素、N−(p−エトキシベンゼンスルホニル)−N’
−フェニル尿素。特に前記式(IV)により表される化合
物を用いることが好ましい。
【0015】本発明で使用する白色度低下防止剤は、B
ET比表面積が15m2 /g以上の炭酸カルシウムを主
成分とし、その外にBET比表面積が15m2 /g未満
の軽質炭酸カルシウムまたは重質炭酸カルシウム、その
他のアルカリ土類金属の難又は不水溶性無機塩、例え
ば、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、珪酸カルシウ
ム、炭酸カルシウムと水酸化カルシウムとの複合塩、お
よび表面処理された炭酸カルシウムや珪酸カルシウムな
どの添加成分を混合して用いてもよく、あるいはその2
種以上を混合して用いてもよい。これらのアルカリ土類
金属の難又は不水溶性無機塩は、前記染料前駆体及び顕
色剤を含む感熱発色層の白色度を高め、その経時的低下
を防止することができる。
【0016】本発明の感熱記録体の感熱発色層は、おも
に、ポリオキシアルキレンモノアルキルフェニルエーテ
ルをその分散液中に含有する一般式(I)で表わされる
無色または単色の染料前駆体と、一分子中に前記化学式
(II)によって表わされる官能基を少なくとも二つ有す
る芳香族化合物、一分子中に前記化学式(II)によって
表わされる官能基をひとつ有する芳香族化合物、及びB
ET比表面積が15m 2 /g以上の炭酸カルシウムを含
むものであることが好ましい。感熱発色層は、さらに、
必要に応じて、種々の無機または有機顔料、増感剤とし
て知られる融点50〜150℃の熱可融性芳香族化合
物、従来公知のフェノール系あるいは有機酸系顕色剤、
酸化防止剤、紫外線吸収剤、またはワックス類を含むこ
とができる。更に、これらの成分を支持体に固着するた
めのバインダーを含むものである。
【0017】更に本発明の感熱記録体においては、感熱
発色層中に熱可融性物質(いわゆる増感剤)を併用する
ことが好ましい。このような増感剤としては、一般に融
点50〜150℃の熱可融性有機化合物が用いられる。
それらは、例えば、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フ
ェニルエステル(特開昭57−191089号)、p−
ベンジルビフェニル(特開昭60−82382号)、ベ
ンジルナフチルエーテル(特開昭58−87094
号)、ジベンジルテレフタレート(特開昭58−982
85号)、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル(特開
昭57−201691号)、炭酸ジフェニル、炭酸ジト
リル(特開昭58−136489号)、m−ターフェニ
ル(特開昭57−89994号)、1,2−ビス(m−
トリルオキシ)エタン(特開昭60−56588号)、
1,5−ビス(p−メトキシフェノキシ)−3−オキサ
ペンタン(特開昭62−181183号)、シュウ酸ジ
エステル類(特開昭64−1583号)、1,4−ビス
(p−トリルオキシ)ベンゼン(特開平2−15378
3号)、ジフェニルスルホン(特公昭59−25673
号)、p−トルエンスルホン酸フェニルエステル(特開
昭59−73990号)、メシチレンスルホン酸p−ト
リルエステル(特開平2−80285号)、4,4’−
ジアリルオキシジフェニルスルホン、4,4’−ジイソ
ペンチルオキシジフェニルスルホン、4,4’−ジメト
キシジフェニルスルホン(特公平2−9951号)、お
よび4,4’−ジ−n−ペンチルオキシジフェニルスル
ホン(特開昭60−47070号)などを包含する。
【0018】本発明の感熱発色層は、本発明を構成する
BET比表面積が15m2 /g以上の炭酸カルシウムの
他に顔料としてシリカ、クレー、焼成クレー、ケイ酸ア
ルミニウム、タルク、アルカリ変性クレーやシリカ等な
どの無機顔料、並びに、尿素−ホルマリン樹脂、スチレ
ン/メタクリル酸共重合体、およびポリスチレン樹脂等
の有機系の微粉末などさらに含むことができる。
【0019】又、本発明の感熱発色層は、さらにヒンダ
