JP2736414B2 - 感熱記録紙 - Google Patents
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- JP2736414B2 JP2736414B2 JP62310484A JP31048487A JP2736414B2 JP 2736414 B2 JP2736414 B2 JP 2736414B2 JP 62310484 A JP62310484 A JP 62310484A JP 31048487 A JP31048487 A JP 31048487A JP 2736414 B2 JP2736414 B2 JP 2736414B2
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- B41M5/00—Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
- B41M5/26—Thermography ; Marking by high energetic means, e.g. laser otherwise than by burning, and characterised by the material used
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Description
【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野]
本発明は、ポットライフに優れ、且つ、得られた感熱
記録紙の印刷適性、耐可塑剤性及び耐水性等を改善する
ために好適に使用される紙加工剤で被覆された感熱記録
紙を提供するものである。 [従来の技術] 近年、熱を利用した感熱記録方法は、従来採用されて
きた印字記録方式などに必要な現像・定着といった工程
や補給物質を全く必要とせず、簡単に記録を得られると
いう大きな利点を持つことから、益々その用途は広がり
つつある。特に、該方式の中でもクリスタルバイオレッ
トラクトン等の発色物質とフェノール化合物等の顕色剤
を加熱、反応させて発色させるという方式が評価が高く
実用化されている。従来、かかる記録紙の製造に当たっ
てはポリビニルアルコール(以後PVAと略記する)が多
用されていたが、主として耐水性に問題があるため、ア
セト酢酸エステル基を含有するPVA(以後、AA化PVAと略
記する)系樹脂が検討されている。例えば、特開昭58−
181687号公報にはバインダーとしての使用や特開昭59−
106995号公報には加熱発色層上の保護膜としての使用が
提案されている。又、更に耐水性を向上させるために該
AA化PVA系樹脂と架橋剤、例えばAl,Fe,Cu,Si,Ti等のよ
うな種々の金属及び金属化合物等の併用も検討され、特
に、特開昭59−106995号公報には、ジルコニウムアルコ
キシド、炭酸ジルコニウムアンモニウムが提案されてい
る。 [発明が解決しようとする問題点] しかし、従来検討されてきたAA化PVA系樹脂と金属又
は金属化合物を併用した場合、塗工液のポットライフ
と、感熱記録紙の印字濃度、耐可塑剤性、耐水性のすべ
てを同時に満足させるのは困難であった。 又、ジルコニウムアルコキシドや炭酸ジルコニウムア
ンモニウムをAA化PVA系樹脂と併用した場合、本発明者
らの検討ではポットライフの点では問題はなかったが、
両者共架橋反応が促進しない為か耐可塑剤性、耐水性の
いずれについても効果を示さなかった。 [問題点を解決するための手段] 本発明者らは、上記の如き問題点を解決するため鋭意
研究を重ねた結果、AA化PVA系樹脂とジルコニウム塩を
含み、pH6.5以下に調製された水溶液からなる加工剤
を、発色性物質及び顕色剤を含有する感熱発色層の上に
保護膜として被覆した感熱記録紙が、上記目的を達成で
きることを見出し、本発明を完成するに至った。 本発明の特徴は、感熱発色層上の塗工液としてAA化PV
A系樹脂と併用する架橋剤としてジルコニウム塩を含
み、pH6.5以下に調整された水溶液からなる加工剤を、
発色性物質及び顕色剤を含有する感熱発色層の上に保護
膜として被覆する点にある。この結果、ポットライフ、
印字濃度、耐可塑剤性及び耐水性のすべてを同時に満足
させることが可能となった。 本発明で使用するAA化PVAは、代表的にはPVAにジケテ
ン等を反応させてPVAにアセト酢酸エステル基(以後AA
基と略記する)を導入して得られるものである。 該PVAとは、ポリ酢酸ビニルの部分ケン化物あるいは
完全ケン化物のみならず、ビニルエステルとそれと共重
合しうる単量体、例えばエチレン、プロピレン、イソブ
チレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセ
ン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロ
トン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の
不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノ又はジアルキル
エステル等、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等
のニトリル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等の
アミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メ
タアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸あるいは
その塩、アルキルビニルエーテル類、N−アクリルアミ
ドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルト
リメチルアンモニウムクロライド、ジメチルジアリルア
ンモニウムクロライド等のカチオン基を有する化合物、
ビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩
化ビニリデン等との共重合体ケン化物が挙げられるが、
必ずしもこれに限定されるものではない。 PVAの平均ケン化度は70〜100モル%、好ましくは85〜
99モル%、平均重合度は300〜3,000、好ましくは500〜
2,000の範囲から選ぶのが有利である。 上記PVAにAA基を含有させる方法としては、任意の方
法が実施出来るが、好適には該PVAにジケテンを付加反
応させるか、アセト酢酸エステルでエステル交換反応す
る方法が挙げられる。AA基の含有量は、前記PVAに対
し、0.05モル%以上で水溶性を有する範囲内の最大限ま
で可能であるが、通常0.1〜10モル%、なかんずく0.5〜
10モル%の範囲から選ばれることが多い。AA基の含有量
があまり少ないと本発明の効果は得難く、逆に必要以上
に多くても使用量の割には期待される効果を得ることが
できない。 次に併用するジルコニウム塩としては、塩化物、硝酸
塩、硫酸塩、酢酸塩が効果を有する。ここでいう塩化ジ
ルコニウムとは、二塩化物、三塩化物、四塩化物のみな
らず酸塩化ジルコニウムまでをも包含するものであり、
同様に他の硝酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、酢酸
ジルコニウムもそれぞれ硝酸ジルコニル、硫酸ジルコニ
ル、酢酸ジルコニウムまでも包含するものである。これ
らは、単独又は併用して使用可能である。 かかるジルコニウム塩はAA化PVA系樹脂100重量部に対
して0.2〜10重量部程度使用するのが有利である。0.2重
量部以下では印字発色濃度、耐可塑剤性、耐水性等の付
与効果が充分ではなく、又、10重量部以上使用するとポ
ットライフが短くなるという問題点が生じると同時に、
印字発色濃度、耐可塑剤性、耐水性に関しても使用量の
割にはそれほど効果が増大しないので経済的にも不利と
なる。 本発明においては加工剤のpHも重要なポイントであ
り、pHが6.5を越えるとAA基が分解をおこす恐れがあ
る。通常はジルコニウム塩の添加量によってコントロー
ル可能であるが、pHが6.5を越える恐れのある時は適宜
バッファーを用いてpH6.5以下に調整する必要がある。 本発明の感熱記録紙について、より具体的に説明す
る。 まず、感熱発色層を形成するための発色液の調製に当
っては発色性物質の水分散液と、顕色剤の水分散液を各
々別々に製造し、それらを充分攪拌して微粉砕した後、
両液を混合攪拌するだけで均一な分散系の発色液が得ら
れる。バインダー成分は発色性物質の水分散液、及び顕
色剤の水分散液の少なくとも一方に添加される。バイン
ダー成分は発色性物質、顕色剤の総量に対して10〜200
重量%が適当である。該発色液の固形分濃度は作業性を
考慮して10〜40重量%の範囲から選ばれる。バインダー
として例えばPVA、カルボキシル基含有PVA等の変性PV
A、AA化PVA、メチルセルロース、カルボキシメチルセル
ロース、デンプン類、ラテックス類等を用いることがで
きる。 発色性物質の例としては、3,3−ビス(P−ジメチル
アミノフェニル)−フタリド、3,3−ビス(P−ジメチ
ルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド[ク
リスタルバイオレットラクトン]、3,3−ビス(P−ジ
メチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリ
ド、3,3−ビス(P−ジメチルアミノフェニル)−6−
クロロフタリド、3−ジメチルアミノ−6−メトキシフ
ルオラン、7−アセトアミノ−3−ジエチルアミノフル
オラン、3−ジエチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン、
