JP3914417B2 - インクジェット用記録媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット方式により印字・印刷される記録媒体に関し、更に詳しくは、印字・印刷後の記録媒体にべたつきが生じなく、更に望ましくは印字部の滲みがなく、かつ光沢性の向上したインクジェット用記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、小滴状にしたインクを紙やポリエチレンテレフタレートなどの被記録媒体の表面に飛翔させて、文字等の記録を行うインクジェット記録法が、高速印字ができる、多色印字ができる、印字時の音が少ない等の利点があるため多用されるようになってきた。
かかる記録法で用いられるインクジェット用記録媒体は、紙等の基材上に樹脂塗工層が設けられたもので、かかる塗工層としては、具体的にはインク受理層や、かかるインク受理層の上に設けられるオーバーコート層が挙げられる。
該塗工層の従来技術としては、▲1▼特開平9−3797号公報に、アルカリ金属の酢酸塩、酢酸の使用量及び混合比が特定のアセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする紙加工剤の開示があり、かかる紙加工剤をインクジェット用紙に用いることも記載され、▲2▼特開2001−72711号公報には、インクジェット用記録媒体用のコーティング剤として、アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂と平均重合度2600以上のポリビニルアルコールを併用した組成物が記載され、▲3▼特開2000−118130号公報には、インクジェット用オーバーコート層として、カチオンモノマーを有するビニルラテックスポリマーが記載され、また、▲4▼特開平11−58935号公報には、インク受理層上にオーバーコート層を設けたインクジェット用記録シートにおいて、インク受理層とオーバーコート層が特定の累積細孔量を持ち、かつそのオーバーコート層に水溶性高分子接着剤を特定量含有させることが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の各公報に記載の内容を詳細に検討したところ、▲1▼、▲2▼に具体的に例示されるアセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコールでは、インクジェット用記録媒体に印字する時(特に高速印字する時)にインクの乾燥性を向上するため等に、記録媒体全体に60℃以上の熱をかけたりすると塗工層が一部軟化し、かかる印字後の記録媒体が複数枚重なることにより記録媒体同志が付着するというべたつきが発生することがあり、▲3▼、▲4▼についても、光沢性はある程度改良されるものの、印字後にインクジェット記録媒体の印字面に上記のべたつきが生じることがあり、かかるべたつきが生じないインクジェット用記録媒体が望まれるところである。
更に上記▲1▼〜▲4▼のいずれの場合も、光沢性の一層の向上やかかる記録媒体を印字後に高湿度下で長期間放置した時のインクの滲み防止性についても改善が望まれるところである。
【0004】
【問題を解決するための手段】
そこで、本発明者は、かかる事情に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、(A)周波数1.6Hz、湿度40%RH、温度30〜90℃で粘弾性を測定した時の損失正接tanδのチャート曲線におけるピーク最大値が0.5以下で、アセト酢酸エステル基の含有量1.0〜4.0モル%、ケン化度90〜96モル%、平均重合度300〜1400であるアセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂を含有してなる塗工層を有するインクジェット用記録媒体が、上記の目的に合致することを見いだして、本発明を完成するに至った。
更に本発明では、かかるポリビニルアルコール系樹脂に加えて(B)カチオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂を含有させることによりインクの滲み防止性、光沢性等にも優れたインクジェット用記録媒体を得ることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明を以下に詳しく説明する。
本発明のインクジェット用記録媒体は、基材表面に塗工層(特にオーバーコート層)が設けられているもので、本発明ではかかる塗工層が(A)周波数1.6Hz、湿度40RH%、温度30〜90℃で粘弾性を測定した時の損出正接tanδのチャート曲線におけるピーク最大値が0.5以下で、アセト酢酸エステル基の含有量1.0〜4.0モル%、ケン化度90〜96モル%、平均重合度300〜1400であるアセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂、更には、(B)カチオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂を含有することが特徴である。
