JP6541146B2 - 感熱記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、感熱記録媒体に関し、更に詳しくは、保護層が有機溶剤系インクとの密着性に優れた感熱記録媒体に関する。
感熱記録媒体は、支持基材上に、例えばロイコ染料、顕色剤及び分散剤を含む水分散液を塗工・乾燥して形成された感熱発色層を有しており、加熱によりロイコ染料と顕色剤が溶融して混ざり合い、反応して発色する。更に、感熱発色層の上には、保護層が設けられ、感熱発色層を、水や油などの汚れなどから保護している。
感熱記録媒体は、比較的安価で、記録機器も維持が容易なため、ファクシミリやPOSラベル、各種チケット用紙等、様々な記録媒体として使用されている。感熱記録媒体の中でも、ラベルやチケット等に用いられるものには、保護層に予め店名やイラストなどの共通事項を有機溶剤系のインクで印刷しておき、発券時に感熱により日付や価格などを印字するものが広く利用されている。
従って、このような感熱記録媒体の保護層には、感熱発色層の保護能力だけでなく、印刷特性も求められる。
一般に、感熱記録媒体の保護層として、耐油性に優れたポリビニルアルコール系樹脂が用いられている(例えば、特許文献1参照)。ポリビニルアルコール系樹脂は水溶性の樹脂のため、保護層で用いる場合には、耐油性の観点から高ケン化度のものを用いるのが一般的であった。
このため、オフセット印刷特性を有する感熱記録媒体においても、保護層中のポリビニルアルコール系樹脂として高ケン化度のものが用いられている(例えば、特許文献2参照)。
特開2012−56218号公報 特開2010−064421号公報
高ケン化度のポリビニルアルコール(以下、ポリビニルアルコールをPVAという)系樹脂を保護層に用いた感熱記録媒体は、耐水性、耐油性には優れたものであったが、有機溶剤系インクに対する印刷特性の点ではまだまだ改善の余地があった。
即ち、本発明は、PVA系樹脂を保護層に用いる感熱記録媒体において、有機溶剤系インクの密着性を向上させることを目的とするものである。
本発明者は、上記事情に鑑み鋭意検討した結果、保護層としてケン化度60〜84モル%のPVA系樹脂と、アクリル系樹脂及び/又はアクリル系エマルジョンとを含有することを特徴とする感熱記録媒体によって上述の課題が解決されることを見出し、本発明を完成した。
本発明の感熱記録媒体は、保護層が有機溶剤系インクの密着性に優れるため、使用時あるいは保管時等に記録媒体同士が擦れるなどして表面のインクが剥がれることのない感熱記録媒体を提供することができる。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、これらの内容に特定されるものではない。
以下、本発明について詳細に説明する。
〔PVA系樹脂〕
まず、本発明で用いられるPVA系樹脂について説明する。
PVA系樹脂は、ビニルエステル系モノマーを重合して得られるポリビニルエステル系樹脂をケン化して得られる、ビニルアルコール構造単位を主体とする樹脂であり、ケン化度相当のビニルアルコール構造単位とビニルエステル構造単位から構成される。
上記ビニルエステル系モノマーとしては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、バーサチック酸ビニル等が挙げられるが、経済的に酢酸ビニルが好ましく用いられる。
かくして得られるPVA系樹脂の平均重合度(JIS K6726に準拠)は、その用途によって適宜選択すればよいが、通常、300〜4000であり、特に400〜3500、さらに500〜3000のものが好適に用いられる。かかる平均重合度が小さすぎると、十分な耐水性が得られなかったり、十分な架橋速度が得られなくなる傾向があり、逆に大きすぎると、水溶液として使用した場合に、その粘度が高くなりすぎ、基材への塗工が困難になるなど、各種工程への適用が難しくなる傾向がある。
また、PVA系樹脂の4重量%水溶液粘度は、通常1.5〜100mPa・sであり、好ましくは4〜80mPa・s、更に好ましくは5〜30mPa・sである。かかる粘度が低すぎると耐水性が低下する傾向があり、高すぎると粘度が上昇し、取り扱いや製造が困難となる傾向がある。
なお、本明細書において、PVA系樹脂の4重量%水溶液粘度は、PVA系樹脂の4質量%水溶液を調製し、JIS K6726に準拠して測定した20℃における粘度である。
