JP5503186B2 - 紙塗工用共重合体ラテックスおよび紙塗工用共重合体ラテックスの製造方法 - Google Patents
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Description
脂肪族共役ジエン系単量体30〜70重量部、エチレン系不飽和カルボン酸単量体1〜10重量部およびその他の共重合可能な単量体20〜69重量部からなる単量体(合計100重量部)を、α−メチルスチレンダイマー0.1〜4.5部の存在下で乳化重合してなる共重合体ラテックスであり、かつ共重合体ラテックス中に残留する2,4ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンが、該共重合体ラテックスの固形分に対して780ppm以下であり、残留する2,4ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンと2,4ジフェニル−4−メチル−2−ペンテンの重量比(2,4ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン/2,4ジフェニル−4−メチル−2−ペンテン)が0.6〜6.5であることを特徴とする紙塗工用共重合体ラテックス。
本発明における脂肪族共役ジエン系単量体としては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン、置換直鎖共役ペンタジエン類、置換および側鎖共役ヘキサジエン類などが挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。特に1,3−ブタジエンの使用が好ましい。
一方、2,4ジフェニル−4−メチル−2−ペンテンの残留量は重合時に使用するα−メチルスチレンダイマーの種類や使用量、添加方法によって調整が可能である。
他の連鎖移動剤としては、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、t−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ステアリルメルカプタン等のアルキルメルカプタン、ジメチルキサントゲンジサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンジサルファイド等のキサントゲン化合物、ターピノレンや、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のチウラム系化合物、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール等のフェノール系化合物、アリルアルコール等のアリル化合物、ジクロルメタン、ジブロモメタン、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素化合物、α−ベンジルオキシスチレン、α−ベンジルオキシアクリロニトリル、α−ベンジルオキシアクリルアミド等のビニルエーテル、トリフェニルエタン、ペンタフェニルエタン、アクロレイン、メタアクロレイン、チオグリコール酸、チオリンゴ酸、2−エチルヘキシルチオグリコレート等が挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。
これら他の連鎖移動剤は、通常、単量体100重量部に対して0〜10重量部にて使用される。
共重合体ラテックス中に残留する2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンと2,4−ジフェニル−4−メチル−2−ペンテンは島津製作所社製ガスクロマトグラフGC−14Aを用いて以下の方法で行った。
(1)サンプルの作成
共重合体ラテックス1g(wet)を精秤し、N,N−ジメチルホルムアミド20mlに溶解し24時間放置後、これを測定試料とした。
(2)ガスクロマトグラフ測定条件
サンプル量:2μl
検出器:FID
Inj/Det温度:190℃
カラム温度:180℃
カラム:ガラスカラム1.6m×2.6mmφ
担体:ChromosorbWAW DMCS(粒度80/100)
液相:SiliconeOV−17
キャリアーガス:窒素、25ml/min
(3)定量方法
既知濃度の2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンを用いて作成した検量線を用いて、得られたガスクロマトグラフより共重合体ラテックスの固形分に対する2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンを求めた。
同様に、2,4−ジフェニル−4−メチル−2−ペンテンを用いて作成した検量線を用いて、得られたガスクロマトグラフより共重合体ラテックスの固形分に対する2,4−ジフェニル−4−メチル−2−ペンテンを求めた。
同一試料について3回測定し平均値をppm単位で表した。
また、上記定量方法で得られた2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンの残留量を、上記定量方法で得られた2,4−ジフェニル−4−メチル−2−ペンテンの残留量で除して、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンと2,4−ジフェニル−4−メチル−2−ペンテンの重量比(2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン/2,4−ジフェニル−4−メチル−2−ペンテン)として計算した。
PETフィルム上にワイヤーバー#10を用いてラテックスフィルムを作成し、熱風循環式オーブン中で110℃×1分間乾燥してフィルムを得た。フィルムサンプルの上にNo.5のろ紙を置き、加圧式熱ロール装置にて圧着した後、ろ紙をはずして、フィルム上に付着したろ紙の状態を肉眼で判定し、以下に示す
◎(最も良い)から×(最も悪い)までを相対的に評価した。
(優)◎ > ○ > △ > ×(劣)
RI印刷機で各塗工紙試料を同時に印刷した際のピッキングの程度を肉眼で判定し、5級(優)から1級(劣)まで相対的に評価した。
RI印刷機を用いてモルトンロールにより各塗工紙試料に同時に湿し水を付与し、その直後に、インキロールにより各塗工紙試料を同時に印刷した際のピッキングの程度を肉眼で判定し、5級(優)から1級(劣)まで相対的に評価した。
