JP2016107608A - 保護層用塗工液、保護層及び感熱記録媒体 - Google Patents

保護層用塗工液、保護層及び感熱記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】有機溶剤系インキの密着性に優れる感熱記録媒体の保護層を提供すること。【解決手段】アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)と架橋剤(B)と無機フィラー(C)、及び炭素数3〜10のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル由来の構造単位を含むビニル系樹脂微粒子(D)を含有することを特徴とする感熱記録媒体の保護層用塗工液を用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、感熱記録媒体に用いられる保護層用塗工液に関し、更に詳しくは、有機溶剤系インキによる印字部の密着性に優れた保護層が得られる保護層用塗工液に関するものである。
感熱記録媒体は、支持基材上に、例えば無機フィラー、ロイコ染料、顕色剤及び分散剤を含む水分散液を塗工・乾燥して形成された感熱発色層を有しており、加熱によりロイコ染料と顕色剤が溶融して混ざり合い、反応して発色する。更に、感熱発色層の上には、保護層が設けられ、油分や有機溶剤が付着し、これらにロイコ染料と顕色剤が溶解、混同して発色することを防いでいる。
また、無機フィラーは、耐ブロッキング性向上、感熱記録媒体の強度向上のために含有させるものであり、カオリンやシリカ、炭酸カルシウムなどが主に用いられている。
感熱記録媒体は、比較的安価で、記録機器も維持が容易なため、ファクシミリやPOSラベル、各種チケット用紙等、様々な記録媒体として使用されている。感熱記録媒体の中でも、ラベルやチケット等に用いられるものには、保護層に予め店名やイラストなどの共通事項を有機溶剤系のインキで印刷しておき、発券時に感熱により日付や価格などを印字するものが広く利用されている。
従って、このような感熱記録媒体の保護層には、感熱発色層の保護能力だけでなく、印刷特性も求められる。
一般に、感熱記録媒体の保護層として、耐油性、耐有機溶剤性に優れることからポリビニルアルコール系樹脂が用いられ、特にアセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂に架橋剤を反応させ、架橋構造体とすることで耐水性を付与して用いられる。また、他の方法としては、耐久性及び加工性を向上させるためにポリビニルアルコールを乳化剤として用いたアクリル系エマルジョンを塗工し乾燥することにより保護層を形成させることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
更に、近年は、感熱紙を加熱する前にプレ印刷を施す場合もあり、印刷特性を向上させるための検討もしばしば行われており、保護層として、エチレン性不飽和カルボン酸を含有する重合体とシリコーンとの水可溶性グラフト共重合体を含有してなる感熱記録体等も提案されており、保護層にはポリビニルアルコール系樹脂やアクリル樹脂を配合することが記載されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2012−56218号公報 特開2010−64421号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、分散剤としてポリビニルアルコールを用いているものの、ポリビニルアルコールは分散剤としてのみ含有しているものであり、含有量が少なく、耐油性が低下する傾向があった。また、特許文献2の技術によって得られた感熱記録媒体の保護層では有機溶剤系インキにて印字した場合の保護層とインキの密着性の点で、近年の要求性能の高まりに対してまだまだ満足できないものであった。
本発明者等は、上記事情に鑑み鋭意検討した結果、アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)と架橋剤(B)と無機フィラー(C)を含有する塗工液において、更に、特定の炭素数のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル由来の構造単位を含むビニル系樹脂微粒子(D)を含有させることで、上述の課題が解決されることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の要旨は、アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)と架橋剤(B)と無機フィラー(C)、及び炭素数3〜10のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル由来の構造単位を含むビニル系樹脂微粒子(D)を含有することを特徴とする感熱記録媒体の保護層用塗工液に関するものである。
