JP2001072711A - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

Info

Publication number
JP2001072711A
JP2001072711A JP25391399A JP25391399A JP2001072711A JP 2001072711 A JP2001072711 A JP 2001072711A JP 25391399 A JP25391399 A JP 25391399A JP 25391399 A JP25391399 A JP 25391399A JP 2001072711 A JP2001072711 A JP 2001072711A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyvinyl alcohol
resin composition
mol
pva
based resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP25391399A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaru Saeki
大 佐伯
Yoshiaki Hirai
良明 平井
Koichi Takahashi
浩一 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd filed Critical Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP25391399A priority Critical patent/JP2001072711A/ja
Publication of JP2001072711A publication Critical patent/JP2001072711A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐水性、機械的強度及び柔軟性等のフィルム
物性に優れ、特にインクジェット用記録媒体のコーティ
ング用途に有用な樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 アセト酢酸エステル基含有ポリビニルア
ルコール系樹脂および平均重合度2600以上のポリビ
ニルアルコール系樹脂を含有してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリビニルアルコ
ール系樹脂(以下、PVAと略記することがある)の樹
脂組成物に関し、更に詳しくは、耐水性、機械的強度、
柔軟性等のフィルム物性に優れ、特にインクジェット用
記録媒体のコーティング用途に有用なポリビニルアルコ
ール系樹脂の樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、PVAは、分散剤、接着剤、
糊剤、フィルム、紙加工剤等に多用されており、フィル
ム用途においては、耐水性、機械的強度、柔軟性等のフ
ィルム物性が要求されるところであり、更に紙加工剤用
途においては、一般紙のサイジング剤、或いは表面コー
ティング剤、内添剤(歩留まり向上剤)等に利用され、
また、感熱記録紙の感熱層のバインダーやオーバーコー
ト層にも活用されている。一方、小滴状にしたインクを
紙やPETなどの被記録媒体の表面に飛翔させて、文字
等の記録を行うインクジェット記録法が、高速印字がで
きる、多色印字ができる、印字時の音が少ない等の利点
があるため、最近では多用されるようになり、かかる記
録媒体であるインクジェット記録媒体(特に紙)のオー
バーコート層にもPVAが用いられるようになってき
た。かかるインクジェット記録媒体は、紙等の基材表面
に二酸化チタン、合成シリカ、アルミナ、炭酸カルシウ
ム等からなるインク受理層が設けられており、更にその
表面にPVP(ポリビニルピロリドン)、CMC(カル
ボキシメチルセルロース)、ウレタン、エマルジョン等
からなるオーバーコート層が設けられているもので、該
オーバーコート層に、上記のようにPVAが用いられる
ようになってきたのであるが、このときの要求性能とし
ては、インク定着性、光沢性、耐水性、耐光性等を挙げ
ることができ、かかる対策として、特開昭61−125
878号公報には、オーバーコート層のバインダーとし
てアセトアセチル化ポリビニルアルコールを用いること
が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
特開昭61−125878号公報開示技術では、耐水性
が不充分で、更なる改良が望まれるところである。
【0004】
【問題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
かかる事情を鑑みて鋭意研究を重ねた結果、(A)アセ
ト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂およ
び(B)平均重合度2600以上(更には3000以
上)のPVAを含有してなる樹脂組成物が、上記の目的
