JP3537064B2 - インクジェット記録用シート - Google Patents

インクジェット記録用シート

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JP3537064B2
JP3537064B2 JP11037396A JP11037396A JP3537064B2 JP 3537064 B2 JP3537064 B2 JP 3537064B2 JP 11037396 A JP11037396 A JP 11037396A JP 11037396 A JP11037396 A JP 11037396A JP 3537064 B2 JP3537064 B2 JP 3537064B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、インクジェット
記録用シートに関し、さらに詳しくは、基材シートの少
なくとも片面に、インクジェットプリンターによる記録
が可能なインク受容層(受像層)が形成されたインクジ
ェット記録用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録は、インクをノズル
から噴出して微小な液滴をつくり、これを電気入力信号
に応じた画素として紙などの基材に付着させて、文字、
図形、画像パターンなどを形成する記録方式であり、低
雑音、高解像度、高速記録などの特徴を有している。イ
ンクジェット記録用のインクジェットプリンターは、印
字に必要な部品として、プリンターヘッドとインクカー
トリッジを備えているだけでよく、インクを定着させる
ための加熱ローラや感光体ドラムなどを必要としない。
インクジェットプリンターは、小型で低価格であること
に加えて、ヘッドの増設だけでカラー印字も簡単に打ち
出すことが可能である。インクジェット記録は、このよ
うな優れた特徴を有するため、パーソナルコンピュータ
やワードプロセッサーなどの印字に使用されているが、
最近では、複写機、ファクシミリ、プロッターなどの各
種出力機器への応用も図られている。また、インクジェ
ット記録における記録媒体としては、紙だけではなく、
布、ガラス、プラスチックなども検討されている。
【0003】近年、インクジェット記録方式の適用分野
のひとつとして、オーバーヘッドプロジェクター(OH
P)用の原紙が注目されている。すなわち、インクジェ
ット記録は、鮮明な絵柄を得ることができ、カラー印字
(多色化)も容易であることから、透明な合成樹脂シー
トに適用して、OHP用原紙として使用することが期待
されている。OHPは、各種の会議や学会、講演、説明
会、商品の宣伝等に利用されているが、これには、透明
な合成樹脂シートへの記録が必要である。ところが、O
HPの原紙用として使用されているポリエステルシート
などは、インクジェット記録用のインクを受容し難いと
いう問題点がある。
【0004】インクジェットプリンターでは、ジェット
ノズル部でのインクの乾燥によりインクの粘度が上昇し
て噴出不良となるのを防ぐために、乾燥し難いインクが
用いられている。インクジェット用インクは、一般に、
水溶性の染料、バインダー、添加剤等を水に溶解したも
のからなるため、疎水性の合成樹脂シート上では、イン
クの乾燥や定着が不良となる。インクジェットプリンタ
ーで印字を行うには、記録用シートとして、インクの水
分を急速に吸収して乾燥固化させる機能を有するものを
使用することが必要である。そこで、従来より、OHP
の分野では、透明な合成樹脂シートの表面に、急速な吸
水性を示すインク受容層を形成したものがインクジェッ
ト記録用シートとして使用されている。
【0005】インクジェット用インクに適したOHP用
の記録用シートとしては、透明な合成樹脂シート上に、
次のような特性を有するインク受容層が形成されている
ことが求められている。 インクの受容性、吸収乾燥性、定着性に優れているこ
と、 透明性が高いこと、 積層状態で保存しても、各シート間でブロッキングを
起こさないこと、 画像の端部をシャープに表現できるインクドットの適
度な広がりがあり、過度な滲みがないこと、 インクの発色が鮮明で、変色しないこと、及び 粘着性があったり、指紋跡等の付着がないこと。
【0006】従来、これらの目的を達成するために、例
えば、(1)透明性を有する支持体表面に、ポリビニル
ピロリドンを含有するインク受容層を設けたインクジェ
ット記録用シート(特開昭61−32788号公報)、
(2)透明な支持体上に、ポリビニルアルコールやゼラ
チンなどの水溶性樹脂とコロイダルシリカからなる透明
な層を設けた記録用シート(特開昭61−19389号
公報)、(3)透明な支持体上に、平均粒径1〜100
mμの超微粒子と平均粒径1〜20μの微粒子を含有す
る水溶性高分子の薄膜を設けた記録シート(特開昭61
−280983号公報)、(4)透明性フィルム上に、
ガラスビーズ、あるいは架橋ポリスチレン、ポリスチレ
ン、アクリル系樹脂などからなる粒径5〜50μmのマ
イクロビーズを透明性接着剤または高吸水性ポリマーを