3,6−ビス−β−メトキシエトキシフルオラン、3,6−ビ
ス−β−シアノエトキシフルオラン等のトリフェニルメ
タン系染料のロイコ体が挙げられる。 顕色剤としては前記発色性物質と加熱時反応して反応
せしめるもので常温以上好ましくは70℃以上で液化もし
くは気化するもの、例えばフェノール、P−メチルフェ
ノール、P−ターシャリーブチルフェノール、P−フェ
ニルフェノール、α−ナフトール、β−ナフトール、4,
4′−イソプロピリデンジフェノール[ビスフェノール
A]、4,4′−セカンダリーブチリデンジフェノール、
4,4′−シクロヘキシリンデンジフェノール、4,4′−イ
ソプロピリデンビス(2−ターシャリーブチルフェノー
ル)、4,4′−(1−メチル−n−ヘキシリデン)ジフ
ェノール、4,4′−イソプロピリデンジカテコール、4,
4′−ペンジリデンジフェノール、4,4′−イソプロピリ
デンビス(2−クロロフェノール)、フェニル−4−ヒ
ドロキシベンゾエート、サリチル酸、3−フェニルサリ
チル酸、5−メチルサリチル酸、3,5−ジ−ターシャリ
ーブチルサリチル酸、1−オキシ−2−ナフトエ酸、m
−オキシ安息香酸、4−オキシフタル酸、没食子酸など
が挙げられるが、発色性物質、顕色剤ともにこれらに限
定されるわけではない。 該発色液を塗被する紙としては特に制限はなく、任意
の紙を使用できる。 又塗被するに当っては、ロールコーター法、エヤード
クター法、ブレードコーター法等公知の任意の方法が採
用される。しかして該発色液の塗布量は、1〜20g/m2な
かんずく3〜10g/m2程度なるようにするのが適当であ
る。 かくして得られた感熱発色層上に加工剤を被覆する。 被覆は任意の手段で実施出来る。被覆液の濃度は塗工
性等を考慮すると1〜10重量%程度が適当である。被覆
量は0.5〜5g/m2程度が好ましい。被覆後は風乾あるいは
軽度の加熱処理を行なうことによって目的とする被覆層
が形成される。 塗被はロールコーター法、エヤードクター法、ブレー
ドコータ法等任意の手段で実施可能である。 [作用] 本発明の感熱記録紙は、特定の加工剤を用いているた
め、ポットライフ、印字発色濃度、耐可塑剤性及び耐水
性のすべてを同時に満足させられるという長所を有す
る。 [実施例] 以下、実例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。 実施例1 A液、B液を別々にサンドグラインダーで平均粒子径
2μ程度になるまで粉砕し、その後A液、B液、炭酸カ
ルシウム50重量部、及びA,B液で使ったものと同一のPVA
の15重量%水溶液250重量部を混合して、発色液を得
た。該発色液を坪量50g/m2の基紙の上に乾燥後の塗布量
が8g/m2になる様にして塗布し、60℃にて乾燥させた。 更に、前記のC液をディクソンコーターを用いて5g/m
2(ネット)の割合に被覆し、60℃で乾燥して感熱記録
紙を得た。 該記録紙の印字発色濃度、耐可塑剤性及び耐水性を次
の方法で評価した。 (1)印字発色濃度 熱傾斜試験機(東洋精機社製)によって120℃、2Kg/c
m2、10秒の条件下に印字発色させ、印字発色濃度をマク
ベス濃度計(マクベス社製、RD−100R型、アンバーフィ
ルター使用)にて測定 (2)耐可塑剤性 バーコードを記録した記録紙を上下3枚の軟質塩化ビ
ニルシートではさみ300g/m2の加重を加え、40℃、24時
間後にバーコードスキャナーを用い、その読み取り率を
測定した。 (3)耐水性 バーコードを記録した記録紙を20℃の水道水に24時間
浸漬し、その後のバーコードスキャナーの読み取り率を
測定した。 (4)ポットライフ 30℃恒温水槽にて塗工液のゲル化時間を測定した。 結果を第1表に示す。 実施例2〜4、対照例1〜7 第1表に示す金属塩を用いて、実施例1の方法に準じ
て実験を行った。結果をあわせて第1表に示す。 [効果] 本発明の感熱記録紙は、特定の加工剤を用いているた
めは、塗工液のポットライフが向上し、得られる感熱記
録紙の印字濃度、耐可塑剤性、及び耐水性のすべてを同
時に満足させられるので、産業上極めて有用である。
記録紙の印刷適性、耐可塑剤性及び耐水性等を改善する
ために好適に使用される紙加工剤で被覆された感熱記録
紙を提供するものである。 [従来の技術] 近年、熱を利用した感熱記録方法は、従来採用されて
きた印字記録方式などに必要な現像・定着といった工程
や補給物質を全く必要とせず、簡単に記録を得られると
いう大きな利点を持つことから、益々その用途は広がり
つつある。特に、該方式の中でもクリスタルバイオレッ
トラクトン等の発色物質とフェノール化合物等の顕色剤
を加熱、反応させて発色させるという方式が評価が高く
実用化されている。従来、かかる記録紙の製造に当たっ
てはポリビニルアルコール(以後PVAと略記する)が多
用されていたが、主として耐水性に問題があるため、ア
セト酢酸エステル基を含有するPVA(以後、AA化PVAと略
