JP3395398B2 - 感熱記録体 - Google Patents

感熱記録体

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JP3395398B2
JP3395398B2 JP24013194A JP24013194A JP3395398B2 JP 3395398 B2 JP3395398 B2 JP 3395398B2 JP 24013194 A JP24013194 A JP 24013194A JP 24013194 A JP24013194 A JP 24013194A JP 3395398 B2 JP3395398 B2 JP 3395398B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、加熱によって発色画像
を形成する感熱記録体に関するものであり、特に一旦発
色した画像の消失が無く、記録の保存安定性に優れ、か
つ記録感度の高い感熱記録体に関するものである。さら
に詳しく述べるならば、本発明は、記録の長期保存性が
良好であって、同時に記録画像の耐湿性、耐熱性などの
耐環境性、さらに耐油性、耐可塑剤性に優れ、かつ記録
感度と白色度が高く、画像記録紙、ファクシミリ用紙、
キャッシュディスペンサー用紙、乗車券、定期券、PO
Sラベル等のラベル、プリペイドカード等のカードおよ
び通行券などに有用な感熱記録体に関するものである。 【0002】 【従来の技術】感熱記録体は、一般に紙、合成紙、プラ
スチックフィルム等の支持体上に、電子供与性ロイコ染
料のような発色性物質と、電子受容性のフェノール性化
合物等の有機酸性物質のような顕色性物質とを主成分と
する感熱発色層を設けたものであって、それらを熱エネ
ルギーによって反応させて記録画像を得ることができ
る。このような感熱記録体は、特公昭43−4160
号、特公昭45−14039号、及び特開昭48−27
736号などに開示されており、広く実用化されてい
る。 【0003】感熱記録体は、記録装置がコンパクトで安
価でかつ保守が容易であることから、電子計算機のアウ
トプット、ファクシミリ、自動券売機、科学計測器のプ
リンター、あるいはCRT医療計測用のプリンター等に
広範囲に使用されている。しかし、支持体上に発色性染
料物質、顕色性物質および結着剤を有効成分とする感熱
発色層を塗工した従来のいわゆる染料型感熱記録体にあ
っては、発色反応が可逆的であるため、発色画像が経時
的に消色することが知られている。この消色は曝光、高
湿、高温雰囲気下に加速され、さらに可塑剤および油等
の接触によって速やかに進行し、画像は読み取り不可能
なレベルまで消色してしまう。 【0004】通常無色ないし淡色のラクトン環化合物を
主とする染料を使用する発色系を用いた場合、この消色
現象を抑制するために数多くの技術が開発されてきた。
例えば特開昭60−78782号、特開昭59−167
292号、特開昭59−114096号、および特開昭
59−93387号に見られるようなフェノール系酸化
防止剤を感熱発色層中に配合したもの、また、特開昭5
6−146796号に見られるような疎水性高分子化合
物エマルジョン等を保護層に使用したもの、あるいは、
特開昭58−199189号公報に見られるように感熱
発色層上に水溶性高分子化合物または、疎水性高分子化
合物エマルジョンを中間層として設け、その上に疎水性
高分子化合物を樹脂成分とする油性塗料による表面層を
設けたもの、また、特開昭62−164579号に見ら
れるようなエポキシ化合物を含有させたもの、さらに特
開昭62−169681号に見られるような特定のサリ
チル酸誘導体の金属塩を顕色剤として使用するもの等が
知られている。 【0005】前述のフェノール系酸化防止剤を配合した
感熱発色層においては、それを配合しない場合の画像に
比べ、耐環境性は多少改良されるが、耐油性(例えばサ
ラダオイルを発色面に接触させた場合の一定時間後の画
像濃度の保存率)、耐可塑剤性(可塑剤を含有したラッ
プフィルム等を発色面に接触させた場合の一定時間後の
画像濃度の保存率)などについては改良が認められな
い。 【0006】一方、保護層、表面層を設けた感熱記録体
は、耐環境性はかなり改良されるが、長時間の試験では
消色は避けられない。また耐油性に関しても、オイルと
接触させた直後の画像保存性は改良されるが、オイルの
浸透にしたがって画像はほぼ完全に消失してしまい、上
記問題点に対する本質的な解決策とはいえない。 【0007】また、エポキシ化合物を含有させたもので
