JP2013151083A - バックリット用インクジェット記録材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】グリコール系インクで印字した場合に、高い透過濃度を示し、インク吸収性、インク乾燥性、および耐擦性に優れたバックリット用インクジェット記録材料を提供する。
【解決手段】グリコール系インクを用いて印字するバックリット用インクジェット記録材料であって、光透過性支持体上に少なくとも1層のインク受像層を有し、該インク受像層は平均粒子径1.3μm以上の無機微粒子、親水性バインダー、およびアクリル系樹脂エマルジョンを含有し、該アクリル系樹脂エマルジョンの含有量が該無機微粒子に対して0.5〜12.5質量%であるバックリット用インクジェット記録材料。
【選択図】なし
【解決手段】グリコール系インクを用いて印字するバックリット用インクジェット記録材料であって、光透過性支持体上に少なくとも1層のインク受像層を有し、該インク受像層は平均粒子径1.3μm以上の無機微粒子、親水性バインダー、およびアクリル系樹脂エマルジョンを含有し、該アクリル系樹脂エマルジョンの含有量が該無機微粒子に対して0.5〜12.5質量%であるバックリット用インクジェット記録材料。
【選択図】なし
Description
本発明は、グリコール系インクを用いて印字するバックリット用インクジェット記録材料に関し、詳しくは、グリコール系インクで印字した場合に高い透過濃度を示し、インク吸収性、インク乾燥性、及び耐擦性に優れたバックリット用インクジェット記録材料に関するものである。
近年、インクジェット記録技術の急速な革新により、インクジェットプリンターで、銀塩写真で得られる画質を凌駕するほどの品質が得られるようになり、オフィスユース、ホームユースプリンターとして急速に普及している。また、屋内広告または屋外広告などサイン・ディスプレーの分野でも急速に普及している。
インクジェットプリンターに使用されるインクは、染料インクと顔料インクに大別される。染料インクを用いた場合、優れた発色性があるという反面、耐水性、耐候性が劣るという欠点がある。一方、顔料インクを用いた場合、優れた耐水性、耐候性が得られる反面、染料インクに比べ発色性が劣るという欠点があった。しかし、近年の顔料分散技術の向上により染料インクに匹敵する優れた発色性が実現できるようになった。
また、インクジェットプリンターに使用されている顔料インクは、水系顔料インクと溶剤系顔料インクに大別される。
水系顔料インクは顔料の分散媒として水を主体としているため、臭気が少ないが、顔料の濃度を高くできず、印字濃度、色の鮮鋭さの点で劣る欠点がある。一方、溶剤系顔料インクは顔料をシクロヘキサノンまたはメチルエチルケトンを主体とする溶剤に分散させたインクであり、高濃度、色の鮮鋭さに優れ、またインク自体が優れた耐水性があるため、従来から広告、看板などの分野で普及している。しかしその反面、臭気がきつく取り扱い作業者の作業環境に与える影響が大きく、取り扱い者は有機溶剤取扱主任者であることが必要で、専門の廃棄設備も必要である。
これらの問題を解決する方法として、油性インクを使用したインクジェット方式が提案されている。油性インクとは、油溶性染料、有機顔料、無機顔料などをパラフィン類、エーテル類、アルコール類などの溶剤に溶解もしくは分散したインクである。しかし、油性インクを用いてインク受像層に画像を記録した場合、インク受像層中に残存する溶剤の乾燥性が悪く、長時間乾燥する必要があるため、作業効率を著しく低下させる問題を抱えている。
そこで、グリコールエーテルを主体とする溶剤に顔料を分散させたグリコール系インクが開発されている。具体的には、ポリオキシエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリオキシエチレングルコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテルなどのグリコールエーテルを主なる溶剤とし、インク100質量部に対し、グリコールエーテルを60質量部以上使用したものである。この溶剤系顔料インクは、臭気が少なく耐水性に優れるとともに、従来の溶剤インクの欠点を解消したものである。また、油性インクよりも記録後のインク受像層中に残存する溶剤の蒸発が早い利点がある。近年では、このグリコール系インクが普及しつつあるが、従来の溶剤系インクに比べると印字部を擦ると剥れ易いという課題があった。
一方、インクジェットプリンターやプロッターで印字した記録シートの利用分野として、コンピューターで作成した画像情報を透明な受像体に記録し、観察面とは反対の面から蛍光灯などで照射しディスプレーや看板などに利用するバックリットフィルム用途が挙げられる。この利用分野においては、高い印字濃度、耐候性が必要であり、グリコール系インクは最適に用いられる。
バックリット用インクジェット記録材料としては、例えば光透過性支持体上に平均粒子径が0.5μm未満の無機微粒子、親水性ポリマー、及び平均粒子径が0.5μm以上の無機顔料を含有し、インク受容層のJIS−K−7105で規定されるヘーズ値が25%以下であるバックリット用インクジェット記録材料が知られている(例えば特許文献1)。しかしながらグリコール系インクで印字した場合、十分な透過濃度(バックリット用に用いた場合の印字濃度)は得られなかった。
一方、グリコール系インクを用いて印字するグリコール系インク用インクジェット記録材料としては、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニルと酢酸ビニルと特定のアクリルモノマーとからなるアクリルモノマー共重合体、およびフィラーを含有するインクジェット記録材料が提案されている(例えば特許文献2)。また支持体上に平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子を用い、多孔質のインク受像層を設け、その上にウレタン系樹脂エマルジョンを含有する表面層を有するグリコール系インク用インクジェット記録材料(例えば特許文献3)や、アクリル系樹脂エマルジョンを含有する表面層を有するグリコール系インク用インクジェット記録材料が提案されている(例えば特許文献4〜6)。しかしながらいずれも、バックリット用インクジェット記録材料として用いるために光透過性支持体を利用した場合、透過濃度が低いという問題点があった。
他方、水性染料インクで印字し高湿環境下で保存した際に生じる画像の滲みを改善する目的で、平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子とケト基を有する樹脂バインダーを含有する多孔質のインク受像層中に含有せしめるカチオン性エマルションとして、スチレン−アクリル系重合体粒子が知られている(例えば特許文献7)。
本発明の目的は、グリコール系インクで印字した場合に高い透過濃度を示し、インク吸収性、インク乾燥性、及び耐擦性に優れたバックリット用インクジェット記録材料を提供することにある。
