JP2001172546A - 紙塗被用共重合体ラテックス - Google Patents

紙塗被用共重合体ラテックス

Info

Publication number
JP2001172546A
JP2001172546A JP36409399A JP36409399A JP2001172546A JP 2001172546 A JP2001172546 A JP 2001172546A JP 36409399 A JP36409399 A JP 36409399A JP 36409399 A JP36409399 A JP 36409399A JP 2001172546 A JP2001172546 A JP 2001172546A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
copolymer latex
latex
monomer
paper coating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP36409399A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4798818B2 (ja
Inventor
Tsutomu Tanaka
田中  勉
Yoichi Hirose
洋一 廣瀬
Makoto Nishimoto
信 西本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Priority to JP36409399A priority Critical patent/JP4798818B2/ja
Publication of JP2001172546A publication Critical patent/JP2001172546A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4798818B2 publication Critical patent/JP4798818B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)
  • Paper (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高いウェットピック強度を発現しつつ、且つ
良好なウェット着肉性を同時に満足する事の出来る紙塗
被用のバインダーを提供する。 【解決手段】 フィルムに成型されたときに、外フィル
ムが水に対し40゜以上の接触角度を示し、アマニ油に
対し20゜以下の接触角度を示すラテックスを調製す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙塗被用共重合体
ラテックス組成物、および当該紙塗被用共重合体ラテッ
クス組成物を用いる紙塗工用組成物に関する。さらに詳
しく言えば、オフセット印刷に供される印刷用塗工紙あ
るいは塗工板紙その他に使用する紙塗工用のバインダー
として用いることにより、塗工紙表面のウェットピック
強度が高く、多色印刷に於ける2色目以降のウェット着
肉性が良好でかつ、着肉むらが発生しにくい塗工紙をあ
たえる紙塗被用共重合体ラテックスに関する。
【0002】
【従来の技術】塗工紙は、紙の印刷適性の向上および光
沢などの光学的特性の向上を目的として、原紙表面に、
カオリンクレー、炭酸カルシウム、サチンホワイト、タ
ルク、酸化チタンなどの顔料、それらのバインダーとし
ての共重合体ラテックスおよび保水剤あるいは補助バイ
ンダーとしてのスターチ、カゼイン、ポリビニルアルコ
ール、カルボキシメチルセルロースなどの水溶性高分子
を主構成成分とする紙塗工用組成物が塗工されたもので
ある。
【0003】共重合体ラテックスとしては、スチレンと
ブタジエンを主要単量体成分とし、これらを乳化重合し
て得られたスチレン−ブタジエン系共重合体ラテック
ス、いわゆるSB系ラテックスが汎用的に用いられてい
る。塗工紙を多色印刷する際、非画像部には、湿し水が
用いられ、2色目以降は、塗工紙表面に湿し水が付着し
た状態で紙にインクが転移する。その際、湿潤時の塗工
紙表面の強度(ウェットピック強度)が弱いと、塗工紙
表面にピッキングが生じるというトラブルが発生する。
また、塗工紙に湿し水が付着した状態でインクの塗工紙
への転移性(ウェット着肉性)が劣ると、塗工紙表面に
一部充分にインクが転移されない箇所が生じる、いわゆ
る着肉むらを起こす等、鮮明な印刷物が得られないとい
う問題が発生する。
【0004】従来より、ウェット着肉性を改良する手段
として、共重合体ラテックスの組成の中に、メチルメタ
クリレートを用いる方法、共重合体ラテックスの粒子径
