JP2015189235A - 再剥離性シート - Google Patents

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尚久 宮▲崎▼
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Abstract

【課題】インクジェット印刷適性とシートの重ね合わせ面の接着性に優れた感圧接着剤層を備えた再剥離性シートを提供する。【解決手段】シートの重ね合わせ面同士を、感圧接着剤層を介して再剥離可能に接着することができる再剥離性シートであって、前記感圧接着剤層が、接着剤基剤、シリカ微粒子、多価金属塩及びジシアンジアミド系カチオンポリマーが配合されてなる感圧接着剤組成物を用いて形成されたものであり、前記感圧接着剤組成物において、前記多価金属塩の配合量が、前記接着剤基剤の配合量100質量部に対して10〜55質量部であり、前記ジシアンジアミド系カチオンポリマーの配合量が、前記接着剤基剤の配合量100質量部に対して12.5〜40質量部であり、前記多価金属塩と前記ジシアンジアミド系カチオンポリマーの合計の配合量が、前記接着剤基剤の配合量100質量部に対して27質量部以上である、再剥離性シート。【選択図】なし

Description

本発明は、再剥離性シートに関する。
基材の表面に再剥離性を有する感圧接着剤層を形成し、この感圧接着剤層を介して基材同士を圧着させ、接着させた再剥離性シートは、種々の用途で使用され、広く社会に普及している。
このような再剥離性シートの代表的なものとしては、感圧圧着ハガキが例示でき、親展性を有するハガキシステムで汎用されている。
親展性を有するハガキシステムは、例えば、個人的用件、プリント情報、印刷情報等の各種情報が記載されたハガキを折り込み、切り重ね、あるいは別体同士を重ね合わせる等、各種の重ね合わせ態様で剥離可能に接着し、各種情報を隠蔽した後、郵送し、受取人が重ね合わせ面を再剥離して、隠蔽情報を読み取るものである。このような親展性を有するハガキシステムは、その利便性から、必要不可欠なものとなっている。
このような再剥離性シートでは、その製造時に、シートの重ね合わせ面の感圧接着剤層に各種情報をインクジェット印刷する手法が汎用されている。そこで、シートの重ね合わせ面に対して、インクジェット印刷適性を有するような感圧接着剤層を形成可能な感圧接着剤組成物の開発が進められている。
このような感圧接着剤組成物を用いた再剥離性シートとしては、通常状態では粘着性、接着性ともに示さず加圧時に接着性を示す感圧接着層を支持体の少なくとも片面に有し、加圧時の接着が接着後に剥離可能である圧着記録用紙において、該感圧接着層が第4級アンモニウム基を有するカチオン性化合物を該感圧接着層の固形分重量の1〜50重量%含有することを特徴とする圧着記録用紙が開示されている(特許文献1参照)。
特許第3204878号公報
しかしながら、発明者らは、特許文献1の再剥離性シートは、シートの重ね合わせ面同士を、感圧接着剤層を介して再剥離可能に接着したときの接着力が低い場合があることを見出した。
そこで、本発明は、インクジェット印刷適性とシートの重ね合わせ面の接着性に優れた感圧接着剤層を備えた再剥離性シートを提供することを目的とする。
本発明は、シートの重ね合わせ面同士を、感圧接着剤層を介して再剥離可能に接着することができる再剥離性シートであって、前記感圧接着剤層が、接着剤基剤、シリカ微粒子、多価金属塩及びジシアンジアミド系カチオンポリマーが配合されてなる感圧接着剤組成物を用いて形成されたものであり、前記感圧接着剤組成物において、前記多価金属塩の配合量が、前記接着剤基剤の配合量100質量部に対して10〜55質量部であり、前記ジシアンジアミド系カチオンポリマーの配合量が、前記接着剤基剤の配合量100質量部に対して12.5〜40質量部であり、前記多価金属塩と前記ジシアンジアミド系カチオンポリマーの合計の配合量が、前記接着剤基剤の配合量100質量部に対して27質量部以上であることを特徴とする、再剥離性シートを提供する。
本発明によれば、インクジェット印刷適性とシートの重ね合わせ面の接着性に優れた感圧接着剤層を備えた再剥離性シートを提供することができる。
本発明に係る三つ折りハガキの表面展開図である。 図1に示すハガキの裏面展開図である。 図1のX−X線における断面図である。 図1に示すハガキを折り込む際の状態を説明する図である。 本発明に係る二つ折りハガキの表面展開図である。 図5に示すハガキの裏面展開図である。 図5に示すハガキを折り込む際の状態を説明する図である。 本発明に係る部分二つ折りハガキの表面展開図である。 図8に示すハガキの裏面展開図である。 図8に示すハガキを折り込む際の状態を説明する図である。
本発明は、シートの重ね合わせ面同士を、感圧接着剤層を介して再剥離可能に接着することができる再剥離性シートであって、前記感圧接着剤層が、接着剤基剤、シリカ微粒子、多価金属塩及びジシアンジアミド系カチオンポリマーが配合されてなる感圧接着剤組成物を用いて形成されたものであり、前記感圧接着剤組成物において、前記多価金属塩の配合量(固形分)が、前記感圧接着剤基剤の配合量(固形分)100質量部に対して10〜55質量部であり、前記ジシアンジアミド系カチオンポリマーの配合量(固形分)が、前記接着剤基剤の配合量(固形分)100質量部に対して12.5〜40質量部であり、前記多価金属塩と前記ジシアンジアミド系カチオンポリマーの合計の配合量(固形分)が、前記接着剤基剤の配合量(固形分)100質量部に対して27質量部以上であることを特徴とする、再剥離性シートを提供する。
