JPH07323669A - 感熱記録体、およびその製造方法 - Google Patents

感熱記録体、およびその製造方法

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JPH07323669A
JPH07323669A JP6118649A JP11864994A JPH07323669A JP H07323669 A JPH07323669 A JP H07323669A JP 6118649 A JP6118649 A JP 6118649A JP 11864994 A JP11864994 A JP 11864994A JP H07323669 A JPH07323669 A JP H07323669A
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JP
Japan
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alkyl group
dye precursor
developer
group
thermosensitive
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JP6118649A
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Osamu Ono
修 大野
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New Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 画像保存性および白色度の高い感熱記録体、
および経時的な白色度低下の少ない感熱発色層形成用塗
工液を用いる感熱記録体の製造方法の提供。 【構成】 感熱記録体の感熱発色層を、式(I)の染料
前駆体およびポリオキシアルキレンモノアルキルフェニ
ルエーテルを含む分散液、式(II)の官能基を1分子当
り2個有する化合物と1個有する化合物を含む顕色剤分
散液、および水不溶性アルカリ土類金属無機酸塩を含む
塗布液により形成する。 【化1】 (R1 ,R2 =アルキル、アラルキル又はアリール、R
3 =H又はアルキル、R 4 =未置換フェニル、或はアル
キル、ハロゲン、又はハロゲン化アルキル置換フェニル
基、R5 =H、アルキル、ハロゲン、又はアルコキシ)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱により発色した画像
が、経時的消色や、比較的高温下、高湿下における消色
が極めて少なく、かつ、耐油性、耐可塑剤性等の耐薬品
性に優れ、くわえて、白紙部(非印字部)の白色度が高
く、高温高湿下に長時間保存されても白色度の低下が極
めて小さい感熱記録体、およびその製造方法に関するも
のである。すなわち、本発明は、例えば自動券売機用感
熱記録型の乗車券として使用できるのみならず、保存性
を必要とする回数券や定期券などへの使用、水、可塑
剤、油脂との接触が避けられないポリ塩化ビニルフィル
ムで包装した食品の包装面に貼付けるPOS用バーコー
ドシステム用のラベルとして適するばかりでなく、長期
保存用のファクシミリ用紙、また、CRT用画像プリン
ター用紙としても利用できる感熱記録体、およびその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】感熱記録体は、一般に紙、合成紙、プラ
スチックフィルム等の支持体上に電子供与性ロイコ染料
のような発色性物質と電子受容性のフェノール性化合物
等の有機酸性物質のような顕色性物質を主成分とする感
熱発色層を設けてなり、それらを熱エネルギーによって
反応させて記録画像を得ることができる。このような感
熱記録体は特公昭43−4160号、特公昭45−14
039号、及び特開昭48−27736号などに開示さ
れており、広く実用化されている。
【0003】上述のような構成を有する感熱記録体(こ
れを染料型感熱記録体と呼ぶ)は、記録装置がコンパク
トで安価でかつ保守が容易であることから、電子計算機
のアウトプット、ファクシミリ、自動券売機、科学計測
器のプリンター、あるいはCRT、医療計測用のプリン
ター等に広範囲に使用されている。
【0004】しかし、従来の染料型感熱記録体にあって
は、発色反応が可逆的であるため、発色画像が経時的に
消色することが知られている。この消色は曝光、高湿、
高温雰囲気下に加速され、さらに可塑剤および油等の接
触によって速やかに進行し、画像は読み取り不可能な程
度まで消色してしまう。
【0005】この消色現象を抑制するために数多くの技
術が開示されてきた(例えば特開昭60−78782
号、特開昭59−167292号、特開昭59−114
096号、特開昭59−93387号、特開昭56−1
4796号、特開昭58−199189号、特開昭62
−164579号、および特開昭62−169681
号)が、得られる感熱記録体の白色度、記録感度、印字
保存性、さらに価格のバランスのとれるものは極めて少
なく新しい技術が求められてきた。
【0006】本発明者らは、これらの問題点を解決する
新しい手段が特開平5−147357号、特開平5−1
48220号に開示されている。それは、前述の染料前
駆体を発色させる顕色剤として従来のフェノール性化合
物とは異なる、スルホニルウレア基を有する芳香族化合
物を用いる技術であり、これにより得られる感熱記録体
は上記の条件を全て満たすものであった。
【0007】しかし、この全く新しい顕色剤を用いる感
熱記録体にも、新しい顕色剤ゆえに、さらに改良の余地