を大きくする方法等が用いられている。しかしながら、
これらの方法で、ウェット着肉を改良すると、塗工紙の
ウェットピック強度が低下するという問題点が発生す
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、印刷
用塗工紙に用いることにより、高いウェットピック強度
を発現しつつ、且つ良好なウェット着肉性を同時に満足
する事の出来る紙塗被用のバインダーを提供することで
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の共
重合体ラテックスを開発すべく鋭意研究を重ねた結果、
共重合体ラテックスのフィルムの表面の性質をコントロ
ールする事により本発明の目的を達成する事を見いだ
し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、
(a)脂肪族ジオレフィン系単量体、(b)エチレン系
不飽和カルボン酸単量体、および(c)これらと共重合
可能な他の単量体の乳化重合生成物からなる共重合体ラ
テックスであって、当該ラテックスから、成型されたフ
ィルムの水に対する25℃、50%RHにおける接触角
が40゜以上、アマニ油に対する接触角が20゜以下で
ある紙塗被用共重合体ラテックスであり、好ましくは、
全単量体の重量に対し、(a)単量体15〜60重量
%、(b)単量体0.5〜8重量%、および(c)単量
体32〜84.5重量%の乳化重合生成物からなからな
り、さらに好ましくは、全単量体の重量に対し、0.4
重量%以下の乳化剤を使用して作成され、さらにより好
ましくは、用いられる乳化剤が、分子中に1つ以上のラ
ジカル重合性の二重結合を有する反応性乳化剤であり、
さらによりいっそう好ましくは、エチレン系不飽和カル
ボン酸単量体のカルボン酸粒子分配率が60モル%以上
である紙塗被用共重合体ラテックス、及び顔料100重
量部に対し、該共重合体ラテックスを5〜25重量部用
いた紙塗工用組成物である。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
紙塗被用共重合体ラテックスに含まれる(a)脂肪族ジ
オレフィン系単量体としては、例えばブタジエン、イソ
プレン、2−クロロ−1,3−ブタジエンなどが挙げら
れる。これらの共役ジエン系単量体は、1種あるいは2
種以上を組み合わせてもよい。その好ましい使用量は、
全単量体の使用量に基づき、15〜60重量%である。
(a)の量がこれより少ないと得られる重合体が脆すぎ
るし、これより多いと、重合体が柔らかすぎ、いずれの
場合も高い凝集力が得られず本発明の目的が十分に達せ
られない。
【0008】本発明の紙塗被用共重合体ラテックスに含
まれる、(b)エチレン性不飽和カルボン酸単量体とし
ては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、
マレイン酸、フマール酸、クロトン酸などが挙げられ
る。これらのカルボン酸は1種あるいは2種以上組み合
わせてもよい。その好ましい使用量は 、全単量体の重
量に基づき0.5〜8重量%、より好ましくは1〜7重
量%の範囲である。この量が0.5重量%以上で、良好
な印刷光沢と、充分なラテックスの分散安定性が得ら
れ、塗工液調整や塗工作業が容易である。また、8重量
%以下で、ラテックスや塗工液が、適度な粘性と、良好
な耐水性が得られる。
【0009】本発明の紙塗被用共重合体ラテックス に
含まれる(c)共重合可能な他の単量体としては、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、
メタクリル酸メチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル、メタクリル酸グリシジルなどのアクリル酸あるいは
メタクリル酸のアルキルエステル類、酢酸ビニルなどの
カルボン酸ビニルエステル類、アクリロニトリル、α−
クロルアクリルニトリルなどのシアン化ビニル類、アク
リルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリ
ルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタ
クリルアミドなどのN−モノアルキル(メタ)アクリル
アミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジ
メチルメタアクリルアミドなどのN、N−ジアルキル
(メタ)アクリルアミド、グリシジルメタアクリルアミ
ドなどのアミド基含有不飽和単量体類、塩化ビニルなど
のハロゲン化ビニル類、アミノエチルアクリレート、ジ
メチルアミノエチルアクリレートなどのアミノ基含有エ