に合致することを見いだして、本発明を完成するに至っ
た。即ち、本発明の樹脂組成物は、耐水性、機械的強
度、柔軟性等のフィルム物性に優れ、特にインクジェッ
ト用記録媒体のコーティング用途に有用なポリビニルア
ルコール系樹脂の樹脂組成物を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明を以下に詳しく説明する。
本発明に用いられる(A)アセト酢酸エステル基含有ポ
リビニルアルコール系樹脂(以下、AA化PVAと略記
することがある)とは、後述するようにPVAにジケテ
ンを反応させたり、PVAとアセト酢酸エステルを反応
させてエステル交換したりして、PVAにアセト酢酸エ
ステル基を導入させたもので、かかるPVAとしては、
一般的にはポリ酢酸ビニルの低級アルコール溶液をアル
カリや酸などのケン化触媒によってケン化したケン化物
又はその誘導体が用いられ、更には酢酸ビニルと共重合
性を有する単量体と酢酸ビニルとの共重合体のケン化物
等を用いることもでき、該単量体としては、例えばエチ
レン、プロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−
ドデセン、α−オクタデセン等のオレフィン類、アクリ
ル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マ
レイン酸、イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あ
るいはモノ又はジアルキルエステル等、アクリロニトリ
ル、メタアクリロニトリル等のニトリル類、アクリルア
ミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホ
ン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオ
レフィンスルホン酸あるいはその塩、アルキルビニルエ
ーテル類、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモ
ニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロ
ライド、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ジメ
チルアリルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化
ビニル、塩化ビニリデン、ポリオキシエチレン(メタ)
アリルエーテル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリル
エーテルなどのポリオキシアルキレン(メタ)アリルエ
ーテル、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポ
リオキシプロピレン(メタ)アクリレート等のポリオキ
シアルキレン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレ
ン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシプロピレン(メ
タ)アクリルアミド等のポリオキシアルキレン(メタ)
アクリルアミド、ポリオキシエチレン(1−(メタ)ア
クリルアミド−1,1−ジメチルプロピル)エステル、
ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピ
レンビニルエーテル、ポリオキシエチレンアリルアミ
ン、ポリオキシプロピレンアリルアミン、ポリオキシエ
チレンビニルアミン、ポリオキシプロピレンビニルアミ
ン等が挙げられる。
【0006】かかる(A)AA化PVAの原料となるP
VAは、特に限定されないが、ケン化度は80〜96モ
ル%(更には85〜96モル%、)が好ましく、かかる
ケン化度が80モル%未満では、耐水性が低下し、逆に
96モル%を越えるとインクジェット用記録媒体のコー
ティング用途に用いたとき、特にインク受理層に用いた
ときには水性インクのインク受理性が低下することにな
って、好ましくない。また、PVAの平均重合度は14
00〜5000(更には1700〜5000、特には1
800〜5000)が好ましく、かかる平均重合度が1
400未満ではインクジェット用記録媒体のコーティン
グ用途に用いたときにインク受理層との密着性が低下
し、逆に5000を越えると該コーティング時の塗工性
が悪くなり好ましくない。
【0007】(A)AA化PVAを得るには、上記の如
きPVAとジケテンを反応させる方法、PVAとアセト
酢酸エステルを反応させエステル交換する方法、酢酸ビ
ニルとアセト酢酸ビニルを共重合させる方法等を挙げる
ことができるが、製造工程が簡略で、品質の良いAA化
PVAが得られる点から、PVA(粉末)とジケテンを
反応させる方法で製造するのが好ましい。PVAとジケ
テンを反応させる方法としては、PVAとガス状或いは
液状のジケテンを直接反応させても良いし、有機酸をP
VAに予め吸着吸蔵せしめた後、不活性ガス雰囲気下で
液状またはガス状のジケテンを噴霧、反応するか、また