があった。すなわち、改良すべき点のひとつは、上記の
新しい顕色剤を用いた感熱発色層形成用塗布液を比較的
温暖な環境下に長期にわたって保存すると、次第に塗布
液の白色度が低下し、そのため、この塗布液を用いて製
造した感熱記録体は、低い白色度を示す現象である。例
えば30℃を超える温度における塗布液の保存により、
上記白色度低下の問題が現われることがある。また、上
記の新しい顕色剤を用いて感熱発色層を塗工して得られ
た感熱記録体を高温高湿下で長時間保存すると、感熱記
録体の白色度が低下する傾向が見られることがあり、こ
れらの問題の解決が望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、比較
的温暖な環境下で長期間保存した塗布液を用いても、得
られる感熱記録体の白色度の低下がなく、又は少なく、
感熱記録体製造時の操業性、作業性が高く、かつ、白色
度が高く、耐油性、耐可塑剤性等の発色画像の長期保存
性に優れている感熱記録体、およびその製造方法を提供
することにある。
【0009】本発明の他の目的は、高温高湿下で長期に
保存された後も、高い白色度を保つことのできる感熱記
録体、およびその製造方法を提供することにある。
【0010】本発明の更に他の目的は、例えば自動券売
機用感熱記録型の乗車券として使用できるのみならず、
保存性を必要とする回数券や定期券などへの使用、水、
可塑剤、油脂との接触が避けられないポリ塩化ビニルフ
ィルムで包装した食品の包装面に貼付けるPOS用バー
コードシステム用のラベルとして適するばかりでなく、
長期保存用のファクシミリ用紙やワープロ用紙、また、
CRT用画像プリンター用紙としても有用な感熱記録
体、およびその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決する為の手段】本発明者らは、印字の保存
性に優れ、白紙部の白色度が高く、且つ高温高湿下で長
期に保存された後も、高い白色度を保つことのできる感
熱記録体を得るべく鋭意研究の結果、下記発明を完成し
た。
【0012】本発明の感熱記録体は、シート状基体、お
よびこのシート状基体の少なくとも一面に形成された感
熱発色層を有し、前記感熱発色層が、下記一般式
(I):
【化7】 (但し、式(I)中、R1 およびR2 は、それぞれ互い
に独立に、アルキル基、アラルキル基、又はアリール基
を表わし、R3 は、水素原子または低級アルキル基を表
わし、R4 は、無置換のフェニル基、または低級アルキ
ル基、ハロゲン原子、およびハロゲン化アルキル基の少
なくとも1員により置換されたフェニル基を表わす)で
表わされる無色又は淡色の染料前駆体と、この染料前駆
体と加熱下に反応してこれを発色させる顕色剤との混合
物を含み、前記顕色剤が、下記一般式(II):
【化8】 〔但し、式(II)中、R5 は、水素原子、低級アルキル
基、ハロゲン原子、又は低級アルコキシ基を表わす〕に
より表わされる官能基を、1分子当り2個有する芳香族
化合物、および、1分子当り1個有する芳香族化合物を
含み、前記染料前駆体が、前記顕色剤と混合される前
に、ポリオキシアルキレンモノアルキルフェニルエーテ
ルにより安定化されたものであり、かつ前記感熱発色層
が、さらに、水難溶性又は水不溶性アルカリ土類金属無
機酸塩を含むことを特徴とするものである。
【0013】本発明の感熱記録体において、前記一般式
(II)の官能基を、1分子当り2個有する芳香族化合物
が、下記式(III ):
【化9】 により表わされる化合物であり、かつ、前記一般式(I
I)の官能基を、1分子当り1個有する芳香族化合物
が、下記式(IV):
【化10】 により表わされる化合物であることが好ましい。
【0014】本発明の感熱記録体において、前記アルカ
リ土類金属塩が、炭酸カルシウムであることが好まし
い。
【0015】本発明に係る感熱記録体の製造方法は、下
記一般式(I):
【化11】 〔但し、式(I)中、R1 およびR2 は、それぞれ互い
に独立に、アルキル基、アラルキル基、又はアリール基
を表わし、R3 は、水素原子、または低級アルキル基を
表わし、R4 は、無置換のフェニル基、又は低級アルキ
ル基、ハロゲン原子、およびハロゲン化アルキル基の少
なくとも1員によって置換されたフェニル基を表わす〕
で表わされる無色又は淡色の染料前駆体の分散液を調製
し、別に、前記染料前駆体と加熱下に反応してこれを発
色させる顕色剤の分散液を調製し、前記染料前駆体分散
液、および前記顕色剤分散液を含む塗布液を、シート状
基体の少なくとも1面上に塗布し、乾燥して感熱発色層
を形成することを含み、前記顕色剤が、下記一般式(I
I):
【化12】 〔但し、式(II)中、R5 は水素原子、低級アルキル
基、ハロゲン原子、又は低級アルコキシ基を表わす〕に
より表わされる官能基を、1分子当り2個有する芳香族
化合物、および、1分子当り1個有する芳香族化合物を
含み、前記感熱発色層用塗布液の調製前に、前記染料前
駆体にポリオキシアルキレンモノアルキルフェニルエー
テルを混合接触させて、これを安定化し、かつ前記感熱
発色層形成用塗布液に、水難溶性又は水不溶性アルカリ
土類金属無機酸塩をさらに含ませる、ことを特徴とする
ものである。
【0016】本発明の感熱記録体製造方法において、前
記ポリオキシアルキレンモノアルキルフェニルエーテル
の添加後前記染料前駆体分散液を、室温において24時
間以上放置した後、前記塗布液を調製することが好まし
い。
【0017】
【作用】本発明の感熱記録体およびその製造方法におい
て、シート状基体の少なくとも1面上に形成される感熱
発色層は、一般式(I)で表わされる無色又は淡色(実
