JP6541146B2 - 感熱記録媒体 - Google Patents
感熱記録媒体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6541146B2 JP6541146B2 JP2014220915A JP2014220915A JP6541146B2 JP 6541146 B2 JP6541146 B2 JP 6541146B2 JP 2014220915 A JP2014220915 A JP 2014220915A JP 2014220915 A JP2014220915 A JP 2014220915A JP 6541146 B2 JP6541146 B2 JP 6541146B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pva
- vinyl
- resin
- recording medium
- based resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)
Description
従って、このような感熱記録媒体の保護層には、感熱発色層の保護能力だけでなく、印刷特性も求められる。
このため、オフセット印刷特性を有する感熱記録媒体においても、保護層中のポリビニルアルコール系樹脂として高ケン化度のものが用いられている(例えば、特許文献2参照)。
即ち、本発明は、PVA系樹脂を保護層に用いる感熱記録媒体において、有機溶剤系インクの密着性を向上させることを目的とするものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
〔PVA系樹脂〕
まず、本発明で用いられるPVA系樹脂について説明する。
PVA系樹脂は、ビニルエステル系モノマーを重合して得られるポリビニルエステル系樹脂をケン化して得られる、ビニルアルコール構造単位を主体とする樹脂であり、ケン化度相当のビニルアルコール構造単位とビニルエステル構造単位から構成される。
上記ビニルエステル系モノマーとしては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、バーサチック酸ビニル等が挙げられるが、経済的に酢酸ビニルが好ましく用いられる。
また、PVA系樹脂の4重量%水溶液粘度は、通常1.5〜100mPa・sであり、好ましくは4〜80mPa・s、更に好ましくは5〜30mPa・sである。かかる粘度が低すぎると耐水性が低下する傾向があり、高すぎると粘度が上昇し、取り扱いや製造が困難となる傾向がある。
なお、本明細書において、PVA系樹脂の4重量%水溶液粘度は、PVA系樹脂の4質量%水溶液を調製し、JIS K6726に準拠して測定した20℃における粘度である。
かかる変性PVA系樹脂中の変性種、すなわち共重合体中の各種単量体に由来する構成単位、あるいは後反応によって導入された官能基の含有量は、変性種によって特性が大きく異なるため一概には言えないが、通常、1〜20モル%であり、特に2〜10モル%の範囲が好ましく用いられる。
本発明で用いるAA化PVAは、PVA系樹脂の主鎖に直接、あるいは酸素原子や連結基を介してアセトアセチル基(AA基)が結合したもので、例えば一般式(1)で表されるAA基を有する構造単位を含むポリビニルアルコール系樹脂が上げられる。なお、かかるAA化PVAは、AA基を有する構造単位以外にビニルアルコール構造単位を有し、更に未ケン化部分のビニルエステル構造単位を有する。
本発明の感熱記録用媒体は、基材上に任意の感熱発色層を有し、その上に保護層としてケン化度60〜80モル%のPVA系樹脂と、アクリル系樹脂及び/又はアクリル系エマルジョンとを含有するものである。
以下、保護層及び感熱発色層について説明する。
本発明の感熱記録媒体の保護層としては、ケン化度60〜84モル%のPVA系樹脂と、アクリル系樹脂及び/又はアクリル系エマルジョンとを含有するものであり、その厚さは、通常は0.01〜100μm、特に0.05〜20μm、さらに0.1〜10μmで用いられる。また、保護層は、PVAを含有する保護層用塗工液を塗工して、乾燥することにより形成される。
かかるPVA水溶液の濃度は、通常1〜50重量%、好ましくは2〜30重量%とすることが好ましく、かかる含有量が少なすぎると、保護層としての効果を充分に発揮できないことがあり、逆に多すぎると塗工液の粘度が高くなるため、塗工が困難になることがあり好ましくない。
熱可塑性樹脂としてはアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物などが挙げられ、中でもインク密着性の点からアクリル系樹脂が好ましい。
エマルジョンとしては、アクリル、アクリル−スチレン、酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル、フッ素、ウレタン系などが挙げられるが、中でもインク密着性の点からアクリル系エマルジョンが好ましい。
上記の熱可塑性樹脂又はエマルジョンの配合量は、塗工液の固形分全体の通常10〜70重量%、好ましくは20〜60重量%である。
該顔料としては、例えば、ナイロン樹脂フィラー、尿素・ホルマリン樹脂フィラー、デンプン粒子等の有機顔料が挙げられ、その他の添加剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、パラフィンワックス等の滑剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、蛍光染料、剥離剤、酸化防止剤などが挙げられる。
本発明の感熱記録媒体は、上記の基材上に感熱発色層が設けられるのであるが、かかる感熱発色層は、バインダー(例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプン類、ラテックス類等)にさらに発色性物質と顕色剤を配合した水溶液(発色液)を得た後、該水溶液を基材に塗工することにより形成させることができる。
塗工後は乾燥処理やカレンダー処理を行うことによって目的とする塗工層が形成される。
得られる感熱記録用媒体は、基材/(アンダーコート層)/感熱発色層/保護層の層構成となる。
尚、例中、「部」、「%」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
〔カオリン分散液の作成〕
まず、カオリン(白石カルシウム社製『カオグロス90』)50部を水50部に投入し、ホモジナイザー(TKロボミクス プライミクス社製)にて、2000rpmで30分間攪拌し、カオリンを水に分散させた。レーザー回折装置(堀場製作所製『Partica LA−950V2』)を用い、カオリンが約0.2μmに分散されていることを確認した後、更に水で希釈し、カオリンの10重量%水分散液を得た。
未変性PVA系樹脂1(ケン化度73モル%、4%水溶液粘度23mPa・s)の10重量%水溶液100部と、上記で得られたカオリンの10重量%水分散液50部を混合し、塗工液とした。
感熱記録媒体の保護層として評価する代わりに、市販のコピー用紙の表面にコーティング層を形成したコーティング紙によって評価した。
市販のコピー用紙に得られた塗工液をクリアランス50μmのアプリケーターで塗工し、105℃で5分間乾燥させた後、23℃、50%RHで3日間乾燥させ、コーティング紙を得た。
上記で得られたコーティング紙に、有機溶剤系インクであるUVオフセットインキ(DICグラフィックス社製『ダイキュア・アビリオ・EP墨』)でベタ印刷し、紫外線照射装置にて、下記の条件で紫外線を照射し、インクを硬化させた。
装置:紫外線照射装置(アイグラフィックス社)
ランプ:メタルハライド
出力:120W/cm2
ランプ位置:130mm
照射量:1014mW/cm2
照射時間:1秒
印刷部分にセロハンテープ(ニチバン社製 セロテープNo.405 幅24mm)を貼り、剥がした時のインクの剥がれる様子を目視で観察し、下記の通り評価した。
○:インクの剥がれ無しor基材(紙)が剥がれる
×:インクが塗工面から剥がれる
結果を表1に示す。
実施例1において、未変性PVA系樹脂1に変えて、未変性PVA系樹脂2(ケン化度80モル%、4%水溶液粘度5mPa・s)を用いた以外は、実施例1と同様にコーティング紙を作成し、同様にインク密着性評価を行った。結果を表1に示す。
〔AA化PVA1の作成〕
加温可能な撹拌機を備えた反応缶に、酢酸メチル90部と原料PVA(ケン化度78モル%、4%水溶液粘度6.4mPa・s)100部の混合物を仕込んだ後、酢酸8部、酢酸ナトリウム0.55部を1時間かけて添加しながら撹拌し45℃に昇温した。その後、ジケテン11部を1.5時間かけて添加して、さらに45℃で3時間反応させることにより、アセトアセチル基含有量3.5モル%のAA化PVAを得た。得られたAA化PVAをメタノールにて充分に洗浄した後、50℃で18時間乾燥させることにより乾燥してなる粉末状のAA化PVA(ケン化度、平均重合度は原料PVAに準ずる)とした。
実施例1において、未変性PVA1を上記で得られたAA化PVA1に代えた以外は同様にコーティング紙を作成し、同様にインク密着性評価を行った。結果を表1に示す。
実施例2において、〔保護層用塗工液の作成〕で更に架橋剤としてアジピン酸ジヒドラジド3部を添加した以外は実施例2と同様にコーティング紙を作成し、同様にインク密着性評価を行った。結果を表1に示す。
実施例4において、未変性PVA系樹脂2を上記で得られたAA化PVA1に代えた以外は実施例4と同様にコーティング紙を作成し、同様にインク密着性評価を行った。結果を表1に示す。
実施例5において、架橋剤としてアジピン酸ジヒドラジドに代えてグリオキシル酸ナトリウムを用いた以外は実施例5と同様にコーティング紙を作成し、同様にインク密着性評価を行った。結果を表1に示す。
実施例2において、〔保護層用塗工液の作成〕で更にアクリルエマルジョン1(ニチゴーモビニール社製『モビニール7700』)を20部添加した以外は実施例2と同様にコーティング紙を作成し、同様にインク密着性評価を行った。結果を表1に示す。
実施例7において、未変性PVA系樹脂2を上記で得られたAA化PVA1に代えた以外は実施例7と同様にコーティング紙を作成し、同様にインク密着性評価を行った。結果を表1に示す。
実施例8において、アクリルエマルジョン1に代えてアクリルエマルジョン2(ニチゴーモビニール社製『モビニールDM772』)を20部添加した以外は実施例8と同様にコーティング紙を作成し、同様にインク密着性評価を行った。結果を表1に示す。
実施例2において、〔保護層用塗工液の作成〕で更にアクリル樹脂(Joncryl・PDX−6102B BASF社製)を20部添加した以外は実施例2と同様にコーティング紙を作成し、同様にインク密着性評価を行った。結果を表1に示す。
実施例10において、未変性PVA系樹脂2を上記で得られたAA化PVA1に代えた以外は実施例10と同様にコーティング紙を作成し、同様にインク密着性評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、未変性PVA1未変性PVA3(ケン化度88モル%、4%水溶液粘度23mPa・s)に代えた以外は実施例1と同様にコーティング紙を作成し、同様にインク密着性評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、未変性PVA1を、AA化PVA2(ケン化度92モル%、4%水溶液粘度12mPa・s、AA基含有量3.3モル%)に代えた以外は実施例1と同様にコーティング紙を作成し、同様にインク密着性評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、未変性PVA1をAA化PVA3(ケン化度99モル%、4%水溶液粘度13mPa・s、AA基含有量5.2モル%)に代えた以外は実施例1と同様にコーティング紙を作成し、同様にインク密着性評価を行った。結果を表1に示す。
Claims (2)
- ケン化度60〜84モル%のポリビニルアルコール系樹脂と、アクリル系樹脂及び/又はアクリル系エマルジョンとを含む塗工液を塗工し乾燥して得られた保護層を含有することを特徴とする感熱記録媒体。
- ポリビニルアルコール系樹脂がアセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂であることを特徴とする請求項1記載の感熱記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014220915A JP6541146B2 (ja) | 2013-12-26 | 2014-10-30 | 感熱記録媒体 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013269490 | 2013-12-26 | ||
JP2013269490 | 2013-12-26 | ||
JP2014220915A JP6541146B2 (ja) | 2013-12-26 | 2014-10-30 | 感熱記録媒体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015143005A JP2015143005A (ja) | 2015-08-06 |
