JPH11129611A - インクジェット記録用記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

インクジェット記録用記録媒体及びその製造方法

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JPH11129611A
JPH11129611A JP9309895A JP30989597A JPH11129611A JP H11129611 A JPH11129611 A JP H11129611A JP 9309895 A JP9309895 A JP 9309895A JP 30989597 A JP30989597 A JP 30989597A JP H11129611 A JPH11129611 A JP H11129611A
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JP
Japan
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fixing layer
ink
colloidal silica
recording medium
silane
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JP9309895A
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Kazuo Yonehara
和男 米原
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Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水溶性インクのインク吸収性に優れながら、
透明性や光沢度の高い写真調のインクジェット記録方式
に好適な記録媒体を提供すること。 【解決手段】 インク定着層2がコロイド状シリカとシ
ラン変性されたポリビニルアルコールとを含有し、前記
ポリビニルアルコールはけん化度が70モル%以上で、
重合度が1200以上であり、かつ、前記コロイド状シ
リカに対する前記ポリビニルアルコールの添加割合を、
固形分で3から20重量部とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水性インクを用いた
インクジェット記録方式で用いることのできる記録媒体
と、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、熱転写記録
方式や電子写真記録方式と同じく、記録時の騒音の少な
い代表的なノンインパクトプリント方式の一つである
が、近年、カラー記録の容易性、装置のコンパクト化、
記録媒体に普通紙を使えることによる低ランニングコス
トから、コストパフォーマンスに優れた記録方式として
特に注目されている。インクジェット記録方式では、安
全性や取り扱い性の観点より、水性インクが多くの場合
用いられている。従って、インクジェット記録用紙に
は、吸水性の良いものを用いるが、普通紙では、インク
の滲みや、ドットの再現性等から印字した画像の品質が
不十分となるため、紙の表面に、インクの吸収性を調整
するための定着層を設けることが一般的である。
【0003】このようなインクジェット記録方式は、そ
の特性を生かすような用途展開が計られているが、具体
的な例として、透明記録フィルムを利用したオーバーヘ
ッドプロジェクタ(以下OHP)用透明原稿の作成があ
る。OHP用透明原稿等の作成に用いられる透明記録フ
ィルムでは、一般にその透明性を得るために、透明なプ
ラスチックフィルムが用いられることが多いが、これら
プラスチックフィルムの多くは疎水性であるため、直接
インクジェット記録を行っても、インクジェットの水性
インクは全く吸収されない。そのため、この透明プラス
チックフィルムの水性インクに対する吸収性を改善する
方法として、ポリビニールアルコール(以下PVA)
や、ポリビニールピロリドン(以下PVP)等からなる
水溶性高分子を、インク定着層として透明プラスチック
フィルム上に設けている。これらの、水溶性高分子は水
性インクを定着するという機能においては、満足のいく
結果が得られているが、水に対する耐久性が悪いこと
