JP2017074547A - 積層体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来からの架橋高分子は十分な耐水性を有するものであるが、濡れた際にブロッキングするといったことがあり、このようなブロッキングを防ぐ、耐水ブロッキング性の点においては更なる改良が求められている。【解決手段】支持基材、架橋剤層及び樹脂層を有する積層体の製造方法において、グリオキシル酸マグネシウムを含有する架橋剤層形成用塗工液(a)を塗工する工程(A)及び、アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂を含有する樹脂層形成用塗工液(b)を塗工する工程(B)、を含むことを特徴とする積層体の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、支持基材、架橋剤層及び樹脂層を有する積層体の製造方法に関するものであり、かかる樹脂層が水に濡れた際に積層体同士のブロッキングを防止する耐水ブロッキング性に優れた積層体を製造する方法に関するものである。
ポリビニルアルコール系樹脂(以下、PVA系樹脂と略記することがある。)は、従来から水溶性の樹脂として様々な用途に用いられている。
また、PVA系樹脂は溶融成形が困難な樹脂としても知られており、通常、PVA系樹脂は水に溶かされて用いられている。
製造工程中では水溶性を活かして、水溶液として用いられ、各種基材などに塗工したりするが、製品となる場合には、最終的に乾燥され、被膜となるものである。そして、かかる被膜としては耐水性が求められる用途も多い。
例えば、感熱記録媒体の保護層やインクジェット記録媒体のインク受容層や接着剤に用いる場合、塗工する工程では、水溶性が求められるが、乾燥して製品となった場合には、高度な耐水性が求められる。かかる要求に対応するために、PVA系樹脂に架橋剤を配合して、架橋構造体とし、耐水性を向上させる試みが行われてきた。
架橋構造体とする際には、架橋効率を高め、強固な架橋構造を形成させるためには、反応性を有する変性PVA系樹脂を用いることが好ましく、例えば、アセトアセチル基含有PVA系樹脂(以下、アセトアセチル基含有PVA系樹脂をAA化PVA系樹脂と略記することがある。)が用いられている。
AA化PVA系樹脂は、架橋剤との反応性に富み、強固な架橋構造体が得られることが知られている。かかるAA化PVA系樹脂の架橋剤としては種々の化合物が知られており、中でもヒドラジン化合物やアルデヒド化合物がアセトアセチル基との反応性に優れ、比較的低温で架橋反応が進行することから様々な用途に広く用いられている。
しかしながら、AA化PVA系樹脂とアジピン酸ジヒドラジド等のヒドラジン化合物やグリオキザールやグリオキシル酸等のアルデヒド化合物との架橋構造体は、経時で黄変するという問題があった。
そこで、AA化PVA系樹脂の架橋剤として、アルデヒド基を有効な官能基とするグリオキシル酸塩を含有する架橋剤が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。これにより、AA化PVA系樹脂との混合液の安定性に優れ、耐水性にも優れ、また経時での黄変が少ないという特徴を有する架橋構造体が得られる。また、グリオキシル酸塩の中でも、特にグリオキシル酸のアルカリ金属塩またはグリオキシル酸のアルカリ土類金属塩を架橋剤として用いた場合に、AA化PVA系樹脂を架橋してなる架橋構造体の耐水性に優れることも記載されている。
特開2010−77385号公報
しかしながら、特許文献1の開示技術により得られた架橋高分子は十分な耐水性を有するものであるが、一方では、濡れた際にブロッキングしてしまうといったことがあり、このようなブロッキングを防ぐ、耐水ブロッキング性の点においては更なる改良が求められている。
そこで、本発明ではこのような背景下において、樹脂層の耐水ブロッキング性に優れた積層体の製造方法を提供することを目的とするものである。
更には、本発明では、感熱発色層を有する積層体の製造方法をも提供することを目的とする。
しかるに、本発明者は、上記事情に鑑み、鋭意検討した結果、架橋剤とAA化PVA系樹脂を別の層として塗工することにより、耐水ブロッキング性に優れる樹脂層を有する積層体を得ることができることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の要旨は、支持基材、架橋剤層及び樹脂層を有する積層体の製造方法において、
