JP2001071622A - インクジェット用記録媒体 - Google Patents

インクジェット用記録媒体

Info

Publication number
JP2001071622A
JP2001071622A JP25014199A JP25014199A JP2001071622A JP 2001071622 A JP2001071622 A JP 2001071622A JP 25014199 A JP25014199 A JP 25014199A JP 25014199 A JP25014199 A JP 25014199A JP 2001071622 A JP2001071622 A JP 2001071622A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carboxyl group
recording medium
polyvinyl alcohol
weight
ink jet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP25014199A
Other languages
English (en)
Inventor
Taiji Kanda
泰治 神田
Masaru Saeki
大 佐伯
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd filed Critical Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP25014199A priority Critical patent/JP2001071622A/ja
Publication of JP2001071622A publication Critical patent/JP2001071622A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Duplication Or Marking (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 印字特性(印字濃度やフェザリング状態)、
耐水性、耐ブロッキング性、表面紙力強度に優れたイン
クジェット用記録媒体を提供すること。 【解決手段】 ケン化度が96モル%以上で、せん断速
度2.5×105sec- 1における10重量%水溶液の
40℃での粘度が1〜40mPa・sであるカルボキシ
ル基含有ポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対
して、ポリアクリル酸塩を0.1〜20重量部配合した
樹脂組成物を基材中及び/又は基材表面の塗工層に含有
してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット用
記録媒体に関し、更に詳しくは、印字特性(印字濃度や
フェザリング状態)、耐水性、耐ブロッキング性、表面
紙力強度に優れたインクジェット用記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録法は、小滴状にした
インクを紙やPETなどの被記録媒体の表面に飛翔させ
て、文字等の記録を行う方法で、高速印字ができる、多
色印字ができる、印字時の音が少ない等の利点があるた
め、最近では多用されるようになってきた。そして、イ
ンク定着性を向上させる等を目的として、基材表面にポ
リビニルアルコール系樹脂とフッ素化合物を配合した組
成物を塗工したり(特開平9−150572号公報、特
開平10−217599号公報)、或いはカルボキシル
基変性のポリビニルアルコール系樹脂を塗工したり(特
開平9−207425号公報)、することが行われてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般の
ポリビニルアルコール系樹脂とフッ素化合物を配合した
組成物を塗工した場合には、インク定着性は良好である
が、記録媒体の表面強度が弱く、またインク受理性が悪
く、無機微粒子を配合した場合には基材との接着力も低
くなってしまう。また、カルボキシル基変性のポリビニ
ルアルコール系樹脂を積層した場合には、表面強度や無
機微粒子との接着力は良好であるが、インクの定着性が
悪く、インクがにじみやすくなってしまい、印字特性
(印字濃度やフェザリング状態)、耐水性、耐ブロッキ
ング性、表面紙力強度等の全てにわたって優れたインク
ジェット用記録媒体が望まれるところである。
【0004】
【問題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
かかる事情を鑑みて鋭意研究を重ねた結果、ケン化度が
96モル%以上で、40℃のせん断速度2.5×105
sec-1における10重量%の水溶液粘度が1〜40m
Pa・sであるカルボキシル基含有ポリビニルアルコー
ル系樹脂およびポリアクリル酸塩を含有してなる樹脂組
成物が、基材中及び/又は基材表面の塗工層中に含有さ
れてなるインクジェット用記録媒体が、上記の課題を解
決することを見いだし本発明を完成するに至った。尚、
かかるケン化度は、ポリビニルアルコール系樹脂中の残
存アセチル基と水酸基の合計に対する水酸基の割合であ
る。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明を以下に詳しく説明する。
本発明に用いられるカルボキシル基含有ポリビニルアル
コール系樹脂は、ケン化度が96モル%以上で、その1
0重量%水溶液の40℃のせん断速度2.5×105