また、本発明では、前記保護層用塗工液を塗工して得られた層を少なくとも1層有する感熱記録媒体をも提供するものである。
これは、本発明の保護層の塗工液を用いて得られる保護層中のビニル系樹脂微粒子(D)が有する炭素数3〜10のアルキル基と有機溶剤系インキとの相互作用により、本発明の効果が得られたと推測される。
本発明の保護層用塗工液は、感熱記録媒体の保護層とした際に有機溶剤系インキの密着性に優れるため、使用時あるいは保管時等に記録媒体同士が擦れるなどしても表面のインキが剥がれることのない感熱記録媒体を提供することができる。
本発明の感熱記録媒体の保護層用塗工液は、アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)(以下、アセトアセチル基含有ポリビニルアルコールをAA化PVAと略記することがある。)、架橋剤(B)、無機フィラー(C)、炭素数3〜10のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル由来の構造単位を含むビニル系樹脂微粒子(D)を含有するものである。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、これらの内容に特定されるものではない。
以下、本発明について詳細に説明する。
〔AA化PVA系樹脂(A)〕
次に、本発明で用いられるAA化PVA系樹脂(A)について説明する。
本発明に用いられるAA化PVA系樹脂(A)は、PVA系樹脂の主鎖に直接、あるいは酸素原子や連結基を介してアセトアセチル基(AA基)が結合したもので、例えば、一般式(2)で表されるアセトアセチル基を有する構造単位を含むポリビニルアルコール系樹脂が挙げられる。なお、かかるAA化PVA系樹脂(A)は、アセトアセチル基を有する構造単位以外にビニルアルコール構造単位を有し、更に未ケン化部分のビニルエステル構造単位を有する。
Figure 2016107608
本発明のAA化PVA系樹脂(A)の平均重合度(JIS K6726に準拠)は、その用途によって適宜選択すればよいが、通常、300〜4000であり、特に500〜3000、さらに800〜2000のものが好適に用いられる。
また、20℃における4質量%水溶液粘度は(JIS K6726に準拠)は、通常3〜100mPa・s、好ましくは4〜50mPa・s、特に好ましくは5〜20mPa・sである。
かかる平均重合度や4質量%水溶液粘度が小さすぎると、十分な耐水性が得られなかったり、十分な架橋速度が得られなくなる傾向があり、逆に大きすぎると、水溶液として使用した場合に、その粘度が高くなりすぎ、基材への塗工が困難になるなど、各種工程への適用が難しくなる傾向がある。
また、本発明に用いられるAA化PVA系樹脂(A)のケン化度は、通常、80〜100モル%であり、さらには85〜99.9モル%、特には90〜99.8モル%、殊には95〜99.8モル%のものが好適に用いられる。かかるケン化度が低い場合には、水溶液とすることが困難になったり、水溶液の安定性が低下したり、得られた架橋高分子の耐水性が不充分となる傾向がある。
また、AA化PVA系樹脂(A)中のアセトアセチル基含有量(以下AA化度と略記する。)は、通常、0.1〜20モル%であり、さらには1〜15モル%、特には3〜10モル%であるもの好ましい。かかる含有量が少なすぎると、耐水性が低下したり、十分な架橋速度が得られなくなる傾向があり、逆に多すぎると、水溶性が低下したり、水溶液の安定性が低下する傾向がある。
本発明においては、使用するPVA系樹脂のすべてがAA化PVA系樹脂(A)であることが好ましいが、AA化PVA系樹脂(A)以外のPVA系樹脂が併用されていてもよく、その含有量はAA化PVA系樹脂(A)に対して、通常20重量%以下であり、特に10重量%以下、さらに5重量%以下であることが好ましい。
かかるAA化PVA系樹脂(A)以外のPVA系樹脂としては、未変性のPVAや、ビニルエステル系モノマーと共重合性を有する各種モノマーを共重合して得られた各種変性PVAを挙げることができる。
また、本発明で用いられるAA化PVA系樹脂(A)には、製造工程で使用あるいは副生した酢酸ナトリウムなどのアルカリ金属の酢酸塩(主として、ケン化触媒として用いたアルカリ金属水酸化物とポリ酢酸ビニルのケン化によって生成した酢酸との反応物等に由来)、酢酸などの有機酸(PVA系樹脂にアセト酢酸エステル基を導入する際の、ジケテンとの反応時にPVA系樹脂に吸蔵させた有機酸等に由来)、メタノール、酢酸メチルなどの有機溶剤(PVA系樹脂の反応溶剤、AA化PVA系樹脂製造時の洗浄溶剤等に由来)が一部残存していても差し支えない。
かかるAA化PVA系樹脂(A)の製造法としては、特開2010−077385号公報の明細書段落〔0059〕から〔0065〕に記載の方法で製造することができる。
〔架橋剤(B)〕
AA化PVA系樹脂(A)には、耐水性向上のために架橋剤(B)を配合することが必要で、PVA系樹脂に一般的に用いられているグリオキザールなどのアルデヒド化合物、ヒドラジンの有機塩類、アジピン酸ジヒドラジドなどのヒドラジン化合物、グリオキシル酸の金属塩、メチロール化メラミンなどのメチロール化合物、塩基性塩化ジルコニウムなどの金属化合物が挙げられ、好ましくはグリオキシル酸の金属塩であり、特に好ましくはグリオキシル酸のアルカリ金属又はアルカリ土類金属である。
かかる架橋剤(B)の含有量は、架橋剤の種類にもよるが、AA化PVA系樹脂(A)100重量部に対して通常、0.5〜30重量部、好ましく1〜20重量部、更に好ましくは2〜15重量部である。また、グリオキシル酸の金属塩を用いた場合の含有量はAA化PVA系樹脂(A)100重量部に対して通常、0.5〜30重量部、好ましく1〜20重量部、更に好ましくは2〜15重量部である。かかる架橋剤(B)の含有量が多すぎても少なすぎても耐水性が低下する傾向がある。
〔無機フィラー(C)〕
本発明で用いられる無機フィラー(C)としては、例えば、焼成カオリン、タルク、軽質炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、無定形シリカ等などが挙げられ、好ましくは耐油性の点でカオリンが用いられる。
無機フィラー(C)の含有量としては、AA化PVA系樹脂(A)100重量部に対して、通常50〜300重量部、好ましくは100〜200重量部である。無機フィラーの含有量が多すぎるとバインダー強度の低下となる傾向があり、少なすぎると耐ブロッキング性が低下する傾向がある。
〔炭素数3〜10のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル由来の構造単位を含むビニル系樹脂微粒子(D)〕
本発明の炭素数3〜10のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル由来の構造単位を含むビニル系樹脂微粒子(D)は、例えば以下の式(1)で表される構造単位を有するものである。
Figure 2016107608
[式中、R1は水素又はメチル基、R2は、炭素数3〜10のアルキル基を示す。]
本発明においては、R1は水素又はメチル基であるが、好ましくは水素である。
また、R2は、炭素数3〜10のアルキル基であり、例えば、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル着、t−ブチル基、ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、2−エチルヘキシル基、などが挙げられる。好ましくは炭素数4〜8のアルキル基であり、特に好ましくは炭素数4のn−ブチル基、i−ブチル着、t−ブチル基であり、更に好ましくはn−ブチル基である。かかる炭素数が多すぎても少なすぎても微粒子(D)の親水/疎水の調和が崩れる傾向がある。
本発明で用いられるビニル系樹脂微粒子(D)は、上記一般式(1)で表される構造単位を通常、40〜100重量%、好ましくは40〜80重量%、特に好ましくは45〜70重量%含有するものである。かかる含有量が少なすぎると本発明の効果が得られにくくなる傾向がある。
本発明の微粒子(D)は、炭素数3〜10のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル以外の単量体を共重合したものを有していてもよく、炭素数3〜10のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル以外の単量体としては、通常、エチレン性不飽和単量体やジエン系単量体が挙げられ、主にエマルジョン重合に多く用いられるモノマーが挙げられる。例えば、ビニルエステル系モノマー、アクリル酸またはそのエステル系モノマー、ジエン系モノマー等であり、その他のモノマーとしては、オレフィン系モノマー、アクリルアミド系モノマー、アクリルニトリル系モノマー、スチレン系モノマー、ビニルエーテル系モノマー、アリル系モノマー等が挙げられる。
かかるビニルエステル系モノマーとしては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、バーサチック酸ビニル、1−メトキシビニルアセテート、酢酸イソプロペニル等が、アクリル酸またはそのエステル系モノマーとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸等が、ジエン系モノマーとしては、ブタジエン−1,3、2−メチルブタジエン、1,3又は2,3−ジメチルブタジエン−1,3、2−クロロブタジエン−1,3等をそれぞれ挙げることができる。
