JPH1178248A - 感熱記録体 - Google Patents

感熱記録体

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JPH1178248A
JPH1178248A JP9237053A JP23705397A JPH1178248A JP H1178248 A JPH1178248 A JP H1178248A JP 9237053 A JP9237053 A JP 9237053A JP 23705397 A JP23705397 A JP 23705397A JP H1178248 A JPH1178248 A JP H1178248A
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JP
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compound
developer
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organic compound
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JP9237053A
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Takako Segawa
貴子 瀬川
Hirotake Fujita
裕丈 藤田
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感熱記録体の発色画像の耐油性、耐可塑剤性
を向上させ、それによって発色画像の長期安定性を高め
る。 【解決手段】 感熱記録体の感熱発色層に染料前駆体と
共に含まれる顕色剤が、下記一般式(I): 【化1】 (ただし、Yは下記化学式: 【化2】 で表わされる2価の基から選ばれた1員を表わす。)で
表わされる有機化合物を少なくとも一種含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱によって発色
画像を形成する感熱記録体、特に一旦発色した画像の消
失の無い、記録の保存安定性に優れた感熱記録体に関す
るものである。さらに詳しくは、記録の長期保存性が良
好であって、同時に記録画像の耐湿性、耐熱性などの耐
環境性、さらに耐油性、耐可塑剤性に優れ、画像記録
紙、ファクシミリ用紙、キャッシュディスペンサー用
紙、乗車券、定期券、POSラベル等のラベル、プリペ
イドカード等のカードおよび通行券などに有用な感熱記
録体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】感熱記録体は、一般に紙、合成紙、プラ
スチックフィルム等の支持体上に、電子供与性ロイコ染
料のような発色性物質と、電子受容性のフェノール性化
合物等の有機酸性物質のような顕色性物質を主成分とす
る感熱発色層を設けたものであり、それらの発色成分を
熱エネルギーによって反応させて記録画像を得ることが
できる。このような感熱記録体は特公昭43−4160
号、特公昭45−14039号、及び特公昭48−27
736号などに開示されており、広く実用化されてい
る。感熱記録体は、記録装置がコンパクトで安価でかつ
保守が容易であることから、電子計算機のアウトプッ
ト、ファクシミリ、自動券売機、科学計測器のプリンタ
ー、あるいはCRT医療計測用のプリンター等に広範囲
に使用されている。しかし、支持体上に発色性染料物
質、顕色性物質および結着剤を有効成分とする感熱発色
層を塗工した従来のいわゆる染料型感熱記録体にあって
は、発色反応が可逆的であるため、発色画像が経時的に
消色することが知られている。この消色は曝光、高湿、
高温雰囲気下(耐環境性)に加速され、さらに可塑剤お
よび油等の接触によって速やかに進行し、画像は読み取
り不可能なレベルまで消色してしまう。
【0003】通常無色ないし淡色のラクトン環化合物を
主とする染料を使用する発色系を用いつつ、この消色現
象を抑制するために数多くの技術が開示されてきた。例
えば特開昭60−78782号、特開昭59−1672
92号、特開昭59−114096号、特開昭59−9
3387号に見られるようなフェノール系酸化防止剤を
感熱発色層中に配合したもの、また、特開昭56−14
6796号に見られるような疎水性高分子化合物エマル
ジョン等を保護層に使用したもの、あるいは、特開昭5
8−199189号に見られるように感熱発色層上に水
溶性高分子化合物または、疎水性高分子化合物エマルジ
ョンを中間層として設け、その上に疎水性高分子化合物
を樹脂成分とする油性塗料による表面層を設けたもの、
また特開昭62−164579号に見られるようなエポ
キシ化合物を含有させたもの、さらには特開昭62−1
69681号に見られる特定のサリチル酸誘導体の金属
塩を顕色剤として用いるもの等が知られている。
【0004】前述のフェノール系酸化防止剤を配合した
感熱発色層においては、それがない場合の画像に比べ、
耐環境性は多少改良されるが、耐油性(例えばサラダオ
イルを発色面に接触させた場合の一定時間後の画像濃度
の保存率)、耐可塑剤性(可塑剤を含有したラップフィ
ルム等を発色面に接触させた場合の一定時間後の画像濃
度の保存率)などについては改良が認められない。一