質的に無色)の染料前駆体と、一般式(II)で表わされ
る官能基を、1分子当り2個有する芳香族化合物と、1
分子当り1個有する芳香族化合物とを含有する顕色剤と
を含むものである。
【0018】本発明で使用できる一般式(I)で表わさ
れる無色または淡色の染料前駆体としては、例えば以下
のものをあげることができる。3−(N−エチル−N−
イソペンチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフル
オラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリ
ノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−
(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−(N−
エチル−N−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニ
リノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−
7−アニリノフルオラン、3−(N−シクロヘキシル−
N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリ
ノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロ
ロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−
(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−
ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン、および3
−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−
(N−エチル−N−ヘキシルアミノ)−6−メチル−7
−(p−クロロアニリノ)フルオラン等から選ばれた1
種以上を用いることができる。
【0019】本発明において、これらの一般式(I)で
表わされる無色または淡色の染料前駆体は、顕色剤と混
合される前、すなわち、染料前駆体の分散液を調製する
際に、あるいは、その分散後に、染料前駆体分散液に加
えられたポリオキシアルキレンモノアルキルフェニルエ
ーテルにより安定化される。このポリオキシアルキレン
モノアルキルフェニルエーテルは、化審法既存化学物質
の登録ナンバーが7−172に分類される化合物であ
り、一般的には下記の一般式(V):
【化13】 (ただし、R6 はC1〜C18のアルキル基、R7 はC
2〜C4またはC8のアルキレン基を表わし、nは1〜
150の整数を表わす)で表わされる化合物である。そ
の具体例としては、ポリオキシエチレンオクチルフェニ
ルエーテル、およびポリオキシエチレンノニルフェニル
エーテルなどをあげることができる。
【0020】ポリオキシアルキレンモノアルキルフェニ
ルエーテルは、染料前駆体を分散する際に、分散剤とし
て単独で、あるいは分散助剤として他の分散剤と併用し
て用いることができる。また、このポリオキシアルキレ
ンモノアルキルフェニルエーテルは、他の分散剤で分散
して得られた染料前駆体分散液に、その分散後に添加さ
れてもよい。いずれの場合もその添加量は、染料前駆体
に対し0.1〜5重量%であることが好ましく、0.5
〜2重量%であることがより好ましい。その添加率が
0.1%未満では、白色度安定化効果が不十分であるこ
とがあり、またそれが5%を越えると、得られた感熱記
録体の発色感度が低下するなどの弊害が見られることが
ある。
【0021】ポリオキシアルキレンモノアルキルフェニ
ルエーテルを主な分散剤として用いて分散して得られた
染料前駆体分散液、あるいはそれを含まない染料前駆体
分散液にポリオキシアルキレンモノアルキルフェニルエ
ーテルを添加して得られる染料前駆体分散液は、顕色剤
分散液と、バインダーと、さらに必要により顔料分散
液、増感剤などと混合され、感熱発色層形成用塗工液が
調製される。このとき、ポリオキシアルキレンモノアル
キルフェニルエーテルを添加してから、感熱発色層形成
用塗布液調製までの間に染料前駆体分散液に熟成処理を
施すと、ポリオキシアルキレンモノアルキルフェニルエ
ーテルの白色度安定化効果は、より大きく発現する。こ
の、熟成時間について検討した結果、ポリオキシアルキ
レンモノアルキルフェニルエーテルが染料前駆体と接触
してから、24時間以上とすると、安定して高い効果が
得られることがわかった。この理由は明確ではないが、
ポリオキシアルキレンモノアルキルフェニルエーテル
が、染料前駆体粒子の表面において安定した吸着状態を
得るまでに、この程度の時間を要するためと考えられ
る。本発明において染料前駆体は、顕色剤と混合する前
にアルキレンモノアルキルフェニルエーテルと混合接触
し、それによって染料前駆体を、発色可能な程度に安定
化し塗布液、および感熱発色層の白色度を向上させ、或
はその白色度低下を防止する。この効果は、本発明によ
り初めて見出され、その利用に成功したものである。
【0022】また、本発明で使用する一分子中に前記化
学式(II)によって表わされる官能基を二つ有する芳香
族化合物を具体的に例示すれば下記の通りである。ビス
(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ケ
トン、1,2−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカ
ルボニルアミノ)エタン、1,5−ビス(p−トルエン
スルホニルアミノカルボニルアミノ)−3−オキサペン
タン、1,5−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカ
ルボニルアミノ)−3−チオペンタン、1,3−ビス
(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)−
2−プロパノン、1,3−ビス(p−トルエンスルホニ
ルアミノカルボニルアミノメチル)−ベンゼン、1,4
−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミ
ノメチル)−ベンゼン、4,4′−ビス(p−トルエン
スルホニルアミノカルボニルアミノ)−ジフェニルメタ
ン、4,4′−ビス(o−トルエンスルホニルアミノカ
ルボニルアミノ)−ジフェニルメタン、4,4′−ビス
(ベンゼンスルホニルアミノカルボニルアミノ)−ジフ
ェニルメタン、4,4′−ビス(p−クロロベンゼンス
ルホニルアミノカルボニルアミノ)−ジフェニルメタ
ン、4,4′−ビス(p−メトキシベンゼンスルホニル
アミノカルボニルアミノ)−ジフェニルメタン、2,2
−ビス(4′,4″−(p−トルエンスルホニルアミノ
カルボニルアミノ)フェニル)プロパン、1,2−ビス
(4′−(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルア
ミノ)フェニルオキシ)エタン、2,5−ビス(p−ト
ルエンスルホニルアミノカルボニルアミノメチル)フラ
ン、1,3−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカル
ボニルアミノ)ベンゼン、1,4−ビス(p−トルエン
スルホニルアミノカルボニルアミノ)ベンゼン、1,5
−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミ
ノ)ナフタレン、1,8−ビス(p−トルエンスルホニ
ルアミノカルボニルアミノ)ナフタレン、4,4′−ビ
ス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)
ジフェニルエーテル、3,3′−ビス(p−トルエンス
ルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルスルホ
ン、および4,4′−ビス(p−トルエンスルホニルア
ミノカルボニルアミノ)ジフェニルスルホン。
【0023】さらに、前記一般式(II)によって表わさ
れる官能基を一分子中に1つ有する芳香族化合物を具体
的に例示すれば下記の通りである。N−(p−トルエン
スルホニル)−N′−フェニル尿素、N−(p−トルエ
ンスルホニル)−N′−(p−メトキシフェニル)尿
素、N−(p−トルエンスルホニル)−N′−(o−ト
リル)尿素、N−(p−トルエンスルホニル)−N′−
(m−トリル)尿素、N−(p−トルエンスルホニル)
−N′−(p−トリル)尿素、N−(p−トルエンスル
ホニル)−N′−(p−n−ブチルフェニル)尿素、N
−(p−トルエンスルホニル)−N′−(o−クロロフ
ェニル)尿素、N−(p−トルエンスルホニル)−N′
−(m−クロロフェニル)、N−(p−トルエンスルホ
ニル)−N′−(2,4−ジクロロフェニル)尿素、N
−(p−トルエンスルホニル)−N′−ベンジル尿素、
N−(p−トルエンスルホニル)−N′−(1−ナフチ
ル)尿素、(p−トルエンスルホニル)−N′−(1−
(2−メチルナフチル))尿素、N−(ベンゼンスルホ
ニル)−N′−フェニル尿素、N−(p−クロロベンゼ
ンスルホニル)−N′−フェニル尿素、N−(o−トル
エンスルホニル)−N′−フェニル尿素、N−(p−ト
ルエンスルホニル)−N′−メチル尿素、N−(p−ト
ルエンスルホニル)−N′−エチル尿素、N−(p−ト
ルエンスルホニル)−N′−(2−フェノキシエチル)
尿素、N,N′−ビス(p−トルエンスルホニル)尿
素、N−(p−トルエンスルホニル)−N′−(p−エ
トキシカルボニルフェニル)尿素、N−(p−エトキシ
ベンゼンスルホニル)−N′−フェニル尿素。
【0024】感熱発色層形成用塗布液に添加される、ア
ルカリ土類金属の水難溶性または不溶性無機塩として
は、白色のものであれば特に限定はない。具体的例とし
ては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、極微
細炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、
珪酸カルシウム、炭酸カルシウムと水酸化カルシウムの
複合塩および表面処理された炭酸カルシウムや珪酸カル
シウムなどを挙げることができる。これらの顔料は、単
独で用いてもよく、あるいはその2種以上を混合して用
いてもよい。このようなアルカリ土類金属塩は、感熱発
色層において、その白色度を向上させ、かつその安定化
を促進するという効果を発揮する。
【0025】本発明の感熱記録体の感熱発色層は、おも
に、ポリオキシアルキレンモノアルキルフェニルエーテ
ルを含有し、かつ一般式(I)で表わされる無色または
淡色の染料前駆体を含有する分散液と、一分子中に前記
化学式(II)によって表わされる官能基を少なくとも二
つ有する芳香族化合物、一分子中に前記化学式(II)に
よって表わされる官能基をひとつ有する芳香族化合物、
及びアルカリ土類金属の無機塩を含む分散液とを含む塗
布液を、シート状基体の少なくとも1表面上に塗布し、
乾燥して形成される。感熱発色層は、さらに、必要に応
じて、種々の無機または有機顔料、増感剤として知られ
