JPH07267918A - 4,4′−ビス〔4−(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)フェニルメチル〕ジフェニルウレア - Google Patents

4,4′−ビス〔4−(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)フェニルメチル〕ジフェニルウレア

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JPH07267918A
JPH07267918A JP6059075A JP5907594A JPH07267918A JP H07267918 A JPH07267918 A JP H07267918A JP 6059075 A JP6059075 A JP 6059075A JP 5907594 A JP5907594 A JP 5907594A JP H07267918 A JPH07267918 A JP H07267918A
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bis
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diphenylurea
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color
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Hirotake Fujita
裕丈 藤田
Takako Segawa
貴子 瀬川
Yoshiyuki Takahashi
義之 高橋
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New Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 感熱記録体の顕色剤として、すぐれた感度を
有し、耐油性、耐可塑剤性にすぐれた発色画像を形成す
る新規化合物を提供する。 【構成】 下記化学式(I): 【化1】 で表される4,4′−ビス〔4−(p−トルエンスルホ
ニルアミノカルボニルアミノ)フェニルメチル〕ジフェ
ニルウレア。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な4,4′−ビス
〔4−(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミ
ノ)フェニルメチル〕ジフェニルウレア(I)に関する
ものである。本発明の新規化合物は、熱によって発色画
像を形成する感熱記録体の顕色性化合物として有用であ
り、それによって得られる発色画像の記録保存安定性を
飛躍的に向上させることができる。すなわち、本化合物
を顕色剤として用いて得られる感熱記録体は、熱によっ
て形成された発色画像の経時的な消色や、比較的高温
下、高湿下における消色が極めて少なく、かつ、耐油
性、耐可塑剤性等の耐薬品性に優れているという特性を
示す。さらに、本発明の化合物を感熱記録体の顕色剤と
して用いると、長期の可塑剤接触においても、白紙部
(非印字部)の地汚れの発生を極めて少なく抑制するこ
とができる。
【0002】
【従来の技術】一般に感熱記録体は、紙、合成紙、プラ
スチックフィルム等の支持体上に電子供与性ロイコ染料
のような発色性物質と電子受容性のフェノール性化合物
等の有機酸性物質のような顕色性物質を主成分とする感
熱発色層を設けたものであり、それらに熱エネルギーを
印加し、記録画像を得ることができる。このような感熱
記録体は特公昭43−4160号、特公昭45−140
39号、及び特開昭48−27736号などに開示され
ており、広く実用化されている。
【0003】感熱記録体は、記録装置がコンパクトで安
価でかつ保守が容易であるため、電子計算機のアウトプ
ット、ファクシミリ、自動券売機、科学計測器のプリン
ター、あるいはCRT医療計測用のプリンター等に広範
囲に使用されている。しかし、支持体上に発色性染料物
質、顕色性物質および結着剤を有効成分とする感熱発色
層を塗工した従来のいわゆる染料型感熱記録体にあって
は、発色反応が可逆的であるため、発色画像が経時的に
消色することが知られている。この消色は曝光、高湿、
高温雰囲気下に加速され、さらに可塑剤および油等の接
触によって速やかに進行し、画像は読み取り不可能なレ
ベルまで消色してしまう。
【0004】この消色の問題を新規な化合物を導入して
解決しようという試みは広範囲になされてきた。それら
試みを例示するなら、特開昭62−121769号に見
られる二量化したフルオラン色素を用いるもの、特開昭
62−169681号に見られる特定のサリチル酸誘導
体の金属塩を顕色剤として用いるもの、および、フルオ
ラン系ロイコ染料を用いない発色系として、特開平3−
38996号等に開示されている3−アミノ−1−イミ
ノ−4,5,6,7−テトラクロロ−1H−イソインド
ールと4,4′,4′′−トリイソシアナト−2,5−
ジメトキシトリフェニルアミンとよりなる非可逆系感熱
材料を用いるものなどがある。
【0005】前述の二量化したフルオラン色素を用いる
場合、これをフェノール系顕色剤と共に用いても、得ら
れる発色画像の保存性は相応に向上する。しかし、得ら
れる感熱記録体の白色度はかなり低く、また、その熱応
答性、すなわち感度も低いという欠点を有している。
【0006】前記特定のサリチル酸金属塩を顕色剤とし
て用いる場合、得られる発色画像の耐油性、および耐可
塑剤性はかなり改良されるが、耐熱試験において、白紙
部に発色が見られ、又、有効な特定のサリチル酸化合物
は、その化学構造が複雑で高価であるという欠点を有し
ている。
【0007】さらに、3−アミノ−1−イミノ−4,
5,6,7−テトラクロロ−1H−イソインドールと
4,4′,4′′−トリイソシアナト−2,5−ジメト
キシトリフェニルアミンとよりなる感熱材料について
は、発色した発色画像は、かなり堅牢であるが、非画像
部、すなわち白紙部が、可塑剤と接触すると赤色に発色
し、画像品質を著しく損なうという欠点がみられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術にお
ける上記問題点を解決し、すぐれた感度を感熱記録体に
付与することができ、かつ耐油性、耐可塑剤性、耐湿
性、耐熱性等に優れ、従って保存安定性にすぐれた発色
画像を形成し得る新規な顕色性化合物を提供しようとす
るものである。
【0009】本発明の新規な顕色性化合物を用いた感熱
記録体は、例えば自動券売機用感熱記録型の乗車券に好
適に使用できるのみならず、保存性を必要とする回数券
や定期券などへの使用に適し、かつ可塑剤、油脂との接
触が避けられないポリ塩化ビニルフィルムで包装した食
品の包装面に貼付けるPOS用バーコードシステム用の
ラベルとしての適性も高い。さらに、本発明の新規な顕
色性化合物を用いた感熱記録体は、長期保存用のファク
シミリ用紙やワープロ用紙、また、CRT用画像プリン
ター用紙としても有用なものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、発色画像
の耐熱性、耐湿性、耐油性および耐可塑剤性などに優
れ、かつこのような保存安定性改善効果を発色画像形成
後可及的短時間内に発現させ得る新規な顕色性化合物を
種々設計、合成、検討し、その結果顕色剤として有用な
新規化合物の合成に成功した。
【0011】本発明の化合物は、下記化学式(I):
【0012】
【化2】
【0013】で表される4,4′−ビス〔4−(p−ト
ルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)フェニルメ
チル〕ジフェニルウレアである。
【0014】
【作用】本発明の式(I)の化合物は、感熱記録体にお
いて、実質的に無色の染料前駆体、すなわちロイコ染料
に対して顕色剤として作用するものである。すなわち本
発明の化合物は、フェノール性の水酸基、あるいはカル
ボキシル基などの酸性官能基を有しないが、塩基性のロ
イコ染料に対し、強い顕色能力を有するのである。これ
は本発明の化合物中のトルエンスルホニル基に結合した
尿素基が、それに隣接するスルホニル基により活性化さ
れているためと考えられる。また、本発明の化合物とロ
イコ染料により発色した画像が種々の環境下で高い保存
性(安定性)を示すのは、この化合物分子に含まれてい
る2つのアリルスルホニル尿素基の相乗効果によるもの
と考えられる。
【0015】本発明の化合物(I)は、例えば、2モル
のp−トルエンスルホニルイソシアナートと、1モルの
4,4′−ビス(p−アミノフェニルメチル)ジフェニ
ルウレアとを縮合反応させることにより合成することが
できる。下記に、上記反応(1)による化学式(I)の
化合物の合成例を示す。
【0016】
【化3】
【0017】上記反応(1)の溶媒としては、イソシア
ナート類と反応することがなく、従って上記反応(1)
を阻害しないものである限り特に制限はないが、生成す
る化合物の白色度を高く保つためには、非芳香族系の溶
媒を用いることがより好ましい。反応(1)により生成
した式(I)の化合物が、芳香族系の溶媒と、特に高い
温度で接触すると、その白色度低下の原因となることが
ある。反応(1)における好ましい溶媒としては、例え
ば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、トリ
クロロエチレンなどの脂肪族ハロゲン化物、アセトニト
リル、プロピオニトリルのような脂肪族ニトリル類、酢
酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルのような脂肪族エ
ステル類、エチレングリコールジメチルエーテル、ジブ
チルエーテルのような脂肪族エーテル類、シクロヘキサ
ノンのような脂肪族ケトン類、などをあげることができ
る。
【0018】また、前記反応中の原料化合物4,4′−
ビス(p−アミノフェニルメチル)ジフェニルウレア
は、例えば下記反応式(2)又は(3)の方法で合成す
ることができる。
【0019】
【化4】
【0020】
【化5】
【0021】上記原料化合物の合成における各反応の反
応温度、反応時間、必要に応じて使用される溶媒、塩基
性物質などの反応条件は、これらと類似の反応における
既知反応条件から適宜選択できる。
【0022】本発明の式(I)の化合物は、ロイコ染