上記課題は、グリコール系インクを用いて印字するバックリット用インクジェット記録材料であって、光透過性支持体上に少なくとも1層のインク受像層を有し、該インク受像層は平均粒子径1.3μm以上の無機微粒子、親水性バインダー、およびアクリル系樹脂エマルジョンを含有し、該アクリル系樹脂エマルジョンの含有量が該無機微粒子に対して0.5〜12.5質量%であることを特徴とするバックリット用インクジェット記録材料によって達成される。
本発明により、グリコール系インクで印字した場合に高い透過濃度を示し、インク吸収性、インク乾燥性、及び耐擦性に優れたバックリット用インクジェット記録材料を提供することができる。
以下、本発明のバックリット用インクジェット記録材料について詳細に説明する。
本発明のバックリット用インクジェット記録材料が有する光透過性支持体としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレートのようなポリエステル樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、ニトロセルロース、セルロースアセテートのようなセルロースエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、セロハン、セルロイド等のプラスチック樹脂フィルムが挙げられる。特にポリエステルフィルムが耐熱性等の特性と価格で好ましく用いられる。これらの光透過性支持体の厚みは、カール性や取り扱い安さ等から150〜250μmであることが好ましい。なお、本発明における光透過性支持体の光透過性とは、全光線透過率が70%以上であることを意味する。
光透過性支持体の光透過性、色調を調整する場合には、例えば熱可塑性樹脂に無機微粒子等を配合して支持体を作製すればよいが、無機微粒子としては炭酸カルシウム、二酸化チタン、タルク、シリカや、カーボンブラック等の着色顔料等が利用できる。これらの成分は、光透過性支持体中に混練してもよいし、光透過性支持体上に塗布してもよい。
光透過性支持体に後述するプライマー層やインク受像層の塗布液を塗布する場合、塗布に先立って、光透過性支持体表面をコロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、プラズマ処理等を行うことができる。また、光透過性支持体上に合成樹脂を主体とするプライマー層を設けるのが好ましい。該プライマー層の上に、インク受像層の塗布液を塗布した後、冷却し、インク受像層を比較的低温で乾燥することによって、記録材料の光透過性が更に向上する。
光透過性支持体上に好ましく設けられるプライマー層は合成樹脂を主体とする。かかる合成樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニリデン、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、特にアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリウレタン樹脂が好ましい。アクリル樹脂としては、アクリル酸アルキルエステル及びメタクリル酸アルキルエステルの単独重合体あるいはこれらの共重合体が一般的である。ポリエステル樹脂としては、エチレングリコール、ジエチレングリコールのようなグリコール類と脂肪族あるいは芳香族二塩基酸等の多塩基酸との重縮合物が一般的である。塩化ビニリデン樹脂としては、単独重合体あるいはアクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル及び/またはアクリロニトリルとの共重合体が好ましい。ポリウレタン樹脂としては、水分散型ポリウレタンエマルジョンが好ましい。これらの樹脂は、有機溶剤の溶液あるいは水溶液として支持体上に塗布することができるが、好ましくは水分散性のポリマーであり、エマルジョンやラテックスとして光透過性支持体上に塗布することである。
これらの合成樹脂は、プライマー層を構成する全固形分に対して、好ましくは50質量%以上含有される。より好ましくは80質量%以上含有されるものである。更に、プライマー層には、界面活性剤、イソシアネート、エポキシ等の架橋剤、コロイダルシリカ等の微粒子、ゼラチン、ポリビニルアルコール等の水溶性ポリマーを含有することができる。
上記プライマー層は、支持体上に0.01〜5μmの膜厚で設けられることが好ましい。より好ましくは0.05〜5μmの範囲である。
本発明における光透過性支持体には帯電防止性、搬送性、カール防止性等のために、各種のバックコート層を設けることができる。バックコート層には無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテックス、硬化剤、界面活性剤等を適宜組み合わせて含有せしめることができる。
本発明においてインク受像層が含有する無機微粒子の平均粒子径は1.3μm以上であり、より好ましくは3.5〜9.0μmのものである。このような無機微粒子としては、非晶質合成シリカ、アルミナ、アルミナ水和物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、二酸化チタン等公知の各種微粒子が使用される。より大きい細孔容積が得られる点で非晶質合成シリカ、アルミナまたはアルミナ水和物が好ましく用いられる。本発明において無機微粒子の平均粒子径は、市販の粒度分布計を用いて測定できる。
非晶質合成シリカは、製造法によって湿式法シリカ、気相法シリカ、及びその他に大別することができる。湿式法シリカは、更に製造方法によって沈降法シリカ、ゲル法シリカ、ゾル法シリカに分類される。沈降法シリカはケイ酸ソーダと硫酸をアルカリ条件で反応させて製造され、粒子成長したシリカ粒子が凝集・沈降し、その後濾過、水洗、乾燥、粉砕・分級の行程を経て製品化される。沈降法シリカとしては、例えば東ソー・シリカ(株)からニップシールとして、(株)トクヤマからトクシールとして市販されている。ゲル法シリカはケイ酸ソーダと硫酸を酸性条件下で反応させて製造する。熟成中に微小粒子は溶解し、他の一次粒子同士を結合するように再析出するため、明確な一次粒子は消失し、内部空隙構造を有する比較的硬い凝集粒子を形成する。ゲル法シリカとしては例えば、東ソー・シリカ(株)からニップゲルとして、グレースジャパン(株)からサイロイド、サイロジェットとして市販されている。ゾル法シリカは、コロイダルシリカとも呼ばれ、ケイ酸ソーダの酸等による複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られ、例えば日産化学工業(株)からスノーテックスとして市販されている。気相法シリカは、湿式法に対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは日本アエロジル(株)からアエロジル、(株)トクヤマからQSタイプとして市販されている。本発明では平均粒子径が1.3μm以上の無機微粒子として湿式法シリカを用いることが好ましく、特に沈降法シリカ、ゲル法シリカを用いることが好ましい。
