JP4138622B2 - 空隙型透明インクジェットフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録用フィルム、さらに詳しくいえば透明性基材シートの少なくとも一方の面に、インクジェットプリンターにより記録されるべきフィラーリッチのインク受容層を有する、いわゆる空隙型透明インクジェットフィルムに関するものである。
インクジェット記録方式は、インクをノズルから噴出させて微小な液滴を形成させ、これをコンピュータを利用して、電気入力信号に応じた画素として専用の記録フィルムや記録紙に付着させることにより、文字、図形、画像パターンを作成する記録方式であり、解像度が高く、高速で鮮明な画像が得られることから、従来の加熱ローラや感光用ドラムなどを用いる記録方式に代って急速に普及しつつある。
ところで、このインクジェット記録方式を、例えば土木測量、プリント基板重ね検図用又はオーバーヘッドプロジェクターなどに適用する場合には、透明な記録フィルムを作成する必要があるが、このような透明な記録フィルムに設けるインク受容層については、インクの受容性、吸収乾燥性、定着性が優れていなければならないことはいうまでもなく、その外に透明性が高いこと、積み重ねて保存しても各フィルム間でブロッキングを起こさないこと、画像の端部をシャープに再現できるようにインクドットが適度の広がりを有し、かつ滲みを生じないこと、インクの発色が鮮明で変色しないことなどが要求される。
これまで、このような要求を満たすために、例えば透明性基材表面にポリビニルピロリドンを含むインク受容層を設けたもの(特許文献1参照)、透明基材表面に水溶性樹脂とコロイダルシリカからなるインク受容層を設けたもの(特許文献2参照)、透明基材表面に、コロイダルシリカやアルミナのような平均粒径1〜100mμの超微粒子と平均粒径1〜20μの微粒子を高比率で含有する水溶性高分子薄膜を設けポーラスにしたもの(特許文献3参照)、透明フィルム上に、ガラスビーズや合成樹脂マイクロビーズを透明な接着剤を用いて塗着させたもの(特許文献4参照)などが提案されている。
しかしながら、ポリビニルピロリドンやポリビニルアルコールのような水溶性重合体を含むインク受容層は、インクの固着能力が不十分であるため、時間が経つとともに画像の鮮明度が低下する上に、吸湿により粘着性となり、ブロッキングを生じるという欠点がある。また、コロイダルシリカやアルミナのような無機充填剤を高比率で含有するポーラスなインク受容層は、透明性や機械的強度が低下するのを免れないという欠点がある。
さらに、ガラスビーズや合成樹脂マイクロビーズをバインダーで固着したインク受容層は、インク吸収性は良いが、インクの定着性が悪い上に、滲みを生じやすく、しかも脆くて割れやすいという欠点を有する。
このような欠点を改善するために、透明な基材シートの少なくとも一方の面に、メトキシ基及びヒドロキシプロポキシ基でエーテル化した水溶性セルロースをバインダーとして用い、かつ平均粒子径200nm以下のγ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子を結合させ、さらにメラミン・ホルムアルデヒド樹脂のような架橋剤を添加して架橋させ、耐水性を向上させたインク受容層を受けたインクジェット記録用シートが提案された(特許文献5参照)。
しかしながら、上記のインク受容層は、ドットの再現性、機械的強度や滲みの発生防止の点では向上しているが、架橋剤成分が添加されているため透明性が低下し、また耐水性が必ずしも満足しうるものではない。
その外、フィラーリッチの空隙型透明タイプのインクジェットフィルムとしては、「ピクトリコ」(旭硝子社製、登録商標名)が市販されているが、このものは価格が高い上に、油性顔料に対してはインクの乾燥性及び定着性が悪く、白化現象を発生するため使用できないという欠点がある。
特開昭61−32788号公報(特許請求の範囲その他) 特開昭61−19389号公報(特許請求の範囲その他) 特開昭61−280983号公報(特許請求の範囲その他) 特開昭61−24494号公報(特許請求の範囲その他) 特開平9−48173号公報(特許請求の範囲その他)
本発明は、このような事情のもとで、フィラーリッチのインク受容層を有する空隙型透明インクジェットフィルムであって、インク受容層が優れた透明性及び機械的強度を有し、しかも耐水性や滲み防止性がよく、画像の経時変化がないという長所を有する上に、架橋剤使用に起因するインクの受容性、乾燥性、定着性、透明性の低下を伴わず、かつ染料のみでなく油性顔料用としても利用可能な透明インクジェットフィルムを提供するためになされたものである。
本発明者らは、空隙型透明インクジェットフィルムの物性を改良するために鋭意研究を重ねた結果、インク受容層を、特定の水溶性セルロースエーテルをバインダーとした特定サイズの酸化アルミニウム粒子で構成するとともに、これにカチオン性アクリルエマルションを配合することにより、特に架橋を形成させることなく、したがって架橋に起因する物性低下を伴うことなく、優れた透明性及び機械的強度を有し、しかも耐水性、滲み防止性がよく、画像の経時的変化のない空隙型透明インクジェットフィルムが得られることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、透明性基材シートの少なくとも片面に、アルコキシ基及びヒドロキシアルコキシ基によりエーテル化された水溶性セルロースエーテル及び超微粒子状無機酸化物を含有するフィラーリッチのインク受容層を設けてなる空隙型インクジェットフィルムにおいて、インク受容層に含ませる超微粒子として、一次粒子径30nm以下、二次粒子径200nm以下のδ型、θ型及びγ型のいずれかの酸化アルミニウム粒子若しくは酸化ケイ素粒子を用いるとともに、インク受容層にカチオン性アクリル系エマルションを配合したことを特徴とする空隙型透明インクジェットフィルムを提供するものである。
本発明で用いる基材シートは、透明なものであればよく、特に制限はないが、透明性に加えて耐熱性、寸法安定性、剛性などを備えた合成樹脂より形成されたものが好ましい。このような合成樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、セルローストリアセテート、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリイミドなどから形成されたシート又はフィルムを挙げることができる。
基材シートの厚みは、通常、25〜250μmの範囲が好ましいが、これらの中で特に厚さ50〜180μmの延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。基材シートは、通常、無色透明であることが好ましいが、着色透明であってもよい。また、所望により、ガラス板を基材シートとして使用することもできる。
次に、インク受容層においてバインダーとして用いるアルコキシ基及びヒドロキシアルコキシ基によりエーテル化された水溶性セルロースエーテルとしては、メトキシ・ヒドロキシエトキシ置換セルロース、メトキシ・ヒドロキシプロポキシ置換セルロース、エトキシ・ヒドロキシエトキシ置換セルロース、エトキシ・ヒドロキシプロポキシ置換セルロースのような低級アルコキシ基及び低級ヒドロキシアルコキシ基でエーテル化された水溶性セルロースエーテルが好適に用いられる。
この場合のアルコキシ基の割合は、セルロース中に存在する水酸基に基づき、通常15〜35モル%、好ましくは19〜30モル%で、ヒドロキシアルコキシ基の割合は、通常2〜20モル%、好ましくは4〜12モル%である。そして、この水溶性セルロースエーテルは、2質量%水溶液の溶液粘度(20℃)が2,000cps以上の比較的高分子量のものであることが、造膜性の観点から特に好ましい。
また、本発明のインクジェットフィルムにおけるインク受容層中に含有させる超微粒子状無機酸化物としては、δ型酸化アルミニウムや酸化ケイ素を粉砕して、一次粒子径30nm以下、二次粒子径200nm以下に調整したものが好ましい。
しかしながら、同じ一次粒子径及び二次粒子径をもつθ型又はγ型の酸化アルミニウムも用いることができる。