<インクジェット印刷適性>
本発明の再剥離性シートは、感圧接着剤層の上からインクジェット印刷を行った場合の印刷適性に優れている。インクジェット印刷適性に優れているとは、再剥離性シートの感圧接着剤層の上からインクジェット印刷を行った場合に、後述する、インク乾燥性、発色濃度、耐水性、耐擦過性等が所定の基準を満たすことを意味する。
一般にインクジェットプリンタに使用されるインクは、染料インク又は顔料インクに分類できる。染料とは、溶媒中に分子として溶解する着色剤である。通常用いられる溶媒は水又は水と有機共溶媒との混合物である。インクジェット用染料インクは、染料を、溶媒中に溶解させたものである。溶媒としては、水を主成分とし、これに着色剤及び目詰まり防止等の目的でグリセリン等の湿潤剤を含有したものが一般的である。
顔料とは、溶媒に不溶であるが、小粒子の形態で分散または懸濁しており、しばしば凝集及び沈澱しないように分散剤の使用により安定化されている着色剤である。インクジェット用顔料インクは、有機顔料やカーボンブラック等の顔料を界面活性剤や分散剤を用いて微粒子化し、水等の溶媒中に分散させたものである。
<感圧接着剤組成物>
感圧接着剤組成物は、接着剤基剤、シリカ微粒子、多価金属塩及びジシアンジアミド系カチオンポリマー、必要に応じてその他の成分を含む。
(接着剤基剤)
接着剤基剤は公知のものでよく、具体的には、天然ゴム、天然ゴムを変性した変性ゴム、合成ゴム等が例示でき、より具体的には、有機溶媒を用いる有機溶媒系のもの、水を媒体とする水系のもの、紫外線等の放射線で硬化する放射線硬化系のもの、加熱で硬化する加熱硬化系のもの等が例示できる。なお、本明細書においては、特に断りのない限り「接着剤基剤」とは、前記天然ゴム等の固形のものを意味し、前記有機溶媒、水等の液状の媒体を含まないものとする。
これらの中でも、前記接着剤基剤は水系のものが好ましく、天然ゴム系水性エマルジョンタイプのものがより好ましい。水系の接着剤基剤である場合、これを用いたエマルジョン等の組成物は揮発性が低くなり、塗布量の調節が容易で、シート面への塗布適性がより優れたものとなる。また、かかる組成物は媒体が水なので人体に無害であり、さらに引火性もなく、塗布工程や乾燥工程に防爆設備等の特殊設備が不要となる。
天然ゴム系水性エマルジョンタイプの接着剤基剤としては、天然ゴム系粘着剤の基剤として公知のものが例示でき、具体的には、天然ゴムを主成分とするラテックス(天然ゴムラテックス);酸性ラテックス、解重合ラテックス、加硫ラテックス、グラフト化した天然ゴムラテックス等の、前記天然ゴムを変性した変性ゴムを主成分とする変性ラテックス;前記天然ゴムラテックス又は変性ラテックスに対して、スチレンリッチSBRラテックス、ポリスチレンエマルジョン及びスチレン・アクリル共重合体エマルジョンからなる群から選択される一種以上を適当量配合した混合物等が例示できる。天然ゴムのグラフト化に用いるモノマー又はオリゴマーは、重合性基を有するものであれば、目的に応じて任意に選択でき、モノマーであれば、(メタ)アクリル酸のアルキルエステル、スチレン等の重合性不飽和二重結合を有するものが例示できる。ここで、前記アルキルエステルは、メチルエステル又はエチルエステルであることが好ましい。
天然ゴム系水性エマルジョンタイプの接着剤基剤としては、特に耐ブロッキング性、耐熱性、耐摩耗性等の観点から、天然ゴムにメタクリル酸メチル(MMA)をグラフト重合させて得られた変性ゴムを主成分とする変性ラテックス、天然ゴムにスチレンとメタクリル酸メチルとをグラフト重合させて得られた変性ゴムを主成分とする変性ラテックスが好ましい。
天然ゴムにメタクリル酸メチルをグラフト重合させて得られた変性ゴムで好ましいものとしては、天然ゴム100質量部に対して、メタクリル酸メチルを10〜40質量部グラフト重合させたものが例示できる。
天然ゴムにスチレンとメタクリル酸メチルとをグラフト重合させて得られた変性ゴムで好ましいものとしては、天然ゴム100質量部に対して、スチレン及びメタクリル酸メチルを合計で30〜70質量部重合させたものが例示できる。
接着剤基剤は一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合には、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて適宜選択すればよい。ただし、二種以上を併用する場合には、互いに同じ系のものを使用することが好ましい。
前記感圧接着剤組成物の配合成分の総量(固形分)に対する接着剤基剤の配合量(固形分)の割合は、20〜70質量%であることが好ましく、30〜60質量%であることがより好ましい。
(シリカ微粒子)
シリカ微粒子を用いることで、感圧接着剤層の強度が高まると共に、接着力や再剥離性をより容易に調節できる。シリカ微粒子としては、例えば、非晶質シリカが挙げられる。
非晶質シリカとしては、具体的には、乾式シリカ及び湿式シリカ等の合成非晶質シリカが例示できる。
乾式シリカは、例えば、四塩化ケイ素を酸素・水素炎中で燃焼させる燃焼法で得られる。