含有させた透明性接着剤を用いて塗布したオーバーヘッ
ドプロジェクタ用フィルム(特開昭61−24494号
公報)などが提案されている。
【0007】しかしながら、ポリビニルピロリドンやポ
リビニルアルコールなどの水溶性高分子をインク受容層
とする膨潤型の記録用シートは、インクの固着能力が不
十分であるため、印字後の経時変化により画像のシャー
プさが低下するという欠点がある。また、膨潤型の記録
用シートは、吸湿により粘着性を持ち、ブロッキングす
るなど取扱性が低下する。水溶性高分子をバインダーと
して、コロイダルシリカやアルミナなどの無機充填剤を
高比率で混入し、ポーラスなインク受容層とした吸水型
の記録用シートは、透明性が劣ったり、受容層が脆くて
割れやすいという欠点がある。合成樹脂マイクロビーズ
を水溶性高分子からなるバインダーで結合固定してなる
インク受容層は、インクの吸収性は良いものの、インク
の定着性に劣り、滲みが多く、しかも受容層が脆くて割
れやすいという欠点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、基材
シートの少なくとも片面にインク受容層が形成されたイ
ンクジェット記録用シートであって、インク受容性、乾
燥性、定着性、ドットの再現性等の印字性に優れると共
に、インク受容層の被膜強度及び耐水性に優れ、しかも
インク受容層の透明性が顕著に改善されたインクジェッ
ト記録用シートを提供することにある。本発明者らは、
インク吸収型の無機微粒子をベースとしたインク受容層
に関する研究の過程で、基材シートの少なくとも片面
に、メトキシル基及びヒドロキシルプロポキシル基にて
エーテル化された水溶性セルロースエーテルからなるバ
インダーにより結合された平均粒子径200nm以下の
γ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子を含有するイン
ク受容層を形成することにより、優れた諸特性を有する
インクジェット記録用シートの得られることを見出し、
先に特許出願を行った(特願平7−219890号)。
その後、さらなる改良のための研究を行った結果、無機
微粒子として、γ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子
に加えて、非晶質シリカ微粒子を併用することにより、
インク受容層の透明性がより一層高まることを見出すに
至った。
【0009】非晶質シリカ微粒子としては、平均粒子径
20nm以下の1次粒子の2次凝集体を粉砕して得られ
た平均粒子径200nm以下のものが好ましい。また、
γ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子と非晶質シリカ
微粒子は、これらの2次凝集体混合物を平均粒子径が2
00nm以下になるまで粉砕して得られた混合無機微粒
子として使用することが好ましい。非晶質シリカ微粒子
の添加により透明性が向上する原因は、必ずしも明確で
はないが、水のような極性媒体中ではγ型酸化アルミニ
ウム微粒子はプラスに帯電し、非晶質シリカ微粒子はマ
イナスに帯電するため、両者が静電荷相互作用により引
き合って、粒子間の空隙が小さくなるためと推定され
る。本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至っ
たものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、基材シ
ートの少なくとも片面に、メトキシル基及びヒドロキシ
ルプロポキシル基にてエーテル化された水溶性セルロー
スエーテルからなるバインダーにより結合された(a)
平均粒子径200nm以下のγ型結晶形態の酸化アルミ
ニウム微粒子及び(b)平均粒子径20nm以下の1次
粒子の2次凝集体を粉砕して得られた平均粒子径200
nm以下の非晶質シリカ微粒子を含有するインク受容層
が形成されていることを特徴とするインクジェット記録
用シートが提供される。
【0011】本発明によれば、以下のような実施の態様
が提供される。 .(a)γ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子と
(b)非晶質シリカ微粒子との含有割合が、(a)γ型
結晶形態の酸化アルミニウム微粒子が80〜99重量%
で、(b)非晶質シリカが1〜20重量%である前記の
インクジェット記録用シート。 .(a)γ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子と
(b)非晶質シリカ微粒子とが、これらの2次凝集体混
合物を平均粒子径が200nm以下になるまで粉砕して
得られた混合無機微粒子である前記のインクジェット記
録用シート。 .(a)γ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子と
(b)非晶質シリカ微粒子とが、これらの2次凝集体混
合物を水中に分散させ、超音波ホモジナイザーまたは高
圧式ホモジナイザー等の粉砕手段によって、平均粒子径
が200nm以下になるまで粉砕して得られた混合無機
微粒子である前記のインクジェット記録用シート。 .水溶性セルロースエーテルが、メトキシル基19〜
30%及びヒドロキシルプロポキシル基4〜12%の割
合でエーテル化され、ねじれ振動型粘度計にて測定した
2%水溶液(20℃)の溶液粘度が2,000mPa・
s以上のものである前記のインクジェット記録用シー
ト。 .インク受容層が水溶性セルロースエーテルの水酸基
と反応性を有する架橋剤により架橋されている前記のイ
ンクジェット記録用シート。
【0012】
【発明の実施の形態】基材シート 本発明で使用する基材シートとしては、透明性、耐熱
性、寸法安定性、剛性などを備えた合成樹脂より形成さ
れたものが好ましく、例えば、ポリエステル(ポリエチ
レンテレフタレート)、セルローストリアセテート、ポ
リカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ
プロピレン、ポリイミド等から形成されたシート(フィ
ルムを含む)を挙げることができる。基材シートの厚み
は、通常、50〜250μm程度である。これらの中で
も、厚さ75〜180μmの延伸ポリエチレンテレフタ
レートフィルムが特に好ましい。基材シートは、通常、
無色透明であることが好ましいが、着色透明であっても
よく、また、OHP用に限らなければ、合成紙、コート
紙などの紙基材、あるいは透明性の悪い着色または白色
の合成樹脂シートを使用することもできる。所望によ
り、ガラス板を基材シートとして使用することもでき
る。基材シートには、必要に応じて、接着性を向上させ
るために、プライマー層を設けたり、コロナ放電加工を
行った後、その上に、インク受容層を形成してもよい。
インク受容層は、通常、基材シートの片面に形成する
が、所望により両面に形成してもよい。基材シートの両
面にインク受容層を設けると、カール防止効果が得られ
る。なお、基材シートの片面にインク受容層を形成し、
その反対面に、他の材質からなるカール防止層を設けて
もよい。
【0013】酸化アルミニウム微粒子 本発明では、平均粒子径200nm以下のγ型結晶形態
の酸化アルミニウム微粒子をインク受容層の主要な成分
として使用する。酸化アルミニウムには、種々の結晶形
態が存在するが、熱力学的に安定なα型と不安定なγ型
の2つの結晶形態に大別することができる。本発明に使
用するのは、γ型結晶形態の微粒子である。γ型は、結
晶学的に分類すると、さらにγグループとδグループに
分けることができるが、δグループの結晶形態を有する
微粒子の方が好ましい。γ型結晶形態の酸化アルミニウ
ムは、1次粒子の平均粒子径10nm程度にまで小さく
することが可能であるが、一般に、1次粒子は、2次凝
集形態を形成して数千〜数万nmにまで粒子径が大きく
なる。このような大粒子径の酸化アルミニウム粒子を使
用すると、インク受容層の印字性は良好であるものの、
透明性に欠けるものとなる。
【0014】平均粒子径が200nm以下の酸化アルミ
ニウム微粒子を得るには、通常、2次凝集形態にあるγ
型結晶形態の酸化アルミニウム粒子をビーズミルや超音
波ホモジナイザー、高圧式ホモジナイザー等の粉砕手段
によって、平均粒子径が200nm以下、好ましくは1
50nm以下、より好ましくは80〜120nm程度の
超微粒子になるまで粉砕する。平均粒子径が200nm
を越えると、インク受容層の透明性が低下する。粉砕手
段としては、超音波ホモジナイザーや高圧式ホモジナイ
ザーを用いた粉砕方式が好ましく、ビーズミル等の他の
粉砕方法では、γ型結晶形態の酸化アルミニウムが硬い
結晶であるために、粉砕容器からの混入物が入り込み易
く、透明性の低下原因となる。γ型結晶形態の酸化アル
ミニウム微粒子は、インク吸収性、乾燥性、定着性など
の印字性に優れており、これを超微粒子化することによ
り、高比率でインク受容層に含有させても、透明性に優
れた記録用シートを得ることができる。
【0015】非晶質シリカ微粒子 本発明では、γ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子と
共に、非晶質シリカ微粒子を併用する。非晶質シリカの
粒子は、1次粒子径を20nm以下、さらに5〜15n
m程度にまで小さくすることが可能であるが、通常は、
1次粒子は単独では存在せず、ふわふわとした網目構造
を持った数μmの粒子径の凝集体である2次粒子(2次
凝集体)を形成している。この2次凝集体は、BET法
による比表面積が100〜400m2/gの広い表面積
を有している。本発明では、透明性の観点から非晶質シ
リカ微粒子を使用する。非晶質シリカ微粒子を得るに
は、2次凝集体粒子を平均粒子径が200nm以下、好
ましくは150nm以下、より好ましくは80〜120
nm程度の超微粒子になるまで粉砕する。粉砕手段とし
ては、超音波ホモジナイザーや高圧式ホモジナイザー等
を用いた粉砕方法が好ましい。
【0016】非晶質シリカ粒子の2次凝集体の粉砕は、
単独で行ってもよいが、非晶質シリカ粒子を単独で微粒
