JP2982462B2 - 感熱記録体 - Google Patents

感熱記録体

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JP2982462B2
JP2982462B2 JP4009030A JP903092A JP2982462B2 JP 2982462 B2 JP2982462 B2 JP 2982462B2 JP 4009030 A JP4009030 A JP 4009030A JP 903092 A JP903092 A JP 903092A JP 2982462 B2 JP2982462 B2 JP 2982462B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加熱によって発色画像
を形成する感熱記録体、特に一旦発色した画像の消失が
無く、記録画像の保存安定性に優れた感熱記録体に関す
るものである。さらに詳しく述べるならば、本発明は記
録画像の長期保存性が良好であって、同時に記録画像の
耐湿性、および耐熱性などの耐環境性、並びに耐油性、
および耐可塑剤性に優れ、画像記録紙、ファクシミリ用
紙、キャッシュディスペンサー用紙、乗車券、定期券、
POSラベル等のラベル、プリペイドカード等のカード
および通行券などに有用な感熱記録体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】感熱記録体は、一般に紙、合成紙、或は
プラスチックフィルム等の支持体上に、電子供与性ロイ
コ染料のような発色性物質と、電子受容性のフェノール
性化合物等の有機酸性物質のような顕色性物質とを主成
分として含有する感熱発色層を設けたものであって、こ
れらの発色成分を熱エネルギーによって反応させて記録
画像を形成することができる。このような感熱記録体は
特公昭43−4160号、特公昭45−14039号、
及び特公昭48−27736号などに開示されており、
広く実用化されている。
【0003】上記の構成を有する感熱記録体は、記録装
置がコンパクトで安価でかつ保守が容易であり、このた
め、電子計算機のアウトプット、ファクシミリ、自動券
売機、科学計測器のプリンター、あるいはCRT医療計
測用のプリンター等の広範囲の用途に使用されている。
しかし、支持体上に発色性染料物質、顕色性物質および
結着剤を有効成分とする感熱発色層を塗工して構成され
た従来のいわゆる染料型感熱記録体にあっては、発色反
応が可逆的であるため、発色画像が経時的に消色するこ
とが知られている。この消色反応は曝光、高湿、又は高
温雰囲気下において加速され、さらに可塑剤および油等
との接触によって速やかに進行し、画像は読み取り不可
能なレベルまで消色してしまう。
【0004】通常無色ないし淡色のラクトン環化合物を
主とする染料前駆体を使用する発色系を用いる感熱記録
体において、上記の消色現象を抑制するために数多くの
技術が開示されてきた。例えば、(1)特開昭60−7
8782号、特開昭59−167292号、特開昭59
−114096号、および特開昭59−93387号に
見られるようなフェノール系酸化防止剤を感熱発色層中
に配合したもの、(2)特開昭56−146796号に
見られるような疎水性高分子化合物エマルジョン等を保
護層に使用したもの、(3)特開昭58−199189
号に見られるように感熱発色層上に水溶性高分子化合物
または、疎水性高分子化合物エマルジョンを中間層とし
て設け、その上に疎水性高分子化合物を樹脂成分とする
油性塗料による表面層を設けたもの、(4)特開昭62
−164579号に見られるようなエポキシ化合物を含
有させたもの、および(5)特開昭62−169681
号に見られるような特定のサリチル酸誘導体の金属塩を
顕色剤として用いるもの等が知られている。
【0005】前述のフェノール系酸化防止剤を配合した
感熱発色層の発色画像においては、それを配合しない場
合に得られる画像に比べ、耐環境性は多少改良される
が、しかし耐油性(例えばサラダオイルを発色面に接触
させた場合の一定時間後の画像濃度の保存率)、および
耐可塑剤性(可塑剤を含有したラップフィルム等を発色
面に接触させた場合の一定時間後の画像濃度の保存率)
などについては改良が認められない。一方、保護層、又
は表面層を設けた感熱記録体の発色画像においては、耐
環境性はやや改良されるが、長時間の経過後の消色は避
けられない。また耐油性に関しても、オイルと接触させ
た直後の画像保存性は改良されるが、オイルの浸透にし
たがって画像はほぼ完全に消失してしまい、上記問題点
に対する本質的な解決策とはいえない。また、感熱発色
層中にエポキシ化合物を含有させたものでは、加熱発色
操作をしてから発色画像が油脂や可塑剤に対して安定化
されるまでに比較的長い時間が必要であり、例えば発色
直後に発色画像にサラダオイルを塗布したり、可塑剤と
接触させると、発色画像のかなりの部分が消色してしま
う。さらに、特定のサリチル酸金属塩を顕色剤として用
いるものは、発色画像の耐油性および耐可塑剤性は改良
されるが、加熱によって白紙部が発色する傾向があり、
又、有効な特定のサリチル酸の化学構造が複雑で高価で
あるという欠点を有する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術にお
ける上記問題点を解決し、発色画像の耐油性、耐可塑剤
性、耐湿性、耐熱性等にすぐれ、従って長期保存性に優
れた感熱記録体を提供しようとするものである。本発明
は、例えば自動券売機用感熱記録型の乗車券用として有
用であり、また保存性を必要とする回数券や定期券、お
よび可塑剤、又はポリ塩化ビニルフィルムで包装した食
品の包装のように油脂との接触が避けられない包装面に
貼付けるPOS用バーコードシステム用ラベルとして好
適であり、更に長期保存用のファクシミリ用紙やワープ
ロ用紙、およびCRT用画像プリンター用紙としても利
用できる感熱記録体を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決する為の手段】本発明者等は、発色画像形
成後可及的短時間内に、この発色画像の耐油性および耐
可塑剤性などの保存安定性改善効果が発現するような改
良された感熱発色層の開発に努力し、その結果、下記式
(III )により表わされるN−(メタ)アクリロイルア
ミノカルボニル基:
【化2】 を2個以上有する化合物が、染料前駆体に対して優れた
顕色能力を示し、かつそれによって得られる発色画像が
高い耐油、耐可塑剤性を有し、従って優れた長期保存安
定化効果を有することを発見し、本発明を完成するに至
った。
【0008】本発明の感熱記録体は、シート状基体と、
このシート状基体の少なくとも1面に形成され、かつ、
無色又は淡色の染料前駆体、およびこの染料前駆体と加
熱下に反応してこれを発色させる顕色剤を含む感熱発色
層とを有し、前記顕色剤が、下記一般式(I)および
(II):
【化3】 (ただし、上式中Xは、酸素又は硫黄原子を表わし、R
1 は水素原子、またはメチル基を表わし、R2 は、水素
原子、アルキル基、アラルキル基、アミノ基、アリール
オキシ基で置換されたアルキル基、置換基を有しない芳
香族基、並びに、アルキル基、アリール基、アラルキル
基、アルキルオキシ基、アルキルオキシカルボニル基、
アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボ
ニル基、アリールスルホニル基、ハロゲン原子から選ば
れた少なくとも1員により置換された芳香族基から選ば
れた1員を表わし、Aは、2価以上の価数を有する有機
基を表わし、nは2以上の整数を表わす。)によって表
わされる化合物から選ばれた少なくとも1種を含むこと
を特徴とするものである。
【0009】
【作用】本発明に用いられる式(I)および(II)の化
合物において、Aによって表わされる基は2価以上の価
数を有する限り、その種類に制限はないが、好ましいも
のとしては下記グループの化合物をあげることができ
る。 a:カルボニル基、チオカルボニル基、およびスルホニ
ル基などの2価以上の有機官能基。 b:脂肪族炭化水素から誘導された2価以上の有機基。 c:主鎖中に1個以上のヘテロ原子を含む脂肪族炭化水
素から誘導された2価以上の有機基。 d:主鎖中に1個以上カルボニル基、チオカルボニル
基、イミド基、イミノ基、スルホニル基、エステル結合
を含む脂肪族炭化水素から誘導された2価以上の有機
基。 e:主鎖中に置換又は無置換の芳香族炭化水素を1個以
上含む脂肪族炭化水素から誘導された2価以上の有機
基。 f:主鎖中に置換又は無置換のヘテロ芳香族を1個以上
含む脂肪族炭化水素から誘導された2価以上の有機基。 g:置換又は無置換の芳香族炭化水素から誘導された2
価以上の有機基。 h:置換又は無置換のヘテロ芳香環から誘導された2価
以上の有機基。 i:2個以上の芳香族炭化水素およびヘテロ芳香環化合
物が、上記a〜dの有機基で結合された化合物より誘導
された2価以上の有機基。
【0010】上記a〜iに属する基の代表的な例を下記
に示す。
【化4】
【0011】
【化5】
【0012】本発明において用いられる式(I)および
(II)の化合物は、染料前駆体に対して顕色剤として作
用するものである。すなわち式(I)および(II)の化
合物は、フェノール性の水酸基、あるいはカルボキシル
基などの酸性官能基を有しないが、塩基性のロイコ染料
などの染料前駆体に対し、強い顕色能力を有するのであ
る。これは式(I)および(II)の化合物中のアミノ基
が、それに隣接する(メタ)アクリロイル基により活性
化されているためと考えられる。また、式(I)および
(II)の化合物と染料前駆体とにより発色した画像が、
種々の環境下で高い長期保存性を示す理由としては、1
分子中に2個以上存在するN−(メタ)アクリロイルア
ミノカルボニル基(式(III ))の効果によるものと考
えられる。
【0013】本発明に用いられる式(I)および(II)
の化合物の具体的な例としては、下記のようなものをあ
げることができる。
【化6】
【0014】
【化7】
【0015】
【化8】
【0016】
【化9】
【0017】これら式(I)および(II)の化合物を単
独で用いてもよく、あるいはその2種以上を混合して用
いてもよい。上記のような式(I)および(II)の化合
物の多くは新規化合物であって、例えば下記の反応
(1)〜(3)により合成することができる。
【0018】
【化10】
【0019】本発明で染料前駆体として使用されるロイ
コ染料としては、トリフェニルメタン系、フルオラン
系、ジフェニルメタン系化合物等があり、これらは従来
公知のものから選ぶことができる。例えば、3−(4−
ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−
エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザ
フタリド、クリスタルバイオレットラクトン、3−(N
−エチル−N−イソペンチルアミノ)−6−メチル−7
−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6
−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラ
ン、3−(N−エチル−N−p−トルイジノ)−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−
メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ
−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−シ
クロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−
アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−
クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7
−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3
−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン、およ
び3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、
3−(N−エチル−N−ヘキシルアミノ)−6−メチル
−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン等から選ばれ
た1種以上を染料前駆体として用いることができる。
【0020】又、本発明においては、所望の効果を阻害
しない範囲でフェノール類又は、有機酸からなる従来公
知の顕色剤を、本発明の式(I)および/または(II)
の化合物と併用することができる。これら従来の顕色剤
としては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン(ビスフェノールA)、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、
1,4−ビス〔1−メチル−1−(4′−ヒドロキシフ
ェニル)エチル〕ベンゼン、1,3−ビス〔1−メチル
−1−(4′−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼ
ン、ジヒドロキシジフェニルエーテル(特開平1−18
0382号)、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル(特開
昭52−140483号)、ビスフェノールS、4−ヒ
ドロキシ−4′−イソプロピルオキシジフェニルスルホ
ン(特開昭60−13852号)、1,1−ジ(4−ヒ
ドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,7−ジ(4−
ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン
(特開昭59−52694号)、および3,3′−ジア
リル−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン(特
開昭60−208286号)などを用いることができ
る。
【0021】更に本発明においては、感熱発色層中に熱
可融性物質(いわゆる増感剤)を併用することが好まし
い。このような増感剤としては、融点50℃〜150℃
の熱可融性有機化合物が用いられ、例えば、1−ヒドロ
キシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル(特開昭57−
191089号)、p−ベンジルビフェニル(特開昭6
0−82382号)、ベンジルナフチルエーテル(特開
昭58−87094号)、ジベンジルテレフタレート
(特開昭58−98285号)、p−ベンジルオキシ安
息香酸ベンジル(特開昭57−201691号)、炭酸
ジフェニル、炭酸ジトリル(特開昭58−136489
号)、m−ターフェニル(特開昭57−89994
号)、1,2−ビス(m−トリルオキシ)エタン(特開
昭60−56588号)、1,5−ビス(p−メトキシ
フェノキシ)−3−オキサペンタン(特開昭62−18
1183号)、シュウ酸ジエステル類(特開昭64−1
583号)、1,4−ビス(p−トリルオキシ)ベンゼ
ン(特開平2−153783号)などから選ぶことがで
きる。
【0022】又、本発明の感熱発色層は、さらにヒンダ
ードフェノール化合物、又は紫外線吸収剤を含んでいて
もよい。それらの化合物は例えば、特開昭57−151
394号、特開昭58−160191号、特開昭58−
69096号、特開昭59−2884号、特開昭59−
95190号、特開昭60−22288号、特開昭60
−255485号、特開昭61−44686号、特開昭
62−169683号、特開昭63−17081号、お
よび特開平1−249385号に記載されており、具体
的に例示するならば、1,1,3−トリス(3′−シク
ロヘキシル−4′−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,
1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t
ert−ブチルフェニル)ブタン、4,4′−チオビス
(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、
1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5
−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベ
ンゼン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキ
シベンゾフェノン、p−オクチルフェニルサリシレー
ト、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)
ベンゾトリアゾール、エチル−2−シアノ−3,3′−
ジフェニルアクリレート、およびテトラ(2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4
−ブタンテトラカルボエートなどである。
【0023】本発明の感熱記録体の感熱発色層は、おも
に染料前駆体と、本発明の上記式(I)および(II)の
化合物の少なくとも1種からなる顕色剤と、および所望
により増感剤を含有するものである。さらに、感熱発色
層は、必要に応じて従来公知のフェノール系あるいは有
機酸系顕色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、またはワッ
クス類を含むことができる。また感熱発色層は、有機又
は無機顔料類を含んでいることが好ましく、更に、これ
らの成分をシート状基体に固着するためのバインダーを
含むものである。
【0024】感熱発色層における上記染料前駆体の含有
率は、一般に感熱発色層の5〜20重量%であることが
好ましく、本発明の式(I)および(II)の化合物の少
なくとも1種からなる顕色剤の含有率は、一般に10〜
50重量%であることが好ましい。前記顕色剤の含有率
が10重量%未満では顕色能力に不足をきたし、また、
それを50重量%を越えて多量に用いても顕色能力が飽
和して格別の改善は見られず、経済的に不利となること
がある。
【0025】感熱発色層に酸化防止剤又は紫外線吸収剤
が含まれる場合、その含有率は一般に感熱発色層の1〜
10重量%であることが好ましい。従来公知のフェノー
ル系あるいは有機酸系顕色剤が本発明の顕色剤と併用さ
れる場合、その含有率は、5〜40重量%であることが
好ましい。また増感剤が用いられる場合、その含有率は
10〜40重量%が好ましい。ワックス類、又は顔料が
感熱発色層に含まれる場合、その含有率はそれぞれ5〜
20重量%、10〜50重量%であることが好ましい。
また感熱発色層におけるバインダーの含有率は一般に5
〜20重量%である。
【0026】上記の有機又は無機の顔料としては、例え
ば炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水
酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレ
ー、焼成クレー、タルク、および表面処理された炭酸カ
ルシウムやシリカ等の無機系微粉末、並びに、尿素−ホ
ルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、およ
びポリスチレン樹脂等の有機系の微粉末などをあげるこ
とができる。
【0027】またワックス類としては、例えば、パラフ
ィン、アミド系ワックス、ビスイミド系ワックス、高級
脂肪酸の金属塩など公知のものを用いることができる。
【0028】前記バインダーとしては、種々の分子量の
ポリビニルアルコール、デンプン及びその誘導体、メト
キシセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチル
セルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、
ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリ
ル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸
アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共重合
体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポ
リアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、およ
びカゼインなどの水溶性高分子材料、並びに、ポリ酢酸
ビニル、ポリウレタン、スチレン/ブタジエン共重合
体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビ
ニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレー
ト、エチレン/酢酸ビニル共重合体、およびスチレン/
ブタジエン/アクリル系共重合体等の各々のラテックス
を用いることができる。
【0029】本発明の感熱記録体に用いられるシート状
基体は、紙、表面に顔料、ラテックスなどを塗工したコ
ーテッド紙、ラミネート紙、ポリオレフィン系樹脂から
作られた合成紙、およびプラスチックフィルムなどから
選ぶことができる。
【0030】このようなシート状基体の少なくとも1面
上に、上記所要成分の混合物を含む塗布液を塗布し、乾
燥して感熱発色層を形成し、感熱記録体を製造する。感
熱発色層の塗布量は、塗布液層が乾燥したとき1〜15
g/m2 となることが好ましく、2〜10g/m2 が特
に好ましい。本発明の感熱記録体において、その感熱発
色層上に更に保護層、印刷層などのような被覆層を形成
してもよい。
【0031】
【実施例】下記実施例により本発明を具体的に説明す
る。実施例中の「部」および「%」は、特に断らない限
り、それぞれ「重量部」および「重量%」を表わす。
【0032】実施例1 下記操作により感熱記録紙を作成した。 1)分散液Aの調製 成 分 重量部 3−(N−イソペンチル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7 20 −アニリノフルオラン ポリビニルアルコール 10%液 10 水 70 上記組成物をサンドグラインダーを用い、平均粒径が1
μm以下になるまで粉砕した。
【0033】 2)分散液Bの調製 成 分 重量部 4,4′−ビス(N−メタクリロイルアミノカルボニルオキシ) 10 −ジフェニルメタン(化合物番号14) シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル 10 ポリビニルアルコール 10%液 10 水 70 上記組成物をサンドグラインダーを用い、平均粒径が1
μm以下になるまで粉砕した。
【0034】3)顔料下塗り紙の調製 焼成クレイ(商標:アンシレックス)85部を水320
部に分散して得られた分散物に、スチレン〜ブタジエン
共重合物エマルジョン(固形分50%)40部、および
10%酸化でんぷん水溶液50部を混合して塗布液を調
製し、この塗布液を、坪量48g/m2 の上質紙の上
に、乾燥後の塗布量が7.0g/m2 になるように塗工
して、顔料下塗り紙を作成した。
【0035】4)感熱発色層の形成 上記A液50部、およびB液200部に、炭酸カルシウ
ム顔料30部、25%ステアリン酸亜鉛分散液20部、
30%パラフィン分散液15部、および10%ポリビニ
ルアルコール水溶液100部を混合、攪拌し、塗布液を
調製した。この塗布液を、上記顔料下塗り紙の片面に、
乾燥後の塗布量が5.0g/m2 となるように塗布乾燥
して感熱発色層を形成し、感熱記録紙を作成した。上記
の様にして得られた感熱記録紙をスーパーカレンダーに
よって処理し、その表面の平滑度を600〜1000秒
とした。
【0036】5)テスト 上記感熱記録紙の試料について、日立製作所製の市販感
熱ファクシミリ機を改造した動的発色試験機を用い、
0.49mj/dot の印加エネルギーで発色させた。得ら
れた発色画像の濃度をマクベス反射濃度計RD−914
で測定した(これを元画像濃度と記す)。次に、この発
色試料から所定の供試片を作成し、発色後30分以内
に、この供試片にサラダオイルまたはジオクチルテレフ
タレート(代表的可塑剤)を塗布し、室温で3時間放置
後、供試片から過剰のオイル又は可塑剤を拭き取り、残
存画像濃度をマクベス反射濃度計で測定し、以下の式に
従って画像保存率を算出した。 画像保存率(%)=D/D0 ×100 〔但し、D0 は元画像濃度を表わし、Dは残存画像濃度
を表わす。〕テスト結果を表1に示す。
【0037】実施例2 実施例1と同様にして感熱記録紙を作成した。但し、分
散液Bの調製にあたり、4,4′−ビス(N−メタクリ
ロイルアミノカルボニルオキシ)−ジフェニルメタンの
かわりに、4,4′−ビス(N−メタクリロイルアミノ
カルボニルアミノ)−ジフェニルメタン(化合物番号1
5)を用いた。テスト結果を表1に示す。
【0038】実施例3 実施例1と同様にして感熱記録紙を作成した。但し、分
散液Bの調製にあたり、4,4′−ビス(N−メタクリ
ロイルアミノカルボニルオキシ)−ジフェニルメタンの
かわりに、4,4′−ビス(N−メタクリロイルアミノ
カルボニルアミノ)−ジフェニルスルホン(化合物番号
20)を用い、またシュウ酸ジ−p−メチルベンジルエ
ステルのかわりに、シュウ酸ジベンジルエステルを用い
た。テスト結果を表1に示す。
【0039】実施例4 実施例1と同様にして感熱記録紙を作成した。但し、感
熱発色層の形成において、A液40部、B液120部、
炭酸カルシウム顔料40部、25%ステアリン酸亜鉛分
散液20部、30%パラフィン分散液15部、10%ポ
リビニルアルコール水溶液120部、および濡れ助剤
(商標:ダプロU99、サンノプコ社製)3部を混合、
攪拌し、塗布液とした。この塗布液を、合成紙(商標:
ユポFPG−80、王子油化合成紙社製)の片面に、乾
燥後の塗布量が8.5g/m2 となるように塗布乾燥し
て感熱発色層を形成し、感熱記録紙を作成した。テスト
結果を表1に示す。
【0040】実施例5 実施例1と同様にして感熱記録紙を作成した。但し、分
散液Aの調製にあたり、3−(N−イソペンチル−N−
エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
のかわりに、3−(N,N−ジブチルアミノ)−6−メ
チル−7−アニリノフルオランを用いた。テスト結果を
表1に示す。
【0041】比較例1 実施例1と同様にして感熱記録紙を作成した。ただし、
分散液Bの調製にあたり、4,4′−ビス(N−メタク
リロイルアミノカルボニルオキシ)−ジフェニルメタン
のかわりに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン(ビスフェノールA)を用いた。テスト結果を
表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】前記表1から明らかなように、本発明に用
いられる新規顕色剤は、従来の代表的顕色剤、ビスフェ
ノールAに比べて、格段に優れた耐油性、耐可塑剤性を
示す発色画像を形成することができる。
【0044】
【発明の効果】本発明の感熱記録体は、その感熱発色層
中に、顕色剤として、1分子中に2個以上のN−(メ
タ)アクリロイルアミノカルボニル基(式(III))を有
する化合物を含み、この為、この感熱発色層に形成され
る発色画像は、発色直後より、優れた耐油性および耐可
塑剤性を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−341889(JP,A) 特開 昭63−173682(JP,A) 特開 昭63−179788(JP,A) 特開 平1−97683(JP,A) 特開 昭59−169890(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41M 5/28 - 5/34 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状基体と、このシート状基体の少
    なくとも1面に形成され、かつ、無色又は淡色の染料前
    駆体、およびこの染料前駆体と加熱下に反応してこれを
    発色させる顕色剤を含む感熱発色層とを有し、前記顕色
    剤が、下記一般式(I)および(II): 【化1】 (ただし、上式中Xは、酸素又は硫黄原子を表わし、R
    1 は、水素原子、またはメチル基を表わし、R2 は、水
    素原子、アルキル基、アラルキル基、アミノ基、アリー
    ルオキシ基で置換されたアルキル基、置換基を有しない
    芳香族基、並びに、アルキル基、アリール基、アラルキ
    ル基、アルキルオキシ基、アルキルオキシカルボニル
    基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカ
    ルボニル基、アリールスルホニル基、およびハロゲン原
    子から選ばれた少なくとも1員により置換された芳香族
    基から選ばれた1員を表わし、Aは、2価以上の価数を
    有する有機基を表わし、nは、2以上の整数を表わ
    す。)によって表わされる化合物から選ばれた少なくと
    も1種を含むことを特徴とする感熱記録体。
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