JP2000158801A - インクジェット用記録媒体 - Google Patents

インクジェット用記録媒体

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JP2000158801A
JP2000158801A JP33685398A JP33685398A JP2000158801A JP 2000158801 A JP2000158801 A JP 2000158801A JP 33685398 A JP33685398 A JP 33685398A JP 33685398 A JP33685398 A JP 33685398A JP 2000158801 A JP2000158801 A JP 2000158801A
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Japan
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carboxyl group
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polyvinyl alcohol
ink
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JP33685398A
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English (en)
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Taiji Kanda
泰治 神田
Masaru Saeki
大 佐伯
Koichi Takahashi
浩一 高橋
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印字特性(印字濃度フェザリング)、耐水
性、耐ブロッキング性、表面紙力強度に優れたインクジ
ェット用記録媒体を提供すること。 【解決手段】 せん断速度2.5×105sec-1にお
ける10重量%水溶液の40℃での粘度が1〜40mP
a・sであるカルボキシル基含有ポリビニルアルコール
系樹脂100重量部に対して、親水基含有フッ素系化合
物を0.01〜5.0重量部配合した樹脂組成物を基材
中及び/又は基材表面の塗工層に含有してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット用
記録媒体に関し、更に詳しくは、印字特性(印字濃度フ
ェザリング)、耐水性、耐ブロッキング性、表面紙力強
度に優れたインクジェット用記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録法は、小滴状にした
インクを紙やPETなどの被記録媒体の表面に飛翔させ
て、文字等の記録を行う方法で、高速印字ができる、多
色印字ができる、印字時の音が少ない等の利点があるた
め、最近では多用されるようになってきた。そして、イ
ンク定着性を向上させる等を目的として、基材表面にポ
リビニルアルコール系樹脂とフッ素化合物を配合した組
成物を塗工したり(特開平9−150572号公報、特
開平10−217599号公報)、或いはカルボキシル
基変性のポリビニルアルコール系樹脂を塗工したり(特
開平9−207425号公報)、することが行われてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、(カル
ボキシル基を含有しない)ポリビニルアルコール系樹脂
とフッ素化合物を配合した組成物を塗工した場合には、
インク定着性は良好であるが、記録媒体の表面強度が弱
く、またインク受理性が悪く、無機微粒子を配合した場
合には基材との接着力も低くなってしまう。また、カル
ボキシル基変性のポリビニルアルコール系樹脂を積層し
た場合には、表面強度や無機微粒子との接着力は良好で
あるが、インクの定着性が悪く、インクがにじみやすく
なってしまい、印字特性(印字濃度フェザリング)、耐
水性、耐ブロッキング性、表面紙力強度等の全てにわた
って優れたインクジェット用記録媒体が望まれるところ
である。
【0004】
【問題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
かかる事情を鑑みて鋭意研究を重ねた結果、せん断速度
2.5×105sec-1における10重量%水溶液の4
0℃での粘度が1〜40mPa・sであるカルボキシル
基含有ポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対し
て、親水基含有フッ素系化合物を0.01〜5.0重量
部配合した樹脂組成物が、基材中及び/又は基材表面の
塗工層中に含有されてなるインクジェット用記録媒体
が、上記の課題を解決することを見いだし本発明を完成
するに至った。また、本発明においては、かかるフッ素
系化合物が下記一般式(1)で表される化合物であると
き、本発明の作用効果を顕著に得ることができる。
【化2】 Cn2n+1−(X)l−(CH2−CH2−O)m−H ・・・(1) (但し、Xは、−SO2NR(アルキル基)−またはカ
ルボニル基で、nは1〜40の整数で、mは1〜100
の整数で、lは0または1)
【0005】
【発明の実施の形態】本発明を以下に詳しく説明する。
本発明のカルボキシル基含有ポリビニルアルコール系樹
脂は、カルボキシル基を含有しているポリビニルアルコ
ール系樹脂であれば特に限定されず、その製造も特に限
定されず、例えば、カルボキシル基を有する不飽和単
量体及びビニルエステル系化合物より共重合体を得た
後、該共重合体をケン化する方法、カルボキシル基を
有するポリビニルアルコール系樹脂にオキシアルキレン
基を有する単量体をグラフト重合させる方法等が挙げら
れるが、の方法が樹脂の製造面、性能面から実用的で
ある。
【0006】以下、の方法について具体的に説明す
る。カルボキシル基を有する不飽和単量体としては、エ
チレン性不飽和ジカルボン酸(マレイン酸、フマル酸、
イタコン酸)、又はエチレン性不飽和カルボン酸モノエ
ステル(マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モ
ノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステ
ル)、又はエチレン性不飽和ジカルボン酸ジエステル
(マレイン酸ジアルキルエステル、フマル酸ジアルキル
エステル、イタコン酸ジアルキルエステル)、又はエチ
レン性不飽和カルボン酸無水物(無水マレイン酸、無水
イタコン酸)、あるいは(メタ)アクリル酸等の単量
体、及びこれらの塩が挙げられ、エチレン性不飽和カル
ボン酸モノエステル又はその塩が好適に使用される。ま
た、ビニルエステル系化合物としては、ギ酸ビニル、酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプリン
酸ビニル、ラウリル酸ビニル、バーサティック酸ビニ
ル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等が単独
又は併用で用いることができるが、酢酸ビニルが特に実
用性が高い。
【0007】本発明においては、かかる重合の際に上記
の如きカルボキシル基を有する単量体、ビニルエステル
系化合物以外に、飽和カルボン酸のアリルエステル(ス
テアリン酸アリル、ラウリン酸アリル、ヤシ油脂肪酸ア
リル、オクチル酸アリル、酪酸アリル等)、α−オレフ
ィン(エチレン、プロピレン、α−ヘキセン、α−オク
テン、α−デセン、α−ドデセン、α−ヘキサデセン、
α−オクタデセン等)、アルキルビニルエーテル(プロ
ピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシル
ビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニ
ルエーテル、ドデシルビニルエーテル、テトラデシルビ
ニルエーテル、ヘキサデシルビニルエーテル、オクタデ
シルビニルエーテル等)、アルキルアリルエーテル(プ
ロピルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、ヘキシ
ルアリルエーテル、オクチルアリルエーテル、デシルア
リルエーテル、ドデシルアリルエーテル、テトラデシル
アリルエーテル、ヘキサデシルアリルエーテル、オクタ
デシルアリルエーテル等)、更には、(メタ)アクリル
アミド、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アリルス
ルホン酸塩、エチレン性不飽和スルホン酸塩、スチレ
ン、塩化ビニルなどの(ビニルエステルと)共重合しう
る単量体を50モル%以下存在せしめて重合を行なって
も良い。共重合するに当たっては特に制限はなく、公知
の重合方法が任意に用いられるが、普通メタノールある
いはエタノール等のアルコールを溶媒とする溶液重合が
実施される。
【0008】かかる方法において単量体の仕込み方法と
しては、まずビニルエステル系化合物の全量と前記カル
ボキシル基含有不飽和単量体の一部を仕込み重合を開始
し、残りの不飽和単量体を重合期間中に連続的に又は分
割的に添加する方法、一括仕込みする方法等任意の手段
を用いて良い。共重合反応は、アゾビスイソブチロニト
リル、過酸化アセチル、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウ
ロイルなどの公知のラジカル重合触媒を用いて行なわれ
る。又反応温度は50℃〜沸点程度の範囲から選択され
る。上記の如くして得られた共重合体は、次にケン化さ
れてカルボキシル基含有ポリビニルアルコール系樹脂と
なる。
【0009】ケン化に当たっては、共重合体をアルコー
ルや酢酸エステルまたはこれらの混合溶媒に溶解しアル
カリ触媒の存在下に行なわれる。アルコールとしてはメ
タノール、エタノール、ブタノール等が挙げられ、ま
た、酢酸エステルとしては、酢酸メチル、酢酸エチル等
が挙げられる。アルコール中の共重合体の濃度は20〜
50重量%の範囲から選ばれる。ケン化触媒としては水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラー
ト、ナトリウムエチラート、カリウムメチラート等のア
ルカリ金属の水酸化物やアルコラートの如きアルカリ触
媒を用いることが必要である。かかる触媒の使用量はビ
ニルエステル系化合物に対して1〜100ミリモル当量
にすることが必要である。
【0010】かかる場合、ケン化温度は特に制限はない
が、通常は10〜70℃、更には30〜40℃の範囲か
ら選ぶのが好ましい。反応は通常2〜3時間にわたって
行なわれ、好ましいケン化度は10〜100モル%で、
特に好ましくは50〜100モル%、殊に好ましくは7
0〜100モル%の範囲から選択される。尚、ビニルア
ルコール成分を含有させる場合は上記方法に限られるも
のではなく、例えばポリビニルアルコール(部分ケン化
物、完全ケン化物)に酸化アルキレン類を後反応させる
方法等も実施可能である。
【0011】かくして、カルボキシル基含有ポリビニル
アルコール系樹脂が得られるわけであるが、かかるカル
ボキシル基の含有量は0.1〜10モル%が好ましく、
更には0.5〜5モル%で、かかるカルボキシル基の含
有量が0.1モル%未満では表面紙力強度が低く、また
無機微粒子との接着力も低下し、逆に10モル%を越え
ると紙がカールし、またインク受理性も悪くなって好ま
しくない。
【0012】また、本発明においては、カルボキシル基
含有ポリビニルアルコール系樹脂の40℃のせん断速度
2.5×105sec-1における10重量%の水溶液粘
度が1〜40mPa・s(更には5〜30mPa・s)
であることが必要で、かかる水溶液粘度が1mPa・s
未満では印字発色性が低下し、逆に40mPa・sを越
えると高粘度のため塗工が困難な上、インク定着性が悪
く、更にインクの乾きも遅くなって好ましくない。かか
る粘度の調整は、該ポリビニルアルコール系樹脂の重合
度等で調整することが可能である。尚、上記の粘度の測
定に当たっては、ハーキュレス型回転粘度計を用いて測
定することができる。
【0013】上記のカルボキシル基含有ポリビニルアル
コール系樹脂に配合される親水基含有フッ素系化合物と
しては、パーフルオロアルキル基(Cn2n+1−;nは
1〜40の整数)及びアルキレンオキサイド、スルホン
酸基等の親水基を含有する化合物(アクリルオリゴマ
ー、ウレタンオリゴマーを含む)であればよいが、特に
下記一般式(1)で表される如きパーフルオロアルキル
基(Cn2n+1−;nは1〜40の整数)及びアルキレ
ンオキサイドを含有する化合物が好ましい。
【化3】 Cn2n+1−(X)l−(CH2−CH2−O)m−H ・・・(1) (但し、Xは、−SO2NR(アルキル基)−またはカ
ルボニル基で、nは1〜40の整数で、mは1〜100
の整数で、lは0または1) 上記一般式(1)においては、n=3〜20、m=3〜
30が好ましく、更にはn=5〜10、m=5〜20が
好ましい。
【0014】尚、上記の化合物としては、大日本インキ
化学工業(株)製の『メガファックF−142D』や『メ
ガファックF−144D』を挙げることができる。かか
る親水基含有フッ素系化合物の配合割合は、カルボキシ
ル基含有ポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対
して、0.01〜5.0重量部(更には0.05〜3.
0重量部、特に0.1〜2.0重量部)とすることが必
要で、かかる配合量が0.01重量部未満では、添加効
果がなく、逆に5.0重量部を越えるとインクをはじく
ために本発明の目的を達成することができない。
【0015】かくして、本発明で用いられるカルボキシ
ル基含有ポリビニルアルコール系樹脂及び親水基含有フ
ッ素系化合物からなる樹脂組成物は、一般には水に溶解
して用いられるが、溶剤系でも使用可能である。溶剤の
種類は、カルボキシル基含有ポリビニルアルコール系樹
脂の特性、カルボキシル基含有ポリビニルアルコール系
樹脂及び親水基含有フッ素系化合物の配合割合等に応じ
て適宜選択すれば良い。例えば、比較的ケン化度の低い
ものはペースト状で得られるので重合又はケン化に用い
た溶媒をそのまま用いても良いし、必要ならば溶媒置換
を行なっても良い。
【0016】かかる樹脂組成物の使用にあたっては、塗
工液として使用され、該塗工液の調製に当たっては特に
制限はなく、要するに水と上記のカルボキシル基含有ポ
リビニルアルコール系樹脂及び親水基含有フッ素系化合
物を混合すれば良い。濃度は目的に応じて適宜調節すれ
ば良いが、特に好ましいカルボキシル基含有ポリビニル
アルコール系樹脂と親水基含有フッ素系化合物の混合物
の濃度は作業性等を考慮して、通常は0.1〜40重量
%、更には1〜20重量%程度の範囲から選ばれる。
【0017】本発明においては、上記の如きカルボキシ
ル基含有ポリビニルアルコール系樹脂及び親水基含有フ
ッ素系化合物が配合された樹脂組成物を用いるのである
が、後述する含浸(含有)及び/又は塗工される基材の
中でも、白色度を高める等の場合は、該樹脂組成物中に
無機微粒子が配合されていることが好ましく、かかる無
機微粒子としては、合成シリカ、コロイダルシリカ、ア
ルミナ等を挙げることができ、好適には合成シリカやコ
ロイダルシリカなどのケイ素化合物が用いられる。ま
た、かかる無機微粒子の形状としては、球状、粒状、パ
ウダー状、数珠状等が挙げられ、その平均粒子径として
は、0.01〜50μm(更には0.05〜30μm、
特に0.1〜20μm)が好ましく、かかる粒子径が
0.01μm未満では塗工液の流動性が悪いため塗りに
くく、またインクドット径が小さく、印画濃度が低くな
り、逆に50μmを越えると平滑性が低下し、表面がざ
らついた状態となって好ましくない。かかる無機微粒子
の配合量は、親水基含有フッ素系化合物100重量部に
対して、0.1〜10000重量部(更には、1〜50
00重量部、特に、5〜1000重量部が好ましく、か
かる配合量が0.1重量部未満では文字のにじみが生じ
やすくなり、逆に10000重量部を越えると発色濃度
の低下が生じやすくなって好ましくない。当然のことな
がら、OHP(オーバーヘッドプロジェクト)用フイル
ムのように透明性が要求される場合には無機微粒子の量
を少なくし(具体量は0.1〜10重量部程度)、また
紙のように白色が要求される場合には、後述する固形分
の範囲内で無機微粒子の量を多くする(具体量は100
〜10000重量部程度)ことが望まれる。
【0018】また、本発明で用いられる樹脂組成物に
は、必要に応じてグリオキザール、尿素樹脂、ポリアミ
ンポリアミドエピクロルヒドリン、ポリエチレンイミン
等の耐水化剤、消泡剤、離型剤、界面活性剤(上記の親
水基含有フッ素系化合物以外)、防腐剤、防虫剤、防錆
剤、増粘剤等の公知の添加剤を添加することもでき、又
本発明の特徴を損なわない範囲であれば他の紙加工剤、
例えば、従来公知の他のポリビニルアルコール、澱粉、
カルボキシメチルセルロース、アクリル系ラテックス、
SBRラテックス等の樹脂も混合することができる。
【0019】本発明においては、上記の如き樹脂組成物
が、基材中及び/又は基材表面の塗工層に含有されるの
であるが、かかる基材としては、特に制限はないが、例
えば、上質紙、中質紙、(セミ)グラシン紙、光沢紙、
コート紙、PETシート、PVCシート、PEN(ポリ
エチレンナフタレート)シート、PETフイルム、PV
Cフイルム、PENフイルムなどが好適に用いられる。
【0020】かかる基材に樹脂組成物を塗工するにあた
っては、サイズプレスコート、ロールコーター法、エヤ
ードクター法、ブレードコーター法、ゲートロールコー
ター法等の公知の任意の方法が採用されるが、該樹脂組
成物を塗工するときは、固形分が1〜70重量%(更に
は2〜60重量%、特に5〜50重量%)の水溶液とす
ることが好ましく、かかる固形分が、1重量%未満で
は、付着量が少なく、印画濃度や表面紙力強度も低く実
用性に乏しいものとなり、逆に70重量%を越えると塗
工液の粘度が高くなるため、塗工が困難になり、また塗
工斑も生じるために好ましくない。基材に塗工される樹
脂組成物の塗布量は、カルボキシル基含有ポリビニルア
ルコール系樹脂が0.1〜40g/m2(固形分換
算)、特に好ましくは0.5〜20g/m2(同上)程
度になるようにするのが適当である。かくして、該樹脂
組成物が基材中及び/又は基材表面の塗工層に含有され
て、本発明のインクジェット用記録媒体が得られるので
ある。
【0021】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。尚、実施例中、「部」、「%」とあるのは、特に
ことわりのない限り重量基準を示す。 実施例1 [カルボキシル基含有ポリビニルアルコール系樹脂の調
製]重合缶に酢酸ビニル500部、マレイン酸3.4
部、メタノール85部を仕込んで、系内を撹拌下、窒素
気流中で昇温して60℃で30分間還流後、アゾビスイ
ソブチロニトリルを酢酸ビニルに対して0.08モル%
加え、マレイン酸のメタノール溶液を仕込み変性度が
1.0モル%に滴下して6時間重合を行って反応終了後
メタノール蒸気を吹き込んで未反応のモノマーを除去
し、共重合体のメタノール溶液を得た。次いで、得られ
たメタノール溶液を40%にメタノールで希釈した。更
に共重合体中の酢酸ビニルに対して水酸化ナトリウムを
40ミリモル%加えてケン化して、得られたケン化物を
濾過し、70℃で乾燥してカルボキシル基含有ポリビニ
ルアルコール系樹脂(ケン化度94.0モル%、平均重
合度1700)を得た。得られたカルボキシル基含有ポ
リビニルアルコール系樹脂の40℃のせん断速度2.5
×105sec-1における10重量%の水溶液粘度は、
ハーキュレス型回転粘度計(三井電気精機社製)で測定
したところ、20mPa・sであった。
【0022】上記のカルボキシル基含有ポリビニルアル
コール系樹脂6部を水94部に溶解させた後、親水基含
有フッ素系化合物(C817−(CH2−CH2−O)10
H)[大日本インキ工業社製、『メガファックF−14
2D』]0.048部(ポリビニルアルコール系樹脂1
00部に対し0.8部)添加して、更に非晶質の合成シ
リカ(富士シリシア化学社製、「サイリシア446」、
形状:球形、粒子径:4.5μm)を0.48部(親水
基含有フッ素系化合物100部に対して1000部)添
加して、塗工液とし、該塗工液を坪量100g/m2
上質紙に樹脂固形分で10.0g/m2になるようにバ
ーコートを行った後、円筒回転式ドライヤーにて105
℃で2分間乾燥した。得られたインクジェット用記録媒
体について、印字濃度、耐水性、フェザリングの状態
(表3では単にフェザリングと記す)、耐ブロッキング
性、表面紙力強度(表3では単に紙力強度と記す)の評
価を以下の要領で行った。
【0023】(印字濃度)得られたインクジェット用記
録媒体にインクジェットプリンター(セイコーエプソン
社製、「PM−750C」)でイエロー、シアン、マゼ
ンダの各色を記録(印字)し、記録部分をそれぞれマク
ベス濃度計(マクベス社製、「RD914型」)で印字
濃度を測定した。
【0024】(耐水性)得られたインクジェット用記録
媒体にインクジェットプリンター(セイコーエプソン社
製、「PM−750C」)で印字後、その表面に水を滴
下して、15秒経過後にティッシュペーパーで水を拭き
取り、印字部分の色落ち具合を目視観察して、以下の通
り評価した。 ○ −−− ほとんど色落ちしない △ −−− 若干色落ちする × −−− 色落ちが激しい (フェザリングの状態)得られたインクジェット用記録
媒体にインクジェットプリンター(セイコーエプソン社
製、「PM−750C」)で印字後、その文字の滲み
(フェザリング)状況を目視観察して、以下の通り評価
した。 ○ −−− ほとんど滲みが見られない △ −−− 若干滲みが見られる × −−− 滲みが著しい
【0025】(耐ブロッキング性)得られたインクジェ
ット用記録媒体を5枚重ねて、その上から10kg/c
2の荷重をかけて、40℃、90%RHの状態で5日
間放置後に該記録媒体のブッロキング状態を調べて、以
下の通り評価した。 ○ −−− ブロッキングはほとんど見られない △ −−− 部分的にブロッキングが見られる × −−− 全体にブロッキングが見られる (表面紙力強度)IGT印刷試験機(熊谷理機社製)に
より、インキにFINE INK TV−20(大日本
インキ化学工業社製)を用いて、IGTピック強度(c
m/秒)の測定を行い、紙片あるいは無機微粒子が剥離
した位置をIGTピック強度とした。
【0026】実施例2〜6、比較例1〜4 表1及び2に示される如きカルボキシル基含有ポリビニ
ルアルコール系樹脂、親水基含有フッ素系化合物及び無
機微粒子を用いて、実施例1と同様にインクジェット用
記録媒体を作製して、実施例1に準じて同様に評価を行
った。
【0027】実施例7〜12 表1及び2に示される如きカルボキシル基含有ポリビニ
ルアルコール系樹脂、親水基含有フッ素系化合物及び無
機微粒子を用いて、実施例1と同様に塗工液を調製し
て、厚さ50μmのPET(ポリエチレンテレフタレー
ト)フィルム(透明度95%)に塗工した以外は実施例
1と同様にインクジェット用記録媒体を作製して、実施
例1に準じて同様に評価を行った。尚、基材がPETフ
ィルムであるため、表面紙力強度の測定は行わなかっ
た。実施例及び比較例の評価結果を表3に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】 *略号は、以下の通り F−1:C817−(CH2−CH2−O)10−H [大日本インキ化学工業社製、『メガファックF−14
2D』] F−2:C817−(CH2−CH2−O)20−H [大日本インキ化学工業社製、『メガファックF−14
4D』] **略号は、以下の通り S−1:非晶質合成シリカ [富士シリシア化学社製、「サイリシア446」、形
状:球形、平均粒子径:4.5μm] S−2:コロイダルシリカ [日産化学社製、「スノーテックスMP3030」、形
状:数珠状、 平均粒子径:0.3μm] A−1:アルミナ [Aldrich社製、「アルミナ(Al23:試
薬)」、形状:パウダー状、平均粒子径:10μm]
【0030】
【表3】
【0031】
【発明の効果】本発明のインクジェット用記録媒体は、
特定粘度のカルボキシル基含有ポリビニルアルコール系
樹脂に親水基含有フッ素系化合物を配合した樹脂組成物
が、基材中及び/又は基材表面の塗工層に含有されてい
るため、印字特性(印字濃度フェザリング)、耐水性、
耐ブロッキング性、表面紙力強度に優れ、インクジェッ
ト用の記録媒体に有用であるが、インクジェット式以外
にも、水性インクを用いたペンプロッターのような記録
機器や筆記器具等に用いることも可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 27/30 102 B32B 27/30 102 B41J 2/01 B41J 3/04 101Y Fターム(参考) 2C056 EA13 FC06 2H086 BA15 BA19 BA21 BA31 BA33 BA35 BA37 BA41 BA45 4D075 CA08 CA35 CA38 DA04 DB18 DC27 EA02 EA06 EB16 EB19 EB52 EB56 EC01 4F100 AA02A AA02B AA02H AA20H AH05 AK17A AK17B AK21A AK21B AK24 AL05A AL05B AL07A AL07B AT00B BA02 BA41 CA23A CA23B DE01A DE01B DE01H EH46A EH46B EJ82B GB90 JA06A JA06B JB07 JL00 JL01 YY00A YY00B

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 せん断速度2.5×105sec-1にお
    ける10重量%水溶液の40℃での粘度が1〜40mP
    a・sであるカルボキシル基含有ポリビニルアルコール
    系樹脂100重量部に対して、親水基含有フッ素系化合
    物を0.01〜5.0重量部配合した樹脂組成物が、基
    材中及び/又は基材表面の塗工層中に含有されてなるこ
    とを特徴とするインクジェット用記録媒体。
  2. 【請求項2】 更に無機微粒子が配合された樹脂組成物
    であることを特徴とする請求項1記載のインクジェット
    用記録媒体。
  3. 【請求項3】 親水基含有フッ素系化合物が下記一般式
    (1)で表されることを特徴とする請求項1または2記
    載のインクジェット用記録媒体。 【化1】 Cn2n+1−(X)l−(CH2−CH2−O)m−H ・・・(1) (但し、Xは、−SO2NR(アルキル基)−またはカ
    ルボニル基で、 nは1〜40の整数で、mは1〜100の整数で、lは
    0または1)
  4. 【請求項4】 カルボキシル基含有ポリビニルアルコー
    ル系樹脂中のカルボキシル基の含有量が0.1〜10モ
    ル%であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載
    のインクジェット用記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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