また、本発明に用いられるPVA系樹脂のケン化度は、60〜84モル%であり、さらには65〜83モル%、特には70〜82モル%のものが好適に用いられる。かかるケン化度が低すぎる場合には、水溶液とすることが困難になったり、水溶液の安定性が低下する傾向があり、高すぎる場合には、インク密着性に劣る傾向がある。
また、通常のPVA系樹脂の場合、主鎖の結合様式は1,3−ジオール結合が主であり、1,2−ジオール結合の含有量は1.5〜1.7モル%程度であるが、ビニルエステル系モノマーを重合する際の重合温度を高温にすることによって、その含有量を1.7〜3.5モル%としたものを使用することも可能である。
また、本発明では、PVA系樹脂として、ポリビニルエステル系樹脂の製造時に各種単量体を共重合させ、これをケン化して得られたものや、未変性PVAに後変性によって各種官能基を導入した各種変性PVA系樹脂を用いることができる。
ビニルエステル系モノマーとの共重合に用いられる単量体としては、エチレンやプロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のオレフィン類、3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1−オール、3,4−ジヒドロキシ−1−ブテン等のヒドロキシ基含有α−オレフィン類およびそのアシル化物などの誘導体、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸類、その塩、モノエステル、あるいはジアルキルエステル、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル類、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸類あるいはその塩、アルキルビニルエーテル類、ジメチルアリルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、ビニルエチレンカーボネート、2,2−ジアルキル−4−ビニル−1,3−ジオキソラン、グリセリンモノアリルエーテル、3,4−ジアセトキシ−1−ブテン、等のビニル化合物、酢酸イソプロペニル、1−メトキシビニルアセテート等の置換酢酸ビニル類、塩化ビニリデン、1,4−ジアセトキシ−2−ブテン、ビニレンカーボネート、等が挙げられる。
また、後反応によって官能基が導入されたPVA系樹脂としては、ジケテンとの反応によるアセトアセチル基を有するもの、エチレンオキサイドとの反応によるポリアルキレンオキサイド基を有するもの、エポキシ化合物等との反応によるヒドロキシアルキル基を有するもの、あるいは各種官能基を有するアルデヒド化合物をPVAと反応させて得られたものなどを挙げることができる。
かかる変性PVA系樹脂中の変性種、すなわち共重合体中の各種単量体に由来する構成単位、あるいは後反応によって導入された官能基の含有量は、変性種によって特性が大きく異なるため一概には言えないが、通常、1〜20モル%であり、特に2〜10モル%の範囲が好ましく用いられる。
これらの各種変性PVA系樹脂の中でも、単独で、あるいは架橋剤の併用によって架橋構造を形成しうる官能基を有する変性PVA系樹脂が、耐水性に優れる保護層が得られる点で好ましい。かかる官能基を有する変性PVAとしては、ジアセトンアクリルアミド構造単位含有PVA系樹脂、ジアセトン(メタ)アクリレート構造単位含有PVA系樹脂、アセト酢酸アリル構造単位含有PVA系樹脂、アセトアセチル基含有PVA系樹脂などのカルボニル基含有PVA系樹脂が挙げられる。中でも高い耐水性が得られることからアセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂が好ましい。さらに、未変性PVAや各種の変性PVA系樹脂を2種以上併用することもできる。
以下、アセトアセチル基含有PVA系樹脂(以下、AA化PVAという)について、詳しく説明する。
本発明で用いるAA化PVAは、PVA系樹脂の主鎖に直接、あるいは酸素原子や連結基を介してアセトアセチル基(AA基)が結合したもので、例えば一般式(1)で表されるAA基を有する構造単位を含むポリビニルアルコール系樹脂が上げられる。なお、かかるAA化PVAは、AA基を有する構造単位以外にビニルアルコール構造単位を有し、更に未ケン化部分のビニルエステル構造単位を有する。
Figure 0006541146