ードフェノール化合物又は紫外線吸収剤を含んでいてよ
い。それらは例えば特開昭57−151394号、特開
昭58−160191号、特開昭58−69096号、
特開昭59−2884号、特開昭59−95190号、
特開昭60−22288号、特開昭60−255485
号、特開昭61−44686号、特開昭62−1696
83号、特開昭63−17081号、および特開平1−
249385号等にあげられた化合物などである。
【0020】感熱発色層中の上記染料前駆体の含有率
は、一般に感熱発色層の乾燥重量の5〜20重量%であ
ることが好ましく、一分子中に前記化学式(II)によっ
て表わされる官能基を少なくとも二つ有する芳香族化合
物の含有率は一般に感熱発色層の乾燥重量に対し、5〜
50重量%であることが好ましい。また、一分子中に前
記化学式(II)によって表わされる官能基をひとつ有す
る芳香族化合物の含有率は一般に感熱発色層の乾燥重量
に対し、1〜50重量%であることが好ましい。BET
比表面積が15m2 /g以上の炭酸カルシウムの添加量
は、感熱発色層の乾燥重量の1〜40重量%、好ましく
は3〜30重量%である。その添加量が、1重量%未満
であれば白色度維持向上の効果が充分でなく、またそれ
を40重量%以上添加しても白色度向上維持効果は飽和
し、却って得られる感熱記録体の感度が低下するという
欠点を生ずる場合がある。
【0021】感熱発色層に酸化防止剤又は紫外線吸収剤
が含まれる場合、その含有率は、感熱発色層の乾燥重量
の1〜10重量%であることが好ましい。また増感剤の
含有率は10〜40重量%が好ましい。ワックス類が感
熱発色層に含まれる場合、その含有率は感熱発色層の乾
燥重量の2〜20重量%であることが好ましく、またバ
インダーの含有率は一般に5〜25重量%である。
【0022】ワックス類としては、例えば、パラフィ
ン、アミド系ワックス、ビスイミド系ワックス、高級脂
肪酸の金属塩など公知のものを用いることができる。
【0023】前記バインダーとしては、種々の分子量の
ポリビニルアルコール、デンプン及びその誘導体、メト
キシセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチル
セルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、
ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリ
ル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸
アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共重合
体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポ
リアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、およ
びカゼインなどの水溶性高分子材料、並びに、ポリ酢酸
ビニル、ポリウレタン、スチレン/ブタジエン共重合
体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビ
ニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレー
ト、エチレン/酢酸ビニル共重合体、およびスチレン/
ブタジエン/アクリル系共重合体等の少なくとも1種を
含むラテックスを用いることができる。
【0024】本発明の感熱記録体に用いられるシート状
基体は、ロジンサイズ剤及び/又は硫酸ばん土を用いて
抄紙されたいわゆる酸性紙、炭酸カルシウムのようなア
ルカリ土類金属の無機塩を内添顔料として含有して抄紙
された中性紙、表面に顔料、ラテックスなどを塗工した
コーテッド紙、ラミネート紙、ポリオレフィン系樹脂か
ら作られた合成紙、プラスチックフィルムなどから選ぶ
ことができる。このようなシート状基体の少なくとも1
面上に、上記所要成分の混合物を含む塗工液を塗布し、
乾燥して感熱発色層を形成して感熱記録体を製造する。
感熱発色層用塗工液の塗布量は、塗工液層が乾燥した状
態で1〜15g/m2 であることが好ましく、2〜10
g/m2 が特に好ましい。
【0025】本発明の感熱記録体においてその感熱発色
層と、支持体の間にアンダーコート層として、単数また
は複数の塗工層を形成させてもよく、また、感熱発色層
の上に更に保護層、印刷層などのような被覆層、あるい
は、感熱発色層塗布面の反対側にバックコート層を形成
してもよい。
【0026】
【実施例】本発明を下記実施例によりさらに具体的に説
明する。実施例中の「部」および「%」は、特に断らな
い限り、それぞれ「重量部」および「重量%」を表す。
【0027】実施例1 下記操作により感熱記録紙を作製した。 分散液Aの調製 成 分 量(部) 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 20 ポリビニルアルコ―ル 10%水溶液 10 水 70 上記組成物をサンドグラインダーをもちい、平均粒径が
1μmになるまで粉砕した。分散後上記分散液にポリオ
キシエチレンノニルフェニルエーテル(花王製エマルゲ
ン906)の10%水溶液2部を加え、充分に撹拌した
後、1時間放置した。
【0028】 分散液Bの調製 成 分 量(部) 4,4’−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニル アミノ)−ジフェニルメタン 5 N−(p−トルエンスルホニル)−N’−フェニル尿素 5 ジフェニルスルホン 10 ポリビニルアルコール 10%水溶液 10 水 70 上記組成物をサンドグラインダーをもちい、平均粒径が
1μmになるまで粉砕した。
【0029】 感熱発色層の形成 上記A液60部及びB液240部に、BET比表面積が
33m2 /gの炭酸カルシウム(商品名カルライトK
T、白石カルシウム製)20部、25%ステアリン酸亜
鉛水性分散液12部、10%ポリビニルアルコール水溶
液80部およびスチレン〜ブタジエン共重合物エマルジ
ョン(固形分50%)を16部を混合、撹拌し、感熱発
色層塗工液を調製した。この塗工液を用い、塗工液調整
後から2時間以内に、坪量50g/m2 の原紙の片面
に、乾燥後の塗工量が7.0g/m2となるように塗工
乾燥して感熱発色層を形成した。これを直後感熱層と記
す。また、上記の感熱発色層塗工液を40℃に調整した
環境中に24時間保存し、その後、前記と同一の、坪量
50g/m2 の原紙の片面に、乾燥後の塗工量が7.0
g/m2 になるように塗工乾燥して感熱発色層を形成し
た。これを保存後感熱層と記す。
【0030】 オーバーコート層の形成 カオリナイトクレー水性分散液(固形分濃度60%)5
部、10%変性ポリビニルアルコール水溶液35部、1
0%カゼイン水溶液22部、25%ステアリン酸亜鉛水
性分散液1部、ジメチロールウレア架橋剤2部および水
35部を混合、撹拌し塗工液とした。この塗工液を、上
記において形成された直後感熱層の上に乾燥後の塗布
量が1.5g/m2 となる様に塗布乾燥して感熱記録体
を得た。これを直後感熱記録紙と記す。また、同様の操
作により、保存後感熱層の上にオーバーコート層を形成
した感熱記録体を得た。これを保存後感熱記録紙と記
す。
【0031】 スーパーカレンダー処理 上記の様にして得られた感熱記録紙を、それぞれスーパ
ーカレンダーによって処理し、その表面の平滑度を80
0〜1000秒とした。
【0032】 白色度、発色試験および耐湿性試験 (あ)白色度 上記感熱記録紙の試料の白色度を、ハンター白色度計
(東洋精機製作所製)を用いて測定した。 (い)発色試験 また、上記の直後感熱紙および保存感熱紙について、大
倉電機製感熱発色試験機THPMDを用いて印字電圧2
1.7V、印字パルス1.0msの条件で印字した。印字
発色した部分の色濃度をマクベス反射濃度計RD−91
4で測定した。この色濃度の値を発色感度値と記す。 (う)耐湿試験 上記の直後感熱紙および保存後感熱紙の各々の試料を5
0℃80%相対湿度に調節した環境試験機中に3日間保
持し、その後、白紙部の白色度を前記と同様に測定し
