JP4404175B2 - 記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体、とりわけインクジェット用記録媒体に関し、更に詳しくは、インク受理層の強度が高く、印刷適性に優れた記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、小滴状にしたインクをノズルより飛翔させ、紙やPET(ポリエチレンテレフタレート)等の記録媒体の表面に付着吸収させて、文字や画像等の記録を行う方法で、高速印字ができる、多色印字ができる、印字時の音が少ない等の利点があるため、各種プリンター、FAX等に多用されるようになってきた。
【0003】
このようなインクジェット記録方式に使用される記録媒体として、例えば、▲1▼特開平4−223190号公報では、ほう砂又はほう酸処理した基紙の表面に、合成シリカを主成分とする顔料とポリビニルアルコールを主成分とするバインダーからなるインクジェット記録層を設けたインクジェット記録紙が、▲2▼特開平10−193777号公報では、支持体上に、平均アスペクト比3〜7、細孔半径2nm以上10nm以下の範囲の細孔容積が0.1ml/g以上の平板状である擬ベーマイト構造を有するアルミナ水和物とポリビニルアルコールを含有してなるインク吸収層を設けたインクジェット用被記録材料が、▲3▼特開平10−264506号公報では、支持体に、部分鹸化ポリビニルアルコールと酸を含有する水性塗工組成物を塗工、乾燥してなる記録層を設けたインクジェット記録用シートが、▲4▼特開平11−348410号公報では、支持体上に無機微粒子、親水性バインダー及び硬膜剤を含有する空隙層をインク吸収層として有し、特定の表面光沢を有するインクジェット記録用紙が、それぞれ提案されている。
【0004】
又、▲5▼特開平9−309264号公報では、支持体表面にアルミナ水和物を含有する第1塗工液を塗工し乾燥させる工程と、pHが8以上の第2塗工液を前記第1塗工液を塗工し乾燥させた同一面に塗工し乾燥させる工程とを有するインクジェット記録媒体の製造方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記▲1▼の開示技術では、インクジェット記録層の強度及び解像度は改善されているもののまだまだ満足のいくものではなく。又、上記▲2▼の開示技術では、インク吸収層の微少クラックを抑制し、インク吸収性が良好であり、上記▲3▼の開示技術でも、記録層の光沢や透明性は良好であるが、いずれもインク吸収層(インク受理層)の表面強度については不充分であり、更に、上記▲4▼の開示技術でも、高い光沢性を有し、インクジェットでプリントした場合に光沢度が更に上昇して高品位のプリントが得られるものの、上記と同様、記録層(インク受理層)の表面強度についてはまだまだ不充分であった。又、上記▲5▼の開示技術においても、インク吸収性や耐水性が良好であるものの、インク吸収層(インク受理層)の表面強度については満足のいくものではなく、上記▲1▼〜▲5▼の開示技術を含め、近年の更なる印字の高速化傾向の中においては、強度面での更なる改良が望まれるところである。
【0006】
そこで、本発明ではこのような背景下において、インク受理層の表面強度が高く、印刷適性に優れた記録媒体、とりわけインクジェット用記録媒体を提供することを目的とするものである。
【0007】
【問題を解決するための手段】
しかるに、本発明者等はかかる課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、基材表面に、ポリビニルアルコール系樹脂(A)、ホウ素化合物(B)、有機酸(C)及び無機質粉体(D)を含有してなる組成物(I)の水溶液を塗工し、更にアルカリ性化合物水溶液(E)を塗工してなる記録媒体が、上記目的に合致することを見出し、本発明を完成した。
【0008】
本発明では特に、組成物(I)の水溶液のpHが7以下であることが好ましくが好ましい。
更に本発明では、インクジェット用記録媒体に用いるとき本発明の効果を顕著に発揮するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明で用いられるポリビニルアルコール系樹脂(A)としては特に限定されるものではなく、一般的にはポリ酢酸ビニルの低級アルコール溶液をアルカリや酸等のケン化触媒によってケン化したケン化物又はその誘導体が用いられ、更には酢酸ビニルと共重合性を有する単量体と酢酸ビニルとの共重合体のケン化物等を用いることもできる。