子化した後、その粉砕液をγ型酸化アルミニウム粉砕液
と混合すると、両者の混ざりが悪く、安定して良好な結
果を得ることが困難である。そこで、γ型酸化アルミニ
ウム粒子の2次凝集体と非晶質シリカ粒子の2次凝集体
をイオン交換水に分散し、これらの2次凝集体混合物を
超音波ホモジナイザーまたは高圧式ホモジナイザー等の
粉砕手段によって、両者の平均粒子径が200nm以
下、好ましくは150nm以下、より好ましくは80〜
120nmになるまで粉砕することが好ましい。
【0017】これらの無機微粒子の平均粒子径は、細か
い程透明性が向上する傾向を示し、高い透明性を得るに
は、平均粒子径80〜120nmまで粉砕することが好
ましい。非晶質シリカ微粒子の量に比例して透明性は向
上するが、分散液の溶液粘度が急上昇するため、塗工性
が低下する。そこで、透明性向上効果と塗工性を勘案す
ると、γ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子と非晶質
シリカ微粒子との混合割合は、γ型結晶形態の酸化アル
ミニウム微粒子の割合を好ましくは80〜99重量%、
より好ましくは85〜95重量%とし、非晶質シリカ微
粒子の割合を好ましくは1〜20重量%、より好ましく
は5〜15重量%の範囲とすることが望ましい。
【0018】非晶質シリカ微粒子の添加により透明性が
向上する原因は、両者の静電荷相互作用により引き合っ
て、インク受容層の空隙が小さくなるためと推定され
る。酸化アルミニウム微粒子に非晶質シリカ微粒子を混
合・粉砕して得られた超微粒子を、水溶性セルロースエ
ーテルバインダーにて固着したインク受容層は、インク
吸収性、インク乾燥性、定着性等の印字性が優れてお
り、親水性である非晶質シリカ微粒子の添加により、透
明性がより向上する傾向を示す。親水性非晶質シリカ微
粒子の1次粒子の平均粒子径は、小さい程、透明性は向
上する傾向を示し、好ましくは20nm以下、より好ま
しくは5〜15nmである。したがって、透明性の観点
から、1次粒子の平均粒子径が20nm以下の非晶質シ
リカ粒子の2次凝集体を粉砕して得られた平均粒子径2
00nm以下の非晶質シリカ微粒子が特に好ましい。
【0019】水溶性セルロースエーテル 微粉砕したγ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子と非
晶質シリカ微粒子との混合物をインク受容層とするに
は、造膜性の良好なバインダーを選択することが重要で
ある。従来より一般にバインダーとして使用されている
ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、デンプ
ンやその誘導体等を用いた場合には、造膜性が悪く、割
れが発生したり、透明性が大幅に低下して、目的とする
透明性の良いインク受容層を得ることができない。本発
明では、水溶性セルロースエーテルの中の特定のグレー
ドのものを使用することにより、造膜性が良く、透明性
及び印字性の良いインク受容層を形成している。
【0020】すなわち、本発明では、バインダーとし
て、メトキシル基及びヒドロキシルプロポキシル基にて
エーテル化された水溶性セルロースエーテルを使用す
る。水溶性セルロースエーテルには、エーテル置換基の
種類と置換比率、及び分子量に相関する粘度グレードな
どの異なる多くの種類があるが、平均粒子径200nm
以下のγ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子と非晶質
シリカ微粒子との混合物のバインダーとしては、メトキ
シル基及びヒドロキシルプロポキシル基にてエーテル化
された水溶性セルロースエーテルが優れた特性を示す。
【0021】メトキシル基の割合は、通常、15〜35
%、好ましくは19〜30%で、ヒドロキシルプロポキ
シル基の割合は、通常、2〜20%、好ましくは4〜1
2%である。本発明で使用する水溶性セルロースエーテ
ルは、2重量%水溶液の溶液粘度(20℃)が2,00
0mPa・s以上の比較的高分子量のものであること
が、造膜性の観点から特に好ましい。水溶性セルロース
エーテルであっても、他の置換基にてエーテル化されて
いるものは、造膜性が悪く、良好なインク受容層を形成
することができない。
【0022】インク受容層 本発明のインク受容層は、γ型結晶形態の酸化アルミニ
ウム微粒子と非晶質シリカ微粒子とを含む混合無機微粒
子を、メトキシル基及びヒドロキシルプロポキシル基に
てエーテル化された水溶性セルロースエーテルからなる
バインダーにより、基材シートに固着したものである。
γ型結晶形態の酸化アルミニウムと非晶質シリカとの混
合無機微粒子に対する水溶性セルロースエーテルの配合
割合は、混合無機微粒子85〜97重量%で水溶性セル
ロースエーテルが3〜15重量%の範囲が好ましい。水
溶性セルロースエーテルの割合が大きすぎると印字性の
低下を招き、小さすぎると被膜強度が弱くなるため、い
ずれも好ましくない。本発明の目的を損なわない範囲に
おいて、前記特定の水溶性セルロースエーテルと共に、