かかるAA化PVAを得るには、PVA系樹脂とジケテンを反応させる方法、PVA系樹脂とアセト酢酸エステルを反応させてエステル交換する方法、酢酸ビニルとアセト酢酸ビニルの共重合体をケン化する方法等を挙げることができるが、製造工程が簡略で、品質の良いAA化PVA系樹脂が得られることから、PVA系樹脂とジケテンを反応させる方法で製造するのが好ましく、かかる方法について説明するが、これに限定されるものではない。
前記のビニルエステル系モノマーの重合体および共重合体をケン化して得られたPVA系樹脂とジケテンとの反応によるアセトアセチル基の導入には、PVA系樹脂とガス状或いは液状のジケテンを直接反応させても良いし、酢酸などの有機酸をPVA系樹脂に予め吸着吸蔵させた後、不活性ガス雰囲気下でガス状または液状のジケテンを噴霧、反応するか、またはPVA系樹脂に有機酸と液状ジケテンの混合物を噴霧、反応する等の方法が用いられる。
上記の反応を実施する際の反応装置としては、加温可能で撹拌機の付いた装置であれば充分である。例えば、ニーダー、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、その他各種ブレンダーを用いることができる。
また、AA化PVA中のアセトアセチル基含有量(以下AA化度と略記する。)は、通常、0.1〜20モル%であり、さらには0.2〜15モル%、特には0.3〜10モル%であるものが一般的に広く用いられる。かかる含有量が少なすぎると、十分な耐水性が不充分となったり、十分な架橋速度が得られなくなる傾向があり、逆に多すぎると、水溶性が低下したり、水溶液の安定性が低下する傾向がある。
また、本発明のAA化PVAには、製造工程で使用あるいは副生した酢酸ナトリウムなどのアルカリ金属の酢酸塩(主として、ケン化触媒として用いたアルカリ金属水酸化物とポリ酢酸ビニルのケン化によって生成した酢酸との反応物等に由来)、酢酸などの有機酸(PVA系樹脂にアセト酢酸エステル基を導入する際の、ジケテンとの反応時にPVAに吸蔵させた有機酸等に由来)、メタノール、酢酸メチルなどの有機溶剤(PVA系樹脂の反応溶剤、AA化PVA製造時の洗浄溶剤等に由来)が一部残存していても差し支えない。
また、AA化PVAには、耐水性向上のために架橋剤を配合することが好ましく、PVAに一般的に用いられているグリオキザールなどのアルデヒド化合物、ヒドラジンの有機塩類、アジピン酸ジヒドラジドなどのヒドラジン化合物、グリオキシル酸の金属塩、メチロール化メラミンなどのメチロール化合物、塩基性塩化ジルコニウムなどの金属化合物が挙げられる。かかる架橋剤の含有量は、AA化PVA100重量部に対して通常、0.5〜30重量部、好ましく1〜20重量部、更に好ましくは2〜15重量部である。かかる架橋剤の含有量が多すぎても少なすぎても耐水性が低下する傾向がある。
〔感熱記録用媒体〕
本発明の感熱記録用媒体は、基材上に任意の感熱発色層を有し、その上に保護層としてケン化度60〜80モル%のPVA系樹脂と、アクリル系樹脂及び/又はアクリル系エマルジョンとを含有するものである。
基材としては、通常、紙(マニラボール、白ボール、ライナー等の板紙、一般上質紙、中質紙、グラビア用紙等の印刷用紙、上・中・下級紙、新聞用紙、剥離紙、カーボン紙、ノンカーボン紙、グラシン紙など)やプラスチックフィルム(ポリエステルフィルム、ナイロンフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム及びこれらの積層体等)などが挙げられる。
以下、保護層及び感熱発色層について説明する。
〔保護層〕
本発明の感熱記録媒体の保護層としては、ケン化度60〜84モル%のPVA系樹脂と、アクリル系樹脂及び/又はアクリル系エマルジョンとを含有するものであり、その厚さは、通常は0.01〜100μm、特に0.05〜20μm、さらに0.1〜10μmで用いられる。また、保護層は、PVAを含有する保護層用塗工液を塗工して、乾燥することにより形成される。


保護層用塗工液は、PVAを水溶液とし、各種添加剤を配合して用いられる。
かかるPVA水溶液の濃度は、通常1〜50重量%、好ましくは2〜30重量%とすることが好ましく、かかる含有量が少なすぎると、保護層としての効果を充分に発揮できないことがあり、逆に多すぎると塗工液の粘度が高くなるため、塗工が困難になることがあり好ましくない。
また、塗工液のpHとしては10以下が好ましく、さらには3〜10である。pHが高過ぎると耐温水性や耐可塑剤性が低下することがあり好ましくない。なお、AA化PVAは水溶液とすると弱酸性となるので、かかるpH調整は通常必要ないことが多いが、必要に応じて、塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸、クエン酸、酒石酸、蓚酸、酢酸などの有機酸、あるいは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニアなどの塩基性化合物でpH調整すればよい。
更に、塗工液に必要に応じて熱可塑性樹脂、エマルジョン、顔料、その他添加剤等を配合することもできる。
熱可塑性樹脂としてはアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物などが挙げられ、中でもインク密着性の点からアクリル系樹脂が好ましい。
エマルジョンとしては、アクリル、アクリル−スチレン、酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル、フッ素、ウレタン系などが挙げられるが、中でもインク密着性の点からアクリル系エマルジョンが好ましい。
上記の熱可塑性樹脂又はエマルジョンの配合量は、塗工液の固形分全体の通常10〜70重量%、好ましくは20〜60重量%である。
該顔料としては、例えば、ナイロン樹脂フィラー、尿素・ホルマリン樹脂フィラー、デンプン粒子等の有機顔料が挙げられ、その他の添加剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、パラフィンワックス等の滑剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、蛍光染料、剥離剤、酸化防止剤などが挙げられる。
また、保護層用塗工液を塗工した後の乾燥条件としては、通常は5〜150℃、さらには30〜150℃、特には50〜150℃の温度条件で、0.1〜60分、さらには0.1〜30分、特には0.2〜20分の乾燥時間が好ましく用いられる。
〔感熱発色層〕
本発明の感熱記録媒体は、上記の基材上に感熱発色層が設けられるのであるが、かかる感熱発色層は、バインダー(例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプン類、ラテックス類等)にさらに発色性物質と顕色剤を配合した水溶液(発色液)を得た後、該水溶液を基材に塗工することにより形成させることができる。
かかる感熱発色層は、バインダー、発色性物質と顕色剤を配合した水溶液を得た後、該水溶液を基材に塗工すればよい。この時の発色性物質や顕色剤は水溶液中ではブロック化するのでサイドグラインダー、ボールミル、ビスコミル等で0.1〜5μm程度に粉砕される。
上記の発色性物質の例としては、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド[クリスタルバイオレットラクトン]、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロロフタリド、3−ジメチルアミノ−6−メトキシフルオラン、7−アセトアミノ−3−ジエチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン、3,6−ビス−β−メトキシエトキシフルオラン、3,6−ビス−β−シアノエトキシフルオラン等のトリフェニルメタン系染料のロイコ体が挙げられる。
また、顕色剤は前記発色性物質と加熱時反応して発色せしめるもので常温以上好ましくは70℃以上で液化もしくは気化するものが好ましく、例えばフェノール、p−メチルフェノール、p−ターシャリーブチルフェノール、p−フェニルフェノール、α−ナフトール、β−ナフトール、4,4’−イソプロピリデンジフェノール[ビスフェノールA]、4,4’−セカンダリーブチリデンジフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、4,4’−イソプロピリデンビス(2−ターシャリーブチルフェノール)、4,4’−(1−メチル−n−ヘキシリデン)ジフェノール、4,4’−イソプロピリデンジカテコール、4,4’−ペンジリデンジフェノール、4,4−イソプロピリデンビス(2−クロロフェノール)、フェニル−4−ヒドロキシベンゾエート、サリチル酸、3−フェニルサリチル酸、5−メチルサリチル酸、3,5−ジ−ターシャリーブチルサリチル酸、1−オキシ−2−ナフトエ酸、m−オキシ安息香酸、4−オキシフタル酸、没食子酸などが挙げられる。
