JP2004277367A - 架橋剤及びそれを用いた樹脂組成物 - Google Patents

架橋剤及びそれを用いた樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリビニルアルコール系樹脂、特にAA化PVAや、エポキシ樹脂等の水性樹脂と併用したときに、溶液の安定性に優れ、得られる架橋物の耐水性にも優れた架橋剤を提供すること。
【解決手段】下記一般式(1)で表されるアミノ基含有化合物からなるアミノ基と反応性を有する官能基を含有する水性樹脂用の架橋剤。
R−〔(CH ―NR −C(CH )=CH−COX〕 ・・・(1)
(ここで、Rは芳香環、脂肪族環、複素環から選ばれる環式化合物の水素を除いた残基またはアルキレン基、Rは水素、アルキル基のいずれかで、Xはアルキル基または−ORでRはアルキル基、nは0または正の整数、mは正の整数をそれぞれ表す)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ポリビニルアルコール系樹脂や水性エポキシ樹脂等の水性樹脂用に有用の新規なアミノ化合物系架橋剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ポリビニルアルコール系樹脂等の水性樹脂は、有機溶剤を必要とせず、その扱いが安全で容易である反面、各種用途に供されたときには耐水性が劣るという欠点も有するものである。
かかる欠点を克服するために、各種の架橋剤の併用が提案されている。
例えば、ポリビニルアルコール系樹脂、特にポリビニルアルコール系樹脂にアセト酢酸エステル基を導入したアセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂(以下、AA化PVAと略記する)には、アミン系化合物(例えば、特許文献1参照。)が提案されている。
また、水性のエポキシ樹脂の場合においても、自己架橋性でないために架橋剤の併用が必要で、例えば、水性エポキシ化合物に水溶性アミン類を架橋剤として用いること(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特開昭58−204040号公報
【特許文献2】
特開2002−348355号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者が上記のアミン系架橋剤について、詳細に検討を行ったところ、AA化PVAにアミン系架橋剤を用いたときには、低温で架橋反応が進行し、高湿雰囲気下でも黄変の少ない架橋物が得られ、またエポキシ樹脂に対しては耐熱性の高い架橋物が得られるため有用であるが、いずれの場合も可使時間が短いという問題点があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者は、かかる事情に鑑みて鋭意検討した結果、下記一般式(1)で表されるアミノ基含有化合物が可使時間を長く保持でき、さらには水性樹脂に優れた耐水性を与えることができることを見出して本発明を完成するに至った。
R−〔(CH―NR−CCH=CH−COX〕 ・・・(1)
(ここで、Rは芳香環、脂肪族環、複素環から選ばれる環式化合物の水素を除いた残基またはアルキレン基、Rは水素、アルキル基のいずれかで、Xはアルキル基または−ORでRはアルキル基、nは0または正の整数、mは正の整数をそれぞれ表す)
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳述する。
本発明の架橋剤であるアミノ基含有化合物は、下記一般式(1)で示される化合物で、Rは芳香環、脂肪族環、複素環から選ばれる環式化合物の水素を除いた残基またはアルキレン基、Rは水素、アルキル基のいずれかで、Xはアルキル基または−ORでRはアルキル基、nは0または正の整数、mは正の整数をそれぞれ表す。
R−〔(CH―NR−CCH=CH−COX〕 ・・・(1)
【0007】
かかるアミノ基含有化合物は、以下の方法により得ることができる。