る融点50〜150℃の熱可融性芳香族化合物、従来公
知のフェノール系あるいは有機酸系顕色剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、またはワックス類を含むことができ
る。更に、これらの成分を支持体に固着するためのバイ
ンダーを含むものである。
【0026】更に本発明の感熱記録体においては、感熱
発色層中に熱可融性物質(いわゆる増感剤)を併用する
ことが好ましい。このような増感剤としては、一般に融
点50〜150℃の熱可融性有機化合物が用いられる。
それらは、例えば、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フ
ェニルエステル(特開昭57−191089号)、p−
ベンジルビフェニル(特開昭60−82382号)、ベ
ンジルナフチルエーテル(特開昭58−87094
号)、ジベンジルテレフタレート(特開昭58−982
85号)、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル(特開
昭57−201691号)、炭酸ジフェニル、炭酸ジト
リル(特開昭58−136489号)、m−ターフェニ
ル(特開昭57−89994号)、1,2−ビス(m−
トリルオキシ)エタン(特開昭60−56588号)、
1,5−ビス(p−メトキシフェノキシ)−3−オキサ
ペンタン(特開昭62−181183号)、シュウ酸ジ
エステル類(特開昭64−1583号)、1,4−ビス
(p−トリルオキシ)ベンゼン(特開平2−15378
3号)、ジフェニルスルホン(特公昭59−25673
号)、p−トルエンスルホン酸フェニルエステル(特開
昭59−73990号)、メシチレンスルホン酸p−ト
リルエステル(特開平2−80285号)、4,4′−
ジアリルオキシジフェニルスルホン、4,4′−ジイソ
ペンチルオキシジフェニルスルホン、4,4′−ジメト
キシジフェニルスルホン(特公平2−9951号)、お
よび4,4′−ジ−n−ペンチルオキシジフェニルスル
ホン(特開昭60−47070号)などを包含する。
【0027】本発明の感熱記録体の感熱発色層は、本発
明を構成するアルカリ土類金属の無機塩の他に顔料とし
て、シリカ、クレー、焼成クレー、ケイ酸アルミニウ
ム、タルク、アルカリ変性クレーやシリカ等などの無機
顔料、並びに、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタ
クリル酸共重合体、およびポリスチレン樹脂等の有機系
の微粉末などから選ばれた1種以上をさらに含むことが
できる。
【0028】また、本発明の感熱記録体の感熱発色層
は、さらにヒンダードフェノール化合物又は紫外線吸収
剤を含んでいてよい。それらは例えば特開昭57−15
1394号、特開昭58−160191号、特開昭58
−69096号、特開昭59−2884号、特開昭59
−95190号、特開昭60−22288号、特開昭6
0−255485号、特開昭61−44686号、特開
昭62−169683号、特開昭63−17081号、
および特開平1−249385号等に記載された化合物
などから選んで使用することができる。
【0029】感熱発色層中の上記ロイコ染料の含有率
は、一般に感熱発色層の乾燥重量の5〜20重量%であ
ることが好ましく、一分子中に前記化学式(II)によっ
て表わされる官能基を少なくとも二つ有する芳香族化合
物の含有率は一般に5〜50重量%であることが好まし
く、また、一分子中に前記化学式(II)によって表わさ
れる官能基をひとつ有する芳香族化合物の含有率は一般
に1〜50重量%であることが好ましい。アルカリ土類
金属の無機塩の添加量は、感熱発色層の乾燥重量の1〜
40重量%であることが好ましく、より好ましくは10
〜30重量%である。アルカリ土類金属塩の添加量が、
1重量%未満であれば白色度維持向上の効果が充分でな
く、またそれを40重量%以上添加しても白色度の安定
化効果は飽和してそれ以上の改善はなく、逆に得られる
感熱記録体の感度が低下するという欠点を生じる場合が
ある。
【0030】感熱発色層に酸化防止剤又は紫外線吸収剤
が含まれる場合、その含有率は、感熱発色層の乾燥重量
の1〜10重量%であることが好ましい。また増感剤が
含まれる場合、その含有率は10〜40重量%が好まし
い。ワックス類が感熱発色層に含まれる場合、その含有
率は2〜20重量%であることが好ましく、またバイン
ダーの含有率は一般に5〜25重量%である。ワックス
類としては、例えばパラフィン、アミド系ワックス、ビ
スイミド系ワックス、高級脂肪酸の金属塩など公知のも
のを用いることができる。
【0031】前記バインダーとしては、種々の分子量の
ポリビニルアルコール、デンプン及びその誘導体、メト
キシセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチル
セルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、
ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリ
ル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸
アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共重合
体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポ
リアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、およ
びカゼインなどの水溶性高分子材料、並びに、ポリ酢酸
ビニル、ポリウレタン、スチレン/ブタジエン共重合
体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビ
ニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレー
ト、エチレン/酢酸ビニル共重合体、およびスチレン/
ブタジエン/アクリル系共重合体等の少なくとも1種を
含むラテックスを用いることができる。
【0032】本発明の感熱記録体において、そのシート
状基体は、ロジンサイズ剤、硫酸ばん土を用いて抄紙さ
れたいわゆる酸性紙、炭酸カルシウムのようなアルカリ
土類金属の無機塩を内添顔料にして抄紙された紙、表面
に顔料、ラテックスなどを塗工したコーテッド紙、ラミ
ネート紙、ポリオレフィン系樹脂から作られた合成紙、
プラスチックフィルムなどから選ぶことができる。この
ようなシート状基体の少なくとも1面上に、上記所要成
分の混合物を含む塗布液を塗布し、乾燥して感熱発色層
を形成する。感熱発色層の塗布量は、塗布液層が乾燥し
た状態で1〜15g/m2 であることが好ましく、2〜
10g/m2 であることがより好ましい。
【0033】本発明の感熱記録体において、その感熱発
色層と、支持体の間にアンダーコート層として、単数ま
たは複数の塗工層を形成させることができ、また、感熱
発色層の上に更に保護層、印刷層などのような被覆層、
あるいは、感熱発色層塗布面の反対側にバックコート層
を形成することもできる。
【0034】
【実施例】下記に実施例を示し、本発明を具体的に説明
する。実施例中の「部」および「%」は、特に断らない
限り、それぞれ「重量部」および「重量%」をあらわ
す。
【0035】実施例1 下記操作により感熱記録体を作製した。 分散液Aの調製 成 分 量(部) 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7 −アニリノフルオラン 20 ポリビニルアルコール 10%液 10 水 70 上記組成物をサンドグラインダーをもちい、平均粒径が
1μm以下になるまで粉砕した。分散完了後、得られた
分散液にポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル
(花王製、商標:エマルゲン906)の10%水溶液2
部を加え、24時間放置した。
【0036】 分散液Bの調製 成 分 量(部) 4,4′−ビス(p−トルエンスルホニル アミノカルボニルアミノ)−ジフェニルメタン 5 N−(p−トルエンスルホニル)−N′− フェニル尿素 5 ジフェニルスルホン 10 ポリビニルアルコール 10%液 10 水 70 上記組成物をサンドグラインダーをもちい、平均粒径が
1μm以下になるまで粉砕した。
【0037】 感熱発色層の形成 上記A液60部、およびB液240部に、炭酸カルシウ
ム20部、25%ステアリン酸亜鉛分散液12部、10
%ポリビニルアルコール水溶液80部およびスチレン/
ブタジエン共重合物エマルジョン(固形分50%)16
部を混合し、攪拌して、感熱発色層塗布液を調製した。
この塗布液を用い、塗布液調整後から2時間以内に、秤
量50g/m2 の原紙の片面に、乾燥後の塗布量が7.
0g/m 2 になるように塗工乾燥して感熱発色層を形成
した。以下、これを直後感熱発色層と記す。また、上記
の感熱発色層塗布液を33℃に、温度調整した環境中に
24時間保存し、その後、秤量50g/m2 の原紙の片
面に、乾燥後の塗工量が7.0g/m 2 となるように塗
工乾燥して感熱発色層を形成した。以下これを保存後感
熱発色層と記す。
【0038】 オーバーコート層の形成 カオリナイトクレー分散液(固形分濃度60%)5部、
10%変性ポリビニルアルコール水溶液35部、10%
カゼイン水溶液22部、25%ステアリン酸亜鉛分散液
1部、ジメチロールウレア架橋剤2部および水35部を
混合し、攪拌して塗布液を調製した。この塗布液を、上
記項に記載の直後感熱発色層の上に乾燥後の塗布量が
1.5g/m2 となる様に塗布乾燥してオーバーコート
層を形成し感熱記録体を作製した。以後これを直後感熱
記録紙と記す。また、同様の操作により、保存後感熱発
色層の上にオーバーコート層を形成して感熱記録体を作
製した。以後これを保存後感熱記録紙と記す。
【0039】 スーパーカレンダー処理 上記の様にして作製した直後、および保存後感熱記録紙
を、それぞれスーパーカレンダーによって処理し、その
表面の平滑度を800〜1000秒とした。
【0040】 白色度、発色試験および耐油性試験 (あ)白色度 上記感熱記録紙の各試料について、ハンター白色度計
(東洋精機製作所製)を用いて白色度を測定した。 (い)発色試験 また、上記の直後感熱記録紙および保存後感熱記録紙の
各々について、大倉電機製感熱発色試験機THPMDを
用いて印字電圧21.7V、印字パルス1.0msの条件
で印字した。印字発色した画像部分の色濃度をマクベス
反射濃度計RD−914により測定した。以下この色濃
度の値を発色感度値と記す。 (う)耐湿試験 上記の直後感熱記録紙および保存後感熱記録紙の試料を
40℃90%相対湿度に調節した環境試験機中に3日間
保持し、その後、白紙部の白色度を前記と同一方法によ
り測定した。以後この値を耐湿試験後白地濃度と記す。
試験結果を表1に示す。
【0041】実施例2 実施例1と同一の工程により、直後および保存後感熱記
録紙を作製した。但し、分散液A調製時に、ポリオキシ
エチレンノニルフェニルエーテル(花王製エマルゲン9
06)添加後、分散液Aを72時間常温に放置した。ま
た、分散液B調製時に、4,4′−ビス(p−トルエン
スルホニルアミノカルボニルアミノ)−ジフェニルメタ
ン5部のかわりに、同化合物3部を用いた。さらにN−
(p−トルエンスルホニル)−N′−フェニル尿素5部
のかわりに、同化合物7部を用いた。試験結果を表1に
示す。
【0042】実施例3 下記事項を除き、実施例1と同様にして、直後および保
存後感熱記録紙を作製した。 顔料下塗り紙の調製 焼成クレイ(商品名アンシレックス、エンゲルハード
製)85部を水320部に分散して得られた分散物に、
スチレン/ブタジエン共重合物エマルジョン(固形分5
0%)40部、および10%酸化でんぷん水溶液を50
部混合して塗布液を調製し、この塗布液を48g/m2
の原紙の一面上に、乾燥後の塗布量が8.0g/m2
なるように塗布し乾燥して、顔料下塗り紙を作製した。
【0043】 感熱発色層の形成および各種試験 実施例1に記載のA液60部、およびB液240部に、
炭酸カルシウム20部、25%ステアリン酸亜鉛分散液
12部、および10%ポリビニルアルコール水溶液80
部を混合、攪拌し、感熱発色層塗布液を調製した。この
塗布液を用い、塗布液調整後から2時間以内に、上記顔
料下塗り紙の顔料塗工面上に、乾燥後の塗工量が5.5
g/m2 となるように塗工乾燥して感熱発色層を形成し
た。以後この様にして得られた感熱記録体を直後感熱紙
と記す。
【0044】また、上記の感熱発色層塗布液を33℃に
温度調整した環境中に24時間保存し、その後、上記顔
料下塗り紙の顔料塗工面上に、乾燥後の塗工量が5.5
g/m 2 となるように塗工乾燥して感熱発色層を形成し
た。以後この様にして得られた感熱記録体を保存後感熱
紙と記す。これら、直後、および保存後感熱紙を用い、
それぞれについて前記実施例1、項に記載の処理を施
し、前記実施例1、項に記載の各試験を供した。試験
結果を表1に示す。
【0045】実施例4 下記事項を除き、実施例1と同様にして、直後および保
存後感熱記録紙を作製した。 分散液Cの調製 成 分 量(部) 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7 −アニリノフルオラン 20 ポリビニルアルコール 10%液 10 ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(花王製 エマルゲン906) 10%液 2 水 68 上記組成物をサンドグラインダーをもちい、平均粒径が
1μm以下になるまで粉砕した。上記分散液を分散後2
4時間放置した。
【0046】 感熱発色層の形成および各種試験 上記の分散液Cに、実施例1記載の、B液240部、炭
酸カルシウム20部、25%ステアリン酸亜鉛分散液1
2部、および10%ポリビニルアルコール水溶液80部
を混合、攪拌し、感熱発色層塗布液を調製した。この塗
布液を用い、塗工液調整後から2時間以内に、上記顔料
下塗り紙の顔料塗工面上に、乾燥後の塗工量が5.5g
/m2 となるように塗工乾燥して感熱発色層を形成し
た。この様にして得られた感熱記録体を以後、直後感熱
紙と記す。
【0047】また、上記の感熱発色層塗工液を33℃に
温度調整した環境中に24時間保存し、その後、上記顔
料下塗り紙の顔料塗工面上に、乾燥後の塗工量が5.5
g/m 2 となるように塗工乾燥して感熱発色層を形成し
た。この様にして得られた感熱記録体を、以後保存後感
熱紙と記す。これらの直後感熱記録紙、および保存後感
熱記録紙を用い、それぞれについて、実施例1、項に
記載の処理を施し、実施例1、項に記載の各試験に供
した。試験結果を表1に示す。
【0048】比較例1 実施例1と同様の操作および試験を行った。但し、分散
液A調製時にポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ルを添加しなかった。感熱発色層塗工液調製直後(2時
間以内)の塗工液を用いて作製した直後感熱記録紙、お
よび感熱発色層塗工液を33℃に温度調整した環境中に
24時間保存した後の感熱発色層塗布液を用いて作製し
た保存後感熱記録紙のそれぞれについて、実施例1、
項に記載の処理を施し、実施例1、項記載の各試験に
供した。試験結果を表1に示す。
【0049】比較例2 実施例4と同様の操作および試験を行った。但し、分散
液A調製時にポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ルを添加しなかった。感熱発色層塗工液調製直後(2時
間以内)の塗工液を用いて作製した直後感熱記録紙、お
よび感熱発色層塗工液を33℃に温度調整した環境中に
24時間保存した後の感熱発色層塗布液を用いて作製し
た保存後感熱記録紙のそれぞれについて、実施例1、
項に記載の処理を施し、実施例1、項記載の各試験に
供した。試験結果を表1に示す。
【0050】比較例3 実施例1と同様の操作を行った。ただし、分散液A調製
時にポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルを添加
せず、実施例1、項に記載の感熱発色層形成時に、感
熱発色層形成用塗布液を調製する際、全ての成分を混合
した後に、これにポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテル(花王製、商標:エマルゲン906)の10%水
溶液2部を加えた。ポリオキシエチレンノニルフェニル
エーテル添加直後(2時間以内)の塗布液を用いて作製
した直後感熱紙、および感熱発色層塗布液を33℃に温
度調整した環境中に24時間保存した後の感熱発色層塗
工液を用いて作製した保存後感熱紙のそれぞれについ