さらに、オレフィン系モノマーとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等のオレフィン系単量体や塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化オレフィン類を、アクリルアミド系モノマーとしては、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ジアセトンアクリルアミド等を、アクリルニトリル系モノマーとしては、(メタ)アクリルニトリル等を、スチレン系モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン等を、ビニルエーテルとしては、メチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル等を、アリル系モノマーとしては、酢酸アリル、塩化アリル等をそれぞれ挙げることができる。
また、上記以外にも、フマル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸、無水トリメット酸等のカルボキシル基含有化合物及びそのエステルやエチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のスルホン酸基含有化合物、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン化合物、更には酢酸イソプロペニル、3−(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド等を挙げることができる。
上記の中でも、水性エマルジョンの耐アルカリ性を考慮すれば、(メタ)アクリル酸またはそのエステル系モノマー、スチレン系モノマー、ブタジエン系モノマーが好ましい。
また、上記のエチレン性不飽和単量体やジエン系単量体は、それぞれ単独で重合に用いることも可能であるが、2種類以上混合して重合に用いること(共重合)も勿論可能である。
上記ビニル系樹脂微粒子(D)の平均粒子径は、通常200〜1000nm、特に300〜800nmであることが好ましい。なお、この場合の平均粒子径は、ヒストグラム法にて算出した数平均粒子径(Dn)を指すものであり、例えば、大塚電子株式会社製ダイナミック光散乱光度計『DLS−700』を用いて測定することができる。
上記ビニル系樹脂微粒子(D)の製造方法は、通常、(i)炭素数3〜10のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを含む単量体を乳化重合し、エマルジョン(d)とする方法、(ii)炭素数3〜10のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体を粉砕機を用いて粒子径を小さくする方法などが挙げられ、微粒子が得られやすい点から(i)の方法が好ましい。
以下、(i)の製造方法について詳細に説明する。
(i)の製造方法で得られるエマルジョン(d)は、炭素数3〜10のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル由来の構造単位を含むビニル系樹脂を分散質として含むものであり、炭素数3〜10のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを含む単量体成分を界面活性剤で分散し、乳化重合することにより得ることができる。また、単量体成分として炭素数3〜10のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル以外にも上述した他の単量体も含有してもよい。
本発明のエマルジョン(d)の固形分濃度は、通常、10〜80重量%、好ましくは20〜70重量%、特に好ましくは30〜60重量%である。かかる濃度が低すぎると乾燥に時間がかかり効率が低下する傾向があり、高すぎると塗工が困難になる傾向がある。
〔界面活性剤〕