【0006】
かかる(A)特定のアセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂〔(以下、(A)AA化PVAと略記することがある)は、周波数1.6Hz、湿度40%RH、温度30〜90℃で粘弾性を測定した時の損失正接tanδ(以下単にtanδと称することがある)のチャート曲線におけるピーク最大値が0.5以下であることが必要で、好ましくは0.35〜0.45である。かかるtanδのピーク最大値が0.5を越えると熱によるべたつきが生じるので不適当である。
かかるtanδの測定は、アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール樹脂を製膜して、その製膜されたフィルムの粘弾性を測定するもので、例えば、アイティー計測制御株式会社製「DVA−225Rheometer」を用いて、周波数1.6Hz、湿度40%RH、温度30〜90℃の条件下測定する。測定に当っては、AA化PVA水溶液をキャストして、乾燥した厚み5〜20μmのフィルムを、20℃、60%RHの条件下10日間放置して平衡状態に達したサンプルを用いる。
【0007】
かかる特定の粘弾性を有する(A)AA化PVAを得るには、基本的にはポリビニルアルコール(以下PVAと略記することがある)を酢酸で膨潤させた後、ジケテンを反応させて乾燥する方法が行われる。最終的に該AA化PVAは、アセト酢酸エステル基の含有量が1.0〜4.0モル%、ケン化度が90〜96モル%、平均重合度が300〜1400となる様に調整すると大抵tanδのピーク最大値は上記0.5以下という範囲を満足するが、製造条件の多少の変動によってtanδのピーク最大値が0.5を越えることもあるので、その場合はPVAの結晶化を促進させたり、アセト酢酸エステル基をPVAに均一に導入させたりする微調整が行われる。前者の調整法としては、例えば、乾燥を500Pa以下の減圧下で5〜10時間程度行う方法が挙げられ、後者の調整法としては、例えば、PVAとジケテンを反応させるまでの膨潤時間を2〜5時間程度する方法が挙げられる。
また、かかる方法以外にアセト酢酸エステルとPVAと反応させてエステル交換する方法でも目的とするtanδのピーク最大値を有するAA化PVAは製造可能である。
【0008】
AA化PVAをPVAとジケテンを反応させて製造するに当って原料となるPVAは、ポリ酢酸ビニルを低級アルコール中でアルカリや酸などのケン化触媒によってケン化したケン化物又はその誘導体である。
【0009】
かかるPVAのケン化度は90〜96モル%で、平均重合度は300〜1400とすること目的とするtanδのピーク最大値を有するAA化PVAを得るために必須であり、ケン化度の好ましい範囲は90〜95モル%、平均重合度の好ましい範囲は500〜1200である。
【0010】
尚、本発明においては、本発明の目的を阻害しない範囲でかかるPVAが他の単量体を共重合成分として含有していてもよく、かかる単量体としては、例えばエチレン、プロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノ又はジアルキルエステル等、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸あるいはその塩、アルキルビニルエーテル類、ジメチルアリルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテルなどのポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリルアミド等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシエチレン(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプロピル)エステル、ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル、ポリオキシエチレンアリルアミン、ポリオキシプロピレンアリルアミン、ポリオキシエチレンビニルアミン、ポリオキシプロピレンビニルアミン等が挙げられる。
【0011】
上記のPVAにアセト酢酸エステル基を導入するには、該PVAとガス状或いは液状のジケテンを直接反応させても良いが、酢酸に代表される有機酸で該PVAを予め膨潤せしめた後、不活性ガス雰囲気下で液状またはガス状のジケテンを噴霧して、反応させるのが有利である。該PVAに有機酸と液状ジケテンの混合物を噴霧して反応させる等の方法も採用し得る。
