JP3446365B2 - インクジェットプリンタ用記録媒体および記録物 - Google Patents

インクジェットプリンタ用記録媒体および記録物

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JP3446365B2
JP3446365B2 JP01209995A JP1209995A JP3446365B2 JP 3446365 B2 JP3446365 B2 JP 3446365B2 JP 01209995 A JP01209995 A JP 01209995A JP 1209995 A JP1209995 A JP 1209995A JP 3446365 B2 JP3446365 B2 JP 3446365B2
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alumina hydrate
recording medium
hydrate layer
ink
acrylic polymer
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等 雉子牟田
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Asahi Glass Co Ltd
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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェットプリン
用記録媒体(以下、単に記録媒体という)、およびそ
れに画像を形成した記録物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、1/2インチビデオや電子スチー
ルカメラの普及、またはコンピュータの普及とともに、
それらの画像を紙面等に記録するためのハードコピー技
術が急速に発達した。これらハードコピーの究極の目標
は銀塩写真であり、特に、色再現性、画像密度、光沢、
耐候性などをいかに銀塩写真に近づけるかが、開発の課
題となっている。ハードコピーの記録方式には、銀塩写
真によって画像を表示したディスプレイを直接撮影する
もののほか、昇華型熱転写方式、インクジェット方式、
静電転写型を各社各様の方式でカラー化した方式など多
種多様である。
【0003】インクジェット方式によるプリンタは、フ
ルカラー化が容易なことや印字騒音が低いことなどか
ら、近年急速に普及しつつある。この方式はノズルから
被記録材に向けてインク液滴を高速で射出するもので、
被記録材は速やかにインクを吸収し、しかも優れた発色
性を有することが要求される。しかし、インクの吸収性
の高い被記録材ほど、色素のにじみが発生しやすい傾向
があった。特にカラープリンタの場合、色素によってに
じみやすさが異なるため、色の再現性が十分でないとい
う問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、インクの吸
収性が良好で、色素のにじみを防止して高い色再現性を
有し、かつ、色濃度の高い記録物が得られるインクジェ
ットプリンタ用の被記録材の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、基材上に、
孔構造が実質的に半径1〜15nmの細孔からなり、細
孔容積が0.3〜1.0cc/gであるアルミナ水和物
層を有し、このアルミナ水和物層にカルボキシル基およ
びカチオン性基を有するアクリル系重合体を含有する記
録媒体を提供する。また、本発明は、基材上に、アルミ
ナ水和物層を有し、このアルミナ水和物層にカルボキシ
ル基およびカチオン性基を有するアクリル系重合体を含
有した記録媒体に、染料によって画像が形成されている
記録物を提供する。
【0006】基材としては、特に限定されず種々のもの
を使用できる。具体的には、ポリエチレンテレフタレー
トなどのポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹
脂、ETFEなどのフッ素系樹脂のようなプラスチック
類、および各種の紙類を好適に使用できる。さらに、
布、ガラスや金属も使用できる。これらの基材には、ア
ルミナ水和物層の接着強度を向上させるなどの目的で、
コロナ放電処理や各種アンダーコートを行うこともでき
る。
【0007】基材として透明プラスチックフィルムを使
用した場合には、OHP(オーバーヘッドプロジェクタ
ー)用シートなどにも使用できる透明な記録物が得られ
る。基材として、白色顔料を含んだ不透明プラスチック
フィルムや、紙などを使用した場合には、銀塩写真に匹
敵する記録物が得られる。
【0008】本発明において、アルミナ水和物層は色素
の吸着層として機能する。アルミナ水和物としては、色
素を良く吸収定着することから擬ベーマイトが好まし
い。ここで、擬ベーマイトは、Al23 ・nH2
(n=1〜1.5)の組成式で表されるアルミナ水和物
の凝集体である。
【0009】アルミナ水和物層中には、バインダーが含
まれているのが好ましい。バインダーとしては、でんぷ
んまたはその変性物、ポリビニルアルコールまたはその
変性物、SBRラテックス、NBRラテックス、カルボ
キシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、
ポリビニルピロリドン等の有機物を使用できる。バイン
ダーの使用量は、アルミナ水和物の5〜50重量%程度
を採用することが好ましい。バインダーの使用量が、5
重量%未満の場合は、アルミナ水和物層の強度が不十分
になるおそれがあり、逆に50重量%を超える場合は、
色素の吸着性が不十分になるおそれがあるのでそれぞれ
好ましくない。
【0010】アルミナ水和物層は、その細孔構造が実質
的に半径1〜15nmの細孔からなり、細孔容積が0.