【0010】
該単量体としては、例えばエチレン、プロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノ又はジアルキルエステル等、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸あるいはその塩、アルキルビニルエーテル類、ジメチルアリルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテル等のポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリルアミド等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシエチレン(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプロピル)エステル、ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル、ポリオキシエチレンアリルアミン、ポリオキシプロピレンアリルアミン、ポリオキシエチレンビニルアミン、ポリオキシプロピレンビニルアミン、ジアクリルアセトンアミド等が挙げられる。
【0011】
更に、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、N−アクリルアミドエチルトリメチルアンモニウムクロライド、N−アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、2−アクリロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、2−メタクリロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、メタアリルトリメチルアンモニウムクロライド、3−ブテントリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ジエチルジアリルアンモニウムクロライド等のカチオン基含有単量体等も挙げられる。
又、アセトアセチル基を含有させたポリビニルアルコール系樹脂等も使用することができる。
【0012】
かかるポリビニルアルコール系樹脂(A)のケン化度は特に限定されないが、70〜99.9モル%であることが好ましく、より好ましくは80〜99.9モル%、特に好ましくは86〜99.5モル%である。かかるケン化度が70モル%未満では、塗工層の耐水性が低下し、逆に99.9モル%を越えると水性インクに対するインク受理性が低下することがあり好ましくない。
【0013】
又、平均重合度についても特に限定されないが、500〜5000であることが好ましく、より好ましくは1200〜5000、特に好ましくは1700〜3000である。かかる平均重合度が500未満では基材との密着性が低下することがあり、逆に5000を越えると基材へのコーティング時の塗工性が悪くなり好ましくない。
【0014】
本発明で用いられるホウ素化合物(B)としては、ホウ酸(オルトホウ酸、メタホウ酸、次ホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸)、ホウ酸カルシウム、ホウ酸コバルト、ホウ酸亜鉛(四ホウ酸亜鉛,メタホウ酸亜鉛等)、ホウ酸アルミニウム・カリウム、ホウ酸アンモニウム(メタホウ酸アンモニウム、四ホウ酸アンモニウム、五ホウ酸アンモニウム、八ホウ酸アンモニウム等)、ホウ酸カドミウム(オルトホウ酸カドミウム、四ホウ酸カドミウム等)、ホウ酸カリウム(メタホウ酸カリウム、四ホウ酸カリウム、五ホウ酸カリウム、六ホウ酸カリウム、八ホウ酸カリウム等)、ホウ酸銀(メタホウ酸銀、四ホウ酸銀等)、ホウ酸銅(ホウ酸第2銅、メタホウ酸銅、四ホウ酸銅等)、ホウ酸ナトリウム(メタホウ酸ナトリウム、二ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、五ホウ酸ナトリウム、六ホウ酸ナトリウム、八ホウ酸ナトリウム等)、ホウ酸鉛(メタホウ酸鉛、六ホウ酸鉛等)、ホウ酸ニッケル(オルトホウ酸ニッケル、二ホウ酸ニッケル、四ホウ酸ニッケル、八ホウ酸ニッケル等)、ホウ酸バリウム(オルトホウ酸バリウム、メタホウ酸バリウム、二ホウ酸バリウム、四ホウ酸バリウム等)、ホウ酸ビスマス、ホウ酸マグネシウム(オルトホウ酸マグネシウム、二ホウ酸マグネシウム、メタホウ酸マグネシウム、四ホウ酸三マグネシウム、四ホウ酸五マグネシウム等)、ホウ酸マンガン(ホウ酸第1マンガン、メタホウ酸マンガン、四ホウ酸マンガン等)、ホウ酸リチウム(メタホウ酸リチウム、四ホウ酸リチウム、五ホウ酸リチウム等)等の他、ホウ砂、カーナイト、インヨーアイト、コトウ石、スイアン石、ザイベリ石等のホウ酸塩鉱物、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル等が挙げられ、好適にはホウ砂、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム(メタホウ酸ナトリウム、二ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、五ホウ酸ナトリウム、六ホウ酸ナトリウム、八ホウ酸ナトリウム等)が用いられる。
【0015】
かかるホウ素化合物(B)の含有量は、特に限定されないが、ポリビニルアルコール系樹脂(A)100重量部に対して0.1〜20重量部であることが好ましく、より好ましくは1〜15重量部、特に好ましくは5〜15重量部である。かかる含有量が0.1重量部未満では塗工紙の表面強度が不充分であり、20重量部を越えると組成物の水溶液が増粘挙動を示すこととなり好ましくない。
【0016】
本発明で用いられる有機酸(C)としては、特に限定されないが、例えば酢酸ギ酸、乳酸、クエン酸、シュウ酸、安息香酸、スルファミン酸、フマル酸、フタル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、グルコン酸、コハク酸、グルタミン酸、リンゴ酸、酒石酸等が挙げられ、好適にはフマル酸、マレイン酸が用いられる。
【0017】
かかる有機酸(C)の含有量は、特に限定されないが、ポリビニルアルコール系樹脂(A)100重量部に対して0.1〜10重量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5重量部、特に好ましくは0.5〜3重量部である。かかる含有量が0.1重量部未満では印字の発色性に劣り、10重量部を越えると画質の低下が起こり好ましくない。
【0018】
本発明で用いられる無機質粉体(D)としては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、塩化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料等の他、酸化アルミニウム、アルミノ−シリカゲル、硝酸アルミニウム、アルミナホワイト、ケイ酸アルミニウム、アンミン酸ソーダ、アルミニウムミョウバン等の無機微粒子が挙げられ、好適には非晶質合成シリカやコロイダルシリカ等のケイ素化合物が用いられる。
【0019】
かかる無機質粉体(D)の形状としては、球状、粒状、パウダー状、数珠状等が挙げられ、その平均粒子径としては、0.01〜50μmが好ましく、より好ましくは0.05〜30μm、特に好ましくは0.1〜20μmである。かかる粒子径が0.01μm未満では塗工液の流動性が低下して塗工性に欠けたり、またインクドット径が小さくなりすぎて印画濃度が低くなったりし、逆に50μmを越えると塗工面の平滑性が低下して基材表面がざらついた状態となって好ましくない。
【0020】
又、かかる無機質粉体(D)の表面は、有機物あるいは無機物によってカチオン化処理されているものも、インクジェットインキの受理性の点で好ましい。
【0021】
かかる無機質粉体(D)の含有量は、特に限定されないが、ポリビニルアルコール系樹脂(A)100重量部に対して10〜1000重量部であることが好ましく、より好ましくは100〜800重量部、特に好ましくは200〜500重量部である。かかる含有量が10重量部未満では文字のにじみが生じやすくなり、1000重量部を越えるとインク受理層の表面強度が低下することとなり好ましくない。
【0022】
当然のことながら、OHP(オーバーヘッドプロジェクト)用フィルムのように透明性が要求される場合には無機微粒子の量を少なくし(具体量は0.1〜10重量部程度)、又、紙のように白色が要求される場合、或いはインク吸収量が多いことを要求される場合には、無機微粒子の量を多くする(具体量は10〜50重量部程度)ことが望まれる。
【0023】
上記ポリビニルアルコール系樹脂(A)、ホウ素化合物(B)、有機酸(C)及び無機質粉体(D)の配合方法は特に限定されず、一括に配合したり、任意の2成分或いは3成分を配合した後残る成分を配合したりする等、適宜選択される。中でも特に、ポリビニルアルコール系樹脂(A)、ホウ素化合物(B)及び有機酸(C)を水中に溶解した後に無機質粉体(D)を分散させる方法が好適である。
【0024】
かくして上記で得られる組成物(I)を用いて、本発明では、基材表面に、該組成物(I)の水溶液を塗工し、更にアルカリ性化合物(E)を塗工してなる記録媒体が得られる。
【0025】
かかる基材(記録媒体)としては、特に制限はないが、例えば、上質紙、中質紙、(セミ)グラシン紙、光沢紙、コート紙、合成紙、PE(ポリエチレン)シート、PET(ポリエチレンテレフタレート)シート、PVC(ポリ塩化ビニル)シート、PEN(ポリエチレンナフタレート)シート、PETフィルム、PVCフィルム、PENフィルム等が好適に用いられる。
【0026】
かかる基材に組成物(I)の水溶液を塗工するに当たっては、かかる組成物(I)の水溶液のpHが7以下であることが塗工液としての溶液安定性の点で好ましく、より好ましくは4.0〜6.0、特に好ましくは4.5〜5.5である。かかるpHが7を越えると塗工液の増粘挙動が起こり好ましくない。
【0027】
上記組成物(I)の水溶液を塗工する方法としては、サイズプレスコート、バーコーター、ロールコーター、エヤードクター、ブレードコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ゲートロールコーター、シムサイザー等の公知の方法が適宜採用され、該組成物(I)の水溶液を塗工するときは、固形分濃度が1〜70重量%、更には2〜60重量%、特には5〜50重量%の水溶液とすることが好ましく、かかる固形分が、1重量%未満では、付着量が少なく、印画濃度や表面紙力強度も低く実用性に乏しいものとなり、逆に70重量%を越えると塗工液の粘度が高くなるため、塗工が困難になり、又塗工斑も生じるために好ましくない。
【0028】
基材に塗工される組成物(I)の塗布量については、固形分換算で0.1〜40g/m2であることが好ましく、特には0.5〜20g/m2であることが好ましい。該塗布量が0.1g/m2未満ではインク吸収性やインク受理層の表面強度が得られずとなり、40g/m2を越えると得られる効果が飽和しコスト的に不利になり、又塗工後の基材の保存安定性も劣ることとなり好ましくない。
【0029】
組成物(I)の水溶液を基材に塗工した後は、乾燥処理が施されるが、かかる乾燥については特に限定されず、例えば、常温〜130℃程度の乾燥温度が好ましい。
【0030】
上記組成物(I)の水溶液を塗工後、更にアルカリ性化合物(E)を塗工するが、該アルカリ性化合物水溶液(E)としては、特に限定されず、例えば水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、アンモニア、塩化アンモニウム等が挙げられ、中でも水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウムが好適に用いられる。
【0031】
上記アルカリ性化合物水溶液(E)を塗工する方法としては、上記と同様、サイズプレスコート、バーコーター、ロールコーター、エヤードクター、ブレードコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ゲートロールコーター、シムサイザー等の公知の方法が適宜採用され、該アルカリ性化合物水溶液(E)を塗工するときは、固形分濃度が0.01〜70重量%、更には0.01〜50重量%の水溶液とすることが好ましい。
塗工されるアルカリ性化合物水溶液(E)の塗布量については、特に限定されることなく適宜選択される。
【0032】
アルカリ性化合物水溶液(E)を塗工した後は、乾燥処理が施されるが、かかる乾燥については特に限定されず、例えば、常温〜130℃程度の乾燥温度が好ましい。
【0033】
又、本発明で用いられる上記組成物(I)には、上記のポリビニルアルコール系樹脂(A)、ホウ素化合物(B)、有機酸(C)及び無機質粉体(D)以外に、必要に応じて、消泡剤、離型剤、界面活性剤(シリコン系、フッ素系、ポリエチレングリコール系等)、防腐剤、防虫剤、防錆剤、増粘剤、カチオン化剤、耐水化剤、無機顔料等の公知の添加剤を添加することもでき、又、本発明の特徴を損なわない範囲であれば他の紙加工剤、例えば、従来公知の他のポリビニルアルコール、澱粉、カルボキシメチルセルロース、アクリル系ラテックス、SBRラテックス等の樹脂も混合することができる。
更に、上記アルカリ性化合物水溶液(E)を塗工する際に、該アルカリ性化合物水溶液(E)中に、上記の如き添加剤や樹脂を混合することもできる。
【0034】
かくして本発明の記録媒体は、基材表面に、ポリビニルアルコール系樹脂(A)、ホウ素化合物(B)、有機酸(C)及び無機質粉体(D)を含有してなる組成物(I)の水溶液を塗工し、更にアルカリ性化合物水溶液(E)を塗工してなるため、該塗工層がインク受理層となり、インク受理層の表面強度が高く、印刷適性に優れた記録媒体となるものであり、特にはインクジェット用記録媒体として非常に有用である。
又、かかるインク受理層の表面にポリビニルアルコール系樹脂からなるトップコート層を設けることも可能である。
【0035】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
尚、実施例中、「部」、「%」とあるのは、特に断りのない限り重量基準を示す。
【0036】
実施例1
ポリビニルアルコール系樹脂(A)[平均重合度1700、ケン化度88モル%]100部、ホウ酸(B)10部、フマル酸(C)1部を水2329部に溶解させ、これに非晶質の合成シリカ(D)(トクヤマ社製、「ファインシール」、形状:球形、粒子径:5μm)300部を添加し、ホモジナイザーにて撹拌混合して水分散液(組成物(I)の水溶液)(固形分濃度15%)を得た。かかる組成物(I)の水溶液のpHは4.0であった。
【0037】
得られた水分散液を、坪量64g/m2の上質紙に、75μmのアプリケーターで塗布量が10g/m2となるように塗工し、その後熱風乾燥機中で105℃で10分間乾燥させた後、更に、水酸化ナトリウム(E)の0.04%水溶液を75μmのアプリケーターで塗工し、熱風乾燥機中で105℃で10分間乾燥させて、インクジェット用記録媒体を得た。
得られたインクジェット用記録媒体に対して、以下の要領でインク受理層の表面強度及び印刷適性の評価を行った。
【0038】
(インク受理層の表面強度)
セロハンテープ(ニチバン社製、幅18mm)を塗工表面に貼り付け、その上からハンドローラ(重量2kg)を5往復させて荷重をかけ、これを島津製作所社製オートグラフ『AG−100』にて180度方向に剥離(テストスピード100mm/分)させ、その際の剥離強度(gf/mm)を求めた。
【0039】
(印刷適性)
インクジェットプリンターBJ F6100(キャノン社製)を用いて印字を行い、印字直後の印字部分の滲み(フェザリング)状況を目視観察して、以下の通り評価した。
○・・・ほとんど滲みが見られなかった
△・・・若干滲みが見られた
×・・・著しく滲みが見られた
【0040】
実施例2
ポリビニルアルコール系樹脂(A)[平均重合度2600、ケン化度99モル%]100部、ホウ酸(B)10部、フマル酸(C)1部を水2329部に溶解させ、これに非晶質の合成シリカ(D)(トクヤマ社製、「ファインシール」、形状:球形、粒子径:5μm)300部を添加し、ホモジナイザーにて撹拌混合して水分散液(組成物(I)の水溶液)(固形分濃度15%)を得た。かかる組成物(I)の水溶液のpHは4.5であった。
得られた水分散液を用いて、実施例1と同様にして、インクジェット用記録媒体を得、実施例1と同様の評価を行った。
【0041】
実施例3
マレイン酸変性ポリビニルアルコール系樹脂(A)[平均重合度1700、鹸化度98モル%、マレイン酸ユニット含有量2.0モル%]100部、ホウ酸(B)10部、フマル酸(C)1部を水2329部に溶解させ、これに非晶質の合成シリカ(D)(トクヤマ社製、「ファインシール」、形状:球形、粒子径:5μm)300部を添加し、ホモジナイザーにて撹拌混合して水分散液(組成物(I)の水溶液)(固形分濃度15%)を得た。かかる組成物(I)の水溶液のpHは4.0であった。
得られた水分散液を用いて、実施例1と同様にして、インクジェット用記録媒体を得、実施例1と同様の評価を行った。
【0042】
実施例4
