JP5343192B2 - インク受容層形成用組成物 - Google Patents
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Description
本発明の目的は、スクリーン印刷法等でインク受容層を形成した場合であっても、塗膜の光沢の低下のないインク受容層形成用組成物を提供することである。
シリカ微粒子としては、公知の方法{(1)真空中で金属シリコンを溶融、気化させ、酸化性雰囲気に導入して、シリカ微粒子を得る方法;(2)金属シリコン粉末を、酸素を含む火炎の中で蒸発・酸化させて、シリカ微粒子を得る方法;(3)テトラクロロシランを気化し、バーナー火炎中に噴出、酸化して、シリカ微粒子を得る方法(特公昭47−46274号公報等);(4)ケイ酸アルカリ金属塩(ケイ酸ナトリウム等)を原料とする水ガラス法;及び(5)アルコキシシラン(テトラエトキシシラン等)を原料とするアルコキシシラン法等等}によって得られるシリカ微粒子が挙げられる。
無機微粒子(A)は2種以上の無機微粒子を使用することができる。
塩としては特に限定されるものではなく、公知のものを使用できる。これらのうち、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム及びカリウム等)塩及びアンモニウム塩が好ましい。
また、この場合、カルボン酸(塩)(共)重合体(E)の含有量(重量%)は、無機微粒子(A)、ポリビニルアルコール(B)、水(C)及び炭素数3〜6の脂肪族アルコール(D)の重量に基づいて、0.01〜5が好ましく、さらに好ましくは0.02〜4、特に好ましくは0.05〜3、最も好ましくは0.1〜2である。この範囲であると形成されるインク受容層の光沢がさらに良好となる(スクリーン印刷法を適用しても、メッシュ痕等が残らず、平滑性が高く高光沢のインク受容層を得ることができる。)。
無機微粒子(A)の水分散体を得た後、ポリビニルアルコール(B)の水溶液、水(C)及び炭素数3〜6の脂肪族アルコール(D)、並びに必要に応じてカルボン酸(塩)(共)重合体(E)及び/又は添加剤と、無機微粒子(A)の水分散体とを均一混合分散する工程を含む製造方法。
ポリビニルアルコール(B)及び水(C)を含有してなる水溶液に、無機微粒子(A)及び炭素数3〜6の脂肪族アルコール(D)、並びに必要に応じてカルボン酸(塩)(共)重合体(E)及び/又は添加剤を均一混合分散する工程を含む製造方法。
無機微粒子(A)、ポリビニルアルコール(B)、水(C)及び炭素数3〜6の脂肪族アルコール(D)、並びに必要に応じてカルボン酸(塩)(共)重合体(E)及び/又は添加剤を均一混合分散する工程を含む製造方法。
スキージ硬度は、55〜95度が好ましく、さらに好ましくは60〜90度、特に好ましくは70〜80度である。
なお、スキージ硬度はJIS K6253−1997「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法 5.デュロメーター硬さ試験(タイプA)」に準拠して測定される。
スキージのヘッド形状は特に限定はされないが、特開2004−042644号公報に記載された形状等が使用でき、平形、剣形、角形及び平形をカットした形状等のいずれでもよい。
メッシュの目開き(μm)は30〜400が好ましく、さらに好ましくは、40〜300、特に好ましくは50〜250である。
なお、メッシュの目開きはJIS G3556−2002「工業用織金網 7.2試験方法 目開き」に準拠して測定される。
スクリーンメッシュマスクの厚み(メッシュと感光性乳剤との合計厚み )(μm)は、30〜200が好ましく、さらに好ましくは70〜150、特に好ましくは90〜120である。
塗布層を乾燥して水性インク受容層を形成する工程において、乾燥は、30〜150℃、0.5〜30分間の条件が好ましく、さらに好ましくは40〜125℃、1〜20分間、特に好ましくは45〜100℃、3〜15分間、最も好ましくは50〜95℃、4〜10分間の条件である。
温度計、攪拌機、コンデンサー、滴下ポンプ(2本)を備えた重合用ステンレス反応容器に、無水マレイン酸81.4部(0.83モル)及びイオン交換水293.9部を投入し、還流・攪拌下95℃に加熱した。その後還流(95℃)下で、80%アクリル酸水溶液260.0部(2.89モル)、48.5%水酸化ナトリウム水溶液173.6部及びイオン交換水156.0部を予め混合した単量体水溶液を180分間かけて滴下ポンプから滴下し、同時にもう一方の滴下ポンプから混合触媒溶液(過硫酸ナトリウム11.6部、35%過酸化水素水47.0部及びイオン交換水11.0の混合物)を同じく180分間かけて一定速度で滴下しながら重合させた。滴下終了後、さらに120分間、還流(95℃)を維持し、重合反応を完結させた。次いで、40℃以下に冷却した後、40℃以下を保ちながら48.5%水酸化ナトリウム水溶液152.4部で中和して共重合体(1)の水溶液を得た。さらにエバポレータにて共重合体(1)の水溶液から水を留去し、カルボン酸(塩)(共)重合体(e1)を得た。
「無水マレイン酸81.4部(0.83モル)」を「ヒドロキシエチルアクリレート18.6部(0.16モル)」に変更したこと以外、製造例1と同様にして、カルボン酸(塩)(共)重合体(e2)を得た。
「無水マレイン酸81.4部(0.83モル)」を「2−エチルヘキシルモノアクリレート239.6部(1.3モル)及びn−ブチルアクリレート166.7部(1.3モル)」に変更したこと、及び「80%アクリル酸水溶液260.0部(2.89モル)」を「80%アクリル酸水溶液26.0(0.29モル)」に変更したこと以外、製造例1と同様にして、カルボン酸(塩)(共)重合体(e3)を得た。
「無水マレイン酸81.4部(0.83モル)」を「スチレン270.9部(2.6モル)」に変更したこと、「80%アクリル酸水溶液260.0部(2.89モル)」を「80%アクリル酸水溶液26.0(0.29モル)」に変更したこと、及び「48.5%水酸化ナトリウム水溶液173.6部」を「25%アンモニア水150.0部」に変更したこと以外、製造例1と同様にして、カルボン酸(塩)(共)重合体(e4)を得た。
水(c1){イオン交換水}40部に、ポリビニルアルコール(b1){J−POVAL JP−50、日本酢ビポバール(株)製、ケン化度89モル%、重合度5000}4部を空気雰囲気下、15℃で分散した後、大気圧(約1013hPa)下で45分かけて90℃まで昇温し、90℃で6時間撹拌してポリビニルアルコール(b1)水溶液44部を得た。
「脂肪族アルコール(d1)5部」、「脂肪族アルコール(d3)5部」、「脂肪族アルコール(d5)1部」、「水(c2)23部」及び「カルボン酸(塩)(共)重合体(e1)0.1部」を表1に記載した物質及び使用量に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明のインク受容層形成用組成物(2)〜(12)を得た。
「カルボン酸(塩)(共)重合体(e1)0.1部」を表2に記載した物質及び使用量に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明のインク受容層形成用組成物(13)〜(21)を得た。
「無機微粒子(a1)22部」を表3に記載した物質及び使用量に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明のインク受容層形成用組成物(22)〜(31)を得た。
「無機微粒子(a1)22部」、「ポリビニルアルコール(b1)4部」を表4に記載した物質及び使用量に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明のインク受容層形成用組成物(32)〜(38)を得た。
