JP2666655B2 - 4,4′−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン - Google Patents
4,4′−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタンInfo
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Description
4′−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニル
アミノ)ジフェニルメタンに関するものである。本化合
物は熱によって発色画像を形成する感熱記録体、特に一
旦発色した画像の消失の無い、記録の保存安定性に優れ
た感熱記録体の、顕色性物質として用いられ、ロイコ染
料と組み合わされて使用することにより記録の保存安定
性に優れた感熱記録体を得ることができる。
スチックフィルム等の支持体上に電子供与性ロイコ染料
のような発色性物質と電子受容性のフェノール性化合物
等の有機酸性物質のような顕色性物質とを主成分とする
感熱発色層を設けたものである。こうして得られる感熱
記録体に熱エネルギーを印加し、記録画像を得ることが
できる。このような感熱記録体は特公昭43−4160
号、特公昭45−14039号、及び特公昭48−27
736号などに開示されており、広く実用化されてい
る。
価でかつ保守が容易であることから、電子計算機のアウ
トプット、ファクシミリ、自動券売機、科学計測器のプ
リンター、あるいはCRT医療計測用のプリンター等に
広範囲に使用されている。しかし、支持体上に発色性染
料物質、顕色性物質および結着剤を有効成分とする感熱
発色層を塗工した従来のいわゆる染料型感熱記録体にあ
っては、発色反応が可逆的であるため、発色画像が経時
的に消色することが知られている。この消色は曝光、高
湿、高温雰囲気下に加速され、さらに可塑剤および油等
の接触によって速やかに進行し、画像は読み取り不可能
なレベルまで消色してしまう。
を解決しようという試みは広範囲になされてきた。それ
らは、例えば特開昭62−121769号に見られる二
量化したフルオラン色素を用いるもの、特開昭62−1
69681号に見られる特定のサリチル酸誘導体の金属
塩を顕色剤として用いるもの、さらには、フルオラン系
ロイコ染料を用いない発色系として、特開平3−389
96号等に開示されている3−アミノ−1−イミノ−
4,5,6,7−テトラクロロ−1H−イソインドール
と4,4′,4″−トリイソシアナト−2,5−ジメト
キシトリフェニルアミンよりなる非可逆系感熱材料を用
いるものなどである。
ものは、フェノール系顕色剤と共に用いても、発色画像
の保存性は相応に向上する。しかし、得られる感熱記録
体の白色度はかなり低く、また、熱応答性、すなわち感
度も低いという欠点を有する。特定のサリチル酸金属塩
を顕色剤として用いるものは、耐油性耐可塑剤性は改良
されるが、耐熱試験における白紙部の発色が見られ、
又、有効な特定のサリチル酸の化学構造が複雑で高価で
あるという欠点を有する。さらに、3−アミノ−1−イ
ミノ−4,5,6,7−テトラクロロ−1H−イソイン
ドールと4,4′,4″−トリイソシアナト−2,5−
ジメトキシトリフェニルアミンよりなる感熱材料につい
ては、発色した画像部は、確かに堅牢であるが、非画像
部、すなわち白紙部が、可塑剤と接触すると赤色に発色
し、画像品質を著しく損なうという欠点がみられる。
点を解決し、それを用いて得られる感熱記録体が、白色
度が高く、感度にも優れ、かつ耐油性、耐可塑剤性、耐
湿性、耐熱性等の発色画像の長期保存性に優れたものに
なるような新化合物を提供しようとするものである。
熱記録体は、例えば自動券売機用感熱記録型の乗車券と
して使用できるのみならず、保存性を必要とする回数券
や定期券などへの使用、可塑剤、油脂との接触が避けら
れないポリ塩化ビニルフィルムで包装した食品の包装面
に貼付けるPOS用バーコードシステム用のラベルとし
ての適性も高い。さらに、本発明の新規な顕色剤を用い
た感熱記録体は、長期保存用のファクシミリ用紙やワー
プロ用紙、また、CRT用画像プリンター用紙としても
利用できるなど、優れた特性を備えている。
の耐油性および耐可塑剤性などの保存安定性改善効果が
発色画像形成後可及的短時間内に発現することを目的に
新規な材料を種々設計、合成、検討し、その結果新規な
顕色剤として有用な化合物を見出した。
ルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン
は、下記化学式(I):
用するものである。すなわち本発明の化合物は、フェノ
ール性の水酸基、あるいはカルボキシル基などの酸性官
能基を有しないが、塩基性のロイコ染料に対し、強い顕
色能力を有するのである。これは本発明の化合物中の尿
素基が、それに隣接するスルホニル基により活性化され
ているためと理解される。また、本発明の化合物とロイ
コ染料により発色した画像が種々の環境下で高い保存性
を示すのは、2つ置換されているアリルスルホニル尿素
基の相乗効果によるものと理解される。本発明の化合物
の合成は、例えば下記の反応(1)〜(2)により行な
うことができる。
ト類と反応して、上記反応の阻害となるもの以外であれ
ば特に制限はないが、生成する化合物の白色度を高く保
つためには、非芳香族系の溶媒がより好ましい。芳香族
系の溶媒と、特に高い温度で接触させると白色度低下の
原因となることがある。好ましい溶媒としては例えば、
ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロ
ロエチレンなどの脂肪族ハロゲン化物、アセトニトリ
ル、プロピオニトリルのような脂肪族ニトリル類、酢酸
エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルのような脂肪族エス
テル類、エチレングリコールジメチルエーテル、ジブチ
ルエーテルのような脂肪族エーテル類、シクロヘキサノ
ンのような脂肪族ケトン類、などをあげることができ
る。
録材料の感熱発色層中に、染料前駆体などとともに用い
られる顕色剤としてきわめてすぐれた性能を示すもので
ある。すなわち、本発明の式(I)の化合物はロイコ染
料、および融点60℃〜150℃の熱可融性芳香族化合
物(これは一般に増感剤として知られている物質であ
る)およびこれらの成分を支持体に固着するためのバイ
ンダーとともに感熱記録体の感熱発色層を形成する。
を含んでいることが好ましく、また、必要に応じて従来
公知のフェノール系あるいは有機酸系顕色剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、またはワックス類を含むことができ
る。
料はトリフェニルメタン系、フルオラン系、ジフェニル
メタン系化合物等があげられ、従来公知のものから選ぶ
ことができる。例えば、3−(4−ジエチルアミノ−2
−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチル
インドール−3−イル)−4−アザフタリド、クリスタ
ルバイオレットラクトン、3−(N−エチル−N−イソ
ペンチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−
(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−(N−
エチル−N−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニ
リノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−
7−アニリノフルオラン、3−(N−シクロヘキシル−
N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリ
ノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリ
フルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルア
ミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチ
ルアミノ−6−メチルフルオラン、および3−シクロヘ
キシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−(N−エチ
ル−N−ヘキシルアミノ)−6−メチル−7−(p−ク
ロロアニリノ)フルオラン等から選ばれた1種以上を用
いることができる。
ロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル(特開昭57
−191089号)、p−ベンジルビフェニル(特開昭
60−82382号)、ベンジルナフチルエーテル(特
開昭58−87094号)、ジベンジルテレフタレート
(特開昭58−98285号)、p−ベンジルオキシ安
息香酸ベンジル(特開昭57−201691号)、炭酸
ジフェニル、炭酸ジトリル(特開昭58−136489
号)、m−ターフェニル(特開昭57−89994
号)、1,2−ビス(m−トリルオキシ)エタン(特開
昭60−56588号)、1,5−ビス(p−メトキシ
フェノキシ)−3−オキサペンタン(特開昭62−18
1183号)、シュウ酸ジエステル類(特開昭64−1
583号)、および1,4−ビス(p−トリルオキシ)
ベンゼン(特開平2−153783号)などをあげるこ
とができる。
は、例えば炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チ
タン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウ
ム、クレー、焼成クレー、タルク、および表面処理され
た炭酸カルシウムやシリカ等の無機系微粉末の他、並び
に、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共
重合体、およびポリスチレン樹脂等の有機系の微粉末な
どをあげることができる。
のポリビニルアルコール、デンプン及びその誘導体、メ
トキシセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチ
ルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導
体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、ア
クリル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリ
ル酸アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共
重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ
塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチ
ン、およびカゼインなどの水溶性高分子材料、並びに、
ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン/ブタジエン
共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、
塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリ
レート、エチレン/酢酸ビニル共重合体、およびスチレ
ン/ブタジエン/アクリル系共重合体等の各々のラテッ
クスを用いることができる。
分を微粒子に分散あるいは溶解し、それを適宜混合して
塗布液を調製し、これをシート状基体に塗布して、感熱
発色層を形成する。その感熱発色層上に更に保護層、印
刷層などのような被覆層を形成することもできる。
する。
スルホニルアミノカルボニルアミノ)−ジフェニルメタ
ンの合成(I)〕 滴下ロート、温度計をつけた三口フラスコに9.9gの
4,4′−ジアミノジフェニルメタンを入れ、200ml
のアセトニトリルに溶解した。この溶液をマグネティッ
クスターラーで激しく攪拌しつつ、滴下ロートより2
1.7gのトルエンスルホニルイソシアナートを滴下し
た。滴下と共に発熱反応がおこり、微黄色の固体が沈澱
した。この混合液をさらに1時間攪拌し、濾過を行ない
29.2gの白色結晶を得た。
はppm 値): δ=2.40(s,6H),3.83(s,2H),
7.11(d,4H),7.35(t,8H),7.9
2(d,4H)、その他N−Hに起因すると思われるピ
ークがδ=8.3付近と9.6に現われた。 IR測定(KBr錠剤法)の結果(特性吸収のみ): 1670cm-1(尿素基のカルボニル基に由来) 1345cm-1,1160cm-1(スルホニル基に由来)
スルホニルアミノカルボニルアミノ)−ジフェニルメタ
ンの合成(II)〕 溶媒としてはジクロロメタンを用いたことを除き、実施
例1と同様の操作をして、微黄色の4,4′−ビス(p
−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェ
ニルメタンを得た。その同定試験結果は、融点が明確に
測定できなかったことを除き、実施例1と同じであっ
た。
スルホニルアミノカルボニルアミノ)−ジフェニルメタ
ンの合成(III)〕 溶媒としては酢酸エチルを用いたことを除き、実施例1
と同様の操作をし、白色の4,4′−ビス(p−トルエ
ンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタ
ンを得た。その同定試験結果は実施例1と同じであっ
た。
1μm以下になるまで粉砕した。
1μm以下になるまで粉砕した。
部に分散して得られた分散物にスチレン〜ブタジエン共
重合物エマルジョン(固形分50%)を40部、10%
酸化でんぷん水溶液を50部混合して得た塗液を48g
/m2 の原紙の上に乾燥後の塗布量が7.0g/m2 に
なるように塗工して、顔料下塗り紙を得た。
0部、25%ステアリン酸亜鉛分散液20部、30%パ
ラフィン分散液15部、および10%ポリビニルアルコ
ール水溶液100部を混合、攪拌し、塗布液とした。こ
の塗布液を、上記顔料下塗り紙の片面に、乾燥後の塗布
量が5.0g/m2 となるように塗布乾燥して感熱発色
層を形成し、感熱記録紙を作成した。
ーによって処理し、その表面の平滑度を600〜100
0秒とした。
熱ファクシミリ機を改造した動的発色試験を用い、0.
49mj/dot の印加エネルギーで試料発色させた。発色
濃度はマクベス反射濃度計RD−914で測定した(こ
れを元濃度と呼ぶ)。次いでこの発色試料から所定の供
試片を作成し、発色後30分以内に供試片にサラダオイ
ルまたはジオクチルテレフタレート(代表的可塑剤)を
塗布し、室温で3時間放置後、過剰のオイル又は可塑剤
を抜き取り、残存画像濃度をマクベス反射濃度計で測定
し、以下の式に従って画像保存率を算出した。
の調製にあたり、4,4′−ビス(p−トルエンスルホ
ニルアミノカルボニルアミノ)−ジフェニルメタンのか
わりに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン(ビスフェノールA)を用いた。テスト結果を第1
表に示す。
の4,4′−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカル
ボニルアミノ)−ジフェニルメタンは、十分に同定され
た新規化合物である。また、感熱記録紙製造例1、およ
び比較感熱記録紙製造例1から明らかなように、本発明
の化合物を感熱記録体の顕色剤として用いると、従来顕
色剤の代表であるビスフェノールAを用いた場合に比べ
て、格段に優れた耐油性、耐可塑剤性を示すことが確認
された。
スルホニルアミノカルボニルアミノ)−ジフェニルメタ
ンは、新規化合物である。さらに、本発明の4,4′−
ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミ
ノ)−ジフェニルメタンを、顕色剤として有用なもので
あって、しかも、それを用いて得られる感熱記録体の発
色画像は、優れた耐油性および耐可塑剤性を示す。
Claims (1)
- 【請求項1】 下記化学式(I): 【化1】 で表されるれ4,4′−ビス(p−トルエンスルホニル
アミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン。
Priority Applications (4)
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---|---|---|---|
JP4112838A JP2666655B2 (ja) | 1991-10-04 | 1992-05-01 | 4,4′−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン |
EP92308805A EP0535887B1 (en) | 1991-10-04 | 1992-09-28 | Thermosensitive recording material |
DE69203558T DE69203558T2 (de) | 1991-10-04 | 1992-09-28 | Temperaturempfindliches Aufzeichnungsmaterial. |
US07/955,193 US5256618A (en) | 1991-10-04 | 1992-10-02 | Thermosensitive recording material |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3-257864 | 1991-10-04 | ||
JP25786491 | 1991-10-04 | ||
JP4112838A JP2666655B2 (ja) | 1991-10-04 | 1992-05-01 | 4,4′−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4111286A Division JP2679524B2 (ja) | 1991-10-04 | 1992-04-30 | 感熱記録体 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH05148220A JPH05148220A (ja) | 1993-06-15 |
JP2666655B2 true JP2666655B2 (ja) | 1997-10-22 |
Family
ID=26451908
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4112838A Expired - Lifetime JP2666655B2 (ja) | 1991-10-04 | 1992-05-01 | 4,4′−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2666655B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5990353A (en) * | 1997-05-20 | 1999-11-23 | Yamamoto Chemicals, Inc. | Process for producing arylsulfonylureide compounds |
US6335306B1 (en) | 1998-04-07 | 2002-01-01 | Oji Paper Co., Ltd. | Thermosensitive recording material of heat fixing type and method of fixing the same |
JP5206649B2 (ja) * | 2009-11-17 | 2013-06-12 | 王子ホールディングス株式会社 | スルホニルウレア化合物の合成法 |
-
1992
- 1992-05-01 JP JP4112838A patent/JP2666655B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH05148220A (ja) | 1993-06-15 |
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