湿式シリカは、例えば、ケイ酸ナトリウムを無機酸で中和する沈殿法又はゲル法、あるいはアルコキシシランを加水分解するゾルゲル法等で得られる。
本発明において、非晶質シリカは湿式シリカであることが好ましい。
非晶質シリカの比表面積は、50〜500m/gであることが好ましく、100〜400m/g程度であることが特に好ましい。下限値以上とすることで、インクの吸収量が良好となり、印刷濃度が一層向上する。また、上限値以下とすることで、接着剤基材(天然ゴム)がシリカ内部にとり込まれないため、高い接着性能が得られる。比表面積は、例えば、透過法や窒素等の気体分子を利用する気体吸着法等、公知の方法で測定できる。
非晶質シリカの平均粒子径は、0.5〜15μmであることが好ましく、2〜10μmであることがより好ましい。平均粒子径は、コールターカウンターを用いる方法等、公知の方法で測定できる。下限値以上とすることで、感圧接着剤層における非晶質シリカの粒子間の空隙部が適度な広さに保たれ、インクの吸収量及び吸収速度が良好となり、印刷濃度が一層向上する。また、上限値以下とすることで、感圧接着剤層表面の凹凸が低減され、画質が一層向上する。
非晶質シリカは、吸油量が100〜350mL/100gであることが好ましく、150〜300mL/100gであることがより好ましい。下限値以上のすることで、インクの吸量が良好となり、上限値以下とすることで、塗料の流動性が良好となる。
非晶質シリカの細孔容積は、0.5ml/g以上であることが好ましく、3ml/g以上であることがより好ましい。下限値以上とすることで、インクの印刷濃度が一層向上する。上限値は、本発明の効果を妨げない限り、特に限定されない。
非晶質シリカとしては、上記の比表面積や吸油量、平均粒子径や細孔容積をはじめとする各種物性が明らかに異なるものを二種以上併用しても良い。その場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて適宜選択すれば良い。
前記感圧接着剤組成物の配合成分の総量(固形分)に対する非晶質シリカの配合量(固形分)は、1〜40質量%であることが好ましく、10〜30質量%であることがより好ましい。下限値以上とすることで、インクの印刷濃度を一層良好な範囲に調節でき、上限値以下とすることで、感圧接着剤層を一層安定して形成できる。
非晶質シリカは、溶媒、好ましくは極性溶媒を分散媒とする分散物として配合することが好ましい。極性溶媒の好ましいものとして、具体的には、水;メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等の鎖状又は環状ケトン類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の鎖状又は環状エーテル類等が例示できる。極性溶媒は一種を単独で使用しても良いし、二種以上を併用しても良い。二種以上を併用する場合には、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて適宜選択すれば良い。
非晶質シリカの分散媒としては、水又は水を含む極性溶媒であることが好ましく、水であることがより好ましい。
非晶質シリカの分散物中の非晶質シリカの総配合量は特に限定されず、適宜調節すれば良い。例えば、取り扱い性等を考慮すると、1〜30質量%であることが好ましく、5〜20質量%であることがより好ましい。
(多価金属塩)
多価金属塩としては、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化亜鉛、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム等が挙げられる。なかでも、インクジェット印刷適性とシートの重ね合わせ面の接着性をバランスよく向上させることができ、水への溶解度、安全性も高い点で、塩化カルシウム又は塩化マグネシウムが好ましい。感圧接着剤組成物中の多価金属塩の配合量(固形分)は、接着剤基剤の配合量(固形分)100質量部に対して10〜55質量部であり、10〜45重量部がより好ましく、15〜30重量部が更に好ましい。
また、感圧接着剤組成物が、後述するジシアンジアミド系カチオンポリマーを実質的に含まない場合であっても、顔料インクを用いる場合においては、優れたインクジェット印刷適性と、優れたシートの重ね合わせ面の接着性を達成することができる。感圧接着剤組成物が、ジシアンジアミド系カチオンポリマーを実質的に含まない場合には、多価金属塩の配合量(固形分)は、接着剤基剤の配合量(固形分)100質量部に対して25〜55質量部であることが好ましい。多価金属塩の配合量が高いほどインクジェットインクの乾燥性が向上する傾向にあるが、シートの重ね合わせ面の接着性が低下する傾向にある。
(ジシアンジアミド系カチオンポリマー)
ジシアンジアミド系カチオンポリマーとしては、ジシアンジアミドを縮合成分とするカチオン性のポリマーが挙げられる。より具体的には、ポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド縮合物、ジシアンジアミド・ジエチレントリアミン縮合物、ジシアンジアミド・ホルムアルデヒド縮合物が挙げられる。ジシアンジアミド系カチオンポリマーは、インクジェットインクの定着剤として好適なものである。