チレン性単量体類、スチレンスルホン酸ナトリウムなど
を挙げることができる。これらの共重合可能な他の単量
体は、一種あるいは2種以上を併用して用いることがで
きる。その好ましい使用量は共重合体ラテックスの全単
量体の量に基づき、32〜84.4重量%の範囲であ
る。
【0010】本発明の紙塗被用共重合体ラテックスから
成型されたフィルムの25℃、50%RHにおける水に
対する接触角は40゜以上、アマニ油に対する接触角は
20゜以下である。上記の2つの条件を満足した場合
に,本発明の共重合体ラテックスを用いて作成された塗
工紙のウェットピック強度と,ウェット着肉性を同時に
高いレベルにすることが出来る。特に、水に対する接触
角が40゜以上で,充分な塗工紙のウェットピック強度
が得られ、また,アマニ油に対する接触角が20゜以下
で,ウェット着肉性が大幅に向上すると同時に,ウェッ
トピック強度も上昇傾向となる。
【0011】本発明に用いられる乳化剤としては、ノニ
オン性界面活性剤、あるいは分子中に1つ以上のラジカ
ル重合性の二重結合を有するいわゆる反応性乳化剤等が
あり、これらの例として、脂肪族セッケン、ロジン酸セ
ッケン、アルキルスルホン酸塩、ジアルキルアリールス
ルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエ
チレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルア
リール硫酸塩などのアニオン性界面活性剤、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキ
ルアリールエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピ
レンブロックコポリマーなどが挙げられる。これらは、
単独もしくは併用して用いることが出来るが、これらの
乳化剤の中では、分子中に1つ以上のラジカル重合性の
二重結合を有するいわゆる反応性乳化剤を用いることが
好ましい。その使用量は全単量体の重量に対し、0.4
重量%以下が好ましく、0.2重量%以下の範囲がさら
に好ましく、0.1重量%以下の範囲が最も好ましい。
乳化剤の量がこの範囲にあるとき、ウェット着肉性、ウ
ェット強度をともに向上させることが、さらに容易とな
る。
【0012】本発明の共重合ラテックスのカルボン酸粒
子分配率は60モル%以上であることが好ましい。ここ
でいう、カルボン酸粒子分配率とは、重合時に仕込んだ
(b)単量体量のうち、ラテックス重合体粒子の表層部
分に存在する(b)単量体量の割合を意味する。このよ
うな表層部分の(b)単量体は、ラテックス重合体粒子
内部に取り込まれた(b)単量体に比べて、化学的によ
り活性であるため、後述するような滴定法等の手法によ
り、定量することができる。カルボン酸粒子分配率は、
後述するように、該定量値から計算により求められ、そ
の値が60モル%以上で、塗工紙のウェット強度、ウェ
ット着肉性を共に向上させるのが容易である。
【0013】本発明に用いられる共重合体ラテックスの
粒径は、50〜300nmであることが好ましく、60
〜200nmであることがより好ましい。本発明で使用
される共重合体ラテックスのトルエン不溶分は5〜90
%の範囲にあることが好ましい。5%以上で、より良好
な印刷光沢が得られ、90%より小さいときに、共重合
体ラテックスが硬くなり過ぎるのを抑えて、バインダー
としての強度を発現し易い。
【0014】本発明で使用される単量体を乳化重合する
に際しては、特に制限はなく、従来公知の方法で実施す
ることが出来る。具体的には、水性媒体中に、前記の単
量体、連鎖移動剤、界面活性剤、ラジカル重合開始剤、
必要に応じて用いられる他の添加剤成分を分散させ、単
量体を重合させることにより得られる重合生成物をその
まま、共重合体粒子の水性分散液、すなわち共重合体ラ
テックスとして用いることができる。
【0015】本発明に用いられる連鎖移動剤としては、
一般の乳化重合に使用されている公知の連鎖移動剤を使
用することができる。例えば、n−ブチルメルカプタ
ン、n−オクチルメルカプタン、n−ラウリルメルカプ
タン,n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカ
プタンなどのメルカプタン類、テトラメチルチウラムジ
スルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィドなどの
ジスルフィド類、四塩化炭素、四臭化炭素などのハロゲ
ン化誘導体、2−エチルヘキシルチオグリコレート、α
メチルスチレンダイマーなどを挙げられ、これらの1種
または2種以上が使用される。
【0016】前記ラジカル重合開始剤は、熱または還元