3〜1.0cc/gであることにより、十分な吸収性を
有し、かつアルミナ水和物層も透明性がある。このとき
基材が透明であれば、高い透明性を有する記録媒体が得
られる。基材が不透明である場合にも、基材の質感を損
なわない高品質な画像を得ることのできる記録媒体が得
られる。望ましくは、これらの物性に加え、アルミナ水
和物の平均細孔径が、3〜10nmである場合はさらに
好ましい。細孔半径分布の測定は窒素脱吸着法による。
【0011】本発明において、カルボキシル基およびカ
チオン性基を有するアクリル系重合体とは、アクリル酸
またはメタクリル酸あるいはそれらの誘導体の重合物で
あって、主鎖または側鎖中にカルボキシル基およびカチ
オン性基の両方を有するものである。アクリル系重合体
としては、アクリル酸またはメタクリル酸あるいはそれ
らのエステルの重合体が好ましい。カルボキシル基およ
びカチオン性基を有するアクリル系重合体は、アルミナ
水和物層におけるインクのにじみを防止する効果を有す
る。
【0012】カルボキシル基は、アクリル酸またはメタ
クリル酸に由来するもの、すなわち、アクリル系重合体
の主鎖に存在するものが好ましい。
【0013】カチオン性基としては、第4級アンモニウ
ム塩基、ピリジニウム塩基などが挙げられる。特に、第
4級アンモニウム塩基が好ましい。このようなカチオン
性基を有するアルコールとアクリル酸またはメタクリル
酸とのエステルからなるモノマーが、重合してなるアク
リル系重合体が好適である。
【0014】カルボキシル基およびカチオン性基を有す
るアクリル系重合体として、たとえば、メタクリル酸ジ
メチルアミノエチル第4級塩化物とアクリル酸またはメ
タクリル酸との共重合物が好ましい。さらに、メタクリ
ル酸メチルのようにカルボキシル基およびカチオン性基
のいずれも含まないモノマーとの共重合体であってもよ
い。
【0015】アクリル系重合体の使用量としては、アル
ミナ水和物に対して、1〜30重量%が好ましい。アク
リル系重合体の使用量が1重量%より少ない場合は、発
明の効果を十分発揮せず、記録後色素がにじんで画質が
低下するおそれがあるので好ましくない。アクリル系重
合体の使用量が30重量%より多い場合は、アルミナ水
和物層のインク吸収性が悪くなり、画質が低下するおそ
れがあるので好ましくない。アクリル系重合体の含有量
が、2〜25重量%である場合は、インク吸収性とにじ
み防止効果が双方とも十分発揮できるので特に好まし
い。さらに好ましい範囲は、5〜20重量%である。
【0016】基材上に、アルミナ水和物層を形成する方
法としては、アルミナ水和物にカルボキシル基およびカ
チオン性を有するアクリル系重合体、バインダーと溶媒
を加えてゾル状塗工液にし、これを基材に塗布したあと
乾燥する方法が好ましい。アルミナ水和物の原料として
アルミナゾルを用いる場合は、透明性の良好なアルミナ
水和物層が形成できるので好ましい。溶媒としては、水
が好ましく使用される。カルボキシル基およびカチオン
性基を有するアクリル系重合体は、アルコール−水系の
溶媒に溶解した状態で、アルミナゾルに加えるのが好ま
しい。
【0017】塗布方法は、たとえば、ロールコーター、
エアナイフコーター、ブレードコーター、ロッドコータ
ー、バーコーター、コンマコーターなどを用いるのが好
ましい。
【0018】アルミナ水和物層の厚さは、各プリンタ等
の仕様によって適宜選択され、一般には5〜100μm
を採用するのが好ましい。アルミナ水和物層の厚さが5
μmに満たない場合は、色素を十分吸着しないおそれが
あり、100μmを超える場合には、アルミナ水和物層
の透明性が損なわれたり層の強度が低下するおそれがあ
るので、それぞれ好ましくない。
【0019】本発明の記録媒体は、インクジェットプリ
ンタの記録媒体として好適である。特に、ジエチレング
リコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、グリセリンなどの不揮発性溶媒を多量に含んだイン
クを使用したインクジェットプリンタ用の記録媒体とし
て好適である。インクの色素としては、染料、特に水溶
性の染料が好ましい。
【0020】本発明の記録媒体に、インクを用いて画像
(文字も含む)を形成する場合には、色素の移動が起こ
りにくく、にじみが抑制され、高品質の画像を長期間に
わたって保持できる記録物が得られる。
【0021】
【作用】カルボキシル基およびカチオン性基を有するア
クリル系重合体は、カルボキシル基を有するために重合
体の溶液のpHは酸性を呈し、アルミナ水和物への吸着
性をもち固定化されやすい。一方で、カチオン性基を有
するためにインク中の染料を吸着固定化する作用を有す
る。このため記録媒体においてアルミナ水和物層におい
て色素を固定化し、インクのにじみを防止する。さら
に、該重合体がインク中の溶媒、特にジエチレングリコ
ール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、
グリセリンなどの不揮発性溶媒によって膨潤する性質が
あり、このこともアルミナ水和物層中でのインクの移動
の抑制に寄与する。
【0022】
【実施例】アルミニウムアルコキシドの加水分解・解膠
法で合成した固形分18重量%のアルミナゾル100
g、5重量%ホウ酸水溶液1.8g、ポリビニルアルコ
ール9.5重量%水溶液20.8gを混合した。これに
メタクリロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド
とアクリル酸とメタクリル酸メチルとの共重合物からな
るアクリル系重合体を固形分として31.6重量%含む
水−イソプロピルアルコール系溶液(日本純薬株式会社
製、商品名SPO−600)を表1に示す割合で添加混
合して4種類の塗工液を調製した。表1の数値は、アル
ミナ水和物固形分に対する重合体固形分の重量%であ
る。
【0023】これらの塗工液をポリエチレンテレフタレ
ートフィルム(厚さ100μm、白色)上に、乾燥後の
塗工量が30g/m2 になるようにバーコーターを用い
て塗工し、乾燥後、さらに140℃で熱処理して記録媒
体とした。
【0024】これらの記録媒体について、インクジェッ
トプリンタ(セイコーエプソン株式会社製、商品名MJ
−700V2Cプリンタ)を用いて水溶性染料を含むイ
ンクによりテストパターンの印字を行い、記録物を得
た。この記録物について32℃、相対湿度85%の環境
で2時間放置した後、にじみの観察を行った。評価は目
視により行い、最も良好なAから最も悪いE(アクリル
系重合体の添加のないアルミナ水和物層を有する記録媒
体)までの5段階の相対評価で行った。Aはにじみが認
められないことを示し、Cでは実用上ほぼ満足できるに
じみ性であることを示す。
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】本発明の記録媒体は、高いインクの吸収
性と定着性を有し、インクのにじみが無く画質は良好で
ある。特に、水溶性インクを用いた記録に適し、インク
ジェットプリンタの記録媒体として好適である。本発明
の記録物は、良好な画質を長期間保持できる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−79967(JP,A) 特開 平4−8579(JP,A) 特開 平6−340164(JP,A) 特開 平6−183135(JP,A) 特開 平5−124330(JP,A) 特開 平4−320877(JP,A) 特開 平8−230315(JP,A) 特表 平8−507729(JP,A) 国際公開94/020305(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材上に、細孔構造が実質的に半径1〜1
    5nmの細孔からなり、細孔容積が0.3〜1.0cc
    /gであるアルミナ水和物層を有し、このアルミナ水和
    物層にカルボキシル基およびカチオン性基を有するアク
    リル系重合体を含有するインクジェットプリンタ用記録
    媒体。
  2. 【請求項2】基材上に、細孔構造が実質的に半径1〜1
    5nmの細孔からなり、細孔容積が0.3〜1.0cc
    /gであるアルミナ水和物層を有し、このアルミナ水和
    物層にカルボキシル基およびカチオン性基を有するアク
    リル系重合体を含有したインクジェットプリンタ用記録
    媒体に、染料によって画像が形成されている記録物。
JP01209995A 1995-01-27 1995-01-27 インクジェットプリンタ用記録媒体および記録物 Expired - Lifetime JP3446365B2 (ja)

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