ジシアンジアミド系カチオンポリマーは、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合には、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて適宜選択すればよい。
前記組成物において、ジシアンジアミド系カチオンポリマーの配合量は、接着剤基剤の配合量(固形分)100質量部に対して12.5〜40質量部であり、より好ましくは12.5〜25質量部である。ジシアンジアミド系カチオンポリマーの配合量が前記下限値以上であることで、前記感圧接着剤層はインクジェットインクの定着性がより向上する。また、ジシアンジアミド系カチオンポリマーの配合量が前記上限値以下であることで、前記感圧接着剤層はインクジェットインクの定着性、その他のインクジェット印刷適性及び接着力のバランスが向上する。
前記多価金属塩と前記ジシアンジアミド系カチオンポリマーの配合量(固形分)の合計は、前記接着剤基剤の配合量(固形分)100質量部に対して27質量部以上であり、より好ましくは27〜55質量部であり、更に好ましくは30〜55質量部であり、特に好ましくは40〜55質量部である。
(その他の成分)
その他の成分としては、感圧接着剤分野で公知のものが挙げられ、好ましいものとしてはバインダー、密着剤、アンチブロッキング剤、安定剤、溶媒等が例示できる。
前記バインダーは、前記感圧接着剤層の強度を向上させるものであり、好ましいものとしては水溶性高分子が例示でき、より具体的には、完全ケン化型ポリビニルアルコール、部分ケン化型ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール;カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコール:酸化デンプン;リン酸エステル化デンプン;ローコンス;カゼイン;カルボキシメチルセルロース(CMC)等が例示できる。
これらの中でも、前記感圧接着剤層での印刷濃度の低下が少なく、耐オフセット性も良好である点から、前記バインダーはポリビニルアルコールであることが好ましい。
前記密着剤は、非剥離性接着剤と、前記組成物を塗工する後述するシートとの密着性を向上させるものであり、より具体的には、スチレンブタジエンラテックス、ポリイソプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ポリウレタンゴム等が例示できる。
前記アンチブロッキング剤としては、天然ゴムとの親和性が小さい微粒子が好ましい。
この様なものとしては、デンプン(スターチ)、合成ゼオライト、微球状アクリル樹脂、微球状ポリエチレン、アルミナ、酸化チタン、カオリン、タルク等が例示できる。
これらの中でも、前記アンチブロッキング剤は、天然ゴムとの親和性がより小さく、より高いアンチブロッキング効果を実現できることから、デンプンが好ましい。
前記安定剤は、天然ゴムラテックスを分散安定化させるためのものであり、具体的にはカルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤や、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪アルコールエトキシレート、アルキルグリコシド等のノニオン性界面活性剤が例示できる。
例えば、後述するように、前記接着剤基剤、シリカ微粒子、多価金属塩、ジシアンジアミド系カチオンポリマー、添加剤等の溶媒以外の成分は、組成物調製時に各種溶媒を用いて分散物として配合することがある。前記溶媒としては、このときの分散媒や、組成物の粘度調整に用いる各種溶媒が例示でき、より具体的には、水、各種有機溶媒が例示できる。
前記有機溶媒は、配合成分を劣化させないものであれば特に限定されないが、高極性の有機溶媒が好ましく、具体的には、メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等の鎖状又は環状ケトン;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の鎖状又は環状エーテル等が例示できる。
前記有機溶媒は一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合には、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて適宜選択すればよい。
前記溶媒は水、又は水と高極性の有機溶媒との混合溶媒であることが好ましく、前記混合溶媒は、水の比率が高いほど好ましい。そして、前記溶媒としては、水が特に好ましい。前記溶媒の配合量は、配合成分の種類を考慮して適宜調節することができる。
前記組成物において、溶媒以外の前記その他の成分の総配合量は、本発明の効果を損なわない範囲内で任意に調節できる。
<感圧接着剤組成物の製造方法>
前記組成物は、前記接着剤基剤、シリカ微粒子、多価金属塩、ジシアンジアミド系カチオンポリマー、及び必要に応じてその他の成分を配合することで製造できる。
各成分の配合時には、すべての成分を添加してからこれらを混合してもよいし、一部の成分を順次添加しながら混合してもよく、すべての成分を順次添加しながら混合してもよい。また、固形の成分は、少なくともその一部を溶媒に分散させた分散物として添加してもよい。
混合方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法、ミキサーを使用して混合する方法、超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。そして、溶解していない成分が均一に分散するまで撹拌することが好ましい。
配合時の温度は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されないが、15〜30℃であることが好ましい。また、配合時間は、配合成分の種類や配合時の温度に応じて適宜調節すればよいが、例えば、0.5〜24時間であることが好ましい。
<再剥離性シート>
本発明に係る再剥離性シートは、シートの重ね合わせ面同士が、前記組成物を用いて形成された前記感圧接着剤層を介して、再剥離可能とされたものであり、シートの重ね合わせ面同士が、前記感圧接着剤層で接着された状態であってもよいし、前記感圧接着剤層で接着される前の剥離した状態であってもよい。
前記シートは、感圧接着剤層を形成する基材であり、感圧接着剤層は、例えば、シートの所定箇所に前記組成物を塗工し、乾燥させることで形成できる。
前記シートは、再剥離性シートの使用目的に応じて任意に選択できる。例えば、好ましい再剥離性シートとしては、基材として紙を用いた場合の感圧圧着ハガキが例示できる。
前記シートの材質は、前記組成物が塗工可能なものであれば特に限定されず、目的に応じて任意に選択できる。前記シートの好ましい材質として、具体的には、原紙、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、レジンコート紙、合成紙等の紙類;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリフェニレンスルファイド、ポリスルホン、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン、ポリイミド等の合成樹脂等が例示できる。
シートは、単層からなるものでもよいし、二層以上の複数層からなるもの(複数層が積層されたもの)でもよい。そして、複数層からなる場合、これら複数層の材質は一種のみでもよいし、二種以上でもよく、二種以上である場合、これら材質の組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
シートの材質が前記合成樹脂である場合、シートの表面はマット処理、コロナ処理等の表面処理が施されていることが好ましい。
本発明において、シートは、少なくとも組成物の塗布面の材質が紙類であるものが好ましい。
シートの厚さは特に限定されないが、通常は50〜200μmであることが好ましく、80〜150μmであることがより好ましい。シートが複数層からなるものである場合には、これら複数層の合計の厚さが、上記の数値範囲であることが好ましい。
前記組成物のシートへの塗工方法は特に限定されず、公知の方法が適宜利用可能であり、好ましい方法としては、エアーナイフコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ブレードコーター、ロールコーター、ゲートロールコーター、バーコーター、ロッドコーター、グラビアコーター等の各種コーター;ワイヤーバー等の装置を用いて塗布する方法が例示できる。
前記組成物の塗工は、一回で行ってもよいし、複数回に分けて行ってもよい。複数回に分けて行う場合には、乾燥させた塗工面上にさらに塗布する方法、乾燥していない塗工面上にさらに塗布する方法のいずれでもよい。
前記組成物の塗工量は、組成物の固形分濃度等を考慮して、適宜調節すればよい。通常は、固形分の塗工量が好ましくは1〜30g/m、より好ましくは1.5〜20g/m、特に好ましくは2〜15g/mとなるように、組成物の塗工量を調節するとよい。
固形分の塗工量が前記下限値以上であることで、感圧接着剤層の接着力がより向上し、固形分の塗工量が前記上限値以下であることで、再剥離性がより良好となる。
塗工された前記組成物の乾燥は、例えば、常圧下、減圧下及び送風条件下のいずれで行ってもよく、大気下及び不活性ガス雰囲気下のいずれでおこなってもよい。そして、乾燥温度も特に限定されず、加熱乾燥及び常温乾燥のいずれでもよい。そして、乾燥時間等、その他の乾燥条件は、乾燥方法に応じて適宜設定すればよい。
前記感圧接着剤層は、厚さが3〜40μmであることが好ましく、5〜30μmであることがより好ましい。このような範囲であることで、上記のように組成物の固形分の塗工量を限定した場合と同様の効果が得られる。
再剥離性シートにおける、印刷が行われていない前記感圧接着剤層の接着力、すなわち、印刷が行われていない前記感圧接着剤層によって、シートの重ね合わせ面同士を互いに接触させて接着させた状態から剥離させたときの、前記シートの重ね合わせ面同士の接着力は、70gf/25mm(0.68N/25mm)以上であることが好ましく、100gf/25mm(0.98N/25mm)以上であることがより好ましく、130gf/25mm(1.27N/25mm)以上であることが特に好ましい。また、前記接着力の上限値は、280gf/25mm(2.75N/25mm)であることが好ましく、250gf/25mm(2.45N/25mm)であることがより好ましい。前記接着力は前記上限値以下であることで、高過ぎることがなく、シートの破れ等の破損が抑制される。ここで、「印刷」とは、文字等の情報記録のことを意味する。
なお、ここでは単位「N/25mm」で表される接着力について説明しているが、接着力の測定対象部位が狭く、25mm幅の領域を確保できない場合等においては、25mm未満の幅(mm)の領域で上記と同様に接着力を測定し、25mmに対する幅の比率をこの接着力に乗じて、接着力を25mm幅相当に換算した換算接着力を、単位「N/25mm」で表される接着力として採用することができる。
前記接着力は、例えば、再剥離性シートを非印刷領域において感圧接着剤層同士が接触するように折り曲げ、対向する2個の金属ロールをロール面同士が非接触となるようにして備えたシール装置を用いて、折り曲げた再剥離性シートを、前記ロール面間を通過させることにより加圧して、前記シートの重ね合わせ面同士を接着した後、前記再剥離性シートを再剥離させたときに、発現することが好ましい。
このときの再剥離性シートの折り曲げ方は、例えば、Z字状の三つ折りでもよいし、二つ折り等、他の折り曲げ方でもよく、任意に選択でき、特に限定されない。
前記再剥離性シートとして好ましい感圧圧着ハガキの具体例について、以下、図面を引用しながら説明する。図1は本発明に係る三つ折りハガキの表面展開図、図2は図1に示すハガキの裏面展開図、図3は図1のX−X線における断面図、図4は図1に示すハガキを折り込む際の状態を説明する図である。また、図5は本発明に係る二つ折りハガキの表面展開図、図6は図5に示すハガキの裏面展開図、図7は図5に示すハガキを折り込む際の状態を説明する図である。また、図8は本発明に係る部分二つ折りハガキの表面展開図、図9は図8に示すハガキの裏面展開図、図10は図8に示すハガキを折り込む際の状態を説明する図である。
図1〜3に示す三つ折りハガキ1は、定型ハガキサイズの3倍のサイズを有する基体シート2から構成され、折り線3a、3bによって三つの領域に区画されるものである。左側区画領域Aの表面には、郵便番号、宛て名、住所等の宛て先情報印刷4が施されている。そして、基体シート2の中央区画領域B及び右側区画領域Cの表面全体と、左側区画領域A及び中央区画領域Bの裏面全体には、感圧接着剤用組成物が塗布及び乾燥され、再剥離可能な感圧接着剤層6が形成されている。そして、左側区画領域Aの裏面、中央区画領域Bの表裏面及び右側区画領域Cの表面の感圧接着剤層6の上には、隠蔽情報印刷5が施されている。このように構成された三つ折りハガキ1は、図4に示すように、折り線3a、3bにおいてZ型に折り込んで、各区画の重ね合わせ面の感圧接着剤層6同士を対接させ、ドライシーラーで圧力を印加することにより、感圧接着剤層6を介して各区画の重ね合わせ面同士が再剥離可能に接着される。ここで、図1、図2、図3では感圧接着剤層6の形成領域が、基体シート2の中央区画領域B及び右側区画領域Cの表面、又は基体シート2の左側区画領域A及び中央区画領域Bの裏面となっているが、左側区画領域Aの表面及び右側区画領域Cの裏面にも形成されていてもよい。
ドライシーラーとしては、例えば、対向する2個の金属ロールをロール面同士が非接触となるようにして備えたシール装置を用いることができる。折り込んだ基体シート2を、前記ロール面間を通過させて加圧することにより、シートの重ね合わせ面同士を、感圧接着剤層6を介して再剥離可能に接着することができる。シール装置としては、例えば「プレッスルマルチ」(商品名、トッパン・フォームズ社製)を好適に使用できる。
加圧の条件は前記ロール面間の隙間を変えることで調整し、シートの厚さによって適宜選択すれば良い。
なお、ここでは表裏二区画ずつ、合計四区画に感圧接着剤層を形成した場合について説明したが、感圧接着剤層をいかなる区画(面)に形成するかは、目的に応じて任意に設定でき、例えば、表裏全区画(面)の六区画に感圧接着剤層を形成してもよい。これは、以下に示すその他の実施形態においても同様である。
図5及び6に示す二つ折りハガキ11は、定型ハガキサイズの2倍のサイズを有する基体シート2から構成され、中央部の折り線3によって二つの領域に区画されるものである。左側区画領域Dの表面には、郵便番号、宛て名、住所等の宛て先情報印刷4が施されている。そして、基体シート2の左側区画領域D及び右側区画領域Eの裏面全体に、感圧接着剤用組成物が塗布及び乾燥され、再剥離可能な感圧接着剤層6が形成されている。そして、左側区画領域D及び右側区画領域Eの裏面の接着層6の上には、隠蔽情報印刷5が施されている。このように構成された二つ折りハガキ11は、上記の三つ折りハガキと同様に、図7に示すように、折り線3で折り込み、重ね合わせ面となる左側区画領域D及び右側区画領域E裏面の感圧接着剤層6同士を対接させ、圧力を印加することにより、感圧接着剤層6を介して各区画の重ね合わせ面同士が再剥離可能に接着される。