例えば、ポリアミン化合物のアミノ基をβ−ジケトンまたはβ−ケトエステル等の1,3−ジカルボニル化合物を反応させることによって得られるもので、かかるポリアミン化合物としては、ヘキサメチレンジアミン等の直鎖脂肪族ポリアミン類、メタキシリレンジアミン等の芳香環、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ノルボルナンジアミン等の脂肪族環を有するポリアミン類、1,3−フェニルジアミン等の芳香族ポリアミン類などの一般式R−〔(CH―NR〔R、R、n、mはそれぞれ上記(1)式と同じ〕で表される化合物が挙げられ、好適には、ヘキサメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンが用いられる。
【0008】
上記において、β−ジケトンとしてはアセチルアセトンが、β−ケトエステル化合物としてはアセト酢酸メチル、アセト酢酸エチルなどが好適に用いられる。
かかる一般式で表されるポリアミン化合物とβ−ジケトンまたはβ−ケトエステル等の1,3−ジカルボニル化合物との反応物は、該ポリアミン化合物と1,3−ジカルボニル化合物を直接反応させて製造してもよいが、有利には該ポリアミン化合物と1,3−ジカルボニル化合物との反応物を乳化剤及び/又は界面活性剤の存在下で水性媒体中の乳化した水性エマルジョン状態とすれば、容易に調製ができる。
なお、本発明の架橋剤においては、かかる一般式で表されるポリアミン化合物が、1,3−ジカルボニル化合物でアミノ基が一旦保護された形となるため、その使用まで可使時間が延長でき、使用時に加熱等で乾燥させるとその保護基として存在していた1,3−ジカルボニル化合物が遊離・飛散する結果、アミノ基と水性樹脂との架橋反応が進行して、耐水性が発揮されるものと推察される。
【0009】
かかる乳化剤及び界面活性剤としては、ケン化度が70〜95モル%の部分ケン化ポリビニルアルコール系樹脂、カルボン酸基、スルホン酸等を側鎖にもつアニオン変性ポリビニルアルコール系樹脂、4級アンモニウム塩基等を側鎖に持つカチオン変性ポリビニルアルコール系樹脂、アニオン系,ノニオン系,カチオン系界面活性剤等を挙げることができ、好適にはケン化度が70〜95モル%の部分ケン化ポリビニルアルコール系樹脂あるいはカチオン変性ポリビニルアルコール系樹脂が用いられる。また、界面活性剤としては、HLBが15以上のノニオン系界面活性剤を用いることが好ましく、かかるノニオン系界面活性剤としては、具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等を例示することができ、好適にはポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルが用いられる。
【0010】
かかる水性エマルジョンを具体的に得る方法としては、かかる一般式で表されるポリアミン化合物と1,3−ジカルボニル化合物を混合して反応させると非水性の反応物が生成するので、これを乳化剤を含む水溶液中に投入して、ホモミキサー等で強撹拌する方法や、水性媒体中で乳化剤の存在下に上記の一般式で表されるポリアミン化合物と1,3−ジカルボニル化合物を反応させる方法等を挙げることができるが、好ましくは1,3−ジカルボニル化合物と乳化剤を含む水溶液に上記一般式で表されるポリアミン化合物の水溶液を撹拌しながら滴下する方法が採用される。1,3−ジカルボニル化合物の使用量は該ポリアミン化合物のアミノ基に対して1〜1.2モル倍とすることが好ましい。さらにエマルジョンの濃度は5〜70重量%(さらには10〜50重量%、特には20〜40重量%)とすることが好ましい。エマルジョン作製時の温度は室温以下(さらには10℃以下)が好ましく、該ポリアミン化合物の水溶液を滴下するときは、滴下後1〜2分で乳白色のエマルジョンが形成されるが、その後30分程度撹拌を続けることが好ましい。
【0011】
かくして得られた本発明の架橋剤(好ましくは水性エマルジョン状態)は、アミノ基と反応しうる官能基、例えば、水酸基、エポキシ基、カルボキシル基、アセト酢酸エステル基等を含有する各種の水性樹脂の架橋剤として使用することができ、特にポリビニルアルコール系樹脂や水性エポキシ樹脂の架橋剤として有用で、かかるポリビニルアルコール系樹脂の中でも、特にアセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂(以下、AA化PVAと記す)の架橋剤として有用である。
【0012】
かかるAA化PVAとは、後述するようにポリビニルアルコールにジケテンを反応させたり、ポリビニルアルコールとアセト酢酸エステルを反応させてエステル交換したりして、ポリビニルアルコールにアセト酢酸エステル基を導入させたもので、かかるポリビニルアルコールとしては、一般的にはポリ酢酸ビニルの低級アルコール溶液をアルカリや酸などのケン化触媒によってケン化したケン化物又はその誘導体が用いられ、更には酢酸ビニルと共重合性を有する単量体と酢酸ビニルとの共重合体のケン化物等を用いることもできる。
【0013】
かかる単量体としては、例えばエチレン、プロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のオレフィン類、ビニレンカーボネート類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノ又はジアルキルエステル等、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸あるいはその塩、アルキルビニルエーテル類、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ジメチルアリルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテルなどのポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリルアミド等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシエチレン(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプロピル)エステル、ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル、ポリオキシエチレンアリルアミン、ポリオキシプロピレンアリルアミン、ポリオキシエチレンビニルアミン、ポリオキシプロピレンビニルアミン等が挙げられる。
【0014】
かかるAA化PVAの原料となるポリビニルアルコールは、特に限定されないが、上記の架橋剤と使用するときの混合性(水溶性)を考慮するとケン化度は70モル%以上(さらには75モル%以上、特には80モル%以上)が好ましい。
また、該ポリビニルアルコールの平均重合度(JIS K6726に準拠)も特に限定されないが、上記の架橋剤と組み合わせてコーティングや接着剤用途に用いるときには100〜5000(さらには200〜4500、特には300〜4000)が好ましく、かかる平均重合度が100未満では、充分な耐水性が得られないことがあり、逆に5000を越えると水溶液の粘度が高くなりすぎて作業性や浸透性基材への浸透性等が低下して好ましくない。
【0015】
AA化PVAを得るには、上記の如きポリビニルアルコールとジケテンを反応させる方法、ポリビニルアルコールとアセト酢酸エステルを反応させエステル交換する方法、酢酸ビニルとアセト酢酸ビニルを共重合させる方法等を挙げることができるが、製造工程が簡略で、品質の良いAA化PVAが得られる点から、ポリビニルアルコール(粉末)とジケテンを反応させる方法で製造するのが好ましい。ポリビニルアルコールとジケテンを反応させる方法としては、ポリビニルアルコールとガス状或いは液状のジケテンを直接反応させても良いし、有機酸をポリビニルアルコールに予め吸着吸蔵せしめた後、不活性ガス雰囲気下で液状またはガス状のジケテンを噴霧、反応するか、またはポリビニルアルコールに有機酸と液状ジケテンの混合物を噴霧、反応する等の方法が用いられる。
【0016】
上記の反応を実施する際の反応装置としては、加温可能で撹拌機の付いた装置であれば十分である。例えば、ニーダー、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、その他各種ブレンダー、撹拌乾燥装置を用いることができる
【0017】
かくして得られたAA化PVA中のアセト酢酸エステル基の含有量は、上記の用途を考慮すれば、0.1〜40モル%(さらには0.3〜30モル%、特には0.5〜20モル%)が好ましく、かかる含有量が0.1モル%未満では、充分な耐水性が得られないことがあり、逆に40モル%を越えると水溶性が低下したり、水溶液の保存安定性が低下したりして好ましくない。
【0018】
上記の如きAA化PVAに本発明の架橋剤を用いるときには、その配合割合は特に制限はないが、AA化PVA(A)と本発明の架橋剤(B)の配合割合(A/B)が100/0.1〜100/30(さらには100/0.3〜100/25、特には100/0.5〜100/20)(重量比)とすることが好ましく、かかる配合割合が100/0.1を越えるときは耐水性が低下し、逆に100/30未満では架橋剤と混合後の安定性が低下して好ましくない。