性物質の存在下ラジカル分解して単量体の付加重合を開
始させるものであり、無機系開始剤および有機系開始剤
のいずれも使用できる。このようなものとしては、例え
ば水溶性又は油溶性のペルオキソ二硫酸塩、過酸化物、
アゾビス化合物等、具体的にはペルオキソ二硫酸カリウ
ム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸ア
ンモニウム、過酸化水素、t−ブチルヒドロペルオキシ
ド、過酸化ベンゾイル、2,2−アゾビスブチロニトリ
ル、クメンハイドロパーオキサイドなどがある。また、
酸性亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸やその塩、エリ
ソルビン酸やその塩、ロンガリットなどの還元剤を重合
開始剤に組み合わせて用いる、いわゆるレドックス重合
法を採用することもできる。これらの中で特にペルオキ
ソ二硫酸塩が重合開始剤として好適である。この重合開
始剤の使用量は、全単量体の重量に基づき、通常0.1
〜5.0重量%の範囲から、好ましくは0.2〜3.0
重量%の範囲から選ばれる。
【0017】この乳化重合における重合温度は、通常6
0〜100℃の範囲で選ばれるが、前記レドックス重合
法等により、より低い温度で重合を行っても良い。本発
明においては、必要に応じ各種重合調整剤を添加するこ
とができる。例えば、pH調整剤として、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸水素
ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム
などのpH調整剤を添加することがでる。また、エチレ
ンジアミン四酢酸ナトリウムなどの各種キレート剤など
も重合調整剤として添加することもできる。また、必要
に応じ本発明の共重合体ラテックスにアルカリ感応ラテ
ックスを添加してもさしつかえない。
【0018】本発明のジエン系共重合体ラテックスを紙
塗工用塗料のバインダーとして用いる場合には、通常行
われている実施態様で行うことができる。すなわち、分
散剤を溶解させた水中に、カオリンクレー、炭酸カルシ
ウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、サチンホワ
イト、タルク等の無機顔料、プラスチックピグメントや
バインダーピグメントとして知られる有機顔料、澱粉、
カゼイン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセ
ルロース等の水溶性高分子、増粘剤、染料、消泡剤、防
腐剤、耐水化剤、滑剤、印刷適性向上剤、保水剤等の各
種添加剤とともにジエン系共重合体ラテックスを添加し
て混合し、均一な分散液とする態様である。そして、こ
の紙塗工液は、各種ブレードコーター、ロールコータ
ー、エアーナイフコーター、バーコーターなどを用いる
通常の方法によって原紙に塗工することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、実施例により本発明をさ
らに詳細に説明する。なお、各特性は次のようにして求
めた。 (1)紙塗工性能評価 (イ)ウェット着肉性 RI印刷試験機(明製作所、RI−1)を用いて、中央
部に塗工紙(1.5cm×20cm)をならべて貼った
台紙(30cm×25.5cm)をセットし、塗工紙表
面に湿し水を塗布した直後に印刷インク(東華色素社
製)0.4ccを25cm×21cmの印刷面積で塗布
し、インクの転移状態を観察した。評価は10点評価法
で行い、インク転移量の多いものほどウェット着肉性が
良好として高得点とした。 (ロ)ウェットピック強度
【0020】上記RI印刷試験機を用いて、中央部に塗
工紙(1.5cm×20cm)ならべて貼った台紙(3
0cm×25.5cm)にモルトンロールで塗工紙表面
に給水を行い、その直後に上記印刷インク0.4ccを
25cm×21cmの印刷面積で1回刷りを行い、ゴム
ロールに現れたピッキング状態を別の台紙に裏取りし、
その状態を観察した。評価は10点評価法で行い、ピッ
キング現象の少ないものほど高得点とした。 (ハ)ドライピック強度 上記RI印刷試験機を用いて、中央部に塗工紙(1.5
cm×20cm)をならべて貼った台紙(30cm×2
5.5cm)に、上記印刷インク0.4ccを25cm
×21cmの印刷面積で台紙ごと印刷し塗工紙に重ね刷
りした。ゴムロールに現れたピッキング状態を別の台紙
に裏取りし、その状態を観察した。評価は10点評価法
で行い、ピッキング現象の少ないものほど高得点とし
た。
【0021】(2)共重合体ラテックスの物性評価 (ニ)共重合体ラテックスフィルムの水に対する接触角 基材(ガラス)上に共重合体ラテックスをフィルムキャ