前記界面活性剤としては、例えば、アルキルもしくはアルキルアリル硫酸塩、アルキルもしくはアルキルアリルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、アルキルスルホン酸ソーダ等のアニオン性界面活性剤;アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンカルボン酸エステル、ポリオキシエチレングリコール型、ポリオキシエチレンプロピレングリコール型等のノニオン性界面活性剤;およびアンモニウム−α−スルホナト−ω−1−(アリルオキシメチル)アルキルオキシポリオキシエチレン、α−スルホ−ω−(1−(アルコキシ)メチル−2−(2−プロペニルオキシ)エトキシ−ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)のアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテル等があげられ、これらは単独、もしくは2種以上併せて用いられる。
上記界面活性剤の使用量は、特に制限はないが、単量体全体100部に対して、0.1〜10部であることが好ましく、さらには0.3〜8部、特には0.5〜5部の範囲であることが好ましい。すなわち、界面活性剤の使用量が少なすぎると、重合安定性の面において、不安定になる傾向がみられ、逆に、多すぎると、得られる重合体の平均粒子径が小さくなりすぎる傾向がみられ、結果、エマルジョンの粘度が高くなりすぎて作業性が低下する等の問題が生じる傾向がみられるからである。
(i)のエマルジョンの製造方法にはさらに、乳化重合、後乳化法の2つ方法があり、前者の乳化重合を実施するに当たっては、イ)水、界面活性剤及び重合触媒の存在下にエチレン性不飽和単量体及び/又はジエン系単量体を一時又は連続的に添加して、加熱、撹拌する如き通常の乳化重合法、ロ)水、界面活性剤及び重合触媒の存在下に、エチレン性不飽和単量体及び/又はジエン系単量体を界面活性剤の水溶液に混合分散した分散液(プレエマルジョン)を一時又は連続的に添加して、加熱、撹拌する如き乳化重合法が実施し得る。
重合開始剤としては、通常、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、臭素酸カリウム等がそれぞれ単独で又は酸性亜硫酸ナトリウムと併用して、更には過酸化水素−酒石酸、過酸化水素−鉄塩、過酸化水素−アスコルビン酸−鉄塩、過酸化水素−ロンガリット、過酸化水素−ロンガリット−鉄塩等の水溶性のレドックス系の重合開始剤が用いられ、具体的には化薬アクゾ社製『カヤブチルB』や同社製『カヤブチルA−50C』等の有機過酸化物とレドックス系からなる触媒を用いることもできる。
重合開始剤の添加方法としては、特に制限はなく、初期に一括添加する方法や重合の経過に伴って連続的に添加する方法等を採用することができる。
上記ビニル系樹脂微粒子(D)の含有量は、AA化PVA系樹脂(A)100重量部に対して通常1〜65重量部、好ましくは15〜55重量部、特に好ましくは25〜45重量部である。
また、かかるビニル系樹脂微粒子(D)をエマルジョン(d)として配合する場合のエマルジョン(d)の含有量(固形分換算)は、AA化PVA系樹脂(A)100重量部に対して通常1〜70重量部、好ましくは20〜60重量部、特に好ましくは30〜50重量部である。
かかるビニル系樹脂微粒子(D)の含有量が多すぎると耐油性が低下する傾向があり、少なすぎると本発明の効果が得られにくくなる傾向がある。
〔保護層用塗工液〕
本発明の保護層用塗工液は、AA化PVA系樹脂(A)を水溶液とし、架橋剤(B)、無機フィラー(C)、及びビニル系樹脂微粒子(D)を配合して用いられる。
また、塗工液中のAA化PVA系樹脂(A)の含有割合は、塗工液全体に対して、通常0.5〜30%であり、好ましくは1〜15重量%とすることが好ましい。AA化PVA系樹脂(A)の含有割合が少なすぎると、保護層としての効果を充分に発揮できないことがあり、逆に多すぎると塗工液の粘度が高くなるため、塗工が困難になることがあり好ましくない。
また、塗工液のpHとしては10以下が好ましく、さらには3〜10である。pHが高過ぎると耐温水性や耐可塑剤性が低下することがあり好ましくない。なお、AA化PVA系樹脂(A)は水溶液とすると弱酸性となるので、かかるpH調整は通常必要ないことが多いが、必要に応じて、塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸、クエン酸、酒石酸、蓚酸、酢酸などの有機酸、あるいは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニアなどの塩基性化合物でpH調整すればよい。
更に、塗工液に必要に応じて熱可塑性樹脂、顔料、その他添加剤等を配合することもできる。
熱可塑性樹脂としてはアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物などが挙げられ、中でもインク密着性の点からアクリル系樹脂が好ましい。
上記の熱可塑性樹脂の配合量は、塗工液の固形分全体の通常10〜70重量%、好ましくは20〜60重量%である。
該顔料としては、例えば、ナイロン樹脂フィラー、尿素・ホルマリン樹脂フィラー、デンプン粒子等の有機顔料が挙げられ、その他の添加剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、パラフィンワックス等の滑剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、蛍光染料、剥離剤、酸化防止剤などが挙げられる。
本発明の保護層用塗工液は、AA化PVA系樹脂(A)と架橋剤(B)と無機フィラー(C)とビニル系樹脂微粒子(D)を含有するものであるが、各成分の配合方法及び配合順序は特に限定されないが、例えば、以下の方法が挙げられる。
配合方法としては、各成分を水溶液又は水分散液とする方法、固体状で混合した後に水で溶解又は分散させる方法、ある成分の水溶液又は水分散液に固体状で配合する方法などが挙げられる。好ましくは、各成分を水溶液又は水分散液とする方法である。
各成分を水溶液又は水分散液をする際の濃度は、通常1〜50重量%、好ましくは2〜30重量%とすることが好ましく、濃度が低すぎると乾燥に時間がかかり効率が低下する傾向があり、高すぎると塗工が困難となる傾向がある。
また、配合順序は、例えば、以下の順序が挙げられる。
(ア)1成分ずつ順番に配合する方法
(イ)任意の2〜3成分を混合した後、残りの成分を順次又は一括にて配合する方法
(ウ)すべての成分を同時に配合する方法
(エ)架橋反応の進行のスピードに合わせて架橋剤(B)を一番最後に配合する方法
また、保護層用塗工液の塗工方法としては、例えば、ロールコーター法、エヤードクター法、ブレードコーター法、バーコーター法、サイズプレス法、ゲートロール法、カーテンコーター法等が挙げられ、通常、後述する感熱記録層の上に塗工される。
更に、保護層用塗工液を塗工した後の乾燥条件としては、通常は5〜150℃、さらには30〜150℃、特には50〜150℃の温度条件で、0.1〜60分、さらには0.1〜30分、特には0.2〜20分の乾燥時間が好ましく用いられる。
上述のように保護層用塗工液を塗工して、乾燥して得られた保護層の厚みは、通常0.01〜100μm、好ましくは0.05〜20μm、特に好ましくは0.1〜10μmである。かかる厚みが薄すぎると耐水性耐油性が低下する傾向があり、厚すぎると発色不良となる傾向がある。
〔感熱発色層〕
感熱記録媒体には、基材上に感熱発色層が設けられるのであるが、かかる感熱発色層は、バインダー(例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプン類、ラテックス類等)にさらに発色性物質と顕色剤を配合した水溶液(発色液)を得た後、該水溶液を基材に塗工することにより形成させることができる。
かかる感熱発色層は、バインダー、発色性物質と顕色剤を配合した水溶液を得た後、該水溶液を基材に塗工すればよい。この時の発色性物質や顕色剤は水溶液中ではブロック化するのでサイドグラインダー、ボールミル、ビスコミル等で0.1〜5μm程度に粉砕される。
上記の発色性物質の例としては、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド[クリスタルバイオレットラクトン]、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロロフタリド、3−ジメチルアミノ−6−メトキシフルオラン、7−アセトアミノ−3−ジエチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン、3,6−ビス−β−メトキシエトキシフルオラン、3,6−ビス−β−シアノエトキシフルオラン等のトリフェニルメタン系染料のロイコ体が挙げられる。
また、顕色剤は前記発色性物質と加熱時反応して発色するもので常温以上好ましくは70℃以上で液化もしくは気化するものが好ましく、例えばフェノール、p−メチルフェノール、p−ターシャリーブチルフェノール、p−フェニルフェノール、α−ナフトール、β−ナフトール、4,4’−イソプロピリデンジフェノール[ビスフェノールA]、4,4’−セカンダリーブチリデンジフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、4,4’−イソプロピリデンビス(2−ターシャリーブチルフェノール)、4,4’−(1−メチル−n−ヘキシリデン)ジフェノール、4,4’−イソプロピリデンジカテコール、4,4’−ペンジリデンジフェノール、4,4−イソプロピリデンビス(2−クロロフェノール)、フェニル−4−ヒドロキシベンゾエート、サリチル酸、3−フェニルサリチル酸、5−メチルサリチル酸、3,5−ジ−ターシャリーブチルサリチル酸、1−オキシ−2−ナフトエ酸、m−オキシ安息香酸、4−オキシフタル酸、没食子酸などが挙げられる。
感熱発色層を設けるに当たっては上記のバインダー、発色性物質と顕色剤を配合した水溶液をロールコーター法、エヤードクター法、ブレードコーター法、バーコーター法、サイズプレス法、ゲートロール法、カーテンコーター法等任意の塗工手段で基材に塗工すればよく、塗工液の固形分は10〜60重量%程度とすればよく、該水溶液の塗工量は、乾燥重量で0.1〜20g/m2程度である。
塗工手段としては上記の感熱発色層で使用した塗工方法が用いられ、このときの塗工量は、乾燥重量で0.5〜10g/m2が好ましい。かかる塗工量が少なすぎると、耐水性を充分に発揮できないことがあり、多すぎると塗工斑を生じるために好ましくない。
塗工後は乾燥処理やカレンダー処理を行うことによって目的とする塗工層が形成される。
また、必要に応じて感熱発色層の下にアンダーコート層を設けても良く、アンダーコート層は、公知のPVAの他、澱粉、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カゼイン、アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体系ラテックスなどの水溶性及び水分散性樹脂や上記で述べた顔料を各々単独あるいは2種以上配合して塗工すればよい。アンダーコート層の塗工に際しては、保護層と同様の塗工方法、塗工液の濃度や塗工量が採用される。
得られる感熱記録用媒体は、基材/(アンダーコート層)/感熱発色層/保護層の層構成となる。
〔感熱記録用媒体〕
本発明の感熱記録用媒体は、基材上に任意の感熱発色層を有し、その上に本発明の保護層用塗工液を塗工して乾燥したものである。
基材としては、通常、紙(マニラボール、白ボール、ライナー等の板紙、一般上質紙、中質紙、グラビア用紙等の印刷用紙、上・中・下級紙、新聞用紙、剥離紙、カーボン紙、ノンカーボン紙、グラシン紙など)やプラスチックフィルム(ポリエステルフィルム、ナイロンフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム及びこれらの積層体等)などが挙げられる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
尚、例中、「部」、「%」とあるのは、重量基準を意味する。
実施例1
〔AA化PVA系樹脂(A)の作製〕
加温可能な撹拌機を備えた反応缶に、原料PVA(ケン化度99.2モル%、平均重合度1200)100部を仕込んだ後、酢酸20部を入れ、膨潤させ、回転数20rpmで撹拌しながら、50℃に昇温後、ジケテン14部を5時間かけて滴下し、更に1時間反応させた。反応終了後メタノール500部で3回洗浄した後60℃で、10時間乾燥し、AA化度5モル%のAA化PVA系樹脂(A)を得た。ケン化度、平均重合度は原料PVAに準ずる。
〔エマルジョン(d1)の作製〕
予め容器に、水16部、界面活性剤H(HostapalBVcnc クラリアント社製)0.9部、n−ブチルアクリレート23部、メチルメタクリレート23部、メタクリル酸1部、80%メタクリル酸0.6部を秤量し、単量体乳化混合液を調製した。
つぎに、温度計、攪拌機、還流冷却管、窒素導入管および滴下ロートを備えたガラス製反応容器に、水26部を投入し界面活性剤H0.7部を溶解した。
先に調製した単量体乳化混合液の10%を、上記ガラス製反応容器に加え、80℃に昇温し、80℃昇温の後、10%過硫酸アンモニウム(重合開始剤)0.7部を、上記ガラス製反応容器に添加し反応させた。その後、残りの単量体乳化混合液と10%過硫酸アンモニウム2.8部とを、3時間にわたってガラス製反応容器に滴下し、80℃で重合を行った。滴下終了後、85℃で60分間熟成を行い、重合を完結させた。室温(25℃)まで冷却後、中和剤(10%アンモニア水溶液)6部を添加し、さらに水を添加して、不揮発分(固形分)を47%、pH=7〜10に調整し、エマルジョン(d1)を得た。
〔無機フィラー(C)分散液の作製〕
無機フィラー(C)としてカオリンを用い、カオリン(白石カルシウム社製『カオグロス90』)50部を水50部に投入し、ホモジナイザー(TKロボミクス プライミクス社製)にて、2000rpmで30分間攪拌し、カオリンを水に分散させた。レーザー回折装置(堀場製作所製『Partica LA−950V2』)を用い、カオリンが約0.2μmに分散されていることを確認した後、更に水で希釈し、カオリンの10%水分散液を得た。
〔保護層用塗工液の作製〕
上記で得られたAA化PVA系樹脂(A)の10%水溶液100部と、上記で得られたカオリン(C)の10%水分散液50部と架橋剤としてグリオキシル酸ナトリウム(B)10%水溶液6部と上記で得られたエマルジョン(d1)を固形分換算で4部混合し、塗工液とした。
〔コーティング紙の作製〕
感熱記録媒体の保護層として評価する代わりに、市販のコピー用紙の表面にコーティング層を形成したコーティング紙によって評価した。
市販のコピー用紙に上記で得られた塗工液をクリアランス50μmのアプリケーターで塗工し、105℃で5分間乾燥させた後、23℃、50%RHで3日間乾燥させ、コーティング紙を得た。
なお、実施例において、感熱記録層を有しないコーティング紙を用いているが、保護層とインキとの密着性を評価するものであるので、感熱記録層の有無は本発明の効果に影響を及ぼさないものである。
〔インキ密着性評価〕
上記で得られたコーティング紙に、有機溶剤系インクであるUVオフセットインキ(DICグラフィックス社製『ダイキュア・アビリオ・プロセス・EP墨』)で20mm×100mmの範囲に印刷し、紫外線照射装置にて、下記の条件で紫外線を照射し、インキを硬化させた。
装置:紫外線照射装置(アイグラフィックス社)
ランプ:メタルハライド
照射量:1140mW/cm2
照射時間:1秒
印刷部分にセロハンテープ(ニチバン社製 セロテープ(登録商標)No.405 幅24mm)を貼り、剥がした時のインキの剥がれる様子を目視で観察し、下記の通り評価した。
○:インキの剥がれ無し、又は基材(紙)が剥がれた
×:インキが塗工面から剥がれた
結果を表1に示す。
実施例2
〔エマルジョン(d2)の作製〕
予め容器に、水14部、界面活性剤H(HostapalBVcnc クラリアント社製)1.3部、界面活性剤E(Emulsogen EPN28 クラリアント社製)0.7部、n−ブチルアクリレート37部、スチレン17部を秤量し、単量体乳化混合液を調製した。
つぎに、温度計、攪拌機、還流冷却管、窒素導入管および滴下ロートを備えたガラス製反応容器に、水18部を投入し界面活性剤E0.1部を溶解した。
先に調製した単量体乳化混合液の10%を、上記ガラス製反応容器に加え、85℃に昇温し、80℃昇温の後、10%過硫酸ナトリウム(重合開始剤)0.1部を、上記ガラス製反応容器に添加し反応させた。その後、残りの単量体乳化混合液と10%過硫酸ナトリウム4.5部とを、3時間にわたってガラス製反応容器に滴下し、80℃で重合を行った。滴下終了後、80℃で60分間熟成を行い、重合を完結させた。室温(25℃)まで冷却後、中和剤(10%苛性ソーダ)1部を添加し、さらに水を添加して、不揮発分(固形分)を47%、pH=7〜10に調整し、エマルジョン(d2)を得た。
実施例1において、エマルジョン(d1)を上記のエマルジョン(d2)に変えた以外は同様にして、塗工液及びコーティング紙を作製し、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
比較例1
〔エマルジョン(d’)の作製〕
エマルジョン(d1)の作製において、単量体組成をスチレン80部、メチルメタクリレート20部に変更した以外は同様に行い、エマルジョン(d’)を得た。
実施例1において、エマルジョン(d1)を上記のエマルジョン(d’)に変えた以外は同様にして、塗工液及びコーティング紙を作製し、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
Figure 2016107608
本発明の保護層用塗工液を用いた実施例1及び2は、セロハンテープで貼ったのちに剥がしてもインキの剥がれがなく、インキ密着性に優れるものであった。一方、本願特定のビニル系樹脂微粒子を含有しない比較例1では、インキが剥がれ、インキ密着性に劣るものであった。
本発明の感熱記録媒体は、保護層のインキ密着性が優れることから、予め各種の印刷を施すことが可能な感熱記録媒体として有用である。

Claims (4)

  1. アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)と架橋剤(B)と無機フィラー(C)、及び炭素数3〜10のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル由来の構造単位を含むビニル系樹脂微粒子(D)を含有することを特徴とする感熱記録媒体の保護層用塗工液。
  2. 炭素数3〜10のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル由来の構造単位を含むビニル系樹脂微粒子(D)が、炭素数3〜10のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル由来の構造単位を含むビニル系樹脂を分散質としたエマルジョン(d)として含有されるものである請求項1記載の保護層用塗工液。
  3. 請求項1又は2記載の保護層用塗工液を塗布し、乾燥して得られた保護層。
  4. 請求項3記載の保護層を少なくとも1層有する感熱記録媒体。
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