はPVAに有機酸と液状ジケテンの混合物を噴霧、反応
する等の方法が用いられる。上記の反応を実施する際の
反応装置としては、加温可能で撹拌機の付いた装置であ
れば十分である。例えば、ニーダー、ヘンシェルミキサ
ー、リボンブレンダー、その他各種ブレンダー、撹拌乾
燥装置を用いることができる。
【0008】かくして得られた(A)AA化PVAのア
セト酢酸エステル基の含有量は0.1〜15モル%(更
には0.3〜9モル%)とすることが好ましく、かかる
含有量が0.1モル%未満ではオーバーコート層に用い
たときに十分な耐水性が得られないことがあり、逆に1
5モル%を越えると着色等の新たな問題が生じることが
あり好ましくない。
【0009】本発明に用いられる(B)平均重合度26
00以上(更には3000以上)のPVAとしては、上
記に記載のアセト酢酸エステル基を導入する前のPVA
と同様のPVAを用いることができるが、本発明におい
ては、かかるPVAの平均重合度を2600以上とする
ことが必要で、かかる平均重合度が2600未満では本
発明の目的を達成できない。かかる平均重合度の上限は
特に限定されないが、通常は7000以下が好ましく、
更には5000以下である。かかるPVAのケン化度は
特に限定されないが、80〜98モル%(更には90〜
95モル%)が好ましく、かかるケン化度が80モル%
未満では、耐水性が低下したり、インクが滲んだりする
こと(フェザリング)があり、逆に98モル%を越える
とインクの定着性が低下しかつインクセット性が低下し
て好ましくない。
【0010】本発明の樹脂組成物は、上記の如き(A)
及び(B)からなるものであり、その配合割合は特に限
定されないが、A/B(重量比)=2/98〜98/2
(更には10/90〜90/10、特には20/80〜
80/20)が好ましく、かかる重量比において、
(A)が過多の時は、インク受理層との密着性が低下
し、逆に(B)が過多の時は、塗工性が低下して好まし
くない。かくして、得られた本発明の樹脂組成物は、耐
水性、接着性、フィルムの強度等に優れ、分散剤、接着
剤、糊剤、乳化剤、フィルム、繊維、紙加工剤、各種コ
ーティング用途等に用いることができるが、特にインク
ジェット用記録媒体のコーティング用途に有用で、かか
る用途について、説明する。
【0011】本発明の樹脂組成物をインクジェット用記
録媒体のコーティング用途に用いるに当たっては、一般
には水に溶解して用いられるが、溶剤系でも使用可能で
ある。溶剤の種類は、(A)及び(B)の特性や配合割
合等に応じて適宜選択すれば良い。かかる樹脂組成物の
使用にあたっては、塗工液として使用され、該塗工液の
調製に当たっては特に制限はなく、要するに水と上記の
樹脂組成物を混合すれば良い。濃度は目的に応じて適宜
調節すれば良いが、特に好ましい該樹脂組成物の濃度は
作業性等を考慮して、通常は0.1〜40重量%、更に
は1〜20重量%程度の範囲から選ばれる。
【0012】本発明においては、上記の如き樹脂組成物
を用いるのであるが、白色度を高める等の場合は、該樹
脂組成物中に無機微粒子が配合されていることが好まし
く、かかる無機微粒子としては、合成シリカ、コロイダ
ルシリカ、アルミナ等を挙げることができ、好適には合
成シリカやコロイダルシリカなどのケイ素化合物が用い
られる。また、かかる無機微粒子の形状としては、球
状、粒状、パウダー状、数珠状等が挙げられ、その平均
粒子径としては、0.01〜50μm(更には0.05
〜30μm、特に0.1〜20μm)が好ましく、かか
る粒子径が0.01μm未満では塗工液の流動性が悪い
ため塗りにくく、またインクドット径が小さく、印字濃
度が低くなり、逆に50μmを越えると平滑性が低下
し、表面がざらついた状態となって好ましくない。かか
る無機微粒子の配合量は、PVA100重量部に対し
て、0.1〜10000重量部(更には、1〜5000
重量部、特に、5〜1000重量部が好ましく、かかる
配合量が0.1重量部未満では文字のにじみが生じやす
くなり、逆に10000重量部を越えると発色濃度の低
下が生じやすくなって好ましくない。当然のことなが
ら、OHP(オーバーヘッドプロジェクト)用フイルム
のように透明性が要求される場合には無機微粒子の量を
少なくし(具体量は0.1〜10重量部程度)、また紙
のように白色が要求される場合には、後述する固形分の
範囲内で無機微粒子の量を多くする(具体量は100〜
10000重量部程度)ことが望まれる。
【0013】また、本発明で用いられる樹脂組成物に
は、必要に応じてグリオキザール、尿素樹脂、ポリアミ
ドポリアミンエピクロルヒドリン、ポリエチレンイミン
等の耐水化剤、消泡剤、離型剤、界面活性剤(上記の親
水基含有フッ素系化合物以外)、防腐剤、防虫剤、防錆
剤、増粘剤等の公知の添加剤を添加することもでき、又
本発明の特徴を損なわない範囲であれば他の紙加工剤、
例えば、従来公知の他のポリビニルアルコール、澱粉、
カルボキシメチルセルロース、アクリル系ラテックス、
SBRラテックス等の樹脂も混合することができる。
【0014】本発明においては、上記の如き樹脂組成物
が、基材中及び/又は基材表面の塗工層に含有されるの
であるが、かかる基材としては、特に制限はないが、例