方、保護層、表面層を設けた感熱記録体は、耐環境性は
やや改良されるが、長時間の試験では消色は避けられな
い。また耐油性に関しても、オイルと接触させた直後の
画像保存性は改良されるが、オイルの浸透にしたがって
画像はほぼ完全に消失してしまい、上記問題点に対する
本質的な解決策とはいえない。また、エポキシ化合物を
含有させたものでは、加熱発色操作をしてから発色画像
が安定化されるまでに比較的長い時間が必要であり、例
えば発色直後に発色画像にサラダオイルを塗布したり、
可塑剤と接触させると発色画像はそのかなりの部分が消
色してしまう。さらに、特定のサリチル酸金属塩を用い
たものは、耐油性や耐可塑剤性は改良されるが、耐熱試
験において白紙部の発色が認められ、又、有効な特定の
サリチル酸の化学構造が複雑で高価であるという欠点を
有する。さらに、本化合物と類似のスルホニルウレア基
を2つ有する特定の顕色剤を用いることが提案されたが
(特開平7−47773号)、得られる感熱記録材料の
発色感度が、本発明の化合物を顕色剤として用いた感熱
記録材料と比べて低いものしか得られなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこれらの問題
点を解決し、発色感度に優れ、かつ、耐油性、耐可塑剤
性、耐湿性、耐熱性等の発色画像の長期保存性に優れた
感熱記録体を提供しようとするものである。本発明は、
例えば自動券売機用感熱記録型の乗車券として使用でき
るのみならず、保存性を必要とする回数券や定期券など
への使用、可塑剤、油脂類との接触が避けられないポリ
塩化ビニルフィルムで包装した食品の包装面に貼付ける
POS用バーコードシステム用のラベルとして適するば
かりでなく、長期保存用のファクシミリ用紙やワープロ
用紙、また、CRT用画像プリンター用紙としても利用
できる感熱記録体を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の感熱記録体は、
シート状基体、及びこのシート状基体の少なくとも一面
に形成され、かつ、無色又は淡色の染料前駆体と、この
染料前駆体と加熱下に反応してこれを発色させる顕色剤
を含む感熱発色層を有し、前記顕色剤が下記一般式
(I):
【化3】 (ただし、Yは下記化学式:
【化4】 で表わされる2価の基から選ばれた1員を表わす。)で
表わされる有機化合物を少なくとも一種含むことを特徴
とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明にかかわる顕色剤の具体的
な化合物としては、以下のようなものをあげることがで
きる。
【化5】 これらの化合物は単独で用いられても良く、あるいはそ
の2種以上を混合して用いてもよい。
【0008】本発明において用いられる式(I)で表わ
される有機化合物は、顕色剤として作用するものであ
る。すなわち式(I)に含まれる官能基は、フェノール
性の水酸基あるいはカルボキシル基などの酸性官能基を
有しないが、塩基性のロイコ染料に対し、強い顕色能力
を有するのである。そして、さらに、一旦発色させた染
料を強固に保持し、消色反応を抑制するのである。これ
ら優れた性質のうち、まず強い顕色能力については式
(I)中に含まれるスルホニルウレア基が、染料と強い
相互作用をすることによると考えられ、さらにこの官能
基を一分子中に2つ有していることにより強い保存性を
発現していると考えている。
【0009】上記のような式(I)で表される有機化合
物は従来報告されていない新規化合物であって、その合
成を化合物1、2を例として示すと以下のようになる。
【化6】
【0010】本発明で染料前駆体として使用されるロイ
コ染料はトリフェニルメタン系、フルオラン系、ジフェ
ニルメタン系化合物等が例示できる。たとえば、3−
(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−
(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4
−アザフタリド、クリスタルバイオレットラクトン、3
−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6
−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミ
ノ−6−メチル−7−(o、p−ジメチルアニリノ)フ
ルオラン、3−(N−エチル−N−p−トルイジノ)−
6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ
−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチル
アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−
(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7
−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルア
ミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオ
ラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラ
ン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラ
ン、3−(N−エチル−N−ヘキシルアミノ)−6−メ
チル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、および
2−クロロ−3−メチル−6−(N,N−ジエチルアミ
ノアニリノフルオラン、3−(p−アニリノアニリノ)
−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3,6−ビス
(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−
(6’−ジメチルアミノフタリド)、3,3−ビス(2
−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキ
シフェニル)エテニル)−4,5,6,7−テトラクロ
ロフタリド、ビス(p−ジメチルアミノスチリル)−p
−トルエンスルホニルメタン等を例示できる。これらは
単独で、または2種以上を併用することもできる。
【0011】また、本発明においては、所望の効果を疎
外しない範囲で、N−アリールスルホニル尿素誘導体あ
るいはフェノール類、または、有機酸等の従来公知の顕
色剤を本発明の式(I)で表わされる官能基を有する化
合物と併用することもできる。これら顕色剤は、例え
ば、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−フェニル
尿素、N−(p−トルエンスルホニル)−N’−(p−
メトキシフェニル)尿素、N−(p−トルエンスルホニ
ル)−N’−(o−トリル)尿素、N−(p−トルエン
スルホニル)−N’−(m−トリル)尿素、N−(p−
トルエンスルホニル)−N’−(p―トリル)尿素、N
−(p−クロロベンゼンスルホニル)−N’−フェニル
尿素、N−(p−トルエンスルホニル)−N―(o−ク
ロロフェニル)尿素、N−(ベンゼンスルホニル)−
N’−フェニル尿素、4,4’−ビス(p−トルエンス
ルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビ
スフェノールA)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−1−フェニルエタン、1,4−ビス(1−メチ
ル−1−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル)ベンゼ
ン、1,3−ビス(1−メチル−1−(4’−ヒドロキ
シフェニル)エチル)ベンゼン、ジヒドロキシジフェニ
ルエーテル(特開平1−180382号)、p−ヒドロ
キシ安息香酸ベンジル(特開昭52−140483
号)、ビスフェノールS、4−ヒドロキシ―4’−イソ
プロピルオキシジフェニルスルホン(特開昭60−13
852号)、1、1−ジ(4−ヒドロキシフェニル)シ
クロヘキサン、1、7−ジ(4−ヒドロキシフェニルチ
オ)−3、5−ジオキサヘプタン(特開昭59−526
94号)、3、3’−ジアリル−4、4’−ジヒドロキ
シジフェニルスルホン(特開昭60−208286号)
などが例示できる。
【0012】本発明においては、熱可融性物質(いわゆ
る増感剤)を併用することが好ましい。増感剤として
は、例えば、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル
エステル(特開昭57−191089号)、p−ベンジ
ルビフェニル(特開昭60−82382号)、ベンジル
ナフチルエーテル(特開昭58−87094号)、ジベ
ンジルテレフタレート(特開昭58−98285号)、
p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル(特開昭57−2
01691号)、炭酸ジフェニル、炭酸ジトリル(特開
昭58−136489号)、m−ターフェニル(特開昭
57−89994号)、1,2−ビス(m−トリルオキ
シ)エタン(特開昭60−56588号)、1,5−ビ
ス(p−メトキシフェノキシ)−3−オキサペンタン
(特開昭62−181183号)、シュウ酸ジエステル
類(特開昭64−1583号、特公平5−62597
号)、1,4−ビス(p−トリルオキシ)ベンゼン(特
開平2−153783号)、ジフェニルスルホン(融点
124℃)、p−トルエンスルホン酸フェニルエステル
(融点96℃)、メシチレンスルホン酸p−トリルエス
テル(融点100−102℃)、4,4’−ジアリルオ
キシジフェニルスルホン(融点145℃)、4−エトキ
シフェニルメチルスルホン(融点91℃)、4,4’−
ジイソペンチルオキシジフェニルスルホン(融点100
℃)、4,4’−ジメトキシジフェニルスルホン(融点
130℃)、2,2−ビス(4−ベンゼンスルホニルオ
キシフェニル)プロパン(融点114℃)、2,2−ビ
ス(4−メタンスルホニルオキシフェニル)プロパン
(融点101℃)、N−フェニル−4−メチルフェニル
スルホンアミド(融点102℃)、o−クロロアセトア
セトアニリド(融点103℃)、p−メトキシベンゼン
アセトアセトアニリド、N−ベンジル−o−スルホフタ
ルイミド、2,2’−ビス(p−メトキシフェノキシ)
エチルエーテル(融点99℃)などが例示できる。
【0013】また、本発明の感熱層には、さらにヒンダ
ードフェノール化合物又は紫外線吸収剤等を添加でき
る。それらは例えば特開昭57−151394号、特開
昭58−160191号、特開昭58−69096号、
特開昭59−2884号、特開昭59−95190号、
特開昭60−22288号、特開昭60−255485
号、特開昭61−44686号、特開昭62−1696
83号、特開昭63−17081号、特開平1−249
385号、特開平2−266645号等に挙げられた化
合物などである。具体的には2−(2’−ヒドロキシ−
5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,4−
ジヒドロキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ
−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−
5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキ
シ−3’、5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5
−クロロベンゾトリアゾール等を例示できる。
【0014】本発明の感熱記録体の感熱発色層は、おも
にロイコ染料と、本発明の式(I)で表わされる芳香族
有機化合物(顕色剤)および増感剤からなる。さらに、
感熱発色層は、必要に応じて、従来公知のフェノール系
あるいは有機酸系顕色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、
またはワックス類を含むことができる。また、有機又は
無機顔料類を含んでいることが好ましい。更に、これら
の成分を支持体に固着するためのバインダーを含むもの
である。
【0015】感熱発色層における上記ロイコ染料の感熱
発色層中の含有率は、一般に感熱発色層の乾燥重量の5
〜20重量%であることが好ましく、本発明の式(I)
で表される芳香族有機化合物である顕色剤の含有率も特
に限定しないが、一般に10〜50重量%であることが
好ましい。含有率が10重量%未満では顕色能力に不足
をきたす恐れがあり、50重量%を越えて入れても顕色
能力が飽和して格別の改善は見られず、経済的に不利と
なることがある。
【0016】感熱発色層に酸化防止剤又は紫外線吸収剤
が含まれる場合、その含有率は1〜10重量%であるこ
とが好ましい。従来公知のフェノール系あるいは有機酸
系顕色剤を併用する場合、その含有率は、5〜40重量
%であることが好ましい。また増感剤の含有率は10〜
40重量%が好ましい。ワックス類、顔料が感熱発色層
に含まれる場合、その含有率はそれぞれ5〜20重量
%、10〜50重量%であることが好ましく、またバイ
ンダーの含有率は一般に5〜20重量%である。
【0017】上記の有機又は無機の顔料としては、例え
ば炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、水
酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、クレ
ー、焼成クレー、タルク、および表面処理された炭酸カ
ルシウムやシリカ等の無機系微粉末の他、並びに、尿素
−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合体、
およびポリスチレン樹脂等の有機系の微粉末などの白色
顔料を例示することができるが、炭酸カルシウムのよう
なアルカリ土類金属の塩は多用すると感度の低下を引き
起こす場合があるのでその使用量は感熱発色層の乾燥重
量の20重量%以下であることが好ましい。
【0018】また、ワックス類としては、例えば、パラ
フィン、アミド系ワックス、ビスイミド系ワックス、高
級脂肪酸の金属塩など公知のものを用いることができ
る。前記バインダーついては、種々の分子量のポリビニ
ルアルコール、デンプン及びその誘導体、メトキシセル
ロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロー
ス、エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアク
リル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミ
ド/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/
アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共重合体、スチ
レン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリ
ルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、およびカゼイ
ンなどの水溶性高分子材料、並びに、ポリ酢酸ビニル、
ポリウレタン、スチレン/ブタジエン共重合体、ポリア
クリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸
ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン
/酢酸ビニル共重合体、およびスチレン/ブタジエン/
アクリル系共重合体等の各々のラテックスを例示でき
る。
【0019】本発明の感熱記録体に用いられるシート状
基体は、紙(酸性紙や中性紙を含む)、表面に顔料、ラ
テックスなどを塗工したコーテッド紙、ラミネート紙、
ポリオレフィン系樹脂から作られた合成紙、プラスチッ
クフィルムなどから選ぶことができる。このようなシー
ト状基体の少なくとも一面上に、上記所要成分の混合物
を含む塗布液を塗布し、乾燥して感熱記録体を製造す
る。塗布量は特に限定しないが、塗布液層が乾燥した状
態で1〜15g/m2が好ましく、2〜10g/m2が特
に好ましい。本発明の感熱記録体においてその感熱発色
層上に更に保護層、印刷層などのような被覆層を形成す
ることもできる。また支持体上に顔料(好ましくは吸油
性顔料)と接着剤を含有する下塗り層を設けることもで
きる。
【0020】本発明においては、感熱記録体の付加価値
を高めるためにさらに加工を施し、より高い機能を付与
した感熱記録体とすることができる。例えば、裏面に粘
着剤、再湿接着剤、ディレードタック型接着剤による加
工を施すことで粘着紙、再湿接着紙、ディレードタック
紙としたり、磁気加工することで裏面に磁気記録可能な
感熱記録材料とすることができる。また裏面を利用して
熱転写用紙、インクジェット用紙、ノーカーボン用紙、
静電記録紙、ゼログラフィ用紙としての機能をもたせ、
両面への記録が可能な記録紙とすることもできる。もち
ろん両面感熱記録体とすることもできる。
【0021】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明
する。特に断らない限り「部」および「%」は、それぞ
れ「重量部」および「重量%」をあらわす。
【0022】<合成例1> 化合物1の合成 温度計、還流器、滴下ロートをつけた三口フラスコに
6.9gのメチル(N−4−アミノベンゼンスルホニ
ル)カーバメートと、60mlのトルエンを入れ、この
混合物をマグネティックスターラーで撹拌しつつ、室温
において滴下ロートにより4.2gのアニリンを加え
た。この反応懸濁液を室温にて攪拌後、15時間加熱還
流すると、白色固体が析出したので、冷ました後濾過を
行ない、8.2gのN−(4−アミノベンゼンスルホニ
ル)−N’−フェニルウレア(化合物A)の薄い桃白色
固体を得た(NMR測定により、同定した)。
【0023】ナスフラスコに5.0gの化合物Aと、5
0mlのアセトンを入れ、さらにピリジン2.0gを加
えた。この溶液をマグネティックスターラーで撹拌しつ
つ、室温において3.3gの4、4’−チオジ(ベンゼ
ンスルホニルクロライド)を加えた。この反応液を室温
にて24時間攪拌後、水100mlを加え、塩酸を用い
て酸性にすると粘ちょう物が析出したので、この粘ちょ
う物を分別し、乾燥させると目的物がえられた。6.5
gの薄い桃白色固体を得た。
【0024】NMR測定により、得られた化合物が目的
物であることを同定した。NMR測定(重DMSO中)
結果は、以下の通り。δ=7.00(t,2H),7.
24(t,4H),7.29(d,4H),7.30
(d,4H),7.48(d,4H),7.82(d,
4H),7.84(d,4H)、その他N−Hに起因す
ると思われるピークがδ=8.78と11.2付近に現
われる。本結晶をDSC(示差走査熱量計)により分析
すると169℃に化合物の融点によると思われる吸熱ピ
ークが現われた。
【0025】<合成例2> 化合物2の合成 合成例1と同様の操作によりN−(4−アミノベンゼン
スルホニル)−N’−フェニルウレア(化合物A)の薄
い桃白色固体を得た(NMR測定により、同定した)。
ナスフラスコに5.0gの化合物Aと、50mlのアセ
トンを入れ、さらにピリジン2.0gを加えた。この溶
液をマグネティックスターラーで撹拌しつつ、室温にお
いて2.6gの4、4’−オキシジ(ベンゼンスルホニ
ルクロライド)を加えた。この反応液を室温にて24時
間攪拌後、水100mlを加え、塩酸を用いて酸性にす
ると粘ちょう物が析出したので、この粘ちょう物を分別
し、乾燥させると目的物が得られた。6.5gの薄い桃
白色固体を得た。
【0026】NMR測定により、得られた化合物が目的
物であることを同定した。NMR測定(重DMSO中)
結果は、以下の通り。δ=6.99(t,2H),7.
22(tとdが重なる,8H),7.29(d,8
H),7.84(d,4H),7.87(d,4H)、
その他N−Hに起因すると思われるピークがδ=8.7
9付近に現われる。本結晶をDSC(示差走査熱量計)
により分析すると160℃に化合物の融点によると思わ
れる吸熱ピークが現われた。
【0027】<合成例3> 化合物3の合成 合成例1と同様の操作によりN−(4−アミノベンゼン
スルホニル)−N’−フェニルウレア(化合物A)の薄
い桃白色固体を得た(NMR測定により、同定した)。
ナスフラスコに5.0gの化合物Aと、50mlのアセ
トニトリルを入れ、さらにピリジン2.0gを加えた。
この溶液をマグネティックスターラーで撹拌しつつ、室
温において3.0gの4、4’−ビフェニルジスルホニ
ルクロライドを加えた。この反応液を室温にて5時間攪
拌後、水100mlを加え、塩酸を用いて酸性にすると
粘ちょう物が析出したので、この粘ちょう物を分別し、
取り乾燥させると目的物が得られた。5.0gの薄い桃
白色固体を得た。
【0028】NMR測定により、得られた化合物が目的
物であることを同定した。NMR測定(重DMSO中)
結果は、以下の通り。δ=6.96(t,2H),7.
20(t,4H),7.27(d,4H),7.32
(d,4H)、7.83(d,4H),7.85(d,
4H),7.91(d,4H)、その他N−Hに起因す
ると思われるピークがδ=8.8と11.0付近に現わ
れる。本結晶をDSC(示差走査熱量計)により分析す
ると189〜200℃に化合物の融点によると思われる
吸熱ピークが現われた。
【0029】<合成例4> 化合物4の合成 合成例1と同様の操作によりN−(4−アミノベンゼン
スルホニル)−N’−フェニルウレア(化合物A)の薄
い桃白色固体を得た(NMR測定により、同定した)。
ナスフラスコに5.0gの化合物Aと、50mlのアセ
トニトリルを入れ、さらにピリジン2.0gを加えた。
この溶液をマグネティックスターラーで撹拌しつつ、室
温において2.8gの2、7−ナフタレンジスルホニル
クロライドを加えた。この反応液を室温にて5時間攪拌
後、水100mlを加え、塩酸を用いて酸性にすると粘
ちょう物が析出したので、この粘ちょう物を分別し、乾
燥させると目的物が得られた。5.0gの薄い桃白色固
体を得た(NMR測定により、同定した)。
【0030】<合成例5> 化合物5の合成 合成例1と同様の操作によりN−(4−アミノベンゼン
スルホニル)−N’−フェニルウレア(化合物A)の薄
い桃白色固体を得た(NMR測定により、同定した)。
ナスフラスコに5.0gの化合物Aと、50mlのアセ
トニトリルを入れ、さらにピリジン2.0gを加えた。
この溶液をマグネティックスターラーで撹拌しつつ、室
温において2.8gの2、6−ナフタレンジスルホニル
クロライドを加えた。この反応液を室温にて5時間攪拌
後、水100mlを加え、塩酸を用いて酸性にすると粘
ちょう物が析出したので、この粘ちょう物を分別し、乾
燥させると目的物が得られた。5.5gの薄い桃白色固
体を得た(NMR測定により、同定した)。本結晶をD
SC(示差走査熱量計)により分析すると170℃付近
に化合物の融点によると思われる吸熱ピークが現われ
た。
【0031】<合成例6> 化合物6の合成 合成例1と同様の操作によりN−(4−アミノベンゼン
スルホニル)−N’−フェニルウレア(化合物A)の薄
い桃白色固体を得た(NMR測定により、同定した)。
ナスフラスコに5.0gの化合物Aと、50mlのアセ
トニトリルを入れ、さらにピリジン2.0gを加えた。
この溶液をマグネティックスターラーで撹拌しつつ、室
温において1.45gのグルタル酸クロライドを加え
た。この反応液を室温にて3時間攪拌後、水100ml
を加え、塩酸を用いて酸性にすると粘ちょう物が析出し
たので、この粘ちょう物を分別し、乾燥させると目的物
が得られた。5.1gの白色固体を得た。
【0032】NMR測定により、得られた化合物が目的
物であることを同定した。NMR測定(重DMSO中)
結果は、以下の通り。δ=1.91(q,2H),2.
43(t,4H),7.01(t,2H),7.25
(t,4H)、7.32(d,4H),7.80(d,
4H),7.89(d,4H)、その他N−Hに起因す
ると思われるピークがδ=8.7と10.3付近に現わ
れる。本結晶をDSC(示差走査熱量計)により分析す
ると175℃に化合物の融点によると思われる吸熱ピー
クが現われた。
【0033】<実施例1>下記操作により感熱記録紙を
作製した。 (1)分散液A調製 成 分 量(部) 3−ジ(n−ブチル)アミノ− 6−メチル−7−アニリノフルオラン 20 ポリビニルアルコール 10%液 10 水 70 上記組成物をペイントシェーカーをもちい、平均粒径が
1μm以下になるまで粉砕した。
【0034】 (2)分散液B調製 成 分 量(部) 化合物1 10 ジフェニルスルホン 10 ポリビニルアルコール 10%液 10 水 70 上記組成物をペイントシェーカーをもちい、平均粒径が
1μm以下になるまで粉砕した。
【0035】(3)顔料下塗り紙の調製 焼成クレー(商品名アンシレックス、エンゲルハート社
製)85部を水320部に分散して得られた分散物に、
スチレン〜ブタジエン共重合物エマルジョン(固形分5
0%)を40部、10%酸化でんぷん水溶液を50部混
合して得た塗液を48g/m2の原紙の上に乾燥後の塗
布量が7.0g/m2になるように塗工して、顔料下塗
り層を有する支持体を得た。
【0036】(4)感熱発色層の形成 上記分散液A50部、分散液B200部、クレー顔料
(商品名:HGクレー、ヒューバー社)30部、25%
ステアリン酸亜鉛分散液20部、30%パラフィン分散
液15部、および10%ポリビニルアルコール水溶液1
00部を混合、撹拌し、塗布液とした。この塗布液を、
上記顔料下塗り層を有する支持体の下塗り層上に、乾燥
後の塗布量が5.0g/m2となるように塗布乾燥して
感熱発色層を形成し、感熱記録紙を作成した。
【0037】(5)スーパーカレンダー処理 上記の様にして得られた感熱記録紙をスーパーカレンダ
ーによって処理し、その表面のベック平滑度を1000
〜1400秒とした。
【0038】(6)発色試験 こうして得られた試料について、大倉電機製発色試験機
THPMDを用いて印字電圧21.7V、印字パルス
0.7msと1.0msの条件で印字した。この印字発
色した部分の濃度をマクベス反射濃度計(型式:RD−
914,マクベス社製)で測定した。この0.7msの
濃度を発色感度とし、1.0msの濃度を元濃度とす
る。
【0039】(7)耐湿性試験 上記(6)の発色試料から所定の供試片を作成し、温度
40℃、相対湿度90%に調整した耐候性試験機に入
れ、48時間後に取り出し、残存画像濃度をマクベス反
射濃度計で測定した。
【0040】(8)耐油性、耐可塑剤性試験 上記(6)の発色試料から所定の供試片を作成し、発色
後30分以内に供試片に(耐油性試験の場合は)サラダ
オイル、または可塑剤(ジオクチルテレフタレート)を
塗布し、室温で1時間放置後、過剰のオイルまたは可塑
剤(ジオクチルテレフタレート)を拭き取り、残存画像
濃度をマクベス反射濃度計で測定し、以下の式に従って
画像存率を算出した。画像保存率(%)={(耐油性または耐
可塑剤性処理後の濃度)/(元濃度)}×100以上の
(6)(7)および(8)の試験結果(画像保存率の
値)を表1に示す。
【0041】<実施例2>実施例1と同様の操作を行な
った。ただし、分散液Bの調製にあたり、化合物1のか
わりに化合物2を用いた。テスト結果を表1に示す。
【0042】<比較例1>実施例1と同様の操作を行な
った。ただし、分散液Bの調製にあたり、化合物1のか
わりに2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン(ビスフェノールA)を用いた。テスト結果を表1に
示す。
【0043】<比較例2>実施例1と同様の操作を行な
った。ただし、分散液Bの調製にあたり、化合物1のか
わりに4、4’−ビス(ベンゼンアミノカルボニルアミ
ノスルホニル)ビフェニル(融点183〜186℃)
(特開平7―47773号記載の化合物)を用いた。テ
スト結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】表1から明らかなように、本発明の顕色剤
は、良好な顕色能力を有し、発色感度にも優れ、かつそ
の発色画像は、従来顕色剤の代表であるビスフェノール
Aにくらべ格段に優れた耐湿性、耐油性および耐可塑剤
性を示す。
【0046】
【発明の効果】本発明の感熱記録体は、その感熱発色層
中に、顕色剤として、式(I)で表わされる芳香族化合
物を用いるため、得られる発色画像は、良好な発色感度
及び発色濃度と優れた耐湿性、耐油性および耐可塑剤性
を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状基体、及びこのシート状基体の
    少なくとも一面に形成され、かつ、無色又は淡色の染料
    前駆体と、この染料前駆体と加熱下に反応してこれを発
    色させる顕色剤とを含む感熱発色層を有し、前記顕色剤
    が下記一般式(I): 【化1】 (ただし、Yは下記化学式: 【化2】 で表わされる2価の基から選ばれた1員を表わす。)で
    表わされる有機化合物を少なくとも一種含むことを特徴
    とする感熱記録体。
JP9237053A 1997-09-02 1997-09-02 感熱記録体 Pending JPH1178248A (ja)

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