記する)系樹脂が検討されている。例えば、特開昭58−
181687号公報にはバインダーとしての使用や特開昭59−
106995号公報には加熱発色層上の保護膜としての使用が
提案されている。又、更に耐水性を向上させるために該
AA化PVA系樹脂と架橋剤、例えばAl,Fe,Cu,Si,Ti等のよ
うな種々の金属及び金属化合物等の併用も検討され、特
に、特開昭59−106995号公報には、ジルコニウムアルコ
キシド、炭酸ジルコニウムアンモニウムが提案されてい
る。 [発明が解決しようとする問題点] しかし、従来検討されてきたAA化PVA系樹脂と金属又
は金属化合物を併用した場合、塗工液のポットライフ
と、感熱記録紙の印字濃度、耐可塑剤性、耐水性のすべ
てを同時に満足させるのは困難であった。 又、ジルコニウムアルコキシドや炭酸ジルコニウムア
ンモニウムをAA化PVA系樹脂と併用した場合、本発明者
らの検討ではポットライフの点では問題はなかったが、
両者共架橋反応が促進しない為か耐可塑剤性、耐水性の
いずれについても効果を示さなかった。 [問題点を解決するための手段] 本発明者らは、上記の如き問題点を解決するため鋭意
研究を重ねた結果、AA化PVA系樹脂とジルコニウム塩を
含み、pH6.5以下に調製された水溶液からなる加工剤
を、発色性物質及び顕色剤を含有する感熱発色層の上に
保護膜として被覆した感熱記録紙が、上記目的を達成で
きることを見出し、本発明を完成するに至った。 本発明の特徴は、感熱発色層上の塗工液としてAA化PV
A系樹脂と併用する架橋剤としてジルコニウム塩を含
み、pH6.5以下に調整された水溶液からなる加工剤を、
発色性物質及び顕色剤を含有する感熱発色層の上に保護
膜として被覆する点にある。この結果、ポットライフ、
印字濃度、耐可塑剤性及び耐水性のすべてを同時に満足
させることが可能となった。 本発明で使用するAA化PVAは、代表的にはPVAにジケテ
ン等を反応させてPVAにアセト酢酸エステル基(以後AA
基と略記する)を導入して得られるものである。 該PVAとは、ポリ酢酸ビニルの部分ケン化物あるいは
完全ケン化物のみならず、ビニルエステルとそれと共重
合しうる単量体、例えばエチレン、プロピレン、イソブ
チレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセ
ン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロ
トン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の
不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノ又はジアルキル
エステル等、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等
のニトリル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等の
アミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メ
タアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸あるいは
その塩、アルキルビニルエーテル類、N−アクリルアミ
ドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルト
リメチルアンモニウムクロライド、ジメチルジアリルア
ンモニウムクロライド等のカチオン基を有する化合物、
ビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩
化ビニリデン等との共重合体ケン化物が挙げられるが、
必ずしもこれに限定されるものではない。 PVAの平均ケン化度は70〜100モル%、好ましくは85〜
99モル%、平均重合度は300〜3,000、好ましくは500〜
2,000の範囲から選ぶのが有利である。 上記PVAにAA基を含有させる方法としては、任意の方
法が実施出来るが、好適には該PVAにジケテンを付加反
応させるか、アセト酢酸エステルでエステル交換反応す
る方法が挙げられる。AA基の含有量は、前記PVAに対
し、0.05モル%以上で水溶性を有する範囲内の最大限ま
で可能であるが、通常0.1〜10モル%、なかんずく0.5〜
10モル%の範囲から選ばれることが多い。AA基の含有量
があまり少ないと本発明の効果は得難く、逆に必要以上
に多くても使用量の割には期待される効果を得ることが
できない。 次に併用するジルコニウム塩としては、塩化物、硝酸
塩、硫酸塩、酢酸塩が効果を有する。ここでいう塩化ジ
ルコニウムとは、二塩化物、三塩化物、四塩化物のみな
らず酸塩化ジルコニウムまでをも包含するものであり、
同様に他の硝酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、酢酸