汎用のバインダーを少量の割合で併用してもよい。
【0023】本発明のγ型結晶形態の酸化アルミニウム
と親水性の非晶質シリカとの混合無機微粒子と水溶性セ
ルロースエーテルを用いたインク受容層は、ポリビニル
アルコールやポリビニルピロリドン等の水溶性高分子を
主成分としたインク受容層と比較すると、耐水性に優れ
ているが、水溶性セルロースエーテルの残存水酸基と反
応可能な架橋剤を添加することにより、耐水性をさらに
向上させることができる。架橋剤としては、例えば、メ
ラミン・ホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド樹脂、エポ
キシ樹脂、ジアルデヒド澱粉等を挙げることができる。
架橋剤の使用割合は、架橋剤の種類や所望の架橋の度合
等によって適宜定めることができるが、水溶性セルロー
スエーテル100重量部に対して、通常、1〜20重量
部、好ましくは5〜15重量部である。また、この架橋
系に、5重量%以下の割合で高ケン化度(95%以上)
のポリビニルアルコールを併用すると、耐水性の向上効
果がより顕著になる。ただし、ポリビニルアルコールの
添加量が増えると、透明性がやや低下する傾向がみられ
るので、高度の透明性が必要な用途においては、必要最
小限の添加量に止めることが好ましい。
【0024】インク受容層を形成するには、各成分を分
散ないしは溶解させた水性分散液を調製し、これを基材
シートの少なくとも片面に塗工する。水性分散液(塗布
液)の好ましい調製手段としては、先ず、γ型結晶形態
の酸化アルミニウムと親水性非晶質シリカとの混合粒子
(2次凝集体)の水性分散液を調製し、この液を超音波
ホモジナイザーや高圧式ホモジナイザー等にて粉砕・撹
拌処理を行って、平均粒子径が200nm以下の無機微
粒子とし、次いで、この分散液に水溶性セルロースエー
テル、及び必要に応じてその他の成分を添加し、さらに
必要があれば、水を添加して固形分濃度を調整する。
【0025】基材シートの表面にインク受容層を塗工す
る手段としては、ロールコーター、エアナイフコータ
ー、ブレードコーター、ロッドコーター、バーコータ
ー、コンマコーター等を用いて塗布液を塗工し、熱風に
て乾燥する方法が採用できる。インク受容層の乾燥後の
厚さは、通常、5〜50μm、好ましくは10〜30μ
mである。インク受容層の厚さが薄すぎると、インク吸
収能力が不足となり、印字性が低下し、逆に、厚すぎる
と、被膜割れや透明性低下を招くおそれがあり、コスト
アップの要因にもなるため、いずれも好ましくない。
【0026】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明につ
いてより具体的に説明する。
【0027】[実施例1]γ型結晶形態の酸化アルミニ
ウム粉末であるアエロジルAl23・C〔日本アエロジ
ル(株)製〕540g及び非晶質シリカ粉末であるアエ
ロジル380〔日本アエロジル(株)製〕60gを、分
散安定剤として酢酸12gを溶解したイオン交換水24
00gに一方撹拌機にて撹拌して分散し、濃度20重量
%の分散液を調製した。この液を高圧式ホモジナイザー
であるゴーリンホモジナイザー15MR−8TA型〔同
栄商事(株)製〕にて、700kg/cm2の圧力で3
回粉砕して乳白色のスラリー状の粘稠状分散液を得た。
この分散液中に分散している無機微粒子の平均粒子径
は、90nmであった。この平均粒子径は、レーザー回
析/散乱式粒度分布測定装置LA−910〔堀場製作所
(株)製〕にて測定した。
【0028】インク受容層の塗布液の配合は、下記の通
りである。 <塗布液の配合処方A> 粉砕した無機微粒子(平均粒子径:90nm)・・・・92g(固形分) アエロジルAL23・C(γ型酸化アルミニウム微粒子)・・90重量% アエロジル380(非晶質シリカ微粒子、1次粒径:約7nm)10重量% 水溶性セルロースエーテル・・・・・・・・・・・・・8g(固形分) メトローズ60SH−10000〔信越化学工業(株)製〕:メトキシル基28 〜30%、ヒドロキシプロポキシル基7〜12%、粘度8〜12Pa・s(2% 水溶液、20℃) メラミン・ホルムアルデヒド樹脂(架橋剤)・・・・・0.5g(固形分) Sumirez Resin 613〔住友化学工業(株)製〕 イオン交換水・・・・・・・・・・固形分濃度10重量%に調整、溶液粘度: 3.4Pa・s(30℃) 100μm厚さの透明ポリエステルフィルム〔東洋紡エ
ステルフィルムA−4100、東洋紡績(株)製〕の片
面に、配合処方Aの塗布液を乾燥後の塗布厚さが25μ
mになるようにコンマコーターにて塗布して、110℃
で3分間の条件で乾燥してインク受容層が形成されたイ
ンクジェット記録用シートを得た。この記録用シート
は、透明性が良く、被膜強度も強いものであった。イン
クジェットプリンターMJ700V2C〔セーコー・エ
プソン(株)製〕にて印字試験を行った結果、インク受
容性、乾燥性、定着性が良好でドット再現性に優れ、滲
みもなかった。また、この記録用シートは、耐水性が良
好で、かつ、経日によっても画像のシャープさは変化し
なかった。
【0029】[実施例2]γ型結晶形態の酸化アルミニ
ウム粉末であるアエロジルAl23・C〔日本アエロジ
ル(株)製〕510g及び非晶質シリカ粉末であるアエ
ロジル380〔日本アエロジル(株)製〕90gを、分
散安定剤として酢酸12gを溶解したイオン交換水24
00gに一方撹拌機にて撹拌して分散し、濃度20重量
%の分散液を調製した。この液を高圧式ホモジナイザー
であるゴーリンホモジナイザー15MR−8TA型〔同
栄商事(株)製〕にて、700kg/cm2圧力で3回
粉砕して乳白色のスラリー状の粘稠状分散液を得た。こ
の分散液中に分散している無機微粒子の平均粒子径は、
92nmであった。平均粒子径は、レーザー回析/散乱
式粒度分布測定装置LA−910〔堀場製作所(株)
製〕にて測定した。
【0030】インク受容層の塗布液の配合は、下記の通
りである。 <塗布液の配合処方B> 粉砕した無機微粒子(平均粒子径:92nm)・・・・92g(固形分) アエロジルAL23・C(γ型酸化アルミニウム微粒子)・・85重量% アエロジル380(非晶質シリカ微粒子、1次粒径:約7nm)15重量% 水溶性セルロースエーテル・・・・・・・・・・・・・8g(固形分) メトローズ60SH−10000〔信越化学工業(株)製〕:メトキシル基28 〜30%、ヒドロキシプロポキシル基7〜12%、粘度8〜12Pa・s(2% 水溶液、20℃) メラミン・ホルムアルデヒド樹脂(架橋剤)・・・・・0.5g(固形分) Sumirez Resin 613〔住友化学工業(株)製〕 イオン交換水・・・・・・・・・・・固形分濃度8重量%に調整、溶液粘度: 5.2Pa・s(30℃) アエロジル380(非晶質シリカ微粒子)量を15重量
%に増やし、溶液粘度調整のため、イオン交換水量を増
やして固形分濃度を8重量%に下げた以外は実施例1と
同様にして配合処方Bの塗布液を調製した。この塗布液
は、塗工時の乾燥性がやや劣るものの、実施例1と同様
にして得られたインクジェット記録用シートは、透明性
が良く、被膜強度、印字性等は、実施例1のものと同様
に良好であった。
【0031】[実施例3]γ型結晶形態の酸化アルミニ
ウム粉末であるアエロジルAl23・C〔日本アエロジ
ル(株)製〕540g及び非晶質シリカ粉末であるアエ
ロジル200〔日本アエロジル(株)製〕60gを、分
散安定剤として酢酸12gを溶解したイオン交換水24
00gに一方撹拌機にて撹拌して分散し、濃度20重量
%の分散液を調製した。この液を高圧式ホモジナイザー
であるゴーリンホモジナイザー15MR−8TA型〔同
栄商事(株)製〕にて700kg/cm2圧力で3回粉
砕して乳白色のスラリー状の粘稠状分散液を得た。この
分散液中に分散している無機微粒子の平均粒子径は、1
02nmであった。平均粒子径は、レーザー回析/散乱
式粒度分布測定装置LA−910〔堀場製作所(株)
製〕にて測定した。
【0032】インク受容層の塗布液の配合は、下記の通
りである。 <塗布液の配合処方C> 粉砕した無機微粒子(平均粒子径:102nm)・・・・92g(固形分) アエロジルAL23・C(γ型酸化アルミニウム微粒子)・・90重量% アエロジル200(非晶質シリカ微粒子、1次粒径:約12nm)10重量% 水溶性セルロースエーテル・・・・・・・・・・・・・8g(固形分) メトローズ60SH−10000〔信越化学工業(株)製〕:メトキシル基28 〜30%、ヒドロキシプロポキシル基7〜12%、粘度8〜12Pa・s(2% 水溶液、20℃) メラミン・ホルムアルデヒド樹脂(架橋剤)・・・・・0.5g(固形分) Sumirez Resin 613〔住友化学工業(株)製〕 イオン交換水・・・・・・・・・・固形分濃度10重量%に調整、溶液粘度: 5.8Pa・s(30℃) 1次粒子径の異なる非晶質シリカ微粒子であるアエロジ
ル200を使用した以外は、実施例1と同様にして配合
処方Cの塗布液を調製し、インクジェット記録用シート
を作成した。この記録用シートは、実施例1のものよ
り、わずかに透明性は劣るものの、OHPシートとして
十分に使用できる透明性を示した。印字性等は、実施例
1のものと同様に良好であった。
【0033】[比較例1]γ型結晶形態の酸化アルミニ
ウム粉末であるアエロジルAl23・C〔日本アエロジ
ル(株)製〕540g及び非晶質シリカ粉末であるアエ
ロジルOX50〔日本アエロジル(株)製〕60gを、
分散安定剤として酢酸12gを溶解したイオン交換水2
400gに一方撹拌機にて撹拌して分散し、濃度20重
量%の分散液を調製した。この液を高圧式ホモジナイザ
ーであるゴーリンホモジナイザー15MR−8TA型
〔同栄商事(株)製〕にて、700kg/cm2圧力で
3回粉砕して乳白色のスラリー状の粘稠状分散液を得
た。この分散液中に分散している無機微粒子の平均粒子
径は、110nmであった。平均粒子径は、レーザー回
析/散乱式粒度分布測定装置LA−910〔堀場製作所
(株)製〕にて測定した。
【0034】インク受容層の塗布液の配合は、下記の通
りである。 <塗布液の配合処方D> 粉砕した無機微粒子(平均粒子径:110nm)・・・・92g(固形分) アエロジルAL23・C(γ型酸化アルミニウム微粒子)・・90重量% アエロジルOX50(非晶質シリカ微粒子、1次粒径:約40nm)10重量% 水溶性セルロースエーテル・・・・・・・・・・・・・8g(固形分) メトローズ60SH−10000〔信越化学工業(株)製〕:メトキシル基28 〜30%、ヒドロキシプロポキシル基7〜12%、粘度8〜12Pa・s(2% 水溶液、20℃) メラミン・ホルムアルデヒド樹脂(架橋剤)・・・・・0.5g(固形分) Sumirez Resin 613〔住友化学工業(株)製〕 イオン交換水・・・・・・・・・・固形分濃度10重量%に調整、溶液粘度: 5.4Pa・s(30℃) 非晶質シリカ微粒子を1次粒子径の大きなアエロジルO
X50に代えたこと以外は、実施例1と同様にして配合
処方Dの塗布液を調製し、インクジェット記録用シート
を作成した。この記録用シートは、透明性が劣るだけで
なく、インク滲みがあり、印字性も良好なものではなか
った。
【0035】[比較例2]γ型結晶形態の酸化アルミニ
ウム粉末であるアエロジルAl23・C〔日本アエロジ
ル(株)製〕540g及びコロイダルシリカ微粒子であ
るスノーテックスO〔日産化学(株)製〕60gを、分
散安定剤として酢酸12gを溶解したイオン交換水24
00gに一方撹拌機にて撹拌して分散し、濃度20重量
%の分散液を調製した。この液を高圧式ホモジナイザー
であるゴーリンホモジナイザー15MR−8TA型〔同
栄商事(株)製〕にて、700kg/cm2圧力で3回
粉砕して乳白色のスラリー状の粘稠状分散液を得た。こ
の分散液中に分散している無機微粒子の平均粒子径は、
90nmであった。平均粒子径は、レーザー回析/散乱
式粒度分布測定装置LA−910〔堀場製作所(株)
製〕にて測定した。
【0036】インク受容層の塗布液の配合は、下記の通
りである。 <塗布液の配合処方E> 粉砕した無機微粒子(平均粒子径:90nm)・・・・92g(固形分) アエロジルAL23・C(γ型酸化アルミニウム微粒子)・・90重量% スノーテックスO(コロイダルシリカ、1次粒径:10〜20nm)10重量% 水溶性セルロースエーテル・・・・・・・・・・・・・8g(固形分) メトローズ60SH−10000〔信越化学工業(株)製〕:メトキシル基28 〜30%、ヒドロキシプロポキシル基7〜12%、粘度8〜12Pa・s(2% 水溶液、20℃) メラミン/ホルムアルデヒド樹脂(架橋剤)・・・・・0.5g(固形分) Sumirez Resin 613〔住友化学工業(株)製〕 イオン交換水・・・・・・・・・・固形分濃度10重量%に調整、溶液粘度: 11.3Pa・s(30℃) 非晶質シリカ微粒子の代わりに、2次凝集体を形成して
いないコロイダルシリカ微粒子であるスノーテックスO
を使用した以外は、実施例1と同様にして配合処方Eの
塗布液を調製し、インクジェット記録用シートを作成し
た。この記録用シートは、透明性は良好であったが、滲
みが多く、インク吸収性、乾燥性等の印字性が悪かっ
た。
【0037】[比較例3]γ型結晶形態の酸化アルミニ
ウム粉末であるアエロジルAl23・C〔日本アエロジ
ル(株)製〕600gを、分散安定剤として酢酸12g
を溶解したイオン交換水2400gに一方撹拌機にて撹
拌して分散し、濃度20重量%の分散液を調製した。こ
の液を高圧式ホモジナイザーであるゴーリンホモジナイ
ザー15MR−8TA型〔同栄商事(株)製〕にて、7
00kg/cm2圧力で3回粉砕して乳白色のスラリー
状の粘ちょう状分散液を得た。この分散液中に分散して
いる無機微粒子の平均粒子径は、89nmであった。平
均粒子径は、レーザー回析/散乱式粒度分布測定装置L
A−910〔堀場製作所(株)製〕にて測定した。
【0038】インク受容層の塗布液の配合は、下記の通
りである。 <塗布液の配合処方F> 粉砕した無機微粒子(平均粒子径:89nm)・・・・100g(固形分) アエロジルAL23・C(γ型酸化アルミニウム微粒子) 水溶性セルロースエーテル・・・・・・・・・・・・・8g(固形分) メトローズ60SH−10000〔信越化学工業(株)製〕:メトキシル基28 〜30%、ヒドロキシプロポキシル基7〜12%、粘度8〜12Pa・s(2% 水溶液、20℃) メラミン・ホルムアルデヒド樹脂(架橋剤)・・・・・0.5g(固形分) Sumirez Resin 613〔住友化学工業(株)製〕 イオン交換水・・・・・・・・・・固形分濃度10重量%に調整、溶液粘度: 11.3Pa・s(30℃) 非晶質シリカ微粒子を添加せず、アエロジルAL23
Cのみを無機微粒子として使用した以外は、実施例1と
同様にして配合処方Fの塗布液を調製し、インクジェッ
ト記録用シートを作成した。この記録用シートは、印字
性、被膜強度及び耐水性は良好であるが、非晶質シリカ
微粒子を添加した系よりやや透明性が劣るものであっ
た。各物性の測定結果を表1に一括して示す。
【0039】
【表1】
【0040】<測定法> (1)透明性 透明性は、光透過率及びヘーズ(曇価)により判定し
た。光透過率 :カラーアナライザーTOPSCAN TC
−1800〔東京電色(株)製〕を用いて、380nm
波長の光の透過率(%)を透過法(2°視野)にて測定
した。光透過率(%)が高い程、透明性は高い。ヘーズ(曇価 ):JIS K−7105「プラスチッ
クの光学的特性試験法」に記載されたヘーズ(曇価)に
より測定した。良好な透明性を得るには、ヘーズが10
以下であることが好ましい。 (2)印字に関する評価 印字に関する評価は、セーコー・エプソン(株)製のイ
ンクジェットプリンターMJ−700V2Cにて、印字
性評価パターンを印字して行った。受容性・乾燥性 :印字直後に、ベタ印刷部分に指で触
っても、指にインクが付着しない場合を良好(○)、少
し付着する場合をやや良好(△)、付着する場合を不良
(×)と評価した。定着性 :印字後、インク受容層の上に紙を押し当てて
放置しても、紙面にインクが付着したり、経日により画
像が不鮮明になる等の変化が起きない場合を良好
(○)、紙面にインクが付着したり、経日により画像が
不鮮明になる等の変化が起こった場合を不良(×)と評
価した。ドットの再現性 :ドットの広がりを顕微鏡などで拡大
観察したとき、ドットの形状及び大きさが一定であり、
フェザリング等のない場合を良好(○)、ドットの形状
及び大きさが不定であり、フェザリング等のある場合を
不良(×)と評価した。滲み :ベタ印刷の色の境界の滲みや重ね印刷部分の滲
みを観察し、滲みがないかその程度が小さい場合を良好
(○)、滲みが認められる場合を不良(×)と評価し
た。経日変化 :印字後、6ケ月間室内放置したときの画像
の安定性、あるいは促進経日試験として、40℃で80
%RHの雰囲気下に一日放置した後の画像の安定性を評
価し、画像に変化がない場合を良好(○)、変化が認め
られる場合を不良(×)と評価した。 (3)耐水性 印字後、水中に3時間浸漬後、取り出して風乾した場
合、受像層の溶解及びインクの溶け出しがない場合を良
好(○)、少し溶解や溶け出しがある場合をやや良好
(△)、受像層の溶解及びインクの溶け出しがある場合
を(×)とした。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、基材シートの少なくと
も片面にインク受容層が形成されたインクジェット記録
用シートであって、透明性とインク受容層の強度に優れ
ると共に、インクの受容性、乾燥性、定着性、ドットの
再現性、耐水性などが良好で、インクの滲みや印字後の
経時変化がないインクジェット記録用シートが提供され
る。本発明のインクジェット記録用シートは、基材シー
トとして透明な合成樹脂シートを用いた場合に、オーバ
ーヘッドプロジェクター(OHP)用の記録用シートと
して特に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 和幸 東京都文京区関口二丁目3番3号 ニチ バン株式会社内 (72)発明者 水野 耕治 東京都文京区関口二丁目3番3号 ニチ バン株式会社内 (72)発明者 館野 英雄 東京都文京区関口二丁目3番3号 ニチ バン株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−89216(JP,A) 特開 平8−72387(JP,A) 特開 平9−48173(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材シートの少なくとも片面に、メトキ
    シル基及びヒドロキシルプロポキシル基にてエーテル化
    された水溶性セルロースエーテルからなるバインダーに
    より結合された(a)平均粒子径200nm以下のγ型
    結晶形態の酸化アルミニウム微粒子及び(b)平均粒子
    径20nm以下の1次粒子の2次凝集体を粉砕して得ら
    れた平均粒子径200nm以下の非晶質シリカ微粒子を
    含有するインク受容層が形成されていることを特徴とす
    るインクジェット記録用シート。
  2. 【請求項2】 (a)γ型結晶形態の酸化アルミニウム
    微粒子と(b)非晶質シリカ微粒子との含有割合が、
    (a)γ型結晶形態の酸化アルミニウム微粒子が80〜
    99重量%で、(b)非晶質シリカが1〜20重量%で
    ある請求項1記載のインクジェット記録用シート。
  3. 【請求項3】 水溶性セルロースエーテルが、メトキシ
    ル基19〜30%及びヒドロキシルプロポキシル基4〜
    12%の割合でエーテル化され、ねじれ振動型粘度計に
    て測定した2%水溶液(20℃)の溶液粘度が2,00
    0mPa・s以上のものである請求項1または2記載の
    インクジェット記録用シート。
  4. 【請求項4】 インク受容層が水溶性セルロースエーテ
    ルの水酸基と反応性を有する架橋剤により架橋されてい
    る請求項1ないしのいずれか1項に記載のインクジェ
    ット記録用シート。
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