JP3308382B2 - インクジェットプリンタ用記録シートの製造方法 - Google Patents
インクジェットプリンタ用記録シートの製造方法Info
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Description
タ用記録シートの製造方法に関するものである。
カメラやコンピュータの普及とともに、それらの画像を
紙面等に記録するためのハードコピー技術が急速に発達
した。これらハードコピーの究極の目標は銀塩写真であ
り、特に、色再現性、画像密度、光沢、耐候性などをい
かに銀塩写真に近づけるかが、開発の課題となってい
る。ハードコピーの記録方式には、銀塩写真によって画
像を表示したディスプレーを直接撮影するもののほか、
昇華型熱転写方式、インクジェット方式、静電転写型を
各社各様の方式でカラー化した方式など多種多様であ
る。
ルカラー化が容易なことや印字騒音が低いことなどか
ら、近年急速に普及しつつある。この方式ではノズルか
ら被記録材に向けてインク液滴を高速で射出するもので
あり、被記録材は速やかにインクを吸収し、しかも優れ
た発色性を有することが要求される。
収性が良好で、色素を効果的に定着して高い色再現性を
有し、かつ、色濃度が高く耐久性の高い記録物を得るこ
とのできるインクジェットプリンタ用記録シートの製造
方法を提供することを目的とする。
10〜100Åの細孔からなり、細孔容積が0.3〜
1.0cc/gのアルミナ水和物層を設けた後、カプリ
ル酸、カプリン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、パルミ
チン酸、ステアリン酸、オレイン酸およびリノール酸か
らなる群から選ばれるカルボン酸をアルミナ水和物に対
して0.1〜10重量%含浸法またはスプレー法で付与
するインクジェットプリンタ用記録シートの製造方法で
ある。
れず、種々のものを使用することができる。具体的に
は、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹
脂、ポリカーボネート系樹脂、ETFE等のフッ素系樹
脂など種々のプラスチックあるいは紙類を好ましく使用
することができる。さらに、ガラスや金属も使用するこ
とができる。これらの基材には、アルミナ水和物層の接
着強度を向上させるなどの目的で、コロナ放電処理やア
ンダーコート等を行うこともできる。
を使用した場合には、OHP(オーバーヘッドプロジェ
クター)などにも使用できる透明な記録物が得られる。
基材として、白色顔料を含んだ不透明プラスチックフィ
ルムや、紙などを使用した場合には、銀塩写真に匹敵す
る記録物が得られる。
の吸着層として機能する。アルミナ水和物としては、色
素をよく吸収定着することから、擬ベーマイト(AlO
OH)が好ましい。アルミナ水和物層は、その細孔構造
が実質的に半径が10〜100Åの細孔からなり、細孔
容積が0.3〜1.0cc/gであることにより、十分
な吸収性を有し、かつ、アルミナ水和物層も透明性があ
る。このとき、基材が透明であれば、高い透明性を有す
る記録シートが得られる。基材が不透明である場合に
も、基材の質感を損なわない高品質な画像を得ることの
できる記録シートが得られる。これらの物性に加え、ア
ルミナ水和物層の平均細孔半径が15〜70Åである場
合はさらに好ましい。細孔半径分布の測定は、窒素吸脱
着法による。
酸、ラウリン酸、トリデカン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、オレイン酸およびリノール酸からなる群から選
ばれるカルボン酸は、アルミナ水和物層に適度な疎水性
を付与し、インクのにじみを防止する効果を有する。特
に、ジエチレングリコール、エチレングリコール、ポリ
エチレングリコール、グリセリンなどの不揮発性溶媒を
多量に含んだインクを使用したインクジェットプリンタ
用記録シートとして好適である。
和物に対して0.1〜10重量%である。カルボン酸の
量が0.1重量%未満の場合は、にじみ防止の効果が十
分発現しないおそれがあり、逆に10重量%を超える場
合は、アルミナ水和物層の疎水性が強くなりすぎて、イ
ンクジェットプリンタで記録した場合にインクをはじい
てしまうおそれがあるので好ましくない。カルボン酸が
ステアリン酸の場合、特に0.1〜3重量%が好まし
い。
としては、アルミナ水和物にバインダーと溶媒を加えて
スラリー状にし、これを基材に塗布したあと乾燥する方
法が採用される。塗布方法は、例えば、ロールコータ
ー、エアナイフコーター、ブレードコーター、ロッドコ
ーター、バーコーター、コンマコーターなどが採用でき
る。スラリーの溶媒としては、水系、非水系いずれも採
用できる。
物、ポリビニルアルコールおよびその変性物、SBRラ
テックス、NBRラテックス、カルボキシメチルセルロ
ース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリ
ドン等の有機物を用いることができる。バインダーの使
用量は、アルミナ水和物の5〜50重量%程度を採用す
るのが好ましい。バインダーの使用量が、5重量%未満
の場合は、アルミナ水和物層の強度が不十分になるおそ
れがあり、逆に50重量%未満を超える場合は、色素の
吸着性が不十分になるおそれがあるのでそれぞれ好まし
くない。
仕様によって適宜選択されるが、一般には5〜100μ
mを採用するのが好ましい。アルミナ水和物層の厚さが
5μmに満たない場合は、色素を十分吸着しないおそれ
があり、100μmを超える場合は、アルミナ水和物層
の透明性が損なわれたり層の強度が低下するおそれがあ
るので、それぞれ好ましくない。
水和物層を形成した後、カルボン酸が溶解した溶液を含
浸法またはスプレー法で付与する。
わからないが、アルミナ水和物の表面に吸着されて、ア
ルミナ水和物に適度な疎水性を与えると考えられる。こ
のため、インク、特に不揮発性の溶媒を多量に含んだイ
ンクで記録した場合にも、インクのアルミナ水和物層中
での移動を抑制し、にじみなどの画質低下を防止するも
のと考えられる。
法で合成した固形分18重量%のアルミナゾル100g
と、ポリビニルアルコール6.2重量%水溶液32gと
を混合して塗工液とした。この塗工液をポリエチレンテ
レフタレートフィルム(厚さ100μm)上に乾燥後の
塗工量が20g/m2 となるようにバーコーターを用い
て塗工し、アルミナ水和物層を形成した。
リン酸のエタノール溶液に浸漬し、均一に溶液を塗布し
た。これを乾燥後、140℃で熱処理して記録シートと
した。
トプリンタ(ヒューレットパッカード社製商品名ペイン
トジェットXL型)により印字を行った。比較のため上
記のステアリン酸処理を行わない記録シートについても
印字を行った。それぞれの記録シートについて印字後温
度30℃、相対湿度80%の環境で8時間放置した後の
にじみの観察を行った。ステアリン酸処理のない記録シ
ートではにじみが発生したのに対し、実施例の記録シー
トではにじみの発生がなかった。
シートは、高いインクの吸収性と定着性を有し、インク
のにじみがなく画質が良好である。特に、水溶性インク
を用いたインクジェットプリンタ記録に対し好適であ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】基材に、半径10〜100Åの細孔からな
り、細孔容積が0.3〜1.0cc/gのアルミナ水和
物層を設けた後、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン
酸、トリデカン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレ
イン酸およびリノール酸からなる群から選ばれるカルボ
ン酸をアルミナ水和物に対して0.1〜10重量%含浸
法またはスプレー法で付与するインクジェットプリンタ
用記録シートの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06605294A JP3308382B2 (ja) | 1994-04-04 | 1994-04-04 | インクジェットプリンタ用記録シートの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06605294A JP3308382B2 (ja) | 1994-04-04 | 1994-04-04 | インクジェットプリンタ用記録シートの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH07276783A JPH07276783A (ja) | 1995-10-24 |
JP3308382B2 true JP3308382B2 (ja) | 2002-07-29 |
Family
ID=13304725
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06605294A Expired - Fee Related JP3308382B2 (ja) | 1994-04-04 | 1994-04-04 | インクジェットプリンタ用記録シートの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3308382B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7341876B2 (ja) * | 2019-10-29 | 2023-09-11 | 三菱製紙株式会社 | インクジェットヘッドの吐出検査方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61237682A (ja) * | 1985-04-16 | 1986-10-22 | Canon Inc | 被記録材 |
JP3055628B2 (ja) * | 1990-07-10 | 2000-06-26 | 旭硝子株式会社 | アルミナゾル塗工液 |
JPH05124330A (ja) * | 1991-11-06 | 1993-05-21 | Canon Inc | 被記録材 |
JP3375198B2 (ja) * | 1993-06-15 | 2003-02-10 | 王子製紙株式会社 | インクジェット記録用キャスト塗被紙の製造方法、キャスト塗被紙及びそれを用いた記録方法 |
JPH0781213A (ja) * | 1993-09-20 | 1995-03-28 | Dainippon Printing Co Ltd | インクジェット用記録シート |
-
1994
- 1994-04-04 JP JP06605294A patent/JP3308382B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07276783A (ja) | 1995-10-24 |
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