スターでキャストし、25℃、50%RHで48時間乾
燥した後、更に130℃で5分間乾燥し、水分を完全に
除去した共重合体ラテックスフィルムを作成する。接触
角計(CA−X150型、共和界面科学(株)製)を用
いて、作成したフィルムの表面に水を滴下し、水との接
触角を測定する。測定は3回実施しその平均値を求め
た。サンプルを25℃、50%の環境下に24時間以上
静置した後、25℃、50%RHの条件下で測定を実施
した。尚、フィルムの作成においては、上記に示したキ
ャスト方法のほかにも、ラテックスを凝集させて、共重
合体ラテックスを採りだしたのち、乾燥し、プレスによ
りフィルムを作ることもできるが、この場合、ラテック
スの水相成分が取り除かれ、本来のラテックスフィルム
の表面張力と異なった値となるため、本実施例では採用
しなかった。
【0022】(ホ)共重合体ラテックスフィルムのアマ
ニ油に対する接触角 水に対する接触角と同様の方法で、水の替わりにアマニ
油を用いて、接触角を測定した。 (ヘ)共重合体ラテックスのカルボン酸の粒子結合割合 まず、本発明のラテックスから共重合体ラテックス水相
成分を完全に除去するため、以下の操作を実施した。
【0023】共重合体ラテックスに蒸留水を加え、固形
分を20重量%に希釈し、遠心分離器を用いて、ラテッ
クスを沈降させる。沈降したラテックス固形分を採りだ
し、蒸留水中に再分散させたのち、さらに遠心分離機を
用いて、ラテックスを沈降させる。この後、さらに、こ
の再分散、遠心分離操作を3回繰り返し、沈降したラテ
ックス固形分を分離した。水相成分を除去した上記ラテ
ックスをイオン交換樹脂に通したのち、中和滴定によ
り、粒子に結合したカルボキシル基の含有量を測定し、
粒子への結合割合を算出した。(平沼自動的定装置:C
OMTITE900使用) (ト)共重合体ラテックスの粒子径 希釈した共重合体ラテックスを、未処理のまま四塩化オ
スミウムで硬化させ、透過式電子顕微鏡を用いて写真撮
影をした後、画像処理装置を用いて粒子を計測し、数平
均粒子径を算出した。
【0024】(チ)共重合体ラテックスのトルエン不溶
分 テフロンシート上に、ワイヤーバーでラテックスを塗布
し23℃、65%RHの恒温室恒湿中で24時間乾燥し
た。天秤で0.5gの上記ラテックスフィルムを正確に
秤量し、300ccのトルエンに浸し、振とう機で室温
にて6時間振とうした後、200メッシュの金網で濾過
し、金網に残った残留物を乾燥し、秤量する。不溶分
は、次式によって求めた。 トルエン不溶分(重量%)=(乾燥残留物の重量/秤量
したラテックスフィルムの重量)×100
【0025】
【実施例1】撹拌装置と温度調節用ジャケットを取り付
けた耐圧反応容器に、水80重量部、反応性乳化剤(ア
デカ製、商品名:アデカリアソープSE−1025N)
0.05重量部、イタコン酸2重量部、およびスチレン
−アクリル酸変性シードラテックス(数平均粒径0.0
2ミクロン)0.3重量部を仕込んだ。次に、ブタジエ
ン30重量部、スチレン50重量部、アクリロニトリル
18重量部およびt―ドデシルメルカプタン1.2重量
部の単量体混合物をおよび、水15重量部、過硫酸ナト
リウム1.0重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム(DBS)0.05重量部および水酸化ナトリウ
ム0.3重量部の水溶性混合物を別々に作成した。耐圧
反応容器を75℃の重合温度に保った状態で、前記単量
体混合物の10%を反応容器に仕込んだ後、過硫酸ナト
リウム0.1部とイオン交換水5部から成る溶液を一括
添加すると同時に、単量体混合物の残りと水溶性混合物
とを、それぞれ別個に6時間かけて追添した。その後、
1時間で95℃に昇温して重合を終了した。この共重合
体ラテックスの重合率は97%であった。
【0026】次いで生成した共重合体ラテックスに水酸
化ナトリウムを添加して、pHを8とした。次に、スチ
ームストリッピング法により未反応単量体を除去し、2
00メッシュの金網で濾過した。この共重合体ラテック
スは最終的には固形分濃度50重量%になるように調整
し共重合体ラテックス(A−1)を得た。得られた多共
重合体ラテックス(A−1)の粒径は140nm、トル
エン不溶分の量は58%、フィルムの水に対する接触角
は53゜、アマニ油に対する接触角は12゜であった。
【0027】
【実施例2〜9】単量体、連鎖移動剤、重合開始材、乳
化剤および重合温度を第一表のようにする以外は、共重
合体ラテックス(A−1)の製造と同じ方法で共重合体
ラテックス(A−2)〜(A−9) を得た。それぞれ
の共重合体ラテックスの物性を、表1に記載する。
【0028】
【比較例1〜6】単量体、連鎖移動剤、重合開始材、乳
