JP3304605B2 - 感熱記録体 - Google Patents

感熱記録体

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JP3304605B2
JP3304605B2 JP09182394A JP9182394A JP3304605B2 JP 3304605 B2 JP3304605 B2 JP 3304605B2 JP 09182394 A JP09182394 A JP 09182394A JP 9182394 A JP9182394 A JP 9182394A JP 3304605 B2 JP3304605 B2 JP 3304605B2
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誠 西岡
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加熱によって発色画像
を形成する感熱記録体に関するものである。更に詳しく
述べるならば、本発明は、一旦発色した画像の消失が無
く、記録の保存安定性に優れ、かつ記録感度の高い感熱
記録体に関するものである。本発明の感熱記録体は、記
録画像の長期保存性が良好であって、同時に記録画像の
耐湿性、耐熱性などの耐環境性、さらに耐油性、耐可塑
剤性に優れ、かつ記録感度と白色度が高く、画像記録
紙、ファクシミリ用紙、キャッシュディスペンサー用
紙、乗車券、定期券、POSラベル等のラベル、プリペ
イドカード等のカードおよび通行券などに有用なもので
ある。
【0002】
【従来の技術】感熱記録体は、一般に紙、合成紙、プラ
スチックフィルム等の支持体上に電子供与性ロイコ染料
のような発色性物質と電子受容性のフェノール性化合物
等の有機酸性物質のような顕色性物質を主成分とする感
熱発色層を設けてなり、それらを熱エネルギーによって
反応させて記録画像を得ることができる。このような感
熱記録体は特公昭43−4160号、特公昭45−14
039号、及び特開昭48−27736号などに開示さ
れており、広く実用化されている。
【0003】感熱記録体は、記録装置がコンパクトで安
価でかつ保守が容易であることから、電子計算機のアウ
トプット、ファクシミリ、自動券売機、科学計測器のプ
リンター、あるいはCRT医療計測用のプリンター等に
広範囲に使用されている。しかし、支持体上に発色性染
料物質、顕色性物質および結着剤を有効成分とする感熱
発色層を塗工した従来のいわゆる染料型感熱記録体にあ
っては、発色反応が可逆的であるため、発色画像が経時
的に消色することが知られている。この消色は曝光、高
湿、高温雰囲気下に加速され、さらに可塑剤および油等
の接触によって速やかに進行し、画像は読み取り不可能
なレベルまで消色してしまう。
【0004】通常無色ないし淡色のラクトン環化合物を
主とする染料を使用する発色系を用いる場合、この消色
現象を抑制するために数多くの手段が開示されてきた。
例えば特開昭60−78782号、特開昭59−167
292号、特開昭59−114096号、および特開昭
59−93387号に見られるようなフェノール系酸化
防止剤を感熱発色層中に配合したもの、また、特開昭5
6−146796号に見られるような疎水性高分子化合
物エマルジョン等を保護層に使用したもの、あるいは、
特開昭58−199189号公報に見られるように感熱
発色層上に水溶性高分子化合物または、疎水性高分子化
合物エマルジョンを中間層として設け、その上に疎水性
高分子化合物を樹脂成分とする油性塗料による表面層を
設けたもの、さらには特開昭62−164579号に見
られるようなエポキシ化合物を含有させたもの等が知ら
れている。
【0005】前述のフェノール系酸化防止剤を配合した
感熱発色層においては、それがない場合の画像に比べ、
耐環境性は多少改良されるが、耐油性(例えばサラダオ
イルを発色面に接触させた場合の一定時間後の画像濃度
の保存率)、耐可塑剤性(可塑剤を含有したラップフィ
ルム等を発色面に接触させた場合の一定時間後の画像濃
度の保存率)などについては改良が認められない。一
方、保護層、表面層を設けた感熱記録体は、耐環境性は
かなり改良されるが、長時間の試験では消色は避けられ
ない。また耐油性に関しても、オイルと接触させた直後
の画像保存性は改良されるが、オイルの浸透にしたがっ
て画像はほぼ完全に消失してしまい、上記問題点に対す
る本質的な解決策とはいえない。また、エポキシ化合物
を含有させたものでは、加熱発色操作をしてから発色画
像が安定化されるまでに比較的長い時間が必要であり、
例えば発色直後に発色画像にサラダオイルを塗布した
り、可塑剤と接触させると発色画像はそのかなりの部分
が消色してしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術の上
記問題点を解決し、発色画像の耐油性、耐可塑剤性、耐
湿性、耐熱性等に優れ、従って長期保存性に優れ、かつ
記録感度の高い感熱記録体を提供しようとするものであ
る。本発明は、例えば自動券売機用感熱記録型の乗車券
として使用できるだけでなく、保存性を必要とする回数
券や定期券などへの使用、可塑剤、油脂との接触が避け
られないポリ塩化ビニルフィルムで包装した食品の包装
面に貼付けるPOS用バーコードシステム用のラベルな
どにも適し、また、長期保存用のファクシミリ用紙やワ
ープロ用紙、CRT用画像プリンター用紙としても有用
な感熱記録体を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】特定の化学構造スルホニ
ル(チオ)ウレア基を有する化合物が、強い顕色能力を
有し、更に油や可塑剤などに対する保存性にも優れてい
ることは、特開平5−32061号、特開平5−147
357号や特開平5−148220号等で既に開示され
ており、これらの化合物は、フェノール性水酸基やある
いはカルボキシル基などの、酸性官能基を有していない
ことを特徴としていた。本発明者等は、スルホニル(チ
オ)ウレア基を有している化合物について更に鋭意検討
した結果、一分子中に少なくとも1個のスルホニル(チ
オ)ウレア基を有し、さらに少なくとも1個のヒドロキ
シル基を有している後記式(I)及び/又は(II)の芳
香族化合物を顕色剤として用いると、上記の化合物と同
様に、油や可塑剤などに対する保存性に非常に優れた画
像を形成し、更に非常に高い記録感度を有し、白色度も
高い感熱記録体を製造できることを発見し、本発明を完
成するに至った。
【0008】本発明の感熱記録体は、シート状基体と、
このシート状基体の少なくとも一面に形成され、かつ、
無色又は淡色の染料前駆体、およびこの染料前駆体と加
熱下に反応してこれを発色させる顕色剤を含む感熱発色
層とを有し、前記顕色剤が、一般式(I)および(I
I):
【化3】 (ただし式(I)において、Aは、無置換の芳香族環基
又は低級アルキル基、ハロゲン原子、低級アルコキシ基
の少なくとも1員により置換された芳香族環基を表し、
Bは、少なくとも1個のヒドロキシル基により置換され
た芳香族環基、あるいは少なくとも1個のヒドロキシル
基により置換された芳香族環基を有するアラルキル基を
表し、前記芳香族環基、およびアラルキル基中の芳香族
環基が、さらに低級アルキル基、アリール基、ハロゲン
原子、低級アルコキシ基の少なくとも1員により置換さ
れていてもよく、また、式(II)において、Aは、上記
と同様であり、Dは、少なくとも1個のヒドロキシル基
により置換された2価の炭化水素基を表す。) で表される芳香族化合物から選ばれた少なくとも1種を
含むことを特徴とするものである。上記式(I)及び
(II)の芳香族化合物は、感熱記録体の顕色剤としてバ
ランスの良好な性能を有し、有用なものである。
【0009】
【0010】本発明の感熱記録体において、少なくとも
1個の式(I)のスルホニル(チオ)ウレア基と、少な
くとも1個のヒドロキシル基を有する顕色剤芳香族化合
物が、下記式(III):
【化4】 により表されるN−(p−トルエンスルホニル)−N′
−(4−ヒドロキシフェニル)ウレアであることが好ま
しい。
【0011】
【作用】式(I)の化合物において、Aは、無置換の芳
香族環基、又は低級アルキル基、ハロゲン原子、低級ア
ルコキシ基の少なくとも1員により置換された芳香族環
基を表すが、好ましいA基は、例えば下記式により表さ
れるものである。
【化5】
【0012】また、式(I)の化合物において、Bは少
なくとも1個のヒドロキシル基により置換された芳香族
環基(この芳香族環基は、さらに低級アルキル基、アリ
ール基、ハロゲン原子、低級アルコキシ基の少なくとも
1員により置換されていてもよい。)、あるいは少なく
とも1個のヒドロキシル基により置換された芳香族環基
を有するアラルキル基(この芳香族環基がさらに低級ア
ルキル基、アリール基、ハロゲン原子、低級アルコキシ
基の少なくとも1員により置換されていてもよい。)を
表すが、好ましいB基は、例えば下記式により表される
ものである。
【化6】
【0013】上記式(I)の顕色剤芳香族化合物におい
て、前記式(III)により表されるN−(p−トルエン
スルホニル)−N′−(4−ヒドロキシフェニル)ウレ
アが、本発明の感熱記録体に有効に用いられる。
【0014】式(II)の化合物において、Aは式(I)
において規定されたものと同一であり、Dは、少なくと
も1個のヒドロキシル基により置換された2価の炭化水
素基であり、好ましいD基は、例えば、下記のグループ
から選ぶことができる。
【0015】(a)少なくとも1個のヒドロキシル基に
より置換された脂肪族炭化水素から誘導された2価の
基、 (b)主鎖中に1つ以上のヘテロ原子を含み、かつ少な
くとも1個のヒドロキシル基により置換された脂肪族炭
化水素から誘導された2価の基、 (c)少なくとも1個のヒドロキシル基を有する少なく
とも1個の芳香族環基によって、置換された脂肪族炭化
水素から誘導された2価の基 (d)主鎖中に、少なくとも1個のヒドロキシル基を有
する芳香族環基を1個以上含む脂肪族炭化水素から誘導
された2価の基
【0016】(e)少なくとも1個のヒドロキシル基を
有する芳香族環基から誘導された2価の基 (f)少なくとも1個のヒドロキシル基を有する2個以
上の芳香族環基が、(ア)脂肪族炭化水素から誘導され
た2価又はそれ以上の基により、あるいは(イ)カルボ
ニル基、スルホニル基などの2価の基により、あるいは
(ウ)酸素原子、イオウ原子などの2価の原子により、
あるいは(エ)直接に、結合している化学構造を有する
化合物から誘導された2価の基
【0017】上記(a)〜(f)に属する基(D基)の
代表的な例を下記に示す。
【化7】
【0018】
【化8】
【0019】本発明において用いられる顕色剤芳香族化
合物は、一分子中に1個以上のスルホニル(チオ)ウレ
ア基と、1個以上のヒドロキシル基を有しているもので
あり、また染料前駆体に対して顕色作用を示すものであ
る。この化合物を具体的に例示すれば下記の通りであ
る。N−(p−トルエンスルホニル)−N′−(4−ヒ
ドロキシフェニル)ウレア、N−(p−トルエンスルホ
ニル)−N′−(2−ヒドロキシフェニル)ウレア、N
−(p−トルエンスルホニル)−N′−(3−ヒドロキ
シフェニル)ウレア、N−(p−トルエンスルホニル)
−N′−(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ウレ
ア、N−(p−トルエンスルホニル)−N′−(4−ヒ
ドロキシフェニル−3,5−ジクロロフェニル)ウレ
ア、N−(p−トルエンスルホニル)−N′−(4−ヒ
ドロキシフェニル−3−ニトロフェニル)ウレア、N−
(p−トルエンスルホニル)−N′−(4−ヒドロキシ
フェニル−2,3−ジメチルフェニル)ウレア、N−
(p−トルエンスルホニル)−N′−(4−ヒドロキシ
フェニル−1−ナフチル)ウレア、N−(p−トルエン
スルホニル)−N′−{4−(2−ヒドロキシエチル)
フェニル}ウレア、ベンゼンスルホニル−N′−(4−
ヒドロキシフェニル)ウレア、o−トルエンスルホニル
−N′−(4−ヒドロキシフェニル)ウレア、p−クロ
ロスルホニル−N′−(4−ヒドロキシフェニル)ウレ
ア、p−メトキシベンゼンスルホニル−N′−(4−ヒ
ドロキシフェニル)ウレア、3,3′−ビス(p−トル
エンスルホニルアミノカルボニルアミノ)−4,4′−
ジヒドロキシビフェニル、N−(p−トルエンスルホニ
ル)−N′−(4′−ヒドロキシベンジル)ウレア、N
−(p−トルエンスルホニル)−N′−(4′−ヒドロ
キシフェネチル)ウレア、N−(p−トルエンスルホニ
ル)−N′−(2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル)
ウレア、N−(p−トルエンスルホニル)−N′−(3
−ヒドロキシメチルフェニル)ウレア、N−(p−トル
エンスルホニル)−N′−(2−ヒドロキシメチルフェ
ニル)ウレア、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ビ
ス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)
−ジフェニルメタン、3,3′−ジヒドロキシ−4,
4′−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニル
アミノ)−ジフェニルメタン、2,2′−ジヒドロキシ
−5,5′−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカル
ボニルアミノ)−ジフェニルメタン。これらの化合物は
単独で用いられても良く、あるいはその2種以上を混合
して用いてもよい。
【0020】本発明の感熱記録体において染料前駆体と
して使用されるロイコ染料は、トリフェニルメタン系、
フルオラン系、ジフェニルメタン系化合物等の従来公知
のものから選ぶことができる。このような染料前駆体と
しては、例えば、3−(4−ジエチルアミノ−2−エト
キシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインド
ール−3−イル)−4−アザフタリド、クリスタルバイ
オレットラクトン、3−(N−エチル−N−イソペンチ
ルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−
ジメチルアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N
−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフル
オラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリ
ノフルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチル
アミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−
ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチ
ルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メ
チル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6
−メチルフルオラン、および3−シクロヘキシルアミノ
−6−クロロフルオラン、3−(N−エチル−N−ヘキ
シルアミノ)−6−メチル−7−(p−クロロアニリ
ノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロ
ロアニリノ)フルオラン等から選ばれた1種以上を用い
ることができる。
【0021】又、本発明においては、所望の効果を阻害
しない範囲でフェノール類又は、有機酸および非フェノ
ール性のスルホニル(チオ)ウレア系からなる従来既知
の顕色剤を、本発明の顕色剤化合物と併用することがで
きる。これら従来の顕色剤化合物は、例えば、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノ
ールA)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
1−フェニルエタン、1,4−ビス(1−メチル−1−
(4′−ヒドロキシフェニル)エチル)ベンゼン、1,
3−ビス(1−メチル−1−(4′−ヒドロキシフェニ
ル)エチル)ベンゼン、ジヒドロキシジフェニルエーテ
ル(特開平1−180382号)p−ヒドロキシ安息香
酸ベンジル(特開昭52−140483号)、 ビスフ
ェノールS、4−ヒドロキシ−4′−イソプロピルオキ
シジフェニルスルホン(特開昭60−13852号)、
1,1−ジ(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサ
ン、1,7−ジ(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3,
5−ジオキサヘプタン(特開昭59−52694号)、
3,3′−ジアリル−4,4′−ジヒドロキシジフェニ
ルスルホン(特開昭60−208286号)、 N−
(p−トルエンスルホニル)−N′−フェニルウレア、
N−(p−トルエンスルホニル)−N′−(p−メトキ
シフェニル)ウレア、N−(p−トルエンスルホニル)
−N′−(o−トリル)ウレア、N−(p−トルエンス
ルホニル)−N′−(m−トリル)ウレア、N−(p−
トルエンスルホニル)−N′−(p−トリル)ウレア、
N−(p−トルエンスルホニル)−N′−ベンジルウレ
ア(以上、特開平5−32061号)、4,4′−ビス
(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)−
ジフェニルメタン、4,4′−ビス(o−トルエンスル
ホニルアミノカルボニルアミノ)−ジフェニルメタン、
4,4′−ビス(ベンゼンスルホニルアミノカルボニル
アミノ)−ジフェニルメタン、1,2−ビス〔4′−
(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)フ
ェニルオキシ〕エタン、4,4′−ビス(p−トルエン
スルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルエーテ
ルおよび3,3′−ビス(p−トルエンスルホニルアミ
ノカルボニルアミノ)ジフェニルスルホン(以上、特開
平5−147357号)などである。
【0022】更に本発明においては、感熱発色層中に熱
可融性物質(いわゆる増感剤)を併用することが好まし
い。増感剤としては、融点50−150℃の熱可融性有
機化合物が用いられ、それらは例えば、1−ヒドロキシ
−2−ナフトエ酸フェニルエステル(特開昭57−19
1089号)、p−ベンジルビフェニル(特開昭60−
82382号)、ベンジルナフチルエーテル(特開昭5
8−87094号)、ジベンジルテレフタレート(特開
昭58−98285号)、p−ベンジルオキシ安息香酸
ベンジル(特開昭57−201691号)、炭酸ジフェ
ニル、炭酸ジトリル(特開昭58−136489号)、
m−ターフェニル(特開昭57−89994号)、1,
2−ビス(m−トリルオキシ)エタン(特開昭60−5
6588号)、1,5−ビス(p−メトキシフェノキ
シ)−3−オキサペンタン(特開昭62−181183
号)、シュウ酸ジエステル類(特開昭64−158
3)、1,4−ビス(p−トリルオキシ)ベンゼン(特
開平2−153783号)、シュウ酸ジ(4−メチルベ
ンジル)(特公平5−62597)、1,2 −ジ(3−
メチルフェノキシ)エタン(特開昭60−5658
8)、ジフェニルスルホン(特公昭60−1566
7)、ベンゼンスルホアニリド(特開昭58−2114
93)、2−クロロアセトアセトアニリド、4−エトキ
シメチルスルホニルベンゼン、4−メトキシアセトアセ
トアニリド、o−メチルアセトアニリド、4−メトキシ
ベンゼンスルホアニリド、3,4−ジメチルアセトアニ
リド、2−メトキシベンゼンスルホアニリドなどから選
ぶことができる。
【0023】本発明の感熱記録体の感熱発色層は、おも
にロイコ染料からなる染料前駆体と、本発明の新規顕色
剤化合物とを含み、さらに、好ましくは増感剤を含むも
のである。感熱発色層は、必要に応じて、前述の従来既
知のフェノール系顕色剤、有機酸系顕色剤あるいは非フ
ェノール性のスルホニル(チオ)ウレア系顕色剤、また
はワックス類を含むことができ、また、有機又は無機顔
料類を含んでいることが好ましく、更に、これらの成分
を支持体に固着するためのバインダーを含むものであ
る。
【0024】感熱発色層における上記染料前駆体の含有
率は、一般に感熱発色層の乾燥重量の5〜20重量%で
あることが好ましく、本発明の顕色剤化合物の含有率
は、一般に10〜50重量%であることが好ましい。顕
色剤化合物の含有率が10重量%未満では顕色能力に不
足をきたし、それが50重量%を超えると、顕色能力が
飽和して、もはや格別の改善は見られず、経済的に不利
となることがある。
【0025】従来既知のフェノール系顕色剤、有機酸系
顕色剤およびあるいは非フェノール系のスルホニル(チ
オ)ウレア系顕色剤を用いる場合、その含有率は、5〜
40重量%であることが好ましく、また増感剤を用いる
場合、その含有率は10〜40重量%が好ましい。ワッ
クス類、白色顔料が感熱発色層に含まれる場合、その含
有率はそれぞれ5〜20重量%、10〜50重量%であ
ることが好ましく、またバインダーの含有率は一般に5
〜20重量%である。
【0026】上記の有機又は無機の顔料としては、例え
ば炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水
酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレ
ー、焼成クレー、タルク、および表面処理された炭酸カ
ルシウムやシリカ等の無機系微粉末の他、並びに、尿素
−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、
およびポリスチレン樹脂等の有機系の微粉末などを挙げ
ることができる。
【0027】またワックス類としては、例えば、パラフ
ィン、アミド系ワックス、ビスイミド系ワックス、高級
脂肪酸の金属塩などを用いることができる。
【0028】前記バインダーについては、種々の分子量
のポリビニルアルコール、デンプン及びその誘導体、メ
トキシセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチ
ルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導
体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、ア
クリル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリ
ル酸アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共
重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ
塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチ
ン、およびカゼインなどの水溶性高分子材料、並びに、
ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン/ブタジエン
共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、
塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリ
レート、エチレン/酢酸ビニル共重合体、およびスチレ
ン/ブタジエン/アクリル系共重合体等の各々のラテッ
クスを用いることができる。
【0029】本発明の感熱記録体に用いられるシート状
基体は、紙、表面に顔料、ラテックスなどを塗工したコ
ーテッド紙、ラミネート紙、ポリオレフィン系樹脂から
作られた合成紙、プラスチックフィルムなどから選ぶこ
とができる。このようなシート状基体の少なくとも1面
上に、上記所要成分の混合物を含む塗布液を塗布し、乾
燥して感熱記録体を製造する。塗布量は、塗布液層が乾
燥した状態で1〜15g/m2 が好ましく、2〜10g
/m2 が特に好ましい。本発明の感熱記録体においてそ
の感熱発色層上に更に保護層、印刷層などのような被覆
層を形成することもできる。
【0030】
【実施例】下記に実施例を示し、本発明を具体的に説明
する。特に断らない限り、「部」および「%」は、それ
ぞれ「重量部」および「重量%」をあらわす。
【0031】合成例1(N−(p−トルエンスルホニル)−N′−
(4−ヒドロキシフェニル)ウレアの合成) 滴下ロート、温度計、および還流器を装備した三口フラ
スコに、21.8gのp−アミノフェノールを入れ、こ
れに200mlのアセトニトリルを加えて撹拌し、p−ア
ミノフェノールの一部を溶解した。得られた反応溶液を
マグネティックスターラーで撹拌しつつ、滴下ロートよ
り39.4gのトルエンスルホニルイソシアナートを滴
下した。反応混合液の撹拌を継続すると、発熱反応がお
こり、大量の白色固体が沈澱した。この反応混合物を9
0℃で1時間加熱し、冷却し、濾過により60.0gの
白色結晶を得た。
【0032】この白色結晶の分析値は以下の通り。 融点:171℃ 元素分析結果を表1に示す。
【表1】
【0033】NMR測定(重アセトン中)の結果(数字
はppm): δ=2.45(s,3H)、6.70(d,2H)、
7.22(d,2H)、7.40(d,2H)、7.9
2(d、2H)、 その他、N−H又はO−Hに起因すると思われるピーク
がδ=8.2付近と9.5に現われた。 IR測定(KBr 錠剤法)の結果(特性吸収のみ): 1670cm-1(尿素基のカルボニル基に由来) 1340cm-1、1160cm-1(スルホニル基に由来)
【0034】合成例2(N−(p−トルエンスルホニ
ル)−N′−(4−ヒドロキシフェニル−3,5−ジク
ロロフェニル)ウレアの合成) 合成例1と同様の操作を行った。ただし、21.8gの
p−アミノフェノールのかわりに35.6gの4−アミ
ノ−2,6−ジクロロフェノールを用いた。73.5g
の白色結晶を得た。
【0035】この白色結晶の分析値は以下の通り。 融点:210℃ NMR測定(重アセトン中)の結果(数字はppm): δ=2.45(s,3H)、7.40(d,2H)、
7.50(d,2H)、7.95(d,2H) その他、N−H又はO−Hに起因すると思われるピーク
がδ=8.4付近と9.7に現われた。 IR測定(KBr 錠剤法)の結果(特性吸収のみ): 1670cm-1(尿素基のカルボニル基に由来) 1340cm-1、1160cm-1(スルホニル基に由来)
【0036】実施例1 下記操作により感熱記録紙を作製した。 分散液A調製 成 分 量(部) 3−(N−イソペンチル−N−エチル アミノ)−6−メチル−7−アニリノ フルオラン 20 ポリビニルアルコール 10%液 10 水 70 上記組成物をサンドグラインダーをもちい、平均粒径が
1μm以下になるまで粉砕した。
【0037】 分散液B調製 成 分 量(部) N−(p−トルエンスルホニル)− N′−(4−ヒドロキシフェニル)ウレア 10 ジフェニルスルホン 10 ポリビニルアルコール 10%液 10 水 70 上記組成物をサンドグラインダーをもちい、平均粒径が
1μm以下になるまで粉砕した。
【0038】 顔料下塗り紙の作製 焼成クレイ(商品名アンシレックス)85部を水320
部に分散して得られた分散物に、スチレン〜ブタジエン
共重合物エマルジョン(固形分50%)40部、および
10%酸化でんぷん水溶液50部を混合して塗液を調製
し、この塗液を48g/m2 の原紙の表面上に、乾燥後
の塗布量が7.0g/m2 になるように塗工して、顔料
下塗り紙を作製した。
【0039】 感熱発色層の形成 上記A液50部およびB液200部に、炭酸カルシウム
顔料33部、25%ステアリン酸亜鉛分散液20部、3
0%パラフィン分散液15部、および10%ポリビニル
アルコール水溶液120部を混合、撹拌し、塗布液とし
た。この塗布液を、上記顔料下塗り紙の片面に、乾燥後
の塗布量が5.0g/m2 となるように塗布乾燥して感
熱発色層を形成し、感熱記録紙を作成した。上記の様に
して得られた感熱記録紙をスーパーカレンダーによって
処理し、その表面の平滑度を800〜1200秒とし
た。
【0040】こうして得られた試料について、大倉電機
製感熱発色試験機THPMDを用いて、印字電圧21.
7v、印字パルス1.0msの条件で印字した。この印字
発色濃度はマクベス反射濃度計RD−914で測定し
た。テスト結果を表1に示す。次に、この発色試料から
供試片を採取し、この供試片にサラダオイルまたはジオ
クチルテレフタレート(代表的可塑剤)を塗布し、室温
で3時間放置後、過剰のオイルまたは可塑剤を拭き取
り、残存画像濃度をマクベス反射濃度計で測定し、これ
を画像保存性を代表する値とした。テスト結果を表2に
示す。
【0041】実施例2 実施例1と同様の操作を行なった。但し、分散液Bの調
製にあたり、N−(p−トルエンスルホニル)−N′−
(4−ヒドロキシフェニル)ウレアのかわりに、N−
(p−トルエンスルホニル)−N′−(4−ヒドロキシ
フェニル−3,5−ジクロロフェニル)ウレアを用い
た。テスト結果を表2に示す。
【0042】実施例3 実施例1と同様の操作を行なった。但し、分散液Bの調
製にあたり、N−(p−トルエンスルホニル)−N′−
(4−ヒドロキシフェニル)ウレアのかわりに、3,
3′−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニル
アミノ)−4,4′−ジヒドロキシビフェニルを用い、
またジフェニルスルホンのかわりにシュウ酸ジパラメチ
ルベンジルエステルを用いた。テスト結果を表2に示
す。
【0043】実施例4 実施例1と同様の操作を行なった。但し、分散液Bの調
製にあたり、N−(p−トルエンスルホニル)−N′−
(4−ヒドロキシフェニル)ウレアのかわりに、2,
2′−ジヒドロキシ−5,5′−ビス(p−トルエンス
ルホニルアミノカルボニルアミノ)−ジフェニルメタン
を用い、またジフェニルスルホンのかわりにシュウ酸ジ
ベンジルエステルを用いた。テスト結果を表2に示す。
【0044】比較例1 実施例1と同様の操作を行なった。ただし、分散液Bの
調製にあたり、N−(p−トルエンスルホニル)−N′
−(4−ヒドロキシフェニル)ウレアのかわりに、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフ
ェノールA)を用いた。テスト結果を表2に示す。
【0045】比較例2 実施例1と同様の操作を行なった。ただし、分散液Bの
調製にあたり、N−(p−トルエンスルホニル)−N′
−(4−ヒドロキシフェニル)ウレアのかわりに、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)スルホン(ビスフェノール
S)を用いた。テスト結果を表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】前記表2から明らかなように、本発明の新
規顕色剤化合物は、従来顕色剤の代表であるビスフェノ
ールAを凌駕する発色能力を示し、かつ発色画像の保存
性が良い顕色剤といわれるビスフェノールSを凌駕する
良好な耐油性、耐可塑剤性を示す。
【0048】
【発明の効果】本発明の感熱記録体は、その感熱発色層
に含まれる特定の新規顕色剤芳香族化合物によって、従
来の顕色剤を用いたものよりも優れた発色性能および良
好な保存安定性を示し、従って、実用上きわめて有用な
ものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−208041(JP,A) 特開 平6−64335(JP,A) 特開 平6−64334(JP,A) 特開 平6−25147(JP,A) 特開 平6−1074(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/28 - 5/34 CAPLUS(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状基体と、このシート状基体の少
    なくとも一面に形成され、かつ、無色又は淡色の染料前
    駆体、およびこの染料前駆体と加熱下に反応してこれを
    発色させる顕色剤を含む感熱発色層とを有し、 前記顕色剤が、下記一般式(I)および(II): 【化1】 (ただし式(I)において、Aは、無置換の芳香族環
    基、又は低級アルキル基、ハロゲン原子、低級アルコキ
    シ基の少なくとも1員により置換された芳香族環基を表
    し、Bは、少なくとも1個のヒドロキシル基により置換
    された芳香族環基、あるいは少なくとも1個のヒドロキ
    シル基により置換された芳香族環基を有するアラルキル
    基を表し、前記芳香族環基、およびアラルキル基中の芳
    香族環基が、さらに低級アルキル基、アリール基、ハロ
    ゲン原子、低級アルコキシ基の少なくとも1員により置
    換されていてもよく、 また、式(II)において、Aは、上記と同様であり、D
    は、少なくとも1個のヒドロキシル基により置換された
    2価の炭化水素基を表す。) の芳香族化合物から選ばれた少なくとも1種を含むこと
    を特徴とする感熱記録体。
  2. 【請求項2】 前記顕色剤芳香族化合物が、下記式(II
    I): 【化2】 により表されるN−(p−トルエンスルホニル)−N′
    −(4−ヒドロキシフェニル)ウレアである、請求項1
    に記載の感熱記録体。
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