室温雰囲気にてラテックスフィルムを作成する。その後ラテックスフィルムを
約1g秤量し、これを400ccのトルエンに入れ48時間膨張溶解させる。そ
の後、これを300メッシュの金網で濾過し、金網に捕捉されたトルエン不溶部
を乾燥後秤量し、この重量のはじめのラテックスフィルムの重量に占める割合を
ゲル含有量として重量%で算出した。
RI印刷機で各塗工紙試料をプロセスインキ(0.5g)で印刷した後、一昼夜放置し、印刷面の光沢感を目視により判定した。
(優)◎ > ○ > △ > ×(劣)
耐圧性の重合反応機に、重合水150部、表1に示す乳化剤、過硫酸カリウムおよび炭酸ナトリウム0.2部を仕込み、十分攪拌した後、表1に示す1段目の各単量体および他の化合物を加えて所定の重合温度および重合時間にて重合行い、その後、記載の条件にて熟成を行った。重合終了時の重合転化率は95%を越えていた。次いで、得られた共重合体ラテックスにつき苛性ソーダ水溶液でpHを7に調整して、共重合体ラテックスAを得た。
耐圧性の重合反応機に、重合水150部、炭酸ナトリウム0.2部、および、表1に示す乳化剤、過硫酸カリウムを仕込み、十分攪拌した後、表1記載の重合温度・重合時間にて1段目の各単量体および他の化合物を加えて重合を行い、その後、表1に示す2段目の重合温度まで昇温したのち2段目の各単量体を加えてさらに重合を継続したのちに熟成を行った。重合終了時の重合転化率は95%を越えていた。次いで、これらそれぞれの共重合体ラテックスにつき苛性ソーダ水溶液でpHを7に調整して、共重合体ラテックスB〜Gを得た。
耐圧性の重合反応機に、重合水150部、炭酸ナトリウム0.2部、および、表2に示す乳化剤、過硫酸カリウムもしくは過硫酸ナトリウムを仕込み、十分攪拌した後、表2に示す1段目の各単量体および他の化合物を加えて所定の重合温度・重合時間にて重合を行い、その後、2段目の重合温度まで昇温したのち2段目の各単量体を加えてさらに重合を継続したのち、熟成を行った。重合終了時の重合転化率は95%を越えていた。次いで、これらそれぞれの共重合体ラテックスにつき苛性ソーダ水溶液でpHを7に調整して、共重合体ラテックスH〜Oを得た。
紙塗工用組成物の作製と評価
下記に示した配合処方に従って、共重合体ラテックスA〜Gおよび共重合体ラテックスH〜Oを用いて、紙塗工用組成物を作製した。各紙塗工用組成物の評価結果を表1および表2に示した。
(紙塗工用組成物の配合処方)
カオリンクレー 40部
重質炭酸カルシウム 60部
酸化デンプン 3部
共重合体ラテックス 8部
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
固形分濃度 65%
塗工原紙(坪量55g/m2)に、上記の紙塗工用組成物を片面あたりの塗被量が12g/m2となるようにワイヤーバーを用いて塗工し乾燥した後、線圧60kg/cm、温度50℃の条件でスーパーカレンダー処理を行い塗工紙を得た。得られた塗工紙を各試験に供して評価し、その結果を表1、表2に示した。
[比較例2]は実施例4と比較して重合時の温度、熟成時温度が低く、残留する2,4ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン成分が780ppmよりも多いため、ベタツキ性が劣る。
[比較例3]は実施例3と比較して残留する2,4ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンと2,4ジフェニル−4−メチル−2−ペンテンとの成分比が0.6より小さくドライピック強度と印刷光沢が劣る。
同様に、[比較例4]は実施例4と比較して重合時間が長く、残留する2,4ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンと2,4ジフェニル−4−メチル−2−ペンテンとの重量比が0.6より小さいためドライピック強度と印刷光沢が劣る。
[比較例5]は実施例7と比較して重合時間が短く、残留する2,4ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンが780ppmよりも多いため、ベタツキ性が劣る。
[比較例6]は使用するαメチルスチレンダイマーが4.5重量部よりも多いため、ベタツキ性とウェットピック強度が劣る。
[比較例7]は脂肪族共役ジエン系単量体の使用量が72重量部であり、特許請求の範囲外であるためウェットピック強度が劣る。
[比較例8]は重合温度が低く、残留する2,4ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンと2,4ジフェニル−4−メチル−2−ペンテンとの重量比が6.5を越えるためベタツキ性と塗工紙のウェットピック強度が劣る。
Claims (2)
- 脂肪族共役ジエン系単量体30〜70重量部、エチレン系不飽和カルボン酸単量体1〜10重量部およびその他の共重合可能な単量体20〜69重量部からなる単量体(合計100重量部)を、α−メチルスチレンダイマー0.1〜4.5重量部の存在下で乳化重合してなる共重合体ラテックスであり、かつ共重合体ラテックス中に残留する2,4ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンが、該共重合体ラテックスの固形分に対して780ppm以下であり、残留する2,4ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンと2,4ジフェニル−4−メチル−2−ペンテンの重量比(2,4ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン/2,4ジフェニル−4−メチル−2−ペンテン)が0.6〜6.5であることを特徴とする紙塗工用共重合体ラテックス。
- 請求項1に記載の共重合体ラテックスを含有する紙被覆用組成物。
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JP2009107338A JP5503186B2 (ja) | 2009-04-27 | 2009-04-27 | 紙塗工用共重合体ラテックスおよび紙塗工用共重合体ラテックスの製造方法 |
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