化剤および重合温度を第一表のようにする以外は、共重
合体ラテックス(A−1)の製造と同じ方法で共重合体
ラテックス(A−10)〜(A−15) を得た。それ
ぞれの共重合体ラテックスの物性を、表2に記載する。
【0029】表1及び2に示した共重合体ラテックスを
用いて下記の配合で紙塗工用組成物を調整した。 (配合処方) カオリンクレー 50 重量部 炭酸カルシウム 50 重量部 ポリアクリル酸ソーダ 0.2 重量部 水酸化ナトリウム 0.1 重量部 リン酸エステル化デンプン 2.5 重量部 共重合体ラテックス 12 重量部 水(全固形分が64%になるように添加) 得られた紙塗工用組成物を坪量75g/m2 の塗工原紙
に塗工量が片面14g/m2 になるように両面ブレード
塗工して、印刷用塗工紙を得た。この塗工紙を用いて行
った評価結果を表3に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】実施例に示す通り、フィルムの水への接触
角が40゜以上で、アマニ油との接触角が20゜以下の
物は、ウェット強度、ウェット着肉性とも極めて良好な
塗工紙を与える。一方、比較例では、水との接触角が小
さく、アマニ油との接触角が大きくなっている。このた
めウェット着肉性、ウェット強度ともに高い値を有して
いるものはない。
【0034】
【発明の効果】本発明ラテックスは、高いウェットピッ
ク強度を発現しつつ、且つ良好なウェット着肉性を同時
に満足する事の出来る紙塗被用のバインダーを提供す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 CA021 CC091 CD021 CF021 CG141 CG161 CG171 CH031 CH121 CH171 CH201 DB221 DF012 GA06 JA44 JA49 JC13 JC14 MA08 MA10 MA12 MA14 MA16 NA01 NA12 NA24 PA18 PC10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)脂肪族ジオレフィン系単量体、
    (b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体、および
    (c)これらと共重合可能な他の単量体の乳化重合生成
    物からなる共重合体ラテックスであって、当該ラテック
    スから作成されたフィルムの水に対する25℃、50%
    RHにおける接触角が40゜以上、アマニ油に対する接
    触角が20゜以下である紙塗被用共重合体ラテックス。
  2. 【請求項2】 全単量体の重量に対し、(a)単量体1
    5〜60重量%、(b)単量体0.5〜8重量%、およ
    び(c)単量体32〜84.5重量%の乳化重合生成物
    からなる請求項1記載の紙塗被用共重合体ラテックス。
  3. 【請求項3】 全単量体の重量に対し、0.4重量%以
    下の乳化剤を使用して作成された請求項1〜2記載の紙
    塗被用共重合体ラテックス。
  4. 【請求項4】 用いられる乳化剤が、分子中に1つ以上
    のラジカル重合性の二重結合を有する反応性乳化剤であ
    る事を特徴とする、請求項1〜3記載の紙塗被用共重合
    体ラテックス。
  5. 【請求項5】 (b)単量体のラテックス粒子への分配
    率(以下、カルボン酸粒子分配率)が60モル%以上で
    ある請求項1〜4記載の紙塗被用共重合体ラテックス。
  6. 【請求項6】 顔料100重量部に対し、請求項1〜5
    記載の共重合体ラテックスを5〜25重量部用いた紙塗
    工用組成物。
JP36409399A 1999-12-22 1999-12-22 紙塗被用共重合体ラテックス Expired - Fee Related JP4798818B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36409399A JP4798818B2 (ja) 1999-12-22 1999-12-22 紙塗被用共重合体ラテックス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36409399A JP4798818B2 (ja) 1999-12-22 1999-12-22 紙塗被用共重合体ラテックス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001172546A true JP2001172546A (ja) 2001-06-26
JP4798818B2 JP4798818B2 (ja) 2011-10-19