グリオキシル酸マグネシウムを含有する架橋剤層形成用塗工液(a)を塗工する工程(A)及び、
アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂を含有する樹脂層形成用塗工液(b)を塗工する工程(B)
を含むことを特徴とする積層体の製造方法に関するものである。
本発明において、上記のような効果が得られるメカニズムは詳細には判明していないが、グリオキシル酸マグネシウムの高い水溶性により、AA化PVA系樹脂とは別の層に含有されるグリオキシル酸マグネシウムが移動し、AA化PVA系樹脂と、共有結合およびキレート結合による架橋反応を起こすことにより、耐水ブロッキング性に優れる積層体が得られるものであると推測される。
本発明の製造方法により、得られた積層体の樹脂層が耐水ブロッキング性に優れるものであり、水に濡れる可能性のある積層体の用途においても有効である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、支持基材、架橋剤層及び樹脂層を有する積層体の製造方法において、
グリオキシル酸マグネシウムを含有する架橋剤層形成用塗工液(a)を塗工する工程(A)及び、
アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂を含有する樹脂層形成用塗工液(b)を塗工する工程(B)を含む製造方法であり、まずは、支持基材について説明する。
〔支持基材〕
本発明で用いられる支持基材としては、例えば、紙(マニラボール、白ボール、ライナー等の板紙、一般上質紙、中質紙、グラビア紙等の印刷用紙、上・中・下級紙、新聞用紙、剥離紙、カーボン紙、ノンカーボン紙、グラシン紙、合成紙など)、不織布、プラスチックフィルム(ポリエステルフィルム、ナイロンフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、およびこれらの積層体など)、あるいは合成樹脂ラミネート紙のように、これらの複合シートを使用することができる。
〔積層体〕
次に本発明の製造方法によって得られる積層体について説明する。本発明の積層体は、支持基材、架橋剤層、樹脂層を有するものであり、他は任意の層を有するものである。任意の層としては、感熱発色層、下塗り層、ガスバリア層、紫外線吸収層などがある。
本発明においては、支持基材上に、架橋剤層、樹脂層を積層させればよいが、特には、支持基材上に、架橋剤層、樹脂層がこの順で積層されることが耐水性の点で好ましい。更に、架橋剤層やその他の任意の層は支持基材と樹脂層の間にあればどこに積層されていても良い。また、耐水ブロッキング性の点で、架橋剤層は樹脂層に接する層が好ましい。
〔グリオキシル酸マグネシウムを含有する架橋剤層形成用塗工液(a)を塗工する工程(A)〕
次に本発明の製造方法の工程(A)について説明する。
本発明の工程(A)に用いられるグリオキシル酸マグネシウムを含有する架橋剤層形成用塗工液(a)は、グリオキシル酸マグネシウムと水を含有するものである。
かかる塗工液(a)の製造方法としては、例えば、(1)水にグリオキシル酸マグネシウムを配合する方法や、(2)グリオキシル酸ナトリウムと脂肪族カルボン酸のマグネシウムの塩交換反応させる方法、(3)グリオキシル酸を水酸化マグネシウムと中和反応をさせる方法などを挙げることができる。
まず、(1)の方法について説明する。
(1)の方法において、水にグリオキシル酸マグネシウムを配合するが、かかるグリオキシル酸マグネシウムの濃度は、0.1〜50重量%、好ましくは1〜20重量部である。
次に、(2)の方法について説明する。
(2)の方法において、用いられる脂肪族カルボン酸のマグネシウムとしては、例えば、酢酸マグネシウム、ギ酸マグネシウム、シュウ酸マグネシウムなどが挙げられる。好ましくは、溶解性の点とpHの点で酢酸マグネシウムが好ましい。
脂肪族カルボン酸マグネシウムの配合量は、グリオキシル酸ナトリウム1モルに対して、0.01〜5モルであることが好ましく、より好ましくは0.05〜3モル、特に好ましくは0.1〜1モルである。グリオキシル酸ナトリウム2モルに対して、脂肪族カルボン酸マグネシウム1モルが反応するため、グリオキシル酸ナトリウム:脂肪族カルボン酸マグネシウムは2:1(モル比)が最も好ましい。
また、かかる塗工液のグリオキシル酸ナトリウムと脂肪族カルボン酸のマグネシウムの合計量の濃度は、通常0.1〜20重量%、好ましくは1〜10重量%である。かかる濃度が低すぎると乾燥に時間がかかる傾向があり、高すぎると粘度が高くなり、塗工が困難となる傾向がある。
次に(3)の方法について説明する。
(3)の方法においては、水酸化マグネシウムの配合量は、グリオキシル酸1モルに対してモルに対して、0.01〜5モルであることが好ましく、より好ましくは0.05〜3モル、特に好ましくは0.1〜1モルである。グリオキシル酸2モルに対して、水酸化マグネシウム1モルが反応するため、グリオキシル酸:水酸化マグネシウムは2:1(モル比)が最も好ましい。
また、かかる塗工液のグリオキシル酸と水酸化マグネシウムの合計量の濃度は、通常0.1〜20重量%、好ましくは1〜10重量%である。かかる濃度が低すぎると乾燥に時間がかかる傾向があり、高すぎると粘度が高くなり、塗工が困難となる傾向がある。
また、塗工液(a)にはバインダー樹脂を含有させることが、塗工性の点で好ましい。バインダー樹脂としては、例えば、PVA系樹脂、ポリビニルピロリドン、各種澱粉等が挙げられ、好ましくはPVA系樹脂である。
かかるバインダー樹脂の濃度は、塗工液(a)全体の0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量%である。
また、バインダー樹脂100重量部に対して、グリオキシル酸マグネシウムは通常0.01〜50重量部、好ましくは0.1〜10重量部である。
上記で得られる塗工液(a)の塗工方法としては、例えば、ロールコーター法、エアードクター法、ブレードコーター法、バーコーター法、サイズプレス法、ゲートロール法等任意の手段で実施可能であり、その塗工量は、乾燥重量で0.5〜10g/m2程度になるようにすることが好ましく、塗工後は風乾あるいは軽度の加熱処理を行うことによって目的とする塗工層(被膜)が形成される。
乾燥時間としては、0.01〜30分、好ましくは0.1〜10分である。乾燥温度としては、20〜80℃、好ましくは50〜75℃である。
また、架橋剤層の厚みは、通常0.1〜100μm、好ましくは0.5〜50μm、特に好ましくは1〜10μmである。
また、樹脂層形成用塗工液(b)中のAA化PVA系樹脂と反応させるため、AA化PVA系樹脂100重量部に対し、グリオキシル酸マグネシウムが0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部、特に好ましくは1〜5重量部である。かかる量が少なすぎると架橋反応が不足し耐水性が低下するとなる傾向があり、多すぎると水溶性成分が多くなり耐水性が低下するとなる傾向がある。
〔AA化PVA系樹脂を含有する樹脂層形成用塗工液(b)を塗工する工程(B)〕
次に工程(B)について説明する。
本発明の樹脂層形成用塗工液(b)を塗工する工程(B)で用いられるAA化PVA系樹脂は、PVA系樹脂の主鎖に直接、あるいは酸素原子や連結基を介してアセトアセチル基(AA基)が結合したもので、例えば、一般式(1)で表されるAA基を有する構造単位を含むPVA系樹脂が挙げられる。なお、かかるAA化PVA系樹脂は、AA基を有する構造単位以外にビニルアルコール構造単位を有し、必要に応じて更に未ケン化部分のビニルエステル構造単位を有する。
Figure 2017074547
前記、ビニルエステル系化合物としては、かかるビニルエステル系モノマーとしては、例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、バーサチック酸ビニル等が挙げられるが、経済性の点から酢酸ビニルが好ましく用いられる。
また、ビニルエステル系化合物と共重合性を有する化合物との共重合体のケン化物を用いることもでき、かかる共重合性化合物としては、例えばエチレンやプロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のオレフィン類;3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1−オール、3,4−ジヒドロキシ−1−ブテン等のヒドロキシ基含有α−オレフィン類およびそのアシル化物などの誘導体;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、ウンデシレン酸等の不飽和酸類、その塩、モノエステル、あるいはジアルキルエステル;アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル類;ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類;エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸類あるいはその塩;アルキルビニルエーテル類、ジメチルアリルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、ビニルエチレンカーボネート、2,2−ジアルキル−4−ビニル−1,3−ジオキソラン、グリセリンモノアリルエーテル、等のビニル化合物;酢酸イソプロペニル、1−メトキシビニルアセテート等の置換酢酸ビニル類;塩化ビニリデン、1,4−ジアセトキシ−2−ブテン、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテン、ビニレンカーボネートなどが挙げられる。
なお、かかる共重合性化合物の導入量は化合物の種類によって異なるため一概にはいえないが、通常は全構造単位の10モル%以下、特には5モル%以下であり、多すぎると水溶性が損なわれたり、架橋剤との相溶性が低下したりする場合がある。
前記AA化PVA系樹脂の平均重合度(JIS K6726に準拠)は、その用途によって適宜選択すればよいが、通常、300〜4000であり、特に400〜3000、さらに500〜2500のものが好適に用いられる。かかる平均重合度が小さすぎると、十分な耐水性が得られなかったり、十分な架橋速度が得られなくなる傾向があり、逆に大きすぎると、塗工液の粘度が高くなりすぎ、基材への塗工が困難になる傾向がある。
また、前記AA化PVA系樹脂のケン化度(JIS K6726に準拠)は、通常、80〜100モル%であり、さらには85〜99.9モル%、特には90〜99.8モル%、殊には95〜99.8モル%のものが好適に用いられる。かかるケン化度が低すぎると、得られる樹脂層の耐水性が低下する傾向がある。
また、AA化PVA系樹脂中のAA基含有量は、通常、0.1〜20モル%であり、さらには1〜15モル%、特には3〜10モル%であることが好ましい。かかる含有量が少なすぎると、耐水性が低下したり、十分な架橋速度が得られなくなる傾向があり、逆に多すぎると、水溶液の安定性が低下する傾向がある。
本発明においては、使用するPVA系樹脂のすべてがAA化PVA系樹脂であることが好ましいが、AA化PVA系樹脂以外のPVA系樹脂が併用されていてもよく、その含有量はAA化PVA系樹脂に対して、通常20重量%以下であり、特に10重量%以下、さらに5重量%以下であることが好ましい。
かかるAA化PVA系樹脂以外のPVA系樹脂としては、未変性のPVA系樹脂や、ビニルエステル系モノマーと共重合性を有する各種モノマーを共重合して得られた各種変性PVA系樹脂を挙げることができる。
また、本発明で用いられるAA化PVA系樹脂には、製造工程で使用あるいは副生した酢酸ナトリウムなどのアルカリ金属の酢酸塩(主として、ケン化触媒として用いたアルカリ金属水酸化物とポリ酢酸ビニルのケン化によって生成した酢酸との反応物等に由来)、酢酸などの有機酸(PVA系樹脂にアセト酢酸エステル基を導入する際の、ジケテンとの反応時にPVAに吸蔵させた有機酸等に由来)、メタノール、酢酸メチルなどの有機溶剤(PVA系樹脂の反応溶剤、AA化PVA系樹脂製造時の洗浄溶剤等に由来)が一部残存していても差し支えない。
かかるAA化PVA系樹脂の製造法としては、特開2010−077385号公報の明細書段落〔0059〕から〔0065〕に記載の方法に準じて製造することができる。
本発明のAA化PVA系樹脂を含有してなる樹脂層形成用塗工液について説明する。
樹脂層形成用塗工液において、AA化PVA系樹脂の濃度は、通常0.1〜30重量%、好ましくは1〜20重量%、特に好ましくは5〜15重量%である。かかる濃度が低すぎると乾燥に時間がかかる傾向があり、高すぎると粘度が上昇し、塗工が困難となる傾向がある。
かかる樹脂層形成用塗工液(b)にその他の添加剤を含有させることもできる。かかる添加剤としては、例えば炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、タルク、カオリン、クレー等の無機顔料、ナイロン樹脂フィラー、尿素・ホルマリン樹脂フィラー、デンプン粒子等の有機顔料が挙げられる。特に、樹脂層に光沢性を付与する場合には、コロイダルシリカ、気相法シリカ、アルミナゾルのような無機超微粒子が好適に用いられる。かかる無機微粒子の好ましい平均粒子径は3〜200nm、さらには3〜100nm、特には10〜50nmであり、かかる平均粒子径が小さすぎると、筆記性、捺印性が低下する場合があり、逆に大きすぎると、光沢層表面の平滑性が損なわれ、光沢性が低下する場合がある。
樹脂層用塗工液(b)の該塗工に当たっては、例えば、ロールコーター法、エアードクター法、ブレードコーター法、バーコーター法、サイズプレス法、ゲートロール法等任意の手段で実施可能であり、その塗工量は、乾燥重量で0.5〜10g/m2程度になるようにすることが好ましく、塗工後は風乾あるいは軽度の加熱処理を行うことによって目的とする樹脂層が形成される。
樹脂層の厚みは通常0.1〜100μm、好ましくは0.5〜50μm、特に好ましくは1〜10μmである。かかる樹脂層をインク受容層とすることで、本発明の積層体はインクジェット記録媒体として用いることができる。
〔顕色剤とロイコ染料とバインダー樹脂を含有する感熱発色層形成用塗工液(c)を塗工する工程(C)〕
次に、工程(C)について説明する。かかる工程(C)を有することで、本発明の積層体は、感熱記録媒体として用いることができる。
感熱発色層形成用塗工液(c)は、ロイコ染料と顕色剤およびバインダー樹脂を含有するものであり、バインダー樹脂としては、例えば、PVA系樹脂、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
上記のロイコ染料としては、公知のものを用いることができ、一例としては、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フタリド、3,3−ビス(P−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド[クリスタルバイオレットラクトン]、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、等のトリアリールメタン系化合物、4,4’−ビス(ジメチルアミノフェニル)ベンズヒドリルベンジルエーテル、N−クロロフェニルロイコオーラミン、等のジフェニルメタン系化合物、ローダミンBアニリノラクタム、ローダミンB−p−クロロアニリノラクタム、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、等のキサンテン系化合物、ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー、等のチアジン系化合物、3−メチルスピロナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、等のスピロ系化合物、等を挙げることができる。また、これらのロイコ染料は、必要に応じて単独、または2種以上を混合して使用することができる。
また、顕色剤としては、前記ロイコ染料と加熱時反応して発色せしめるもので、例えばフェノール、p−メチルフェノール、p−ターシャリーブチルフェノール、p−フェニルフェノール、α−ナフトール、β−ナフトール、4,4’−イソプロピリデンジフェノール[ビスフェノールA]、4,4’−セカンダリーブチリデンジフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、4,4’−イソプロピリデンビス(2−ターシャリーブチルフェノール)、4,4’−(1−メチル−n−ヘキシリデン)ジフェノール、4,4’−イソプロピリデンジカテコール、4,4’−ペンジリデンジフェノール、4,4−イソプロピリデンビス(2−クロロフェノール)、フェニル−4−ヒドロキシベンゾエート、サリチル酸、3−フェニルサリチル酸、5−メチルサリチル酸、3,5−ジ−ターシャリーブチルサリチル酸、1−オキシ−2−ナフトエ酸、m−オキシ安息香酸、4−オキシフタル酸、没食子酸などが挙げられるが、ロイコ染料、顕色剤ともにこれらに限定されるわけではない。
感熱発色層形成用塗工液(c)の各成分の含有量は、バインダー樹脂100重量部に対して、ロイコ染料は10〜200重量部、特に30〜150重量部、さらに50〜100重量部の範囲が適当である。かかる含有量が少なすぎるとバインダー力が低下する傾向があり、多すぎると粘度が上昇し、塗工が困難となる傾向がある。また、顕色剤はバインダー樹脂100重量部に対して、通常10〜200重量部であり、特に30〜150重量部、さらに50〜100重量部の範囲が適当である。かかる含有量が少なすぎるとバインダー力が低下する傾向があり、多すぎると粘度が上昇し、塗工が困難となる傾向がある。
かかる感熱発色層形成用塗工液(c)中に、必要に応じて、炭酸カルシウム、シリカ、カオリン、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、二酸化チタン、クレー、タルク、硫酸バリウムなどの無機顔料、尿素―ホルマリン樹脂、ナイロン樹脂、アクリル系樹脂、スチレン・メタクリル酸共重合体などの有機系樹脂粉末、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの高級脂肪酸金属塩、パラフィン、ポリエチレンワックスなどの滑剤、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系などの紫外線吸収剤、アニオン性、ノニオン性界面活性剤、蛍光染料などを配合することも可能である。
感熱発色層形成用塗工液(c)は、上記のロイコ染料、顕色剤を別々にボールミル、アトライター、サンドグラインダーなど公知の分散機を用いて、粒径が0.5〜3μmになるまで粉砕して微分散液とし、これらとバインダー樹脂としてAA化PVA系樹脂と架橋剤の架橋構造体、さらに必要に応じて上記の添加剤や消泡剤などを混合して得られる。該塗工液の固形分濃度は作業性を考慮して10〜40重量%の範囲から選ばれる。
前記感熱発色層形成用塗工液(c)を塗工するにあたっては、例えば、ロールコーター法、エヤードクター法、ブレードコーター法、バーコーター法、サイズプレス法、ゲートロール法等の公知の任意の方法が採用される。該塗工液の塗工量は、乾燥重量で0.1〜20g/m2、さらには0.5〜15g/m2、特には1〜10g/m2程度になるようにするのが好ましい。
本発明においては、上記工程(C)により、感熱発色層を設けることができるが、また、架橋剤形成用塗工液(a)に顕色剤とロイコ染料とバインダー樹脂を含有させ、架橋剤層と感熱発色層を併せもたせることもできる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
尚、例中、「部」、「%」とあるのは、重量基準を意味する。また、ケン化度、平均重合度はJIS K6726に準拠して測定したものである。
〔架橋剤層形成用塗工液(a1)の作製〕
PVA(ケン化度99モル%、重合度1200)の5%水溶液99部、グリオキシル酸ナトリウムの5%水溶液1部、酢酸マグネシウムの5%水溶液0.7部を混合し、架橋剤層形成用塗工液(a1)を作製した。
〔架橋剤層形成用塗工液(a2)の作製〕
PVA(ケン化度99モル%、均重合度1200)の5%水溶液99部、グリオキシル酸の5%水溶液1部、水酸化マグネシウムの5%水溶液0.4部を混合し、架橋剤層形成用塗工液(a2)を作製した。
〔樹脂層形成用塗工液(b)の作製〕
(AA化PVA系樹脂の製造)
PVA(ケン化度98モル%、平均重合度2400)を、ニーダーに3600部仕込み、これに酢酸540部を入れ、膨潤させ、回転数20rpmで攪拌しながら、60℃に昇温後、ジケテン420部を3時間かけて滴下し、更に1時間反応させた。反応終了後、メタノールで洗浄した後、70℃で6時間乾燥してAA化PVA系樹脂を得た。かかるAA化PVA系樹脂のAA化度4モル%であり、ケン化度は98モル%、平均重合度は2400である。
(塗工液(b)の作製)
上記で得られたAA化PVA系樹脂の5%水溶液100部、カオリンの5%水分散液100部を混合し、樹脂層形成用塗工液(b)とした。
〔積層体1の作製〕