て、実施例1、項に記載の処理を施し、実施例1、
項に記載の各試験に供した。試験結果は表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】前記表1から明らかなように、染料前駆体
分散液にポリオキシアルキレンモノアルキルフェニルエ
ーテルを添加した後に、顕色剤分散液その他の分散液と
混合して、感熱発色層形成用塗布液を調製し、それを支
持体に塗布乾燥して得られた実施例1〜4の直後感熱
紙、および保存後感熱紙では、ともに白色度も高く、ま
た得られた感熱紙は高温高湿下に保存しても高い白色度
を維持した。しかし、染料前駆体分散液にポリオキシア
ルキレンモノアルキルフェニルエーテルを添加しなかっ
た場合(比較例1,2)、および染料前駆体分散液には
添加せず、感熱発色層形成用塗布液に添加した場合(比
較例3)では、感熱発色層形成用塗布液を33℃の温度
で24時間保持した後に形成された感熱記録紙の白色度
は低く、また、得られた感熱記録紙を高温高湿下に保存
すると、その白色度がやゝ低下する傾向が見られた。
【0053】
【発明の効果】本発明の感熱記録体は、高温高湿の環境
下に長時間保存しても、高い白色度を維持できるもので
あり、また、本発明の感熱記録体製造方法において、そ
の感熱発色層形成用塗布液は、それを比較的温暖な環境
下に保存しても、白色度を低下することがなく、又は少
なく、従って、得られる感熱記録体も高い白色度を有す
るという特長を有し、実用上の価値の極めて高いもので
ある。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状基体、およびこのシート状基体
    の少なくとも一面に形成された感熱発色層を有し、前記
    感熱発色層が、下記一般式(I): 【化1】 (但し、式(I)中、R1 およびR2 は、それぞれ互い
    に独立に、アルキル基、アラルキル基、又はアリール基
    を表わし、R3 は、水素原子または低級アルキル基を表
    わし、R4 は、無置換のフェニル基、または低級アルキ
    ル基、ハロゲン原子、およびハロゲン化アルキル基の少
    なくとも1員により置換されたフェニル基を表わす)で
    表わされる無色又は淡色の染料前駆体と、この染料前駆
    体と加熱下に反応してこれを発色させる顕色剤との混合
    物を含み、 前記顕色剤が、下記一般式(II): 【化2】 〔但し、式(II)中、R5 は、水素原子、低級アルキル
    基、ハロゲン原子、又は低級アルコキシ基を表わす〕に
    より表わされる官能基を、1分子当り2個有する芳香族
    化合物、および、1分子当り1個有する芳香族化合物を
    含み前記染料前駆体が、前記顕色剤と混合される前に、
    ポリオキシアルキレンモノアルキルフェニルエーテルに
    より安定化されたものであり、かつ前記感熱発色層が、
    さらに水難溶性、又は水不溶性アルカリ土類金属無機酸
    塩を含む、ことを特徴とする感熱記録体。
  2. 【請求項2】 前記一般式(II)の官能基を、1分子当
    り2個有する芳香族化合物が、下記式(III ): 【化3】 により表わされる化合物であり、かつ、 前記一般式(II)の官能基を、1分子当り1個有する芳
    香族化合物が、下記式(IV): 【化4】 により表わされる化合物である、請求項1に記載の感熱
    記録体。
  3. 【請求項3】 前記アルカリ土類金属塩が、炭酸カルシ
    ウムである、請求項1又は2に記載の感熱記録体。
  4. 【請求項4】 下記一般式(I): 【化5】 〔但し、式(I)中、R1 およびR2 は、それぞれ互い
    に独立に、アルキル基、アラルキル基、又はアリール基
    を表わし、R3 は、水素原子、または低級アルキル基を
    表わし、R4 は、無置換のフェニル基、又は低級アルキ
    ル基、ハロゲン原子、およびハロゲン化アルキル基の少
    なくとも1員によって置換されたフェニル基を表わす〕
    で表わされる無色又は淡色の染料前駆体の分散液を調製
    し、別に、前記染料前駆体と加熱下に反応してこれを発
    色させる顕色剤の分散液を調製し、前記染料前駆体分散
    液、および前記顕色剤分散液を含む塗布液を調製し、こ
    の塗布液を、シート状基体の少なくとも1面上に塗布
    し、乾燥して感熱発色層を形成することを含み、 前記顕色剤が、下記一般式(II): 【化6】 〔但し、式(II)中、R5 は水素原子、低級アルキル
    基、ハロゲン原子、又は低級アルコキシ基を表わす〕に
    より表わされる官能基を、1分子当り2個有する芳香族
    化合物、および、1分子当り1個有する芳香族化合物を
    含み、 前記感熱発色層用塗布液の調製前に、 前記染料前駆体にポリオキシアルキレンモノアルキルフ
    ェニルエーテルを混合接触させて、これを安定化し、か
    つ前記感熱発色層形成用塗布液に、水難溶性又は水不溶
    性アルカリ土類金属無機酸塩をさらに含有させることを
    特徴とする、感熱記録体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記ポリオキシアルキレンモノアルキル
    フェニルエーテルの添加後前記染料前駆体分散液を、室
    温において24時間以上放置した後、前記感熱発色層形
    成用塗布液を調製する、請求項4に記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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