このような超微粒子状無機酸化物は、例えば二次凝集形態にある酸化アルミニウム粒子を、ビーズミルや超音波ホモジナイザー、高圧式ホモジナイザーなどの粉砕手段によって二次粒子径200nm以下、一次粒子径30nm以下になるまで分散することによって得られる。これよりも粒子径が大きくなるとインク受容層の透明性が低下する。分散手段としては、特に超音波ホモジナイザーや高圧式ホモジナイザーを用いた分散方式が好ましい。
超微粒子状無機酸化物と水溶性セルロースエーテルの配合割合は、超微粒子状無機酸化物は85〜96質量%すなわちフィラーリッチであり、水溶性セルロースエーテルが4〜15質量%の範囲が好ましい。水溶性セルロースエーテルの割合が大きすぎると乾燥性、印字性の低下を招き、小さすぎると層強度が弱くなるとともに、耐水性が低下する。
次に、本発明においてインク受容層に配合するカチオン性アクリルエマルションとしては、平均粒子径300nm以下のカチオン性アクリル系ポリマー微粒子を含む水性エマルションが用いられる。上記のカチオン性アクリル系エマルションは、例えばアクリル酸及びメタクリル酸のアルキルエステルの中から選ばれる少なくとも1種のアクリル系モノマー又はこれとスチレン及びスチレン誘導体の中から選ばれるスチレン系モノマーとの混合物を、水性溶媒中、カチオン型反応性界面活性剤を乳化剤として用いて乳化重合させることによって調製することができる。
この際用いられるアクリル系モノマーの例としては、炭素数1〜18のアルキル基をもつアクリル酸若しくはメタクリル酸エステル、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n‐プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n‐ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2‐エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル及び対応するメタクリル酸アルキルなどが挙げられる。また、場合によりこのアクリル系モノマーと併用されるスチレン系モノマーの例としては、スチレン、α‐メチルスチレン、ビニルトルエンなどが挙げられる。
また、乳化剤として用いられるカチオン型反応性界面活性剤は、1個又は2個のエチレン結合と親水性基としてのカチオン性基、例えば、第四アンモニウム基と疎水性基をもつ界面活性剤である。このようなカチオン型反応性界面活性剤としては、例えば一般式、
Figure 0004138622
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(式中のRは水素原子又はメチル基、R1、R2及びR3は低級アルキル基、A´はアルキレン基、Arはアリーレン基、-はアニオン、nは10以上の整数である)
で表わされる界面活性剤を挙げることができるが、特に好ましいのは、ω‐ノナデセニルトリメチルアンモニウムクロリド、ω‐ヘキサデセニルトリメチルアンモニウムクロリド及びω‐テトラデセニルトリメチルアンモニウムクロリドなど疎水性基として末端にエチレン結合を有する炭素数12以上の長鎖炭化水素基をもつものである。
乳化重合に際しては、この反応性界面活性剤以外の乳化剤として慣用されているカチオン型界面活性剤を併用することもできる。
本発明においては、前記のカチオン性アクリルエマルションとして、特にカチオン性アクリル・シリコンエマルションを用いるのが好ましい。このカチオン性アクリル・シリコンエマルションは、前記のアクリル系モノマーとして、加水分解性シリル基をもつアクリル系モノマーを用いることにより得られる。この加水分解性シリル基は、一般式
Figure 0004138622
(式中のR4、R5及びR6は、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アミノ基又はヒドロキシル基である)
で表わされる基であり、このような基をもつアクリル系モノマーの例としては、2‐アクリロキシ(又はメタクリロキシ)エチルトリメトキシシラン、2‐アクリロキシ(又はメタクリロキシ)エチルトリエトキシシラン、3‐アクリロキシ(又はメタクリロキシ)プロピルトリメトキシシラン、3‐アクリロキシ(又はメタクリロキシ)プロピルメチルジメトキシシラン、3‐アクリロキシ(又はメタクリロキシ)プロピルトリス(2‐メトキシエトキシ)シランなどがある。これらの加水分解性シリル基をもつアクリル系モノマーは、所望に応じ、他のアクリル系モノマーと混合して用いることもできる。
本発明で用いるカチオン性アクリルエマルションは、公知の乳化重合法に従い、水性溶媒中に、前記のアクリル系モノマー又はアクリル系モノマーと他の共重合性モノマーとを加え、さらにカチオン型反応性界面活性剤を添加して乳化したのち、ラジカル重合開始剤を加え、かきまぜながら加温して重合させることにより調製することができる。この際のカチオン型反応性界面活性剤の添加量としては、全モノマー量100質量部に対して1〜20質量部、好ましくは3〜10質量部の範囲で選ばれる。
また、上記ラジカル重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムのような過硫酸塩、水溶性アゾ系化合物などが用いられるが、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウムのような還元剤とを組み合わせたレドックス系重合開始剤も用いることができる。このラジカル重合開始剤の添加量は、全モノマー量100質量部に対し、0.05〜5質量部、好ましくは0.1〜3質量部の範囲で選ばれる。
本発明の空隙型透明インクジェットフィルムにおけるインク受容層を形成するには、先ず各成分を分散又は溶解させた塗布液を調製する。この塗布液を調製するには、最初に無機酸化物粒子の水性分散液を調製し、次にこの分散液を超音波ホモジナイザーなどを用いて分散、撹拌処理を行い、一次粒子径30nm以下、二次粒子径200nm以下の超微粒子状としたのち、この分散液に水溶性セルロースエーテル及びカチオン性アクリルエマルションを加え、さらに必要に応じ、水又は水とエチルアルコールを加えて固形分濃度5〜15質量%、好ましくは7〜10質量%に調整する。
この塗布液には、超微粒子状酸化アルミニウムの場合、分散安定剤として酢酸のような有機カルボン酸を、超微粒子状酸化アルミニウムの質量に基づき0.2〜3質量%の割合で添加することができる。
次に、基材シートの表面にインク受容層を塗工する手段としては、ロールコーター、エアナイフコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、バーコーター、コンマコーターなどを用いて塗布液を塗工し、熱風で乾燥する。インク受容層の乾燥後の厚さは、通常5〜50μm、好ましくは20〜40μmである。インク受容層の厚さが薄すぎると、インク吸収能力不足となり印字性が低下し、逆に厚すぎると、被膜割れや透明性低下を招くおそれがあり、コストアップの要因ともなるため、いずれも好ましくない。
このようにして形成されたインク受容層中における超微粒子状無機酸化物の含有割合は85〜96質量%、カチオン性アクリルエマルションの含有割合は0.5〜5質量%、水溶性セルロースエーテルからなるバインダーの含有割合は4〜15質量%の範囲で、かつ超微粒子状無機酸化物と水溶性セルロースエーテルとの比率は質量比で6:1ないし20:1、好ましくは7:1ないし15:1であり、また水溶性セルロースエーテルとカチオン性アクリルエマルション(固形分)との使用割合は、質量比で1:1ないし5:1の範囲で選ばれる。
水溶性セルロースエーテルの含有割合が4質量%未満になると成膜しなくなるし、また成膜できても、乾燥性、印字性が著しく低下するし、15質量%を超えると印字性が低下する。他方、カチオン性アクリルエマルションの含有割合が0.5質量%未満になると耐水性が悪くなるし、また5質量%を超えると耐水性は向上するが、透明性が著しく低下する。
さらに、超微粒子状無機酸化物の水溶性セルロースエーテルに対する比率が6:1よりも小さくなると、乾燥性、印字性及びインク定着性が欠けるし、また20:1よりも大きくなると成膜ができなくなる。他方、水溶性セルロースエーテルのカチオン性アクリルエマルションに対する使用割合が上記よりも多くなると耐水性を欠くし、少なくなるとヘイズ値が増大し使用できなくなる。
本発明におけるインク受容層中で用いられるカチオン性アクリルエマルションは、従来のもののインク受容層中で用いられている架橋剤と異なり、水溶性セルロースエーテル中の水酸基とは反応しない。
本発明によれば、透明性を維持したまま、優れた滲み防止性、耐水性及び機械的強度を有し、かつ架橋剤使用に起因する透明性の低下を伴うことのない、しかも油性顔料に対しても何らの支障なしに利用可能な透明インクジェットフィルムを提供することができる。
次に実施例により本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
なお、各例中の物性は以下の方法により測定したものである。
(1)耐水性
水を含ませた脱脂綿でインク受容を擦り、塗膜が剥がれ、基材表面が現れた時点の往復回数を測定し、評価した。
◎:100回以上
○:50回以上100回未満
×:50回未満
(2)へイズ(濁度)
ヘイズメーター「NDH2000」(日本電色製)でヘイズ値を測定した。
(3)印字性
染料インクの印字性は、EPSON社製インクジェットプリンター(PM−3300C)で画像を出力し、インク吸収性、混色部分のにじみ、ベタ部の色むらなどを目視で評価した。油性顔料インクの印字性はOLYMPUS社製インクジェットプロッター(PJ−3600)で画像を出力し、染料インクと同様に評価した。
○:インクのあふれ、にじみ、色むらのないもの
×:インクのあふれ、にじみ、色むらのいずれかが認められるもの
(4)乾燥性
EPSON社製インクジェットプリンター(PM−3300C)とOLYMPUS社製インクジェットプロッター(PJ−3600)でそれぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエロー各色をべタ印字した。印字1分後、べタ部に紙を置き、200gの分銅で1回こすった後のインクの紙への転写度合を評価した。
○:インクの転写が見られない
△:若干転写が見られる
×:インクが紙に転写している
(5)顔料インクの定着性
OLYMPUS社製インクジェットプロッター(PJ−3600)でブラック、シアン、マゼンタ、イエロー各色をべタ印字し、インク乾燥後、乾いた脱脂綿でべタ部分を10回擦り、顔料インクが受容層上に定着しているかを評価した。
○:顔料インクが受容層上に残っている。
×:顔料インクが脱脂綿に移り、受容層上に残らない。
酸化アルミニウム分散液αの作成
δ型酸化アルミニウム(日本アエロジル社製,「アルミニウムオキサイドC」,一次粒子径13nm)20gに水79.6gと酢酸0.4gを加えてホモジナイザーで分散した。この分散液の平均2次粒径は150nm以下であった。
易接着処理された透明フィルムに下記の組成からなるインク受容層塗布液Aを乾燥膜厚が35μmになるよう塗布し、60〜140℃で乾燥させ、空隙型インクジェットフィルムを得た。
インク受容層塗布液A
酸化アルミニウム分散液α(20%水分散液) 46.9g
水溶性セルロースエーテル(信越化学工業社製,商標名「メトローズ90SH−30000」) 0.63g(固形分)
カチオン性アクリルシリコンエマルション(ダイセル化学工業社製,商標名「アクアブリット903」) 0.31g(固形分)
上記組成物に水、アルコールを加えて、固形分10質量%に調整した。
この塗布液から形成されるインク受容層中の超微粒子状無機物の含有割合は90.9質量%、水溶性セルロースエーテルの含有割合は6.1質量%である。
実施例1におけるインク受容層塗布液Aの水溶性セルロースエーテル「メトローズ90SH−30000」の代わりに「メトローズSEB−15T」(信越化学工業社製,商標名)を用い、その他は実施例1と同様にして空隙型インクジェットフィルムを得た。
実施例1におけるインク受容層Aのカチオン性アクリルシリコンエマルション「アクアブリット903」の代わりに「アクアブリットCS−179」(ダイセル化学社製,商標名)を用い、その他は実施例1と同様にして空隙型インクジェットフィルムを得た。
易接着処理された透明フィルムに下記の組成からなるインク受容層塗布液Bを乾燥膜厚が35μmになるように塗布し、60〜140℃で乾燥させ、空隙型インクジェットフィルムを得た。
インク受容層塗布液B
シリカ20%水分散液(キャボット・スペシャルティー・ケミカルズ・インク社製,「CAB−O−SPERSE PG−022」,一次粒子径20nm,二次粒子径150nm以下) 35.0g
水溶性セルロースエーテル(信越化学工業社製,商標名「メトローズ90SH−30000」) 1.0g(固形分)
カチオン性アクリルシリコンエマルション(ダイセル化学工業社製,商標名「アクアブリット903」) 0.5g(固形分)
上記組成物に水、アルコールを加えて、固形分8質量%に調整した。
この塗布液から形成されるインク受容層中の超微粒子状無機物の含有割合は82.4質量%、水溶性セルロースエーテルの含有割合は11.8質量%である。
上記実施例1〜4で得られた空隙型インクジェットフィルムの評価結果を、表1に示す。この表から分るように、これらのフィルムは透明性、印字性、耐水性に優れており、特に油性顔料インクの定着に優れていた。
比較例1
実施例1におけるインク受容層塗布液Aにおいて、カチオン性アクリルシリコンエマルション「アクアブリット903」を用いない以外は、実施例1と同様にして空隙型インクジェットフィルムを得た。このフィルムは印字性、乾燥性、特に透明性に優れていたが、耐水性に劣る。
比較例2
実施例1におけるインク受容層塗布液Aのカチオン性アクリルシリコンエマルション「アクアブリット903」の代わりに、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂「スミテックスレジンM−3」(住友化学工業社製,商標名)を0.16g(固形分)用い、その他は実施例1と同様にして空隙型インクジェットフィルムを得た。このフィルムは耐水性に劣る。
比較例3
実施例1におけるインク受容層塗布液Aのカチオン性アクリルシリコンエマルション「アクアブリット903」の配合量を0.01g(固形分)とした以外は、実施例1と同様にして空隙型インクジェットフィルムを得た。このフィルムは透明性に優れていたが、耐水性に劣る。
この塗布液から形成されるインク受容層中の超微粒子状無機物の含有割合は93.6質量%、水溶性セルロースエーテルの含有割合は6.3質量%である。
比較例4
実施例1におけるインク受容層塗布液Aのカチオン性アクリルシリコンエマルション「アクアブリット903」の配合量を1.24g(固形分)とした以外は、実施例1と同様にして空隙型インクジェットフィルムを得た。このフィルムは耐水性に優れていたが、ヘイズ値が高く透明性に劣るため、実用に適さない。
この塗布液から形成されるインク受容層中の超微粒子状無機物の含有割合は83.4質量%、水溶性セルロースエーテルの含有割合は5.6質量%である。
比較例5
易接着処理された透明フィルムに下記の組成からなるインク受容層塗布液Cを乾燥膜厚が35μmになるように塗布し、60〜140℃で乾燥させ、空隙型インクジェットフィルムを得た。
インク受容層塗布液C
酸化アルミニウム分散液α(20%水分散液) 25.0g
水溶性セルロースエーテル(信越化学工業社製,商標名「メトローズ90SH−30000」) 1.0g(固形分)
カチオン性アクリルシリコンエマルション(ダイセル化学工業社製,商標名「アクアブリット903」) 0.34g(固形分)
上記組成物に水、アルコールを加えて、固形分10質量%に調整した。
この塗布液から形成されるインク受容層中の超微粒子状無機物の含有割合は78.9質量%、水溶性セルロースエーテルの含有割合は15.8質量%である。
このフィルムは耐水性、透明性に優れていたが、酸化アルミニウム量が少なく、水溶性セルロースエーテル量が多すぎるため、インクを吸収するだけの空隙がなく、印字性、乾燥性に劣る。
比較例6
易接着処理された透明フィルムに下記の組成からなるインク受容層塗布液Dを乾燥膜厚が35μmになるように塗布し、60〜140℃で乾燥させた。
インク受容層塗布液D
酸化アルミニウム分散液α(20%水分散液) 48.1g
水溶性セルロースエーテル(信越化学工業社製,商標名「メトローズ90SH−30000」) 0.39g(固形分)
カチオン性アクリルシリコンエマルション(ダイセル化学工業社製,商標名「アクアブリット903」) 0.13g(固形分)
上記組成物に水、アルコールを加えて、固形分10質量%に調整した。
この塗布液から形成されるインク受容層中の超微粒子状無機物の含有割合は94.9質量%、水溶性セルロースエーテルの含有割合は3.8質量%である。
この塗布液を実施例1と同様の方法で透明フィルムに塗布したが、水溶性セルロースエーテル量が少なすぎたため、成膜できなかった。
比較例7
易接着処理された透明フィルムに下記の組成からなるインク受容層塗布液Eを乾燥膜厚が35μmになるように塗布し、60〜140℃で乾燥させ、空隙型インクジェットフィルムを得た。
インク受容層塗布液E
酸化アルミニウム分散液α(20%水分散液) 62.5g
カチオン性アクリルシリコンエマルション(ダイセル化学工業社製,商標名「アクアブリット903」) 2.6g(固形分)
上記組成物に水、アルコールを加えて、固形分15質量%に調整した。
このフィルムは耐水性、印字性、乾燥性に劣り、使用できなかった。
比較例8
酸化アルミニウム分散液βの調製
δ型酸化アルミニウム(日本アエロジル社製,商品名「アルミニウムオキサイドC」,一次粒子径13nm)20gに水80.0gを加えてホモジナイザーで分散した。この分散液の平均二次粒径は200nmよりも大きかった。
実施例1におけるインク受容層塗布液Aの、酸化アルミニウム分散液αの代わりに、酸化アルミニウム分散液βを用い、その他は実施例1と同様にして空隙型インクジェットフィルムを得た。このフィルムはフィラーの平均二次粒径が200nmよりも大きいことから、ヘイズが高く、透明性がないため、実用に適さない。
比較例9
透明インクジェットフィルム(旭硝子社製,商標名「ピクトリコ」)について、実施例1と同様に評価した。このフィルムは透明性、印字性、耐水性には優れているが、油性顔料インクは定着しなかった。
このように本発明のフィルムは、印字性、乾燥性、透明性が良好である上に、従来品に比べて、耐水性、油性顔料インクの定着性が特に優れている。
本発明の空隙型透明インクジェットフィルムは、測量・設計重ね検図用、プリント基板検図用、OHP用のインクジェットフィルムとして有用である。
Figure 0004138622

Claims (7)

  1. 透明性基材シートの少なくとも片面に、アルコキシ基及びヒドロキシアルコキシ基によりエーテル化された水溶性セルロースエーテル及び超微粒子状無機酸化物を含有するフィラーリッチのインク受容層を設けてなる空隙型インクジェットフィルムにおいて、インク受容層に含ませる超微粒子として、一次粒子径30nm以下、二次粒子径200nm以下のδ型、θ型及びγ型のいずれかの酸化アルミニウム粒子若しくは酸化ケイ素粒子を用いるとともに、インク受容層にカチオン性アクリル系エマルションを配合したことを特徴とする空隙型透明インクジェットフィルム。
  2. インク受容層中のアルコキシ基及びヒドロキシアルコキシ基によりエーテル化された水溶性セルロースエーテルの含有割合が4〜15質量%である請求項1記載の空隙型透明インクジェットフィルム。
  3. 超微粒子状無機酸化物がδ型酸化アルミニウムである請求項1記載の空隙型透明インクジェットフィルム。
  4. インク受容層中の超微粒子状無機酸化物の含有割合が85〜96質量%である請求項1、2又は3記載の空隙型透明インクジェットフィルム。
  5. インク受容層中の超微粒子状無機酸化物と水溶性セルロースエーテルとが質量比で6:1ないし20:1の範囲にある請求項1ないし4のいずれかに記載の空隙型透明インクジェットフィルム。
  6. インク受容層中のカチオン性アクリルエマルションの含有割合が0.5〜5質量%である請求項1ないし5記載の空隙型透明インクジェットフィルム。
  7. カチオン性アクリルエマルションが、カチオン性アクリル・シリコンエマルションである請求項1ないし6のいずれかに記載の空隙型透明インクジェットフィルム。
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