コピー用紙上に、上記で得られた塗工液(a1)を塗工し、70℃で5分間乾燥し、膜厚2.5μmの架橋剤層を形成した。かかる架橋剤層上に、上記で得られた樹脂層形成用塗工液(b)を塗工し、70℃で5分間乾燥し、膜厚2.5μmの樹脂層を形成した。
得られた積層体1を40℃、90%RHの環境下で3時間調湿したのち、以下の評価を行った。
〔耐水ブロッキング性評価〕
得られた積層体1の樹脂層形成面に水10μlを滴下し、もう1枚の積層体1を樹脂層形成面同士が接するように重ねた。かかる積層体2枚の上に、10g/cm2の荷重をかけ、40℃、90%RHの環境下で24時間放置し、その後さらに23℃、50%RHの環境下で1時間放置してから、2枚の積層体を剥がして、以下のように評価した。結果を表1に示す。
A:貼り付きが全くない
B:貼り付きはあるが、剥離による積層体の破損は見られない
C:貼り付きがあり、剥離すると積層体が破損する
〔着色評価〕
上記で得られた積層体を40℃、90%RHの環境下で7日間放置し、着色を促進させた後、測色計にてΔb*値を測色した。測定装置としては、分光測色計CM−3600A(コニカミノルタセンシング製)を用い、透過法 光源D−65 N=3の平均値で評価した。
結果を表1に示す。
実施例2
実施例1において、架橋剤層形成用塗工液(a1)に代えて、架橋剤層形成用塗工液(a2)を用いた以外は、実施例1同様に積層体を作製し、得られた積層体を積層体2とした。かかる積層体2について、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
比較例1
実施例1において、架橋剤層形成用塗工液(a1)に酢酸マグネシウムを加えなかった以外は同様に積層体を得て、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
比較例2
実施例1において、グリオキシル酸ナトリウムの5%水溶液1部、酢酸マグネシウムの5%水溶液0.7部に代えて、ジピン酸ジヒドラジドの5%水溶液1部を用いた以外は、同様に積層体を得て、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
比較例3
実施例1において、架橋剤層形成用塗工液(a1)の酢酸マグネシウムに代えて、酢酸カルシウムを配合した以外は同様に積層体を得て、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
Figure 2017074547
本発明の製造方法によって得られた積層体1及び2(実施例1及び2)は、耐水ブロッキング性に優れ、更には耐黄変性にも優れるものであった。
実施例において、積層体は感熱発色層を設けずにコピー用紙上に下記の通り塗工し、積層体を作製したが、本発明の効果には感熱発色層は影響しないため、感熱発色層を設けた感熱記録媒体においても、本実施例と同様の効果が得られるものである。
本発明の製造方法により得られた積層体は、耐水ブロッキング性に優れ、更には耐黄変に優れることから、感熱記録媒体の樹脂層として好適に用いられる。

Claims (4)

  1. 支持基材、架橋剤層及び樹脂層を有する積層体の製造方法において、
    グリオキシル酸マグネシウムを含有する架橋剤層形成用塗工液(a)を塗工する工程(A)及び、
    アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂を含有する樹脂層形成用塗工液(b)を塗工する工程(B)、
    を含むことを特徴とする積層体の製造方法。
  2. グリオキシル酸マグネシウムを含有する架橋剤層形成用塗工液(a)が、グリオキシル酸ナトリウムと脂肪族カルボン酸マグネシウムから形成されることを特徴とする請求項1記載の積層体の製造方法。
  3. グリオキシル酸マグネシウムを含有する架橋剤層形成用塗工液(a)が、グリオキシル酸と水酸化マグネシウムから形成されることを特徴とする請求項1記載の積層体の製造方法。
  4. 更に、顕色剤とロイコ染料とバインダー樹脂を含有する感熱発色層形成用塗工液(c)を塗工する工程(C)を含むことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の積層体の製造方法。
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