本発明において好ましく用いられる湿式法シリカは、カチオン性、アニオン性いずれの化合物の存在下で分散してもよいが、カチオン性化合物の存在下で分散するのが好ましい。分散方法としては、水性媒体中に分散したシリカを機械的に粉砕する湿式分散法が好ましく使用できる。具体的には、水中でののこぎり歯状ブレード型分散機、プロペラ羽根型分散機、またはローターステーター型分散機等の分散装置を用い、予備分散液を得た後に、機械的手段を与えることによって、湿式法シリカ微粒子分散液を得ることができる。機械的手段としては、公知の方法が使用でき、例えば、ボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、及び薄膜旋回型分散機等を使用することができる。
上記湿式法シリカの分散に使用するカチオン性化合物としては、カチオン性ポリマーを好ましく使用できる。カチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、アルキルアミン重合物、特開昭59−20696号公報、特開昭59−33176号公報、特開昭59−33177号公報、特開昭59−155088号公報、特開昭60−11389号公報、特開昭60−49990号公報、特開昭60−83882号公報、特開昭60−109894号公報、特開昭62−198493号公報、特開昭63−49478号公報、特開昭63−115780号公報、特開昭63−280681号公報、特開平1−40371号公報、特開平6−234268号公報、特開平7−125411号公報、特開平10−193776号公報等に記載された1〜3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポリマーが好ましく用いられる。特に、カチオン性ポリマーとしてジアリルアミン誘導体が好ましく用いられる。分散性及び分散液粘度の面で、これらのカチオン性ポリマーの質量平均分子量は2,000〜10万程度が好ましく、特に2,000〜3万程度が好ましい。
気相法シリカを用いる場合には、前記の湿式法シリカの分散と同様の方法が使用できる。また、分散剤として前記の湿式法シリカの分散に使用されるカチオン性ポリマーと同様のものが使用できる。
本発明に用いられるアルミナとしては、酸化アルミニウムのγ型結晶であるγ−アルミナが好ましく、中でもδグループ結晶が好ましい。γ−アルミナは一次粒子を10nm程度まで小さくすることが可能であるが、通常は数千から数万nmの二次粒子結晶を超音波や高圧ホモジナイザー、対向衝突型ジェット粉砕機等で粉砕したものが使用できる。
本発明に用いられるアルミナ水和物はAl2O3・nH2O(n=1〜3)の構成式で表される。本発明に使用されるアルミナ水和物はアルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等の公知の製造方法により得られる。
本発明に用いられる上記のアルミナ、及びアルミナ水和物は、カチオン性、アニオン性いずれの化合物の存在下で分散してもよい。カチオン性化合物としては、酢酸、乳酸、ぎ酸、硝酸、アミド硫酸、メタンスルホン酸等の公知の分散剤によって分散されたものが好ましく用いられる。
上記した無機微粒子の中から2種以上の無機微粒子を併用することもできる。例えば、ゲル法シリカと気相法シリカとの併用等が挙げられる。
本発明において無機微粒子と共にインク受像層を構成する親水性バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、ゼラチン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、デキストラン、デキストリン、カラギーナン(κ、ι、λ等)、寒天、プルラン、キトサン誘導体、カゼイン、大豆蛋白、水溶性ポリビニルブチラール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。これらバインダーは2種類以上併用することも可能である。バインダーの使用にあたっては、バインダーが保存中の湿度等により膨潤し、空隙を塞いでしまわないことが重要であり、この観点から比較的膨潤性の低いバインダーが好ましく用いられる。好ましいバインダーは完全または部分ケン化のポリビニルアルコール、及びゼラチンである。ポリビニルアルコールの中でも特に好ましいのは、ケン化度が80%以上の部分または完全ケン化したものである。平均重合度200以上5000以下のものが好ましい。また、バインダーとして各種エマルジョンやラテックスを使用してもよい。
本発明は、インク受像層を構成する上記バインダーと共に必要に応じ硬膜剤を用いることもできる。硬膜剤の具体的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチル)尿素、2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、米国特許第3,288,775号記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第3,635,718号記載の如き反応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第2,732,316号記載の如きN−メチロール化合物、米国特許第3,103,437号記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,017,280号、米国特許第2,983,611号記載の如きアジリジン化合物類、米国特許第3,100,704号記載の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,091,537号記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム、ホウ砂、ホウ酸、ホウ酸塩類の如き無機架橋剤等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
親水性バインダーとしてケン化度が80%以上の部分または完全ケン化したポリビニルアルコールを用いる場合には、硬膜剤としてホウ砂、ホウ酸、ホウ酸塩類が好ましく、ホウ酸が特に好ましい。また、親水性バインダーとしてゼラチンを用いる場合には、硬膜剤としてアルデヒド系化合物、ジビニルスルホン等が好ましく用いられる。
本発明においてインク受像層における親水性バインダーの含有量は、平均粒子径が1.3μm以上の無機微粒子に対して80質量%以下であることが好ましく、より好ましくは60質量%以下である。親水性バインダーが完全または部分ケン化のポリビニルアルコールである場合、平均粒子径が1.3μm以上の無機微粒子に対して5〜40質量%であることが好ましく、親水性バインダーがゼラチンである場合、平均粒子径が1.3μm以上の無機微粒子に対して30〜60質量%であることが好ましい。
また、インク受像層が含有する平均粒子径が1.3μm以上の無機微粒子の含有量は、インク受像層の全固形分に対して50質量%以上が好ましく、特に60質量%以上が好ましい。このようなインク受像層は、インク受像層内に微細な細孔を形成し、多孔質な層を形成するため、インク吸収性に優れるために好ましい。
本発明で用いるアクリル系樹脂エマルジョンとしては、樹脂エマルジョンの固形分100質量部に対してアクリル酸、メタクリル酸、及びこれらのエステルを重合成分として50質量部以上含むものである。例えばアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの単独重合エマルジョン、共重合体エマルジョンが挙げられ、更にアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルと酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、アクリルアミド、ウレタン等との共重合体エマルジョンが挙げられる。
上述したような本発明に用いられるアクリル系樹脂エマルジョンとしては、例えば大成ファインケミカル(株)製のアクリットUW520、アクリットUW319SX、アクリットSE1645E、アクリットWEM031U、アクリットWEM290Aが、三井化学(株)製のXMM−2029、XMM−2031が、中央理化工業(株)製のリカボンドFK−820が、(株)日本触媒製のアクリセットEX35、ST−200が、大同化成工業(株)製のE7584H等が市販されているので、これらを入手し用いることができる。
上述したような本発明に用いられるアクリル系樹脂エマルジョンの含有量は、平均粒子径が1.3μm以上の無機微粒子に対して0.5〜12.5質量%であることが必要である。0.5質量%未満の含有では、透過濃度の向上効果が見られず、また、12.5質量%を超えて含有させると、インク溶剤のインク吸収層への浸透を妨げ、インク乾燥性と耐擦性を悪化させる。アクリル系樹脂エマルジョンの好ましい含有量は、2.5〜8.0質量%である。
インク受像層には更に、カチオン性ポリマー、防腐剤、界面活性剤、着色染料、着色顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤等を添加することもできる。
本発明におけるインク受像層は、2層以上から構成されていてもよく、この場合、それらの受像層の構成はお互いに同じであっても異なっていてもよい。
本発明において、インク受像層の塗液を塗工する方法に特に制限は無く、スプレーガン方式、スライドビード方式、スライドカーテン方式、エクストルージョン方式、スロットダイ方式、グラビアロール方式、エアナイフ方式、ブレードコーティング方式、ロッドバーコーティング方式等各種の塗工方法を用いることができる。本発明のインク受像層の塗液を支持体上に塗工する量に特に制限は無いが、インク吸収性と経済性を両立させるためには通常、固形分として15〜50g/m2を塗工することが好ましい。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。なお、部及び%は、質量部及び質量%を示す。
厚み175μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(全光線透過率91%)上に、下記組成のプライマー層を乾燥膜厚が0.3μmになるように設けた。
<プライマー層>
塩化ビニリデン/メチルアクリレート/アクリル酸=90:9:1(質量%)のラテックス(質量平均分子量42000)
塩化ビニリデン/メチルアクリレート/アクリル酸=90:9:1(質量%)のラテックス(質量平均分子量42000)
(実施例1)
上述した光透過性支持体上のプライマー層表面に、インク受像層として、下記組成からなるインク受像層塗布液1を、スライドビード塗布装置を用いて、塗布量が固形分23g/m2になるように塗布、乾燥してインク受像層を設け、実施例1のインクジェット記録材料を作製した。
上述した光透過性支持体上のプライマー層表面に、インク受像層として、下記組成からなるインク受像層塗布液1を、スライドビード塗布装置を用いて、塗布量が固形分23g/m2になるように塗布、乾燥してインク受像層を設け、実施例1のインクジェット記録材料を作製した。
<ゲル法シリカ分散液1>
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9000)4部とゲル法シリカ(平均粒子径6μm)100部を添加し予備分散液を作製した後、高圧ホモジナイザーで処理して、固形分濃度16%のシリカ分散液を製造した。なお分散液中のシリカの平均粒子径に変化は無かった。
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9000)4部とゲル法シリカ(平均粒子径6μm)100部を添加し予備分散液を作製した後、高圧ホモジナイザーで処理して、固形分濃度16%のシリカ分散液を製造した。なお分散液中のシリカの平均粒子径に変化は無かった。
<インク受像層塗布液1>
ゲル法シリカ分散液1 (シリカ固形分として) 100部
ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500) 23部
ホウ酸 4部
アクリル樹脂エマルジョン(アクリットUW520、大成ファインケミカル(株)製)
1部
固形分濃度が13%になるように水で調整し、インク受像層塗布液1とした。
ゲル法シリカ分散液1 (シリカ固形分として) 100部
ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500) 23部
ホウ酸 4部
アクリル樹脂エマルジョン(アクリットUW520、大成ファインケミカル(株)製)
1部
固形分濃度が13%になるように水で調整し、インク受像層塗布液1とした。
(実施例2)
実施例1のインクジェット記録材料において、インク受像層塗布液1のアクリル樹脂エマルジョンの添加量を4部にした以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録材料を作製した。
実施例1のインクジェット記録材料において、インク受像層塗布液1のアクリル樹脂エマルジョンの添加量を4部にした以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録材料を作製した。
(実施例3)
実施例1のインクジェット記録材料において、インク受像層塗布液1のアクリル樹脂エマルジョンの添加量を5部にした以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録材料を作製した。
実施例1のインクジェット記録材料において、インク受像層塗布液1のアクリル樹脂エマルジョンの添加量を5部にした以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録材料を作製した。
(実施例4)
実施例1のインクジェット記録材料において、インク受像層塗布液1のアクリル樹脂エマルジョンの添加量を6部にした以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録材料を作製した。
実施例1のインクジェット記録材料において、インク受像層塗布液1のアクリル樹脂エマルジョンの添加量を6部にした以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録材料を作製した。
(実施例5)
実施例1のインクジェット記録材料において、インク受像層塗布液1のアクリル樹脂エマルジョンの添加量を10部にした以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録材料を作製した。
実施例1のインクジェット記録材料において、インク受像層塗布液1のアクリル樹脂エマルジョンの添加量を10部にした以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録材料を作製した。
(実施例6)
実施例1のインクジェット記録材料において、インク受像層塗布液1の代わりに下記インク受像層塗布液2を用い塗布、乾燥した以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録材料を作製した。
実施例1のインクジェット記録材料において、インク受像層塗布液1の代わりに下記インク受像層塗布液2を用い塗布、乾燥した以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録材料を作製した。
<沈降法シリカ分散液1>
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9000)4部と沈降法シリカ(平均粒子径6μm)100部を添加し予備分散液を作製した後、高圧ホモジナイザーで処理して、固形分濃度16%のシリカ分散液を製造した。なお分散液中のシリカの平均粒子径に変化は無かった。
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9000)4部と沈降法シリカ(平均粒子径6μm)100部を添加し予備分散液を作製した後、高圧ホモジナイザーで処理して、固形分濃度16%のシリカ分散液を製造した。なお分散液中のシリカの平均粒子径に変化は無かった。
<インク受像層塗布液2>
沈降法シリカ分散液1 (シリカ固形分として) 100部
ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500) 23部
ホウ酸 4部
アクリル樹脂エマルジョン(アクリットUW520、大成ファインケミカル(株)製)
5部
固形分濃度が13%になるように水で調整し、インク受像層塗布液2とした。
沈降法シリカ分散液1 (シリカ固形分として) 100部
ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500) 23部
ホウ酸 4部
アクリル樹脂エマルジョン(アクリットUW520、大成ファインケミカル(株)製)
5部
固形分濃度が13%になるように水で調整し、インク受像層塗布液2とした。
(実施例7)
実施例1のインクジェット記録材料において、インク受像層塗布液1の代わりに下記インク受像層塗布液3を用い塗布、乾燥した以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録材料を作製した。
実施例1のインクジェット記録材料において、インク受像層塗布液1の代わりに下記インク受像層塗布液3を用い塗布、乾燥した以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録材料を作製した。
<沈降法シリカ分散液2>
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9000)4部と沈降法シリカ(平均粒子径2μm)100部を添加し予備分散液を作製した後、高圧ホモジナイザーで処理して、固形分濃度16%のシリカ分散液を製造した。なお分散液中のシリカの平均粒子径に変化は無かった。
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9000)4部と沈降法シリカ(平均粒子径2μm)100部を添加し予備分散液を作製した後、高圧ホモジナイザーで処理して、固形分濃度16%のシリカ分散液を製造した。なお分散液中のシリカの平均粒子径に変化は無かった。
<インク受像層塗布液3>
沈降法シリカ分散液2 (シリカ固形分として) 100部
ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500) 23部
ホウ酸 4部
アクリル樹脂エマルジョン(アクリットUW520、大成ファインケミカル(株)製)
5部
固形分濃度が13%になるように水で調整し、インク受像層塗布液3とした。
沈降法シリカ分散液2 (シリカ固形分として) 100部
ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500) 23部
ホウ酸 4部
アクリル樹脂エマルジョン(アクリットUW520、大成ファインケミカル(株)製)
5部
固形分濃度が13%になるように水で調整し、インク受像層塗布液3とした。
(実施例8)
実施例1のインクジェット記録材料において、インク受像層塗布液1の代わりに下記インク受像層塗布液4を用い塗布、乾燥した以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録材料を作製した。
実施例1のインクジェット記録材料において、インク受像層塗布液1の代わりに下記インク受像層塗布液4を用い塗布、乾燥した以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録材料を作製した。
<ゲル法シリカ分散液2>
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9000)4部とゲル法シリカ(平均粒子径3μm)100部を添加し予備分散液を作製した後、高圧ホモジナイザーで処理して、固形分濃度16%のシリカ分散液を製造した。なお分散液中のシリカの平均粒子径に変化は無かった。
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9000)4部とゲル法シリカ(平均粒子径3μm)100部を添加し予備分散液を作製した後、高圧ホモジナイザーで処理して、固形分濃度16%のシリカ分散液を製造した。なお分散液中のシリカの平均粒子径に変化は無かった。
<インク受像層塗布液4>
ゲル法シリカ分散液2 (シリカ固形分として) 100部
ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500) 23部
ホウ酸 4部
アクリル樹脂エマルジョン(アクリットUW520、大成ファインケミカル(株)製)
5部
固形分濃度が13%になるように水で調整し、インク受像層塗布液4とした。
ゲル法シリカ分散液2 (シリカ固形分として) 100部
ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500) 23部
ホウ酸 4部
アクリル樹脂エマルジョン(アクリットUW520、大成ファインケミカル(株)製)
5部
固形分濃度が13%になるように水で調整し、インク受像層塗布液4とした。
(実施例9)
実施例1のインクジェット記録材料において、インク受像層塗布液1の代わりに下記インク受像層塗布液5を用い塗布、乾燥した以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録材料を作製した。
実施例1のインクジェット記録材料において、インク受像層塗布液1の代わりに下記インク受像層塗布液5を用い塗布、乾燥した以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録材料を作製した。
<ゲル法シリカ分散液3>
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9000)4部とゲル法シリカ(平均粒子径4μm)100部を添加し予備分散液を作製した後、高圧ホモジナイザーで処理して、固形分濃度16%のシリカ分散液を製造した。なお分散液中のシリカの平均粒子径に変化は無かった。
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9000)4部とゲル法シリカ(平均粒子径4μm)100部を添加し予備分散液を作製した後、高圧ホモジナイザーで処理して、固形分濃度16%のシリカ分散液を製造した。なお分散液中のシリカの平均粒子径に変化は無かった。
<インク受像層塗布液5>
ゲル法シリカ分散液3 (シリカ固形分として) 100部
ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500) 23部
ホウ酸 4部
アクリル樹脂エマルジョン(アクリットUW520、大成ファインケミカル(株)製)
5部
固形分濃度が13%になるように水で調整し、インク受像層塗布液5とした。
ゲル法シリカ分散液3 (シリカ固形分として) 100部
ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500) 23部
ホウ酸 4部
アクリル樹脂エマルジョン(アクリットUW520、大成ファインケミカル(株)製)
5部
固形分濃度が13%になるように水で調整し、インク受像層塗布液5とした。
(実施例10)
実施例1のインクジェット記録材料において、インク受像層塗布液1の代わりに下記インク受像層塗布液6を用い塗布、乾燥した以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録材料を作製した。
実施例1のインクジェット記録材料において、インク受像層塗布液1の代わりに下記インク受像層塗布液6を用い塗布、乾燥した以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録材料を作製した。
<ゲル法シリカ分散液4>
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9000)4部とゲル法シリカ(平均粒子径12μm)100部を添加し予備分散液を作製した後、高圧ホモジナイザーで処理して、固形分濃度16%のシリカ分散液を製造した。なお分散液中のシリカの平均粒子径に変化は無かった。
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9000)4部とゲル法シリカ(平均粒子径12μm)100部を添加し予備分散液を作製した後、高圧ホモジナイザーで処理して、固形分濃度16%のシリカ分散液を製造した。なお分散液中のシリカの平均粒子径に変化は無かった。
<インク受像層塗布液6>
ゲル法シリカ分散液4 (シリカ固形分として) 100部
ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500) 23部
ホウ酸 4部
アクリル樹脂エマルジョン(アクリットUW520、大成ファインケミカル(株)製)
5部
固形分濃度が13%になるように水で調整し、インク受像層塗布液6とした。
ゲル法シリカ分散液4 (シリカ固形分として) 100部
ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500) 23部
ホウ酸 4部
アクリル樹脂エマルジョン(アクリットUW520、大成ファインケミカル(株)製)
5部
固形分濃度が13%になるように水で調整し、インク受像層塗布液6とした。
(実施例11)
実施例1のインクジェット記録材料において、インク受像層塗布液1の代わりに下記インク受像層塗布液7を用い塗布、乾燥した以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録材料を作製した。
実施例1のインクジェット記録材料において、インク受像層塗布液1の代わりに下記インク受像層塗布液7を用い塗布、乾燥した以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録材料を作製した。
<インク受像層塗布液7>
ゲル法シリカ分散液1 (シリカ固形分として) 100部
ゼラチン(IK2000、ニッカゼラチン(株)製) 50部
アクリル樹脂エマルジョン(アクリットUW520、大成ファインケミカル(株)製)
5部
硬膜剤(ジビニルスルホン) 8部
固形分濃度が13%になるように水で調整し、インク受像層塗布液7とした。
ゲル法シリカ分散液1 (シリカ固形分として) 100部
ゼラチン(IK2000、ニッカゼラチン(株)製) 50部
アクリル樹脂エマルジョン(アクリットUW520、大成ファインケミカル(株)製)
5部
硬膜剤(ジビニルスルホン) 8部
固形分濃度が13%になるように水で調整し、インク受像層塗布液7とした。
(実施例12)
実施例1のインクジェット記録材料において、インク受像層塗布液1のアクリル樹脂エマルジョンをリカボンドFK−820(中央理化工業(株)製)にした以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録材料を作製した。
実施例1のインクジェット記録材料において、インク受像層塗布液1のアクリル樹脂エマルジョンをリカボンドFK−820(中央理化工業(株)製)にした以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録材料を作製した。
(比較例1)
実施例1のインクジェット記録材料において、インク受像層塗布液1の代わりに下記インク受像層塗布液8を用い塗布、乾燥した以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録材料を作製した。
実施例1のインクジェット記録材料において、インク受像層塗布液1の代わりに下記インク受像層塗布液8を用い塗布、乾燥した以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録材料を作製した。
<気相法シリカ分散液1>
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9000)4部と気相法シリカ(平均一次粒子径7nm、比表面積300m2/g)100部を添加し予備分散液を作製した後、高圧ホモジナイザーで処理して、固形分濃度20%のシリカ分散液を製造した。平均粒子径は、粒度分布計(LA920、(株)堀場製作所製)を用いて測定すると130nmであった。
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9000)4部と気相法シリカ(平均一次粒子径7nm、比表面積300m2/g)100部を添加し予備分散液を作製した後、高圧ホモジナイザーで処理して、固形分濃度20%のシリカ分散液を製造した。平均粒子径は、粒度分布計(LA920、(株)堀場製作所製)を用いて測定すると130nmであった。
<インク受像層塗布液8>
気相法シリカ分散液1 (シリカ固形分として) 100部
ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500) 23部
ホウ酸 4部
アクリル樹脂エマルジョン(アクリットUW520、大成ファインケミカル(株)製)
5部
固形分濃度が13%になるように水で調整し、インク受像層塗布液8とした。
気相法シリカ分散液1 (シリカ固形分として) 100部
ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500) 23部
ホウ酸 4部
アクリル樹脂エマルジョン(アクリットUW520、大成ファインケミカル(株)製)
5部
固形分濃度が13%になるように水で調整し、インク受像層塗布液8とした。
(比較例2)
実施例1のインクジェット記録材料において、インク受像層塗布液1の代わりに下記インク受像層塗布液9を用い塗布、乾燥した以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録材料を作製した。
実施例1のインクジェット記録材料において、インク受像層塗布液1の代わりに下記インク受像層塗布液9を用い塗布、乾燥した以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録材料を作製した。
<ゲル法シリカ分散液5>
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9000)4部と沈降法シリカ(平均粒子径9μm)100部を添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機(周速30m/s)を使用して予備分散液を作製した。次に得られた予備分散液をビーズミルで処理して、固形分濃度30%の沈降法シリカ分散液を得た。平均粒子径は0.6μmであった。
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9000)4部と沈降法シリカ(平均粒子径9μm)100部を添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機(周速30m/s)を使用して予備分散液を作製した。次に得られた予備分散液をビーズミルで処理して、固形分濃度30%の沈降法シリカ分散液を得た。平均粒子径は0.6μmであった。
<インク受像層塗布液9>
ゲル法シリカ分散液5 (シリカ固形分として) 100部
ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500) 23部
ホウ酸 4部
アクリル樹脂エマルジョン(アクリットUW520、大成ファインケミカル(株)製)
5部
固形分濃度が13%になるように水で調整し、インク受像層塗布液9とした。
ゲル法シリカ分散液5 (シリカ固形分として) 100部
ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500) 23部
ホウ酸 4部
アクリル樹脂エマルジョン(アクリットUW520、大成ファインケミカル(株)製)
5部
固形分濃度が13%になるように水で調整し、インク受像層塗布液9とした。
(比較例3)
実施例1のインクジェット記録材料において、インク受像層塗布液1のアクリル樹脂エマルジョンの添加量を15部にした以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録材料を作製した。
実施例1のインクジェット記録材料において、インク受像層塗布液1のアクリル樹脂エマルジョンの添加量を15部にした以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録材料を作製した。
(比較例4)
実施例1のインクジェット記録材料において、インク受像層塗布液1のアクリル樹脂エマルジョンをウレタン樹脂エマルジョン(パテラコールEX−4G、DIC(株)製)にした以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録材料を作製した。
実施例1のインクジェット記録材料において、インク受像層塗布液1のアクリル樹脂エマルジョンをウレタン樹脂エマルジョン(パテラコールEX−4G、DIC(株)製)にした以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録材料を作製した。
(比較例5)
実施例1のインクジェット記録材料において、インク受像層塗布液1のアクリル樹脂エマルジョンを塩化ビニル樹脂エマルジョン(ビニブラン985、日信化学工業(株)製)にした以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録材料を作製した。
実施例1のインクジェット記録材料において、インク受像層塗布液1のアクリル樹脂エマルジョンを塩化ビニル樹脂エマルジョン(ビニブラン985、日信化学工業(株)製)にした以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録材料を作製した。
(比較例6)
実施例1のインクジェット記録材料において、インク受像層塗布液1のアクリル樹脂エマルジョンを塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂エマルジョン(スミカフレックス830、住友化学(株)製)にした以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録材料を作製した。
実施例1のインクジェット記録材料において、インク受像層塗布液1のアクリル樹脂エマルジョンを塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂エマルジョン(スミカフレックス830、住友化学(株)製)にした以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録材料を作製した。
(比較例7)
実施例1のインクジェット記録材料において、インク受像層塗布液1のアクリル樹脂エマルジョンを用いなかった以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録材料を作製した。