【0019】
また、水性エポキシ樹脂としては、例えばグリシジルエーテル化合物、グリシジルエステル化合物、グリシジルアミン化合物等が挙げられるが、好適にはグリシジルエーテル化合物が用いられ、かかるグリシジルルジエーテル化合物としては、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスルトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル等を挙げることができる。
上記の如き水性エポキシ樹脂に本発明の架橋剤を適用するにあたっては、特に制限はないが、水性エポキシ樹脂(A)と本発明の架橋剤(B)の配合割合(A/B)が100/1〜100/100(さらには100/3〜100/50、特には100/5〜100/30)(重量比)とすることが好ましく、かかる配合割合が100/1を越えるときは十分に硬化が進まない恐れがあり、逆に100/100未満では硬化物表面にタックが発生することがあり好ましくない。
【0020】
かくして、本発明の架橋剤は、各種の水性樹脂、特にポリビニルアルコール系樹脂(中でもAA化PVA)や水性エポキシ樹脂と併用されて、接着剤、紙加工剤、各種コーティング、バインダー等の用途に用いられ、特に感熱記録用媒体、インクジェット記録用媒体、接着剤用途に有用で、かかる用途について、さらに説明するが、これらの用途に限定されるものではない。
【0021】
まず、感熱記録用媒体について説明する。
かかる感熱記録用媒体は、基材上に▲1▼感熱発色層および▲2▼保護層が設けられたもので、本発明では上記の水性樹脂と架橋剤の樹脂組成物水性液(以下、単に樹脂組成物水性液と称することがある)をこれらの層のいずれか一方或いは両方に適用するのである。すなわち、上記の樹脂組成物水性液の塗工層が、基材に直接および/または他の層を介して積層されて感熱記録用媒体となるのである。
【0022】
以下、これらの各層について詳細に説明する。
▲1▼感熱発色層に適用する場合は、上記の樹脂組成物水性液にさらに発色性物質と顕色剤を配合した後、基材に塗工すればよい。このときの発色性物質および顕色剤の配合量は、樹脂組成物水性液中の水性樹脂(例えばAA化PVA)に対して、10〜200重量%が適当である。該水性液の固形分濃度は作業性を考慮して10〜40重量%の範囲から選ばれる。
【0023】
上記の発色性物質の例としては、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド[クリスタルバイオレットラクトン]、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロロフタリド、3−ジメチルアミノー6−メトキシフルオラン、7−アセトアミノ−3−ジエチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ5,7−ジメチルフルオラン、3,6−ビス−β−メトキシエトキシフルオラン、3,6−ビス−β−シアノエトキシフルオラン等のトリフェニルメタン系染料のロイコ体が挙げられる。
【0024】
また、顕色剤としては、前記発色性物質と加熱時に反応して発色せしめるもので、常温以上、好ましくは70℃以上で液化もしくは気化するもの、例えばフェノール、p−メチルフェノール、p−ターシャリーブチルフェノール、p−フェニルフェノール、α−ナフトール、β−ナフトール、4,4’−イソプロピリデンジフェノール[ビスフェノールA]、4,4’−セカンダリーブチリデンジフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、4,4’−イソプロピリデンビス(2−ターシャリーブチルフェノール)、4,4’−(1−メチルーn−ヘキシリデン)ジフェノール、4,4’−イソプロピリデンジカテコール、4,4’−ベンジリデンジフェノール、4,4’−イソプロピリデンビス(2−クロロフェノール)、フェニルー4−ヒドロキシベンゾエート、サリチル酸、3−フェニルサリチル酸、5−メチルサリチル酸、3,5−ジ−ターシャリーブチルサリチル酸、1−オキシ−2−ナフトエ酸、m−オキシ安息香酸、4−オキシフタル酸、没食子酸などが挙げられるが、発色性物質、顕色剤ともにこれらに限定されるわけではない。
【0025】