ec-1における粘度が1〜40mPa・sであれば、そ
の製造も特に限定されず、例えば、カルボキシル基を
有する不飽和単量体及びビニルエステル系化合物より共
重合体を得た後、該共重合体をケン化する方法、カル
ボキシル基を有するポリビニルアルコール系樹脂にオキ
シアルキレン基を有する単量体をグラフト重合させる方
法等が挙げられるが、の方法が樹脂の製造面、性能面
から実用的である。
【0006】以下、の方法について具体的に説明す
る。カルボキシル基を有する不飽和単量体としては、エ
チレン性不飽和ジカルボン酸(マレイン酸、フマル酸、
イタコン酸)、又はエチレン性不飽和カルボン酸モノエ
ステル(マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モ
ノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステ
ル)、又はエチレン性不飽和ジカルボン酸ジエステル
(マレイン酸ジアルキルエステル、フマル酸ジアルキル
エステル、イタコン酸ジアルキルエステル)、又はエチ
レン性不飽和カルボン酸無水物(無水マレイン酸、無水
イタコン酸)、あるいは(メタ)アクリル酸等の単量
体、及びこれらの塩が挙げられ、エチレン性不飽和カル
ボン酸モノエステル又はその塩が好適に使用される。
【0007】また、ビニルエステル系化合物としては、
ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビ
ニル、カプリン酸ビニル、ラウリル酸ビニル、バーサテ
ィック酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビ
ニル等が単独又は併用で用いることができるが、酢酸ビ
ニルが特に実用性が高い。
【0008】本発明においては、かかる重合の際に上記
の如きカルボキシル基を有する単量体、ビニルエステル
系化合物以外に、飽和カルボン酸のアリルエステル(ス
テアリン酸アリル、ラウリン酸アリル、ヤシ油脂肪酸ア
リル、オクチル酸アリル、酪酸アリル等)、α−オレフ
ィン(エチレン、プロピレン、α−ヘキセン、α−オク
テン、α−デセン、α−ドデセン、α−ヘキサデセン、
α−オクタデセン等)、アルキルビニルエーテル(プロ
ピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシル
ビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニ
ルエーテル、ドデシルビニルエーテル、テトラデシルビ
ニルエーテル、ヘキサデシルビニルエーテル、オクタデ
シルビニルエーテル等)、アルキルアリルエーテル(プ
ロピルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、ヘキシ
ルアリルエーテル、オクチルアリルエーテル、デシルア
リルエーテル、ドデシルアリルエーテル、テトラデシル
アリルエーテル、ヘキサデシルアリルエーテル、オクタ
デシルアリルエーテル等)、更には、(メタ)アクリル
アミド、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アリルス
ルホン酸塩、エチレン性不飽和スルホン酸塩、スチレ
ン、塩化ビニルなどの(ビニルエステルと)共重合しう
る単量体を50モル%以下存在せしめて重合を行なって
も良い。共重合するに当たっては特に制限はなく、公知
の重合方法が任意に用いられるが、普通メタノールある
いはエタノール等のアルコールを溶媒とする溶液重合が
実施される。
【0009】かかる方法において単量体の仕込み方法と
しては、まずビニルエステル系化合物の全量と前記カル
ボキシル基含有不飽和単量体の一部を仕込み、重合を開
始し、残りの不飽和単量体を重合期間中に連続的に又は
分割的に添加する方法、一括仕込みする方法等任意の手
段を用いて良い。共重合反応は、アゾビスイソブチロニ
トリル、過酸化アセチル、過酸化ベンゾイル、過酸化ラ
ウロイルなどの公知のラジカル重合触媒を用いて行なわ
れる。又反応温度は50℃〜沸点程度の範囲から選択さ
れる。
【0010】上記の如くして得られた共重合体は、次に
ケン化されてカルボキシル基含有ポリビニルアルコール
系樹脂となる。ケン化に当たっては、共重合体をアルコ
ールや酢酸エステルまたはこれらの混合溶媒に溶解しア
ルカリ触媒の存在下に行なわれる。アルコールとしては
メタノール、エタノール、ブタノール等が挙げられ、ま
た、酢酸エステルとしては、酢酸メチル、酢酸エチル等
が挙げられる。アルコール中の共重合体の濃度は20〜
50重量%の範囲から選ばれる。ケン化触媒としては水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラー
ト、ナトリウムエチラート、カリウムメチラート等のア
ルカリ金属の水酸化物やアルコラートの如きアルカリ触
媒を用いることが必要である。かかる触媒の使用量はビ
ニルエステル系化合物に対して1〜100ミリモル当量
にすることが必要である。
【0011】尚、本発明においては、得られるカルボキ
シル基含有ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度を9
6モル%以上にする必要があり、上記のケン化は、ケン
化温度20〜70℃、更には30〜50℃の範囲から選
ばれ、また、ケン化反応は通常1〜3時間にわたって行
なわれる。本発明においては、更にケン化度を97〜1
00モル%、特に98〜100モル%とすることが好ま
しい。
【0012】かくして、カルボキシル基含有ポリビニル