料、必要により融点60℃〜150℃の熱可融性芳香族
化合物(これは一般に増感剤として知らてれいる物質で
ある)、およびこれらの成分を支持体に固着するための
バインダーと共に用いられ、これらの成分を含む塗布液
をシート状支持体上に塗布、乾燥して感熱発色層が形成
され、それによって感熱記録体が作製される。
【0023】さらに、感熱発色層は、有機又は無機顔料
類を含んでいることが好ましく、また、必要に応じて、
従来公知のフェノール系あるいは有機酸系顕色剤、酸化
防止剤、紫外線吸収剤、またはワックス類を含むことが
できる。
【0024】本発明の顕色性化合物と共に使用されるロ
イコ染料は、トリフェニルメタン系、フルオラン系、ジ
フェニルメタン系化合物等が挙げられ、従来公知のもの
から選ぶことができる。例えば、3−(4−ジエチルア
ミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2
−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、
クリスタルバイオレットラクトン、3−(N−エチル−
N−イソペンチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノ
フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−
7−(o、p−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−
(N−エチル−N−p−トルイジノ)−6−メチル−7
−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−
7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン、3−(N−シクロヘキ
シル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノ
フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロア
ニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−
クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7
−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3
−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン、およ
び3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、
3−(N−エチル−N−ヘキシルアミノ)−6−メチル
−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン等から選ばれ
た1種以上を用いることができる。
【0025】前述の増感剤としては、例えば、1−ヒド
ロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル(特開昭57
−191089号)、p−ベンジルビフェニル(特開昭
60−82382号)、ベンジルナフチルエーテル(特
開昭58−87094号)、ジベンジルテレフタレート
(特開昭58−98285号)、p−ベンジルオキシ安
息香酸ベンジル(特開昭57−201691号)、炭酸
ジフェニル、炭酸ジトリル(特開昭58−136489
号)、m−ターフェニル(特開昭57−89994
号)、1,2−ビス(m−トリルオキシ)エタン(特開
昭60−56588号)、1,5−ビス(p−メトキシ
フェノキシ)−3−オキサペンタン(特開昭62−18
1183号)、シュウ酸ジエステル類(特開昭64−1
583号)、1,4−ビス(p−トリルオキシ)ベンゼ
ン(特開平2−153783号)、ジフェニルスルホン
(特公昭59−25673号)、p−トルエンスルホン
酸フェニルエステル(特開昭59−73990号)、メ
シチレンスルホン酸p−トリルエステル(特開平2−8
0285号)、4,4′−ジアリルオキシジフェニルス
ルホン、4,4′−ジイソペンチルオキシジフェニルス
ルホン、4,4′−ジメトキシジフェニルスルホン(特
公平2−9951号)、4,4′−ジ−n−ペンチルオ
キシジフェニルスルホン(特開昭60−47070号)
などをあげることができる。
【0026】また、前記の有機又は無機の顔料として
は、例えば炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チ
タン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウ
ム、クレー、焼成クレー、タルク、および表面処理され
た炭酸カルシウムやシリカ等の無機系微粉末の他、並び
に、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共
重合体、およびポリスチレン樹脂等の有機系の微粉末な
どをあげることができる。
【0027】前記バインダーについては、種々の分子量
のポリビニルアルコール、デンプン及びその誘導体、メ
トキシセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチ
ルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導
体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、ア
クリル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリ
ル酸アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共
重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ
塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチ
ン、およびカゼインなどの水溶性高分子材料、並びに、
ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン/ブタジエン
共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、
塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリ
レート、エチレン/酢酸ビニル共重合体、およびスチレ
ン/ブタジエン/アクリル系共重合体等の各々のラテッ
クスを用いることができる。
【0028】感熱発色層を形成するには、上記所要成分
を微粒子に分散あるいは溶解し、それを適宜混合し、シ
ート状基体上に塗布して、感熱発色層を形成する。その
感熱発色層上に更に保護層、印刷層などのような被覆層
を形成してもよい。
【0029】
【実施例】下記に実施例を示し、本発明を具体的に説明
する。実施例1 〔4,4′−ビス〔4−(p−トルエンスルホ
ニルアミノカルボニルアミノ)フェニルメチル〕ジフェ
ニルウレアの合成(I)〕 〔1〕ジアミノジフェニルメタン25.5gを、200
mlのテトラヒドロフランに溶解し、この溶液を攪拌しな
がらこれにトリホスゲン2.7gのテトラヒドロフラン
溶液50mlを滴下した。この反応溶液を還流下で1時
間、次に室温で1時間攪拌した。反応終了後、得られた
反応溶液にトリエチルアミン3mlと氷水250mlとを加
え、析出した結晶を濾別、風乾した。6.3gの4,
4′−ビス〔p−アミノフェニルメチル)ジフェニルウ
レアを得た。
【0030】〔2〕前記工程〔1〕において調製された
4,4′−ビス(p−アミノフェニルメチル)ジフェニ
ルウレア6.3gを、アセトニトリル200mlに混合
し、この混合物をマグネティックスターラーで激しく攪
拌しながら、これに5.9gのp−トルエンスルホニル
イソシアナートを滴下した。滴下と共に発熱反応がおこ
り、白色の固体が沈澱した。この反応混合液をさらに1
時間攪拌し、それを濾過して、10.8gの白色結晶を
得た。
【0031】この白色結晶の分析値は以下の通りであっ
た。 (1)融点:179〜183℃ (2)1 H−NMR測定(重DMSO中)の結果(数字
はppm 値): δ=2.38(s,6H),3.79(s,4H),
7.07(d,4H),7.10(d,4H),7.3
4(d,4H),7.42(d,4H),7.58
(d,4H),7.87(d,4H)、その他N−Hに
起因すると思われるピークがδ=8.53,8.75お
よび12.8付近に現われた。
【0032】(3)13C−NMR測定(重DMSO中)
の結果(数字はppm 値): δ=22.0,40.8,119.3,120.1,1
28.4,129.8,129.9,130.4,13
5.7,136.8,137.5,138.1,13
8.6,144.7,150.2,153.5
【0033】(4)IR測定(KBr錠剤法)の結果
(特性吸収のみ): 1677cm-1(尿素基のカルボニル基に由来) 1340cm-1、1160cm-1(スルホニル基に由来)
【0034】元素分析結果
【0035】
【表1】
【0036】実施例2〔4,4′−ビス〔4−(p−ト
ルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)フェニルメ
チル〕ジフェニルウレアの合成(II)〕 〔1〕ジアミノジフェニルメタン27.7gを、200
mlのアセトニトリルに溶解し、この溶液を攪拌しながら
これにカルボニルジイミダゾール6.7gのアセトニト
リル溶液50mlを滴下した。この反応溶液を還流下で1
時間、ついで室温で1時間攪拌したところ、白色の結晶
が析出した。この結晶を濾別し、25mlのアセトニトリ
ルで洗浄した。11.1gの4,4′−ビス(p−アミ
ノフェニルメチル)ジフェニルウレアを得た。
【0037】〔2〕実施例1の工程〔2〕と同様の操作
を行って、19.3gの4,4′−ビス〔4−(p−ト
ルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)フェニルメ
チル〕ジフェニルウレアを得た。その同定試験結果は実
施例1と同じであった。
【0038】感熱記録紙製造例1 下記操作により感熱記録紙を作成した。 分散液Aの調製 成 分 量(部) 3−(N−イソペンチル−N−エチルアミノ) −6−メチル−7−アニリノ−フルオラン 20 ポリビニルアルコール 10%液 10 水 70 上記組成物をサンドグラインダーをもちい、平均粒径が
1μm以下になるまで粉砕した。
【0039】 分散液Bの調製 成 分 量(部) 4,4′−ビス〔4−(p−トルエンスルホニル− アミノカルボニルアミノ)フェニルメチル〕− ジフェニルウレア 10 ジフェニルスルホン 10 ポリビニルアルコール 10%液 10 水 70 上記組成物をサンドグラインダーをもちい、平均粒径が
1μm以下になるまで粉砕した。
【0040】 顔料下塗り紙の製作 焼成クレイ(商標:アンシレックス)85部を水320
部に分散して得られた分散物に、スチレン〜ブタジエン
共重合体エマルジョン(固形分50%)40部と、10
%酸化でんぷん水溶液50部とを混合し、得られた塗液
を、坪量48g/m2 の原紙の表面上に、乾燥後の塗布
量が7.0g/m2 になるように塗工して、顔料下塗り
紙を作製した。
【0041】 感熱発色層の形成 上記A液50部およびB液200部に、炭酸カルシウム
顔料30部、25%ステアリン酸亜鉛分散液20部、3
0%パラフィン分散液15部、および10%ポリビニル
アルコール水溶液100部を混合、攪拌し、塗布液を調
製した。この塗布液を、上記顔料下塗り紙の片面に、乾
燥後の塗布量が5.0g/m2 となるように塗布し乾燥
して感熱発色層を形成し、感熱記録紙を作製した。
【0042】 カレンダー処理 上記の様にして得られた感熱記録紙の表面をスーパーカ
レンダーによって処理し、その表面の平滑度を800〜
1200秒とした。
【0043】 発色試験および耐可塑剤試験 上記のようにして得られた感熱記録紙の試料について、
大倉電機製感熱発色試験機THPMDを用いて、印字電
圧21.7v、印字パルス1.0msの条件で印字し
た。この印字発色濃度をマクベス反射濃度計RD−91
4を用いて測定した(これを元濃度と記す)。次に、こ
の発色試料から所定の供試片を作成し、発色後30分以
内に、この供試片にサラダオイルまたはジオクチルテレ
フタレート(代表的な可塑剤)を塗布し、室温に3時間
放置後、その塗布面から過剰のオイル又は可塑剤を拭き
取り、その残存画像濃度をマクベス反射濃度計で測定
し、下記の式に従って画像保存率を算出した。 画像保存率(%)=C1 /C0 ×100 但し、C1 …オイル、又は可塑剤による処理後の残存画
像濃度 C0 …元濃度 テトス結果を表2に示す。
【0044】比較感熱記録紙製造例1 製造例1と同様の操作を行なった。ただし、分散液Bの
調製にあたり、4,4′−ビス〔4−(p−トルエンス
ルホニルアミノカルボニルアミノ)フェニルメチル〕ジ
フェニルウレアのかわりに2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン(ビスフェノールA)を用いた。
テスト結果を表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】実施例1および2から明らかなように、本
発明の4,4′−ビス〔4−(p−トルエンスルホニル
アミノカルボニルアミノ)フェニルメチル〕ジフェニル
ウレアは、十分に同定された新規化合物である。また、
表2から明らかなように、本発明の化合物を感熱記録体
の顕色剤として用いると、従来顕色剤の代表であるビス
フェノールAを用いた場合に比べ、格段に優れた耐油
性、耐可塑剤性を有する発色画像を形成することができ
る。
【0047】
【発明の効果】本発明の4,4′−ビス〔4−(p−ト
ルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)フェニルメ
チル〕ジフェニルウレアは、新規化合物である。さら
に、本発明の化合物を顕色剤として用いた感熱記録体
は、発色画像の経時的な消色や、比較的高温下、高湿下
における消失が極めて少なく、かつ、耐油性、耐可塑剤
性等の耐薬品性に優れており、さらに、白紙部(非印字
部)が可塑剤に接触した時の地汚れ発生が極めて少ない
という優れた特性を有している。従って、本発明は、感
熱記録材料の分野において、極めて有用なものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化学式(I): 【化1】 で表される4,4′−ビス〔4−(p−トルエンスルホ
    ニルアミノカルボニルアミノ)フェニルメチル〕ジフェ
    ニルウレア。
JP6059075A 1994-03-29 1994-03-29 4,4′−ビス〔4−(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)フェニルメチル〕ジフェニルウレア Pending JPH07267918A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6059075A JPH07267918A (ja) 1994-03-29 1994-03-29 4,4′−ビス〔4−(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)フェニルメチル〕ジフェニルウレア

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