実施例1のインクジェット記録材料において、インク受像層塗布液1のアクリル樹脂エマルジョンを用いなかった以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録材料を作製した。
<評価方法>
実施例1〜12、比較例1〜7で得られたインクジェット記録材料を、以下に示す方法によって評価した。
実施例1〜12、比較例1〜7で得られたインクジェット記録材料を、以下に示す方法によって評価した。
<透過濃度評価>
得られたインクジェット記録材料に、20℃、65%RHの条件でインクジェットプリンター(XJ−540:ローランド社製)で、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー各色のベタ画像を印字し、目視にて評価した。カラー写真並の鮮やかさがあるものを○、若干くすみがあるものを△、非常にくすみのあるものを×とした。本発明において、透過濃度に優れるとは、△以上の評価である。
得られたインクジェット記録材料に、20℃、65%RHの条件でインクジェットプリンター(XJ−540:ローランド社製)で、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー各色のベタ画像を印字し、目視にて評価した。カラー写真並の鮮やかさがあるものを○、若干くすみがあるものを△、非常にくすみのあるものを×とした。本発明において、透過濃度に優れるとは、△以上の評価である。
<インク吸収性評価>
得られたインクジェット記録材料に、20℃、65%RHの条件でインクジェットプリンター(XJ−540:ローランド社製)で、レッド、グリーン、ブルー各色のベタ画像を印字し、インクの溢れ具合を目視評価した。全くインク溢れのないものを○、ややインク溢れのあるものを△、明らかにインク溢れのあるものを×とした。本発明において、インク吸収性に優れるとは、△以上の評価である。
得られたインクジェット記録材料に、20℃、65%RHの条件でインクジェットプリンター(XJ−540:ローランド社製)で、レッド、グリーン、ブルー各色のベタ画像を印字し、インクの溢れ具合を目視評価した。全くインク溢れのないものを○、ややインク溢れのあるものを△、明らかにインク溢れのあるものを×とした。本発明において、インク吸収性に優れるとは、△以上の評価である。
<インク乾燥性評価>
得られたインクジェット記録材料に、20℃、65%RHの条件でインクジェットプリンター(XJ−540:ローランド社製)で、ブラックのベタ画像を印字し、30秒後に印字面にPPC用紙を重ねて軽く圧着し、剥がしてPPC用紙へのインクの裏写りを評価した。全く裏写りのないものを○、やや裏写りのあるものを△、明らかに裏写りのあるものを×とした。本発明において、インク乾燥性に優れるとは、△以上の評価である。
得られたインクジェット記録材料に、20℃、65%RHの条件でインクジェットプリンター(XJ−540:ローランド社製)で、ブラックのベタ画像を印字し、30秒後に印字面にPPC用紙を重ねて軽く圧着し、剥がしてPPC用紙へのインクの裏写りを評価した。全く裏写りのないものを○、やや裏写りのあるものを△、明らかに裏写りのあるものを×とした。本発明において、インク乾燥性に優れるとは、△以上の評価である。
<耐擦性評価>
得られたインクジェット記録材料に、20℃、65%RHの条件でインクジェットプリンター(XJ−540:ローランド社製)で、ブラックのベタ画像を印字し、3cm×4cmに切り取り、印字面とは反対面を1200gのおもりに貼り付けた。このおもりに貼り付けられたサンプルを、印字面を下にしてPPC用紙の上にのせて、50cm/minの速度でおもりに貼り付けられたサンプルを20cm引っ張り、印字部の画像の乱れとPPC用紙への転写度合いを目視にて評価した。全く転写がないものを○、やや転写があるものを△、明らかに転写があるものを×とした。本発明において、耐擦性に優れるとは、△以上の評価である。
得られたインクジェット記録材料に、20℃、65%RHの条件でインクジェットプリンター(XJ−540:ローランド社製)で、ブラックのベタ画像を印字し、3cm×4cmに切り取り、印字面とは反対面を1200gのおもりに貼り付けた。このおもりに貼り付けられたサンプルを、印字面を下にしてPPC用紙の上にのせて、50cm/minの速度でおもりに貼り付けられたサンプルを20cm引っ張り、印字部の画像の乱れとPPC用紙への転写度合いを目視にて評価した。全く転写がないものを○、やや転写があるものを△、明らかに転写があるものを×とした。本発明において、耐擦性に優れるとは、△以上の評価である。
評価結果について、表1に示した。なお表中「−」は、記録材料が全てのインクを吸収することができず、個々の評価ができなかったことを表す。
表1より、本発明にかかる実施例1〜12のインクジェット記録材料は、高い透過濃度を示し、インク吸収性、インク乾燥性、及び耐擦性の全てに優れる。一方、本発明に該当しない比較例1〜7のインクジェット記録材料は、本発明にかかる全ての効果を満足することができない。無機微粒子として、平均粒子径の小さい無機微粒子を用いた比較例1、2においては、透過濃度、耐擦性に劣り、アクリル系樹脂エマルジョンの添加量を増加した比較例3においては、全てのインク吸収することなく、満足できる画像を形成することができなかった。アクリル系樹脂エマルジョンの代わりにスチレン樹脂エマルジョン、塩化ビニル樹脂エマルジョン、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂エマルジョンを用いた比較例4〜6においては満足できる透過濃度を有する画像は得られず、アクリル系樹脂エマルジョンを含有しない比較例7においても満足できる透過濃度を有する画像は得られなかった。
Claims (1)
- グリコール系インクを用いて印字するバックリット用インクジェット記録材料であって、光透過性支持体上に少なくとも1層のインク受像層を有し、該インク受像層は平均粒子径1.3μm以上の無機微粒子、親水性バインダー、およびアクリル系樹脂エマルジョンを含有し、該アクリル系樹脂エマルジョンの含有量が該無機微粒子に対して0.5〜12.5質量%であることを特徴とするバックリット用インクジェット記録材料。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017114969A (ja) * | 2015-12-22 | 2017-06-29 | 富士ゼロックス株式会社 | 塗工液、塗工液カートリッジ、記録媒体、記録媒体製造装置、及び記録媒体製造方法 |
KR20220169799A (ko) * | 2021-06-21 | 2022-12-28 | 주식회사 두리코씨앤티 | 내수성 및 내용제성이 우수한 잉크젯 프린터용 기록 필름 및 그의 제조방법 |
-
2012
- 2012-01-24 JP JP2012012157A patent/JP2013151083A/ja active Pending
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