アルコール系樹脂が得られるわけであるが、かかるカル
ボキシル基の含有量は0.1〜10モル%が好ましく、
更には0.5〜5モル%で、かかるカルボキシル基の含
有量が0.1モル%未満では表面紙力強度が低く、また
無機微粒子との接着力も低下し、逆に10モル%を越え
ると紙がカールし、またインク受理性も悪くなって好ま
しくない。
【0013】また、本発明においては、カルボキシル基
含有ポリビニルアルコール系樹脂の40℃のせん断速度
2.5×105sec-1における10重量%の水溶液粘
度が1〜40mPa・s(更には5〜30mPa・s)
であることも必要で、かかる水溶液粘度が1mPa・s
未満では印字発色性が低下し、逆に40mPa・sを越
えると高粘度のため塗工が困難な上、インク定着性が悪
く、更にインクの乾きも遅くなって好ましくない。かか
る粘度の調整は、該ポリビニルアルコール系樹脂の重合
度等で調整することが可能である。尚、上記の粘度の測
定に当たっては、ハーキュレス型回転粘度計を用いて測
定することができる。
【0014】また、上記のカルボキシル基含有ポリビニ
ルアルコール系樹脂と共に配合されるポリアクリル酸塩
としては、ポリアクリル酸のナトリウム、カリウム、ア
ンモニウム塩等を挙げることができ、またポリアクリル
酸の重合度としては500〜30000、更には100
0〜7000のものが好ましい。
【0015】上記のカルボキシル基含有ポリビニルアル
コール系樹脂及びポリアクリル酸塩の配合割合は、特に
限定されないが、カルボキシル基含有ポリビニルアルコ
ール系樹脂100重量部に対して、ポリアクリル酸塩を
0.1〜20重量部とすることが好ましく、更に好まし
くは1〜10重量部、特に好ましくは2〜5重量部で、
かかる配合量が0.1重量部未満では、配合効果に乏し
く、逆に20重量部を越えると紙力強度が低下し、更に
は塗工時に斑も生じて好ましくない。
【0016】かくして得られたカルボキシル基含有ポリ
ビニルアルコール系樹脂及びポリアクリル酸塩からなる
樹脂組成物は、一般には水に溶解して用いられるが、溶
剤系でも使用可能である。溶剤の種類は、カルボキシル
基含有ポリビニルアルコール系樹脂の特性、カルボキシ
ル基含有ポリビニルアルコール系樹脂及びポリアクリル
酸塩の配合割合等に応じて適宜選択すれば良い。
【0017】かかる樹脂組成物の使用にあたっては、塗
工液として使用され、該塗工液の調製に当たっては特に
制限はなく、要するに水と上記のカルボキシル基含有ポ
リビニルアルコール系樹脂及びポリアクリル酸塩を混合
すれば良い。濃度は目的に応じて適宜調節すれば良い
が、特に好ましいカルボキシル基含有ポリビニルアルコ
ール系樹脂とポリアクリル酸塩の混合物の濃度は作業性
等を考慮して、通常は0.1〜40重量%、更には1〜
20重量%程度の範囲から選ばれる。
【0018】本発明においては、上記の如きカルボキシ
ル基含有ポリビニルアルコール系樹脂及びポリアクリル
酸塩が配合された樹脂組成物を用いるのであるが、後述
する含浸(含有)及び/又は塗工される基材の中でも、
白色度を高める等の場合は、該樹脂組成物中に無機微粒
子が配合されていることが好ましく、かかる無機微粒子
としては、合成シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ等
を挙げることができ、好適には合成シリカやコロイダル
シリカなどのケイ素化合物が用いられる。また、かかる
無機微粒子の形状としては、球状、粒状、パウダー状、
数珠状等が挙げられ、その平均粒子径としては、0.0
1〜50μm(更には0.05〜30μm、特に0.1
〜20μm)が好ましく、かかる粒子径が0.01μm
未満では塗工液の流動性が悪いため塗りにくく、またイ
ンクドット径が小さく、印画濃度が低くなり、逆に50
μmを越えると平滑性が低下し、表面がざらついた状態
となって好ましくない。
【0019】かかる無機微粒子の配合量は、親水基含有
フッ素系化合物100重量部に対して、0.1〜100
00重量部(更には、1〜5000重量部、特に、5〜
1000重量部が好ましく、かかる配合量が0.1重量
部未満では文字のにじみが生じやすくなり、逆に100
00重量部を越えると発色濃度の低下が生じやすくなっ
て好ましくない。当然のことながら、OHP(オーバー
ヘッドプロジェクト)用フイルムのように透明性が要求
される場合には無機微粒子の量を少なくし(具体量は
0.1〜10重量部程度)、また紙のように白色が要求
される場合には、後述する固形分の範囲内で無機微粒子
の量を多くする(具体量は100〜10000重量部程
度)ことが望まれる。
【0020】また、本発明で用いられる樹脂組成物に
は、必要に応じてグリオキザール、尿素樹脂、ポリアミ
ンポリアミドエピクロルヒドリン、ポリエチレンイミン
等の耐水化剤、消泡剤、離型剤、界面活性剤(上記の親
水基含有フッ素系化合物以外)、防腐剤、防虫剤、防錆
剤、増粘剤等の公知の添加剤を添加することもでき、又
本発明の特徴を損なわない範囲であれば他の紙加工剤、
例えば、従来公知の他のポリビニルアルコール、澱粉、
カルボキシメチルセルロース、アクリル系ラテックス、
SBRラテックス等の樹脂も混合することができる。
【0021】本発明においては、上記の如き樹脂組成物
が、基材中及び/又は基材表面の塗工層に含有されるの
であるが、かかる基材としては、特に制限はないが、例
えば、上質紙、中質紙、(セミ)グラシン紙、光沢紙、
コート紙、PETシート、PVCシート、PEN(ポリ
エチレンナフタレート)シート、PETフイルム、PV
Cフイルム、PENフイルムなどが好適に用いられる。