図8及び9に示す部分二つ折りハガキ21は、定型ハガキサイズの1.5倍のサイズを有する基体シート2から構成され、折り線3によってサイズが異なる左右2つの領域に区画されるものである。左側区画領域Fの表面には、郵便番号、宛て名、住所等の宛て先情報印刷4が施されている。そして、基体シート2の右側区画領域Gの裏面全体、及び区画領域Gを折り線3で折り込んだ際に重ね合わされる区画領域Fの一部裏面に、感圧接着剤用組成物が塗布及び乾燥され、再剥離可能な感圧接着剤層6が形成されている。そして、右側区画領域Gの裏面及び左側区画領域Fの前記一部裏面の感圧接着剤層6の上には、隠蔽情報印刷5が施されている。このように構成された部分二つ折りハガキ21は、上記の二つ折りハガキと同様に、図10に示すように、折り線3で折り込み、重ね合わせ面となる右側区画領域Gの裏面及び左側区画領域Fの前記一部裏面の感圧接着剤層6同士を対接させ、圧力を印加することにより、感圧接着剤層6を介して各区画の重ね合わせ面同士が再剥離可能に接着される。
これら実施形態においては、受取人が重ね合わせ面を再剥離させることにより、感圧接着剤層6の下に形成された隠蔽情報5を読み取ることができる。
本発明に係る再剥離性シートは、シートの重ね合わせ面に文字や画像等の各種情報を記録した秘匿情報記録シートとして好適である。また、ここでは、感圧圧着ハガキについて説明したが、基材となるシートの材質や形状、感圧接着剤層の形成部位等の構成を適宜最適に選択することで、種々の用途に適用できる。
以下、具体的実施例により、本発明についてより詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に、何ら限定されるものではない。
[実施例1]
(感圧接着剤組成物の調製)
天然ゴムにメタクリル酸メチルをグラフト重合させた変性ラテックス(接着剤基剤)100質量部に、非晶質シリカ(湿式シリカ、東ソー・シリカ社製「AY-8A2」及び「E200」の混合物)31質量部(固形分)、塩化カルシウム20質量部(固形分)、ポリアルキレンポリアミン-ジシアンジアミド縮合物(日華化学社製、NEOFIX E−117)20質量部(固形分)、スターチ(ロケット社製「アクチサイズCWH」)46質量部(固形分)、ポリビニルアルコール(クラレ社製「PVA117」)7質量部(固形分)、スチレンブタジエンラテックス4質量部(固形分)、アニオン性界面活性剤1.5質量部(固形分)を添加し、25℃で2時間混合して、感圧接着剤組成物を調製した。主な成分の配合量を表1に示す。
(再剥離性シートの作製)
基紙(日本製紙社製)上に、感圧接着剤組成物を、固形分の塗布量が約6g/mとなるようにワイヤーバーコーターを用いて塗布し、105℃で乾燥させ、厚さが9〜20μmである感圧接着剤層を形成して、再剥離性シートを得た。
[実施例2〜14、参考例1〜6、比較例1〜11]
感圧接着剤組成物の成分を表1に記載した配合量に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜14、参考例1〜6、比較例1〜11の再剥離性シートを得た。なお、表1には記載していないが、これらの再剥離性シートの作製に用いた感圧接着剤組成物中の、ポリビニルアルコール、スチレンブタジエンラテックス、アニオン性界面活性剤の配合量は、実施例1の再剥離性シートと同じであった。
表1中、「ジシアンジアミド」は、ポリアルキレンポリアミン-ジシアンジアミド縮合物(日華化学社製、NEOFIX E−117)を示し、「DADMAC」は、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドアクリルアミド共重合体(第4級アンモニウム基を有するカチオン性化合物、日東紡社製「PAS−J−81」)を示し、「アリルアミン」は、ポリ(N−メチルジアリルアミン塩酸塩)(第3級アンモニウム基を有するカチオン性化合物、日東紡社製「PAS−M−1」)を示し、「ポリウレタン」は、ポリウレタン系ポリマー(日華化学社製「NEOFIX IJ170」)を示す。
実施例1〜14、参考例1〜6、比較例1〜11の再剥離性シートについて、接着剤基剤の配合量(固形分)100質量部に対する多価金属塩の配合量(固形分)、接着剤基剤の配合量(固形分)100質量部に対するカチオンポリマーの配合量(固形分)及び接着剤基剤の配合量(固形分)100質量部に対する多価金属塩とカチオンポリマーの合計の配合量(固形分)を表2に示す。
(再剥離性シートの接着力の評価)
得られた再剥離性シートを、23℃、相対湿度50%の環境下に置いて12時間調湿した後、感圧接着剤層同士が接触するようにZ字状に三つ折りして試験片とし、この試験片をロールシーラー(トッパン・フォームズ社製「プレッスルマルチ」)で加圧し、シートの重ね合わせ面同士を接着した。このときの加圧は、ロールギャップを370μmに設定して行った。前記ロールシーラーは、対向する2個の金属ロールをロール面同士が非接触となるようにして備えたものであり、再剥離性シートは、このロール面間を通過させることにより加圧した。
さらに、この加圧後にロールシーラーから排出された試験片について、二組の重ね合わせ面(接着面)のうち、一方においてシート同士を剥離させ、残った他方の重ね合わせ面について、剥離試験機(島津製作所社製「オートグラフAGSH」)を用いて、剥離速度300mm/分でT型剥離を行い、このときの接着力を測定し、下記評価基準で評価した。結果を表3及に示す。表中、かっこ内に接着力の測定値(gf/25mm)を示す。また、同一の結果を表4にも示す。
接着力が80gf/25mm(0.78N/25mm)以上である:○
接着力が55gf/25mm(0.53N/25mm)以上、80gf/25mm未満である:△
