JP3814083B2 - インクジェット記録用シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基材シートの少なくとも片面にインク受容層を形成したインクジェット記録用シートに関し、さらに詳しくは、顔料インクを用いたインクジェットプリンターによる記録が可能なインクジェット記録用シートに関する。本発明のインクジェット記録用シートは、インク受容層の強度と顔料インクの定着性及び耐擦性に優れると共に、インク受容性、乾燥性、ドットの再現性などの印字性に優れている。また、本発明のインクジェット記録用シートは、インク発色性、黒色再現性、耐水性などが良好であり、インクの滲みや印字後の経時変化が抑制されたものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録は、インクをノズルから噴出して微小な液滴をつくり、これを電気入力信号に応じた画素として紙などの基材に付着させて、文字、図形、画像パターンなどを形成する記録方式であり、低雑音、高解像度、高速記録などの特徴を有している。インクジェット記録用のインクジェットプリンターは、印字に必要な部品として、プリンターヘッドとインクカートリッジを備えているだけでよく、画像形成のための感光体やインクを定着させるための加熱ローラなどを必要としない。インクジェットプリンターは、小型で低価格であることに加えて、ヘッドの増設だけでカラー印字も簡単に打ち出すことが可能である。
インクジェット記録は、このような優れた特徴を有するため、パーソナルコンピュータやワードプロセッサーなどの印字に使用されているが、最近では、複写機、ファクシミリ、プロッターなどの各種出力機器への応用も図られている。インクジェット記録における記録媒体としては、紙だけではなく、布、ガラス、合成樹脂なども検討されている。
【0003】
特に、合成樹脂シートは、他の記録媒体と比べて、一般に、耐熱性、寸法安定性、剛性等のバランスに優れ、透明性、耐久性等の要求を満足させる材質の選択も容易である。一方、インクジェット記録によれば、鮮明な絵柄を得ることができ、カラー印字(多色化)も容易である。したがって、合成樹脂シートをインクジェット記録用の記録媒体とすることができるならば、種々の用途分野への展開が可能である。例えば、オーバーヘッドプロジェクター(OHP)用の原紙として、ポリエステルシートなどの透明な合成樹脂シートが用いられているが、この合成樹脂シートをインクジェット記録用シートとして使用することができるならば、各種の会議や学会、講演、説明会、商品の宣伝等でOHPの利用の拡大に貢献することができる。透明性の低い合成樹脂シートであっても、インクジェット記録方式により鮮明な絵柄やカラー画像を形成することができるならば、記録、説明、宣伝の資料などとして活用することができる。
【0004】
ところが、合成樹脂シートは、一般に、インクジェット記録用インクを受容し難いという問題がある。インクジェットプリンターでは、ジェットノズル部でのインクの乾燥によりインクの粘度が上昇して噴出不良となるのを防ぐために、乾燥し難いインクが用いられている。すなわち、溶剤として、有機溶剤ではなく、乾燥し難い水を用いた水性インクが使用されている。より具体的に、インクジェット記録用インクとしては、一般に、水溶性の染料、バインダー、添加剤等を水に溶解した水性インクが用いられている。このような水性インクは、疎水性の合成樹脂シート上では、インクの乾燥や定着が不良となる。インクジェットプリンターで印字を行うには、記録媒体として、インクの水分を急速に吸収して乾燥固化させる機能を有するものを使用することが必要である。
【0005】
そこで、従来より、合成樹脂シートをインクジェット記録用インクに適した記録媒体として使用するために、合成樹脂シート上に、急速な吸水性を示すインク受容層を形成することが提案されている。例えば、(1)透明性を有する合成樹脂シート表面に、ポリビニルピロリドンを含有するインク受容層を設けたインクジェット記録用シート(特開昭61−32788号公報)、(2)透明な熱可塑性樹脂フィルム上に、ポリビニルアルコールやゼラチンなどの水溶性樹脂とコロイダルシリカを含む透明な層を設けた記録用シート(特開昭61−19389号公報)、(3)透明なプラスチックフィルム上に、平均粒径1〜100mμの超微粒子と平均粒径1〜20μの微粒子を含有する水溶性高分子の薄膜を設けた記録用シート(特開昭61−280983号公報)、(4)透明性フィルム上に粒径5〜50μm程度の透明性微粒子(ガラスビーズや合成樹脂球状マイクロビーズ)を含有させた透明性接着剤を塗布したオーバーヘッドプロジェクタ用フィルム(特開昭61−24494号公報)などが提案されている。
【0006】
しかしながら、ポリビニルピロリドンなどの水溶性高分子をインク受容層とする従来の膨潤型の記録用シートは、インクの定着能力が不十分であるため、印字後の経時変化により画像のシャープさが低下するという欠点がある。また、膨潤型の記録用シートは、吸湿により粘着性を持ち、ブロッキングするなど取扱性が悪い。一方、水溶性高分子をバインダーとして、コロイダルシリカやアルミナなどの無機充填剤を高比率で混入し、ポーラスなインク受容層とした従来の吸水型の記録用シートは、透明性が劣ったり、インク受容層が脆くて割れやすいという欠点がある。合成樹脂球状マイクロビーズを水溶性高分子バインダーで結合固定してなるインク受容層は、インクの吸収性は良いものの、定着性に劣り、滲みが多く、しかもインク受容層が脆くて割れやすいという欠点がある。
【0007】
一般に、インクジェット記録用シートには、基材シート上に、次のような特性を有するインク受容層が形成されていることが求められている。
▲1▼インクの受容性、吸収乾燥性、定着性、ドットの再現性等の印字性に優れていること、
▲2▼インクの発色が鮮明で、しかも経時により変色しないこと、
▲3▼被膜強度や耐水性に優れていること、
▲4▼積層状態で保存しても、各シート間でブロッキングを起こさないこと、
▲5▼画像の端部をシャープに表現できるインクドットの適度な広がりがあり、過度な滲みがないこと、
▲6▼粘着性があったり、指紋跡等の付着がないこと。
さらに、用途分野によっては、例えば、透明性が高いこと、光沢があることなど、多くの特性が要求される。しかしながら、従来のインクジェット記録用シートは、これらの要求特性を充分に満足することができるものではなかった。
【0008】
そこで、本発明者らは、鋭意検討した結果、基材シートの少なくとも片面に、平均粒子径200nm以下のγ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子100重量部を、重合度1000以上でケン化度80〜95モル%の部分ケン化ポリビニルアルコールを主成分とするバインダー7〜35重量部により固着してなるインク受容層を形成したインクジェット記録用シートに想到した(特願平9−94998号)。このインクジェット記録用シートは、前記諸特性を満足するものであって、通常の染料を色料とする水性インクを用いたインクジェットプリンターにより印字すると、インク定着性、インク受容性、乾燥性、ドットの再現性などに優れている。しかしながら、顔料を色料とする水性インクを用いた場合には、インクの定着性が十分ではなく、良好な耐擦性が得られないという問題があった。
【0009】
これらの点について、より具体的に説明すると、インクジェット記録方式に用いられる水性インクは、一般に、水溶性の染料、バインダー、添加剤等を水に溶解した染料インクであるが、耐候性に劣るため、最近では、顔料を分散させた水性インクである顔料インクの使用が検討されている。顔料インクは、水溶液型の染料インクとは異なり、50〜500nm程度の平均粒子径を有する顔料粒子が分散したものである。この顔料インクを用いたインクジェットプリンターにより前記インクジェット記録用シートに印字したところ、インク受容層の細孔径が極めて小さいため、顔料粒子が入り込むことが困難で、インク定着性に劣る結果となった。そして、顔料インクは、インク受容層の表面に積層されるため、良好な耐擦性が得られない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、基材シートの少なくとも片面にインク受容層を形成したインクジェット記録用シートであって、顔料インクを用いたインクジェットプリンターにより印字した場合に、インク定着性及び耐擦性に優れると共に、インク受容性、乾燥性、ドット再現性などの印字性、インク発色性、黒色再現性、耐水性などが良好で、インクの滲みや印字の経時変化が抑制されたインクジェット記録用シートを提供することにある。
本発明者らは、前記従来技術の問題点を克服するために鋭意研究した結果、合成樹脂シートを含む基材シートの少なくとも片面に、平均粒子径200nm以下のγ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子と平均粒子径0.5〜5μmのγ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子とを含む酸化アルミニウム微粒子を、特定の部分ケン化ポリビニルアルコールを主成分とするバインダーにより固着してなるインク受容層を形成することにより、前記目的を達成できることを見いだした。
【0011】
また、本発明者らは、基材シートの少なくとも片面に、平均粒子径200nm以下のγ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子を主成分とする酸化アルミニウム微粒子を、特定の部分ケン化ポリビニルアルコールを主成分とするバインダーにより固着してなるインク受容層を形成し、さらに、該インク受容層の上に、平均粒子径0.5〜10μmの無機微粒子を水溶性高分子バインダーにより固着してなる表面処理層を形成したインクジェット記録用シートによっても、前記目的を達成できることを見いだした。
本発明によれば、前述のインクジェット記録用シート(特願平9−94998号)の有する優れた諸特性を実質的に保持しつつ、耐候性に優れた顔料インクに対応することが可能なインクジェット記録用シートを得ることができる。
【0012】
酸化アルミニウム微粒子としては、γ型結晶形態のものを選択して使用する。酸化アルミニウムは、その1次粒子の平均粒子径が20nm以下のBET比表面積の大きなものが好ましい。平均粒子径200nm以下のγ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子を特定の部分ケン化ポリビニルアルコールを主成分とするバインダーにより固着することにより、水性インクに対して優れた特性を示すインク吸収型(吸水型)のインク受容層を形成することができる。このインク受容層中に、平均粒子径0.5〜5μmと比較的大きなγ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子を含有させることにより、インク受容層表面に顔料インク粒子を取り込むことのできる凹凸や細孔を付与し、それによって、顔料インクの定着性と耐擦性を高めることができる。あるいは前記インク受容層の表面に、平均粒子径0.5〜10μmの比較的大きな無機微粒子を水溶性高分子バインダーにより固着してなる薄い表面処理層を形成することによっても、顔料インクの定着性と耐擦性を高めることができる。さらに、これらの手段を併用することにより、すなわち、平均粒子径の異なる酸化アルミニウム微粒子を併用してインク受容層を形成し、さらにその上に、前記の如き表面処理層を形成することにより、顔料インクの定着性と耐擦性を高度に高めることができる。
【0013】
本発明のインクジェット記録用シートは、インク受容層の製膜性、被膜強度、水性インクの吸収性などに優れており、そして、印字性、インク発色性、黒色再現性、耐水性が極めて良好であり、特に顔料インクの定着性と耐擦性に優れるものである。また、本発明のインクジェット記録用シートは、インク受容層の耐候性にも優れている。このインク受容層の上に前記の薄い表面処理層を設けることにより、顔料インクの耐擦性をより一層向上させることができる。表面処理層に使用する無機微粒子としては、20nm以下の1次粒子からなる2次凝集体のシリカ微粒子または酸化アルミニウム微粒子が好ましい。
本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、基材シートの少なくとも片面にインク受容層を形成したインクジェット記録用シートにおいて、インク受容層が、平均粒子径200nm以下のγ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子(A1)50〜95重量%と平均粒子径0.5〜5μmのγ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子(A2)5〜50重量%とを含む酸化アルミニウム微粒子(A)100重量部を、重合度1000以上でケン化度80〜95モル%の部分ケン化ポリビニルアルコール(B1)を主成分とするバインダー(B)7〜35重量部により固着してなる層であることを特徴とする顔料インクを用いたインクジェット記録用シートが提供される。
【0015】
また、本発明によれば、基材シートの少なくとも片面に、平均粒子径200nm以下のγ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子(A1)50〜100重量%と平均粒子径0.5〜5μmのγ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子(A2)0〜50重量%とを含む酸化アルミニウム微粒子(A)100重量部を、重合度1000以上でケン化度80〜95モル%の部分ケン化ポリビニルアルコール(B1)を主成分とするバインダー(B)7〜35重量部により固着してなるインク受容層を形成し、さらに、該インク受容層の上に、シリカ微粒子、擬ベーマイト結晶形態の水酸化アルミニウム微粒子、及びγ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種の無機微粒子であって、その1次粒子の平均粒径が20nm以下の2次凝集体からなる平均粒子径0.5〜10μmの無機微粒子を水溶性高分子バインダーと該水溶性高分子バインダーの架橋剤とにより固着してなる表面処理層を形成した顔料インクを用いたインクジェット記録用シートが提供される。
【0016】
さらに、本発明によれば、以下のような好ましい実施態様が提供される。
1.基材シートが合成樹脂シートである前記顔料インクを用いたインクジェット記録用シート。
2.酸化アルミニウム微粒子(A1)が、平均粒子径20nm以下の1次粒子からなる2次凝集体を平均粒子径200nm以下になるまで微粉砕したものである前記顔料インクを用いたインクジェット記録用シート。
3.酸化アルミニウム微粒子(A2)が、平均粒子径20nm以下の1次粒子からなる2次凝集体である前記顔料インクを用いたインクジェット記録用シート。
4.酸化アルミニウム微粒子(A1)が、その1次粒子の平均粒子径が20nm以下の2次凝集体を水中に分散させ、平均粒子径が200nm以下になるまで微粉砕したものである前記顔料インクを用いたインクジェット記録用シート。
【0017】
5.超音波ホモジナイザーまたは高圧式ホモジナイザーを用いて微粉砕したものである第4項に記載の顔料インクを用いたインクジェット記録用シート。
6.バインダー(B)が、部分ケン化ポリビニルアルコール(B1)を好ましくは60〜100重量%、より好ましくは65〜99重量%、さらに好ましくは75〜95重量%と、完全ケン化ポリビニルアルコール(B2)及びシラン変性ポリビニルアルコール(B3)からなる群より選ばれる少なくとも一種のポリビニルアルコールを好ましくは0〜40重量%、より好ましくは1〜35重量%、さらに好ましくは5〜25重量%とを含有するものである前記顔料インクを用いたインクジェット記録用シート。
7.インク受容層が、ポリビニルアルコール(B1〜B3)の水酸基と反応性を有する架橋剤(C)をさらに含有するものである前記顔料インクを用いたインクジェット記録用シート。
【0018】
8.インク受容層中のバインダー(B)成分が該架橋剤(C)により架橋されている第7項記載の顔料インクを用いたインクジェット記録用シート。
9. インク受容層の上に、平均粒子径0.5〜10μmの無機微粒子を水溶性高分子バインダーにより固着してなる表面処理層を形成した前記顔料インクを用いたインクジェット記録用シート。
10.無機微粒子が、シリカ微粒子、水酸化アルミニウム微粒子、及び酸化アルミニウム微粒子からなる群より選ばれる少なくとも一種の無機微粒子である第9項記載の顔料インクを用いたインクジェット記録用シート。
11.無機微粒子が、平均粒子径が20nm以下の1次粒子からなる2次凝集体である第9項または第10項に記載の顔料インクを用いたインクジェット記録用シート。
12.無機微粒子が、シリカ微粒子または酸化アルミニウム微粒子である第10項または第11項に記載の顔料インクを用いたインクジェット記録用シート。
【0019】
13.水溶性高分子バインダーが、ポリビニルアルコール及びシラン変性ポリビニルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも一種のポリマーである第9項ないし第12項のいずれか1項に記載の顔料インクを用いたインクジェット記録用シート。
14.表面処理層中の高分子バインダーが架橋剤により架橋されている第9項ないし第13項のいずれか1項に記載の顔料インクを用いたインクジェット記録用シート。
15.基材シートの片面にインク受容層が形成され、その反対側の面には粘着剤層が形成され、該粘着剤層の上に剥離シートが積層されている前記顔料インクを用いたインクジェット記録用シート。
16.インクジェット型ラベルプリンター用の受像テープである前記顔料インクを用いたインクジェット記録用テープ。
17.前記顔料インクを用いたインクジェット記録用シートに、インクジェット記録方式により印刷してなる記録物。
【0020】
【発明の実施の形態】
基材シート
本発明で使用する基材シートとしては、耐熱性、寸法安定性、剛性などを備えた合成樹脂により形成されたものが好ましく、例えば、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート)、セルローストリアセテート、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリイミド等から形成されたシート(フィルムを含む)を挙げることができる。
基材シートの厚さは、通常、20〜250μm程度である。これらの中でも、厚さ25〜150μmの延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。写真調の受像シートを調製する際は、上記の合成樹脂に酸化チタン等の体質顔料を練り込んで、白色隠蔽性を付与したシートを使用することが好ましい。また、用途に応じて、合成紙、コート紙等の合成樹脂シート以外のシート材料を基材シートとして使用することもできる。
基材シートには、必要に応じて、接着性を向上させるために、プライマー層を設けたり、コロナ放電加工を行った後、その上に、インク受容層を形成してもよい。インク受容層は、通常、基材シートの片面に形成するが、所望により両面に形成してもよい。基材シートの両面にインク受容層を設けると、カール防止効果得られる。基材シートの片面にインク受容層を形成し、その反対面に他の材質からなるカール防止層を設けてもよい。
【0021】
酸化アルミニウム微粒子(A)
本発明では、平均粒子径200nm以下のγ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子(A1)をインク受容層の主要な成分として使用する。酸化アルミニウムには、種々の結晶形態が存在するが、熱力学的に安定なα型と不安定なγ型の2つの結晶形態に大別することができる。γ型は、結晶学的に分類すると、さらにγグループとδグループに分けることができるが、これらの中でも、δグループの結晶形態を有する微粒子の方が好ましい。
γ型結晶形態の酸化アルミニウムは、1次粒子の平均粒子径を10nm程度にまで小さくすることが可能であるが、粉末状態では、通常、1次粒子が2次凝集体を形成して、数千〜数万nmにまで粒子径が大きくなる。このような大粒子径の酸化アルミニウム粉末を使用すると、インク受容層の製膜性が低下し、光沢も失われる。
【0022】
γ型結晶形態の酸化アルミニウム粉末は、その1次粒子径が20nm以下であることが比表面積を高める上で好ましい。2次凝集体となっているγ型結晶形態の酸化アルミニウム粉末から、平均粒子径200nm以下の微粒子を得るには、通常、ビーズミル、超音波ホモジナイザー、高圧式ホモジナイザー等の粉砕手段によって、平均粒子径200nm以下の微粒子になるまで粉砕する。γ型結晶形態の酸化アルミニウム微粉末(A1)の平均粒子径は、好ましくは150nm以下、より好ましくは80〜120nm程度である。この酸化アルミニウム微粉末(A1)の平均粒子径が小さいほど、インク受容層の光沢が良好となり、インクのドット径の大きさも適度のものとなる。この平均粒子径が200nmを越えると、成膜性が悪くなり、インク受容層中にヒビ割れが多数発生し易くなる。
【0023】
γ型結晶形態の酸化アルミニウムは、硬い結晶であるために、粉砕工程において、粉砕容器からの混入物が入り込み易く、インク受容層が着色汚染される原因となることがある。したがって、γ型結晶形態の酸化アルミニウム粒子を水中に分散させ、粉砕手段として、超音波ホモジナイザーや高圧式ホモジナイザーを用いた粉砕方式を採用することが好ましい。γ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子(A1)は、水性インクの吸収性、乾燥性などの印字性に優れており、これを超微粒子化することにより、製膜性や光沢の優れた記録用シートを得ることができる。
【0024】
平均粒子径200nm以下のγ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子(A1)を単独で使用して形成したインク受容層は、水性インクの吸収性、乾燥性などの印字性に優れており、かつ、染料インクに対する定着性や耐擦性に優れているものの、顔料インクを用いると、インク受容層の空隙が顔料粒子の粒子径より狭いため、顔料インクがインク受容層の表面に積層して、インクの密着強度が不足する欠点がある。
前記の欠点を克服する方法として、第一に、平均粒子径200nm以下のγ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子(A1)と平均粒子径0.5〜5μmのγ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子(A2)とを併用して、インク受容層を形成する方法が有効である。第二に、酸化アルミニウム微粒子(A1)単独使用、あるいは酸化アルミニウム微粒子(A1)と酸化アルミニウム微粒子(A2)の併用により形成したインク受容層の上に、平均粒子径0.5〜10μmの無機微粒子を水溶性高分子バインダーにより固着してなる表面処理層を形成する方法が有効である。
【0025】
第一の方法では、平均粒子径の異なる酸化アルミニウム微粒子をブレンドして使用することにより、平均粒子径の小さなγ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子(A1)の奏する製膜性、被膜強度、水性インクの吸収性や乾燥性などの印字性などの作用効果を保持しつつ、顔料インクに対する定着性及び耐擦性を付与することができる。すなわち、平均粒子径の大きなγ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子(A2)をブレンドすることにより、インク受容層表面に凹凸を形成したり、細孔を大きくして、顔料インクの定着性や耐擦性を向上させることができる。本発明では、酸化アルミニウム微粒子(A1)を50〜95重量%、好ましくは55〜93重量%、より好ましくは60〜90重量%の割合で使用し、酸化アルミニウム微粒子(A2)を5〜50重量%、好ましくは7〜45重量%、より好ましくは10〜40重量%の割合で使用する。平均粒子径の大きなγ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子(A2)の配合割合が少なすぎると、顔料インクに対する定着性と耐擦性に優れたインク受容層を形成することが難しくなり、多すぎると、製膜性、被膜強度などが低下する。
【0026】
第二の方法では、平均粒子径の大きな無機微粒子を含有する薄い表面処理層により、顔料インクに対する定着性や耐擦性を補強することができるため、平均粒子径の小さなγ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子(A1)を単独で使用してインク受容層を形成しても、所期の目的を達成することができる。この場合、平均粒子径の小さなγ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子(A1)の奏する製膜性、被膜強度、水性インクの吸収性や乾燥性などの印字性などの作用効果を保持しつつ、表面処理層により顔料インクに対する定着性や耐擦性を補強する。この第二の方法においても、インク受容層中に酸化アルミニウム微粒子(A1)と酸化アルミニウム微粒子(A2)とをブレンドして含有させてもよい。この場合、酸化アルミニウム微粒子(A2)の配合割合の上限は、前記と同様に50重量%であるが、下限は0重量%であってもよく、あるいは5重量%未満、7重量%未満、もしくは10重量%未満であっても構わない。
【0027】
バインダー(B)
本発明では、γ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子を含有するインク受容層を形成するためのバインダーとして、特定の部分ケン化ポリビニルアルコールを主成分として含有するバインダーを使用する。
γ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子をインク受容層とするには、製膜性の良いバインダーを選択することが重要である。本発明者等は、特定のポリビニルアルコール(以下、PVAと略記)をバインダーとして用いることにより、良好な製膜性の得られることを見いだした。すなわち、PVAとして、特定の重合度とケン化度を有する部分ケン化PVAが特に好ましいことが判明した。
【0028】
部分ケン化PVAをバインダーとして使用したインク受容層は、透明性の点では充分ではないため、OHPシート等の高度の透明性を要求される用途には必ずしも適当ではないが、印字性、インク発色性、耐水性が非常に良好で、しかも光沢に優れた写真調の受像シートを与えることができる。この受像シートは、インク受容層の耐候性が優れるだけでなく、印字されたインクの耐候性をも向上させることができる。したがって、本発明のインクジェット記録用シートは、このような特徴を活かして、例えば、記録、説明、宣伝等の資料などの広範な分野で使用することができる。
【0029】
PVAは、一般にポリ酢酸ビニルを加水分解(ケン化)して得られるポリマーである。PVAとしては、重合度及びケン化度の異なる多くの種類のものが市販されている。γ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子を含有するPVAの製膜性は、その重合度、ケン化度、及び添加量により大きく異なる。本発明では、重合度が1000以上で、ケン化度が80〜95モル%の部分ケン化PVA(B1)が優れた製膜性を示すために、バインダー成分として使用する。低重合度または低ケン化度のPVAをγ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子のバインダーとして用いると、製膜性が悪く、得られた被膜にヒビ割れが発生しやすい。また、バインダーとして、完全ケン化PVAを多量に使用すると、ゲル化が激しく、塗工が困難ないしは不能となる。
【0030】
バインダーの使用割合は、γ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子100重量部に対し、7〜35重量部であり、好ましくは10〜30重量部である。バインダーの使用割合が少なすぎると、製膜性が悪く、ヒビ割れが発生し易くなり、多すぎると、インク吸収性が低下して、インク滲みが発生し、印字性が低下する。バインダーとしては、前記の部分ケン化PVA(B1)を単独で使用することができるが、インク受容層の特性を改質する等の目的で、所望により、他のバインダー成分を少量成分として併用することができる。具体的には、例えば、完全ケン化PVA(B2)及び/またはシラン変性PVA(B3)を、バインダー全量基準で、好ましくは40重量%以下(0〜40重量%)、より好ましくは1〜35重量%、さらに好ましくは5〜25重量%の割合で含有させると、インク受容層の耐水性をより一層向上させることができる。残余は、部分ケン化PVAである。完全ケン化PVA及びシラン変性PVAは、印字性への影響は少ないが、その使用量が多すぎると、粘度上昇やゲル化を起こし、塗工性が低下する。
【0031】
完全ケン化PVA(B2)は、ケン化度が95モル%を越えてケン化されており、そのケン化度は、通常、98〜99モル%であり、ポリ酢酸ビニル中の酢酸ビニル基の殆ど全てがケン化されている。完全ケン化PVAとしては、重合度の異なる多くの種類が市販されているが、本発明では、重合度1000以上の比較的高分子量のものがインク受容層の成膜性を向上させるので好適である。
シラン変性PVA(B3)は、PVAにシラノール基を導入したものであり、例えば、クラレ(株)よりR−ポリマーとして市販されているポリマーを挙げることができる。本発明では、重合度が高く、シラノール基の比較的少ないものが適している。重合度の低いものは、成膜性が悪く、一方、シラノール基の多いものは、増粘、ゲル化が激しく、塗工性が悪い。
【0032】
インク受容層
本発明のインクジェット記録用シートは、基材シートの少なくとも片面に、部分ケン化PVA(B1)を主成分として含むバインダー(B)により固着された平均粒子径200nm以下のγ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子(A1)または該酸化アルミニウム微粒子(A1)と平均粒子径0.5〜5μmのγ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子(A2)とを含有するインク受容層が形成されたものである。本発明のインク受容層は、平均粒子径200nm以下のγ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子(A1)を主成分として含有しているため、インク受容性、乾燥性、ドットの再現性などの印字性に優れており、さらに、製膜性、被膜強度、耐水性などに優れている。本発明のインク受容層に、酸化アルミニウム微粒子(A1)と酸化アルミニウム微粒子(A2)とを含有させると、顔料インクに対する定着性と耐擦性に優れたインク受容層を形成することができる。本発明のインク受容層は、部分ケン化PVA(B1)を含有するバインダーを使用しているので、製膜性に優れると共に、印字性、インク発色性、黒色再現性、耐水性が非常に良好な受像シートを与えることができる。さらに、部分ケン化PVA(B1)を含有するバインダーを用いているため、インク受容層の耐候性が優れるだけでなく、印字されたインクの耐候性も良好である。なお、本発明の目的を損なわない範囲において、部分ケン化PVA(B1)と共に、水溶性セルロースエーテル等の他の汎用のバインダーを少量の割合で併用してもよい。
【0033】
本発明のγ型結晶形態の酸化アルミニウム微粉末(A)とPVA系バインダーから形成されたインク受容層は、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子を主成分とした従来の膨潤タイプのインク受容層と比較すると耐水性に優れているが、PVAの水酸基と反応可能な架橋剤(C)を添加し、架橋させることにより、耐水性をさらに向上させることができる。架橋剤(C)としては、例えば、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ジアルデヒド澱粉等を挙げることができる。架橋剤(C)の使用割合は、架橋剤の種類や所望の架橋度合等によって、適宜定めることができるが、PVA100重量部に対して、通常1〜20重量部、好ましくは5〜15重量部である。
基材シート上に、インク受容層を形成するには、通常、各成分を水に均一に分散または溶解させたインク受容層液(以下、塗布液という)を調製し、この塗布液を基材シートの少なくとも片面に塗布し、乾燥させる。塗布液の分散媒体としては、水を使用するが、所望により、アルコール等の水と相溶性のある有機溶媒を混合して、乾燥時間の短縮等を図ることができる。
【0034】
塗布液を調製する好ましい方法は、次のとおりである。
(1)γ型結晶形態の酸化アルミニウム粉末(2次凝集体)の水分散液を調製して、超音波ホモジナイザーや高圧式ホモジナイザーを用いた粉砕手段によって、平均粒子径が200nm以下になるまで粉砕し、スラリー状の粘稠状分散液を作成する。分散液中の酸化アルミニウム微粉末の濃度は、通常5〜40重量%、好ましくは10〜30重量%程度である。
(2)粉砕して調製した平均粒子径200nm以下のγ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子(A1)のスラリー状の粘稠状分散液を単独で使用するか、あるいは、この粘稠状分散液に、平均粒子径0.5〜5μmのγ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子(A2)を添加して、攪拌、混合して均一に分散させる。
(3)一方、バインダー(B)の水溶液を調製する。部分ケン化PVAを含有するバインダーの水溶液は、例えば、部分ケン化PVA(B1)60〜100重量%と完全ケン化PVA(B2)及び/またはシラン変性PVA(B3)0〜40重量%を含むPVAを、イオン交換水に一方撹拌機等で撹拌しながら添加して、均一に分散させた後、90〜95℃に加熱しながら2〜3時間撹拌して溶解させる。水溶液中のPVAの合計濃度は、通常3〜20重量%、好ましくは5〜15重量%程度である。
(4)このようにして調製したPVA水溶液を、γ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子分散液に適量添加撹拌して、インク受容層液を調製する。この際、必要に応じて、架橋剤等のその他の成分を添加し、さらに、必要に応じて、水で希釈して、所望の固形分濃度の塗布液を調製する。塗布液の固形分濃度は、通常5〜30重量%、好ましくは10〜25重量%程度である。
【0035】
基材シートの表面にインク受容層液(塗布液)を塗工する手段としては、例えば、ロールコーター、エアーナイフコーター、ブレッドコーター、ロッドコーター、バーコーター、コンマコーター等を用いて塗布液を塗工し、熱風にて乾燥する方法が採用できる。インク受容層の乾燥後の厚さは、通常5〜50μm、好ましくは15〜40μmである。インク受容層の厚みが薄すぎると、インク吸収能力不足となり、印字性が低下し、逆に、厚すぎると、被膜割れを起こすおそれがあり、かつ、コストアップの要因にもなるため、いずれも好ましくない。塗布液が架橋剤を含有する場合、塗工後の乾燥工程での加熱条件を調整することによりPVA成分の架橋が行われる。
【0036】
表面処理層
前記のインク受容層は、平均粒子径200nm以下のγ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子(A1)と平均粒子径0.5〜5μmのγ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子(A2)との所定の配合割合のブレンド物を使用した場合には、そのままでも使用できるが、顔料インクの密着強度をより一層強めたり、インクのドット径を調整する目的で、表面処理層を形成することができる。インク受容層が、酸化アルミニウム微粒子(A2)を含まないか、あるいは少量しか含んでいない場合には、顔料インクの定着性や耐擦性を得るために表面処理層を形成する。インク受容層がインクジェット型ラベルプリンター用の受像シート(テープを含む)として使用され、オーバーレイ用ラミネート粘着テープでカバーされる場合は、この表面処理層は、オーバーレイ用ラミネート粘着テープの印字直後の接着性を高める役割も有している。表面処理層の形成は、インク受容層の上に、平均粒子径0.5〜10μmの無機微粒子を水溶性高分子バインダーで固着した層を形成することにより行う。
【0037】
表面処理層の形成に使用する無機微粒子としては、その1次粒子の平均粒子径が20nm以下からなる2次凝集体であって、その平均粒子径が0.5〜10μmのシリカ微粒子、擬ベーマイト結晶形態の水酸化アルミニウム、またはγ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子が好ましく、シリカ微粒子及び酸化アルミニウム微粒子がより好ましい。このようなシリカ微粒子は、水澤化学(株)によりミズカシルの商品名で市販されており、擬ベーマイト結晶形態の水酸化アルミニウム及びγ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子は、住友化学(株)から市販されている。顔料インクの密着強度、インクのドット径、及びインク吸収性等の印字特性は、表面処理層に使用する無機微粒子の種類、結晶形態、1次粒子の平均粒子径、2次凝集体の平均粒子径等により微妙に変化するため、各種特性のバランスを図るために、必要に応じて、いくつかの無機微粒子をブレンドして用いても良い。
【0038】
水溶性高分子バインダーとしては、例えば、PVA(部分ケン化PVA及び完全ケン化PVA)、シラン変性PVA、水溶性セルロースエーテル、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、デンプン及びその誘導体等を使用することができるが、中でも、PVAとシラン変性PVAが好適に使用できる。
無機微粒子100重量部に対する水溶性高分子バインダーの配合割合は、通常20〜250重量部、好ましくは50〜200重量部である。水溶性高分子バインダーの配合量が少ないと、バインダー効果が弱く、表面処理層が脆くなり、多すぎると、インク吸収速度を低下させる。バインダー配合量は、印字ドット径の広がりにも影響を与えるので、その点も考慮して配合部数を決定する。
この表面処理層の耐水性を向上させるために、水溶性高分子バインダーの有する水酸基やカルボン酸基と反応可能な架橋剤を添加することができる。架橋剤としては、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ジアルデヒド澱粉等を挙げることができる。架橋剤の使用割合は、水溶性高分子バインダーと架橋剤の種類によって異なるが、PVAとシラン変性PVAの場合には、ポリマー100重量部に対して、通常1〜20重量部、好ましくは5〜15重量部である。
【0039】
表面処理剤の塗布量は、インク吸収速度への影響が大きく、塗布量が多すぎるとインク吸収速度を低下させる傾向にあるので、塗布量は、必要最小限に留めることが望ましい。塗布量は、固形分基準で、通常0.01〜1g/m2、好ましくは0.03〜0.3g/m2である。この塗布料が少なすぎると、顔料インクの密着強度、インクのドット径の調整またはオーバーレイ用ラミネート粘着テープの印字直後の接着性を高める効果等の表面処理効果が不足し、逆に、多すぎると、インク吸収速度を低下させ、印字性を低下させる。表面処理剤の塗布方法としては、濃度0.1〜7重量%の表面処理液を調整し、グラビアコーターやメイヤーバーなどを使用して塗工し、熱風にて乾燥する手段が好ましく採用することができる。
【0040】
タックシート
インクジェット記録用シートの片面にインク受容層を形成し、反対側の面に粘着剤層を形成することにより、各種被着体に貼付することが可能なタックシートを作成することができる。このような層構成のタックシートは、各種粘着ラベルやシール類として使用することができる。より具体的には、インク受容層に印字した後、例えば、年賀状などの葉書に貼付することができる。
粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤などを、用途に応じて適宜選択することができる。耐候性を必要とする場合には、アクリル系粘着剤が好ましい。一度貼付後に剥離することが必要な場合には、再剥離性の粘着剤を使用すればよい。粘着剤層を保護するために、粘着剤層の上に剥離シートを積層することができる。剥離シートとしては、基材の表面をシリコーン等の剥離層を形成したものを用いる。剥離シートの基材としては、紙、プラスチックシートまたはフィルムなどが用いられるが、インクジェット記録用シート基材と同種のものを用いると、カールの発生を抑制することができる。例えば、インクジェット記録用シート基材にポリエステルを用いた場合、基材がポリエステル製の剥離シートを使用すれば、粘着剤層を介して剥離シートを積層した場合に、カールの発生が抑えられるので望ましい。
【0041】
インクジェット型ラベルプリンター用受像テープ
インクジェット型ラベルプリンターには、インクの耐候性が要求されることが多いので、顔料インクを使用することが好ましい。本発明のインクジェット記録用シートは、顔料インクの印字性や定着性、耐擦性に優れるので、インクジェット型ラベルプリンター用受像テープとして特に好適である。
【0042】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明する。
【0043】
[実施例1]
γ型結晶形態で1次粒子の平均粒子径が20nm以下の酸化アルミニウム粉末であるアエロジルAl2O3・C〔日本アエロジル(株)製〕600gを、分散安定剤として酢酸12gを溶解したイオン交換水2400gに、一方攪拌機にて攪拌して分散し、濃度20重量%の分散液を調製した。この分散液を高圧式ホモジナイザーのゴーリンホモジナイザー15MR−8TA型〔同栄商事(株)〕にて、500kg/cm2の圧力を加えて粉砕し、乳白色のスラリー状の粘稠状分散液を得た。この粘稠状分散液中に分散している酸化アルミニウム微粒子の平均粒子径は、98nmであった。平均粒子径は、レーザー回析/散乱式分布測定装置LA−910〔堀場製作所(株)製〕にて測定した。この粘稠状分散液に、さらに高純度アルミナAKP−G015〔住友化学工業(株)製酸化アルミニウム微粒子〕を400g添加して、一方攪拌機にて攪拌して分散させ、酸化アルミニウム粒子の分散液を調製した。高純度アルミナAKP−G015の1次粒子の平均粒子径は、10〜15nmであり、その2次凝集体の平均粒子径は、2.2μmである。
【0044】
インク受容層の塗布液の配合は、下記の通りである。
<塗布液の配合処方A>
▲1▼酸化アルミニウム微粒子分散液・・・・・・・・・・100g(固形分)
アエロジルAl2O3・C粉砕品(平均粒子径98nm)/高純度アルミナAKP−015(平均粒子径2.2μm)=60/40(重量%)
▲2▼部分ケン化ポリビニルアルコール・・・・・・・・・・15g(固形分)
PVA−217〔クラレ(株)製〕、重合度1700、ケン化度88モル%
▲3▼メラミン・ホルムアルデヒド樹脂(架橋剤)・・・・・1.5g(固形分)
Sumirez Resin 613〔住友化学工業(株)製〕
▲4▼イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・固形分濃度21重量%に調製
塗布液の溶液粘度は、1.1Pa・s(30℃)であった。
【0045】
97μm厚さの白色ポリエステルフィルム〔メリネックス#339、デュポン(株)製〕の片面に、配合処方Aの塗布液を乾燥後塗布厚みが30μmになるようにコンマコーターにて塗布して、110℃で3分間の条件で乾燥してインク受容層を形成し、インクジェット記録用シートを得た。この記録用シートのインク受容層は、被膜強度及び耐水性が良好なものであった。
上記で得られたインクジェット記録用シートに、米国ENCAD社製NOVAJET PROのGOインク(インクジェット用水性顔料インク)にて印字試験を行った結果、インク受容性、乾燥性、ドット再現性、黒色再現性に優れ、滲みもなく、良好な印字性を示した。印字面は、インク定着性が良く、インク耐擦性の高いものであった。このインク受容層は、マット調であり、光沢性はそれほど高くはないが、一般のシリカ系マットフィルムに比べて、色濃度が非常に高く、鮮明な画質が得られた。この記録用シートは、耐水性が良好であり、経日によっても、画像のシャープさは変化しなかった。結果を表1に示す。
【0046】
[実施例2]
<塗布液の配合処方B>
▲1▼酸化アルミニウム微粒子分散液・・・・・・・・・・100g(固形分)
アエロジルAl2O3・C粉砕品(平均粒子径98nm)/高純度アルミナAKP−015(平均粒子径2.2μm)=60/40(重量%)
▲2▼部分ケン化ポリビニルアルコール・・・・・・・・・・25g(固形分)
PVA−235〔クラレ(株)製〕、重合度3500、ケン化度88モル%
▲3▼メラミン・ホルムアルデヒド樹脂(架橋剤)・・・・・2.5g(固形分)
Sumirez Resin 613〔住友化学工業(株)製〕
▲4▼イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・固形分濃度20重量%に調製
塗布液の溶液粘度は、1.4Pa・s(30℃)であった。
【0047】
部分ケン化ポリビニルアルコールの種類と配合部数を変え、溶液粘度の調整のため固形分濃度を下げた以外は、実施例1と同様にして配合処方Bの塗布液を調製し、次いで、実施例1と同様に塗工してインクジェット記録用シートを得た。この記録シートのインク受容層は、被膜強度及び耐水性が良好なものであった。米国ENCAD社製NOVAJET PROのGOインク(インクジェット用水性顔料インク)にて印字試験を行った結果、インク受容性、乾燥性、ドット再現性、黒色再現性に優れ、滲みもなく、良好な印字性を示した。印字面は、インク定着性が良く、インク耐擦性の高いものであった。このインク受容層は、マット調であり、光沢性はそれほど高くはないが、一般のシリカ系マットフィルムに比べて、色濃度が非常に高く、鮮明な画質が得られた。この記録用シートは、耐水性が良好であり、経日によっても、画像のシャープさは変化しなかった。結果を表1に示す。
【0048】
[実施例3]
<塗布液の配合処方C>
▲1▼酸化アルミニウム微粒子分散液・・・・・・・・・・100g(固形分)
アエロジルAl2O3・C粉砕品(平均粒子径98nm)/高純度アルミナAKP−015(平均粒子径2.2μm)=60/40(重量%)
▲2▼部分ケン化ポリビニルアルコール・・・・・・・・・・18g(固形分)
PVA−235〔クラレ(株)製〕、重合度3500、ケン化度88モル%
▲3▼シラン変性ポリビニルアルコール・・・・・・・・・・・2g(固形分)
クラレRポリマー R−1130〔クラレ(株)製〕、ケン化度98〜99モル%
▲4▼イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・固形分濃度21重量%に調製
塗布液の溶液粘度は、1.0Pa・s(30℃)であった。
【0049】
バインダーとしてシラン変性ポリビニルアルコールを部分ケン化ポリビニルアルコールとを併用し、配合部数を変え、溶液粘度の調整のため固形分濃度を変えた以外は、実施例1と同様にして配合処方Cの塗布液を調製し、次いで、実施例1と同様に塗工してインクジェット記録用シートを得た。この記録用シートのインク受容層は、被膜強度及び耐水性が良好なものであった。米国ENCAD社製NOVAJET PROのGOインク(インクジェット用水性顔料インク)にて印字試験を行った結果、インク受容性、乾燥性、ドット再現性、黒色再現性に優れ、滲みもなく、良好な印字性を示した。印字面は、インク定着性が良く、インク耐擦性の高いものであった。このインク受容層は、マット調であり、光沢性はそれほど高くはないが、一般のシリカ系マットフィルムに比べて、色濃度が非常に高く、鮮明な画質が得られた。この記録用シートは、耐水性が良好であり、経日によっても、画像のシャープさは変化しなかった。結果を表1に示す。
【0050】
[実施例4]
<塗布液の配合処方D>
▲1▼酸化アルミニウム微粒子分散液・・・・・・・・・・100g(固形分)
アエロジルAl2O3・C粉砕品(平均粒子径98nm)/高純度アルミナAKP−015(平均粒子径2.2μm)=60/40(重量%)
▲2▼部分ケン化ポリビニルアルコール・・・・・・・・・・18g(固形分)
PVA−235〔クラレ(株)製〕、重合度3500、ケン化度88モル%
▲3▼完全ケン化ポリビニルアルコール・・・・・・・・・・・2g(固形分)
PVA−117〔クラレ(株)製〕、重合度1700、ケン化度88モル%
▲4▼メラミン・ホルムアルデヒド樹脂(架橋剤)・・・・・・・2g(固形分)
Sumirez Resin 613〔住友化学工業(株)製〕
▲5▼イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・固形分濃度20重量%に調製
塗布液の溶液粘度は、1.2Pa・s(30℃)であった。
【0051】
バインダーとして完全ケン化ポリビニルアルコールを部分ケン化ポリビニルアルコールとを併用し、配合部数を変え、溶液粘度の調整のため固形分濃度を変えた以外は、実施例1と同様にして配合処方Dの塗布液を調製し、次いで、実施例1と同様に塗工してインクジェット記録用シートを得た。この記録用シートのインク受容層は、被膜強度及び耐水性が良好なものであった。米国ENCAD社製NOVAJET PROのGOインク(インクジェット用水性顔料インク)にて印字試験を行った結果、インク受容性、乾燥性、ドット再現性、黒色再現性に優れ、滲みもなく、良好な印字性を示した。印字面は、インク定着性が良く、インク耐擦性の高いものであった。このインク受容層は、マット調であり、光沢性はそれほど高くはないが、一般のシリカ系マットフィルムに比べて、色濃度が非常に高く、鮮明な画質が得られた。この記録用シートは、耐水性が良好であり、経日によっても、画像のシャープさは変化しなかった。結果を表1に示す。
【0052】
[実施例5]
高純度アルミナAKP−G015〔住友化学工業(株)製〕の代わりに高純度アルミナAKP−G025〔住友化学工業(株)製〕を使用した以外は、実施例1と同様にして酸化アルミニウム微粒子分散液を調製した。高純度アルミナAKP−G025の1次粒子の平均粒子径は、5〜10nmであり、その2次凝集体の平均粒子径は、3.3μmである。
<塗布液の配合処方E>
▲1▼酸化アルミニウム微粒子分散液・・・・・・・・・・100g(固形分)
アエロジルAl2O3・C粉砕品(平均粒子径98nm)/高純度アルミナAKP−025(平均粒子径3.3μm)=60/40(重量%)
▲2▼部分ケン化ポリビニルアルコール・・・・・・・・・・18g(固形分)
PVA−235〔クラレ(株)製〕、重合度3500、ケン化度88モル%
▲3▼シラン変性ポリビニルアルコール・・・・・・・・・・・2g(固形分)
クラレRポリマー R−1130〔クラレ(株)製〕、ケン化度98〜99モル%
▲4▼イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・固形分濃度22重量%に調製
塗布液の溶液粘度は、1.4Pa・s(30℃)であった。
【0053】
高純度アルミナAKP−G015の代わりに高純度アルミナAKP−G025を使用し、バインダーの種類と配合部数を実施例3と同様とし、溶液粘度の調整のため固形分濃度を変えた以外は、実施例1と同様にして配合処方Eの塗布液を調製した。次いで、塗布液を実施例1と同様に塗工して、インクジェット記録用シートを得た。この記録用シートのインク受容層は、被膜強度及び耐水性が良好なものであった。米国ENCAD社製NOVAJET PROのGOインク(インクジェット用水性顔料インク)にて印字試験を行った結果、インク受容性、乾燥性、ドット再現性、黒色再現性に優れ、滲みもなく、良好な印字性を示した。印字面は、インク定着性が良く、インク耐擦性の高いものであった。このインク受容層は、マット調であり、光沢性はそれほど高くはないが、一般のシリカ系マットフィルムに比べて、色濃度が非常に高く、鮮明な画質が得られた。この記録用シートは、耐水性が良好であり、経日によっても、画像のシャープさは変化しなかった。結果を表1に示す。
【0054】
[実施例6]
γ型結晶形態で1次粒子の平均粒子径が20nm以下の酸化アルミニウム粉末であるアエロジルAl2O3・C〔日本アエロジル(株)製〕900gを、分散安定剤として酢酸18gを溶解したイオン交換水3600gに、一方攪拌機にて攪拌して分散し、濃度20重量%の分散液を調製した。この分散液を高圧式ホモジナイザーのゴーリンホモジナイザー15MR−8TA型〔同栄商事(株)〕にて、500kg/cm2の圧力を加えて粉砕し、乳白色のスラリー状の粘稠状分散液を得た。この粘稠状分散液中に分散している酸化アルミニウム微粒子の平均粒子径は、96nmであった。平均粒子径は、レーザー回析/散乱式分布測定装置LA−910〔堀場製作所(株)製〕にて測定した。この粘稠状分散液に、さらに高純度アルミナAKP−G025〔住友化学工業(株)製〕を100g添加して、一方攪拌機にて攪拌して分散させ、酸化アルミニウム微粒子分散液を調製した。高純度アルミナAKP−G025(酸化アルミニウム微粒子)の1次粒子の平均粒子径は、5〜10nmであり、その2次凝集体の平均粒子径は、3.3μmである。
【0055】
<塗布液の配合処方F>
▲1▼酸化アルミニウム微粒子分散液・・・・・・・・・・100g(固形分)
アエロジルAl2O3・C粉砕品(平均粒子径96nm)/高純度アルミナAKP−025(平均粒子径3.3μm)=90/10(重量%)
▲2▼部分ケン化ポリビニルアルコール・・・・・・・・・・18g(固形分)
PVA−235〔クラレ(株)製〕、重合度3500、ケン化度88モル%
▲3▼シラン変性ポリビニルアルコール・・・・・・・・・・・2g(固形分)
クラレRポリマー R−1130〔クラレ(株)製〕、ケン化度98〜99モル%
▲4▼イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・固形分濃度20重量%に調製
塗布液の溶液粘度は、1.6Pa・s(30℃)であった。
【0056】
酸化アルミニウム微粒子分散液を、アエロジルAl2O3・C粉砕品と高純度アルミナAKP−025の混合物の配合部数を変えて調製し、バインダーの種類と配合部数を実施例3と同様とし、溶液粘度の調整のため固形分濃度を変えた以外は、実施例1と同様にして配合処方Fの塗布液を調製した。次いで、この塗布液を実施例1と同様に塗工して、インクジェット記録用シートを得た。この記録用シートのインク受容層は、被膜強度及び耐水性が良好なものであった。米国ENCAD社製NOVAJET PROのGOインク(インクジェット用水性顔料インク)にて印字試験を行った結果、インク受容性、乾燥性、ドット再現性、黒色再現性に優れ、滲みもなく、良好な印字性を示した。このインク受容層は、実施例1〜5のインク受容層に比べて光沢が比較的高いものであり、インク耐擦性については、やや低下する傾向を示した。このインク受容層は、一般のシリカ系マットフィルムに比べて、色濃度が非常に高く、鮮明な画質が得られた。この記録用シートは、耐水性が良好であり、経日によっても、画像のシャープさは変化しなかった。結果を表1に示す。
【0057】
[実施例7]
インク受容層を表面処理するための表面処理液を以下の処方で調製し、実施例6で得られたインクジェット記録用シートのインク受容層の上に塗工した。
<表面処理液の配合処方a>
▲1▼シリカ微粒子(平均粒子径2.5μm)・・・・・100g(固形分)
ミズカシルP−73〔水澤化学工業(株)製、ゲルタイプのシリカ微粒子、1次粒子の平均粒子径9nm〕
▲2▼完全ケン化ポリビニルアルコール・・・・・・・・・・70g(固形分)
PVA−117〔クラレ(株)製〕、重合度1700、ケン化度98.5モル%
▲3▼メラミン・ホルムアルデヒド樹脂(架橋剤)・・・・・・・7g(固形分)
Sumirez Resin 613〔住友化学工業(株)製〕
▲4▼イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・固形分濃度2重量%に調製
表面処理液の溶液粘度は、25mPa・s(30℃)であった。
【0058】
実施例6で得たインクジェット記録用シートのインク受容層の上に、溶液塗布量10g/m2となるようにグラビアコーターにて表面処理液を塗工した後、110℃で3分間乾燥してインクジェット記録用シートを得た。米国ENCAD社製NOVAJET PROのGOインク(インクジェット用水性顔料インク)にて印字試験を行った結果、インク受容性、乾燥性、ドット再現性、黒色再現性に優れ、滲みもなく、良好な印字性を示した。このインク受容層は、実施例6に比べて、インク定着性、インク耐擦性が向上していた。このインク受容層は、一般のシリカ系マットフィルムに比べて、色濃度が非常に高く、鮮明な画質が得られた。この記録用シートは、耐水性が良好であり、経日によっても、画像のシャープさは変化しなかった。結果を表1に示す。
【0059】
[実施例8]
インク受容層を表面処理するための表面処理液を以下の処方で調製し、実施例6で得られたインクジェット記録用シートのインク受容層の上に塗工した。
<表面処理液の配合処方b>
▲1▼酸化アルミニウム微粒子(平均粒子径3.3μm)・・100g(固形分)
高純度アルミナAKP−G025〔住友化学工業(株)製〕、γ型結晶形態の酸化アルミニウム、1次粒子の平均粒子径5〜10nm
▲2▼部分ケン化ポリビニルアルコール・・・・・・・・・・140g(固形分)
PVA−235〔クラレ(株)製〕、重合度3500、ケン化度88モル%
▲3▼シラン変性ポリビニルアルコール・・・・・・・・・・10g(固形分)
クラレRポリマー R−1130〔クラレ(株)製〕、ケン化度98〜99モル%
▲4▼メラミン・ホルムアルデヒド樹脂(架橋剤)・・・・・・15g(固形分)
Sumirez Resin 613〔住友化学工業(株)製〕
▲5▼イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・固形分濃度3重量%に調製
表面処理液の溶液粘度は、37mPa・s(30℃)であった。
【0060】
実施例6で得たインクジェット記録用シートのインク受容層の上に、溶液塗布量10g/m2となるようにグラビアコーターにて表面処理液を塗工した後、110℃で3分間乾燥してインクジェット記録用シートを得た。米国ENCAD社製NOVAJET PROのGOインク(インクジェット用水性顔料インク)にて印字試験を行った結果、インク受容性、乾燥性、ドット再現性、黒色再現性に優れ、滲みもなく、良好な印字性を示した。このインク受容層は、実施例6に比べて、インク定着性、インク耐擦性が向上しており、印字面はインク定着性が良く、インク耐擦性の高いものであった。このインク受容層は、一般のシリカ系マットフィルムに比べて、色濃度が非常に高く、鮮明な画質が得られた。この記録用シートは、耐水性が良好であり、経日によっても、画像のシャープさは変化しなかった。結果を表1に示す。
【0061】
[実施例9]
γ型結晶形態で1次粒子の平均粒子径が20nm以下の酸化アルミニウム粉末であるアエロジルAl2O3・C〔日本アエロジル(株)製〕600gを、分散安定剤として酢酸18gを溶解したイオン交換水3600gに、一方攪拌機にて攪拌して分散し、濃度20重量%の分散液を調製した。この分散液を高圧式ホモジナイザーのゴーリンホモジナイザー15MR−8TA型〔同栄商事(株)〕にて、500kg/cm2の圧力を加えて粉砕し、乳白色のスラリー状の粘稠状分散液を得た。この粘稠状分散液中に分散している酸化アルミニウム微粒子の平均粒子径は、96nmであった。平均粒子径は、レーザー回析/散乱式分布測定装置LA−910〔堀場製作所(株)製〕にて測定した。
【0062】
<塗布液の配合処方K>
▲1▼酸化アルミニウム微粒子分散液・・・・・・・・・・・100g(固形分)
アエロジルAl2O3・C粉砕品(平均粒子径96nm)=100(重量%)
▲2▼部分ケン化ポリビニルアルコール・・・・・・・・・・18g(固形分)
PVA−235〔クラレ(株)製〕、重合度3500、ケン化度88モル%
▲3▼シラン変性ポリビニルアルコール・・・・・・・・・・・2g(固形分)
クラレRポリマー R−1130〔クラレ(株)製〕、ケン化度98〜99モル%
▲4▼イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・固形分濃度20重量%に調製
塗布液の溶液粘度は、0.9Pa・s(30℃)であった。
【0063】
実施例1と同様にして配合処方Kの塗布液を調製し、次いで、実施例1と同様に塗工してインク受容層を得た。このインク受容層は、被膜強度及び耐水性の良好なものであり、光沢も高いものであった。このインク受容層の上に、実施例8で調製した配合処方bと同じ表面処理液を溶液塗布量10g/m2となるようにグラビアコーターにて塗工して、インクジェット記録シートを得た。米国ENCAD社製NOVAJET PROのGOインク(インクジェット用水性顔料インク)にて印字試験を行った結果、インク受容性、乾燥性、ドット再現性、黒色再現性に優れ、滲みもなく、良好な印字性を示した。このインク受容層は、実施例1〜5のインク受容層に比べて、光沢が高いものであり、インク耐擦性については、やや低下する傾向を示した。
【0064】
[比較例1]
以下の配合処方により塗布液を調製した。
<塗布液の配合処方G>
▲1▼酸化アルミニウム微粒子分散液・・・・・・・・・・100g(固形分)
アエロジルAl2O3・C粉砕品(平均粒子径98nm)/高純度アルミナAKP−015(平均粒子径2.2μm)=40/60(重量%)
▲2▼部分ケン化ポリビニルアルコール・・・・・・・・・・15g(固形分)
PVA−217〔クラレ(株)製〕、重合度1700、ケン化度88モル%
▲3▼メラミン・ホルムアルデヒド樹脂(架橋剤)・・・・・1.5g(固形分)
Sumirez Resin 613〔住友化学工業(株)製〕
▲4▼イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・固形分濃度21重量%に調製
塗布液の溶液粘度は、2.1Pa・s(30℃)であった。
酸化アルミニウム微粒子分散液中のアエロジルAl2O3・C粉砕品と高純度アルミナAKP−G015の配合比率を変えた以外は、実施例1の塗布液の配合処方Aと同様にして塗布液を調製し、実施例1と同様にして塗布液を塗工した。この塗布液は、成膜性が悪く、乾燥時に、インク受容層がヒビ割れを起こし、良好なインク受容層を得ることができなかった。したがって、印字性などの評価は行わなかった。結果を表1に示す。
【0065】
[比較例2]
以下の配合処方により塗布液を調製した。
<塗布液の配合処方H>
▲1▼酸化アルミニウム微粒子分散液・・・・・・・・・・100g(固形分)
アエロジルAl2O3・C粉砕品(平均粒子径98nm)/高純度アルミナAKP−015(平均粒子径2.2μm)=40/60(重量%)
▲2▼部分ケン化ポリビニルアルコール・・・・・・・・・・40g(固形分)
PVA−217〔クラレ(株)製〕、重合度1700、ケン化度88モル%
▲3▼メラミン・ホルムアルデヒド樹脂(架橋剤)・・・・・4.0g(固形分)
Sumirez Resin 613〔住友化学工業(株)製〕
▲4▼イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・固形分濃度19重量%に調製
塗布液の溶液粘度は、1.5Pa・s(30℃)であった。
酸化アルミニウム微粒子分散液中のアエロジルAl2O3・C粉砕品と高純度アルミナAKP−G015の配合比率を変え、バインダーであるPVA217を増量した以外は、実施例1の塗布液の配合処方と同様にして塗布液を調製し、実施例1と同様にして塗布液を塗工して、インクジェット記録用シートを得た。この記録用シートのインク受容層は、被膜強度及び耐水性が良好なものであった。しかしながら、米国ENCAD社製NOVAJET PROのGOインク(インクジェット用水性顔料インク)にて印字試験を行った結果、インク吸収性及び乾燥性が不足し、インク滲みが発生し、印字性の劣るものであった。結果を表1に示す。
【0066】
[比較例3]
以下の配合処方により塗布液を調製した。
<塗布液の配合処方I>
▲1▼酸化アルミニウム微粒子分散液・・・・・・・・・・・100g(固形分)
アエロジルAl2O3・C粉砕品(平均粒子径98nm)/高純度アルミナAKP−30(α型結晶形態)=60/40(重量%)
高純度アルミナAKP−30〔住友化学工業(株)製〕、α型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子、粒子径0.3〜0.5μm
▲2▼部分ケン化ポリビニルアルコール・・・・・・・・・・25g(固形分)
PVA−235〔クラレ(株)製〕、重合度3500、ケン化度88モル%
▲3▼メラミン・ホルムアルデヒド樹脂(架橋剤)・・・・・4.0g(固形分)
Sumirez Resin 613〔住友化学工業(株)製〕
▲4▼イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・固形分濃度22重量%に調製
塗布液の溶液粘度は、1.1Pa・s(30℃)であった。
高純度アルミナAKP−015をα型結晶型の酸化アルミニウム微粒子である高純度アルミナAKP−30に変えた以外は、実施例2と同様に配合処方Iの塗布液を調製し、実施例1と同様にして塗布液を塗工して、インクジェット記録用シートを得た。この記録用シートのインク受容層は、被膜強度及び耐水性が良好なものであった。しかし、米国ENCAD社製NOVAJET PROのGOインク(インクジェット用水性顔料インク)にて印字試験を行った結果、インク吸収性及び乾燥性が不足し、インク滲みが発生し、印字性の劣るものであった。結果を表1に示す。
【0067】
[比較例4]
以下の配合処方により塗布液を調製した。
<塗布液の配合処方J>
▲1▼酸化アルミニウム微粒子分散液・・・・・・・・・・100g(固形分)
アエロジルAl2O3・C粉砕品(平均粒子径98nm)/高純度アルミナAKP−015(平均粒子径2.2μm)=70/30(重量%)
▲2▼部分ケン化ポリビニルアルコール・・・・・・・・・・5g(固形分)
PVA−217〔クラレ(株)製〕、重合度1700、ケン化度88モル%
▲3▼シラン変性ポリビニルアルコール・・・・・・・・・・1g(固形分)
クラレRポリマー R−1130〔クラレ(株)製〕、ケン化度98〜99モル%
▲4▼イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・固形分濃度25重量%に調製
塗布液の溶液粘度は、0.9Pa・s(30℃)であった。
酸化アルミニウム微粒子分散液中のアエロジルAl2O3・C粉砕品と高純度アルミナAKP−G015の配合比率を変え、バインダーである部分ケン化ポリビニルアルコール及びシラン変性ポリビニルアルコールの添加量を減らした以外は、実施例3と同様にして配合処方Jを調製し、実施例1と同様にして塗布液を塗工した。この塗布液は、成膜性が悪く、乾燥時にインク受容層が大きなヒビ割れを起こし、良好なインク受容層を得ることができなかった。したがって、印字性などの評価は行わなかった。結果を表1に示す。
【0068】
[比較例5]
インク受容層を表面処理するための表面処理液を以下の方法で調製し、実施例1で得られたインクジェット記録用シートのインク受容層の上に塗工した。
<表面処理液の配合処方c>
▲1▼シリカ微粒子(平均粒子径0.07〜0.1μm)・・100g(固形分)
スノーテックスST−ZL〔日産化学工業(株)製、コロイダルシリカ〕
▲2▼完全ケン化ポリビニルアルコール・・・・・・・・・・70g(固形分)
PVA−117〔クラレ(株)製〕、重合度1700、ケン化度98.5モル%
▲3▼メラミン・ホルムアルデヒド樹脂(架橋剤)・・・・・・・7g(固形分)
Sumirez Resin 613〔住友化学工業(株)製〕
▲4▼イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・固形分濃度2重量%に調製
表面処理液の溶液粘度は、22mPa・s(30℃)であった。
表面処理液のシリカ微粒子を平均粒子径の細かいスノーテックスST−ZLに変えた以外は、実施例7と同様にして表面処理液cを調製した。実施例1で得たインクジェット記録用シートのインク受容層の上に、溶液塗布量10g/m2となるようにグラビアコーターにて表面処理液を塗工した後、110℃で3分間乾燥してインクジェット記録用シートを得た。米国ENCAD社製NOVAJETPROのGOインク(インクジェット用水性顔料インク)にて印字試験を行った結果、インク吸収性、乾燥性がやや劣り、印字面はインク定着性が悪く、インク耐擦性の低いものであった。結果を表1に示す。
【0069】
【表1】
【0070】
<測定法>
(1)受容層成膜性
インク受容層塗布液を97μm厚さの白色ポリエステルフィルムの片面に塗工して、110℃で3分間の条件で乾燥した時のインク受容層のヒビ割れ等の表面欠点を目視で観察し、以下の基準で評価した。
◎:ヒビ割れ等の表面欠点が全くなし、
○:極微小のヒビ割れが極少量見られることがある、
△:極微小のヒビ割れが少量あり、
×:大きなヒビ割れ、または微小ヒビ割れが多数あり。
(2)ドット径
米国ENCAD社製NOVAJET PROのGOインク(インクジェット用水性顔料インク)を用いて、記録用シートに黒インクを1ドット単独で印字し、黒インクドットの直径(μm)を読み取り顕微鏡〔ミツトヨ(株)製〕にて測定した。
【0071】
(3)印字に関する評価
印字に関する評価は、米国ENCAD社製NOVAJET PROのGOインク(インクジェット用水性顔料インク)を用いて、記録用シートに印字性評価パターンを印字して行った。
▲1▼インク受容性(乾燥性)
印字直後に、ベタ印刷部分に指で触って、以下の基準で評価した。
◎:指にインクが付着しない、
○:指にインクが極わずかに付着することがある、
△:指にインクがわずかに付着する、
×:指にインクが付着する。
▲2▼インク耐擦性
インク受容層にベタ印刷して約3時間放置してインクを乾燥させた後、指で印刷表面を擦って、以下の基準で評価した。
◎:指にインクが付着しない、
○:指にインクが極わずかに付着することがある、
△:指にインクがわずかに付着する、
×:指にインクが付着する。
▲3▼ドットの再現性
ドットの広がりを顕微鏡で観察し、以下の基準で評価した。
○:ドットの形状及び大きさが一定であり、フェザリング等がない、
△:ドットの形状及び大きさは一定であるが、フェザリングがある、
×:ドットの形状及び大きさが不安定であり、フェザリング等がある。
▲4▼滲み
ベタ印刷の色の境界の滲みや重ね印刷部分の滲みを観察し、以下の基準で評価した。
○:滲みがないか、その程度が小さい、
×:滲みが認められる。
▲5▼経日変化
印字後、6ヶ月間室内放置したときの画像の安定性、あるいは促進経日試験として、温度40℃、相対湿度80%の雰囲気下に1日放置した後の安定性を以下の基準で評価した。
○:画像に変化がない、
×:画像に変化が認められる。
【0072】
(4)耐水性
記録用シートに印字後、水中に3時間し、取り出して風乾して、以下の基準で評価した。
◎:インク受容層の溶解及びインクの溶け出しがない、
○:インク受容層の溶解及びインクの溶け出しが極わずかにある、
△:インク受容層の溶解及びインクの溶け出しがわずかにある、
×:インク受容層の溶解及びインクの溶け出しがある。
(5)ラミネート粘着力の測定法
米国ENCAD社製NOVAJET PROのGOインク(インクジェット用水性顔料インク)にてインク受容層にベタ印刷した直後に、オーバーレイ用ラミネート粘着テープを張り合わせて、180°ピール力試験法にてラミネート粘着力を測定した。このラミネート粘着力により、顔料インクの密着強度を評価することができる。
オーバーレイ用ラミ粘着テープの構成
▲1▼基材:ポリエステルフィルム#38
▲2▼粘着剤:アクリル系粘着剤
ブチルアクリレート(BA)/酢酸ビニル(VAc)/アクリル酸(AA)共重合体=86/10/4(重量%)
▲3▼粘着剤厚:20μm
【0073】
[実施例10]
表面をシリコーン系剥離剤で処理した厚さ75μmのポリエステル剥離シートの剥離処理面に、厚さ20μmのアクリル系粘着剤を形成した。実施例1と同様にして作成したインクジェット記録用シートのインク受容層形成面とは反対側の面に剥離シートの粘着剤面を貼り合わせて、インクジェット型ラベルプリンター用の受像シートを作成した。得られた受像シートに、米国ENCAD社製NOVAJET PROのGOインク(インクジェット用水性顔料インク)を用いて印字したところ、良好な印字性を得ることができた。
【0074】
【発明の効果】
本発明によれば、基材シートの少なくとも片面にインク受容層を形成したインクジェット記録用シートであって、顔料インクを用いたインクジェットプリンターにより印字した場合に、インク定着性及び耐擦性に優れると共に、インク受容性、乾燥性、ドット再現性などの印字性、インク発色性、黒色再現性、耐水性などが良好で、インクの滲みや印字の経時変化が抑制されたインクジェット記録用シートが提供される。
Claims (13)
- 基材シートの少なくとも片面にインク受容層を形成したインクジェット記録用シートにおいて、インク受容層が、平均粒子径200nm以下のγ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子(A1)50〜95重量%と平均粒子径0.5〜5μmのγ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子(A2)5〜50重量%とを含む酸化アルミニウム微粒子(A)100重量部を、重合度1000以上でケン化度80〜95モル%の部分ケン化ポリビニルアルコール(B1)を主成分とするバインダー(B)7〜35重量部により固着してなる層であることを特徴とする顔料インクを用いたインクジェット記録用シート。
- 平均粒子径200nm以下のγ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子(A1)が、平均粒子径20nm以下の1次粒子からなる2次凝集体を平均粒子径200nm以下になるまで微粉砕したものであり、かつ、平均粒子径0.5〜5μmのγ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子(A2)が、平均粒子径20nm以下の1次粒子からなる2次凝集体である請求項1記載の顔料インクを用いたインクジェット記録用シート。
- バインダー(B)が、前記部分ケン化ポリビニルアルコール(B1)60〜100重量%と、完全ケン化ポリビニルアルコール(B2)及びシラン変性ポリビニルアルコール(B3)からなる群より選ばれる少なくとも一種のポリビニルアルコール0〜40重量%とを含有するものである請求項1または2に記載の顔料インクを用いたインクジェット記録用シート。
- インク受容層が、ポリビニルアルコールの水酸基と反応性を有する架橋剤(C)をさらに含有し、かつ、インク受容層中のバインダー(B)成分が該架橋剤(C)により架橋されている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の顔料インクを用いたインクジェット記録用シート。
- インク受容層の上に、平均粒子径0.5〜10μmの無機微粒子(D)を水溶性高分子バインダー(E)により固着してなる表面処理層をさらに形成した請求項1ないし4のいずれか1項に記載の顔料インクを用いたインクジェット記録用シート。
- 無機微粒子(D)が、シリカ微粒子、水酸化アルミニウム微粒子、及び酸化アルミニウム微粒子からなる群より選ばれる少なくとも一種の無機微粒子である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の顔料インクを用いたインクジェット記録用シート。
- 基材シートの片面にインク受容層が形成され、その反対側の面には粘着剤層が形成され、該粘着剤層の上に剥離シートが積層されている請求項1ないし6のいずれか1項に記載の顔料インクを用いたインクジェット記録用シート。
- インクジェット型ラベルプリンター用の受像テープである請求項7記載の顔料インクを用いたインクジェット記録用テープ。
- 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の顔料インクを用いたインクジェット記録用シートに、インクジェット記録方式により印刷してなる記録物。
- 基材シートの少なくとも片面に、平均粒子径200nm以下のγ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子(A1)50〜100重量%と平均粒子径0.5〜5μmのγ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子(A2)0〜50重量%とを含む酸化アルミニウム微粒子(A)100重量部を、重合度1000以上でケン化度80〜95モル%の部分ケン化ポリビニルアルコール(B1)を主成分とするバインダー(B)7〜35重量部により固着してなるインク受容層を形成し、さらに、該インク受容層の上に、シリカ微粒子、擬ベーマイト結晶形態の水酸化アルミニウム微粒子、及びγ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種の無機微粒子であって、その1次粒子の平均粒径が20nm以下の2次凝集体からなる平均粒子径0.5〜10μmの無機微粒子を水溶性高分子バインダーと該水溶性高分子バインダーの架橋剤とにより固着してなる表面処理層を形成した顔料インクを用いたインクジェット記録用シート。
- 基材シートの片面にインク受容層が形成され、その反対側の面には粘着剤層が形成され、該粘着剤層の上に剥離シートが積層されている請求項10記載の顔料インクを用いたインクジェット記録用シート。
- インクジェット型ラベルプリンター用の受像テープである請求項11記載の顔料インクを用いたインクジェット記録用テープ。
- 請求項10ないし12のいずれか1項に記載の顔料インクを用いたインクジェット記録用シートに、インクジェット記録方式により印刷してなる記録物。
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