アセトアセチル化ポリビニルアルコール系樹脂(A)[平均重合度1700、鹸化度94モル%、アセト酢酸エステル基含有量4.0モル%]100部、ホウ酸(B)10部、フマル酸(C)1部を水2329部に溶解させ、これに非晶質の合成シリカ(D)(トクヤマ社製、「ファインシール」、形状:球形、粒子径:5μm)300部を添加し、ホモジナイザーにて撹拌混合して水分散液(組成物(I)の水溶液)(固形分濃度15%)を得た。かかる組成物(I)の水溶液のpHは3.6であった。
得られた水分散液を用いて、実施例1と同様にして、インクジェット用記録媒体を得、実施例1と同様の評価を行った。
【0043】
実施例5
カチオン化ポリビニルアルコール系樹脂(A)[平均重合度1700、鹸化度94モル%]100部、ホウ酸(B)10部、フマル酸(C)1部を水2329部に溶解させ、これに非晶質の合成シリカ(D)(トクヤマ社製、「ファインシール」、形状:球形、粒子径:5μm)300部を添加し、ホモジナイザーにて撹拌混合して水分散液(組成物(I)の水溶液)(固形分濃度15%)を得た。かかる組成物(I)の水溶液のpHは4.3であった。
得られた水分散液を用いて、実施例1と同様にして、インクジェット用記録媒体を得、実施例1と同様の評価を行った。
【0044】
比較例1
ポリビニルアルコール系樹脂(A)[平均重合度1700、鹸化度88モル%]100部、ホウ酸(B)10部を水2323部に溶解させ、これに非晶質の合成シリカ(D)(トクヤマ社製、「ファインシール」、形状:球形、粒子径:5μm)300部を添加し、ホモジナイザーにて撹拌混合して水分散液(固形分濃度15%)を得た。かかる水分散液のpHは5.5であった。
得られた水分散液を用いて、実施例1と同様に行い、インクジェット用記録媒体を得、実施例1と同様の評価を行った。
【0045】
比較例2
ポリビニルアルコール系樹脂(A)[平均重合度1700、鹸化度88モル%]100部、フマル酸(C)1部を水2272部に溶解させ、これに非晶質の合成シリカ(D)(トクヤマ社製、「ファインシール」、形状:球形、粒子径:5μm)300部を添加し、ホモジナイザーにて撹拌混合して水分散液(固形分濃度15%)を得た。かかる水分散液のpHは4.7であった。
得られた水分散液を用いて、実施例1と同様に行い、インクジェット用記録媒体を得、実施例1と同様の評価を行った。
実施例及び比較例の評価結果を表1に示す。
【0046】
【0047】
【発明の効果】
本発明の記録媒体は、基材表面に、ポリビニルアルコール系樹脂(A)、ホウ素化合物(B)、有機酸(C)及び無機質粉体(D)を含有してなる組成物(I)の水溶液を塗工し、更にアルカリ性化合物(E)を塗工してなるため、該塗工層がインク受理層となり、インク受理層の表面強度が高く、印刷適性に優れ、更にインクの吸収性、耐フェザリング性、耐湿性に優れた記録媒体となるものであり、特にはインクジェット用記録媒体として非常に有用である。又、インクジェット式以外にも、水性インクを用いたペンプロッターのような記録機器や筆記器具等に用いることもできる。
Claims (6)
- 基材表面に、ポリビニルアルコール系樹脂(A)、ホウ素化合物(B)、有機酸(C)及び無機質粉体(D)を含有してなる組成物(I)の水溶液を塗工し、更にアルカリ性化合物水溶液(E)を塗工してなることを特徴とする記録媒体。
- 組成物(I)の水溶液のpHが7以下であることを特徴とする請求項1記載の記録媒体。
- ホウ素化合物(B)の含有量が、ポリビニルアルコール系樹脂(A)100重量部に対して0.1〜20重量部であることを特徴とする請求項1又は2記載の記録媒体。
- 有機酸(C)の含有量が、ポリビニルアルコール系樹脂(A)100重量部に対して0.1〜10重量部であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の記録媒体。
- 無機質粉体(D)の含有量が、ポリビニルアルコール系樹脂(A)100重量部に対して10〜1000重量部であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の記録媒体。
- インクジェット用記録媒体に用いることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の記録媒体。
Priority Applications (1)
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