Family

ID=18480960

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP36409399A Expired - Fee Related JP4798818B2 (ja) 1999-12-22 1999-12-22 紙塗被用共重合体ラテックス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4798818B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013204195A (ja) * 2012-03-28 2013-10-07 Daio Paper Corp 塗工紙

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05171598A (ja) * 1991-12-26 1993-07-09 Mitsui Toatsu Chem Inc 紙塗工用組成物および塗工紙
JPH1096190A (ja) * 1996-09-24 1998-04-14 Oji Paper Co Ltd キャスト塗被紙
JPH11209413A (ja) * 1998-01-28 1999-08-03 Asahi Chem Ind Co Ltd 紙塗工用共重合体ラテックス
JPH11350390A (ja) * 1998-03-26 1999-12-21 Sumika Abs Latex Kk 紙塗工用組成物

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05171598A (ja) * 1991-12-26 1993-07-09 Mitsui Toatsu Chem Inc 紙塗工用組成物および塗工紙
JPH1096190A (ja) * 1996-09-24 1998-04-14 Oji Paper Co Ltd キャスト塗被紙
JPH11209413A (ja) * 1998-01-28 1999-08-03 Asahi Chem Ind Co Ltd 紙塗工用共重合体ラテックス
JPH11350390A (ja) * 1998-03-26 1999-12-21 Sumika Abs Latex Kk 紙塗工用組成物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013204195A (ja) * 2012-03-28 2013-10-07 Daio Paper Corp 塗工紙

Also Published As

Publication number Publication date
JP4798818B2 (ja) 2011-10-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4606536B2 (ja) ジエン系共重合体ラテックス
JP4667547B2 (ja) 紙塗被用共重合体ラテックス組成物
JP3242855B2 (ja) ジエン系共重合体ラテックス
JP4798818B2 (ja) 紙塗被用共重合体ラテックス
JP2744649B2 (ja) 共重合体ラテックス、それを用いた塗工紙及びカーペット
JP2001049038A (ja) 共重合体ラテックスおよび紙塗工用組成物
JP3144874B2 (ja) 共重合体ラテックス
JP3975098B2 (ja) 共重合体ラテックス、その製造方法および紙塗工用組成物
JP3029298B2 (ja) 紙塗工用共重合体ラテックスの製造方法
JP3144839B2 (ja) 紙塗工用共重合体ラテックスの製造方法
JP2933984B2 (ja) ジエン系共重合体ラテックスの製造方法
JP3693423B2 (ja) 共重合体ラテックス
JP2846409B2 (ja) 新規共重合体ラテックスの製造法
JP2006225527A (ja) 共重合体ラテックスおよび紙塗工用組成物
JP4033531B2 (ja) 紙塗工用ラテックス組成物及びその製造方法
JP2846411B2 (ja) 新規共重合体ラテックスの製造方法
JP2849452B2 (ja) 新規共重合体ラテックスの製造方法
JP2849451B2 (ja) 新規共重合体ラテックスの製造方法
JP3892740B2 (ja) 共重合体ラテックスおよび紙塗工用組成物
JP2846410B2 (ja) 新規共重合体ラテックスの製法
JP2002194010A (ja) 共重合体ラテックスの製造方法および該製造方法で得られた共重合体ラテックス
JP3543436B2 (ja) 紙塗工用共重合体ラテックスの製造方法
JPH05230117A (ja) 共重合体ラテックスの製造方法
JP4776341B2 (ja) 共重合体ラテックスの製造方法、共重合体ラテックスおよび紙塗工用組成物
JP2919571B2 (ja) 新規共重合体ラテックス

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061215

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100521

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101019

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101203

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20101203

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110510

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110711

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110729

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110802

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140812

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4798818

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees