JP2982454B2 - 感熱記録体 - Google Patents

感熱記録体

Info

Publication number
JP2982454B2
JP2982454B2 JP3338705A JP33870591A JP2982454B2 JP 2982454 B2 JP2982454 B2 JP 2982454B2 JP 3338705 A JP3338705 A JP 3338705A JP 33870591 A JP33870591 A JP 33870591A JP 2982454 B2 JP2982454 B2 JP 2982454B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
color
heat
compound
coloring layer
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP3338705A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05169832A (ja
Inventor
邦隆 豊福
晶子 岩崎
義之 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
OJI SEISHI KK
Original Assignee
OJI SEISHI KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by OJI SEISHI KK filed Critical OJI SEISHI KK
Priority to JP3338705A priority Critical patent/JP2982454B2/ja
Publication of JPH05169832A publication Critical patent/JPH05169832A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2982454B2 publication Critical patent/JP2982454B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加熱によって発色画像
を形成する感熱記録体、特に一旦発色した画像の経時的
消失が無く、記録の保存安定性に優れた感熱記録体に関
するものである。さらに詳しく述べるならば、本発明
は、記録の長期保存性が良好であって、かつ記録画像の
耐湿性、および耐熱性などの耐環境性、並びに耐油性、
および耐可塑性に優れ、画像記録紙、ファクシミリ用
紙、キャッシュディスペンサー用紙、乗車券、定期券、
POSラベル等のラベル類、プリペイドカード等のカー
ド類および切符類などに有用な感熱記録体に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】感熱記録体は、一般に紙、合成紙、又は
プラスチックフィルム等の支持体上に、電子供与性ロイ
コ染料からなる発色性物質と、電子受容性のフェノール
性化合物等の有機酸性物質からなる顕色性物質とを主成
分として含有する感熱発色層を設けて構成されるもので
あって、これらの発色成分を熱エネルギーによって反応
させて記録画像を得ることができる。このような感熱記
録体は、特公昭43−4160号、特公昭45−140
39号、及び特公昭48−27736号などに開示され
ており、既に広く実用化されている。
【0003】一般に、感熱記録体は、記録装置がコンパ
クトで安価でかつ保守が容易であることから、電子計算
機のアウトプット、ファクシミリ、自動券売機、科学計
測器のプリンター、あるいはCRT医療計測用のプリン
ター等に広範囲に使用されている。しかし、支持体上
に、発色性染料物質、顕色性物質および結着剤を有効成
分として含有する感熱発色層を塗工した従来のいわゆる
染料型感熱記録体にあっては、発色反応が可逆的である
ため、発色画像が経時的に消色することが知られてい
る。この消色は曝光、高湿、高温雰囲気下に加速され、
さらに可塑剤および油等の接触によって速やかに進行
し、画像は読み取り不可能なレベルまで消色してしま
う。
【0004】通常無色ないし淡色のラクトン環化合物を
主とする染料前駆体を含有する発色系を用いる感熱発色
層に関し、この消色現象を抑制するために数多くの技術
が開示されてきた。例えば特開昭60−78782号、
特開昭59−167292号、特開昭59−11409
6号、および特開昭59−93387号などに見られる
ように、フェノール系酸化防止剤を感熱発色層中に配合
したもの、また、特開昭56−146796号に見られ
るように、疎水性高分子化合物エマルジョン等を含む保
護層を、感熱発色層上に形成したもの、特開昭58−1
99189号に見られるように、感熱発色層上に水溶性
高分子化合物、または疎水性高分子化合物エマルジョン
を支持体と感熱発色層の間の中間層として設け、その上
に疎水性高分子化合物を樹脂成分とする油性塗料による
表面層を設けたもの、および特開昭62−164579
号に見られるように、エポキシ化合物を感熱発色層中に
含有させたもの等が知られている。
【0005】前述のフェノール系酸化防止剤を配合した
感熱発色層において得られる画像は、それがない場合に
得られる画像に比べて、その耐環境性が多少改良されて
いるが、耐油性(例えばサラダオイルを発色面に接触さ
せた場合の一定時間後の画像濃度の保存率)、および耐
可塑剤性(可塑剤を含有したラップフィルム等を発色面
に接触させた場合の一定時間後の画像濃度の保存率)な
どについては格別改良が認められない。一方、前記のよ
うな保護層、又は表面層を設けた感熱記録体において
は、耐環境性はやや改良されているが、油脂物質、又は
可塑剤と長時間にわたり接触した場合には、画像の消色
は避けられない問題である。また耐油性に関しても、油
脂物質と接触させた直後の画像保存性は改良されるが、
油脂物質の浸透にしたがって画像はほぼ完全に消失して
しまい、上記問題点に対する本質的な解決策とはいえな
い。また、エポキシ化合物を含有させたものでは、加熱
発色操作をしてから発色画像が安定化されるまでに比較
的長い時間が必要であり、例えば発色直後に発色画像に
サラダオイルを塗布したり、可塑剤と接触させたりする
と発色画像はそのかなりの部分が消色してしまうのであ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術に
おける上記問題点を解決し、発色画像の耐油性、耐可塑
剤性、耐湿性、および耐熱性等に優れ、従って発色画像
の長期保存性に優れた感熱記録体を提供しようとするも
のである。また、本発明は、例えば自動券売機用感熱記
録体の乗車券として有用であり、それのみならず、長期
保存性を必要とする回数券や定期券などへの使用や、ポ
リ塩化ビニルフィルムで包装した食品の包装面に貼付け
るPOS用バーコードシステム用のラベルのように可塑
剤、および/又は油脂との接触が避けられない用途に適
するばかりでなく、長期保存用のファクシミリ用紙やワ
ープロ用紙、また、CRT用画像プリンター用紙として
も利用できる感熱記録体を提供しようとするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、発色画像
の耐油性および耐可塑剤性などの保存安定性改善効果
が、発色画像形成後に、可及的短時間内に発現するよう
な、改良された感熱発色層について検討し、その結果、
アリールスルホニルアミノカルボニルアミノ基を有する
芳香族カルボン酸誘導体が、優れた顕色能力と高い耐油
耐可塑剤性とを有し、従って得られる発色画像が優れた
長期保存安定化効果を有することを発見し、本発明を完
成するに至った。
【0008】すなわち、本発明の感熱記録体は、シート
状基体と、このシート状基体の少なくとも一面に形成さ
れ、かつ、無色又は淡色の染料前駆体、およびこの染料
前駆体と加熱下に反応してこれを発色させる顕色剤を含
む感熱発色層とを有し、前記顕色剤が、下記一般式
(I):
【化2】 (ただし、R1 は、低級アルキル基、およびハロゲン原
子から選ばれた少なくとも1員により置換された、およ
び置換されていない芳香族基から選ばれた1員を表わ
し、R2 、およびR3 は、それぞれ互に独立に、水素原
子、アルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アリー
ル基およびハロゲン原子から選ばれた1員を表わし、M
は、n価の金属原子を表わし、およびnは1以上の整数
を表わす。)によって表わされる少なくとも一種の化合
物を含むことを特徴とするものである。
【0009】
【作用】本発明に用いられる式(I)の化合物は、無色
又は淡色の塩基性ロイコ染料(染料前駆体)と、この染
料前駆体と加熱下に反応してこれを顕色しうる顕色剤と
の呈色反応を利用した感熱発色層における画像形成にお
いて、顕色剤として作用するものである。すなわち、式
(I)の化合物は、フェノール性の水酸基を有していな
いが、塩基性のロイコ染料に対し、強い顕色能力を有す
るのである。これは式(I)の化合物中の尿素基が、そ
れに隣接するスルホニル基によって活性化されているた
めと推測される。また、式(I)の化合物とロイコ染料
との反応により発色形成された画像が、種々の環境下で
高い保存性を示すのは、アリルスルホニル尿素基とカル
ボン酸基の相乗効果によるものと理解される。
【0010】式(I)において、Mにより表される金属
原子としては、亜鉛、アルミニウム、マグネシウムおよ
びカルシウムが用いられることが望ましい。本発明に有
用な、式(I)の化合物の具体的な例としては、下記化
学式:
【化3】 により表わされる化合物 No.1〜 No.9、およびこれら
の金属塩を用いることができる。また、これらの化合物
は、それを金属塩とした後に分散して用いてもよいが、
これを酸化亜鉛や炭酸カルシウムのような金属化合物の
共存下に分散して用いてもよい。これらの化合物は単独
で用いられてもよく、あるいはその2種以上を混合して
用いてもよい。
【0011】上記のような式(I)の化合物の多くは、
従来報告されていない新規化合物であって、例えば下記
の反応(1)又は(2)により合成することができる。 反応(1): R1 −SO2 −NCO + R2 −NH−R3 → 式()の化合物(エステル) → 加水分解 → 式()の化合物(酸) 反応(2): R1 −SO2 −NCOO−R + R2 −NH−R3 → 式()の化合物(エステル) → 加水分解 → 式()の化合物(酸) 〔但し、上式中、R1 , R2 、およびR3 は、それぞれ
前記規定に同じであり、Rは、低級アルキル基、および
アリール基から選ばれた1員を表わす。〕
【0012】本発明において、染料前駆体として使用さ
れるロイコ染料は、トリフェニルメタン系、フルオラン
系、ジフェニルメタン系化合物等の従来公知のものから
選ぶことができる。これらの染料前駆体としては、例え
ば、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニ
ル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−
イル)−4−アザフタリド、クリスタルバイオレットラ
クトン、3−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)
−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチル
アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ
エチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルア
ニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−p−トル
イジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−
ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−
6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルア
ミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ
エチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリ
ノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7
−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル
フルオラン、および3−シクロヘキシルアミノ−6−ク
ロロフルオラン、3−(N−エチル−N−ヘキシルアミ
ノ)−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオ
ラン等から選ばれた1種以上を用いることができる。
【0013】又、本発明においては、所望の効果を阻害
しない限り、フェノール類又は、有機酸からなる従来公
知の顕色剤を、本発明の式(I)の化合物と併用するこ
とができる。これら従来の顕色剤としては、例えば、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビ
スフェーノルA)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−1−フェニルエタン、1,4−ビス(1−メチ
ル−1−(4′−ヒドロキシフェニル)エチル)ベンゼ
ン、1,3−ビス(1−メチル−1−(4′−ヒドロキ
シフェニル)エチル)ベンゼン、ジヒドロキシジフェニ
ルエーテル(特開平1−180382号)、p−ヒドロ
キシ安息香酸ベンジル(特開昭52−140483
号)、ビスフェノールS、4−ヒドロキシ−4′−イソ
プロピルオキシジフェニルスルホン(特開昭60−13
852号)、1,1−ジ(4−ヒドロキシフェニル)シ
クロヘキサン、1,7−ジ(4−ヒドロキシフェニルチ
オ)−3,5−ジオキサヘプタン(特開昭59−526
94号)、3,3−ジアリル−4,4′−ジヒドロキシ
ジフェニルスルホン(特開昭60−208286号)な
どから選ぶことができる。
【0014】更に本発明においては、その感熱発色層中
に熱可融性物質(いわゆる増感剤)を含有していてもよ
い。このような増感剤としては、融点50〜150℃の
熱可融性有機化合物が用いられ、それらは例えば、1−
ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル(特開昭
57−191089号)、p−ベンジルビフェニル(特
開昭60−82382号)、ベンジルナフチルエーテル
(特開昭58−87094号)、ジベンジルテレフタレ
ート(特開昭58−98285号)、p−ベンジルオキ
シ安息香酸ベンジル(特開昭57−201691号)、
炭酸ジフェニル、炭酸ジトリル(特開昭58−1364
89号)、m−ターフェニル(特開昭57−89994
号)、1,2−ビス(m−トリルオキシ)エタン(特開
昭60−56588号)、1,5−ビス(p−メトキシ
フェノキシ)−3−オキサペンタン(特開昭62−18
1183号)、シュウ酸ジエステル類(特開昭64−1
583号)、1,4−ビス(p−トリルオキシ)−ベン
ゼン(特開平2−153783号)などから選ぶことが
できる。
【0015】又、本発明の感熱発色層は、さらにヒンダ
ードフェノール化合物、又は紫外線吸収剤を含んでいて
もよい。それらは例えば、特開昭57−151394
号、特開昭58−160191号、特開昭58−690
96号、特開昭59−2884号、特開昭59−951
90号、特開昭60−22288号、特開昭60−25
5485号、特開昭61−44686号、特開昭62−
169683号、特開昭63−17081号、特開平1
−249385号、および特願平2−266645号等
に記載された化合物から選ぶことができ、具体的には、
例えば、1,1,3−トリス(3′−シクロヘキシル−
4′−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,3−トリ
ス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチ
ルフェニル)ブタン、4,4′−チオビス(3−メチル
−6−tert−ブチルフェノール)、1,3,5−ト
リメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert
−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,
2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェ
ノン、p−オクチルフェニルサリシレート、2−(2′
−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾ
ール、エチル−2−シアノ−3,3′−ジフェニルアク
リレート、テトラ(2,2,6,6−テトラメチル−4
−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボエ
ートなどを包含する。
【0016】本発明の感熱記録体の感熱発色層は、前記
染料前駆体と、本発明の上記式(I)の顕色剤化合物を
含むものであるが、前記増感剤を更に含むことが好まし
い。また、感熱発色層は、前述のように、必要に応じ
て、従来公知のフェノール系あるいは有機酸系顕色剤、
酸化防止剤、紫外線吸収剤、またはワックス類を含むこ
とができる。更に、感熱発色層中に有機又は無機顔料類
が含まれていることが好ましい。感熱発色層は、これら
の成分を接合し、またこれらを支持体に固着するための
バインダーを含むものである。
【0017】本発明において、感熱発色層における上記
染料前駆体の含有率は、一般に感熱発色層の乾燥重量の
5〜20重量%であることが好ましく、また、本発明の
式(I)の顕色剤化合物の含有率は、一般に感熱発色層
の乾燥重量の10〜50重量%であることが好ましい。
式(I)の顕色剤化合物の含有率が10重量%未満の場
合は、得られる感熱発色層の顕色能力に不足をきたし、
それが50重量%を越えて多量に用いられても顕色能力
が飽和して格別の改善は見られず、経済的に不利となる
ことがある。
【0018】本発明の感熱発色層に酸化防止剤又は紫外
線吸収剤が含まれる場合、その含有率は感熱発色層の重
量の1〜10重量%であることが好ましい。従来公知の
フェノール系あるいは有機酸系顕色剤が併用される場
合、その含有率は、感熱発色層の重量の5〜40重量%
であることが好ましく、また増感剤の含有率は、感熱発
色層の重量の10〜40重量%が好ましい。ワックス
類、白色顔料が感熱発色層に含まれる場合、その含有率
は、それぞれ、感熱発色層の重量の5〜20重量%、1
0〜50重量%であることが好ましく、またバインダー
の含有率は一般に、感熱発色層の重量の5〜20重量%
であることが好ましい。
【0019】上記の有機又は無機の顔料としては、例え
ば炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水
酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレ
ー、焼成クレー、タルク、および表面処理された炭酸カ
ルシウムやシリカ等の無機系微粉末、並びに、尿素−ホ
ルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、およ
びポリスチレン樹脂等の有機系の微粉末などをあげるこ
とができる。
【0020】またワックス類としては、例えば、パラフ
ィン、アミド系ワックス、ビスイミド系ワックス、高級
脂肪酸の金属塩など公知のものを用いることができる。
【0021】前記バインダーとしては、種々の分子量の
ポリビニルアルコール、デンプン及びその誘導体、メト
キシセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチル
セルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、
ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリ
ル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸
アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共重合
体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポ
リアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、およ
びカゼインなどの水溶性高分子材料、並びに、ポリ酢酸
ビニル、ポリウレタン、スチレン/ブタジエン共重合
体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビ
ニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレー
ト、エチレン/酢酸ビニル共重合体、およびスチレン/
ブタジエン/アクリル系共重合体等の各々のラテックス
を用いることができる。
【0022】本発明の感熱記録体に用いられるシート状
基体は、紙、表面に顔料、ラテックスなどを塗工したコ
ーテッド紙、ラミネート紙、ポリオレフィン系樹脂から
作られた合成紙、プラスチックフィルムなどから選ぶこ
とができる。
【0023】このようなシート状基体の少なくとも1面
上に、上記所要成分の混合物を含む塗布液を塗布し、乾
燥して感熱記録体を製造する。この塗布液の塗布量は、
塗布液層が乾燥したとき、1〜15g/m2 になること
が好ましく、2〜10g/m 2 になることが更に好まし
い。
【0024】本発明の感熱記録体においてその感熱発色
層上に、更に保護層、および/又は印刷層などのような
被覆層を形成してもよく、或は支持体と感熱発色層との
間に中間層を設けてもよい。
【0025】
【実施例】本発明を下記実施例により更に具体的に説明
する。これらの実施例において、特に断らない限り、
「部」および「%」は、それぞれ「重量部」および「重
量%」を表わす。
【0026】合成例1 o−(p−トルエンスルホニル
アミノカルボニルアミノ)安息香酸の合成 滴下ロート、および温度計を装着した三口フラスコに、
29.0gのo−アミノ安息香酸メチルエステルを入
れ、これを300mlのトルエンに溶解した。この溶液を
マグネティックスターラーで激しく攪拌しつつ、滴下ロ
ートより39.4gのトルエンスルホニルイソシアナー
トを滴下した。すると、滴下とともに発熱反応がおこ
り、白色の固体が析出したが、この混合液を90℃でさ
らに1時間攪拌すると均一な溶液となった。これに適量
のn−ヘキサンを加えて再結晶することにより58.2
gのo−(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルア
ミノ)安息香酸メチルエステルの白色結晶を得た。その
融点は125℃であった。
【0027】この白色固体を、10%含水エタノール3
00mlに27gの苛性カリを溶解した液に溶かし、90
℃で1時間加熱することにより上記化合物に加水分解を
施した。次に、得られた溶液を塩酸により酸性とした
後、大量の水にこの溶液を注ぎ、白色固体を得た。その
融点は168℃であった。NMR測定、質量分析および
IR測定により、得られた化合物が前記目的化合物であ
ることを同定した。
【0028】NMR測定(重アセトン中)の結果は以下
の通り。δ=2.42(s,3H),7.12(t,1
H),7.42(d,2H),7.57(t,1H),
8.00(d,2H),8.05(d,1H),8.3
9(d,1H)、その他にN−H結合に起因すると思わ
れるピークがδ=10.8付近に現われた。
【0029】またIR測定(KBr錠剤法)では以下の
特性吸収を確認した。 1720cm-1(カルボキシル基に由来する) 1680cm-1(尿素基のカルボニル基に由来する) 1345cm-1,1160cm-1(スルホニル基に由来す
る)
【0030】合成例2 p−(p−トルエンスルホニル
アミノカルボニルアミノ)安息香酸の合成 滴下ロート、および温度計を装着した三口フラスコに、
32.3gのp−アミノ安息香酸エチルエステルを入
れ、これを300mlのトルエンに溶解した。この溶液を
マグネティックスターラーで激しく攪拌しつつ、滴下ロ
ートより39.4gのトルエンスルホニルイソシアナー
トを滴下した。すると、滴下とともに発熱反応がおこ
り、白色の固体が大量に析出した。この混合液を90℃
でさらに1時間攪拌した後、冷却した。得られた反応液
を濾過して固体を取り出し、70.1gのp−(p−ト
ルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)安息香酸エ
チルエステルの白色結晶を得た。その融点は176℃で
あった。
【0031】この白色固体を、10%含水エタノール3
00mlに27gの苛性カリを溶解した液に溶かし、90
℃で1時間加熱して、上記化合物に加水分解を施した。
次に得られた溶液を、塩酸により酸性とした後、この溶
液を大量の水に注ぎ、白色固体を得た。その融点は20
0℃であった。NMR測定、質量分析およびIR測定に
より、得られた化合物が前記目的化合物であることを同
定した。
【0032】NMR測定(重アセトン中)の結果は以下
の通り。δ=2.45(s,3H),7.45(d,2
H),7.60(d,2H),8.00(d,4H)、
その他N−H結合に起因すると思われるピークがδ=
8.8付近に現われた。
【0033】またIR測定(KBr錠剤法)では以下の
特性吸収を確認した。 1700cm-1(カルボキシル基に由来する吸収と尿素基
のカルボニル基に由来する吸収の重積吸収) 1345cm-1、および1160cm-1(スルホニル基に由
来する)
【0034】実施例1 下記操作により感熱記録紙を製造した。 分散液Aの調製 成 分 重量(部) 3−(N−イソペンチル−N−エチルアミノ)− 20 6−メチル−7−アニリノフルオラン ポリビニルアルコール 10%液 10 水 70 上記組成物をサンドグラインダーにより、平均粒径が1
μm以下になるまで粉砕した。
【0035】 分散液Bの調製 成 分 重量(部) o−(p−トルエンスルホニル−アミノカルボニルアミノ) 10 安息香酸(化合物 No.1) シュウ酸ジp−メチルベンジルエステル 10 ポリビニルアルコール 10%液 10 水 70 上記組成物をサンドグラインダーにより、平均粒径が1
μm以下になるまで粉砕した。
【0036】顔料下塗り紙の調製 焼成クレイ(商標:アンシレックス)85部を水320
部に分散して得られた分散物に、スチレン〜ブタジエン
共重合物エマルジョン(固形分50%)40部、および
10%酸化でんぷん水溶液50部を混合して得られた塗
液を、坪量48g/m2 の原紙の1面上に、乾燥後の塗
布量が7.0g/m2 になるように塗工して、顔料下塗
り紙を作成した。
【0037】感熱発色層の形成 上記A液50部およびB液200部に、炭酸カルシウム
顔料30部、25%ステアリン酸亜鉛分散液20部、3
0%パラフィン分散液15部、および10%ポリビニル
アルコール水溶液100部を混合、攪拌し、塗布液を調
製した。この塗布液を、上記顔料下塗り紙の片面に、乾
燥後の塗布量が5.0g/m2 となるように塗布乾燥し
て感熱発色層を形成し、感熱記録紙を作成した。上記の
様にして得られた感熱記録紙をスーパーカレンダーによ
って処理し、その表面の平滑度を600〜1000秒と
した。
【0038】こうして得られた試料について、日立製作
所製の市販感熱ファクシミリ機を改造した動的発色試験
機を用い、0.49mj/dotの印加エネルギーで試
料を発色させた。得られた発色画像の濃度をマクベス反
射濃度計RD−914で測定した(これを元濃度と呼
ぶ)。次いでこの発色試料から所定の供試片を作成し、
発色後30分以内にこの供試片にサラダオイルまたはジ
オクチルテレフタレート(代表的可塑剤)を塗布し、室
温で3時間放置後、過剰のオイル又は可塑剤を拭き取
り、残存画像濃度をマクベス反射濃度計で測定し、下記
式に従って画像保存率を算出した。
【0039】 画像保存率(%)=〔(残存画像濃度)/(元濃度)〕×100 テスト結果を表1に示す。
【0040】実施例2 実施例1と同様にして感熱記録紙を製造した。但し、分
散液Bの調製にあたり、o−(p−トルエンスルホニル
アミノカルボニルアミノ)安息香酸のかわりに、p−
(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)安
息香酸(化合物 No.3)を用いた。テスト結果を表1に
示す。
【0041】実施例3 実施例1と同様にして感熱記録紙を製造した。但し、分
散液Bの調製にあたり、o−(p−トルエンスルホニル
アミノカルボニルアミノ)安息香酸のかわりに、o−
(o−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)安
息香酸(化合物 No.7)を用いた。またシュウ酸ジp−
メチルベンジルエステルのかわりに、シュウ酸ジベンジ
ルエステルを用いた。テスト結果を表1に示す。
【0042】実施例4 実施例1と同様にして感熱記録紙を製造した。但し、分
散液Aの調製にあたり、3−(N−イソペンチル−N−
エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
のかわりに、3−(N,N−ジブチルアミノ)−6−メ
チル−7−アニリノフルオランを用いた。テスト結果を
表1に示す。
【0043】実施例5 実施例1と同様にして感熱記録紙を製造した。但し、下
記組成を有する分散液Cを調製し、感熱発色層の形成に
おいて、分散液Bのかわりにこの分散液Cを用いた。分散液Cの調製 成 分 重量(部) o−(p−トルエンスルホニル−アミノカルボニルアミノ) 10 安息香酸(化合物 No.1) シュウ酸ジp−メチルベンジルエステル 10 40%酸化亜鉛分散液 15 ポリビニルアルコール 10%液 10 水 55 上記組成物をサンドグラインダーをもちい、平均粒径が
2μm以下になるまで粉砕した。テスト結果を表1に示
す。
【0044】実施例6 実施例1と同様にして感熱記録紙を製造した。但し、感
熱発色層の形成において、A液40部、およびB液12
0部に、実施例5に記載のC液40部を混合し、更に炭
酸カルシウム顔料40部、25%ステアリン酸亜鉛分散
液20部、30%パラフィン分散液15部、10%ポリ
ビニルアルコール水溶液120部、および濡れ助剤(ダ
プロU99)3部を混合、攪拌し、塗布液を調製した。
この塗布液を、合成紙(商標:ユポHBG−75、王子
油化合成紙社製)の片面に、乾燥後の塗布量が8.5g
/m2 となるように塗布乾燥して感熱発色層を形成し、
感熱記録紙を作成した。テスト結果を表1に示す。
【0045】比較例1 実施例1と同様にして感熱記録紙を製造した。但し、分
散液Bの調製にあたり、o−(p−トルエンスルホニル
アミノカルボニルアミノ)安息香酸のかわりに、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェ
ノールA)を用いた。テスト結果を第1表に示す。
【0046】
【表1】
【0047】前記表1から明らかなように、本発明に用
いられる新規顕色剤は、従来の顕色剤の代表であるビス
フェノールAに比べて、格段に優れた耐油性、耐可塑剤
性を発色画像に与えるものである。
【0048】
【発明の効果】本発明の感熱記録体は、その感熱発色層
中に、顕色剤として、1分子中にN−アリールスルホニ
ル尿素基とカルボキシル基とを有する化合物を含むもの
であって、それにより感熱発色層は良好な感度を有し、
かつこの感熱発色層に形成される発色画像は、発色直後
より、優れた耐油性および耐可塑剤性を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−19485(JP,A) 特開 昭62−282972(JP,A) 特開 昭63−203381(JP,A) 特開 平4−329187(JP,A) 特開 平5−571(JP,A) 特開 平5−32061(JP,A) 特開 平5−169834(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41M 5/28 - 5/34 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状基体と、このシート状基体の少
    なくとも一面に形成され、かつ、無色又は淡色の染料前
    駆体、およびこの染料前駆体と加熱下に反応してこれを
    発色させる顕色剤を含む感熱発色層とを有し、前記顕色
    剤が、下記一般式(I): 【化1】 (但し、R1 は、低級アルキル基、およびハロゲン原子
    から選ばれた少なくとも1員により置換された、および
    置換されていない芳香族基から選ばれた1員を表わし、
    2 、およびR3 は、それぞれ、互に独立に、水素原
    子、アルキル基、アルコキシ基、アラルキル基、アリー
    ル基、およびハロゲン原子から選ばれた1員を表わし、
    Mは、n価の金属原子を表し、およびnは、1以上の整
    数を表わす。)によって表わされる少なくとも一種の化
    合物を含む、ことを特徴とする感熱記録体。
JP3338705A 1991-12-20 1991-12-20 感熱記録体 Expired - Fee Related JP2982454B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3338705A JP2982454B2 (ja) 1991-12-20 1991-12-20 感熱記録体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3338705A JP2982454B2 (ja) 1991-12-20 1991-12-20 感熱記録体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05169832A JPH05169832A (ja) 1993-07-09
JP2982454B2 true JP2982454B2 (ja) 1999-11-22

Family

ID=18320694

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3338705A Expired - Fee Related JP2982454B2 (ja) 1991-12-20 1991-12-20 感熱記録体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2982454B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ATE326451T1 (de) 1998-08-21 2006-06-15 Daiichi Asubio Pharma Co Ltd Chinazolin derivate und therapeutische verwendungen davon
ATE360423T1 (de) 1999-11-01 2007-05-15 Daiichi Asubio Pharma Co Ltd Verwendung von chymase hemmern gegen vaskuläre lipidablagerung

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05169832A (ja) 1993-07-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH06199047A (ja) 感熱記録体
JPH06297860A (ja) 感熱記録体
JP2679524B2 (ja) 感熱記録体
JP2982454B2 (ja) 感熱記録体
JP3227858B2 (ja) 感熱記録体
JP2679498B2 (ja) 感熱記録体
JP3156384B2 (ja) 感熱記録体
JP2679497B2 (ja) 感熱記録体
JP3196439B2 (ja) 感熱記録体
JP2982462B2 (ja) 感熱記録体
JP3033437B2 (ja) 感熱記録体の製造方法
JP3304605B2 (ja) 感熱記録体
JP3156377B2 (ja) 感熱記録体
JP3257121B2 (ja) 感熱記録体
JP3632346B2 (ja) 感熱記録体
JPH06183158A (ja) 画像耐水性の改良された感熱記録体
JP2762870B2 (ja) 感熱記録体
JP3186319B2 (ja) 感熱記録体
JP3487037B2 (ja) 感熱記録体
JP3395398B2 (ja) 感熱記録体
JPH05185738A (ja) 感熱記録体
JPH05185737A (ja) 感熱記録体
JP2002331759A (ja) 感熱記録体
JPH05286253A (ja) 感熱記録体
JPH0725156A (ja) 感熱記録体

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees