JP2004268576A - 記録用媒体 - Google Patents

記録用媒体 Download PDF

Info

Publication number
JP2004268576A
JP2004268576A JP2004043860A JP2004043860A JP2004268576A JP 2004268576 A JP2004268576 A JP 2004268576A JP 2004043860 A JP2004043860 A JP 2004043860A JP 2004043860 A JP2004043860 A JP 2004043860A JP 2004268576 A JP2004268576 A JP 2004268576A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording medium
ink
printing
polyvinyl alcohol
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004043860A
Other languages
English (en)
Inventor
Shusaku Bandai
修作 万代
Yoshiaki Hirai
良明 平井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd filed Critical Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP2004043860A priority Critical patent/JP2004268576A/ja
Publication of JP2004268576A publication Critical patent/JP2004268576A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

【課題】 塗工層の表面強度が高く、印刷時にもインクのにじみがなく、印字後の耐水強度にも優れる記録用媒体、特にインクジェット記録用媒体に適した記録用媒体を提供すること。
【解決手段】 アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)、硝酸ジルコニウム系化合物(B)、無機質紛体(C)を含有するpH3.5以下の塗工液を基材表面に塗布してなる。


Description

本発明は、記録用媒体に関し、さらに詳しくは、塗工層の表面強度が強く、特にインクジェット記録用途に供した場合に印刷時のインクのにじみが少なく、印字後の耐水強度にも優れる記録用媒体に関する。
紙や樹脂フィルムなどの基材上に塗工層を設けた記録用媒体においては、インク吸収性、白色度向上等を目的として無機粉体を含む塗工層を設けられることが多い。かかる記録用媒体としては、クリスタルバイオレットラクトン等の発色物質とフェノール化合物等の顕色剤を加熱・反応により発色させて記録を行う感熱記録用媒体や、小滴状にしたインクをノズルより飛翔させ、紙や樹脂フィルムなどの基材の表面に付着吸収させて、文字等の記録を行うインクジェット記録用媒体等が挙げられる。
特に近年、インクジェット記録方式は、高速印字ができる、多色印字ができる、印字時の音が少ない等の利点があるため、各種プリンターに多用されるようになってきた。このインクジェット記録方式に使用される記録媒体に対しては、印刷面の発色性を上げたり、高級感を出すために光沢感が求められたり、印刷部分のべたつきを防止するためにインクの吸収性等の特性が要求されるようになってきている。これらの要求を満たす方法として、例えば、微粒子状シリカを主成分とするインク受理層を有し、かつ加熱された鏡面に圧接し乾燥された記録面を有するインクジェット記録媒体が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
また、インク受理層の表面強度の向上を目的として、本出願人も、塗工層中にポリビニルアルコール系樹脂、チタネート系カップリング剤、及び無機質粉体を含有するインクジェット用記録媒体(例えば、特許文献2参照)を、また、紙の剛度の向上を目的として、アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂とジルコニウム塩を用いた紙加工剤(例えば、特許文献3参照)を提案し、かかる紙加工剤としてpH4.7〜6.1の塗工液を用いる点も開示した。
特開昭62−158084号公報 特開2001−328345号公報 特開平1−156597号公報
このようにインクジェット記録用途においては、特許文献1や2に開示のように無機質粉体を配合することが試みられているが、該粉体の機能であるインク吸収速度および吸収容量をより向上させるために、例えばバインダー量を減らす等の工夫が必要となってきており、その結果インク受理層の表面強度の低下を招いてしまうという問題が発生している。
したがって、上記の特許文献1に開示のように表面を鏡面処理しただけでは、インク受理層(塗工層)の表面強度がまだまだ弱く、記録媒体の製造工程、特に、裁断時にインク受理層から部分的に剥離して脱落した粉体、あるいは印刷時に脱落した粉体が、ノズルに付着して目詰まりの原因となるなどの問題がある。また、最近では写真などの画像印刷(べた印刷)も増え、かかる印刷時にはインクのにじみが発生してしまうという問題点があらたに発生し、さらに食品包装用のラベル等として用いた場合には、水の存在下に強く接触する機会があると印字部(インク受理層)がくずれたりあるいははがれたりしてインク受理層の耐水強度の点でも問題が生じる恐れがあり、これらの点については特許文献1に開示の技術では対応できないことが判明した。
また、特許文献2に開示の技術においては、インク受理層(塗工層)の表面強度の向上はある程度期待できるものの、特許文献1に開示の技術と同様、べた印刷時のインクのにじみや、印字後のインク受理層の耐水強度にもまだまだ改良の余地があることが判明した。
特許文献3に開示の技術では塗工層の表面強度には優れるものの、無機質粉体が使用されていないのでインク受理性は満足のいくものではなく、無機質粉体を使用した場合には特許文献1や2に開示の技術と同様の問題点が発生する恐れがあり、塗工層の表面強度が優れることは勿論、インク受理性が良好で、べた印刷時のインクのにじみの防止性能や印字後のインク受理層の耐水強度の向上が望まれるところである。
そこで、本発明者等は、かかる事情を鑑みて鋭意研究を重ねた結果、アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂(以下、AA化PVAと略記する)(A)、硝酸ジルコニウム系化合物(B)及び無機質粉体(C)を含有するpH3.5以下の塗工液を基材表面に塗布してなる記録用媒体、特にインクジェット記録用媒体が、上記の課題を解決することを見いだし本発明を完成するに至った。なお、上記のpHは25℃における塗工液のpHを示す。
本発明の記録用媒体は、アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)、硝酸ジルコニウム系化合物(B)及び無機質粉体(C)を含有するpH3.5以下の塗工液を基材表面に塗布しているので、記録用媒体の塗工層の表面強度を改善でき、しかも印刷時にもインクのにじみがなく、印字後の耐水強度にも優れるので、特にインクジェット記録用媒体として大変有用である。
以下、本発明について詳述する。
本発明に用いるAA化PVA(A)は、ポリビニルアルコールにアセト酢酸エステル基を導入させたもので、かかるAA化PVA(A)を得るには、ポリビニルアルコールとジケテンを反応させる方法、ポリビニルアルコールとアセト酢酸エステルを反応させエステル交換する方法、酢酸ビニルとアセト酢酸ビニルを共重合体をケン化させる方法等を挙げることができるが、製造工程が簡略で、品質の良いAA化PVAが得られ、インク受理層の表面強度に影響を与えるアセト酢酸エステル等の不純物の混入が少ない点から、ポリビニルアルコール(粉末)とジケテンを反応させる方法で製造するのが好ましく、かかる方法について説明するがこれに限定されるものではない。
