JPH05185738A - 感熱記録体 - Google Patents

感熱記録体

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JPH05185738A
JPH05185738A JP4004948A JP494892A JPH05185738A JP H05185738 A JPH05185738 A JP H05185738A JP 4004948 A JP4004948 A JP 4004948A JP 494892 A JP494892 A JP 494892A JP H05185738 A JPH05185738 A JP H05185738A
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JP
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color
compound
developer
recording material
dye precursor
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JP4004948A
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English (en)
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Ayako Shirai
亜矢子 白井
Yoshiyuki Takahashi
義之 高橋
Kunitaka Toyofuku
邦隆 豊福
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New Oji Paper Co Ltd
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 感熱記録体の感度を高め、更に、発色画像の
耐油性、耐可塑剤性を向上させ、それによって発色画像
の長期安定性を高める。 【構成】 感熱記録体の感熱発色層に、染料前駆体と、
これと加熱下に反応してこれを発色させる顕色剤とを含
み、前記顕色剤が化学式(I): 【化1】 (ただし、R1 は、水素原子、低級アルキル基、又はハ
ロゲン原子を表し、aは1〜5の整数を表わし、R
2 は、水素原子、アルキル基、又はアラルキル基を表
す。)によって、表される少なくとも1種の化合物を含
み、前記の感熱発色層は、必要によりさらに少なくとも
1個のアジリジニル基を有する有機化合物を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加熱によって発色画像
を形成する感熱記録体、特に一旦発色した画像の消失が
無く、記録画像の保存安定性に優れた感熱記録体に関す
るものである。さらに詳しく述べるならば、本発明は、
画像記録紙、ファクシミリ用紙、キャッシュディスペン
サー用紙、乗車券、定期券、POSラベル等のラベル、
プリペイドカード等のカードおよび通行券などに有用
な、記録画像の長期保存性が高く、同時に記録の耐湿
性、耐熱性などの耐環境性、さらに耐油性、耐可塑剤性
などにすぐれ、白色度の高い感熱記録体に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】感熱記録体は、一般に紙、合成紙、プラ
スチックフィルム等の支持体上に、電子供与性のロイコ
染料のような発色性物質と、電子受容性フェノール性化
合物等の有機酸性物質のような顕色性物質を主成分とし
て含有する感熱発色層を設けたものであって、上記発色
成分を熱エネルギーによって反応させて記録画像を得る
ことができる。(例えば特公昭43−4160号、特公
昭45−14039号、及び特公昭48−27736号
などに開示されており、広く実用化されている。)
【0003】感熱記録体は、記録装置がコンパクトで安
価でかつ保守が容易であるという利点を有し、電子計算
機のアウトプット、ファクシミリ、自動券売機、科学計
測器のプリンター、あるいはCRT医療計測用のプリン
ター等に広範囲に使用されている。しかし、支持体上に
発色性染料物質、顕色性物質および結着剤を有効成分と
する感熱発色層を塗工した従来のいわゆる染料型感熱記
録体にあっては、発色反応が可逆的であるため、発色画
像が経時的に消色することが知られている。この消色は
曝光、高湿、高温雰囲気下において加速され、さらに可
塑剤および油等の接触によって速やかに進行し、画像は
読み取り不可能なレベルまで消色してしまう。
【0004】通常無色ないし淡色のラクトン環化合物を
主とする染料前駆体を使用する発色系を用いた場合、こ
の消色現象を抑制するための数多くの技術が開示されて
きた。それらは、例えば特開昭60−78782号、特
開昭59−167292号、特開昭59−114096
号、特開昭59−93387号に見られるようなフェノ
ール系酸化防止剤を感熱発色層中に配合したもの、特開
昭56−146796号に見られるような疎水性高分子
化合物エマルジョン等を保護層に使用したもの、特開昭
58−199189号に見られるように感熱発色層上に
水溶性高分子化合物または、疎水性高分子化合物エマル
ジョンを中間層として設け、その上に疎水性高分子化合
物を樹脂成分とする油性塗料による表面層を設けたも
の、および特開昭62−164579号に見られるよう
なエポキシ化合物、あるいはアジリジン化合物を含有さ
せたものなどである。
【0005】前述のフェノール系酸化防止剤の配合は、
それがない場合の画像に比べ、耐環境性は多少改良され
るが、その程度は充分なものではなく、かつ耐油性(例
えばサラダオイルを発色面に接触させた場合の一定時間
後の画像濃度の保存率)はほとんど改良されない。又保
護層、表面層を設けた感熱記録体は、耐油性に関して
も、オイルと接触させた直後の画像保存性は改良される
が、オイルの浸透にしたがって画像はほぼ完全に消失し
てしまい、上記問題点に対する本質的な解決策とはいえ
ない。又、エポキシ、あるいはアジリジン化合物を含有
させたものでは、加熱発色操作をしてから発色画像が安
定化されるまでに比較的長い時間が必要であり、例えば
発色直後に発色画像にサラダオイルを塗布すると発色画
像はそのかなりの部分が消色していまうという欠点を有
している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術の上
記問題点を解決し、耐油性、耐可塑剤性、耐湿性、およ
び耐熱性等に係る発色画像の長期保存性に優れた感熱記
録体を提供することを課題とするものである。本発明に
よる保存性の改良された感熱記録体は、例えば自動券売
機用感熱記録型の乗車券として使用できるのはもちろ
ん、保存性を必要とする回数券や定期券などへの使用、
可塑剤、油脂との接触が避けられないポリ塩化ビニルフ
ィルムで包装した食品の包装面に貼付けるPOS用バー
コードシステム用のラベルとして適するばかりでなく、
長期保存用のファクシミリ用紙やワープロ用紙、また、
CRT用画像プリンター用紙としても利用できる。
【0007】
【課題を解決する為の手段】本発明者等は、発色画像の
耐油性および耐可塑剤性などの保存安定化効果発現まで
の時間を短縮することを目的に研究を行なった。この目
的を達成するために、無色又は淡色の染料前駆体とアジ
リジン化合物との組み合わせについて広範囲の有機化合
物を検討した結果、特定の化合物群が、顕著な効果をま
すことを発見し、本発明を完成するに至った。
【0008】本発明の感熱記録体は、シート状基体と、
このシート状基体の少なくとも一面に形成され、かつ、
無色又は淡色の染料前駆体、およびこの染料前駆体と加
熱下に反応してこれを発色させる顕色剤を含む感熱発色
層とを有し、前記顕色剤が下記一般式(I):
【化2】 (ただしR1 は、水素原子、低級アルキル基、又はハロ
ゲン原子を表し、aは、1〜5の整数を表わし、R
2 は、水素原子、アルキル基、又はアラルキル基を表
す。)によって表される少なくとも1種の化合物を含む
ことを特徴とするものである。
【0009】また、本発明の感熱記録体において、前記
の感熱発色層が、更に少なくとも1個のアジリジニル基
を有する少なくとも1種の有機化合物を含有することが
好ましい。
【0010】
【作用】本発明で用いられる式Iの化合物は無色または
淡色の塩基性ロイコ染料(染料前駆体)と、この染料前
駆体を加熱下に顕色しうる顕色剤との呈色反応を利用し
て発色画像を形成する感熱発色層において、顕色剤とし
て作用するのである。すなわち式(I)の化合物は、フ
ェノール性のOH基を有しないが、塩基性のロイコ染料
(染料前駆体)に対し、強い顕色能力を有するのであ
る。これは、式(I)の中の化合物中のアミノ基が、そ
れに隣接するスルホニル基により活性化されているため
と考えられる。
【0011】一般式(I)の化合物の具体的な例として
は以下のような化合物をあげることができる。 o−(ベンゼンスルホニルアミノカルボニル)安息香酸
メチルエステル(m.p.=139℃)、o−(ベンゼ
ンスルホニルアミノカルボニル)安息香酸エチルエステ
ル(m.p.=103℃)、o−(p−トルエンスルホ
ニルアミノカルボニル)安息香酸メチルエステル(m.
p.=173℃)、o−(p−トルエンスルホニルアミ
ノカルボニル)安息香酸エチルエステル(m.p.=1
54℃)、o−(o−トルエンスルホニルアミノカルボ
ニル)安息香酸メチルエステル、o−(o−トルエンス
ルホニルアミノカルボニル)安息香酸エチルエステル、
o−(p−クロロベンゼンスルホニルアミノカルボニ
ル)安息香酸メチルエステル(m.p.=204℃)、
o−(p−クロロベンゼンスルホニルアミノカルボニ
ル)安息香酸エチルエステル(m.p.=177℃)、
o−(ベンゼンスルホニルアミノカルボニル)安息香酸
ベンジルエステル、o−(o−トルエンスルホニルアミ
ノカルボニル)安息香酸ベンジルエステル、o−(p−
トルエンスルホニルアミノカルボニル)安息香酸ベンジ
ルエステル、o−(ベンゼンスルホニルアミノカルボニ
ル)安息香酸(m.p.=139℃)、o−(p−トル
エンスルホニルアミノカルボニル)安息香酸(m.p.
=156℃)、o−(o−トルエンスルホニルアミノカ
ルボニル)安息香酸、o−(p−クロロベンゼンスルホ
ニルアミノカルボニル)安息香酸(m.p.=158
℃)。これらの化合物は単独で用いられてもよく、ある
いはその2種以上を混合しても差しつかえない。
【0012】上記のような式(I)の化合物の多くは、
従来報告されていない新規化合物であって、その合成
は、例えば下記の反応により行なうことができる。
【化3】
【0013】又、本発明に用いることのできるアジリジ
ニル基を有する化合物としては、具体的には例えば以下
のような化合物をあげることができる。 2,4−ビス(1−アジリジニルカルボニルアミノ)ト
ルエン、ビス(4−(1−アジリジルカルボニルアミ
ノ)フェニル)メタン、ビス(3−クロロ−4−(1−
アジリジルカルボニルアミノ)フェニル)メタン、2,
2−ビス(4−(1−アジリジルカルボニルオキシ)フ
ェニル)プロパン、1,4−ビス(1−アジリジノカル
ボニルオキシ)ベンゼン、1,4−ビス(1−アジリジ
ルカルボニル)ベンゼン。
【0014】また、本発明の感熱発色層は、さらにヒン
ダードフェノール化合物、または紫外線吸収剤を含んで
いてもよい。ヒンダードフェノール化合物又は紫外線吸
収剤としては、例えば特開昭57−151394号、特
開昭58−160191号、特開昭58−69096
号、特開昭59−2884号、特開昭59−95190
号、特開昭60−22288号、特開昭60−2554
85号、特開昭61−44686号、特開昭62−16
9683号、特開昭63−17081号、および特開平
1−249385号等にあげられた化合物をあげること
ができる。
【0015】具体的には例えば、1,1,3−トリス
(3’−シクロヘキシル−4’−ヒドロキシフェニル)
ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロ
キシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、4,
4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフ
ェノール)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−ト
リス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジル)ベンゼン、2,2’−ジヒドロキシ−4,
4’−ジメトキシベンゾフェノン、p−オクチルフェニ
ルサリシレート、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール、エチル−2−シアノ
−3,3’−ジフェニルアクリレート、テトラ(2,
2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル)1,
2,3,4−ブタンテトラカルボエートなどを用いるこ
とが好ましい。
【0016】本発明において染料前駆体として使用され
るロイコ染料としては、トリフェニルメタン系、フルオ
ラン系、ジフェニルメタン系化合物等があげられ、従来
公知のものから選ぶことができる。例えば、3−(4−
ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−
エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザ
フタリド、クリスタルバイオレットラクトン、3−(N
−エチル−N−イソペンチルアミノ)−6−メチル−7
−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6
−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラ
ン、3−(N−エチル−N−p−トルイジノ)−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−
メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ
−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−シ
クロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−
アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−
クロロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7
−(o−クロロアニリノ)−フルオラン、3−ジエチル
アミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フル
オラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロ
フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラ
ン、および3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフル
オラン、3−(N−エチル−N−ヘキシルアミノ)−6
−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン等か
ら選ばれた1種以上を用いることができる。
【0017】又、本発明の感熱発色層において、所望の
効果を阻害しない限り、フェノール類又は、有機酸から
なる従来公知の顕色剤を併用することができる。それら
は例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン(ビスフェノールA)、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,4−ビス
(1−メチル−1−(4’−ヒドロキシフェニル)エチ
ル)ベンゼン、1,3−ビス(1−メチル−1−(4’
−ヒドロキシフェニル)エチル)ベンゼン、ジヒドロキ
シジフェニルエーテル(特開平1−180382号)、
p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル(特開昭52−140
483号)、ビスフェノールS,4−ヒドロキシ−4’
−イソプロピルオキシジフェニルスルホン(特開昭60
−13852号)、1,1−ジ(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン、1,7−ジ(4−ヒドロキシフェ
ニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン(特開昭59−
52694号)、3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒ
ドロキシジフェニルスルホン(特開昭60−20828
6号)などであり、これらを単独に用いてもよく、或は
その2種以上を混合して用いても差しつかえない。
【0018】更に本発明の感熱発色層において、所望の
効果を阻害しない限り、熱可融性物質(いわゆる増感
剤)を併用することもできる。増感剤としては、融点5
0〜150℃の熱可融性有機化合物が用いられ、それら
は、例えば、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル
エステル(特開昭57−191089号)、p−ベンジ
ルビフェニル(特開昭60−82382号)、ベンジル
ナフチルエーテル(特開昭58−87094号)、ジベ
ンジルテレフタレート(特開昭58−98285号)、
p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル(特開昭57−2
01691号)、炭酸ジフェニル、炭酸ジトリル(特開
昭58−136489号)、m−タ−フェニル(特開昭
57−89994号)、1,2−ビス(m−トリルオキ
シ)エタン(特開昭60−56588号)、1,5−ビ
ス(p−メトキシフェノキシ)−3−オキサペンタン
(特開昭62−181183号)、シュウ酸ジエステル
(特開昭64−1583号)、1,4−ビス(p−トリ
ルオキシ)ベンゼン(特開平2−153783号)など
である。
【0019】本発明の感熱記録体の感熱発色層は、おも
に染料前駆体と本発明のカルボニルスルホンアミド系顕
色剤を含み、必要により、更にアジリジン化合物を含有
するものである。そして、それぞれの場合、必要に応じ
て、更に従来公知のフェノール系あるいは有機酸系顕色
剤を含んでいてもよく、又、増感剤を含んでいてもよ
い。更に感熱発色層は、ワックス類を含んでいてもよ
く、有機又は無機顔料類を含んでいることが好ましい。
感熱発色層は、これらの成分を支持体に固着するための
バインダーを含んでいる。
【0020】感熱発色層中の上記染料前駆体の含有率
は、一般に5〜20重量%であり、本発明の顕色剤の含
有率は、一般に10〜40重量%である。この顕色剤の
含有率が10重量%未満では、顕色能力に不足をきた
し、それが40重量%を越えて多量に用いられても顕色
能力のさらなる改善は見られない。
【0021】感熱発色層中にアジリジン化合物が含まれ
る場合は、その含有率は1〜30重量%であり、それが
1%未満では画像保存安定効果が小さく、また、それを
30重量%を越えて多量に用いても、保存性の一層の向
上効果はみられない。
【0022】感熱発色層中に酸化防止剤又は紫外線吸収
剤が含まれる場合は、その含有率は1〜10重量%であ
ることが好ましい。それが1重量%未満では変色を抑制
する効果が小さく、それが10重量%を越えると感熱記
録体の白色度が低下したり、印字装置内での記録体の走
行性に問題を生じたりする。また従来公知のフェノール
系あるいは有機酸系顕色剤が併用される場合、その含有
率は5〜40重量%であることが好ましく、増感剤が含
まれる場合は、その含有率は10〜40重量%であるこ
とが好ましい。ワックス類、白色顔料が用いられる場合
は、それぞれの含有率は5〜20重量%、および10〜
50重量%であることが好ましい。感熱発色層中のバイ
ンダーの含有率は一般に5〜20重量%である。
【0023】上記の有機又は無機の顔料としては、例え
ば炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水
酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレ
ー、焼成クレー、タルク、および表面処理された炭酸カ
ルシウムやシリカ等の無機系微粉末の他、並びに、尿素
−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、
およびポリスチレン樹脂等の有機系の微粉末などをあげ
ることができる。
【0024】上記ワックス類としては、例えば、パラフ
ィン、アミド系ワックス、ビスイミド系ワックス、高級
脂肪酸の金属塩など公知のものを用いることができる。
【0025】前記バインダーとしては、種々の分子量の
ポリビニルアルコール、デンプン及びその誘導体、メト
キシセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチル
セルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、
ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリ
ル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸
アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共重合
体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポ
リアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、およ
びカゼインなどの水溶性高分子材料、並びに、ポリ酢酸
ビニル、ポリウレタン、スチレン/ブタジエン共重合
体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビ
ニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレー
ト、エチレン/酢酸ビニル共重合体、およびスチレン/
ブタジエン/アクリル系共重合体等の各々のラテックス
を用いることができる。
【0026】本発明の感熱記録体に用いられるシート状
基体は、紙、表面に顔料、ラテックスなどを塗工したコ
ーテッド紙、ラミネート紙、ポリオレフィン系樹脂から
作られた合成紙、あるいはプラスチックフィルムなどか
ら選ぶことができる。
【0027】このようなシート状基体の少なくとも1面
上に、上記所要成分の混合物を含む塗布液を塗布し、乾
燥して感熱発色層を形成し、感熱記録体を製造する。感
熱発色層の塗布量は、塗布液層が乾燥した状態で1〜1
5g/m2 であることが好ましく、2〜10g/m2
更に好ましい。
【0028】本発明の感熱記録体において、その感熱発
色層上に、更に保護層、印刷層などのような被覆層を形
成することもできる。
【0029】
【実施例】下記実施例により本発明を具体的に説明す
る。特に断わらない限り、「部」および「%」は、それ
ぞれ「重量部」および「重量%」を表す。
【0030】合成例1 o−(ベンゼンスルホニルアミ
ノカルボニル)安息香酸エチルエステルの合成 滴下ロート、温度計、および還流器を取りつけた三口フ
ラスコに、60gのフタルイミドカリウムを入れ、これ
を250mlのアセトンを添加し、懸濁溶液を調製した。
この懸濁溶液をマグネティックスターラーで攪拌しつ
つ、これに室温で、滴下ロートより56.3gのベンゼ
ンスルホニルクロライドを滴下した。滴下完了後、反応
懸濁液を60℃で5時間反応させ、反応終了後反応懸濁
溶液を室温まで冷却し、濾過した。
【0031】得られた濾過物を、300mlの水が入った
ビーカーに入れ、これをマグネティックスターラーで攪
拌し、濾過して白色固体を得た。この固体をアセトンで
再結晶し、55gのN−ベンゼンスルホニルフタルイミ
ドの白色結晶を得た。その融点は203℃であった。
【0032】この白色結晶を200mlのエタノールに溶
解し、これに36%の塩酸50mlを加えて80℃で2時
間反応させた。反応溶液を2規定の水酸化ナトリウム水
溶液で、そのpHを2〜3に調整すると、白色の固体が析
出した。この結晶をエタノールで再結晶して、38.5
gのo−(ベンゼンスルホニルアミノカルボニル)安息
香酸エチルエステルの白色結晶を得た。その融点は、1
03℃であった。
【0033】NMR測定、および質量分析(化学イオン
化法)により、得られた化合物が目的物であることを同
定した。NMR測定(重CDC13中)の結果は、以下
の通り。 δ=1.25(t,3H),4.23(q,2H),
7.5(m,6H),7.9(m,1H),8.25
(d,2H)、その他N−Hに起因すると思われるピー
クがδ=10.6付近に現れた。
【0034】合成例2 o−(p−トルエンスルホニル
アミノカルボニル)安息香酸メチルエステルの合成 合成例1と同じ合成操作を行った。但し、56.3gの
ベンゼンスルホニルクロライドの代りに、60gのp−
トルエンスルホニルクロライドを用い、またエタノール
の代わりにメタノールを用いて、35.6gの白色結晶
を得た。その融点は、173℃であった。
【0035】NMR測定、および質量分析(化学イオン
化法)により、得られた化合物が目的物であることを同
定した。NMR測定(重CDC13中)の結果は、以下
の通り。 δ=2.45(s,3H),3.68(s,3H),
7.35(d,2H),7.45〜7.6(m,3
H),7.92(m,1H),8.02(t,2H)、
その他N−Hに起因すると思われるピークがδ=11.
2付近に現れた。
【0036】合成例3 o−(p−クロロベンゼンスル
ホニルアミノカルボニル)安息香酸エチルエステルの合
合成例1と同じ合成操作を行った。但し、56.3gの
ベンゼンスルホニルクロライドの代わりに、36.4g
のp−クロロベンゼンスルホニルクロライドを用いて、
68.5gの白色結晶を得た。その融点は、177℃で
あった。
【0037】NMR測定、質量分析(化学イオン化法)
により、得られた化合物が目的物であることを同定し
た。NMR測定(重アセトン中)の結果は、以下の通
り。 δ=1.26(t,3H),4.20(q,2H),
7.5〜7.8(m,5H),7.9(m,1H),
8.21(d,2H)、その他N−Hに起因すると思わ
れるピークがδ=11.7付近に現れた。
【0038】合成例4 o−(p−トルエンスルホニル
アミノカルボニル)安息香酸の合成 合成例1と同じ合成操作を行った。但し、53.6gの
ベンゼンスルホニルクロライドの代わりに、60gのp
−トルエンスルホニルクロライドを用い、またエタノー
ルの代わりに、40%の含水エタノール300mlに35
gの水酸化ナトリウムを溶解した溶液を用いて、48.
6gの白色結晶を得た。その融点は、156℃であっ
た。
【0039】NMR測定、質量分析(化学イオン化法)
およびIR測定により、得られた化合物が目的物である
ことを同定した。NMR測定(重DMSO中)の結果
は、以下の通り。 δ=2.43(s,3H),7.4(m,3H),7.
6(m,2H),7.82(t,2H),7.93
(d,1H)、に現れた。またIR測定(KBr錠剤
法)では、以下の特性吸収を確認した。 1690cm-1(カルボニル基に由来) 1718cm-1(カルボキシル基に由来) 1340cm-1,1160cm-1(スルホニル基に由来)
【0040】実施例1 下記操作により感熱記録紙を作成した。 上記組成物をサンドグラインダーをもちい、平均粒径が
1μm以下になるまで粉砕した。
【0041】 上記組成物をサンドグラインダーをもちい、平均粒径が
1μm以下になるまで粉砕した。
【0042】顔料下塗り紙の調製 焼成クレイ(商標:アンシレックス)85部を水320
部に分散して得られた分散物に、スチレン〜ブタジエン
共重合物エマルジョン(固形分50%)40部、および
10%酸化でんぷん水溶液50部を混合して得た塗液
を、48g/m2 の上質紙の一面上に、乾燥後の塗布量
が7.0g/m2 になるように塗工して、顔料下塗り紙
を作成した。
【0043】感熱発色層の形成 上記A液50部、およびB液200部に、炭酸カルシウ
ム顔料30部、25%ステアリン酸亜鉛分散液20部、
30%パラフィン分散液15部、および10%ポリビニ
ルアルコール水溶液100部を混合、攪拌し、塗布液を
調製した。この塗布液を、上記顔料下塗り紙の片面に、
乾燥後の塗布量が5.0g/m2 となるように塗布乾燥
して感熱発色層を形成し、感熱記録紙を作成した。
【0044】上記の様にして得られた感熱記録紙をスー
パーカレンダーによって処理し、その表面の平滑度を6
00〜1000秒とした。
【0045】こうして得られた試料について、日立製作
所製の市販感熱ファクシミリ機を改造した動的発色試験
機を用い、0.49mj/dotの印加エネルギーで試
料を発色させた。発色濃度は、マクベス反射濃度計RD
−914で測定した。また、試料の白紙部の白色度は、
ハンター白色度計(ブルーフィルター)で測定した。テ
スト結果を表1に示す。
【0046】実施例2 実施例1と同様にして感熱記録紙を作成した。但し、分
散液Bの調製にあたり、o−(ベンゼンスルホニルアミ
ノカルボニル)安息香酸エチルエステルのかわりに、o
−(p−クロロベンゼンスルホニルアミノカルボニル)
安息香酸メチルエステルを用いた。テスト結果を表1に
示す。
【0047】実施例3 実施例1と同様にして感熱記録紙を作成した。但し、分
散液Bの調製にあたり、o−(ベンゼンスルホニルアミ
ノカルボニル)安息香酸エチルエステルのかわりに、o
−(ベンゼンスルホニルアミノカルボニル)安息香酸を
用いた。テスト結果を表1に示す。
【0048】比較例1 実施例1と同様にして感熱記録紙を作成した。但し、分
散液Bの調製にあたり、o−(ベンゼンスルホニルアミ
ノカルボニル)安息香酸エチルエステルのかわりに、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビ
スフェノールA)を用いた。テスト結果を表1に示す。
【0049】実施例4 下記操作により感熱記録紙を作成した。 上記組成物をサンドグラインダーをもちい、平均粒径が
1μm以下になるまで粉砕した。
【0050】感熱発色層の形成 実施例1に記載のA液40部、同B液160部、および
上記C液50部に、炭酸カルシウム顔料30部、25%
ステアリン酸亜鉛分散液20部、30%パラフィン分散
液15部、および10%ポリビニルアルコール水溶液1
20部を混合、攪拌し、塗布液を調製した。この塗布液
を、実施例1に記載の顔料下塗り紙の片面に、乾燥後の
塗布量が5.0g/m2 となるように塗布乾燥して感熱
発色層を形成し、感熱記録紙を作成した。
【0051】上記の様にして得られた感熱記録紙をスー
パーカレンダーによって処理し、その表面の平滑度を6
00〜1000秒とした。
【0052】こうして得られた試料について、日立製作
所製の市販感熱ファクシミリ機を改造した動的発色試験
機を用い、0.49mj/dotの印加エネルギーで試
料を発色させた。発色濃度は、マクベス反射濃度計RD
−914で測定した(この濃度を元濃度と呼ぶ)。
【0053】次いでこの発色試料から所定の供試片を作
成し、(a)発色後30分以内に供紙片にサラダオイル
を塗布し、また(b)5時間後に供紙片にサラダオイル
を塗布し、それぞれ室温で3時間放置後、過剰のオイル
を拭き取り、残存画像濃度をマクベス反射濃度計で測定
し、以下の式にしたがって画像保存率を算出した。
【0054】画像残存率(%)=D1 /D0 ×100 〔但し、上式中D0 はテスト前の画像濃度を表わし、D
1 はテスト後の残存画像濃度を表わす。〕 テスト結果を表2に示す。
【0055】実施例 5 実施例4と同様にして感熱記録紙を作成した。但し、感
熱発色層の形成に用いたB液の調製に当たり、o−(ベ
ンゼンスルホニルアミノカルボニル)安息香酸エチルエ
ステルのかわりに、o−(p−クロロベンゼンスルホニ
ルアミノカルボニル)安息香酸メチルエステルを用い
た。テスト結果を表2に示す。
【0056】実施例 6 実施例4と同様にして感熱記録紙を作成した。但し、感
熱発色層の形成に用いたB液の調製に当たり、o−(ベ
ンゼンスルホニルアミノカルボニル)安息香酸エチルエ
ステルのかわりに、o−(ベンゼンスルホニルアミノカ
ルボニル)安息香酸を用いた。テスト結果を表2に示
す。
【0057】実施例 7 実施例3と同様にして感熱記録紙を作成した。但し、感
熱発色層の形成に用いたB液の調製に当たり、o−(ベ
ンゼンスルホニルアミノカルボニル)安息香酸エチルエ
ステルのかわりに、o−(p−トルエンスルホニルアミ
ノカルボニル)安息香酸を用いた。テスト結果を表2に
示す。
【0058】実施例 8 実施例4と同様にして感熱記録紙を作成した。但し、感
熱発色層の形成に用いたA液の調製に当たり、3−(N
−イソペンチル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7
−アニリノフルオランのかわりに、3−ジブチルアミノ
−6−メチル−7−アニリノフルオランを用いた。テス
ト結果を表2に示す。
【0059】比較例 2 実施例4と同様にして感熱記録紙を作成した。但し、感
熱発色層の形成に用いたB液の調製にあたり、o−(ベ
ンゼンスルホニルアミノカルボニル)安息香酸エチルエ
ステルのかわりに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン(ビスフェノールA)を用いた。テスト
結果を表2に示す。
【0060】比較例 3 比較例1に記載の感熱記録紙試料に、実施例4に示した
保存性試験を行なった。テスト結果を表2に示す。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】表1から明らかなように、本発明の新規顕
色剤は従来顕色剤の代表であるビスフェノールAに比肩
する発色能力を有し、かつ得られた感熱記録体は、白色
度が格段に高いものであった。また、表2より明らかな
ように、本発明の新規顕色剤をアジリジン化合物と組合
せて用いた感熱記録体は、発色直後より良好な画像保存
性を示した。
【0064】
【発明の効果】本発明の感熱記録体において、感熱発色
層は、顕色剤として特定化学構造を有するカルボニルス
ルホンアミド系化合物を含むものであって、この顕色剤
は従来の顕色剤に比肩しうる発色能力を示し、かつ得ら
れる感熱発色層は白色度が高いものである。また、感熱
発色層が、さらにアジリジン化合物を含有する場合、得
られる発色画像は、発色操作直後より良好な耐油性を示
す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状基体と、このシート状基体の少
    なくとも一面に形成され、かつ、無色又は淡色の染料前
    駆体、およびこの染料前駆体と加熱下に反応してこれを
    発色させる顕色剤を含む感熱発色層とを有し、前記顕色
    剤が下記一般式(I): 【化1】 (ただし、R1 は、水素原子、低級アルキル基、又はハ
    ロゲン原子を表し、aは、1〜5の整数を表わし、R2
    は、水素原子、アルキル基、又はアラルキル基を表
    す。)によって、表わされる少なくとも1種の化合物を
    含むことを特徴とする感熱記録体。
  2. 【請求項2】 前記の感熱発色層が、更に、少なくとも
    1個のアジリジニル基を有する少なくとも1種の有機化
    合物を含有する、請求項1に記載の感熱記録体。
JP4004948A 1992-01-14 1992-01-14 感熱記録体 Pending JPH05185738A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8530379B2 (en) 2009-09-14 2013-09-10 Ricoh Company, Ltd. Thermosensitive recording material and production method thereof

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