は、加熱発色操作をしてから発色画像が安定化されるま
でに比較的長い時間が必要であり、例えば発色直後に発
色画像にサラダオイルを塗布したり、可塑剤と接触させ
ると発色画像はそのかなりの部分が消色してしまう。 【0008】特定のサリチル酸誘導体の金属塩を顕色剤
として用いるものは、耐油性耐可塑剤性は改良される
が、耐熱試験における白紙部の発色が見られ、また、有
効な特定のサリチル酸の化学構造が複雑で高価であると
いう欠点を有する。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術の上
記問題点を解決し、耐油性、耐可塑剤性、耐湿性、耐熱
性等に依存する発色画像の長期保存性に優れ、かつ記録
感度の高い感熱記録体を提供しようとするものである。
本発明は、例えば自動券売機用感熱記録型の乗車券とし
て使用できるだけでなく、保存性を必要とする回数券や
定期券などへの使用、可塑剤、油脂との接触が避けられ
ないポリ塩化ビニルフィルムで包装した食品の包装面に
貼付けるPOS用バーコードシステム用のラベルなどに
も適している。また、長期保存用のファクシミリ用紙や
ワープロ用紙、CRT用画像プリンター用紙としても、
有用な感熱記録体を提供することができる。 【0010】 【課題を解決するための手段】特定の化学構造スルホニ
ル(チオ)ウレア基を有する化合物が、強い顕色能力を
有し、更に油や可塑剤などに対する保存性にも優れてい
ることは、特開平5−32061号、特開平5−147
357号、および特開平5−148220号等に既に開
示されている。上記スルホニル(チオ)ウレイド化合物
は、フェノール性ヒドロキシル基、あるいはカルボキシ
ル基などのような酸性官能基を有していないことを特徴
としている。本発明者等は、スルホニル(チオ)ウレア
基を有している化合物について更に鋭意検討した結果、
一般式(I)により表される芳香族化合物を顕色剤とし
て用いて得られた発色画像は、油や可塑剤などに対する
保存性に非常に優れ、また、このような化合物を顕色剤
として含む感熱発色層は高い記録感度を有し、それによ
って白色度も高い感熱記録体を製造できることを発見
し、本発明を完成するに至った。 【0011】本発明の感熱記録体は、シート状基体、お
よび、このシート状基体の少なくとも一面に形成され、
かつ、無色又は淡色の染料前駆体と、この染料前駆体と
加熱下に反応してこれを発色させる顕色剤とを含む感熱
発色層を有し、前記顕色剤が、一般式(I): 【化2】 (ただし上式中、Xは酸素原子または硫黄原子を表し、
Aは、無置換の芳香環基、或は低級アルキル基、ハロゲ
ン原子、および低級アルコキシ基の少なくとも1員によ
り置換された芳香環基を表し、Bは、ヒドロキシル基お
よびカルボキシル基により置換された芳香環基、あるい
は、ヒドロキシル基およびカルボキシル基により置換さ
れたアラルキル基を表し、前記芳香環基および前記アラ
ルキル基のアリール基部が、さらに低級アルキル基、ア
リール基、ハロゲン原子、および低級アルコキシ基の少
なくとも1員により置換されていてもよい。)で表され
る少なくとも1種の芳香族化合物を含むことを特徴とす
るものである。 【0012】本発明の感熱記録体において、式(I)の
化合物は、感熱記録紙の顕色剤として特にバランスのと
れた性能を示す。 【0013】式(I)の化合物において、Aにより表さ
れる無置換および置換芳香環基は、好ましくは、下記の
基から選ぶことができる。 【化3】 【0014】また、式(I)の化合物において、Bによ
り表されるヒドロキシル基およびカルボキシル基により
置換された芳香族環基およびアラルキル基は、下記式の
基から選ばれることが好ましい。 【化4】【0015】 【作用】本発明において用いられる式(I)の芳香族化
合物は、その一分子中にスルホニル(チオ)ウレア基
と、ヒドロキシル基とカルボキシル基とを有するもの
で、顕色剤として作用する。この芳香族化合物を具体的
に例示すれば下記の通りである。 【0016】N−(p−トルエンスルホニル)−N’−
(4−カルボキシ−3−ヒドロキシフェニル)ウレア、
N−(p−トルエンスルホニル)−N’−(4−カルボ
キシ−2−ヒドロキシフェニル)ウレア、N−(p−ト
ルエンスルホニル)−N’−(3−カルボキシ−4−ヒ
ドロキシフェニル)ウレア、N−(p−トルエンスルホ
ニル)−N’−(3−カルボキシ−5−ヒドロキシフェ
ニル)ウレア、N−(p−トルエンスルホニル)−N’
−(2−カルボキシ−4−ヒドロキシフェニル)ウレ
ア、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−(4−カ
ルボキシ−5−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)ウレ
ア、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−(4−カ
ルボキシ−5−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)ウレ
ア、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−(4−カ
ルボキシ−5−ヒドロキシ−2−ニトロフェニル)ウレ
ア、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−(4−カ
ルボキシ−5−ヒドロキシ−1−ナフチル)ウレア、ベ
ンゼンスルホニル−N’−(4−カルボキシ−3−ヒド
ロキシフェニル)ウレア、o−トルエンスルホニル−
N’−(4−カルボキシ−3−ヒドロキシフェニル)ウ
レア、p−クロロスルホニル−N’−(4−カルボキシ
−3−ヒドロキシフェニル)ウレア、p−メトキシベン
ゼンスルホニル−N’−(4−カルボキシ−3−ヒドロ
キシフェニル)ウレア,N−(p−トルエンスルホニ
ル)−N’−(4’−カルボキシ−3’−ヒドロキシベ
ンジル)ウレア、およびN−(p−トルエンスルホニ
ル)−N’−(4’−カルボキシ−3’−ヒドロキシフ
ェネチル)ウレア。これらの化合物は単独で用いられて
も良く、あるいはその2種以上を混合して用いてもよ
い。 【0017】本発明の感熱記録体において、染料前駆体
として使用されるロイコ染料は、トリフェニルメタン
系、フルオラン系、ジフェニルメタン系化合物等から選
ぶことができる。このような染料前駆体として、例え
ば、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニ
ル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−
イル)−4−アザフタリド、クリスタルバイオレットラ
クトン、3−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)
−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチル
アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ
エチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルア
ニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−p−トル
イジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−
ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−
6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルア
ミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ
エチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリ
ノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7
−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル
フルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフ
ルオラン、3−(N−エチル−N−ヘキシルアミノ)−
6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、
および3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリ
ノ)フルオラン等から選ばれた1種以上を用いることが
できる。 【0018】又、本発明においては、所望の効果を阻害
しない範囲でフェノール類又は、有機酸および非フェノ
ール性のスルホニル(チオ)ウレア系からなる従来公知
の顕色剤化合物を本発明の顕色剤化合物と併用すること
ができる。これら従来の顕色剤化合物としては、例え
ば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
(ビスフェノールA)、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−1−フェニルエタン、1,4−ビス(1−
メチル−1−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル)ベ
ンゼン、1,3−ビス(1−メチル−1−(4’−ヒド
ロキシフェニル)エチル)ベンゼン、ジヒドロキシジフ
ェニルエーテル(特開平1−180382号)、p−ヒ
ドロキシ安息香酸ベンジル(特開昭52−140483
号)、ビスフェノールS,4−ヒドロキシ−4’−イソ
プロピルオキシジフェニルスルホン(特開昭60−13
852号)、1,1−ジ(4−ヒドロキシフェニル)シ
クロヘキサン、1,7−ジ(4−ヒドロキシフェニルチ
オ)−3,5−ジオキサヘプタン(特開昭59−526
94号)、3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキ
シジフェニルスルホン(特開昭60−208286
号)、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−フェニ
ルウレア、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−
(p−メトキシフェニル)ウレア、N−(p−トルエン
スルホニル)−N’−(o−トリル)ウレア、N−(p
−トルエンスルホニル)−N’−(m−トリル)ウレ
ア、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−(p−ト
リル)ウレア、N−(p−トルエンスルホニル)−N’
−ベンジルウレア(以上、特開平5−32061号)、
4,4’−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボ
ニルアミノ)−ジフェニルメタン、4,4’−ビス(o
−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)−ジフ
ェニルメタン、4,4’−ビス(ベンゼンスルホニルア
ミノカルボニルアミノ)−ジフェニルメタン、1,2−
ビス [4’−(p−トルエンスルホニルアミノカルボニ
ルアミノ)フェニルオキシ] エタン、4,4’−ビス
(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジ
フェニルエーテル、および3,3’−ビス(p−トルエ
ンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルスル
ホン(以上、特開平5−147357号)などを用いる
ことができる。 【0019】更に本発明においては、感熱発色層中に熱
可融性物質(いわゆる増感剤)を併用することが好まし
い。増感剤としては、融点50−150℃の熱可融性有
機化合物が用いられ、それらは、例えば、1−ヒドロキ
シ−2−ナフトエ酸フェニルエステル(特開昭57−1
91089号)、p−ベンジルビフニル(特開昭60−
82382号)、ベンジルナフチルエーテル(特開昭5
8−87094号)、ジベンジルテレフタレート(特開
昭58−98285号)、p−ベンジルオキシ安息香酸
ベンジル(特開昭57−201691号)、炭酸ジフェ
ニル、炭酸ジトリル(特開昭58−136489号)、
m−ターフェニル(特開昭57−89994号)、1,
2−ビス(m−トリルオキシ)エタン(特開昭60−5
6588号)、1,5−ビス(p−メトキシフェノキ
シ)−3−オキサペンタン(特開昭62−181183
号)、シュウ酸ジエステル類(特開昭64−1583
号)、1,4−ビス(p−トリルオキシ)ベンゼン(特
開平2−153783号)、シュウ酸ジ(4−メチルベ
ンジル)(特公平5−62597号)、1,2−ジ(3
−メチルフェノキシ)エタン(特開昭60−56588
号)ジフェニルスルホン(特公昭60−15667
号)、ベンゼンスルホアニリド(特開昭58−2114
93号)、2−クロロアセトアセトアニリド、4−エト
キシメチルスルホニルベンゼン、4−メトキシアセトア
セトアニリド、o−メチルアセトアニリド、4−メトキ
シベンゼンスルホアニリド、3,4−ジメチルアセトア
ニリド、および2−メトキシベンゼンスルホアニリドな
どから選ぶことができる。 【0020】本発明の感熱記録体の感熱発色層は、おも
に染料前駆体と、本発明の新規顕色剤化合物と、バイン
ダーとを含むものであり、前述のように増感剤を含むこ
とが好ましい。また感熱発色層は、必要に応じて、従来
公知のフェノール系顕色剤、有機酸系顕色剤あるいは非
フェノール性のスルホニル(チオ)ウレア系顕色剤、ま
たはワックス類を含むことができる。また、有機又は無
機顔料類を含んでいることが好ましい。バインダーはこ
れらの成分を支持体に固着する。 【0021】感熱発色層における上記染料前駆体の含有
率は、一般に感熱発色層の乾燥重量の5〜20重量%で
あることが好ましい。また本発明の顕色剤化合物の含有
率は、一般に10〜50重量%であることが好ましい。
本発明の顕色剤化合物の含有率が10重量%未満では顕
色能力に不足をきたすことがあり、またそれを50重量
%を超過する量で用いても顕色能力が飽和して格別の改
善は見られず、経済的に不利となることがある。 【0022】従来公知のフェノール系顕色剤、有機酸系
顕色剤あるいは非フェノール系のスルホニル(チオ)ウ
レア系顕色剤を併合する場合、その含有率は5〜40重
量%であることが好ましい。また増感剤の含有率は10
〜40重量%が好ましい。ワックス類、白色顔料が感熱
発色層に含まれる場合、その含有率はそれぞれ5〜20
重量%、10〜50重量%であることが好ましく、また
バインダーの含有率は一般に5〜20重量%である。 【0023】上記の有機又は無機の顔料としては、例え
ば炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水
酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレ
ー、焼成クレー、タルク、および表面処理された炭酸カ
ルシウムやシリカ等の無機系微粉末の他、並びに、尿素
−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、
およびポリスチレン樹脂等の有機系の微粉末などを用い
ることができる。 【0024】またワックス類としては、例えば、パラフ
ィン、アミド系ワックス、ビスイミド系ワックス、高級
脂肪酸の金属塩など公知のものを用いることができる。 【0025】バインダーについては、種々の分子量のポ
リビニルアルコール、デンプン及びその誘導体、メトキ
シセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセ
ルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポ
リアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリル
酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸ア
ミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共重合
体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポ
リアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、およ
びカゼインなどの水溶性高分子材料、並びに、ポリ酢酸
ビニル、ポリウレタン、スチレン/ブタジエン共重合
体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビ
ニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレー
ト、エチレン/酢酸ビニル共重合体、およびスチレン/
ブタジエン/アクリル系共重合体等の各々のラテックス
を用いることができる。 【0026】本発明の感熱記録体に用いられるシート状
基体は、紙、表面に顔料、および/又はラテックスなど
を塗工したコーテッド紙、ラミネート紙、ポリオレフィ
ン系樹脂から作られた合成紙、プラスチックフィルムな
どから選ぶことができる。このようなシート状基体の少
なくとも1面上に、上記所要成分の混合物を含む塗布液
を塗布し、乾燥して感熱発色層を形成し、感熱記録体を
製造する。感熱発色層の塗布量は、塗布液層が乾燥した
状態で1〜15g/m2 であることが好ましく、2〜1
0g/m2 であることがさらに好ましい。 【0027】本発明の感熱記録体においてその感熱発色
層上に更に保護層、印刷層などのような被覆層を形成す
ることもできる。 【0028】 【実施例】本発明を下記実施例によりさらに説明する。
特に断らない限り、「部」および「%」は、それぞれ
「重量部」および「重量%」をあらわす。 【0029】合成例1(N−(p−トルエンスルホニ
ル)−N’−(4−カルボキシ−3−ヒドロキシフェニ
ル)ウレアの合成) 滴下ロート、温度計、および還流器を装着した三口フラ
スコに、30.6gの4−アミノ−2−ヒドロキシ−安
息香酸を入れ、さらに200mlのアセトニトリルを加え
て撹拌し、4−アミノ−2−ヒドロキシ−安息香酸の一
部をアセトニトリル中に溶解した。この反応溶液をマグ
ネティックスターラーで撹拌しつつ、それに、滴下ロー
トより39.4gのトルエンスルホニルイソシアナート
を滴下した。撹拌を継続すると、発熱反応がおこり、大
量の白色固体が沈澱した。反応混合物をさらに90℃で
1時間加熱し、その後冷却し、濾過して69.5gの白
色結晶を得た。 【0030】この白色結晶の分析値は以下の通り。 融点:198℃NMR測定(重アセトン中)の結果(数字はppm): δ=
2.45(s,3H),6.95(d,1H),7.1
5(s,1H),7.40(d,2H),7.75
(d,1H),7.92(d,2H)、その他、N−H
又はO−Hに起因すると思われるピークがδ=8.6付
近と9.7に現われた。 【0031】IR測定(KBr錠剤法)の結果(特性吸
収のみ): 1660cm-1(尿素基のカルボニル基に由来) 1700cm-1(カルボキシル基のカルボニル基に由来) 1340cm-1,1160cm-1(スルホニル基に由来) 【0032】合成2(N−(p−トルエンスルホニル)
−N’−(3−カルボキシ−4−ヒドロキシフェニル)
ウレアの合成) 合成例1と同様の操作を行った。ただし、30.6gの
4−アミノ−2−ヒドロキシ−安息香酸のかわりに、3
0.6gの5−アミノ−2−ヒドロキシ−安息香酸を用
いた。69.2gの白色結晶を得た。 【0033】この白色結晶の分析値は以下の通り。 融点:220℃NMR測定(重アセトン中)の結果(数字はppm): δ=
2.45(s,3H),6.90(d,1H),7.2
0(s,1H),7.45(d,2H),7.70
(d,1H),7.90(d,2H)、その他、N−H
又はO−Hに起因すると思われるピークがδ=8.6付
近と9.2に現われた。 【0034】IR測定(KBr錠剤法)の結果(特性吸
収のみ): 1670cm-1(尿素基のカルボニル基に由来) 1690cm-1(カルボキシル基のカルボニル基に由来) 1340cm-1,1160cm-1(スルホニル基に由来) 【0035】実施例1 下記操作により感熱記録紙を作製した。 分散液A調製 成 分 量(部) 3−(N−イソペンチル−N−エチル アミノ)−6−メチル−7−アニリノ フルオラン 20 ポリビニルアルコール 10%液 10 水 70 上記組成物をサンドグラインダーにより、平均粒径が1
μm以下になるまで粉砕した。 【0036】 分散液B調製 成 分 量(部) N−(p−トルエンスルホニル)−N’ −(4−カルボキシ−3−ヒドロキシ フェニル)ウレア 10 ジフェニルスルホン 10 ポリビニルアルコール 10%液 10 水 70 上記組成物をサンドグラインダーにより、平均粒径が1
μm以下になるまで粉砕した。 【0037】 顔料下塗り紙の調製 焼成クレイ(商品名アンシレックス)85部を水320
部に分散して得られた分散物に、スチレン〜ブタジエン
共重合物エマルジョン(固形分50%)40部と、10
%酸化でんぷん水溶液50部とを混合して塗液を調製し
た。この塗液を、坪量48g/m2 の原紙の1面上に乾
燥後の塗布量が7.0g/m2 になるように塗工し、乾
燥して、顔料下塗り紙を調製した。 【0038】 感熱発色層の形成 上記A液50部およびB液200部に、炭酸カルシウム
顔料33部、25%ステアリン酸亜鉛分散液20部、3
0%パラフィン分散液15部、および10%ポリビニル
アルコール水溶液120部を混合し、撹拌して塗布液を
調製した。この塗布液を、上記顔料下塗り紙の塗装面上
に、乾燥後の塗布量が5.0g/m2 となるように塗布
乾燥して感熱発色層を形成し、感熱記録紙を作製した。 【0039】 カレンダー処理 上記の様にして得られた感熱記録紙をスーパーカレンダ
ーによって処理し、その表面の平滑度を800〜120
0秒とした。 【0040】 テスト こうして得られた試料について、大倉電機製感熱発色試
験機THPMDを用いて、印字電圧21.7v、印字パ
ルス1.0msの条件で印字した。この印字発色濃度をマ
クベス反射濃度計RD−914で測定した。テスト結果
を表1に示す。次に、この発色試料から供試片を採取
し、この供試片にサラダオイルまたはジオクチルテレフ
タレート(代表的可塑剤)を塗布し、室温で3時間放置
後、残存するオイルまたは可塑剤を拭き取り、残存画像
濃度をマクベス反射濃度計で測定し、この測定値をもっ
て画像保存性を代表する値とした。テスト結果を表1に
示す。 【0041】実施例2 実施例1と同様にして感熱記録紙を作製した。但し、分
散液Bの調製にあたり、N−(p−トルエンスホニル)
−N’−(4−カルボキシ−3−ヒドロキシフェニル)
ウレアのかわりに、N−(p−トルエンスルホニル)−
N’−(3−カルボキシ−4−ヒドロキシフェニル)ウ
レアを用いた。テスト結果を表1に示す。 【0042】実施例3 実施例1と同様にして感熱記録紙を作製した。但し、分
散液Bの調製にあたり、N−(p−トルエンスルホニ
ル)−N’−(4−カルボキシ−3−ヒドロキシフェニ
ル)ウレアのかわりに、N−(p−トルエンスルホニ
ル)−N’−(4−カルボキシ−5−ヒドロキシ−3−
クロロフェニル)ウレアを用い、またジフェニルスルホ
ンのかわりに、シュウ酸ジパラメチルベンジルエステル
を用いた。テスト結果を表1に示す。 【0043】比較例1 実施例1と同様の操作により感熱記録紙を作製した。た
だし、分散液Bの調製にあたり、N−(p−トルエンス
ルホニル)−N’−(4−カルボキシ−3−ヒドロキシ
フェニル)ウレアのかわりに2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)を用い
た。テスト結果を表1に示す。 【0044】比較例2 実施例1と同様にして感熱記録紙を作製した。ただし、
分散液Bの調製にあたり、N−(p−トルエンスルホニ
ル)−N’−(4−カルボキシ−3−ヒドロキシフェニ
ル)ウレアのかわりに、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホン(ビスフェノールS)を用いた。テスト結
果を表1に示す。 【0045】 【表1】【0046】前記表1から明らかなように、本発明の新
規顕色剤は、従来顕色剤の代表であるビスフェノールA
を凌駕する発色能力を有し、かつそれにより得られた発
色画像は、良好な耐油性、耐可塑剤性を示し、それは、
印字保存性が良い顕色剤といわれるビスフェノールSを
凌駕するものである。 【0047】 【発明の効果】本発明の感熱記録体は、その感熱発色層
中に含まれる特定の顕色剤化合物により、従来の顕色剤
を用いたものよりも優れた発色性能を示し、かつそれに
より得られる発色画像は、良好な保存安定性を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−179290(JP,A) 特開 平6−199047(JP,A) 特開 平6−262856(JP,A) 特開 平6−127146(JP,A) 特開 平5−169832(JP,A) 特開 平7−290833(JP,A) 特開 平7−144470(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/30 CAPLUS(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 シート状基体、およびこのシート状基体
    の少なくとも一面に形成され、かつ、無色又は淡色の染
    料前駆体と、この染料前駆体と加熱下に反応してこれを
    発色させる顕色剤とを含む感熱発色層を有し、前記顕色
    剤が、下記一般式(I): 【化1】 (ただし上式中、Xは酸素原子または硫黄原子を表し、
    Aは、無置換の芳香環基、或は低級アルキル基、ハロゲ
    ン原子、および低級アルコキシ基の少なくとも1員によ
    り置換された芳香環基を表し、Bは、ヒドロキシル基お
    よびカルボキシル基により置換された芳香環基、あるい
    は、ヒドロキシル基およびカルボキシル基により置換さ
    れたアラルキル基を表し、前記芳香環基および前記アラ
    ルキル基のアリール基部が、さらに低級アルキル基、ア
    リール基、ハロゲン原子、および低級アルコキシ基の少
    なくとも1員により置換されていてもよい。)で表され
    る少なくとも1種の芳香族化合物を含むことを特徴とす
    る感熱記録体。
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