原料となるポリビニルアルコールとしては、一般的にはポリ酢酸ビニルの低級アルコール溶液をアルカリや酸などのケン化触媒によってケン化したケン化物又はその誘導体が用いられ、更には酢酸ビニルと共重合性を有する単量体と酢酸ビニルとの共重合体のケン化物等を用いることもできる。
かかる単量体としては、例えばエチレン、プロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のオレフィン類、ビニレンカーボネート類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノ又はジアルキルエステル等、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸あるいはその塩、アルキルビニルエーテル類、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ジメチルアリルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテルなどのポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリルアミド等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシエチレン(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプロピル)エステル、ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル、ポリオキシエチレンアリルアミン、ポリオキシプロピレンアリルアミン、ポリオキシエチレンビニルアミン、ポリオキシプロピレンビニルアミン等が挙げられる。
ポリビニルアルコールとジケテンを反応させるには、ポリビニルアルコールとガス状或いは液状のジケテンを直接反応させても良いし、有機酸をポリビニルアルコールに予め吸着吸蔵せしめた後、不活性ガス雰囲気下でガス状または液状のジケテンを噴霧、反応するか、またはポリビニルアルコールに有機酸と液状ジケテンの混合物を噴霧、反応する等の方法が用いられる。
上記の反応を実施する際の反応装置としては、加温可能で撹拌機の付いた装置であれば充分である。例えば、ニーダー、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、その他各種ブレンダー、撹拌乾燥装置を用いることができる。
かくして得られたAA化PVA(A)中のアセト酢酸エステル基の含有量は、0.1〜50モル%(さらには0.3〜40モル%、特には0.5〜30モル%)が好ましく、かかる含有量が0.1モル%未満では、充分な耐水性が得られない場合があり、逆に50モル%を越えると水溶性が低下したり、水溶液(塗工液)の保存安定性が低下する傾向にあり好ましくない。
また、かかるAA化PVA(A)のケン化度は70モル%以上(さらには75モル%以上、特には80モル%以上)が好ましく、かかるケン化度が70モル%未満では、水溶性が乏しくなることがあり好ましくない。
該AA化PVA(A)の平均重合度(JIS K6726に準拠)については、300以上(さらには300〜4500、特には1200〜4500、殊には1200〜4000)が好ましく、かかる平均重合度が300未満では、充分なインク受理層の表面強度が得られない場合があり好ましくない。
本発明に用いられる硝酸ジルコニウム系化合物(B)は、硝酸ジルコニル〔ZrO(NO〕、硝酸ジルコニウム〔Zr(NO〕あるいはそれらの水和物であり、硝酸ジルコニウムの水和物の市販品としては、第一稀元素化学工業(株)製『ジルコゾールZN』が挙げられる。
本発明に用いられる無機質粉体(C)としては、合成シリカ、フュームドシリカ、コロイダルシリカ、アルミナ等を挙げることができ、好適には非晶質合成シリカやフュームドシリカ、コロイダルシリカなどのケイ素化合物が用いられる。かかる無機質粉体(C)の形状としては、球状、粒状、パウダー状等が挙げられ、その平均粒子径としては、0.001〜50μm(更には0.005〜30μm、特に0.01〜20μm)が好ましく、かかる粒子径が0.001μm未満では塗工液の流動性が低下して塗工性が低下したり、また印刷時のインクドット径が小さくなりすぎて印画濃度が薄くなることがあり、逆に50μmを越えると塗工面の平滑性が低下することがあり好ましくない。また、かかる無機質粉体(C)の表面は、有機物あるいは無機物によってカチオン化処理されていてもよい。
本発明においては、上記の如きAA化PVA(A)および硝酸ジルコニウム系化合物(B)および無機質粉体(C)を含有する塗工液(25℃)のpHを3.5以下に調整することが必要で、好ましくは1〜3.5、更には1.5〜3.5である。かかるpHが3.5を越えると塗工層の表面強度やべた印刷後の印刷面の耐水強度が低下して不適当である。かかるpH調整にあたっては、(A)〜(C)の混合液に無機酸(D)を添加することが好ましく、かかる無機酸(D)としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などが挙げられる。
本発明の塗工液中の(A)〜(D)の配合割合は特に限定されないが、(B)は(A)100重量部に対して0.01〜50重量部(更には0.1〜40重量部、特には1〜30重量部)が好ましく、かかる配合量が0.01未満ではインク受理層の表面強度の向上が十分に望めないことがあり、10重量部を越えると塗工液の流動性が低下して塗工性が低下することがあり好ましくない。
また、(C)は(A)100重量部に対して、0.1〜2000重量部(更には1〜1000重量部)が好ましく、かかる配合量が0.1重量部未満では印字のにじみが生じることがあり、2000重量部を越えるとインク受理層の表面強度が低下することがあり好ましくない。
当然のことながら、OHP(オーバーヘッドプロジェクター)用フィルムのように透明性が要求される場合には無機質粉体(C)の量を少なくし(具体的には(A)100重量部に対して(C)を0.1〜10重量部配合する)、また紙のように白色が要求される場合、或いはインク吸収量を多くする場合には、無機質粉体(C)の量を多くする(具体的には(A)100重量部に対して(C)を10〜50重量部配合する)ことが望まれる。
本発明の塗工液の調製法としては特に制限されるものではないが、(1)AA化PVA(A)の水溶液に無機質粉体(C)を添加して撹拌分散させた後、これに硝酸ジルコニウム系化合物(B)と無機酸(D)を含有する水溶液を添加する方法、(2)AA化PVA(A)の水溶液に硝酸ジルコニウム系化合物(B)、および無機酸(D)を添加して得られた水溶液に無機質粉体(C)を添加して撹拌分散させる方法、(3)硝酸ジルコニウム系化合物(B)と無機酸(D)を含有する水溶液にAA化PVA(A)の水溶液に添加して得られた水溶液に無機質粉体(C)あるいはその水分散液を添加して撹拌分散させる方法、(4)無機質粉体(C)を水に分散させてからAA化PVA(A)の水溶液、硝酸ジルコニウム系化合物(B)、無機酸(C)を添加して撹拌分散させる方法等が挙げられる。
該塗工液を塗工するときは、固形分〔(A)、(B)及び(C)〕が1〜70重量%(更には2〜60重量%、特に5〜50重量%)の水溶液とすることが好ましく、かかる固形分が、1重量%未満では、付着量が少なく、印画濃度や塗工層の表面強度も低く実用性に乏しいものとなり、逆に70重量%を越えると塗工液の粘度が高くなるため、塗工が困難になり、また塗工斑も生じるために好ましくない。
また、本発明においては、かかる塗工液に本発明の目的を阻害しない範囲で、定着剤、架橋剤、消泡剤、離型剤、界面活性剤(シリコン系、フッ素系、ポリエチレングリコール系等)、防腐剤、防虫剤、防錆剤、増粘剤、分散剤等の公知の添加剤を添加することもできる。
該定着剤としては、例えば、ジシアン系定着剤(ジシアンジアミド−ホルマリン重縮合体等)、ポリアミン系定着剤〔ジエチレントリアミン,トリエチレンテトラミン,ジプロピレントリアミン,ポリアリルアミンなどの脂肪族ポリアミン、フェニレンジアミン等の芳香族ポリアミン、ジシアンジアミドと(ポリ)アルキレンポリアミンとの縮合体(ジシアンジアミド−ジエチレントリアミン重縮合体等)〕、ポリカチオン系固着剤などが例示できる。これらの定着剤は単独で又は二種以上混合して使用できる。
かかる定着剤の使用量は、AA化PVA(A)100重量部に対して1〜400重量部程度が用いられる。
該架橋剤としては、有機系架橋剤や無機系架橋剤が挙げられ、かかる有機系架橋剤としてはアルデヒド系化合物(ホルムアルデヒド、グリオキザール、グルタルジアルデヒド等)、アミノ樹脂(尿素樹脂、グアナミン樹脂、メラミン樹脂等)、エポキシ系化合物、アミン系化合物(エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、メタキシレンジアミン、1,3―ビスアミノシクロヘキサン、ポリオキシアルキレン型ジアミン又はポリアミン等)、ヒドラジン化合物、ヒドラジド化合物(アジピン酸ジヒドラジド、カルボジヒドラジド、ポリヒドラジド等)、多価カルボン酸又は酸無水物、ポリイソシアネート、ブロックイソシアネートなどが挙げられる。
また、無機系架橋剤としては、ホウ酸、ホウ酸塩(ホウ砂等)、ジルコニウム化合物(ハロゲン化物、硫酸塩、有機酸塩)、チタニウム化合物(テトラアルコキシチタネート等)、アルミニウム化合物(硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム等)、リン化合物(亜リン酸エステル、ビスフェノールA変性ポリリン酸等)、アルコキシ基やグリシジル基などの反応性官能基を有するシリコーン化合物などが挙げられる。
これらの架橋剤を単独あるいは二種類以上使用してもよい。
また、他の紙加工剤、例えば、本発明のAA化PVA(A)以外の従来公知の他のポリビニルアルコール、澱粉、カルボキシメチルセルロース等の水溶性樹脂、アクリル系ラテックス、SBRラテックス等の水分散性樹脂等を混合することができる。
本発明は上記の如き塗工液を基材表面に塗布してなる記録用媒体であり、特にインクジェット記録用途で用いると本発明の効果を発揮できる点で好ましく、かかる用途について説明する。
かかるインクジェット記録用媒体は、基材上にまず本発明の塗工液を塗布したインク受理層が設けられ、必要に応じてその上にオーバーコート層が設けられて製造される。
該基材としては特に制限されるものではないが、例えば、紙(マニラボール、白ボール、ライナー等の板紙、一般上質紙、中質紙、グラビア用紙等の印刷用紙、上・中・下級紙、新聞用紙、剥離紙、カーボン紙、ノンカーボン紙、グラシン紙など)、不織布、布、金属箔、ポリオレフィン樹脂(例えばポリエチレン、PET、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体)等の熱可塑性樹脂からなるフィルムやシートが使用できる。
基材上にインク受理層を設ける方法としては、バーコーター法、エアナイフコーター法、ブレードコーター法、カーテンコーター法などの塗工方法が用いられる。
塗工液の塗布量は、固形分換算で0.1〜40g/m2、好ましくは0.5〜20g/m2程度になるようにするのが適当である。
塗工後は乾燥すればよく、乾燥条件としては特に制限されないが、通常90〜120℃で1〜30分程度乾燥させればよい。
インク受理層の上にオーバーコート層が設けられる場合、かかるオーバーコート層は、従来公知のポリビニルアルコール、澱粉、カルボキシメチルセルロース、アクリル系ラテックス、SBRラテックス等の樹脂を含有するもので、これらを水溶液あるいは水分散液として塗工すればよく、該液中には、必要に応じて消泡剤、離型剤、界面活性剤、防腐剤、防虫剤、防錆剤、増粘剤等の公知の添加剤を添加することもできる。
塗工や塗工後の乾燥に当たっては、インク受理層を塗工するのと同様にすればよく、この場合の塗布量は、固形分換算で0.1〜20g/m2程度になるようにするのが適当である。
また、本発明の塗工液をアンダーコート層に用いて感熱記録用媒体とすることも可能で、耐水強度向上が期待できるので、かかる用途について説明する。
かかる感熱記録用媒体は、本発明の塗工液を基材に塗布してアンダーコート層を設けた後、感熱発色層を設け、更にオーバーコート層を設けることにより製造される。
上記の感熱記録用媒体に用いられる基材としては特に制限はなく、紙(マニラボール、白ボール、ライナー等の板紙、一般上質紙、中質紙、グラビア用紙等の印刷用紙、上・中・下級紙、新聞用紙、剥離紙、カーボン紙、ノンカーボン紙、グラシン紙など)やプラスチックフィルム(ポリエステルフィルム、ナイロンフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム及びこれらの積層体等)などを使用することができる。
かかる感熱発色層は、発色性物質と顕色剤を配合した水溶液を得た後、該水溶液を基材に塗工すればよい。
上記の発色性物質の例としては、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド[クリスタルバイオレットラクトン]、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロロフタリド、3−ジメチルアミノ−6−メトキシフルオラン、7−アセトアミノ−3−ジエチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン、3 −ジエチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン、3,6−ビス−β−メトキシエトキシフルオラン、3,6−ビス−β−シアノエトキシフルオラン等のトリフェニルメタン系染料のロイコ体が挙げられる。
また、顕色剤としては、前記発色性物質と加熱時反応して発色せしめるもので常温以上好ましくは70℃以上で液化もしくは気化するものが好ましく、例えばフェノール、p−メチルフェノール、p−ターシャリーブチルフェノール、p−フェニルフェノール、α−ナフトール、β−ナフトール、4,4’−イソプロピリデンジフェノール[ビスフェノールA]、4,4’−セカンダリーブチリデンジフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、4,4’−イソプロピリデンビス(2−ターシャリーブチルフェノール)、4,4’−(1−メチル−n−ヘキシリデン)ジフェノール、4,4’−イソプロピリデンジカテコール、4,4’−ペンジリデンジフェノール、4,4−イソプロピリデンビス(2−クロロフェノール)、フェニル−4−ヒドロキシベンゾエート、サリチル酸、3−フェニルサリチル酸、5−メチルサリチル酸、3,5−ジ−ターシャリーブチルサリチル酸、1−オキシ−2−ナフトエ酸、m−オキシ安息香酸、4−オキシフタル酸、没食子酸などが挙げられるが、発色性物質、顕色剤ともにこれらに限定されるわけではない。
感熱発色層を設けるに当たってはロールコーター法、エヤードクター法、ブレードコーター法、バーコーター法、サイズプレス法、ゲートロール法等任意の塗工手段で実施可能である。
この場合の塗工量は、固形分換算で0.1〜20g/m程度である。
オーバーコート層は発感熱発色層の上に形成(塗工)される層であり、従来公知のポリビニルアルコール、澱粉、カルボキシメチルセルロース、アクリル系ラテックス、SBRラテックス等の樹脂を含有するもので、これらを水溶液あるいは水分散液として塗工すればよく、該液中には、必要に応じて消泡剤、離型剤、界面活性剤、防腐剤、防虫剤、防錆剤、増粘剤等の公知の添加剤を添加することもできる。
オーバーコート層を設けるに当たっては上記の感熱記録層の場合と同様の塗工手段で実施可能であり、塗工量は、固形分換算で0.1〜5g/m程度である。
感熱記録用媒体の用途によっては、オーバーコート層の形成を省略することもできる。
以上、インクジェット記録用媒体や感熱記録用媒体について説明したが、本発明の記録用媒体は、かかる媒体以外にも、水性インクを用いたペンプロッターのような記録機器や筆記器具等に用いられる記録用媒体としても可能である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。尚、実施例中、「部」、「%」とあるのは、特に断りのない限り重量基準を示す。
実施例1
ケン化度97.9モル%、平均重合度2300、アセト酢酸エステル基4.8モル%含有のAA化PVA(A)100部を水2400部に溶解させたものに無機質粉体(C)〔トクヤマ社製『ファインシール』、非晶質合成シリカ、形状:球形、平均粒子径:5μm〕333部を添加し、ホモジナイザーにて混合撹拌して、これに硝酸ジルコニル(B)5部を含有する水溶液50部と1N硝酸(D)1部、更にポリアミン系定着剤〔住友化学社製『スミレーズレジン1001』〕を100部添加混合して塗工液〔水分散液、pH2.0(25℃)〕を得た。
次いで、得られた水分散液を坪量64g/mの上質紙に75μmのアプリケーターで固形分換算で13g/mとなるように塗工し、その後、熱風乾燥機中で105℃で10分間乾燥して、インク受理層を形成させてインクジェット記録用媒体を得た。
得られたインクジェット記録用媒体に対して、以下の要領でインク受理層の表面強度とにじみ、印字後の耐水強度の評価を行った。
(インク受理層の表面強度)
上記のインクジェット記録用媒体の塗工表面に、ニチバン社製『セロハンテープ』(幅18mm)を貼り付け、その上からハンドローラー(重量2kg)を5往復させて荷重をかけ、これを島津製作所社製オートグラフ『AG−100』にて180度方向に剥離(テストスピード100mm/分)させ、その際の剥離強度(gf/mm)を測定した。
(にじみ)
上記のインクジェット記録用媒体にエプソン社製インクジェットプリンター『PM−950C』を用い、印字設定をPM写真用紙にして、黒インクにてベタ印字を行い、印字直後の印字境界部分のにじみを目視観察して以下の通り評価した。
○・・・ほとんどにじみが見られなかった
×・・・若干にじみが見られた
(耐水強度)
上記のインクジェット記録用媒体にエプソン社製インクジェットプリンター『PM−950C』を用い、印字設定をPM写真用紙にして、黒インクにてベタ印字を行い、印字後20℃、65%RH中で5分放置後、印字面に水を1滴垂らし、その上を指で強く5回こすった場合のインク受理層の様子を目視観察して以下の通り評価した。
○・・・インク受理層にくずれやはがれが見られなかった
×・・・インク受理層に少しくずれやはがれが見られた
実施例2
実施例1において硝酸ジルコニル(B)に替えて、硝酸ジルコニウム(B)を用いた以外は同様にして塗工液を調製して、同様に評価した。
実施例3
実施例1において、更に1N硝酸(D)0.5部を塗工液に加えてpHを1.6に調整した以外は同様に行ってインクジェット記録用媒体を得て、同様に評価を行った。
実施例4
実施例1において、AA化PVA(A)としてケン化度97.9モル%、平均重合度1400、アセト酢酸エステル基4.8モル%含有のAA化PVA(A)を用いた以外は同様に行ってインクジェット記録用媒体を得て、同様に評価を行った。
実施例5
実施例1において、AA化PVA(A)としてケン化度93.0モル%、平均重合度500、アセト酢酸エステル基4.5モル%含有のAA化PVA(A)を用い、かつ該AA化PVA(A)100部を水4400部に溶解させたものに、無機質粉体(C)として、フュームドシリカ〔日本アエロジル社製『アエロジル200』、平均一次粒子径:0.012μm〕を1000部用いた以外は同様に行ってインクジェット記録用媒体を得て、同様に評価した。
比較例1
実施例1において更に0.1N水酸化ナトリウムを加えて塗工液のpHを4.0(25℃)にした以外は同様に行ってインクジェット記録用媒体を得て、同様に評価を行った。
比較例2
実施例1において、硝酸ジルコニル(B)を配合せず、1Nの硝酸の添加量を3部にして、pHを2.0(25℃)にした以外は同様に行ってインクジェット記録用媒体を得て、同様に評価を行った。
比較例3
実施例1において、無機質粉体(C)を配合しなかった〔pH2.1(25℃)〕以外は実施例1と同様に行ったところ、得られた媒体はインクを全く吸収せず、プリンターで印字してもインクが浮いて印字できず、目的とするインクジェット記録用媒体が得られなかった。
実施例1〜4及び比較例1〜3の評価結果を表1に示す。
Figure 2004268576
* インク受理性がないため評価せず
本発明の記録用媒体は塗工層の表面強度が強く、印刷時のインクのにじみが少なく、印字後の耐水強度にも優れるため、特にインクジェット記録用媒体として大変有用である。

Claims (6)

  1. アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)、硝酸ジルコニウム系化合物(B)、無機質紛体(C)を含有するpH3.5以下の塗工液を基材表面に塗布してなることを特徴とする記録用媒体。
  2. アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)の平均重合度が300以上であることを特徴とする請求項1記載の記録用媒体。
  3. アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)の平均重合度が1200以上であることを特徴とする請求項1記載の記録用媒体。
  4. 塗工液のpHが無機酸(D)を添加して調整されてなることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の記録用媒体。
  5. アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)がポリビニルアルコール系樹脂にジケテンを反応させて得られたものであることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の記録用媒体。
  6. 記録用途がインクジェット記録用であることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の記録用媒体。
JP2004043860A 2003-02-21 2004-02-20 記録用媒体 Pending JP2004268576A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004043860A JP2004268576A (ja) 2003-02-21 2004-02-20 記録用媒体

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003043771 2003-02-21
JP2004043860A JP2004268576A (ja) 2003-02-21 2004-02-20 記録用媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004268576A true JP2004268576A (ja) 2004-09-30

Family

ID=33134214

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004043860A Pending JP2004268576A (ja) 2003-02-21 2004-02-20 記録用媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004268576A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006175806A (ja) * 2004-12-24 2006-07-06 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The インクジェット記録用媒体およびその製造方法
JP2006181815A (ja) * 2004-12-27 2006-07-13 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The インクジェット記録用媒体およびその製造方法
JP2006263926A (ja) * 2005-03-22 2006-10-05 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The インクジェット記録用媒体
JP2007062053A (ja) * 2005-08-30 2007-03-15 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 記録用媒体、記録用媒体の無機微粒子含有層形成用塗布液、および記録用媒体の製造方法
JP2013527060A (ja) * 2010-05-17 2013-06-27 イーストマン コダック カンパニー インクジェット記録媒体及びその方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006175806A (ja) * 2004-12-24 2006-07-06 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The インクジェット記録用媒体およびその製造方法
JP4490255B2 (ja) * 2004-12-24 2010-06-23 日本合成化学工業株式会社 インクジェット記録用媒体およびその製造方法
JP2006181815A (ja) * 2004-12-27 2006-07-13 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The インクジェット記録用媒体およびその製造方法
JP4490256B2 (ja) * 2004-12-27 2010-06-23 日本合成化学工業株式会社 インクジェット記録用媒体およびその製造方法
JP2006263926A (ja) * 2005-03-22 2006-10-05 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The インクジェット記録用媒体
JP4567498B2 (ja) * 2005-03-22 2010-10-20 日本合成化学工業株式会社 インクジェット記録用媒体
JP2007062053A (ja) * 2005-08-30 2007-03-15 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 記録用媒体、記録用媒体の無機微粒子含有層形成用塗布液、および記録用媒体の製造方法
JP2013527060A (ja) * 2010-05-17 2013-06-27 イーストマン コダック カンパニー インクジェット記録媒体及びその方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8314175B2 (en) Aqueous composition for recording medium, and ink-jet recording medium using the same
US7592046B2 (en) Recording medium
WO2010074146A1 (ja) インクジェット記録用媒体、インク受容層形成用塗工液、およびインクジェット記録用媒体の製造方法
JP2005120115A (ja) ポリビニルアルコール系樹脂組成物
JP4694761B2 (ja) 樹脂組成物水溶液およびその用途
JP4229225B2 (ja) インクジェット用記録媒体
JP3814083B2 (ja) インクジェット記録用シート
JP2004268576A (ja) 記録用媒体
JP2004268577A (ja) 記録用媒体
JP2004291519A (ja) 感熱記録用媒体
JP4404175B2 (ja) 記録媒体
JP4827464B2 (ja) 記録用媒体、記録用媒体の無機微粒子含有層形成用塗布液、および記録用媒体の製造方法
JP2001328345A (ja) インクジェット用記録媒体
JP2001072711A (ja) 樹脂組成物
JP3838918B2 (ja) 薄膜状物およびその用途
JP4818563B2 (ja) 樹脂組成物およびその用途
JP4567498B2 (ja) インクジェット記録用媒体
JP2000158801A (ja) インクジェット用記録媒体
JP3780596B2 (ja) インクジェット記録体
JP2002103804A (ja) 記録媒体
JP4036294B2 (ja) インクジェット記録用媒体
JP2003268343A (ja) 感圧接着シート
JP3851568B2 (ja) 樹脂組成物およびその用途
JP2004277367A (ja) 架橋剤及びそれを用いた樹脂組成物
JP2015143005A (ja) 感熱記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070124

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080602

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080606

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080805

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080918

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090205