JPH11350390A - 紙塗工用組成物 - Google Patents

紙塗工用組成物

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JPH11350390A
JPH11350390A JP5051699A JP5051699A JPH11350390A JP H11350390 A JPH11350390 A JP H11350390A JP 5051699 A JP5051699 A JP 5051699A JP 5051699 A JP5051699 A JP 5051699A JP H11350390 A JPH11350390 A JP H11350390A
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JP
Japan
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weight
paper
monomer
coated paper
copolymer latex
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JP5051699A
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English (en)
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Takashi Matsuyama
貴志 松山
Toshitaka Nishioka
利恭 西岡
Yoshinobu Katayama
良順 片山
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Original Assignee
SUMIKA ABS LATEX KK
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 ブタジエン25〜60重量%、イタコン
酸0.5〜10重量%、アクリロニトリル3〜30重量
%およびこれらと共重合可能なその他の単量体0〜7
1.5重量%からなる単量体混合物100重量部に対
し、下記一般式(a)で示されるアニオン性界面活性剤
0.1〜5重量部の存在下で該単量体混合物を乳化重合
させて得られる共重合体ラテックスを多層塗工紙の最外
層に塗工される紙塗工用組成物のバインダーとする。 【化1】 ここで、Rは炭素数4〜20のアルキル基または芳香環
を含む炭化水素基、nは2〜70の整数およびMはN
a、KまたはNH4である。 【効果】 優れた機械的安定性および低起泡性の塗工用
組成物が得られ、本発明により得られる多層塗工紙は、
ピンホールが極めて少なく、ドライピック強度、ウエッ
トピック強度、インキ受理性および印刷光沢等の印刷適
性に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は紙塗工用組成物に関
するものである。詳しくは、特定の乳化剤を使用して製
造される共重合体ラテックスを用いることにより、ドラ
イピック強度、ウェットピック強度、インキ受理性およ
び印刷光沢に優れ、かつ表面のピンホールが少ない塗工
紙を与え、低起泡性および機械的安定性に優れた紙塗工
用組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、塗工紙は、その印刷効果が高い等
の理由から、非常に数多くの印刷物に利用されている。
季刊、月間紙等の定期刊行物の中にも、全ての頁に塗工
紙が使用される場合もかなり増えている。特に、メール
オーダービジネスにおけるダイレクトメールや商品カタ
ログ等においては、そのほとんどが全ての頁に塗工紙を
使用している。
【0003】塗工紙は非塗工紙に比べ、白色度、光沢
度、平滑度、印刷適性など多くの優れた点を有している
が、原紙を抄造したあとに紙塗工用組成物をブレードコ
ーターやロールコーターなどを用いて塗工する工程が必
要となるため、紙塗工用組成物の性能が最終的な塗工紙
製品の品質に大きく影響する。このため、紙塗工用組成
物には起泡性が低いことや、高いレベルの機械的安定性
などを含めた高速塗工適性が求められている。
【0004】一般的に紙塗工用組成物は、クレーや炭酸
カルシウム、プラスチックピグメントなどの白色顔料を
水に分散した顔料分散液、顔料同士および顔料を原紙に
接着固定するためのバインダー、およびその他の添加剤
によって構成される水性塗料である。バインダーとして
はスチレン−ブタジエン系共重合体ラテックスに代表さ
れるような合成エマルションバインダーやデンプン、カ
ゼインに代表されるような天然バインダーが使用され
る。その中でもスチレンーブタジエン系共重合体ラテッ
クスは品質設計の自由度が大きく、今日では紙塗工用組
成物に最も適したバインダーとして広く使用されてお
り、スチレンーブタジエン系共重合体ラテックスの性能
が紙塗工用組成物の性能あるいは最終的な塗工紙製品の
ドライピック強度、ウェットピック強度、印刷光沢、イ
ンキ受理性などの品質に大きく影響すると言われてい
る。
【0005】そのため、紙塗工用スチレン−ブタジエン
系共重合体ラテックスの品質設計や製造方法に関しては
従来から実に様々な改良技術が紹介されており、それら
のいくつかを例示する。
【0006】例えば、環内に1個の不飽和結合を持つ炭
化水素の存在下で重合することによって、重合中の微細
凝固物を低減したり、共重合体ラテックスの機械的安定
性、接着性、塗工紙の臭気を改良する技術が特開平5−
279406、特開平5−209399、特開平5−2
14166等に紹介されている。
【0007】さらには、特開平1−192896には、
特定の共重合体ラテックスを用いて多層塗工を行うこと
によって、ドライピック強度やインキ受理性に優れた多
層塗工紙が得られるとの技術開示がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの様々
の改良技術は、未だ紙塗工用共重合体ラテックスに要求
される性能を十分に満足するレベルには至っておらず、
更なる改良が強く求められていた。特に、塗工紙の印刷
光沢やピンホール、および紙塗工用組成物の低起泡性や
機械的安定性については上記の改良技術だけでは不十分
であり強く改良が求められていた。
【0009】また、デンプンは水性塗料に適度な粘性を
与えて高速塗工適性を調整したり、共重合体ラテックス
の補助的なバインダーとして古くから用いられている
が、デンプンを使用するとその使用量が増加するにした
がい、製品塗工紙のインキ受理性が低下することが知ら
れており、それらの改良も強く求められていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の諸
事情に鑑み現状の問題点を解決すべく、多層塗工紙の最
外層に塗工される紙塗工用組成物について鋭意検討した
結果、特定のアニオン性界面活性剤を用いて乳化重合す
ることによって得られる共重合体ラテックスと顔料を含
有する紙塗工用組成物の機械的安定性および低起泡性、
また、その紙塗工用組成物にて塗工処理を行うことによ
り得られた塗工紙のドライピック強度、ウェットピック
強度、インキ受理性および印刷光沢等の性能が大幅に向
上することや製品塗工紙のピンホールが大幅に減少する
ことを見出し本発明を完成するに至った。
【0011】すなわち本発明は、脂肪族共役ジエン系単
量体25〜60重量%、エチレン系不飽和カルボン酸単
量体0.5〜10重量%、シアン化ビニル系単量体3〜
30重量%およびこれらと共重合可能なその他の単量体
0〜71.5重量%からなる単量体混合物100重量部
に対し、下記一般式(a)および/または(b)で示さ
れるアニオン性界面活性剤0.1〜5重量部の存在下で
該単量体混合物を乳化重合させて得られる共重合体ラテ
ックスと顔料とを含有することを特徴とする多層塗工紙
の最外層に塗工される紙塗工用組成物を提供するもので
ある。
【0012】
【化3】 ここで、Rは炭素数4〜20のアルキル基または芳香環
を含む炭化水素基、nは2〜70の整数およびMはN
a、KまたはNH4である。
【0013】
【化4】 ここで、R’は炭素数4〜20のアルキル基、n’は2
〜70の整数およびM’はNa、KまたはNH4であ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。
【0015】本発明における脂肪族共役ジエン系単量体
としては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−
ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、
2−クロル−1,3−ブタジエン、置換直鎖共役ペンタ
ジエン類、置換および側鎖共役ヘキサジエン類などが挙
げられ、これらを1種または2種以上使用することがで
きる。特に1,3−ブタジエンの使用が好ましい。
【0016】本発明において、脂肪族共役ジエン系単量
体は25〜60重量%用いられる。脂肪族共役ジエン系
単量体が25重量%未満では印刷時に必要とされるドラ
イピック強度などの接着性が、また60重量%を超える
と印刷時に必要とされるウェットピック強度などの湿潤
接着性が劣るため、好ましくない。さらに好ましくは2
5〜45重量%である。
【0017】エチレン系不飽和カルボン酸単量体として
は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン
酸、フマール酸、イタコン酸などのモノまたはジカルボ
ン酸(無水物を含む)が挙げられ、これらを1種または
2種以上使用することができる。
【0018】本発明において、エチレン系不飽和カルボ
ン酸単量体は、0.5〜10重量%用いられる。エチレ
ン系不飽和カルボン酸単量体が0.5重量%未満では共
重合体ラテックス自身および紙塗工用組成物の機械的安
定性が劣り、また10重量%を超えるとラテックスの粘
度が高くなり、共重合体ラテックス自身の取り扱い上の
問題を生じる可能性があるため、好ましくない。さらに
好ましくは1〜7重量%である。
【0019】シアン化ビニル系単量体としては、アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロ
ニトリル、α−エチルアクリロニトリルなどが挙げら
れ、これらを1種または2種以上使用することができ
る。特にアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルの
使用が好ましい。
【0020】本発明において、シアン化ビニル系単量体
は、3〜30重量%用いられる。シアン化ビニル系単量
体が3重量%未満では製品塗工紙の印刷光沢発現性が低
下し、30重量%を越えるとドライピック強度が低下す
るため好ましくない。さらに好ましくは3〜20重量%
である。
【0021】本発明における共重合体ラテックスを乳化
重合により製造するに際し、前記脂肪族共役ジエン系単
量体、エチレン系不飽和カルボン酸単量体、およびシア
ン化ビニル系単量体と共重合可能な他の単量体を用いる
ことができる。
【0022】上記脂肪族共役ジエン系単量体、エチレン
系不飽和カルボン酸単量体およびシアン化ビニル系単量
体と共重合可能な他の単量体としては、アルケニル芳香
族系単量体、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量
体、ヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単量体、不
飽和カルボン酸アミド単量体等が挙げられる。これら他
の単量体の使用量は脂肪族共役ジエン系単量体、エチレ
ン系不飽和カルボン酸単量体およびシアン化ビニル系単
量体と合わせて100重量%となるように用いられる。
【0023】アルケニル芳香族単量体としては、スチレ
ン、α−メチルスチレン、メチルα−メチルスチレン、
ビニルトルエンおよびジビニルベンゼン等が挙げられ、
これらを1種または2種以上使用することができる。特
にスチレンの使用が好ましい。
【0024】不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体
としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレー
ト、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチ
ルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ジメチル
フマレート、ジエチルフマレート、ジメチルマレエー
ト、ジエチルマルエート、ジメチルイタコネート、モノ
メチルフマレート、モノエチルフマレート、2−エチル
ヘキシルアクリレート等が挙げられ、これらを1種また
は2種以上使用することができる。特にメチルメタクリ
レートの使用が好ましい。
【0025】ヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単
量体としては、β−ヒドロキシエチルアクリレート、β
−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピ
ルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、
ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタ
クリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタ
クリレート、ジ−(エチレングリコール)マレエート、
ジ−(エチレングリコール)イタコネート、2−ヒドロ
キシエチルマレエート、ビス(2−ヒドロキシエチル)
マレエート、2−ヒドロキシエチルメチルフマレートな
どが挙げられ、これらを1種または2種以上使用するこ
とができる。特にβ−ヒドロキシエチルアクリレートの
使用が好ましい。
【0026】不飽和カルボン酸アミド単量体としては、
アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールア
クリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,
N−ジメチルアクリルアミドなどが挙げられ、これらを
1種または2種以上使用することができる。
【0027】本発明にて用いられる、アニオン性界面活
性剤は、下記一般式(a)および/または(b)で示さ
れる化合物が単量体混合物100重量部に対して0.1
〜5重量部の範囲で用いられるが、0.1重量部未満で
は塗工紙のインキ受理性が低下し、かつ、ピンホールが
増加し、5重量部を越えると紙塗工用組成物の起泡性が
高くなり、ピンホールが増加するので好ましくない。
【0028】
【化5】 ここで、Rは炭素数4〜20のアルキル基または芳香環
を含む炭化水素基、nは2〜70の整数およびMはN
a、KまたはNH4である。
【0029】
【化6】 ここで、R’は炭素数4〜20のアルキル基、n’は2
〜70の整数およびM’はNa、KまたはNH4であ
る。また、上記アニオン性界面活性剤(a)および
(b)のエチレンオキシドの付加モル数は2〜70の整
数であるが、この範囲から外れるとウェットピック強度
が低下するので好ましくない。さらに、上記(a)また
は(b)以外の少量のアニオン性界面活性剤を併せて使
用することも可能である。
【0030】本発明においては、環内に不飽和結合を1
つ有する環状不飽和炭化水素の存在下で乳化重合するこ
とで、さらに、本発明の効果を高めることができる。該
炭化水素の不存在下で乳化重合された共重合体ラテック
スでは、ドライピック強度が劣る傾向にある。本発明で
使用する環内に不飽和結合を1つ有する環状不飽和炭化
水素としては、重合終了後、大部分は未反応で残留して
おり、その未反応物を回収する必要があるため、その沸
点が140℃以下のものが好ましい。具体的には、シク
ロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、4−メ
チルシクロヘキセン、1−メチルシクロヘキセン等が挙
げられる。
【0031】該炭化水素は、通常、単量体100重量部
に対して2〜40重量部使用される。
【0032】本発明における共重合体ラテックスのゲル
含有量(共重合体ラテックスのトルエン不溶分)につい
て何ら制限はないが、ドライピック強度を考慮すると1
0〜95重量%が好ましく、さらに非常に高い印刷光沢
を必要とする場合には60〜90重量%が好ましい。
【0033】更に、本発明における共重合体ラテックス
の数平均粒子径についても何ら制限はないが、50〜3
00nmが好ましく、さらに印刷光沢を考慮すると70
〜150nmが好ましい。
【0034】また、本発明に用いられる共重合体ラテッ
クスを乳化重合する方法においても特に制限はなく、全
単量体を一段階で反応器に添加する方法、或いは、任意
の単量体を二段階で反応器に添加する方法、または任意
の単量体を多段階で反応器に添加する方法等、何れでも
採用することができるが、特に以下の方法にて乳化重合
することが好ましい。
【0035】すなわち、1段目として、全単量体の5〜
95重量%、好ましくは50〜90重量%の単量体にて
重合を開始し、さらに2段目として残りの単量体を添加
する、いわゆる二段階添加方法を採用することが、接着
強度の点で好ましい。
【0036】また、乳化重合に際し、公知の連鎖移動
剤、重合開始剤、電解質、キレート剤等の一般の乳化重
合に用いられている添加剤、助剤が使用できる。
【0037】また、本発明の乳化重合において使用する
連鎖移動剤としては、n−ヘキシルメルカプタン、n−
オクチルメルカプタン、t−オクチルメルカプタン、n
−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、
n−ステアリルメルカプタン等のアルキルメルカプタ
ン、ジメチルキサントゲンジサルファイド、ジイソプロ
ピルキサントゲンジサルファイド等のキサントゲン化合
物、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチル
チウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスル
フィド等のチウラム系化合物、2,6−ジ−t−ブチル
−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール等のフ
ェノール系化合物、アリルアルコール等のアリル化合
物、ジクロルメタン、ジブロモメタン、四臭化炭素等の
ハロゲン化炭化水素化合物、α−ベンジルオキシスチレ
ン、α−ベンジルオキシアクリロニトリル、α−ベンジ
ルオキシアクリルアミド等のビニルエーテル、α−メチ
ルスチレンダイマー、ターピノレン、トリフェニルエタ
ン、ペンタフェニルエタン、アクロレイン、メタアクロ
レイン、チオグリコール酸、チオリンゴ酸、2−エチル
ヘキシルチオグリコレート等が挙げられ、これらを1種
または2種以上使用することができる。
【0038】これらの連鎖移動剤は、通常、単量体10
0重量部に対して0〜10重量部にて使用される。
【0039】重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過
硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の水溶性重合開
始剤、レドックス系重合開始剤、過酸化ベンゾイル等の
油溶性重合開始剤を適宜用いることができる。特に水溶
性重合開始剤の使用が好ましい。
【0040】また、本発明における顔料としては、例え
ば、カオリンクレー、タルク、硫酸バリウム、酸化チタ
ン、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、
サチンホワイトなどの無機顔料、あるいはポリスチレン
ラテックスのような有機顔料が挙げられ、これらは単独
または混合して使用される。
【0041】また、必要に応じて澱粉、酸化澱粉、エス
テル化澱粉等の変性澱粉、大豆蛋白、カゼインなどの天
然バインダー、あるいはポリビニルアルコールなどの水
溶性合成バインダーなどを使用しても差し支えない。さ
らに、ポリ酢酸ビニルラテックス、アクリル系ラテック
スなどの合成ラテックス等を本発明の共重合体ラテック
スと併用してもよいが、本発明の効果を高く発揮させる
ためには、これらの使用割合は全共重合体ラテックスの
(固形分)50重量%未満に抑えることが望ましい。
【0042】本発明の共重合体ラテックスを用いて紙塗
工用組成物を調整する際に、さらにその他の助剤、例え
ば分散剤(ピロリン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナト
リウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムなど)、消泡剤
(ポリグリコール、脂肪酸エステル、リン酸エステル、
シリコーンオイルなど)、レベリング剤(ロート油、ジ
シアンジアミド、尿素など)、防腐剤、離型剤(ステア
リン酸カルシウム、パラフィンエマルジョンなど)、蛍
光染料、カラー保水性向上剤(カルボキシメチルセルロ
ース、アルギン酸ナトリウムなど)を必要に応じて添加
しても良い。
【0043】本発明における多層塗工紙とは、原紙の片
面あたり紙塗工用組成物を二層以上塗工して得られる塗
工紙である。本発明の効果を更に高めるためには、原紙
の片面あたり、紙塗工用組成物を一層塗工した後本発明
の紙塗工用組成物を塗工するいわゆるダブル塗工紙とす
ることが好ましい。
【0044】さらに、紙塗工用組成物を塗工用紙へ塗布
する方法には、公知の技術、例えばエアナイフコータ
ー、ブレードコーター、ロールコーター、バーコーター
などのいずれの塗工機を使用しても差し支えない。ま
た、塗工後、表面を乾燥し、カレンダーリングなどによ
り仕上げる。
【0045】
【実施例】以下、実施例を挙げ本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これら
の実施例に限定されるものではない。なお実施例中、割
合を示す部および%は特に断りのない限り重量基準によ
るものである。
【0046】また、実施例および比較例における各種物
性の測定方法は、次に示す通りである。
【0047】共重合体ラテックスのゲル含有量の測定 共重合体ラテックスを水酸化ナトリウムにて、pH8.
0に調整する。次に、ガラス板上にその共重合体ラテッ
クスを塗り、80℃の熱風乾燥機内で4時間乾燥して、
厚さ約0.5mmの共重合体ラテックスフィルムを作成
する。その後、共重合体ラテックスフィルム約1gを正
確に秤量後、400ccのトルエン中に48時間浸せき
し、300メッシュの金網で濾過後、乾燥し、金網上の
トルエン不溶分(ゲル)を秤量し、ゲル含有率を算出す
る。
【0048】共重合体ラテックスの粒子径の測定 共重合体ラテックスの数平均粒子径を動的光散乱法によ
り測定した。尚、測定に際しては、LPA−3000/
3100(大塚電子製)を使用した。
【0049】紙塗工用組成物の機械的安定性の評価 市販のマロン式機械的安定性試験器を用いて、塗工液
(固形分40重量%、試料50g)に、ローター回転数
1000rpm、ローター荷重10Kg、回転時間10
分間の条件で機械的せん断を与えた後、発生した凝集物
を200メッシュの金網で捕捉した。捕捉された凝集物
を乾燥した後、元の固形分重量に対する凝集物の割合を
重量%で求めた。求められた値に従って、紙塗工用組成
物の機械的安定度を次の3段階で評価した。 ○・・・0.01重量%未満。 △・・・0.01重量%以上、0.10重量%未満。 ×・・・0.10重量%以上。
【0050】紙塗工用組成物の起泡性の評価 紙塗工用組成物の固形分濃度を30重量%に調整し、1
500(ml)のメスシリンダーに300(ml)入れ
る。メスシリンダーの底部に、先端部分に200メッシ
ュのステンレス金網をあてたガラス管を挿入し、その先
端部分より800(ml)の空気を強制的に送り込んで
紙塗工用組成物を発泡させる。空気を送り込んだ直後の
発泡体積(ml)を測定し、その値を各紙塗工用組成物
の起泡性とし、次の4段階で評価した。 ◎・・・700未満 (非常に良い) ○・・・700以上1000未満 (良い) △・・・1000以上1300未満 (少し悪い) ×・・・1300以上 (非常に悪い)
【0051】塗工紙のドライピック強度の評価 RI印刷機で各塗工紙試料を同時に印刷した際のピッキ
ングの程度を肉眼で判定し、5点から1点まで相対的に
評価した。点数の高いものほど良好である。
【0052】塗工紙のウェットピック強度の評価 RI印刷機を用いてモルトンロールにより各塗工紙試料
に同時に湿し水を付与し、その直後に、インキロールに
より各塗工紙試料を同時に印刷した際のピッキングの程
度を肉眼で判定し、5点から1点まで相対的に評価し
た。点数の高いものほど良好である。
【0053】塗工紙のインク受理性 RI印刷機を用いてゴムロールにより各塗工紙試料に同
時に湿し水を付与し、その直後に、インキロールにより
各塗工紙試料を同時に印刷した際のインキの受理の程度
を肉眼で判定し、5点から1点まで相対的に評価した。
点数の高いものほど良好である。
【0054】塗工紙の印刷光沢の評価 RI印刷機で各塗工紙試料を同一の条件で印刷した後、
一昼夜放置し、印刷面の光沢度をJIS.P−8142
に従い測定した。数値が大きいほど印刷光沢がよい。
【0055】塗工紙のピンホールの評価 電子顕微鏡を用い、塗工紙試料の2mm×2mmの視野
について表面反射電子像を撮影した。各塗工紙試料につ
いて15視野分の撮影を行い、得られた15枚の電子顕
微鏡写真に写されたピンホールを数え、その個数によっ
て次の4段階で評価した。 ◎・・・ 5個未満 (非常に良い) ○・・・ 5個以上10個未満 (良い) △・・・10個以上30個未満 (少し悪い) ×・・・30個以上 (非常に悪い)
【0056】共重合体ラテックスの作製 耐圧性の重合反応機に、重合水120部、表1〜表4に
示した種類と量の乳化剤、炭酸ナトリウム0.2部、過
硫酸カリウム1部を仕込み、十分攪拌した後、表1〜表
4に示す第1段目の単量体および他の化合物を加えて7
0℃にて重合を開始し、第1段目の単量体の重合転化率
が70重量%に達した時点で第2段目の各単量体等を加
えて重合を継続し、全単量体の重合転化率が95%を越
えた時点で重合を終了した。次いで、これら共重合体ラ
テックスを水酸化ナトリウム水溶液でpHを7に調整し
て、水蒸気蒸留により未反応単量体および他の低沸点化
合物を除去し、表1〜表4に示す、原紙と接する層に塗
工される組成物に使用する共重合体ラテックスJ、実施
例用の共重合体ラテックスA〜I、Kおよび比較例用の
共重合体ラテックスa〜d、f〜hを得た。尚、共重合
体ラテックスeは重合途中に凝集し、共重合体ラテック
スが得られなかった。なお、表中“/”を挟んで左側が
1段目、右側が2段目の量(重量部)を示す。
【0057】得られた共重合体ラテックスのゲル含有量
および数平均粒子径を測定し、結果をそれぞれ表1〜表
4に示した。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】
【表4】
【0062】紙塗工用組成物の作製1 下記に示した配合処方1に従い、共重合体ラテックスJ
を用いて、固形分濃度62%の原紙に接する塗工層用の
塗工液を作成した。 (紙塗工用組成物の配合処方1) 湿式重質炭酸カルシウム 100部 酸化デンプン 8部 共重合体ラテックス J 6部 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 固形分濃度 62%
【0063】紙塗工用組成物の作製2 下記に示した配合処方2に従って、共重合体ラテックス
A〜I、Kおよび共重合体ラテックスa〜dおよびf〜
hを用いて、固形分濃度65%の塗工層最外層用の塗工
液を作成した。 (紙塗工用組成物の配合処方2) 1級カオリン 50部 2級カオリン 20部 湿式重質炭酸カルシウム 30部 酸化デンプン 3部 共重合体ラテックス 10部 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 固形分濃度 65%
【0064】多層塗工紙の作製 市販の熱風塗工乾燥機MLC−100S型を用いて、塗
工原紙(坪量64g/m2)の両面に、得られた紙塗工
用組成物を塗工し、各塗工層を形成させ、多層塗工紙1
〜16、18および単層塗工紙17を得た。単層塗工紙
17は、共重合体ラテックスBを用いて前記配合処方2
で作成した紙塗工用組成物のみを塗工した。尚、この形
成順序および塗工量は塗工原紙の表裏で同一となるよう
にした。
【0065】また、各塗工紙は、原紙に接する塗工層、
最外層共に全て次に示す同一条件下で作製した。塗工条
件:前記の熱風塗工乾燥機にて、#4〜#7のワイヤー
バーを適宜用いて塗工した。塗工速度は46m/mi
n.に設定した。 乾燥条件:塗工から約0.5秒後に、150℃の乾燥炉
内で、温度210℃、風速33m/秒の熱風により3秒
間乾燥した。 なお、塗工順序は、原紙の表面に塗工後、原紙の裏面に
塗工を行い、続けて、その表面の塗工層の上に二層目を
塗工し、裏面に二層目を塗工した。塗工量は、原紙に接
する塗工層、最外層共に10g/m2となるように調整
した。また塗工紙17は、#9のワイヤーバーを用い
て、先に示した配合処方2の塗料を原紙の表面、裏面に
それぞれ20g/m2塗工した単層塗工紙である。使用
したワイヤーバー以外の塗工条件、および乾燥条件は多
層塗工紙1〜16、18と同様である。
【0066】得られた各塗工紙を、相対湿度65%、温
度20℃の条件下で一昼夜調湿した後、線圧70kg/
cm、温度55℃、通紙速度7m/分、表裏2回ずつ合
計4回の通紙条件でスーパーカレンダー処理し、得られ
た塗工紙を各試験に供して評価し、その結果を表5〜表
7に示した。
【0067】
【表5】
【0068】
【表6】
【0069】
【表7】
【0070】
【発明の効果】上記の通り、本発明における共重合体ラ
テックスを用いることで、優れた機械的安定性を有し、
低起泡性の塗工用組成物が得られる。更に、本発明によ
り得られる塗工用組成物を用いることで、ピンホールが
極めて少なく、ドライピック強度、ウェットピック強
度、インキ受理性、および印刷光沢等の印刷適性に極め
て優れた、従来にないオフセット印刷用多層塗工紙を提
供することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪族共役ジエン系単量体25〜60重
    量%、エチレン系不飽和カルボン酸単量体0.5〜10
    重量%、シアン化ビニル系単量体3〜30重量%および
    これらと共重合可能なその他の単量体0〜71.5重量
    %からなる単量体混合物100重量部に対し、下記一般
    式(a)および/または(b)で示されるアニオン性界
    面活性剤0.1〜5重量部の存在下で該単量体混合物を
    乳化重合させて得られる共重合体ラテックスと顔料とを
    含有することを特徴とする多層塗工紙の最外層に塗工さ
    れる紙塗工用組成物。 【化1】 ここで、Rは炭素数4〜20のアルキル基または芳香環
    を含む炭化水素基、nは2〜70の整数およびMはN
    a、KまたはNH4である。 【化2】 ここで、R’は炭素数4〜20のアルキル基、n’は2
    〜70の整数およびM’はNa、KまたはNH4であ
    る。
  2. 【請求項2】 共重合体ラテックスが環内に不飽和結合
    を1つ有する環状不飽和炭化水素の存在下で乳化重合し
    て得られたものである請求項1に記載の紙塗工用組成
    物。
  3. 【請求項3】 多層塗工紙がダブル塗工紙である請求項
    1および2に記載の紙塗工用組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001172546A (ja) * 1999-12-22 2001-06-26 Asahi Kasei Corp 紙塗被用共重合体ラテックス
JP2006316393A (ja) * 2005-05-16 2006-11-24 Jsr Corp 塗工紙の製造方法及び塗工紙
JP2008248446A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Nippon A & L Kk 紙塗工用共重合体ラテックス

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