感熱発色層を設けるに当たっては上記のバインダー、発色性物質と顕色剤を配合した水溶液をロールコーター法、エヤードクター法、ブレードコーター法、バーコーター法、サイズプレス法、ゲートロール法等任意の塗工手段で基材に塗工すればよく、塗工液の固形分は10〜60重量%程度とすればよく、該水溶液の塗工量は、乾燥重量で0.1〜20g/m2程度である。
塗工手段としては上記の感熱発色層で使用した塗工方法が用いられ、このときの塗工量は、乾燥重量で0.5〜10g/m2が好ましい。かかる塗工量が0.5g/m2未満では、耐水性を充分に発揮できないことがあり、10g/m2を越えると塗工斑を生じるために好ましくない。
塗工後は乾燥処理やカレンダー処理を行うことによって目的とする塗工層が形成される。
また、必要に応じて感熱発色層の下にアンダーコート層を設けても良く、アンダーコート層は、公知のPVAの他、澱粉、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カゼイン、アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体系ラテックスなどの水溶性及び水分散性樹脂や上記で述べた顔料を各々単独あるいは2種以上配合して塗工すればよい。アンダーコート層の塗工に際しては、保護層と同様の塗工方法、塗工液の濃度や塗工量が採用される。
得られる感熱記録用媒体は、基材/(アンダーコート層)/感熱発色層/保護層の層構成となる。
以下に、本発明を実施例を挙げて説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、実施例の記載に限定されるものではない。
尚、例中、「部」、「%」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
実施例1
〔カオリン分散液の作成〕
まず、カオリン(白石カルシウム社製『カオグロス90』)50部を水50部に投入し、ホモジナイザー(TKロボミクス プライミクス社製)にて、2000rpmで30分間攪拌し、カオリンを水に分散させた。レーザー回折装置(堀場製作所製『Partica LA−950V2』)を用い、カオリンが約0.2μmに分散されていることを確認した後、更に水で希釈し、カオリンの10重量%水分散液を得た。
〔保護層用塗工液の作成〕
未変性PVA系樹脂1(ケン化度73モル%、4%水溶液粘度23mPa・s)の10重量%水溶液100部と、上記で得られたカオリンの10重量%水分散液50部を混合し、塗工液とした。
〔コーティング紙の作成〕
感熱記録媒体の保護層として評価する代わりに、市販のコピー用紙の表面にコーティング層を形成したコーティング紙によって評価した。
市販のコピー用紙に得られた塗工液をクリアランス50μmのアプリケーターで塗工し、105℃で5分間乾燥させた後、23℃、50%RHで3日間乾燥させ、コーティング紙を得た。
〔インク密着性評価〕
上記で得られたコーティング紙に、有機溶剤系インクであるUVオフセットインキ(DICグラフィックス社製『ダイキュア・アビリオ・EP墨』)でベタ印刷し、紫外線照射装置にて、下記の条件で紫外線を照射し、インクを硬化させた。

装置:紫外線照射装置(アイグラフィックス社)
ランプ:メタルハライド
出力:120W/cm2
ランプ位置:130mm
照射量:1014mW/cm2
照射時間:1秒

印刷部分にセロハンテープ(ニチバン社製 セロテープNo.405 幅24mm)を貼り、剥がした時のインクの剥がれる様子を目視で観察し、下記の通り評価した。
○:インクの剥がれ無しor基材(紙)が剥がれる
×:インクが塗工面から剥がれる
結果を表1に示す。
実施例2
実施例1において、未変性PVA系樹脂1に変えて、未変性PVA系樹脂2(ケン化度80モル%、4%水溶液粘度5mPa・s)を用いた以外は、実施例1と同様にコーティング紙を作成し、同様にインク密着性評価を行った。結果を表1に示す。
実施例3
〔AA化PVA1の作成〕
加温可能な撹拌機を備えた反応缶に、酢酸メチル90部と原料PVA(ケン化度78モル%、4%水溶液粘度6.4mPa・s)100部の混合物を仕込んだ後、酢酸8部、酢酸ナトリウム0.55部を1時間かけて添加しながら撹拌し45℃に昇温した。その後、ジケテン11部を1.5時間かけて添加して、さらに45℃で3時間反応させることにより、アセトアセチル基含有量3.5モル%のAA化PVAを得た。得られたAA化PVAをメタノールにて充分に洗浄した後、50℃で18時間乾燥させることにより乾燥してなる粉末状のAA化PVA(ケン化度、平均重合度は原料PVAに準ずる)とした。
実施例1において、未変性PVA1を上記で得られたAA化PVA1に代えた以外は同様にコーティング紙を作成し、同様にインク密着性評価を行った。結果を表1に示す。
実施例4
実施例2において、〔保護層用塗工液の作成〕で更に架橋剤としてアジピン酸ジヒドラジド3部を添加した以外は実施例2と同様にコーティング紙を作成し、同様にインク密着性評価を行った。結果を表1に示す。
実施例5
実施例4において、未変性PVA系樹脂2を上記で得られたAA化PVA1に代えた以外は実施例4と同様にコーティング紙を作成し、同様にインク密着性評価を行った。結果を表1に示す。
実施例6
実施例5において、架橋剤としてアジピン酸ジヒドラジドに代えてグリオキシル酸ナトリウムを用いた以外は実施例5と同様にコーティング紙を作成し、同様にインク密着性評価を行った。結果を表1に示す。
実施例7
実施例2において、〔保護層用塗工液の作成〕で更にアクリルエマルジョン1(ニチゴーモビニール社製『モビニール7700』)を20部添加した以外は実施例2と同様にコーティング紙を作成し、同様にインク密着性評価を行った。結果を表1に示す。
実施例8
実施例7において、未変性PVA系樹脂2を上記で得られたAA化PVA1に代えた以外は実施例7と同様にコーティング紙を作成し、同様にインク密着性評価を行った。結果を表1に示す。
実施例9
実施例8において、アクリルエマルジョン1に代えてアクリルエマルジョン2(ニチゴーモビニール社製『モビニールDM772』)を20部添加した以外は実施例8と同様にコーティング紙を作成し、同様にインク密着性評価を行った。結果を表1に示す。
実施例10
実施例2において、〔保護層用塗工液の作成〕で更にアクリル樹脂(Joncryl・PDX−6102B BASF社製)を20部添加した以外は実施例2と同様にコーティング紙を作成し、同様にインク密着性評価を行った。結果を表1に示す。
実施例11
実施例10において、未変性PVA系樹脂2を上記で得られたAA化PVA1に代えた以外は実施例10と同様にコーティング紙を作成し、同様にインク密着性評価を行った。結果を表1に示す。
比較例1
実施例1において、未変性PVA1未変性PVA3(ケン化度88モル%、4%水溶液粘度23mPa・s)に代えた以外は実施例1と同様にコーティング紙を作成し、同様にインク密着性評価を行った。結果を表1に示す。
比較例2
実施例1において、未変性PVA1を、AA化PVA2(ケン化度92モル%、4%水溶液粘度12mPa・s、AA基含有量3.3モル%)に代えた以外は実施例1と同様にコーティング紙を作成し、同様にインク密着性評価を行った。結果を表1に示す。
比較例3
実施例1において、未変性PVA1をAA化PVA3(ケン化度99モル%、4%水溶液粘度13mPa・s、AA基含有量5.2モル%)に代えた以外は実施例1と同様にコーティング紙を作成し、同様にインク密着性評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0006541146
本発明のPVAを用いた保護層を有する実施例1〜11は、セロハンテープで貼ったのちに剥がしてもインクの剥がれがなく、インク密着性に優れるものであった。一方、ケン化度の高い比較例1〜3では、インクが剥がれ、インク密着性に劣るものであった。
本発明の感熱記録媒体は、保護層のインク密着性が優れることから、予め各種の印刷を施すことが可能な感熱記録媒体として有用である。

Claims (2)

  1. ケン化度60〜84モル%のポリビニルアルコール系樹脂と、アクリル系樹脂及び/又はアクリル系エマルジョンとを含む塗工液を塗工し乾燥して得られた保護層を含有することを特徴とする感熱記録媒体。
  2. ポリビニルアルコール系樹脂がアセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂であることを特徴とする請求項1記載の感熱記録媒体。
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