えば、上質紙、中質紙、(セミ)グラシン紙、光沢紙、
コート紙、PETシート、PVCシート、PEN(ポリ
エチレンナフタレート)シート、PETフイルム、PV
Cフイルム、PENフイルムなどが好適に用いられる。
【0015】かかる基材に樹脂組成物を塗工するにあた
っては、サイズプレスコート、ロールコーター法、エヤ
ードクター法、ブレードコーター法、ゲートロールコー
ター法等の公知の任意の方法が採用されるが、該樹脂組
成物を塗工するときは、固形分が0.5〜70重量%
(更には2〜60重量%)の水溶液とすることが好まし
く、かかる固形分が、1重量%未満では、付着量が少な
く、印字濃度や表面紙力強度も低く実用性に乏しいもの
となり、逆に70重量%を越えると塗工液の粘度が高く
なるため、塗工が困難になり、また塗工斑も生じるため
に好ましくない。基材に塗工される樹脂組成物の塗布量
は、0.1〜40g/m2(固形分換算)、特に好まし
くは0.5〜20g/m2(同上)程度になるようにす
るのが適当である。かくして、該樹脂組成物が基材中及
び/又は基材表面の塗工層に含有されて、インクジェッ
ト用記録媒体が得られるのであるが、本発明の樹脂組成
物は、特にインクジェット用記録媒体のオーバーコート
層に用いることが有用で、かかる用途についてより具体
的に説明する。
【0016】かかるオーバーコート層は、前述したよう
に、基材上に設けられたインク受理層の表面に設けられ
るもので、乾燥後の厚みが0.1〜1000μm(更に
は0.3〜500μm)となるように塗工することが好
ましく、かかる厚みが0.1μm未満では、耐水性が不
十分となり、逆に1000μmを越えるとインク受理性
が不良となって好ましくない。また、塗工する塗工液中
の該樹脂組成物の含有量は0.5〜70重量%(更には
2〜60重量%)が好ましく、かかる含有量が0.5重
量%未満では、付着量が少なく、耐水性が不十分であ
る。逆に80重量%を越えると粘度が高く、塗工性が不
良となって好ましくない。かかる塗工に当たっては、特
に制限はないが、通常エアーナイフ、ブレードコータ
ー、ロールコーター法等が用いられる。かくして得られ
た本発明の樹脂組成物は、上記の如くインクジェット用
記録媒体のオーバーコート層に用いることが有用である
が、該記録媒体のインク受理層にも用いることができ、
このときは、顔料(二酸化チタン、合成シリカ、アルミ
ナ、炭酸カルシウム等)とPVA100重量部に対し、
1〜10000部の割合で混合し、更に着色剤(染
料)、溶剤(水、アルコール、グリコール等)を添加す
る。
【0017】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。尚、実施例中、「部」、「%」とあるのは、特に
ことわりのない限り重量基準を示す。下記の(A)AA
化PVA及び(B)平均重合度2600以上のPVAを
準備した。(A)AA化PVA (A−1);アセト酢酸エステル基含有量1モル%、ケ
ン化度94モル%、平均重合度2500のAA化PVA (A−2);アセト酢酸エステル基含有量1モル%、ケ
ン化度88モル%、平均重合度3000のAA化PVA (A−3);アセト酢酸エステル基含有量6モル%、ケ
ン化度95モル%、平均重合度2800のAA化PVA (A−4);アセト酢酸エステル基含有量6モル%、ケ
ン化度82モル%、平均重合度3800のAA化PVA (A−5);アセト酢酸エステル基含有量3モル%、ケ
ン化度93モル%、平均重合度3000のAA化PVA (A−6);アセト酢酸エステル基含有量3モル%、ケ
ン化度90モル%、平均重合度5000のAA化PVA(B)平均重合度2600以上のPVA (B−1);ケン化度95モル%、平均重合度3500
のPVA (B−2);ケン化度90モル%、平均重合度4000
のPVA (B−3);ケン化度93モル%、平均重合度2500
のPVA (B−4);ケン化度88モル%、平均重合度3500
のPVA (B−5);ケン化度85モル%、平均重合度3000
のPVA (B−6);ケン化度88モル%、平均重合度3000
のPVA
【0018】実施例1 上記の(A−1)60部及び(B−1)40部からなる
本発明の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物につい
て、以下の要領で評価を行った。得られた樹脂組成物の
10%水溶液調製して、PETフィルム上に30μmの
厚みになるようにキャスト製膜後、100℃で2分間熱
処理をして、評価用のフィルムを作製した。次いで、か
かるフィルム(10cm×10cm)を20℃の水に1
時間浸せきさせて、膨潤度及び溶出率を以下の要領で測
定した。 (膨潤率)浸せき後にフィルムを取り出してろ紙で表面
の付着水を取り除いて重量W1(g)を測定し、更に1
05℃で3時間乾燥させた重量W2(g)を測定して、
下記の式により算出した。 膨潤度(倍)=W1(g)/W2(g)
【0019】(溶出率)浸せき前のフィルムを105℃
で3時間乾燥させた後重量W1(g)を測定し、浸せき
後にフィルムを取り出して105℃で3時間乾燥させた
後重量W2(g)を測定して、下記の式により算出し
た。 溶出率(%)={(W1(g)−W2(g))/W1
(g)}×100 更に、上記の評価用フィルムの強度及び伸度をJIS
K6783に準拠して測定した。また、上記の樹脂組成
物2.5部に、非晶質の合成シリカ(富士シリシア化学
社製、「サイリシア446」、形状:球形、粒子径:
4.5μm)7部、ジメチロール尿素0.5部と共に9
0部の水に溶解させて塗工液を得て、該塗工液を坪量1
00g/m2の上質紙に樹脂固形分で10.0g/m2
なるようにバーコートを行った後、円筒回転式ドライヤ
ーにて105℃で2分間乾燥した。得られたインクジェ
ット用記録媒体について、印字濃度、耐水性、フェザリ
ングの状態(表2では単にフェザリングと記す)、耐ブ
ロッキング性の評価を以下の要領で行った。
【0020】(印字濃度)得られたインクジェット用記
録媒体にインクジェットプリンター(セイコーエプソン
社製、「PM−750C」)でイエロー、シアン、マゼ
ンダブラックの各色を記録(印字)し、記録部分をそれ
ぞれマクベス濃度計(マクベス社製、「RD914
型」)で印字濃度を測定した。 (耐水性)得られたインクジェット用記録媒体にインク
ジェットプリンター(セイコーエプソン社製、「PM−
750C」)で印字後、その表面に水を滴下して、15
秒経過後にティッシュペーパーで水を拭き取り、印字部
分の色落ち具合を目視観察して、以下の通り評価した。 ○ −−− ほとんど色落ちしない △ −−− 若干色落ちする × −−− 色落ちが激しい
【0021】(フェザリングの状態)得られたインクジ
ェット用記録媒体にインクジェットプリンター(セイコ
ーエプソン社製、「PM−750C」) で印字後、そ
の文字の滲み(フェザリング)状況を目視観察して、以
下の通り評価した。 ○ −−− ほとんど滲みが見られない △ −−− 若干滲みが見られる × −−− 滲みが著しい (耐ブロッキング性)得られたインクジェット用記録媒
体を5枚重ねて、その上から10kg/cm 2の荷重を
かけて、40℃、90%RHの状態で5日間放置後に該
記録媒体のブロッキング状態を調べて、以下の通り評価
した。 ○ −−− ブロッキングはほとんど見られない △ −−− 部分的にブロッキングが見られる × −−− 全体にブロッキングが見られる
【0022】実施例2〜6、比較例1〜2 表1に示される如き(A)AA化PVA及び(B)平均
重合度2600以上のPVAを用いて、実施例1と同様
にインクジェット用記録媒体を作製して、実施例1に準
じて同様に評価を行った。 実施例7〜12 表1に示される如き(A)AA化PVA及び(B)平均
重合度2600以上のPVAを用いて、実施例1と同様
に塗工液を調製して、厚さ50μmのPET(ポリエチ
レンテレフタレート)フィルム(透明度95%)に塗工
した以外は実施例1と同様にインクジェット用記録媒体
を作製して、実施例1に準じて同様に評価を行った。実
施例及び比較例の評価結果を表2及び3に示す。
【0023】
【表1】 (A)成分 (B)成分 種類 配合部 種類 配合部 実施例1 (A−1) 60 (B−1) 40 〃 2 (A−2) 80 (B−2) 20 〃 3 (A−3) 70 (B−3) 30 〃 4 (A−4) 60 (B−4) 40 〃 5 (A−5) 40 (B−5) 60 〃 6 (A−6) 60 (B−6) 40 〃 7 (A−1) 60 (B−1) 40 〃 8 (A−2) 80 (B−2) 20 〃 9 (A−3) 70 (B−3) 30 〃 10 (A−4) 60 (B−4) 40 〃 11 (A−5) 40 (B−5) 60 〃 12 (A−6) 60 (B−6) 40 比較例1 (A−1)100 (B−1) 0 〃 2 (A−1) 0 (B−1)100
【0024】
【表2】 膨潤度 溶出度 強度 伸度 (倍) (%) (kg・cm2) (%) 実施例1 1.5 15 730 300 〃 2 1.3 19 660 270 〃 3 1.9 20 650 250 〃 4 1.6 12 610 170 〃 5 2.2 37 580 310 〃 6 2.4 25 550 240 〃 7 3.1 20 570 220 〃 8 2.2 16 510 180 〃 9 1.6 25 790 220 〃 10 1.4 29 620 150 〃 11 1.4 27 550 160 〃 12 1.8 22 560 180 比較例1 3.5 40 310 350 〃 2 8.2 90 460 480
【0025】
【表3】 印字濃度 耐水性 フェサ゛リンク゛ 耐フ゛ロッキンク゛性イエローシアンマセ゛ンタ゛フ゛ラック 実施例1 1.35 1.33 1.35 ○ ○ ○ 〃 2 1.29 1.28 1.34 ○ ○ ○ 〃 3 1.40 1.37 1.33 ○ ○ ○ 〃 4 1.33 1.43 1.38 ○ ○ ○ 〃 5 1.43 1.35 1.31 ○ ○ ○ 〃 6 1.37 1.32 1.29 ○ ○ ○ 〃 7 1.32 1.43 1.34 ○ ○ ○ 〃 8 1.34 1.44 1.32 ○ ○ ○ 〃 9 1.29 1.32 1.33 ○ ◎ ◎ 〃 10 1.33 1.33 1.32 ○ ◎ ◎ 〃 11 1.29 1.33 1.37 ○ ○ ○ 〃 12 1.42 1.39 1.29 ○ ○ ○ 比較例1 1.30 1.21 1.17 × △ × 〃 2 0.92 0.98 0.88 ○ × ○
【0026】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、耐水性、機械的
強度及び柔軟性等のフィルム物性に優れ、フィルム、紙
加工剤、各種コーティング用途等に用いることができ、
特にインクジェット用記録媒体のコーティング用途に有
用で、かかる用途に用いたときは、印字濃度、耐水性、
フェザリングの状態、耐ブロッキング性、表面紙力強度
等の向上をさせることができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 2H086 BA16 BA34 BA41 4J002 BE02W BE02X FD010 FD090 GH01 4J100 AA02Q AA03Q AA06Q AA15Q AA19Q AC03Q AC04Q AE02Q AE09Q AE18Q AF11Q AG04P AJ01Q AJ02Q AJ08Q AJ09Q AK01Q AK18Q AK32Q AL02Q AL08Q AL34Q AL36Q AL44Q AM02Q AM15Q AM21Q AN04Q AN05Q AN14Q AP01Q AQ08Q BA03 BA08 BA32 HA13 HA61 HC33

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)アセト酢酸エステル基含有ポリビ
    ニルアルコール系樹脂および(B)平均重合度2600
    以上のポリビニルアルコール系樹脂を含有してなること
    を特徴とする樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)アセト酢酸エステル基含有ポリビ
    ニルアルコール系樹脂および(B)平均重合度2600
    以上のポリビニルアルコール系樹脂の含有割合(A)/
    (B)が98/2〜2/98(重量比)であることを特
    徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (A)アセト酢酸エステル基含有ポリビ
    ニルアルコール系樹脂中のアセト酢酸エステル基含有量
    が0.1〜15モル%で、かつ該ポリビニルアルコール
    系樹脂のケン化度が80〜96モル%であることを特徴
    とする請求項1または2記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (B)平均重合度2600以上のポリビ
    ニルアルコール系樹脂のケン化度が70〜99.9モル
    %であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の
    樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 インクジェット用記録媒体のコーティン
    グ用途に用いることを特徴とする請求項1〜4いずれか
    記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 インクジェット用記録媒体のコーティン
    グ用途が、オーバーコート層であることを特徴とする請
    求項5記載の樹脂組成物。
JP25391399A 1999-09-08 1999-09-08 樹脂組成物 Pending JP2001072711A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25391399A JP2001072711A (ja) 1999-09-08 1999-09-08 樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25391399A JP2001072711A (ja) 1999-09-08 1999-09-08 樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001072711A true JP2001072711A (ja) 2001-03-21

Family

ID=17257792

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25391399A Pending JP2001072711A (ja) 1999-09-08 1999-09-08 樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001072711A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003301084A (ja) * 2002-04-12 2003-10-21 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 樹脂組成物およびその用途
JP2005120115A (ja) * 2003-10-14 2005-05-12 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The ポリビニルアルコール系樹脂組成物
JP2005120114A (ja) * 2003-10-14 2005-05-12 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 薄膜状物およびその用途
DE112004002698T5 (de) 2004-02-03 2008-09-04 Mitsubishi Paper Mills Limited Tintenstrahlaufzeichnungsmaterial
JP2009185429A (ja) * 2008-02-08 2009-08-20 Daio Paper Corp 工程剥離紙
CN108219035A (zh) * 2016-12-21 2018-06-29 中国石化集团四川维尼纶厂 乙酰乙酰基改性聚乙烯醇及其制备方法和用途

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003301084A (ja) * 2002-04-12 2003-10-21 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 樹脂組成物およびその用途
JP2005120115A (ja) * 2003-10-14 2005-05-12 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The ポリビニルアルコール系樹脂組成物
JP2005120114A (ja) * 2003-10-14 2005-05-12 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 薄膜状物およびその用途
DE112004002698T5 (de) 2004-02-03 2008-09-04 Mitsubishi Paper Mills Limited Tintenstrahlaufzeichnungsmaterial
JP2009185429A (ja) * 2008-02-08 2009-08-20 Daio Paper Corp 工程剥離紙
CN108219035A (zh) * 2016-12-21 2018-06-29 中国石化集团四川维尼纶厂 乙酰乙酰基改性聚乙烯醇及其制备方法和用途

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5322625B2 (ja) インクジェット記録用媒体、インク受容層形成用塗工液、およびインクジェット記録用媒体の製造方法
US8314175B2 (en) Aqueous composition for recording medium, and ink-jet recording medium using the same
US7592046B2 (en) Recording medium
JP5078268B2 (ja) 樹脂組成物およびその用途
JP4229225B2 (ja) インクジェット用記録媒体
JP2001072711A (ja) 樹脂組成物
JPS63176174A (ja) 耐水性に優れたインクジエツト記録用シ−ト
JP4694761B2 (ja) 樹脂組成物水溶液およびその用途
JP5647263B2 (ja) インクジェット記録材料の製造方法
JP5694880B2 (ja) インクジェット記録材料の製造方法
JP4285719B2 (ja) インクジェット用記録媒体
JP2000158801A (ja) インクジェット用記録媒体
JPS63183873A (ja) 耐水性に優れたインクジエツト記録用シ−ト
JP6324059B2 (ja) 樹脂組成物、コート層、感熱記録媒体、及び水性塗工液
JP3914417B2 (ja) インクジェット用記録媒体
JP4404175B2 (ja) 記録媒体
JP4036294B2 (ja) インクジェット記録用媒体
JP2004268576A (ja) 記録用媒体
WO1995000340A1 (en) Ink jet receiver sheet
US20040048964A1 (en) Coating composition for inkjet applications
JP4818563B2 (ja) 樹脂組成物およびその用途
JP2004268577A (ja) 記録用媒体
JP2017189927A (ja) インクジェット記録媒体及びその製造方法
JP2018021179A (ja) 水性塗工液、インク受容層用塗工液及び多層構造体
JP2001071622A (ja) インクジェット用記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060825

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090528

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091022