また、「D/C」は、炭素数3〜6の脂肪族アルコール(D)と水(C)との重量比{(D)/(C)}を、「BET」は用いた無機微粒子(A)のBET比表面積を、「PVA」はポリビニルアルコール(B)の無機微粒子(A)の重量に基づいた含有量(重量%)を示す。
a2;アエロジル380{シリカ微粒子、日本アエロジル(株)製、気相法シリカ、一次粒子径7nm、BET比表面積380m2/g}
a3;アエロジルTT600{シリカ微粒子、日本アエロジル(株)製、気相法シリカ、一次粒子径40nm、BET比表面積50m2/g}
a4;アエロジル90G{シリカ微粒子、日本アエロジル(株)製、気相法シリカ、一次粒子径20nm、BET比表面積90m2/g}
a5;アエロジル200{シリカ微粒子、日本アエロジル(株)製、気相法シリカ、一次粒径7nm、BET比表面積200m2/g}
a6;アエロジル300{シリカ微粒子、日本アエロジル(株)製、気相法シリカ、一次粒径7nm、BET比表面積300m2/g}
a7;NanoTek TiO2{二酸化チタン微粒子、シーアイ化成(株)製、二酸化チタン、一次粒径36nm、BET比表面積50m2/g}
c1、c2;イオン交換水
d2;2−ブタノール{和光純薬工業(株)製、試薬1級}
d3;2−メチル−1−プロパノール{イソブタノール、協和発酵ケミカル(株)製}
d4;2−メチル−2−プロパノール{和光純薬工業(株)製、試薬1級}
d5;1−ペンタノール{和光純薬工業(株)製、試薬1級}
d6;2−ペンタノール{和光純薬工業(株)製、試薬1級}
d7;3−ペンタノール{和光純薬工業(株)製、試薬1級}
d8;2−メチル−1−ブタノール{和光純薬工業(株)製、試薬1級}
d9;3−メチル−1−ブタノール{和光純薬工業(株)製、試薬1級}
d10;2−メチル−2−ブタノール{和光純薬工業(株)製、試薬1級}
d11;3−メチル−2−ブタノール{東京化成工業(株)製、試薬1級}
d12;1−プロパノール{和光純薬工業(株)製、試薬1級}
d13;1−ヘキサノール{和光純薬工業(株)製、試薬1級}
e2;製造例2で製造したカルボン酸(塩)(共)重合体
e3;製造例3で製造したカルボン酸(塩)(共)重合体
e4;製造例4で製造したカルボン酸(塩)(共)重合体
「脂肪族アルコール(d1)5部」、「脂肪族アルコール(d3)5部」、「脂肪族アルコール(d5)1部」及び「水(c2)23部」を「水(c2)35部」に変更したこと以外、実施例1と同様にして、比較用のインク受容層形成用組成物(H1)を得た。
水(c1)26.6部に、ポリビニルアルコール(b2){PVA235、(株)クラレ製、ケン化度88モル%、重合度3500}2部を空気雰囲気下、15℃で分散した後、大気圧(約1013hPa)下で45分かけて90℃まで昇温し、90℃で6時間撹拌してポリビニルアルコール(b2)水溶液28.6部を得た。
<塗工フィルムの作製>
70枚のコクヨ(株)製OHPフィルム(品番VF−1)上に、スクリーンメッシュマスク(乳剤厚みが120μm、大きさが30cm×30cmのポリエステル製目開き173μmメッシュ版)を配置(印刷ギャップ:1.5mm)し、25℃の環境下に6時間密封保管した評価試料{インク受容層形成用組成物}を硬度70°、長さ20cm、厚さ2cmの角形スキージにてマスク印刷{スキージ角度15°、移動速度150mm/sec、スキージ圧(スキージ押しつけ荷重)40kg)}して、70枚の塗工フィルムを得た。引き続き、塗工フィルムを70±5℃の熱風乾燥機中で10分間乾燥させて、70枚のインク受容層形成フィルムを得た。
インク受容層形成フィルムを20℃、65%RHの環境下で24時間調湿した後、JIS K5600−4−7:1999、塗料一般試験方法、第4部:塗膜の視覚特性、第7節:鏡面光沢度に準拠して、グロスチェッカIG−320{(株)堀場製作所社製}を用いて、黒フエルトの上に置いたインク受容層形成フィルム表面の60度鏡面光沢度を測定し、70枚の算術平均値を光沢度とした。
塗工フィルムの作製において、11〜60枚目にマスク印刷したインク受容層形成フィルムについて、気泡痕を目視で数えて、1枚あたりの算術平均値を泡かみ数とした。
「レオストレスRS75」(HAAKE社製)を用いて25℃、1Hzにおける損失正接を測定した。
「RE−80U」(東機産業社製)を用いて25℃における10rpmでの粘度(V10、mPa・s)及び100rpmでの粘度(V100、mPa・s)を測定し、10rpmでの粘度(V10)と100rpmでの粘度(V100)との比(V10/V100)を算出した。
Claims (11)
- 無機微粒子(A)、ポリビニルアルコール(B)、水(C)及び炭素数4〜6の脂肪族アルコール(D)を含み、炭素数4〜6の脂肪族アルコール(D)と水(C)との重量比(D/C)が0.05〜0.9であることを特徴とするインク受容層形成用組成物。
- さらに、カルボン酸(塩)(共)重合体(E)を含む請求項1に記載のインク受容層形成用組成物。
- 無機微粒子(A)がシリカ微粒子又はアルミナ微粒子である請求項1又は2に記載のインク受容層形成用組成物。
- 無機微粒子(A)の平均一次粒径が7〜40nmである請求項1〜3のいずれかに記載のインク受容層形成用組成物。
- 脂肪族アルコール(D)が脂肪族モノアルコールである請求項1〜4のいずれかに記載のインク受容層形成用組成物。
- 脂肪族アルコール(D)が1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール及び3−メチル−2−ブタノールからなる群より選ばれる少なくとも二種を含有する請求項1〜5のいずれかに記載のインク受容層形成用組成物。
- ポリビニルアルコール(B)の含有量が、無機微粒子(A)の重量に基づいて、5〜50重量%である請求項1〜6のいずれかに記載のインク受容層形成用組成物。
- カルボン酸(塩)(共)重合体(E)の含有量が、無機微粒子(A)、ポリビニルアルコール(B)、水(C)及び炭素数4〜6の脂肪族アルコール(D)の重量に基づいて、0.01〜5.0重量%である請求項2〜7のいずれかに記載のインク受容層形成用組成物。
- 無機微粒子(A)のBET比表面積が50〜400m2/gである請求項1〜8のいずれかに記載のインク受容層形成用組成物。
- 支持体にスクリーン印刷法で塗布するためのインク受容層形成用組成物である請求項1〜9のいずれかに記載のインク受容層形成用組成物。
- 無機微粒子(A)の水分散体を得た後、ポリビニルアルコール(B)の水溶液、水(C)及び炭素数4〜6の脂肪族アルコール(D)と、無機微粒子(A)の水分散体とを均一混合分散する工程、
無機微粒子(A)の水分散体を得た後、ポリビニルアルコール(B)の水溶液、水(C)、炭素数4〜6の脂肪族アルコール(D)及びカルボン酸(塩)(共)重合体(E)と、無機微粒子(A)の水分散体とを均一混合分散する工程、
無機微粒子(A)の水分散体を得た後、ポリビニルアルコール(B)の水溶液、水(C)、炭素数4〜6の脂肪族アルコール(D)、並びに分散剤(F)、有機微粒子(G)、酸化防止剤(H)、紫外線吸収剤(I)、架橋剤(J)及び染料固着剤から選ばれる添加剤と、無機微粒子(A)の水分散体とを均一混合分散する工程、又は
無機微粒子(A)の水分散体を得た後、ポリビニルアルコール(B)の水溶液、水(C)、炭素数4〜6の脂肪族アルコール(D)、カルボン酸(塩)(共)重合体(E)、並びに分散剤(F)、有機微粒子(G)、酸化防止剤(H)、紫外線吸収剤(I)、架橋剤(J)及び染料固着剤から選ばれる添加剤と、無機微粒子(A)の水分散体とを均一混合分散する工程を含み、
炭素数4〜6の脂肪族アルコール(D)と水(C)との重量比(D/C)が0.05〜0.9であることを特徴とするインク受容層形成用組成物の製造方法。
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