接着力が55gf/25mm未満である:×
(感圧接着剤層のインクジェット印刷適性(インク乾燥性)の評価)
卓上インクジェットプリンタを用いて、再剥離性シートの感圧接着剤層上に、黒色顔料インク又は黒色染料インクを2cm×2cmのサイズでベタ印刷(単色印刷)した。
顔料インクについては、高温乾燥を備えた高速プリンターでの実用性を加味し、排紙直後からインクが乾燥するまでの時間(秒)を下記評価基準で評価した。インクの乾燥は室温(25℃)で自然乾燥により行い、乾燥したか否かは目視により判定した。
インクの吸収乾燥に要する時間が35秒未満:○
インクの吸収乾燥に要する時間が35秒以上45秒未満:△
インクの吸収乾燥に要する時間が45秒以上:×
染料インクについては、下記評価基準で排紙直後のインクの乾き具合を評価した。
インクが直ちに吸収乾燥した:○
インクが直ちには吸収乾燥せず、感圧接着剤層の表面が僅かに濡れた状態であった:△
インクが直ちには吸収乾燥せず、感圧接着剤層の表面にしばらくの間残った:×
顔料インクを用いた結果を表3に示し、染料インクを用いた結果を表4に示す。顔料インクについては、かっこ内に乾燥に要した時間(秒)を示す。
(感圧接着剤層のインクジェット印刷適性(発色濃度)の評価)
卓上インクジェットプリンタを用いて、再剥離性シートの感圧接着剤層上に、黒色顔料インク又は黒色染料インクを2cm×2cmのサイズでベタ印刷(単色印刷)した。続いて、反射濃度計(X−Rite)を用いて前記印刷部位の発色濃度を測定し、下記評価基準で発色濃度を評価した。顔料インクを用いた結果を表3に示し、染料インクを用いた結果を表4に示す。表中、かっこ内に発色濃度の測定値を示す。
発色濃度が1.0以上:○
発色濃度が0.9以上1.0未満:△
発色濃度が0.9未満:×
(感圧接着剤層のインクジェット印刷適性(耐水性)の評価)
卓上インクジェットプリンタを用いて、再剥離性シートの感圧接着剤層上に、黒色顔料インク又は黒色染料インクを幅2mmでライン印字(単色印刷)した。続いて、前記ライン上に10μLの水滴を滴下し、インクの溶出度合い(耐水性)を目視により下記評価基準で評価した。顔料インクを用いた結果を表3に示し、染料インクを用いた結果を表4に示す。
インクの溶出がない:○
インクの溶出が僅かに生じている:△
インクの溶出がはっきりと生じている:×
(感圧接着剤層のインクジェット印刷適性(耐擦過性)の評価)
卓上インクジェットプリンタを用いて、再剥離性シートの感圧接着剤層上に、黒色顔料インク又は黒色染料インクを幅2mmでライン印字(単色印刷)した。続いて、10μLの水滴を含ませたキムワイプで前記ラインを擦り、インクの剥がれ具合(耐擦過性)を目視により下記評価基準で評価した。顔料インクを用いた結果を表3に示し、染料インクを用いた結果を表4に示す。
インクの剥がれがないか、又はインクの剥がれがほとんど目立たない:○
インクの剥がれが僅かに認められる:△
インクの剥がれがはっきりと認められる:×
(総合評価)
顔料インク及び染料インクを用いた各場合について、再剥離性シートの接着力及びインクジェット印刷適性を総合評価した。評価基準としては、接着力、乾燥性、発色濃度、耐水性、耐擦過性のうち、一つでも「×」の評価があるものを「×」とした。
顔料インクを用いた場合においては、実施例1〜14及び参考例1〜6の再剥離性シートの総合評価が良好であり、インクジェット印刷適性とシートの重ね合わせ面の接着性に優れることが示された。
また、比較例8及び9の結果から、カチオンポリマーとして、第4級アンモニウム基を有するカチオン性化合物を使用した、従来の再剥離性シートは、シートの重ね合わせ面の接着力が低いことが示された。
Figure 2015189235
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Figure 2015189235
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本発明によれば、インクジェット印刷適性とシートの重ね合わせ面の接着性に優れた感圧接着剤層を備えた再剥離性シートを提供することができる。
1・・・三つ折りハガキ、2・・・基体シート、3,3a,3b・・・折り線、4・・・宛て先情報印刷、5・・・隠蔽情報印刷、6・・・感圧接着剤層、11・・・二つ折りハガキ、21・・・部分二つ折りハガキ。

Claims (1)

  1. シートの重ね合わせ面同士を、感圧接着剤層を介して再剥離可能に接着することができる再剥離性シートであって、
    前記感圧接着剤層が、接着剤基剤、シリカ微粒子、多価金属塩及びジシアンジアミド系カチオンポリマーが配合されてなる感圧接着剤組成物を用いて形成されたものであり、
    前記感圧接着剤組成物において、前記多価金属塩の配合量が、前記接着剤基剤の配合量100質量部に対して10〜55質量部であり、前記ジシアンジアミド系カチオンポリマーの配合量が、前記接着剤基剤の配合量100質量部に対して12.5〜40質量部であり、前記多価金属塩と前記ジシアンジアミド系カチオンポリマーの合計の配合量が、前記接着剤基剤の配合量100質量部に対して27質量部以上であることを特徴とする、再剥離性シート。
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