ジルコニウムもそれぞれ硝酸ジルコニル、硫酸ジルコニ
ル、酢酸ジルコニウムまでも包含するものである。これ
らは、単独又は併用して使用可能である。 かかるジルコニウム塩はAA化PVA系樹脂100重量部に対
して0.2〜10重量部程度使用するのが有利である。0.2重
量部以下では印字発色濃度、耐可塑剤性、耐水性等の付
与効果が充分ではなく、又、10重量部以上使用するとポ
ットライフが短くなるという問題点が生じると同時に、
印字発色濃度、耐可塑剤性、耐水性に関しても使用量の
割にはそれほど効果が増大しないので経済的にも不利と
なる。 本発明においては加工剤のpHも重要なポイントであ
り、pHが6.5を越えるとAA基が分解をおこす恐れがあ
る。通常はジルコニウム塩の添加量によってコントロー
ル可能であるが、pHが6.5を越える恐れのある時は適宜
バッファーを用いてpH6.5以下に調整する必要がある。 本発明の感熱記録紙について、より具体的に説明す
る。 まず、感熱発色層を形成するための発色液の調製に当
っては発色性物質の水分散液と、顕色剤の水分散液を各
々別々に製造し、それらを充分攪拌して微粉砕した後、
両液を混合攪拌するだけで均一な分散系の発色液が得ら
れる。バインダー成分は発色性物質の水分散液、及び顕
色剤の水分散液の少なくとも一方に添加される。バイン
ダー成分は発色性物質、顕色剤の総量に対して10〜200
重量%が適当である。該発色液の固形分濃度は作業性を
考慮して10〜40重量%の範囲から選ばれる。バインダー
として例えばPVA、カルボキシル基含有PVA等の変性PV
A、AA化PVA、メチルセルロース、カルボキシメチルセル
ロース、デンプン類、ラテックス類等を用いることがで
きる。 発色性物質の例としては、3,3−ビス(P−ジメチル
アミノフェニル)−フタリド、3,3−ビス(P−ジメチ
ルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド[ク
リスタルバイオレットラクトン]、3,3−ビス(P−ジ
メチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリ
ド、3,3−ビス(P−ジメチルアミノフェニル)−6−
クロロフタリド、3−ジメチルアミノ−6−メトキシフ
ルオラン、7−アセトアミノ−3−ジエチルアミノフル
オラン、3−ジエチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン、
3,6−ビス−β−メトキシエトキシフルオラン、3,6−ビ
ス−β−シアノエトキシフルオラン等のトリフェニルメ
タン系染料のロイコ体が挙げられる。 顕色剤としては前記発色性物質と加熱時反応して反応
せしめるもので常温以上好ましくは70℃以上で液化もし
くは気化するもの、例えばフェノール、P−メチルフェ
ノール、P−ターシャリーブチルフェノール、P−フェ
ニルフェノール、α−ナフトール、β−ナフトール、4,
4′−イソプロピリデンジフェノール[ビスフェノール
A]、4,4′−セカンダリーブチリデンジフェノール、
4,4′−シクロヘキシリンデンジフェノール、4,4′−イ
ソプロピリデンビス(2−ターシャリーブチルフェノー
ル)、4,4′−(1−メチル−n−ヘキシリデン)ジフ
ェノール、4,4′−イソプロピリデンジカテコール、4,
4′−ペンジリデンジフェノール、4,4′−イソプロピリ
デンビス(2−クロロフェノール)、フェニル−4−ヒ
ドロキシベンゾエート、サリチル酸、3−フェニルサリ
チル酸、5−メチルサリチル酸、3,5−ジ−ターシャリ
ーブチルサリチル酸、1−オキシ−2−ナフトエ酸、m
−オキシ安息香酸、4−オキシフタル酸、没食子酸など
が挙げられるが、発色性物質、顕色剤ともにこれらに限
定されるわけではない。 該発色液を塗被する紙としては特に制限はなく、任意
の紙を使用できる。 又塗被するに当っては、ロールコーター法、エヤード
クター法、ブレードコーター法等公知の任意の方法が採
用される。しかして該発色液の塗布量は、1〜20g/m2な
かんずく3〜10g/m2程度なるようにするのが適当であ
る。 かくして得られた感熱発色層上に加工剤を被覆する。 被覆は任意の手段で実施出来る。被覆液の濃度は塗工
性等を考慮すると1〜10重量%程度が適当である。被覆
量は0.5〜5g/m2程度が好ましい。被覆後は風乾あるいは
軽度の加熱処理を行なうことによって目的とする被覆層
が形成される。 塗被はロールコーター法、エヤードクター法、ブレー
ドコータ法等任意の手段で実施可能である。 [作用] 本発明の感熱記録紙は、特定の加工剤を用いているた
め、ポットライフ、印字発色濃度、耐可塑剤性及び耐水
性のすべてを同時に満足させられるという長所を有す
る。 [実施例] 以下、実例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。 実施例1 A液、B液を別々にサンドグラインダーで平均粒子径