や、取り扱い時に指紋が付着しやすいこと等の、実用上
いくつかの問題点を抱えている。
【0004】また、近年注目されているプリンタとし
て、インクを噴射するノズルの単位面積当たりの増加に
より、ドット解像度が向上し、さらには、イエロー、マ
ゼンタ、シアン、ブラックといった従来の4色のインク
以外に、中間調の濃度のインクを備えた多色プリンタが
発売され、写真に近い印刷画像が得られるようになって
いる。写真調の画質を得るために、記録媒体のインク定
着層に要求される特性としては、記録濃度の高いこと
や、ドット再現性、表面の光沢感が上げられる。このう
ち、光沢感に関しては、紙の表面に設けた吸水性の定着
層の平滑性を上げる目的で、表面を金属ロール等で圧縮
するカレンダー処理を行ったり、下地を設けて、定着層
表面の平滑性を改善することが行われている。また、紙
に変え、表面性の良い高分子フィルムを基体に用い、平
滑性の良い定着層を形成して、光沢感のある写真調の画
質を得ている製品もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらの製品には、上
述のOHP用途のように、水溶性の高分子を定着層に用
いるものが多く、水性インクを定着するという機能にお
いては、満足のいく結果が得られているが、水に対する
耐久性が悪いことや、インクの吸収速度が遅いために、
ドット再現性が悪いなどの、実用上いくつかの問題点を
抱えている。プリンタの性能改善においては、上述の写
真調の印画と共に、印刷速度の向上が主流となってお
り、紙等の繊維内に毛細管現象で吸収する場合に比べ、
水溶性高分子を用いた定着層では、インクの吸収速度が
遅いため、ベタ部分の印刷ムラや、色の重なった部分で
のにじみ等が発生しやすい。
【0006】これらの問題に対し、インク定着層のイン
ク吸収速度やドット再現性を改善する目的で、無機や、
有機の微粒子を主成分に用い、場合によっては、水溶性
樹脂の結着剤等を添加して、粒子間に隙間を形成し、毛
細管現象を利用する多孔質層についての提案も多い。多
孔質層に関しては、水溶性樹脂に不定形シリカ等の無機
や、有機の顔料を添加する方法や、アルミナ水和物や、
コロイド状シリカの無機粒子や、アクリル等の水中油型
エマルジョンの有機粒子を用いて、多孔質の定着層を形
成する方法が提案されている。
【0007】無機顔料と水溶性樹脂の組み合わせでは、
無機顔料が2次粒子となり易く、凝集を解くことは困難
であり、透明性や高い光沢を得にくい。定着層の透明性
が低いことは、不透明な記録媒体用途であっても、画像
の鮮明性が損なわれ、好ましくない。水中油型エマルジ
ョンを用いる場合も同様に、エマルジョンが凝集しやす
く、透明性を得にくい。
【0008】アルミナ水和物を用いる場合では、粒子間
の隙間を利用するために、結着剤の量が制限されるた
め、定着層塗膜が割れやすく、製造が困難である。コロ
イド状シリカによる多孔質層に関して、OHP向けの透
明性の高い記録媒体には、既に特開平7−81214号
のように、数珠状に連結するコロイド状シリカを用いる
ことが提案されているが、粒径が小さいために、粒子間
の隙間が狭すぎて、毛細管現象によるインク吸収が起き
にくく、画像品質が悪くなる。
【0009】特開平3−96333号には、水分散性ポ
リマーと組み合わせたものが提案されているが、シリカ
が凝集して表面が荒れ、膜が不透明になることから、画
像が不鮮明になり、写真調の画像にはならず、光沢のあ
る記録媒体は得られない。当然、OHP用としても、使
用が困難である。
【0010】また、コロイド状シリカと、結着剤として
シラン変性されたPVA(ポリビニールアルコール)を
組み合わせたものが、特開平9−123588号に提案
され、光沢のある定着層は得られている。しかし、最近
の多色インクをもつプリンタのように、単位面積当たり
のインク射出量が多い場合に対応するため、定着層厚を
厚くすると、特開平9−123588号の提案内容のよ
うにPVAの重合度が小さい場合には、定着層塗膜が割
れてしまうことが分かった。
【0011】本発明は、前記のような問題点に着目し、
これを有効に解決すべく創案されたもので、その目的
は、水溶性インクのインク吸収性に優れながら、透明性
や光沢度の高い写真調のインクジェット記録方式に好適
な記録媒体を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題を解決
するために本発明は、基体の少なくとも片面側にインク
定着層を有するインクジェット記録用記録媒体におい
て、インク定着層がコロイド状シリカとシラン変性され
たポリビニルアルコールとを含有し、前記ポリビニルア
ルコールはけん化度が70モル%以上で、重合度が12
00以上であり、かつ、前記コロイド状シリカに対する
前記ポリビニルアルコールの添加割合が、固形分で3か
ら20重量部であることを特徴とするインクジェット記
録用記録媒体、及びその製造方法を提供するものであ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】水性インクの吸収速度、ドット再
現性、記録画像の鮮明さを得るためには、定着層に、毛
細管現象を利用した、多孔質層を用いる必要がある。特
に、鮮明さを得るために、多孔質層は透明性があること
が重要で、多孔質を形成する粒子のサイズは、光の散乱
により、透明性を損なわない範囲にする必要がある。
【0014】以上のことを考慮し、鋭意研究を行った結
果、粒子にコロイド状シリカを用い、これに少ない添加
量でも、コロイド状シリカを十分結着するシラン変性さ
れたPVA(ポリビニールアルコール)を組み合わせ、
シラン変性PVAのけん化度を70から99モル%、重
合度を1200以上にすることで、インクを吸収するた
めに十分な厚さにした場合でも、光沢があり、鮮明な記
録画像が得られることが明らかとなった。多孔質層を得
る場合、粒子間の隙間を保ったまま、コロイド状シリカ
を結着させるには、結着剤を多量に添加することは困難
であり、添加量が少なくても、シリカのシラノール基と
反応するような、官能基で変性してあるものが望まし
い。
【0015】結着剤として、PVAが最も適する。PV
Aは、けん化度、重合度、変性する官能基で多くの種類
があるが、その中でも、シリカのシラノール基と反応す
る、シラン変性PVAで、特に重合度が1200以上
で、けん化度が70より99モル%までのものが適して
いることが分かった。なお、PVAの重合度は大きすぎ
ても、粘度が高くなりすぎて作製が困難になるため、3
500程度までしか得られず、重合度が低い場合は、結
着力が弱まり、定着層に亀裂が入りやすい。けん化度
も、100モル%まで高くすることは製造上困難であ
り、低すぎる場合は水溶性が損なわれる。PVAは、添
加割合が少ないと、シリカが結着せず、亀裂が入り、シ
リカ粒子間の隙間を保つためには多すぎてもだめである
ため、添加割合としては、コロイド状シリカに対し、3
重量部から20重量部がよい。
【0016】シラン変性PVAは、コロイド状シリカと
の反応性が大きいために、ゲル化しやすい。よって、ゲ
ル化防止のためにpHの調節が必要であり、塗料の安定
性から、pHは10から13が好ましい。また、pHを
調節するためのアルカリとして、金属を含むものを用い
た場合、乾燥時にコロイド状シリカが凝集し、透明性、
光沢度が低下することもあるので、乾燥と共に蒸発する
アンモニア等のアルカリを用いることが望ましい。ま
た、写真調の鮮明な画像を得るには、透明性のある定着
層を形成することが必要で、シリカ粒子が大きすぎても
だめであるが、シリカ粒子が小さい場合は、定着層塗膜
が割れやすく、粒子間の隙間も小さすぎて、毛細管現象
も起きず、インクを吸収しなくなる。よって、シリカ粒
子の大きさとしては、30nmから100nmが望まし
い。特に、OHP用途の場合は、透明性が更に高いこと
が必要で、好ましくは30nmから70nmが望まし
い。前記の平均粒径の範囲内において、異なる平均粒径
のコロイド状シリカをブレンドして用いてもよい。以
下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明
する。
【0017】[実施例]図1は、本発明になる記録媒体
の一実施例の構成を示す図で、基体1の片面にインク定
着層2を設けたものである。3はプライマー層である。
基体1としては、上質紙、コート紙、アート紙、ラミネ
ート紙、合成紙、延伸により気泡を発生させたり、顔料
を添加した不透明な白色のポリエチレンテレフタレート
のような高分子フィルム、透明性のあるポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンナフタレートフィルム、ポ
リエチレンナフタレートフィルム、ポリイミドフィル
ム、ポリアミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポ
リウレタンフィルム、ポリカーボネートフィルム等を挙
げることが出来る。光沢のある媒体を得るためには、基
体も表面が平滑なことが好ましく、機械的強度、熱的強
度、寸法安定性、経済性、入手の容易さなどによりポリ
エチレンテレフタレートの白色や透明なフィルムが多く
用いられる。厚みは、取り扱い易さ、強度等の観点よ
り、10〜250μm、好ましくは、50〜200μm
である。インク定着層に用いられるコロイド状シリカに
は、上述のように、粒径が30〜100nmのものを用
い、シラン変性PVAには、重合度1200以上、けん
化度70から99モル%のものを用いる。
【0018】これらの材料を必要に応じて、水もしく
は、水とアルコール等の水と相溶な有機溶剤を混ぜた溶
媒中で希釈し、耐水性架橋剤、消泡剤、可塑剤、滑剤、
透明性を損なわない範囲で水に不溶の無機粒子、有機粒
子、界面活性剤等を添加する。また、コロイド状シリカ
とシラン変性PVAとの反応性が高いため、ゲル化を防
ぐ目的で、アルカリを添加して定着層塗工液のpHを調
整する(pHは10から13が好ましい)。尚、添加す
るアルカリとしては、一般的なものでよいが、乾燥時の
コロイド状シリカの凝集を防ぐために、乾燥と共に揮発
するようなアンモニアのようなものが望ましい。
【0019】このような塗膜組成物で基体1にインク定
着層を形成する方法は、一般的な方法でよい。例えば、
リバースロールコート、正回転ロールコート、グラビア
コート、ダイコート、ナイフコート、ロッドコート、ブ
レードコート、バーコート等の塗工方法が考えられる。
基体1にインク定着層2を形成する場合、基体との密着
性改善のためにコロナ処理あるいは図1のようにプライ
マー層3を形成しても良い。
【0020】インク定着層2は、基体1の片面、あるい
は両面に形成する。なお、基体1上に形成される定着層
2の厚みは、インクの吸収性を考慮して決定される。定
着層厚は、薄すぎてもインクの吸収乾燥が不十分とな
り、一方、厚すぎると塗工での塗膜乾燥が困難になる等
の製造上問題になるばかりでなく、経済上も好ましくな
い。よって、乾燥後の定着層厚は、使用するインクにも
よるが、20μm以上、好ましくは20μmから60μ
mの範囲が良い。以下に、本発明の具体的実施例につき
説明する。
【0021】[実施例1]基体1として、透明なポリエ
チレンテレフタレートフィルム(厚さ100μm)を用
い、この基体の一方の面に、下記インク定着層組成物を
溶媒の水に対する固形分が20重量部となるようにして
塗料を作製し、バーコータ法にて乾燥後の膜厚が30μ
mとなるように塗工し、100℃、5分の乾燥処理をし
てインク定着層を得た。なお、定着層における各組成物
の量を、コロイド状シリカ固形分に対する重量比で示
す。 定着層組成物(固形分20%) ・コロイド状シリカ 平均粒径45nm 100重量部 ・シラン変性PVA けん化度99モル% 10重量部 重合度1200 ・アンモニア 2重量部 塗料pH=10.0
【0022】[実施例2]実施例1と同様な定着層組成
物の内、シラン変性PVAを、重合度1700と変えた
もので、重量比、pH、塗工条件、方法、厚みは、実施
例1と同一として、定着層を得た。 [実施例3]実施例1と同様な定着層組成物の内、シラ
ン変性PVAを、けん化度70モル%と変えたもので、
重量比、pH、塗工条件、方法、厚みは、実施例1と同
一として、定着層を得た。
【0023】[実施例4]実施例1と同様な定着層組成
物の内、コロイド状シリカの平均粒径を30nmと変え
たもので、重量比、pH、塗工条件、方法、厚みは、実
施例1と同一として、定着層を得た。 [実施例5]実施例1と同様な定着層組成物の内、シラ
ン変性PVAの添加量を3重量部と変えたもので、p
H、塗工条件、方法、厚みは、実施例1と同一として、
定着層を得た。
【0024】[実施例6]実施例1と同様な定着層組成
物の内、シラン変性PVAの添加量を20重量部と変え
たもので、pH、塗工条件、方法、厚みは、実施例1と
同一として、定着層を得た。 [実施例7]実施例1と同様な定着層組成物の内、pH
を12にするために、アンモニア添加量を10重量部に
増やしたもので、その他の重量比、塗工条件、方法、厚
みは、実施例1と同一として、定着層を得た。
【0025】[実施例8]実施例1と同様な定着層組成
物の内、揮発性のアルカリとして、アンモニアをピペラ
ジンに変え、重量比、pH、塗工条件、方法、厚みは、
実施例1と同一として、定着層を得た。 [実施例9]実施例1で、乾燥後の膜厚を20μmとな
るように、塗工条件を変えた以外は、塗工液の組成、重
量比、pH、方法は、実施例1と同一として、定着層を
得た。 [実施例10]基体に白色PET(ポリエチレンテレフ
タレート)を使用し、実施例1と同様な定着層組成物の
内、コロイド状シリカの平均粒径を100nmと変えた
もので、重量比、pH、塗工条件、方法、厚みは、実施
例1と同一として、定着層を得た。
【0026】[比較例1]実施例1と同様な定着層組成
物の内、シラン変性PVAを重合度1100と変えたも
ので、重量比、塗工条件、方法、厚みは、実施例1と同
一として、定着層を得た。 [比較例2]実施例1と同様な定着層組成物の内、シラ
ン変性PVAを重合度500と変えたもので、重量比、
塗工条件、方法、厚みは、実施例1と同一として、定着
層を得た。
【0027】[比較例3]実施例1と同様な定着層組成
物の内、シラン変性PVAをけん化度65モル%と変え
たもので、重量比、塗工条件、方法、厚みは、実施例1
と同一として、定着層を得た。 [比較例4]実施例1と同様な定着層組成物の内、シラ
ン変性PVAを変性していない、けん化度98モル%、
重合度1700のPVAと変えたもので、重量比、塗工
条件、方法、厚みは、実施例1と同一として、定着層を
得た。
【0028】[比較例5]実施例1と同様な定着層組成
物の内、コロイド状シリカの平均粒径を20nmと変え
たもので、重量比、pH、塗工条件、方法、厚みは、実
施例1と同一として、定着層を得た。 [比較例6]実施例1と同様な定着層組成物の内、シラ
ン変性PVAの添加量を2重量部と変えたもので、p
H、塗工条件、方法、厚みは、実施例1と同一として、
定着層を得た。
【0029】[比較例7]実施例1と同様な定着層組成
物の内、シラン変性PVAの添加量を30重量部と変え
たもので、pH、塗工条件、方法、厚みは、実施例1と
同一として、定着層を得た。 [比較例8]実施例1と同様な定着層組成物の内、pH
を9.5にするために、アンモニアを添加しなかったも
ので、その他の重量比、塗工条件、方法、厚みは、実施
例1と同一として、定着層を得た。
【0030】[比較例9]実施例1と同様な定着層組成
物の内、アンモニアを揮発しない水酸化ナトリウムに変
え、重量比、pH、塗工条件、方法、厚みは、実施例1
と同一として、定着層を得た。 [比較例10]実施例1で、乾燥後の膜厚が20μmと
なるように、塗工条件を変え、シラン変性PVAを重合
度500とした以外は、重量比、pH、方法は、実施例
1と同一として、定着層を得た。
【0031】以上のようにして得た各実施例及び比較例
について、以下のような条件にて評価を行った。結果を
表1に示す。 [造膜性]乾燥した場合に、目視で判断し、定着層に亀
裂等が入らない場合を○、亀裂が入る場合を×、亀裂は
入るが、小さい場合を△とする。 [印字濃度]市販のカラーインクジェットプリンタにて
印字を行い、マクベス濃度計で印字濃度を測定し、濃度
が高い場合を○、明らかに濃度が低い場合を×、その中
間を△とする。
【0032】[ドット再現性]市販のカラーインクジェ
ットプリンタにて印字を行い、光学顕微鏡でドットを観
察し、ドット形状が保たれている場合を○、明らかにド
ットが滲んでぼけている場合を×、その中間を△とす
る。 [鮮明性]市販のカラーインクジェットプリンタにて印
字を行い、目視で判断し、画像が鮮明な場合を○、明ら
かに画像が白け、鮮明性がない場合を×、その中間を△
とする。
【0033】[光沢度]表面を目視で判断し、光沢が十
分高い場合を○、光沢がない場合を×、その中間を△と
する。 [透明性]透明基体の場合、OHPプロジェクタで投影
して、目視で判断し、透明性が高い場合を○、透明性が
損なわれる場合を×、その中間を△とする。
【0034】[乾燥性]市販のカラーインクジェットプ
リンタにて印字を行い、印字10分後に、白色の紙を印
字面に押し当て、インクの転写がないものを○、インク
が明確に転写するものを×、その中間を△として評価し
た。 [耐水性]市販のカラーインクジェットプリンタにて、
印字を行い、印字部に水を滴下し、10秒後に拭き取っ
た場合の印字部の変化を観察した場合、変化がほとんど
ない場合を○、明確に分かるものに×、その中間を△と
する。尚、各評価項目とも測定不能のものには−を付し
た。
【0035】
【表1】
【0036】表1の結果より、シラン変性PVAの重合
度が1200未満の比較例1,2,10は造膜性等に問
題がある。シラン変性PVAのけん化度が70未満であ
る比較例3は造膜性、鮮明性等に問題がある。シラン変
性でないPVAを用いた比較例4は造膜性に大きな問題
がある。シラン変性PVAの添加割合が、コロイド状シ
リカに対し3重量部〜20重量部の範囲外である比較例
6は造膜性に大きな問題がある。同様に範囲外の比較例
7はドット再現性等に問題がある。インク定着層塗工液
のpHが10〜13の範囲外である比較例8は、造膜性
に大きな問題がある。インク定着層塗工液のpH調節に
揮発性のアルカリを用いていない比較例9は、光沢度、
透明性に問題がある。
【0037】これに対し、 ・平均粒径30〜100nmの範囲内のコロイド状シリ
カを単独かあるいはブレンドして用い、 ・けん化度が70〜99モル%で、且つ、重合度が12
00以上のシラン変性PVAを、コロイド状シリカに対
し3から20重量部添加し、 ・揮発性のアルカリを用いてpH10から13に調整し
て、 ・インク定着層の膜厚を20μm以上に作製した、 実施例1〜10は、光沢度、透明性が高く、水性インク
を用いた場合でも、印字濃度、ドット再現性が高く、画
像が鮮明であり、乾燥性や耐水性も十分な印字画像を得
られることが分かる。
【0038】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、コロイド
状シリカで多孔質インク定着層を形成する場合、添加す
る結着剤としてのPVAのけん化度、重合度、変性する
官能基を選び、塗料のpHを調整することで、水溶性イ
ンクの吸収性に優れ、かつ、透明性、光沢度の高いイン
クジェット記録用記録媒体が得られる。そして、本発明
のインクジェット記録用記録媒体に画像を記録した場合
は、印字濃度が高く、鮮明なドット再現性の良い画像が
得られ、さらには、耐水性、乾燥性の十分な画像を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の構造を示す図である。
【符号の説明】
1 基体 2 インク定着層 3 プライマー層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体の少なくとも片面側にインク定着層を
    有するインクジェット記録用記録媒体において、 インク定着層がコロイド状シリカとシラン変性されたポ
    リビニルアルコールとを含有し、前記ポリビニルアルコ
    ールはけん化度が70モル%以上で、重合度が1200
    以上であり、かつ、前記コロイド状シリカに対する前記
    ポリビニルアルコールの添加割合が、固形分で3から2
    0重量部であることを特徴とするインクジェット記録用
    記録媒体。
  2. 【請求項2】基体の少なくとも片面側にインク定着層を
    有するインクジェット記録用記録媒体の製造方法におい
    て、 インク定着層形成工程に、コロイド状シリカとシラン変
    性されたポリビニルアルコールとをブレンドした塗工液
    を、溶液状態でpH10以上、13未満に調整する工程
    を設けたことを特徴とするインクジェット記録用記録媒
    体の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項2記載のインクジェット記録用記録
    媒体の製造方法において、 前記コロイド状シリカとシラン変性されたポリビニルア
    ルコールとをブレンドした塗工液に添加するpH調節剤
    として、揮発性のアルカリを用いることを特徴とするイ
    ンクジェット記録用記録媒体の製造方法。
JP9309895A 1997-10-24 1997-10-24 インクジェット記録用記録媒体及びその製造方法 Pending JPH11129611A (ja)

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