た。この値を耐湿試験後白地濃度と記す。試験結果を表
1に示す。
【0033】実施例2 実施例1と同様にして直後感熱紙および保存後感熱紙の
製造、試験を行なった。但し、実施例1に記載のBET
比表面積33m2 /gの炭酸カルシウム20部のうちの
10部を、水酸化アルミニウム(商品名ハイジライトH
−42、昭和電工製)に置換えた。試験結果を表1に示
す。
【0034】実施例3 実施例1と同様にして直後感熱紙および保存後感熱紙の
製造、試験を行なった。但し、実施例1に記載の分散液
B調製時に4,4’−ビス(p−トルエンスルホニルア
ミノカルボニルアミノ)−ジフェニルメタン5部のかわ
りに、同化合物3部を用い、またN−(p−トルエンス
ルホニル)−N’−フェニル尿素5部のかわりに同化合
物7部を用いた。試験結果を表1に示す。
【0035】実施例4 顔料下塗り紙の調製 焼成クレイ(商品名アンシレックス、エンゲルハード
製)85部を水320部に分散して得られた分散物に、
スチレン〜ブタジエン共重合物エマルジョン(固形分5
0%)40部、及び10%酸化でんぷん水溶液50部を
混合して得られた塗工液を、48g/m2 の原紙の1面
上に、乾燥後の塗工量が8.0g/m2 になるように塗
工して、顔料下塗り紙を作製した。
【0036】 感熱発色層の形成および各種試験 実施例1の、A液60部、B液240部、BET比表面
積が33m2 /gの炭酸カルシウム(商品名カルライト
KT、白石カルシウム製)20部、25%ステアリン酸
亜鉛分散液12部、及び10%ポリビニルアルコール水
溶液80部を混合、撹拌し、感熱発色層塗工液を調製し
た。この塗工液を用い、塗工液調整後から2時間以内
に、上記顔料下塗り紙の顔料塗工面に、乾燥後の塗工量
が5.5g/m2 となるように塗工乾燥して感熱発色層
を形成した。この様にして得られた感熱記録体を直後感
熱紙と記す。
【0037】また、上記の感熱発色層塗工液を40℃に
調整した環境中に24時間保存し、その後、上記顔料下
塗り紙の顔料塗工面に、乾燥後の塗工量が5.5g/m
2 となるように塗工乾燥して感熱発色層を形成した。こ
の様にして得られた感熱記録体を保存後感熱紙と記す。
これら、直後感熱紙、及び保存後感熱紙のそれぞれにつ
いて実施例1に記載の処理を施し、記載の各試験を
行なった。試験結果を表1に示す。
【0038】実施例5 分散液Cの調製 成 分 量(部) 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 20 ポリビニルアルコール 10%水溶液 10 ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(花王製エマルゲン 906)10%液 2 水 68 上記組成物をサンドグラインダーをもちい、平均粒径が
1μmになるまで粉砕した。上記分散液を充分に撹拌し
た後、1時間放置した。
【0039】 感熱発色層の形成および各種試験 上記の分散液Cに、実施例1記載のB液240部、BE
T比表面積が33m2/gの炭酸カルシウム(商品名カ
ルライトKT、白石カルシウム製)20部、25%ステ
アリン酸亜鉛分散液12部、10%ポリビニルアルコー
ル水溶液80部を混合、撹拌し、感熱発色層塗工液を調
製した。この塗工液を用い、塗工液調整後から2時間以
内に、上記顔料下塗り紙の顔料塗工面に、乾燥後の塗工
量が5.5g/m2 となるように塗工乾燥して感熱発色
層を形成した。この様にして得られた感熱記録体を直後
感熱紙と記す。また、上記の感熱発色層塗工液を40℃
に調整した環境中に24時間保存し、その後、上記顔料
下塗り紙の顔料塗工面に、乾燥後の塗工量が5.5g/
2 になるように塗工乾燥して感熱発色層を形成した。
この様にして得られた感熱記録体を保存後感熱紙と記
す。これら、直後感熱紙及び保存後感熱紙のそれぞれに
ついて実施例1記載の処理を施し、記載の各試験を
行なった。試験結果を表1に示す。
【0040】比較例1 実施例1の分散液A調製時にポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテルを添加しなかったことを除き、他は実
施例1と同様の操作を行なって、感熱発色層塗工液を調
製し、その直後(2時間以内)の塗工液を用いて作製し
た直後感熱紙と、感熱発色層塗工液を40℃に調整した
環境中に24時間保存した後の感熱発色層塗工液を用い
て作成した保存後感熱紙を得た。これら、直後感熱紙及
び保存後感熱紙のそれぞれについて実施例1記載の処
理を施し、記載の各試験を行なった。試験結果を表1
に示す。
【0041】比較例2 実施例1のBET比表面積が33m2 /gの炭酸カルシ
ウムのかわりに12m 2 /gの炭酸カルシウム(商品名
ブリリアント15、白石カルシウム製)を使用したこと
を除き、その他は実施例1と同様の操作を行ない、感熱
発色層塗工液調製直後(2時間以内)の塗工液を用いて
作製した直後感熱紙と、感熱発色層塗工液を40℃に調
整した環境中に24時間保存した後の感熱発色層塗工液
を用いて作製した保存後感熱紙を得た。これら、直後感
熱紙及び保存後感熱紙のそれぞれについて実施例1記
載の処理を施し、記載の各試験を行なった。試験結果
を表1に示す。
【0042】比較例3 実施例4の分散液A調製時にポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテルを添加しなかったことを除き、その他
は実施例4と同様の操作を行ない、感熱発色層塗工液調
製直後(2時間以内)の塗工液を用いて作製した直後感
熱紙と、感熱発色層塗工液を40℃に調整した環境中に
24時間保存した後の感熱発色層塗工液を用いて作製し
た保存後感熱紙を得た。これら、直後感熱紙及び保存後
感熱紙のそれぞれについて実施例1記載の処理を施
し、記載の各試験を行なった。試験結果は表1に示
す。
【0043】比較例4 実施例1と同様にして感熱記録体を作製した。ただし、
実施例1の分散液A調製時にポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテルを添加せず、実施例1の感熱発色層
形成時において、感熱発色層塗工用塗工液調製時に、全
ての成分を添加後に、ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル(花王製エマルゲン906)の10%水溶液
2部を加えた。ポリオキシエチレンノニルフェニルエー
テル添加直後(2時間以内)の塗工液を用いて作成した
直後感熱紙と、感熱発色層塗工液を40℃に調整した環
境中に24時間保存した後の感熱発色層塗工液を用いて
作成した保存後感熱紙を得た。これら、直後感熱紙及び
保存後感熱紙のそれぞれについて実施例1記載の処理
を施し、記載の各試験を行なった。試験結果は表1に
示す。
【0044】
【表1】
【0045】前記表1から明らかなように、染料分散液
にポリオキシアルキレンモノアルキルフェニルエーテル
を添加した後に、顕色剤分散液、BET比表面積が15
2/g以上の炭酸カルシウム、その他の分散液と混合
して、感熱発色層塗工用カラーとし、それを支持体に塗
布乾燥して得られた実施例1〜5の直後感熱紙、保存後
感熱紙では、ともに白色度も高くまた得られた感熱紙は
高温高湿下に保存しても高い白色度を維持するが、染料
分散液にポリオキシアルキレンモノアルキルフェニルエ
ーテルを添加しなかった場合(比較例1、3)、あるい
は、染料分散液には添加せず、感熱発色層塗工用塗工液
とした後に添加した場合(比較例4)、また、BET比
表面積が15m2 /g未満の炭酸カルシウムを添加しな
かった場合(比較例2)では、感熱発色層塗工用塗工液
を40℃で24時間保持した後の白色度は低下し、ま
た、得られた感熱紙は高温高湿下に保存すると、やや白
色度が低下する傾向が見られる。
【0046】
【発明の効果】本発明の感熱記録体は、その感熱発色層
中に、おもに、ポリオキシアルキレンモノアルキルフェ
ニルエーテルをその分散液中に含有する一般式(I)で
表わされる無色または単色の染料前駆体と、一分子中に
前記化学式(II)によって表わされる官能基を少なくと
も二つ有する芳香族化合物、一分子中に前記化学式(I
I)によって表わされる官能基をひとつ有する芳香族化
合物、及びBET比表面積が15m2 /g以上の炭酸カ
ルシウムを含んでいることより、感熱発色層塗工用カラ
ーを比較的高温下に長時間保持しても白色度の低下が少
なく、また、感熱記録体を高温高湿の環境下に長時間保
存しても、高い白色度を維持できるものであり、実用上
の価値の極めて高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B41M 5/18 111

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状基体、及びこのシート状基体の
    少なくとも1面上に形成され、かつ無色又は淡色の染料
    前駆体と、この染料前駆体と加熱下に反応してこれを発
    色させる顕色剤と、白色度低下防止剤と、分散剤とを含
    む感熱記録層を有し、 前記染料前駆体が、下記式(I)により表されるフルオ
    ラン化合物: 【化1】 〔但し、式(I)中、R1 及びR2 は、それぞれ互に独
    立に、アルキル基、アラルキル基、又はアリール基を表
    し、R3 は、水素原子又は低級アルキル基を表し、R4
    は、無置換フェニル基、或は低級アルキル基、ハロゲン
    原子及びハロゲン化アルキル基から選ばれた1個以上に
    より置換されたフェニル基を表す〕であり、 前記顕色剤が、下記式(II)により表される官能基: 【化2】 〔但し、式(I)中、R5 は、水素原子、低級アルキル
    基、ハロゲン原子、又は低級アルコキシ基を表す。〕
    を、1分子当り2個有する芳香族化合物、並びに、前記
    式(II)の官能基を1分子当り1個有する芳香族化合物
    を含み、 前記白色度低下防止剤が、BET比表面積が15m2
    g以上である炭酸カルシウム微粒子を含み、 前記分散剤が、ポリオキシアルキレンモノアルキルフェ
    ニルエーテルから選ばれ、かつ、 前記感熱発色層が、前記染料前駆体と、前記分散剤とを
    含む水性分散液を調製し、この水性分散液に、少なくと
    も前記顕色剤及び白色度低下防止剤を添加して感熱発色
    層形成用塗工液を調製し、この塗工液を、前記シート状
    基体の少なくとも1面上に塗布乾燥して形成されたもの
    である、 ことを特徴とする感熱記録体。
  2. 【請求項2】 前記顕色剤において、前記式(II)によ
    り表される官能基を1分子当り2個有する芳香族化合物
    が、下記式(III): 【化3】 により表される化合物である、請求項1に記載の感熱記
    録体。
  3. 【請求項3】 前記顕色剤において、前記式(II)によ
    り表される官能基を1分子当り1個有する芳香族化合物
    が、下記式(IV): 【化4】 により表される化合物である、請求項1に記載の感熱記
    録体。
  4. 【請求項4】 前記ポリオキシアルキレンモノアルキル
    フェニルエーテルが下記式(V)の化合物: 【化5】 〔但し、式(V)中、R6 は、1〜18個の炭素原子を
    有するアルキル基を表し、R7 は、2〜4個又は8個の
    炭素原子を有するアルキレン基を表し、nは1〜150
    の整数を表す。〕から選ばれる、請求項1に記載の感熱
    記録体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009007681A (ja) * 2007-06-26 2009-01-15 Opelontex Co Ltd ポリウレタン弾性糸およびその製造方法
JP2012206440A (ja) * 2011-03-30 2012-10-25 Oji Paper Co Ltd 感熱記録体
EP3388249A4 (en) * 2015-12-10 2019-08-07 Paik, Kyu-cheol THERMOSENSIBLE RECORDING MATERIAL

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