【0022】かかる基材に樹脂組成物を塗工するにあた
っては、サイズプレスコート、ロールコーター法、エヤ
ードクター法、ブレードコーター法、ゲートロールコー
ター法等の公知の任意の方法が採用されるが、該樹脂組
成物を塗工するときは、固形分が1〜70重量%(更に
は2〜60重量%、特に5〜50重量%)の水溶液とす
ることが好ましく、かかる固形分が、1重量%未満で
は、付着量が少なく、印画濃度や表面紙力強度も低く実
用性に乏しいものとなり、逆に70重量%を越えると塗
工液の粘度が高くなるため、塗工が困難になり、また塗
工斑も生じるために好ましくない。基材に塗工される樹
脂組成物の塗布量は、カルボキシル基含有ポリビニルア
ルコール系樹脂が0.1〜40g/m2(固形分換
算)、特に好ましくは0.5〜20g/m2(同上)程
度になるようにするのが適当である。かくして、該樹脂
組成物が基材中及び/又は基材表面の塗工層に含有され
て、本発明のインクジェット用記録媒体が得られるので
ある。
【0023】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。尚、実施例中、「部」、「%」とあるのは、特に
ことわりのない限り重量基準を示す。 実施例1 [カルボキシル基含有ポリビニルアルコール系樹脂の調
製]重合缶に酢酸ビニル500部、マレイン酸3.4
部、メタノール85部を仕込んで、系内を撹拌下、窒素
気流中で昇温して60℃で30分間還流後、アゾビスイ
ソブチロニトリルを酢酸ビニルに対して0.08モル%
加え、マレイン酸のメタノール溶液を仕込み変性度が
1.0モル%に滴下して6時間重合を行って反応終了後
メタノール蒸気を吹き込んで未反応のモノマーを除去
し、共重合体のメタノール溶液を得た。次いで、得られ
たメタノール溶液を40%にメタノールで希釈した。更
に共重合体中の酢酸ビニルに対して水酸化ナトリウムを
40ミリモル%加えてケン化して、得られたケン化物を
濾過し、70℃で乾燥してカルボキシル基含有ポリビニ
ルアルコール系樹脂(ケン化度99.0モル%、平均重
合度1700)を得た。尚、かかるケン化度はポリビニ
ルアルコール系樹脂中の残存アセチル基水酸基に対する
水酸基の割合である。得られたカルボキシル基含有ポリ
ビニルアルコール系樹脂の40℃のせん断速度2.5×
105sec-1における10重量%の水溶液粘度は、ハ
ーキュレス型回転粘度計(三井電気精機社製)で測定し
たところ、20mPa・sであった。
【0024】上記のカルボキシル基含有ポリビニルアル
コール系樹脂6.00部及びポリアクリル酸ナトリウム
(重合度3000)0.12部を(カルボキシル基含有
ポリビニルアルコール系樹脂100部に対してポリアク
リル酸ナトリウムが2部)水93.88部に溶解させ、
更に非晶質の合成シリカ(富士シリシア化学社製、「サ
イリシア446」、形状:球形、粒子径:4.5μm)
を0.48部(親水基含有フッ素系化合物100部に対
して1000部)添加して、塗工液とし、該塗工液を坪
量100g/m2の上質紙に樹脂固形分で10.0g/
2になるようにバーコートを行った後、円筒回転式ド
ライヤーにて105℃で2分間乾燥した。得られたイン
クジェット用記録媒体について、印字濃度、耐水性、フ
ェザリングの状態(表3では単にフェザリングと記
す)、耐ブロッキング性、表面紙力強度(表3では単に
紙力強度と記す)の評価を以下の要領で行った。
【0025】(印字濃度)得られたインクジェット用記
録媒体にインクジェットプリンター(セイコーエプソン
社製、「PM−750C」)でイエロー、シアン、マゼ
ンダの各色を記録(印字)し、記録部分をそれぞれマク
ベス濃度計(マクベス社製、「RD914型」)で印字
濃度を測定した。
【0026】(耐水性)得られたインクジェット用記録
媒体にインクジェットプリンター(セイコーエプソン社
製、「PM−750C」)で印字後、その表面に水を滴
下して、15秒経過後にティッシュペーパーで水を拭き
取り、印字部分の色落ち具合を目視観察して、以下の通
り評価した。 ○ −−− ほとんど色落ちしない △ −−− 若干色落ちする × −−− 色落ちが激しい (フェザリングの状態)得られたインクジェット用記録
媒体にインクジェットプリンター(セイコーエプソン社
製、「PM−750C」)で印字後、その文字の滲み
(フェザリング)状況を目視観察して、以下の通り評価
した。 ○ −−− ほとんど滲みが見られない △ −−− 若干滲みが見られる × −−− 滲みが著しい
【0027】(耐ブロッキング性)得られたインクジェ
ット用記録媒体を5枚重ねて、その上から10kg/c
2の荷重をかけて、40℃、90%RHの状態で5日
間放置後に該記録媒体のブッロキング状態を調べて、以
下の通り評価した。 ○ −−− ブロッキングはほとんど見られない △ −−− 部分的にブロッキングが見られる × −−− 全体にブロッキングが見られる (表面紙力強度)IGT印刷試験機(熊谷理機社製)に
より、インキにFINE INK TV−20(大日本
インキ化学工業社製)を用いて、IGTピック強度(c
m/秒)の測定を行い、紙片あるいは無機微粒子が剥離
した位置をIGTピック強度とした。
【0028】実施例2〜6、比較例1〜5 表1及び2に示される如きカルボキシル基含有ポリビニ
ルアルコール系樹脂、ポリアクリル酸塩及び無機微粒子
を用いて、実施例1と同様にインクジェット用記録媒体
を作製して、実施例1に準じて同様に評価を行った。
【0029】実施例7〜12 表1及び2に示される如きカルボキシル基含有ポリビニ
ルアルコール系樹脂、ポリアクリル酸塩及び無機微粒子
を用いて、実施例1と同様に塗工液を調製して、厚さ5
0μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィル
ム(透明度95%)に塗工した以外は実施例1と同様に
インクジェット用記録媒体を作製して、実施例1に準じ
て同様に評価を行った。尚、基材がPETフィルムであ
るため、表面紙力強度の測定は行わなかった。実施例及
び比較例の評価結果を表3に示す。
【0030】
【表1】 カルボキシル基含有ポリビニルアルコール系樹脂 ケン化度 カルボキシル基含有量 水溶液粘度 含有量 (モル%) (モル%) (mPa・s)(部) 実施例1 99 1.0(マレイン酸変性) 20 100 〃 2 96 2.0( 〃 ) 20 100 〃 3 99 1.0(イタコン酸変性) 40 100 〃 4 98 2.0( 〃 ) 40 100 〃 5 98 1.0(フマル酸変性) 2 100 〃 6 98 2.0( 〃 ) 2 100 〃 7 99 1.0(マレイン酸変性) 20 100 〃 8 96 2.0( 〃 ) 20 100 〃 9 98 1.0(イタコン酸変性) 40 100 〃 10 98 2.0( 〃 ) 40 100 〃 11 98 1.0(フマル酸変性) 2 100 〃 12 98 2.0( 〃 ) 2 100 比較例1 98 1.0(マレイン酸変性) 20 100 〃 2 94 1.0(マレイン酸変性) 20 100 〃 3 98 1.0(マレイン酸変性) 0.05 100 〃 4 98 1.0(マレイン酸変性) 50 100 〃 5 98 0(未変性) 20 100
【0031】
【表2】 ポリアクリル酸塩 無機微粒子 種 類 重合度 含有量(部) 種類* 含有量(部) 実施例1 ホ゜リアクリル酸ナトリウム 3000 2 S−1 8 〃 2 ホ゜リアクリル酸ナトリウム 3000 5 S−1 15 〃 3 ホ゜リアクリル酸カリウム 3000 2 S−2 18 〃 4 ホ゜リアクリル酸アンモニウム 3000 2 A−1 4 〃 5 ホ゜リアクリル酸ナトリウム 10000 2 S−1 40 〃 6 ホ゜リアクリル酸ナトリウム 10000 5 A−1 16 〃 7 ホ゜リアクリル酸ナトリウム 3000 2 S−1 0.08 〃 8 ホ゜リアクリル酸ナトリウム 3000 5 S−1 1.5 〃 9 ホ゜リアクリル酸カリウム 3000 2 S−2 1.8 〃 10 ホ゜リアクリル酸アンモニウム 3000 2 A−1 0.08 〃 11 ホ゜リアクリル酸ナトリウム 10000 2 S−1 2 〃 12 ホ゜リアクリル酸ナトリウム 10000 5 A−1 0.4 比較例1 配合せず S−1 10 〃 2 ホ゜リアクリル酸ナトリウム 3000 2 S−1 8 〃 3 ホ゜リアクリル酸ナトリウム 3000 2 S−1 8 〃 4 ホ゜リアクリル酸ナトリウム 3000 2 S−1 8 〃 5 ホ゜リアクリル酸ナトリウム 3000 2 S−1 8 *略号は、以下の通り S−1:非晶質合成シリカ [富士シリシア化学社製、「サイリシア446」、形状:球形、 平均粒子径:4.5μm] S−2:コロイダルシリカ [日産化学社製、「スノーテックスMP3030」、形状:数珠状 、平均粒子径:0.3μm] A−1:アルミナ [Aldrich社製、「アルミナ(Al23:試薬)」、 形状:パウダー状、平均粒子径:10μm]
【0032】
【表3】 印字濃度 耐水性 フェサ゛リンク゛ 耐フ゛ロッキンク゛性 紙力強度 イエローシアンマセ゛ンタ゛ (cm/秒) 実施例1 1.15 1.23 1.29 ○ ○ ○ 250 〃 2 1.20 1.27 1.31 ○ ○ ○ 260 〃 3 1.22 1.29 1.36 ○ ○ ○ 230 〃 4 1.11 1.25 1.29 ○ ○ ○ 260 〃 5 1.17 1.23 1.28 ○ ○ ○ 140 〃 6 1.14 1.26 1.25 ○ ○ ○ 140 〃 7 1.10 1.23 1.27 ○ ○ ○ 測定せず 〃 8 1.16 1.25 1.29 ○ ○ ○ 〃 〃 9 1.22 1.29 1.33 ○ ○ ○ 〃 〃 10 1.11 1.22 1.29 ○ ○ ○ 〃 〃 11 1.13 1.25 1.28 ○ ○ ○ 〃 〃 12 1.15 1.24 1.25 ○ ○ ○ 〃 比較例1 1.03 1.26 1.22 ○ × × 220 〃 2 1.21 1.33 1.31 × ○ ○ 200 〃 3 0.90 1.04 1.10 △ × △ 50 〃 4 1.22 1.25 1.30 ○ △ × 240 〃 5 0.95 1.06 1.09 ○ × △ 100
【0033】
【発明の効果】本発明のインクジェット用記録媒体は、
特定粘度のカルボキシル基含有ポリビニルアルコール系
樹脂とポリアクリル酸塩を配合した樹脂組成物が、基材
中及び/又は基材表面の塗工層に含有されているため、
印字特性(印字濃度やフェザリング状態)、耐水性、耐
ブロッキング性、表面紙力強度に優れ、インクジェット
用の記録媒体に有用であるが、インクジェット式以外に
も、水性インクを用いたペンプロッターのような記録機
器や筆記器具等に用いることも可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H086 BA33 BA34 BA35 BA41 4J002 BE02W BG01X DE146 DJ016 FA086 FD016 GH02 4J100 AG02P AG03P AG04P AG05P AJ08Q AJ09Q AJ10Q AL80Q BA03H DA09 DA32 HA08 HB39 JA13