得られた水性液を基材に塗工するにあたっては、ロールコーター法、エヤードクター法、ブレードコーター法、バーコーター法、ツーロールサイズプレス法、ゲートロール法等の公知の任意の方法が採用される。該水性液の塗工量は、乾燥重量で0.1〜20g/m(さらには0.5〜15g/m、特には1〜10g/m)程度とすることが好ましい。
【0026】
次に、▲2▼保護層について説明する。
▲2▼保護層とは、上記発色性物質、顕色剤、バインダー(例えばポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプン類、ラテックス類等)より構成された感熱発色層の上に形成(塗工)される層のことで、上記の樹脂組成物水性液を塗工して薄膜状層を形成させればよい。
【0027】
該塗工に際しては、上記の樹脂組成物水性液、さらには必要により下記の顔料や各種助剤を混合攪拌して得られた塗工液を用いればよく、このときの塗工量は、水性樹脂(例えば、AA化PVA)の乾燥重量で、0.5〜10g/m程度になるようにすることが好ましい。塗工後は風乾あるいは軽度の加熱処理を行うことによって目的とする塗工層が形成される。
かかる顔料としては、例えば炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、タルク、カオリン、クレー等の無機顔料、ナイロン樹脂フィラー、尿素・ホルマリン樹脂フィラー、デンプン粒子等の有機顔料が挙げられ、助剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、パラフィンワックス等の滑剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、蛍光染料、剥離剤、酸化防止剤などが挙げられる。
【0028】
該塗工にあたっては、ロールコーター法、エヤードクター法、ブレードコーター法、バーコーター法、ツーロールサイズプレス法、ゲートロール法等の公知の任意の手段で実施可能である。
なお、上記の感熱記録用媒体に用いられる基材としては特に制限はなく、紙(マニラボール、白ボール、ライナー等の板紙、一般上質紙、中質紙、グラビア用紙等の印刷用紙、上・中・下級紙、新聞用紙、剥離紙、カーボン紙、ノンカーボン紙、グラシン紙、合成紙など)や、プラスチックフィルム(ポリエステルフィルム、ナイロンフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム及びこれらの積層体等)などを使用することができる。
【0029】
また、得られる感熱記録用媒体としては、基材/アンダーコート層/感熱発色層/保護層、基材/アンダーコート層/感熱発色層、基材/感熱発色層/保護層或いは基材/感熱発色層等の層構成とすることが可能である。なお、かかるアンダーコート層とは、記録感度や記録画質の向上を目的として設けられるもので、焼成クレー等の吸油性顔料とポリビニルアルコール等のバインダー樹脂を主成分とする層である。
【0030】
次に、インクジェット記録用媒体について説明する。
インクジェット記録用媒体については、基材上に▲1▼インク受容(理)層および▲2▼保護層が設けられたもので、本発明では上記の樹脂組成物水性液をこれらの層のいずれか一方或いは両方に適用することができる。すなわち、上記の樹脂組成物水性液の塗工層が、基材に直接および/または他の層を介して積層されてインクジェット記録用媒体となるのである。
【0031】
以下、これらの各層について詳細に説明する。
▲1▼インク受容層に適用する場合は、上記の樹脂組成物水性液に、さらに必要に応じて顔料とインク定着剤を配合した水性液を得た後、該水性液を基材に塗工すればよい。このときの顔料の配合量は、樹脂組成物水性液中の水性樹脂(例えば、AA化PVA)に対して10〜200重量%が適当である。また、該水性液の固形分濃度は作業性を考慮して3〜20重量%が適当である。
【0032】
上記の顔料の例としては、乾式法シリカ、湿式法シリカ、ゾルゲル法シリカ、コロイダルシリカなどの合成非晶質シリカ、あるいはアルミナ微粒子などが挙げられる。
【0033】
また、インク定着剤としては、インクジェットインク中の染料分子のスルホン酸基、カルボン酸基などのアニオン性官能基とイオン結合して水に不溶の化合物となりうるもので、Al、Ca、Mgなどの多価金属イオン、塩化ベンザルコニウムなどのカチオン性界面活性剤、あるいはカチオン性ポリマーであるポリエチレンイミン塩、ジメチルアミンエピハロヒドリン縮合体、ポリビニルアミン塩、ポリアリルアミン塩、ポリジメチルアミノエチルメタクリレート四級塩、ポリジアリルジメチルアンモニウム塩、ジアリルアミンアクリルアミド共重合体塩、カチオン変性PVA等のカチオン性化合物が挙げられる。
【0034】
該水性液を基材に塗工するにあたっては、ロールコーター法、エヤードクター法、ブレードコーター法、バーコーター法、ツーロールサイズプレス法、ゲートロール法、カーテンコーター法等の公知の任意の方法が採用される。該水性液の基材への塗工量は乾燥重量で0.1〜40g/m、特に好ましくは0.5〜20g/m程度になるようにするのが適当である。塗工後は加熱乾燥により揮発成分を除くことで、目的とする塗工層が形成される。
【0035】
次に、▲2▼保護層について説明する。
▲2▼保護層とは、顔料、バインダー(例えばポリビニルアルコール、デンプン類、ゼラチン類、ポリビニルピロリドン等)、インク定着剤などから構成されたインク受容層の上に形成(塗工)される層のことで、上記の樹脂組成物水性液を塗工して薄膜状層を形成させればよい。
【0036】
該塗工に際しては、上記の樹脂組成物水性液、さらには必要により下記の顔料や各種助剤等を混合攪拌して得られた塗工液を用いればよく、このときの塗工量は、水性樹脂(例えば、AA化PVA)の乾燥重量で、0.5〜10g/m程度になるようにすることが好ましい、塗工後は加熱乾燥により揮発成分を除くことで、目的とする塗工層が形成される。
顔料としては、例えばコロイダルシリカ、気相法シリカなどの微粒子状シリカ、あるいは微粒子状アルミナなどが挙げられ、助剤としては、例えば界面活性剤、紫外線吸収剤、蛍光染料などが挙げられる。
【0037】
該塗工にあたっては、ロールコーター法、エヤードクター法、ブレードコーター法、バーコーター法、ツーロールサイズプレス法、ゲートロール法等の公知の任意の手段で実施可能である。
【0038】
なお、上記のインクジェット記録用媒体に用いられる基材としては、例えばポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、酢酸セルロース、ポリカーボネート、ポリイミド、セロファン、セルロイド等の樹脂のフィルム、シート、上質紙、中質紙、(セミ)グラシン紙、光沢紙、(樹脂)コート紙、合成紙等の紙類を挙げることができ、さらには、布、木材、金属等のフィルム、シートなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0039】
次に、接着剤について説明する。
接着剤用途においては、本発明の樹脂組成物水性液をそのまま用いるか、あるいは酢酸ビニル系エマルジョン、ウレタン系エマルジョン、アクリル系エマルジョン等のエマルジョンと混合した後、かかる混合液を被着体に塗布して接着すればよい。かかる被着体としては、木材、紙、ガラス、アルミ箔、プラスチック、偏光板における偏光板フィルムと保護層、不織布、繊維板等が挙げられる。また、該水性液を無機物(石膏、フェライト、セラミックスなど)の粉体に混合してバインダーとして用いることも可能で、さらには各種建材のバインダーとして使用することもできる。
【0040】
上記の接着剤用途においては、特に該水性液中の水性樹脂(例えば、AA化PVA)濃度を1〜30重量%にすることが好ましく、また、無機物粉体のバインダーに用いるときには、該粉体に対して該水性樹脂濃度を0.1〜10重量%となるようにすることが好ましい。
【0041】
接着後、必要に応じて、30〜160℃の熱処理を3秒から数十時間行い、接着力や耐水性を向上させる場合がある。
【0042】
また、上記の接着剤には必要に応じて、他のポリビニルアルコール系樹脂や澱粉などの水溶性高分子や多価金属やイソシアネートやアミノ樹脂、アルデヒド化合物などの架橋剤、可塑剤、造膜助剤、炭酸カルシウムやクレー、酸化チタンなど顔料、防虫剤、消泡剤(あるいは発泡剤)、防錆剤等、充填剤、アルコール類、レシチンやラノリンなどの防腐剤などを配合することも可能である。
【0043】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。
なお、例中「%」、「部」とあるのは特に断りのない限り重量基準である。
【0044】
実施例1
アセト酢酸メチル3.7g(31.9ミリモル)、乳化剤(日本合成化学工業社製「ゴーセノールGL−03」、ケン化度88モル%の部分ケン化ポリビニルアルコール系樹脂)0.285g、ノニオン系界面活性剤(花王社製「エマルゲン935」、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、HLB17.5)0.285g及び水27.6gの水溶液に、メタキシリレンジアミン(三菱ガス化学社製「MXDA」)2.0g(14.7ミリモル)を含む水溶液20.0gを加えて、室温で30分間攪拌して、乳化を行って、本発明の架橋剤〔本文中の一般式(1)でRがメタフェニレン基、Rが素、Xが−OCHで、n=1、m=2〕(エマルジョン、固形分濃度9.4%)を得た。
【0045】
上記で得られた架橋剤をAA化PVAと混合した組成物について、安定性(ゲル化時間)と該組成物から得られた架橋物(フィルム)の耐水性を以下の要領で評価した。
(安定性)
ケン化度99.2モル%、平均重合度1200、アセト酢酸エステル基4.1モル%含有のAA化PVA8.0g及び水72.0gの水溶液に、上記の架橋剤(エマルジョン)を8.0g配合して、40℃に放置して、水性液の粘度を30分ごとに測定して、粘度が1000mPa・sを越えるまでの時間を測定したところ、480分であった。
【0046】
(耐水性)
上記と同様に水性液を調製して、PETフィルム上に流し込み、70℃で30分間加熱処理を行ってフィルム(厚さ約100μm)を作製後、80℃の熱水に1時間浸漬させてフィルムの溶出率(%)を測定したところ、24%であった。
【0047】
実施例2
実施例1において、乳化剤の量を0.57g〔ノニオン系界面活性剤の使用は省略〕として、メタキシレンジアミンに代えて1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(三菱瓦斯化学社製「1,3−BAc」)を2.1g(15.0ミリモル)を用いた以外は同様に架橋剤〔本文中の一般式(1)でRが1,3−シクロヘキシル基、Rが素、Xが−OCHで、n=1、m=2〕(エマルジョン、固形分濃度9.4%)を得て同様に評価を行ったところ、安定性(粘度が1000mPa・sを越えるまでの時間)は2880分であった。また、耐水性(フィルムの溶出率)は33%であった。
【0048】
実施例3
実施例1において、AA化PVAに代えてソルビトールポリグリシジルエーテルを用いた以外は同様に評価を行ったところ、安定性(粘度が1000mPa・sを越えるまでの時間)は270分であった。また、耐水性(フィルムの溶出率)は6%であった。
【0049】
比較例1
実施例1において、架橋剤としてアミン系架橋剤(ヘキサメチレンジアミン)を使用した以外は実施例1と同様にして評価を行ったところ、安定性(粘度が1000mPa・sを越えるまでの時間)は10分であった。また、耐水性(フィルムの溶出率)は15%であった。
【0050】
【発明の効果】
本発明の架橋剤は、ポリビニルアルコール系樹脂、特にAA化PVAや、エポキシ樹脂等の樹脂用の架橋剤として有用であり、該架橋剤は水性樹脂に混合されたときに混合液の安定性が良好で、かつ得られる架橋物の耐水性にも優れ、感熱記録用媒体やインクジェット記録用媒体のコーティング剤用途や接着剤用途面で、耐水強度に優れた上記の媒体や耐水接着性に優れた接着剤を与えることができる。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で表されるアミノ基含有化合物からなることを特徴とするアミノ基と反応性を有する官能基を含有する水性樹脂用の架橋剤。
    R−〔(CH―NR−CCH=CH−COX〕 ・・・(1)
    (ここで、Rは芳香環、脂肪族環、複素環から選ばれる環式化合物の水素を除いた残基またはアルキレン基、Rは水素、アルキル基のいずれかで、Xはアルキル基または−ORでRはアルキル基、nは0または正の整数、mは正の整数をそれぞれ表す)
  2. 上記一般式(1)で表されるアミノ基含有化合物が水性エマルジョン化されてなることを特徴とするアミノ基と反応性を有する官能基を含有する水性樹脂用の架橋剤。
  3. 請求項1または2記載の架橋剤とアセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコールを含有してなることを特徴とする樹脂組成物。
  4. 請求項1または2記載の架橋剤と水性エポキシ樹脂を含有してなることを特徴とする樹脂組成物。
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