上記の反応を実施する際の反応装置としては、加温可能で撹拌機の付いた装置であれば十分である。例えば、ニーダー、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、その他各種ブレンダー、撹拌乾燥装置を用いることができる。
【0012】
かくしてPVAにアセト酢酸エステル基が導入されるのであるが、本発明においては、得られた(A)AA化PVA中のアセト酢酸エステル基の含有量も重要で、かかる含有量は1.0〜4.0モル%とすることが必要で、かかる含有量を満足しない時は、目的とするtanδのピーク最大値を有するAA化PVAを得ることは困難となる。
【0013】
かくして本発明のインクジェット用記録媒体の塗工層に用いる(A)AA化PVAが得られるのであるが、本発明では更に、インクジェット用記録媒体の印字部の滲みを防止したり、光沢性を上げるため、(B)カチオン性基含有PVA系樹脂(以下カチオン化PVAと略記することがある)を併用することが望ましく、かかる(B)カチオン性基含有PVAとは、カチオン性基を有する不飽和単量体とビニルエステル系化合物との共重合体をケン化することによって得られるものである。
かかる不飽和単量体としては、トリメチル−(メタアクリルアミド)−アンモニウムクロライド、ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロライド、3−アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、3−メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、N−(3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)ジメチルアミン等の4級アンモニウム塩、N−(4−アリルオキシ−3−ヒドロキシブチル)ジエチルアミン等の4級アンモニウム塩、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等の4級アンモニウム塩が挙げられ、中でもジアリルジメチルアンモニウムクロライドが耐候性が良好な点で好ましい。
また、ビニルエステル系化合物としては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、バーサチック酸ビニルが挙げ、この中でも酢酸ビニルが好適に用いられる。
【0014】
かかる(B)カチオン化PVAのカチオン性基の含有量は0.1〜10モル%(更には0.1〜2.0モル%)とすることが好ましく、かかる含有量が0.1モル%未満では印字部に滲みが発生することがあり、逆に10モル%を越えると塗工層の表面硬度や耐候性が低下する傾向にあり好ましくない。
【0015】
また、かかる(B)カチオン化PVAのケン化度も特に限定されないが、50〜100モル%(更には70〜100モル%)が好ましく、ケン化度が50モル%未満では表面硬度が低下することがあり好ましくない。
【0016】
また、平均重合度についても特に限定されないが300〜2000(更には500〜1700)が好ましく、該重合度が300未満では耐水性が不足することがあり、2000を越えると塗工性が悪くなることがあり好ましくない。
【0017】
また、(B)成分の配合量は特に限定されないが、(A)成分100重量部に対して、10〜900重量部が好ましく、更には20〜400重量部である。かかる配合量が10重量部未満では併用の効果が発揮されず、逆に900重量部を越えると光沢性が充分に発揮されないことがあり好ましくない。
【0018】
更に、かかる併用において(A)成分と(B)成分のケン化度の差を10モル%以内にすると(A)成分と(B)成分の相溶性が良好になり、(B)成分の含有効果が充分に得られて好ましい。
【0019】
上記(B)成分以外にも塗工層には、グリオキザール、尿素樹脂、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン、ポリエチレンイミン等の耐水化剤を配合することが塗工層の耐水性を上げる点で好ましく、かかる配合量は(A)成分100重量部に対して、0.1〜20重量部(更には、0.1〜10重量部、特に、0.2〜5重量部)が好ましく、かかる配合量が0.1重量部未満では耐水性の更なる改善効果に乏しく、逆に20重量部を越えるとインク吸収性が低下することがあり好ましくない。
【0020】
また、インクジェット用記録媒体の白色度を高めるために無機微粒子を配合することも好ましく、かかる無機微粒子としては、合成シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ等を挙げることができ、好適には合成シリカやコロイダルシリカなどのケイ素化合物が用いられる。また、かかる無機微粒子の形状としては、球状、粒状、パウダー状、数珠状等が挙げられ、その平均粒子径としては、5〜500nm(更には10〜300nm、特に15〜100nm)が好ましく、かかる粒子径が5nm未満では塗工液の流動性が悪いため塗りにくく、また印字濃度が低くなり、逆に500nmを越えると平滑性が低下し、表面がざらついた状態となって好ましくない。かかる無機微粒子の配合量は、(A)成分100重量部に対して、0.1〜200重量部が好ましく、かかる配合量が1重量部未満では印字部の滲みが発生しやすくなり、逆に200重量部を越えると光沢性が低下することがあり好ましくない。
かかる無機微粒子を用いるに当っては、OHP(オーバーヘッドプロジェクト)用フイルムのように透明性が要求される場合には無機微粒子の量を少なくして、(A)成分100重量部に対して0.1〜50重量部程度とするのが好ましく、また紙のように白色が要求される場合には無機微粒子の量を多くして、(A)成分100重量部に対して10〜200重量部程度とすることが望まれる。
【0021】
次に上記の塗工層を有するインクジェット用記録媒体の製造方法について説明する。かかる塗工層の目的は特に制限されるものではないが、本発明では塗工層がオーバーコート層の場合に、その効果が顕著に発揮されるもので、かかるオーバーコート層について説明する。
【0022】
かかるインクジェット用記録媒体は、支持体上にまずインク受理層が設けられ、その上にオーバーコート層が設けられて製造される。
該支持体としては特に制限されるものではないが、例えば、紙、不織布、布、金属箔、ポリオレフィン樹脂(例えばポリエチレン、PET、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体)等の熱可塑性樹脂からなるフィルムやシートが使用できる。
【0023】
インク受理層には、顔料や高分子接着剤等が含有され、かかる顔料としては、シリカ、炭酸カルシウム、クレー、焼成クレー、ケイソウ土、タルク、酸化アルミニウム、ホワイトカーボン、アルミノケイ酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の物質が例示される。
【0024】
かかる高分子接着剤としては、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの重合体または共重合体等のアクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス、あるいはこれらの各種重合体のカルボキシル基、カチオン性基等の官能基変性重合体ラテックス等のラテックス系接着剤、無水マレイン酸共重合樹脂系、ポリアクリルアミド系、ポリメチルメタクリレート系、ポリウレタン樹脂系、不飽和ポリエステル樹脂系、ポリビニルブチラール系、アルキッド樹脂系等の熱可塑性型の溶剤系接着剤、メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化性型の水性接着剤、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン等の蛋白質、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドキシプロピルセルロース、澱粉、およびその澱粉誘導体等の水溶性型接着剤などが使用される。
【0025】
支持体上にインク受理層を設ける方法としては、特に限定されるものではなく、従来から公知の、バーコーター、エアナイフコーター、ブレードコーター、カーテンコーターなどの塗工機や印刷機によって設けることができる。インク受理層の乾燥後の厚みが5〜100μm(更には10〜50μm)となるように塗工することが好ましく、かかる厚みが5μm未満では、インク吸収性が不十分となり、逆に100μmを越えると顔料が剥がれることがあり好ましくない。
【0026】
上記のインク受理層が基材上に設けられた後、該層の上にオーバーコート層が設けられる。かかるオーバーコート層は、前述のように(A)成分、更には(B)成分を含有するもので、これらを水溶液あるいは水分散液として塗工すればよく、該液中には、必要に応じて消泡剤、離型剤、界面活性剤、防腐剤、防虫剤、防錆剤、増粘剤等の公知の添加剤を添加することもでき、又本発明の特徴を損なわない範囲であれば他の紙加工剤、例えば、従来公知の他のポリビニルアルコール、澱粉、カルボキシメチルセルロース、アクリル系ラテックス、SBRラテックス等の樹脂も混合することができる。
塗工に当たっては、特に制限はないが、通常エアーナイフ法、ブレードコーター法、バーコーター法、ゲートロールコーター法、サイズプレス法等が用いられる。また、必要に応じて塗工後、スーパーキャレンダーで処理して光沢性を更に向上させてもよい。この時の塗工液中の(A)成分の含有量は1〜30重量%(更には2〜15重量%)が好ましく、かかる含有量が1重量%未満では、付着量が少なく、乾燥に時間がかかることがあり、逆に30重量%を越えると粘度が高く、塗工性が不良となって好ましくない。
また、オーバーコート層の乾燥後の厚みは1〜20μm(更には3〜10μm)となるように塗工することが好ましく、かかる厚みが1μm未満では、本発明の効果が充分に得られないことがあり、逆に20μmを越えるとインク受理性が不良となったり、滲みが発生することがあり好ましくない。
【0027】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
尚、実施例中、「部」、「%」とあるのは、特に断りのない限り重量基準を示す。
【0028】
〔(A)AA化PVAの製造〕
(A−1)
酢酸ビニルをメタノール溶媒中で、アゾビスイソブチロニトリルを開始剤として、メタノール/酢酸ビニル(仕込み重量比)=0.5、重合率90%で重合してポリ酢酸ビニルを得た後、水酸化ナトリウムを酢酸ビニル単位に対して5.0ミリモル加えて58分間ケン化してケン化度94.9モル%、平均重合度1000のPVAを得た。かかるPVAに酢酸/PVA(重量比)が0.15となるように酢酸を加えて60分間膨潤させた後、ジケテンをPVA/ジケテン(重量比)が7.3となるように加えて反応させ、その後メタノールで洗浄して、70℃で6時間乾燥して、アセト酢酸エステル基含有量3.5モル%、ケン化度94.9モル%、平均重合度1000のAA化PVAを得た。得られたAA化PVAの粘弾性を本文中の方法により測定したところtanδのピーク最大値は0.44であった。
【0029】
(A−2)
上記(A−1)の製造においてケン化時間を45分に変更して、ケン化度94.2モル%、平均重合度1000のPVAを得、かつジケテンの添加量をPVA/ジケテン(重量比)が17.8になるように変更した以外は同様に行ってアセト酢酸エステル基含有量1.4モル%、ケン化度94.2モル%、平均重合度1000のAA化PVAを得た。得られたAA化PVAの粘弾性を本文中の方法により測定したところtanδのピーク最大値は0.42であった。
【0030】
(A−3)
上記(A−1)の製造において、メタノール/酢酸ビニル(仕込み重量比)=0.63として、ケン化時間を40分に変更し、ケン化度90.7モル%、重合度750のPVAを得、かつジケテンの添加量をPVA/ジケテン(重量比)が17.8になるように変更した以外は同様に行ってアセト酢酸エステル基含有量1.4モル%、ケン化度90.7モル%、平均重合度750のAA化PVAを得た。得られたAA化PVAの粘弾性を本文中の方法により測定したところtanδのピーク最大値は0.40であった。
【0031】
(A−4)
上記(A−1)の製造において、メタノール/酢酸ビニル(仕込み重量比)=0.41として、ケン化時間を30分に変更し、ケン化度87.0モル%、重合度1400のPVAを得、かつ酢酸の添加量を酢酸/PVA(重量比)が0.10に、ジケテンの添加量をPVA/ジケテン(重量比)が6.4になるようにそれぞれ変更した以外は同様に行ってアセト酢酸エステル基含有量3.7モル%、ケン化度87.0モル%、平均重合度1400のAA化PVAを得た。得られたAA化PVAの粘弾性を本文中の方法により測定したところtanδのピーク最大値は0.60であった。
【0032】
〔(B)カチオン化PVAの製造〕
(B−1)
メタノール/酢酸ビニル/ジメチルジアリルアンモニウムクロライドの仕込み重量比を23/73/1として、アゾビスイソブチロニトリルを開始剤に用いて、重合率90%で重合した後、得られた酢酸ビニル/ジメチルジアリルアンモニウムクロライド共重合体を水酸化ナトリウムを酢酸ビニル単位に対して2.2ミリモル加えて60分間ケン化してケン化度88.0モル%、平均重合度1700、4級アンモニウム塩含有量1.0モル%のカチオン化PVAを得た。
【0033】
(B−2)
上記(B−1)の製造において、ケン化の時の水酸化ナトリウムの濃度を4.4ミリモルに変更した以外は同様に実施して、ケン化度99.0モル%、重合度1700、4級アンモニウム塩含有量1.0モル%のカチオン化PVAを得た。
【0034】
実施例1
(インクジェット用記録媒体1の作製)
PVA(日本合成化学工業社製「ゴーセノールGM−14」、ケン化度88モル%、重合度1700)15部を水155部に加え、90℃に加温して溶解した。この溶解液にコロイダルシリカ水分散液(旭電化社製「アデライトAT−50」、平均粒子径25nm、固形分50%)を30部加えて撹拌し得られた組成物を200μmのアプリケータで上質紙(厚み100μm)上に塗工し、110℃で乾燥して30μmのインク受理層を設けた。
次に上記(A−1)100部を水3000部に溶解させ、それに上記コロイダルシリカ水分散液200部を添加して撹拌し、更にグリオキザール2.6部を添加して分散液を作製した。上記のインク受理層の上にかかる分散液を150μmのアプリケーターにより塗工して、105℃で5分乾燥して9μmのオーバーコート層を形成して、インクジェット用記録媒体1を作製した。
【0035】
(インクジェット用記録媒体2の作製)
インクジェット用記録媒体1の作製において、支持体の上質紙に替えて、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み100μm)を用いて同様にインク受理層を設けた。
次にインクジェット記録媒体1の作製の時において、添加する水の量を水1740部に変えて溶解させ、それに上記コロイダルシリカ水分散液30部を添加した以外は同様に操作してインク受理層の上に9μmのオーバーコート層を形成して、インクジェット用記録媒体2を作製した。
得られたインクジェット用記録媒体1、2について、下記の要領でべたつき、インクの滲み、光沢性の評価を行った。
【0036】
実施例2〜6、比較例1
(インクジェット用記録媒体1及び2の作製)
実施例1において、(A−1)100部のかわりに表1に示す(A)成分、(B)成分を用いて実施例1と同様にインクジェット用記録媒体1及び2を作製して同様に評価した。
【0037】
(べたつき)
得られたインクジェット用記録媒体1及び2のそれぞれを表と裏が接するように2枚を重ねて、60℃雰囲気中で1kg/10cm2の荷重を1分間かけた後、2枚の記録媒体の付着状況を目視観察して、以下のように評価した。
○・・・全くひっつかない
△・・・わずかにひっつくものの簡単に剥がせる
×・・・かなりひっつき、剥がすとオーバーコート層が剥がれてしまう
【0038】
(インクの滲み)
得られたインクジェット用記録媒体1及び2に、10cm×10cm(100cm2)のサイズにインクジェットプリンター(セイコーエプソン社製「PM−770C」)で、マゼンダ単色をベタ印字後、40℃,90%RHで7日間放置後、滲み部分を切取って重量を測定して、もとのサイズの重量に対する割合(%)を求めて以下のように評価した。
○・・・0.1%未満
△・・・0.1〜2.5%未満
×・・・2.5%以上
【0039】
(光沢性)
得られたインクジェット用記録媒体1及び2について、変角光度計(日本電色工業社製「VG−Σ80」)を用いて試料面の法線に対して60度の角度で光沢度を測定した。
【0040】
Figure 0003914417
【0041】
実施例1〜6及び比較例1の評価結果を表2に示す。
Figure 0003914417
【0042】
【発明の効果】
本発明のインクジェット用記録媒体は、(A)周波数1.6Hz、湿度40RH%、温度30〜90℃で粘弾性を測定した時の損出正接tanδのチャート曲線におけるピーク最大値が0.5以下で、アセト酢酸エステル基の含有量1.0〜4.0モル%、ケン化度90〜96モル%、平均重合度300〜1400であるアセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂を含有してなる塗工層を有するので、べたつきがなく、更にはかかる塗工層に(B)カチオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂を含有させることにより、印字後高湿度下で長期間放置後のインクの滲みが少なく、光沢性にも優れるものである。

Claims (6)

  1. (A)周波数1.6Hz、湿度40%RH、温度30〜90℃で粘弾性を測定した時の損失正接tanδのチャート曲線におけるピーク最大値が0.5以下で、アセト酢酸エステル基の含有量1.0〜4.0モル%、ケン化度90〜96モル%、平均重合度300〜1400であるアセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂を含有してなる塗工層を有することを特徴とするインクジェット用記録媒体。
  2. 塗工層がオーバーコート層であることを特徴とする請求項1記載のインクジェット用記録媒体。
  3. 塗工層が、更に、(B)カチオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂を含有してなることを特徴とする請求項1あるいは2記載のインクジェット用記録媒体。
  4. カチオン性基が4級アンモニウム塩であることを特徴とする請求項3記載のインクジェット用記録媒体。
  5. (B)カチオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂が0.1〜10モル%のカチオン性基を含有してなることを特徴とする請求項3あるいは4記載のインクジェット用記録媒体。
  6. (A)アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂及び(B)カチオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度の差が10モル%以内であることを特徴とする請求項3〜5いずれか記載のインクジェット用記録媒体。
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