2μ程度になるまで粉砕し、その後A液、B液、炭酸カ
ルシウム50重量部、及びA,B液で使ったものと同一のPVA
の15重量%水溶液250重量部を混合して、発色液を得
た。該発色液を坪量50g/m2の基紙の上に乾燥後の塗布量
が8g/m2になる様にして塗布し、60℃にて乾燥させた。 更に、前記のC液をディクソンコーターを用いて5g/m
2(ネット)の割合に被覆し、60℃で乾燥して感熱記録
紙を得た。 該記録紙の印字発色濃度、耐可塑剤性及び耐水性を次
の方法で評価した。 (1)印字発色濃度 熱傾斜試験機(東洋精機社製)によって120℃、2Kg/c
m2、10秒の条件下に印字発色させ、印字発色濃度をマク
ベス濃度計(マクベス社製、RD−100R型、アンバーフィ
ルター使用)にて測定 (2)耐可塑剤性 バーコードを記録した記録紙を上下3枚の軟質塩化ビ
ニルシートではさみ300g/m2の加重を加え、40℃、24時
間後にバーコードスキャナーを用い、その読み取り率を
測定した。 (3)耐水性 バーコードを記録した記録紙を20℃の水道水に24時間
浸漬し、その後のバーコードスキャナーの読み取り率を
測定した。 (4)ポットライフ 30℃恒温水槽にて塗工液のゲル化時間を測定した。 結果を第1表に示す。 実施例2〜4、対照例1〜7 第1表に示す金属塩を用いて、実施例1の方法に準じ
て実験を行った。結果をあわせて第1表に示す。 [効果] 本発明の感熱記録紙は、特定の加工剤を用いているた
めは、塗工液のポットライフが向上し、得られる感熱記
録紙の印字濃度、耐可塑剤性、及び耐水性のすべてを同
時に満足させられるので、産業上極めて有用である。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.アセト酢酸エステル基を含有するポリビニルアルコ
ール系樹脂とジルコニウム塩を含み、pH6.5以下に調製
された水溶液からなる加工剤を、発色性物質及び顕色剤
を含有する感熱発色層の上に保護膜として被覆したこと
を特徴とする感熱記録紙。 2.ジルコニウム塩が塩化ジルコニウム、酢酸ジルコニ
ウム、硝酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウムの少なくと
も1種であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記
載の感熱記録紙。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62310484A JP2736414B2 (ja) | 1987-12-08 | 1987-12-08 | 感熱記録紙 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62310484A JP2736414B2 (ja) | 1987-12-08 | 1987-12-08 | 感熱記録紙 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH01150577A JPH01150577A (ja) | 1989-06-13 |
JP2736414B2 true JP2736414B2 (ja) | 1998-04-02 |
Family
ID=18005789
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62310484A Expired - Fee Related JP2736414B2 (ja) | 1987-12-08 | 1987-12-08 | 感熱記録紙 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2736414B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP4943968B2 (ja) * | 2007-08-06 | 2012-05-30 | 三菱製紙株式会社 | 感熱記録材料 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JPS59123697A (ja) * | 1982-12-29 | 1984-07-17 | Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The | 感熱記録材料 |
JPS6132790A (ja) * | 1984-07-25 | 1986-02-15 | Ricoh Co Ltd | 感熱記録材料 |
-
1987
- 1987-12-08 JP JP62310484A patent/JP2736414B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01150577A (ja) | 1989-06-13 |
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