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケン化度が96モル%以上で、40℃の
    せん断速度2.5×105sec-1における10重量%
    の水溶液粘度が1〜40mPa・sであるカルボキシル
    基含有ポリビニルアルコール系樹脂およびポリアクリル
    酸塩を含有してなる樹脂組成物が、基材中及び/又は基
    材表面の塗工層中に含有されてなることを特徴とするイ
    ンクジェット用記録媒体。
  2. 【請求項2】 ケン化度が96モル%以上で、40℃の
    せん断速度2.5×105sec-1における10重量%
    の水溶液粘度が1〜40mPa・sであるカルボキシル
    基含有ポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対し
    て、ポリアクリル酸塩が0.1〜20重量部配合されて
    なることを特徴とする請求項1記載のインクジェット用
    記録媒体。
  3. 【請求項3】 更に無機微粒子が配合された樹脂組成物
    であることを特徴とする請求項1または2記載のインク
    ジェット用記録媒体。
  4. 【請求項4】 カルボキシル基含有ポリビニルアルコー
    ル系樹脂中のカルボキシル基の含有量が0.1〜10モ
    ル%であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載
    のインクジェット用記録媒体。
JP25014199A 1999-09-03 1999-09-03 インクジェット用記録媒体 Pending JP2001071622A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25014199A JP2001071622A (ja) 1999-09-03 1999-09-03 インクジェット用記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25014199A JP2001071622A (ja) 1999-09-03 1999-09-03 インクジェット用記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001071622A true JP2001071622A (ja) 2001-03-21

Family

ID=17203439

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25014199A Pending JP2001071622A (ja) 1999-09-03 1999-09-03 インクジェット用記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001071622A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2750433B2 (ja) インクジェット記録用紙
TWI477516B (zh) Vinyl chloride resin latex, water-based ink and recording paper
CN101626902B (zh) 记录介质用水性组合物和使用其的喷墨记录介质
EP2762533B1 (en) Pre-Treatment Coating
KR101420221B1 (ko) 수지 조성물 및 그의 용도
WO2006028111A1 (ja) 感熱紙用保護材料
JP5078268B2 (ja) 樹脂組成物およびその用途
JP5561894B2 (ja) 樹脂組成物およびその用途
JP4229225B2 (ja) インクジェット用記録媒体
JPS63176174A (ja) 耐水性に優れたインクジエツト記録用シ−ト
JP2000158801A (ja) インクジェット用記録媒体
JP2001072711A (ja) 樹脂組成物
JP3426695B2 (ja) インクジェット記録用紙
JP4285719B2 (ja) インクジェット用記録媒体
JP5159008B2 (ja) 記録シート用樹脂組成物
JP2001071622A (ja) インクジェット用記録媒体
JP7163637B2 (ja) ポリビニルアルコール系樹脂、樹脂組成物、水性塗工液、保護層及び感熱記録媒体
JPH11323781A (ja) 紙加工用組成物
WO1995000340A1 (en) Ink jet receiver sheet
JP3914417B2 (ja) インクジェット用記録媒体
EP1020300A1 (en) Ink jet media prepared from water-based formulation
JP2018021179A (ja) 水性塗工液、インク受容層用塗工液及び多層構造体
JP2017189927A (ja) インクジェット記録媒体及びその製造方法
JP2000290894A (ja) 紙用コート剤
JP2004268577A (ja) 記録用媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20060825

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090305

A521 Written amendment

Effective date: 20090424

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20090424

A02 Decision of refusal

Effective date: 20090528

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02