JP6541146B2 true JP6541146B2 (ja) | 2019-07-10 |
Family
ID=53888401
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014220915A Active JP6541146B2 (ja) | 2013-12-26 | 2014-10-30 | 感熱記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6541146B2 (ja) |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS57144793A (en) * | 1981-03-05 | 1982-09-07 | Ricoh Co Ltd | Heatsensitive recording material |
JPS60245591A (ja) * | 1984-05-22 | 1985-12-05 | Oji Paper Co Ltd | 感熱記録材料 |
JPH04208489A (ja) * | 1990-11-30 | 1992-07-30 | Kanebo Nsc Ltd | 感熱記録材料 |
JP2000272243A (ja) * | 1999-03-24 | 2000-10-03 | Fuji Photo Film Co Ltd | 記録材料用ポリビニルアルコール組成物、その製造方法および記録材料 |
JP4520887B2 (ja) * | 2005-03-22 | 2010-08-11 | 日本合成化学工業株式会社 | 感熱記録用媒体 |
JP5036494B2 (ja) * | 2007-11-07 | 2012-09-26 | 三菱製紙株式会社 | 感熱記録材料 |
JP2013173357A (ja) * | 2012-01-25 | 2013-09-05 | Mitsubishi Paper Mills Ltd | 可逆性感熱記録材料 |
-
2014
- 2014-10-30 JP JP2014220915A patent/JP6541146B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2015143005A (ja) | 2015-08-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH0221956B2 (ja) | ||
JP2016166436A (ja) | 積層体、感熱記録媒体及びインクジェット記録媒体 | |
EP1920941B1 (en) | Thermal recording material | |
JP6355343B2 (ja) | 樹脂組成物、コート層、感熱記録媒体、及び水性塗工液 | |
JP6541146B2 (ja) | 感熱記録媒体 | |
JP2004291519A (ja) | 感熱記録用媒体 | |
US5380694A (en) | Thermosensitive recording element | |
JP6324059B2 (ja) | 樹脂組成物、コート層、感熱記録媒体、及び水性塗工液 | |
JP2004168853A (ja) | 樹脂組成物水溶液およびその用途 | |
US5418206A (en) | High gloss, abrasion resistant, thermosensitive recording element | |
JP3838918B2 (ja) | 薄膜状物およびその用途 | |
KR20040075774A (ko) | 기록용 매체 | |
JP2017036402A (ja) | 架橋構造体の製造方法、及び感熱記録媒体用保護層、感熱記録媒体 | |
US9535324B2 (en) | Heat-sensitive recording medium, and coating liquid for forming heat-sensitive color-developing layer | |
JP2005120114A (ja) | 薄膜状物およびその用途 | |
JP5153125B2 (ja) | 樹脂組成物、およびその用途 | |
JP4520887B2 (ja) | 感熱記録用媒体 | |
JP4583961B2 (ja) | 感熱記録材料 | |
JP2004268576A (ja) | 記録用媒体 | |
JP6436807B2 (ja) | 保護層用塗工液、保護層及び感熱記録媒体 | |
JP2016107608A (ja) | 保護層用塗工液、保護層及び感熱記録媒体 | |
JP2017074547A (ja) | 積層体の製造方法 | |
JPH0911623A (ja) | 感熱記録紙 | |
JP2004268577A (ja) | 記録用媒体 | |
JP2016124126A (ja) | 保護層用塗工液、および感熱記録媒体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20170921 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20180606 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20180612 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20180810 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20181113 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190111 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190514 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20190516 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190605 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6541146 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |