JP2013067921A - 紙塗工用組成物および塗工紙 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)脂肪族共役ジエン単量体由来の構造単位を20〜80質量%、(B)不飽和カルボン酸単量体由来の構造単位を4〜10質量%、及び(C)その他共重合可能な単量体由来の構造単位を5〜76質量%(但し、(A)、(B)、(C)の合計100質量%)有する共重合体を含有し、透過型電子顕微鏡で測定した数平均粒子径が30〜80nm、固形分48質量%における粘度が50〜400mPa・sである、共重合体ラテックスならびに炭酸カルシウムを60質量%以上含有する顔料を含有することを特徴とする紙塗工用組成物。
【選択図】なし
Description
体ラテックス中の共重合体の分子量、架橋度、ガラス転移温度等を最適化する方法と、フ
ィラー等を含有する塗料組成物に用いる場合には、共重合体ラテックスを小粒径化することにより、フィラーと共重合体粒子の有効接着面積を増やすことで、接着強度を大きくする方法が検討されてきた。
例えば、塗工紙の製造に用いられる塗料バインダーとして、高剪断速度下における塗工液
の異常流動を抑制するために、小粒径の共重合体ラテックスを使用することが知られてお
り(特許文献1〜6)、これら小粒径の共重合体ラテックスは結果的に接着強度が向上す
ることが期待される。しかし、これらの小粒径の共重合体ラテックスでは、ラテックスの
粘度が著しく高くなり、多量の減粘剤を使用しない限り、実用的な濃度でのハンドリング
が著しく困難であった。一方、多量の減粘剤を使用すると、耐水性が悪化したりして、バ
インダーとしての実用性能を得ることが困難であった。そのため、文献には記載されてい
るものの、実際に実用化されているものは、十分な接着強度を有するほどには小粒径化さ
れていなかったり、十分に小粒径化されていたとしても、ハンドリング性や他の物性の悪
化により、実用化に至っていないか、又は、他の性能との両立が不十分なものであった。
形態に限定されるものではない。即ち、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常
の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良などが加えられたものも本発
明の範囲に属することが理解されるべきである。
[1]共重合体ラテックス
本実施形態の共重合体ラテックスは、20〜80質量%の(A)脂肪族共役ジエン単量
体由来の構造単位、4〜10質量%の(B)不飽和カルボン酸単量体由来の構造単位及び
、5〜76質量%の(C)その他共重合可能な単量体由来の構造単位(但し、(A)、(
B)、(C)の合計100質量%)を有する共重合体を含有し、透過型電子顕微鏡で測定
した数平均粒子径が30〜80nm、固形分48質量%における粘度が50〜400mPa
・sである共重合体ラテックスである。
[1−1]共重合体の構造
(A)脂肪族共役ジエン単量体に由来する構造単位
(A)脂肪族共役ジエン単量体に由来する構造単位とは、脂肪族共役ジエン単量体(a)
を(b)不飽和カルボン酸単量体や(c)その他共重合可能な単量体と共重合させた場合
の、脂肪族共役ジエン単量体(a)に由来する構造単位である。
脂肪族共役ジエン単量体(a)としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2
,3−ジメチル1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1
,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、クロロプレン、2−クロル−1,3−ブタジ
エン、シクロペンタジエンなどが挙げられる。これらのうち、1,3−ブタジエンが好ま
しい。これらの共役ジエン単量体は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用すること
ができる。共重合体中の(A)脂肪族共役ジエン単量体(a)に由来する構造単位の含有
割合は、全構造単位に対して、20〜80質量%であり、30〜80質量%であることが
好ましい。脂肪族共役ジエン単量体に由来する構造単位が上記含有割合であると、共重合
体が硬くなり過ぎず、また、粘着性も高くなり過ぎないため、十分な接着強度を得ること
ができ、かつ、耐ロール汚れ性が悪化することもない。
(B)不飽和カルボン酸単量体に由来する構造単位
(B)不飽和カルボン酸単量体に由来する構造単位とは、不飽和カルボン酸単量体(b
)を前記脂肪族共役ジエン単量体(a)やその他共重合可能な単量体(c)と共重合させ
た場合の、不飽和カルボン酸単量体に由来する構造単位である。不飽和カルボン酸単量体
(b)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸
類;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのジカルボン酸類;マレイン酸メチル、イタ
コン酸メチル、β−メタアクリルオキシエチルアシッドヘキサハイドロフタレートなどの
ハーフエステル類;これらのカリウム塩、ナトリウム塩、アンモニウム塩などを挙げるこ
とができる。なお、本明細書において、不飽和カルボン酸単量体(b)というときは、乳
化重合中に不飽和カルボン酸単量体に変化するものを含めたものをいう。
乳化重合中に不飽和カルボン酸単量体に変化するものとしては、例えば、モノカルボン酸
類の無水物、ジカルボン酸類の無水物、これらのカリウム塩、ナトリウム塩、アンモニウ
ム塩などを挙げることができる。具体的には、アクリル酸無水物、マレイン酸無水物など
は、水性媒体中で乳化重合する際にカルボン酸に変化するため、不飽和カルボン酸単量体
として使用することができる。これらの不飽和カルボン酸単量体は、単独でまたは2種以
上を組み合わせて使用することができる。これらのうち、アクリル酸、イタコン酸、メタ
クリル酸、フマル酸が好ましい。
単位に対して、4〜10質量%であり、4.5〜9質量%であることが好ましく、5〜
8.5質量%であることが更に好ましい。不飽和カルボン酸単量体に由来する構造単位が上記含有割合であると、乳化重合時の共重合体ラテックスの安定性が良く、また、塗工液の機械的安定性が良好であるとともに、得られる共重合体ラテックスの粘度が高くならないため、塗工液の粘度が高くならず、塗工の際の操作性を良好に保つことができる。
(C)その他共重合可能な単量体由来の構造単位
共重合体中の(C)他の単量体に由来する構造単位とは、前記脂肪族共役ジエン単量体(
a)及び前記不飽和カルボン酸単量体(b)と共重合可能でかつ、前記(A)及び(B)
以外の単量体に由来する構造単位である。
その他共重合可能な単量体(c)としては、共重合体に主として目的に応じた適度な硬さ
や塗料としての性能を付与するために用いられる成分である。
その他共重合可能な単量体(c)としては、例えば、分子中に重合性不飽和結合を1個以
上有する化合物を挙げることができる。具体的には、芳香族ビニル化合物、α、β−不飽和ニトリル化合物、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、不飽和二塩基酸アルキルエステル、無水マレイン酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニルエステル、ビニルエーテル、ハロゲン化ビニル、アミノ基を有する塩基性単量体、ビニルピリジン、オレフィン、ケイ素含有α,β−エチレン性不飽和単量体等が挙げられる。
チレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、エチルスチレン、ビニルトルエン、
ビニルキシレン、ブロモスチレン、ビニルベンジルクロリド、p−t−ブチルスチレン、
クロロスチレン、アルキルスチレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン等が挙げら
れる。これらの中でも、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
α、β−不飽和ニトリル化合物としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルメタクリロニトリル等が挙げられる。これらの中でも、アクリロニトリルが好ましい。
アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルとしては、例えば、メチル(メタ)アク
リレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(
メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレー
ト、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミルヘキシル(メタ)アクリレート、オク
チル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート
、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル
(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート
、2−エチル−ヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート
、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリ
レート、グリシジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート
、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオ
ペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アク
リレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(
メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート
、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ
)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)
アクリレート、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、メトキシポリ
エチリングリコール(メタ)アクリレート、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイ
ドロジェンフタレート、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネ
ート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)
アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコ
ール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジ(メタ)アクリロキシプロパン
、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−
ビス[4−((メタ)アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[
4−((メタ)アクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン、イソボルニル(メタ
)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも、メチル(メタ)アクリレートが好まし
い。
タコン酸アルキルエステル、フマル酸アルキルエステル、マレイン酸アルキルエステル等
が挙げられる。
−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−アルコキシ(メタ)アクリルアミド等が挙げ
られる。
なお、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
(C)他の単量体に由来する構造単位の含有割合は、全構造単位に対して、5〜76質量
%であることが好ましく、20〜70質量%であることが更に好ましい。他の単量体に由
来する構造単位が上記含有割合であると、共重合体(A)が硬くなり過ぎず、接着強度が
低下するおそれがない。
更に向上させるという利点がある。また、例えば、電気化学デバイス電極形成用バインダ
ーとして用いた場合には、共重合体が電解液により適度に膨潤するため、網目構造が広が
り、溶媒和したイオンがこの網目構造をすり抜けて移動し易くなり、イオンの拡散性が向
上する等の効果がある。
[1−2]共重合体ラテックスの数平均粒子径
本明細書において、「数平均粒子径」とは、透過型電子顕微鏡に共重合体ラテックスを
供して測定される、共重合体ラテックス中に含まれる共重合体粒子の数平均粒子径である
。
[1−3] 共重合体ラテックスの粘度
本発明で用いる共重合体ラテックスの固形分48質量%の粘度は、50〜400mPa・sであり、さらに80〜400mPa・s、特に100〜400mPa・sであることが好ましい。
共重合体ラテックスを上記粘度範囲にすることにより、実用的な濃度でのハンドリングを行うことができる。
[1−4]共重合体ラテックス中の共重合体の質量平均分子量
本実施形態の共重合体ラテックスは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーから得
られる分子量分布において、ポリスチレン換算の分子量で100万以下の成分(α)の重
量平均分子量が30,000〜400,000であり、40,000〜200,000で
あることが好ましい。上記質量平均分子量が30,000未満であると、良好な接着強度
が得られない。一方、400,000超であると、良好な接着強度が得られるが、得られ
る共重合体ラテックスの粘度が高くなるため、塗工液の粘度も高くなり、塗工作業が困難
になる。ここで、本明細書において、「ゲルパーミエーションクロマトグラフィーから得
られる分子量分布において、ポリスチレン換算の分子量で100万以下の成分(α)の重
量平均分子量」とは、共重合体ラテックスに含有される成分のうち、ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィーから得られる分子量分布において、ポリスチレン換算の分子量で1
00万以下の成分(α)の質量平均分子量のことであり、具体的には、下記測定条件によ
り測定したゲルパーミエーションクロマトグラフィーから得られる分子量分布において、
ポリスチレン換算の分子量で100万以下の成分(α)における質量平均分子量をいう。
なお、上記質量平均分子量は、重合温度、分子量調節剤及び開始剤の量や種類等を調整す
ることにより制御することができる。
具体的な測定方法は、後述する実施例の項に記載したとおりである。
[1−5]共重合体ラテックスのゲル含有率
本明細書において「ゲル含有率」とは、共重合体ラテックスに含有される成分のゲル含
有率を意味し、THFゲル含有率とトルエンゲル含有率があり、いずれも50〜98%であることが好ましい。 本明細書において「THFゲル含有率」とは、下記条件により測定したGPCから得られるポリスチレン換算の質量平均分子量Mw(以下、単に「Mw」ともいう。)が100万以上を示すものの比率、即ち、縦軸を検出量、横軸を溶出時間としたクロマトグラムにおいて、溶出曲線と横軸で囲まれた部分の面積に対する分子量が100万に対応する溶出時間より早く検出されるピーク面積の比率である。
[1−6]使用量
本発明においては、共重合体ラテックスは顔料100質量部に対し固形分換算で3〜6質量部含むことが好ましい。
[2]共重合体ラテックスの製造方法
本実施形態の共重合体ラテックスの製造方法は、前記(a)共役ジエン単量体、前記(b)不飽和カルボン酸単量体、及び、(c)その他共重合可能な単量体を前述した所定の割合で含む単量体混合物を特に、回分重合法を採用し、重合の初期仕込みで、(b)不飽和カルボン酸単量体の全使用量の70質量%以上を使用して重合し、重合初期から反応させることが好ましい。
[2−1]重合開始剤
本実施形態の共重合体ラテックスは、前記単量体成分を乳化重合して得られる。
わせるものであり、過硫酸塩、過酸化物、アゾビス化合物等の無機系および有機系のいず
れの開始剤も使用できる。例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニ
ウムクメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、
パラメンタンハイドロパーオキサイド、2,2―アゾビスイソブチロニトリル等が挙げら
れる。
本発明においては、上記開始剤に還元剤を組み合わせて使用するレドックス重合法を用い
ることもできる。還元剤としては、エルソルビン酸、エルソルビン酸ナトリウム、エルソ
ルビン酸カリウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウ
ム、糖類、ロンガリットソディウムホルムアルデヒドスルホキシレート、亜硫酸水素ナト
リウム、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム等の亜硫酸塩、ピロ亜
硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸水素カリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸カリ
ウム等のピロ亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、亜燐酸、亜燐酸ナトリ
ウム、亜燐酸カリウム、亜燐酸水素ナトリウム、亜燐酸水素カリウム等の亜燐酸塩、ピロ
亜燐酸、ピロ亜燐酸ナトリウム、ピロ亜燐酸カリウム、ピロ亜燐酸水素ナトリウム、ピロ
亜燐酸水素カリウム等のピロ亜燐酸塩、メルカプタン等を挙げることができる。
に連続的に重合系内に添加する方法、重合開始剤の全部及び還元剤の一部が存在する重合
系内に還元剤の残部を回分的及び連続的の少なくとも一方の方法で添加する方法、還元剤
の全部及び重合開始剤の一部が存在する重合系内に重合開始剤の残部を回分的及び連続的
の少なくとも一方の方法で添加する方法などを挙げることができる。これらの中でも、重
合開始剤の全部及び還元剤の一部が存在する重合系内に還元剤の残部を回分的及び連続的
の少なくとも一方の方法で添加する方法が好ましい。この方法であると、反応が一気に進
行することで発生する反応熱によって重合系内の温度が急激に上昇してしまうことを防止
することができる。ここで、回分的とは、複数回に分けてという意味であり、連続的とは
、所定時間内において所定量を継続してという意味である。
元触媒の存在下で、乳化重合して得ることもできる。酸化還元触媒としては、例えば、金
属触媒などを挙げることができる。金属触媒としては、例えば、2価の鉄イオン、3価の
鉄イオン、銅イオンなどが挙げられる。
はこれらを組み合わせて添加する方法などを挙げることができる。ラジカル触媒、還元剤
、及び酸化還元触媒を用いる場合、ラジカル重合触媒として過硫酸カリウム、還元剤とし
て亜硫酸水素ナトリウム、酸化還元触媒として硫酸第一鉄を用いることが好ましい。
[2−2]乳化剤
乳化剤としては、例えば、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活
性剤などを挙げることができる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用する
ことができる。
ンゼンスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、ポリエチレングリコールアルキルエーテルの
硫酸エステルなどが挙げられる。
型、アルキルエーテル型、アルキルフェニルエーテル型などのものを挙げることができる
。
、スルホン酸塩、燐酸エステル塩を、カチオン部分としてアミン塩、第4級アンモニウム
塩を含むものが挙げられる。具体的には、ラウリルベタイン、ステアリルベタインなどの
ベタイン類、ラウリル−β−アラニン、ステアリル−β−アラニン、ラウリルジ(アミノ
エチル)グリシン、オクチルジ(アミノエチル)グリシンなどのアミノ酸タイプのものな
どが挙げられる。これら乳化剤のうち、アルキルベンゼンスルホン酸塩が好ましく、ドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウムが更に好ましい。
が好ましく、0.5〜4質量部であることが更に好ましい。上記使用割合が0.5質量部
未満であると、重合安定性が低下し、凝集を起こすおそれがある。一方、5質量部超であ
ると、泡立ちが著しくなるため、バインダーとして使用する際の操作性が悪くなるおそれ
がある。乳化剤は、回分的、連続的、またはこれらを組み合わせて重合系内に添加するこ
とができる。
[2−3]分子量調整剤
分子量調節剤としては、例えば、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタ
ン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプ
タン、n−テトラデシルメルカプタン、t−テトラデシルメルカプタン、チオグリコール
酸などのメルカプタン類、ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジエチルキサントゲンジ
スルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィドなどのキサントゲンジスルフィド
類、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブ
チルチウラムジスルフィドなどのチウラムスルフィド類、クロロホルム、四塩化炭素、四
臭化炭素、臭化エチレンなどのハロゲン化炭化水素類、ペンタフェニルエタン、α−メチ
ルスチレンダイマーなどの炭化水素類、アクロレイン、メタクロレイン、アリルアルコー
ル、2−エチルヘキシルチオグリコレート、ターピノーレン、α−テルネピン、γ−テル
ネピン、ジペンテン、1,1−ジフェニルエチレンなどを挙げることができる。これらの
中でも、メルカプタン類、キサントゲンジスルフィド類、チウラムジスルフィド類、1,
1−ジフェニルエチレン、α−メチルスチレンダイマーが好ましい。なお、これらは単独
でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。分子量調節剤の使用割合は、単
量体成分100質量部に対して、0〜20質量部であることが好ましく、0.05〜15
質量部であることが更に好ましく、0.1〜10質量部であることが特に好ましい。上記
使用割合が20質量部超であると、接着強度が低下するおそれがある。分子量調節剤は、
一括して添加するか、或いは、回分的、連続的、またはこれらを組み合わせて重合系内に
添加することができる。
[2−4]
本発明で用いる共重合体ラテックスは、小粒子径と低粘度を両方兼ね備えたものである。
前記に先行特許文献で示したとおり、従来からも小粒子径の共重合体ラテックスの製造は検討されており、粒子系事態を小さくすることは実現されている。しかしながら、共重合体ラテックスの粒子径を小さくすることにより、ラテックスが高粘度化する現象を克服できた技術は見られない。本発明では、不飽和カルボン酸の使用量を従来技術よりも多くし、さらに重合初期に不飽和カルボン酸モノマーを反応させ、かつ重合初期段階のゲル分を減少させることによって、初めて小粒子径化と低粘度の共重合体ラテックスを得ることができたものである。このような方法によると水溶性モノマー由来のポリマー部分が、重合体粒子にグラフトされる構造をとるためと推定される。
[3]重合固形分
本実施形態の製造方法における重合固形分は15〜55質量%、より好ましくは20〜50質量%,更に好ましくは25〜50質量%である。重合固形分が15質量%以下では生産効率が悪く,工業的に好ましくない。一方55質量%を超えると重合時の除熱が困難となる。
[4]その他のラテックスへの添加剤
本実施形態の共重合体ラテックスを得るための乳化重合は、更に、pH調節剤、各種キレ
ート剤などの種々の重合調節剤を添加して行ってもよい。
また、本実施形態の共重合体ラテックスには、必要に応じてpH調整剤や粘度調整剤を添
加してもよい。pH調節剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸
化アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウムなどが
挙げられる。各種キレート剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウムなど
が挙げられる。 上記粘度調節剤の種類は特に限定されないが、通常、水溶性のものを用い、例えば、各種水溶性重合体、カゼイン、カゼイン変性物、澱粉及び澱粉変性物等を挙げることができる。このうち、水溶性重合体としては、ポリカルボン酸系、ポリエーテル系、変性ポリカルボン酸系、ウレタン変性ポリエーテル系、変性ポリアクリル系及び会合性ポリアクリル系等の水溶性重合体、ポリビニルアルコール及びカルボキシメチルセルロース等が挙げられる。これらは1種のみであってもよく、2種以上を併用してもよい。
この粘度調節剤の使用量は、共重合体ラテックスの固形分を100質量部とした場合に、0.01〜4質量部、好ましくは0.01〜3質量部、より好ましくは0.01〜2質量部である。
[5] 顔料 本発明において、 顔料は、炭酸カルシウムを60質量%以上含むものであり、特に70質量%以上含んでいるものであることが好ましい。
本発明の紙塗工用組成物に含まれる炭酸カルシウム以外の顔料は、無機顔料または有機顔料のいずれであってもよい。無機顔料としては、例えば、クレー、硫酸バリウム、酸化チタン、サチンホワイト、タルク、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛などを挙げることができる。
有機顔料としては、例えば、ポリスチレンラテックス、尿素ホルマリン樹脂などを挙げることができる。これらは目的に応じて、単独または2種以上組み合わせて使用することができる。有機顔料として中空重合体粒子を使用すると、平滑性が向上し、印刷光沢が更に向上するという効果がある。ここで、本明細書において中空重合体粒子とは、重合体層の内部に空孔を有する重合体粒子を意味する。
本発明の紙塗工組成物においては、共重合体ラテックスおよび顔料に加えて、澱粉、酸化澱粉、大豆蛋白、カゼインなどの天然バインダー、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルラテックス、アクリル系ラテックスなどの合成ラテックス、カルボキシメチルセルロース等の水溶性物質などのバインダーを含むことができる。これらのバインダーの中でも、澱粉が好ましい。
本発明では、前記特定の共重合体ラテックスを使用することで通常よりもこれらのバインダーの使用量を低減することができる。バインダーの使用量は、バインダーと前記共重合体ラテックスとの合計が顔料100質量部に対し、固形分換算で4〜7質量部となる量であることが好ましい。
[7] 紙塗工用組成物の助剤
種々の助剤としては、例えば、分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、耐水化剤、離型剤、蛍光染料、カラー保持性向上剤、pH調節剤などを挙げることができる。
[8]塗工紙
本発明の塗工紙の一の実施形態は、原紙と、この原紙の両面に本発明の紙塗工用組成物を含有する塗工液を塗工して得られる塗工層と、を有するものである。
されるものではない。なお、実施例及び比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限
り質量基準である。また、実施例及び比較例中の各種の評価は、下記の方法により行った
。
(評価方法)
(共重合体ラテックスの物性評価方法)(1)トルエンゲル含有率
共重合体ラテックスを130℃の熱風乾燥機で30分乾燥しフィルムを作成した。得られたフィルムの0.3gを秤量し、100mlのトルエンに撹拌下で2時間浸漬した。その後、濾紙で濾過してトルエン溶液を回収した。得られたトルエン溶液を揮発させ、トルエンに溶解したフィルム質量を測定し、ラテックスフィルム質量からトルエンに溶解したフィルム質量を引き、ラテックスフィルム質量で除することでラテックスフィルムのトルエンゲル含有率を求めた。
(2)THFゲル含有率
固形分を20質量%に調整した共重合体ラテックス0.2gに、常法に従い洗浄、水洗したカチオン交換樹脂約1gを加え、陽イオンを除去した。次いで、テトラヒドロフラン(THF)20mlを加え、24時間放置し、溶解する。次にポリテトラフルオロエチレン製メンブレインフィルター(ポアサイズ3μm、ADVANTEC社製)で濾過し、濾液を測定試料とする。なお、測定に際しては、分子量既知のポリスチレン標準物質を用いて、予め検量線を作成し、これを用いた。次に、測定装置として「HLC−8220(商品名)」(東ソー社製)、カラムとして有機溶媒系GPCカラム「TSKgel GMHHR−H(30)(商品名)」(充填剤;ポリスチレンゲル、粒子径;30μm、カラムサイズ;7.8mmI.D.×300mm、東ソー社製)、検出器として示差屈折率計を用い、温度40℃、溶媒をテトラヒドロフラン、流速を1ml/分、注入量を100μlとして測定した。得られたクロマトグラムから上記定義よりTHFゲル含有率を決定した。
(3)数平均粒子径固形分48質量%に調整した共重合体ラテックス 40μlを水100gで希釈し、希釈した溶液をカーボン補強したコロジオン支持膜にのせ、オスミウム酸で染色し、一晩乾燥させて測定サンプルとした。測定サンプルを日立ハイテクノロジーズ 電子顕微鏡 H-7650を用いて観察し、無作為に撮影した写真に写る共重合体ラテックス粒子の大きさを測定し、粒子300個の数平均を数平均粒子径とした。尚、写真撮影時の倍率は30000倍とした。
(4)ラテックス粘度
共重合体ラテックスを25.0℃±0.5℃に調温し、東機産業RB80型粘度計にて60rpmで1分測定し、ラテックスの粘度とした。
(5)質量平均分子量
まず、純水を用い、固形分を20質量%に調整した共重合体ラテックス0.2gに、常
法に従い洗浄、水洗したカチオン交換樹脂1gを加え、陽イオンを除去する。次に、テト
ラヒドロフラン20mlを加え、24時間放置し、溶解する。次に、ポリテトラフルオロ
エチレン製のメンブレインフィルター(ポアサイズ3μm、アドバンテック社製)で濾過
し、濾液を測定試料とする。なお、測定に際しては、分子量既知のポリスチレン標準物質
を用いて、予め検量線を作成し、これを用いる。次に、測定装置として「HLC−822
0(商品名)」(東ソー社製)、カラムとして有機溶媒系GPCカラム「TSKgel
GMHHR−H(30)(商品名)」(充填剤;ポリスチレンゲル、粒子径;30μm、
カラムサイズ;7.8mmI.D.×300mm、東ソー社製)、検出器として示差屈折
率計を用い、温度40℃、溶媒をテトラヒドロフラン、流速を1ml/分、注入量を10
0μlとして測定した。
(バインダー評価方法)
(6)カラー保水性
高速塗工時における紙塗工用組成物の原紙への脱水量をあらわすものの一例として、紙塗工組成物を作成し、カラー保水性を評価した。
(カラー保水性の測定)
KALTEC SCIENTIFIC社製、AA−GWR保水性試験機、標準5μmフィルターを用いて、圧力;1.0bar、時間;60sec、試料量;5mlにて濾紙に吸収された脱水量を測定した。
(7)ドライピック強度
フィラー等を含む塗料組成物から形成される塗膜の接着強度をあらわすものの一例として、印刷用塗工紙を作成し、ドライピック強度を評価した。
(塗工紙の作成とドライピック強度の測定)
原紙(80.5g/m2)の両面に、塗工量が片面13.5±0.5g/m2となるように印刷用塗工紙の塗工用組成物をラボブレードコータで塗工した後、150℃で5秒間熱風で乾燥する。その後、温度23℃、湿度50%の恒温恒湿槽に1昼夜放置する。次に、線圧100kg/cm,ロール温度50℃の条件でスーパーカレンダー処理を4回行い、塗工紙を得る。その後、得られた塗工紙をRI印刷機(明製作所社製)で試験用インキ(東洋インキ社製、特殊インキ、SMX10〜25))を用いて印刷してピッキングの強度を肉眼で判定した。評価は5段階で行い、ピッキング現象が少ないものほど高得点とした。評価結果は測定回数6回の平均値を示す。
(シードラテックスの合成例)
攪拌機を備え、温度調節可能なオートクレーブ中に、水290質量部、ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム12質量部、α‐メチルスチレンダイマー0.5質量部を添加し、
85℃まで昇温し、スチレン10部、アクリル酸0.5部、過硫酸カリウム0.5部を入
れ重合を開始した。
重合開始から1時間後、あらかじめ別の容器で混合しておいたスチレン59.5質量部、
メチルメタクリレート30質量部、t−ドデシルメルカプタン0.5質量部、α‐メチル
スチレンダイマー0.5質量部を3時間かけて一定速度で連続的に添加した。
重合期間中、1時間毎に、それぞれ、過硫酸カリウム0.1質量部を添加して反応を継続
させた。
重合転化率が98%以上となったら常温まで冷却し反応を停止させた。
次いで、反応液に、水酸化ナトリウム水溶液を添加して、重合溶液のpHを4.5に調整
し、数平均粒子径25nmのシードラテックスを得た。
(合成例1)
攪拌機を備え、温度調節可能なオートクレーブ中に、水224質量部、前記で合成したシードラテックスを、固形分換算で10質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.95質量部、過硫酸カリウム1.3質量部、表1に示した初期仕込み成分を添加し、50℃まで昇温し、亜硫酸水素ナトリウム0.04質量部、硫酸第一鉄・7水和物0.0012質量部を添加して重合を開始した。重合開始から0.75時間目に温度を60℃まで昇温し、表1の一段目成分単量体混合液、および、あらかじめ別の容器で調整した水5.0634部、亜硫酸水素ナトリウム0.1566部からなる水溶液をそれぞれ4.75時間、7.25時間かけて一定速度で連続的に添加した。重合開始から5.5時間目から、表1の二段目成分単量体混合液を2.5時間かけて一定速度で連続的に添加した。重合開始から8時間後に63℃まで昇温し、そのまま重合を継続し、重合転化率が98〜100%になった時点で常温まで冷却して重合を終了した。得られた共重合体ラテックスを水酸化ナトリウムでpH7に調整し、ポリアクリル酸ナトリウム(アロン T−50(東亜合成))を1.5質量部添加し、スチームストリッピング法で未反応単量体を除去し、減圧下で蒸留を行い、固形分を48質量%となるように調整した(共重合体ラテックスL1)。
(合成例2)
攪拌機を備え、温度調節可能なオートクレーブ中に、水224質量部、ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム2.4質量部、過硫酸カリウム1.3質量部、表1に示した初期仕
込み成分を添加し、50℃まで昇温し、亜硫酸水素ナトリウム0.04質量部、硫酸第一
鉄・7水和物0.0012質量部を添加して重合を開始した。重合開始から0.75時間
目に温度を60℃まで昇温し、表1の一段目成分単量体混合液、および、あらかじめ別の
容器で調整した水5.0634部、亜硫酸水素ナトリウム0.1566部からなる水溶液
をそれぞれ6.75時間、7.25時間かけて一定速度で連続的に添加した。重合開始か
ら7.5時間目から、表1の二段目成分単量体混合液を3.5時間かけて一定速度で連続
的に添加した。重合開始から11時間後に63℃まで昇温し、そのまま重合を継続し、重
合転化率が98〜100%になった時点で常温まで冷却して重合を終了した。得られた共
重合体ラテックスを水酸化ナトリウムでpH7に調整し、ポリアクリル酸ナトリウム(ア
ロン T−50(東亜合成))を1.5質量部添加し、スチームストリッピング法で未反
応単量体を除去し、減圧下で蒸留を行い、固形分を48質量%となるように調整した(共
重合体ラテックスL2)。
(合成例3)
攪拌機を備え、温度調節可能なオートクレーブ中に、水172.91質量部、前記で合成したシードラテックスを、固形分換算で5質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.475質量部、過硫酸カリウム0.5質量部、表1に示した一段目成分を添加し、50℃まで昇温し、亜硫酸水素ナトリウム0.04質量部、硫酸第一鉄・7水和物0.0012質量部を添加して重合を開始した。重合開始から0.75時間目に温度を60℃まで昇温し、表1の二段目成分単量体混合液を4.75時間かけて一定速度で連続的に添加した。重合開始から5.5時間目にあらかじめ別の容器で調整した水 5.0634部、亜硫酸水素ナトリウム0.1566部からなる水溶液、および、表1の三段目成分単量体混合液をそれぞれ2.5時間かけて一定速度で連続的に添加した。重合開始8時間目から重合温度を変化させ、重合開始8時間目に70℃になるようにコントロールした。尚、重合開始5.5時間目からあらかじめ別の容器で調整した水2.7572部、過硫酸カリウム0.1部からなる水溶液を1時間おきに一括添加し、反応を継続させ、重合転化率が98〜100%を確認し常温まで冷却して重合を終了した。得られた共重合体ラテックスを水酸化ナトリウムでpH7に調整し、ポリアクリル酸ナトリウム(アロンT−50(東亜合成))を1.5質量部添加し、スチームストリッピング法で未反応単量体を除去し、減圧下で蒸留を行い、固形分を48質量%となるように調整した(共重合体ラテックスL3)。
(実施例1)
合成例1で得られた共重合体ラテックス(L1)5部、カオリンクレー(商品名「MGJ」、BASF社製)40部、炭酸カルシウム(商品名「カービタル90」、イメリス社製)60部、分散剤としてポリアクリル酸系分散剤(商品名「アロンT−50」、東亜合成社製)0.025部、水酸化ナトリウム(商品名「水酸化ナトリウム1級」、和光純薬社製)0.05部、及び、澱粉(商品名「王子エースC」、王子コーンスターチ社製)2部を用い、全固形分含量が68%の印刷用塗工紙の塗工用組成物を調製した。
(実施例2〜4)
実施例1において、共重合体ラテックスの種類、炭酸カルシウムおよびクレーの使用量を表3のとおりとし、さらに実施例4においてはポリアクリル酸系分散剤の使用量を0.02部とした以外は実施例1と同様にして紙塗工用組成物を調整した。
(比較例合成例1)攪拌機を備え、温度調節可能なオートクレーブ中に、水224質量部、前記で合成したシードラテックスを、固形分換算で10質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.95質量部、過硫酸カリウム1.3質量部、表1に示した一段目成分を添加し、50℃まで昇温し、亜硫酸水素ナトリウム0.04質量部、硫酸第一鉄・7水和物0.0012質量部を添加して重合を開始した。重合開始から0.75時間目に温度を60℃まで昇温し、表1の一段目成分単量体混合液、および、あらかじめ別の容器で調整した水5.0634部、亜硫酸水素ナトリウム0.1566部からなる水溶液をそれぞれ4.75時間、7.25時間かけて一定速度で連続的に添加した。重合開始から5.5時間目から、表1の二段目成分単量体混合液を2.5時間かけて一定速度で連続的に添加した。重合開始から8時間後に63℃まで昇温し、そのまま重合を継続し、重合転化率が98〜100%になった時点で常温まで冷却して重合を終了した。得られた共重合体ラテックスを水酸化ナトリウムでpH7に調整し、ポリアクリル酸ナトリウム(アロン T−50(東亜合成))を1.5質量部添加し、スチームストリッピング法で未反応単量体を除去し、減圧下で蒸留を行い、固形分を48質量%となるように調整した。(共重合体ラテックスR1)
(比較例合成例2)
攪拌機を備え、温度調節可能なオートクレーブ中に、水224部、前記で合成したシードラテックスを固形分換算で2部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.175部、過硫酸カリウム1.3部、表1に示した一段目仕込み成分を添加し、50℃まで昇温し、亜硫酸水素ナトリウム0.04部、硫酸第一鉄・7水和物0.0012部を添加して重合を開始した。
重合開始から0.75時間目に温度を60℃まで昇温し、表4の二段目成分の単量体混合液、および、予め別の容器で調製した水1.6878部、亜硫酸水素ナトリウム0.0522部からなる水溶液をそれぞれ4.75時間、7.25時間かけて一定速度で連続的に添加した。
重合開始から5.5時間目から、表4の三段目成分の単量体混合液を2.5時間かけて一定速度で連続的に添加した。
重合開始から8時間後に63℃まで昇温し、そのまま重合を継続し、重合転化率が98〜100%になった時点で常温まで冷却して重合を終了した。
得られた共重合体ラテックスを水酸化ナトリウムでpH7に調整し、ポリアクリル酸ナトリウム(アロン T−50(東亜合成))を1.5部添加し、スチームストリッピング法で未反応単量体を除去し、減圧下で蒸留を行い、固形分を48%となるように調整した。(共重合体ラテックスR2)
(比較例合成例3)
攪拌機を備え、温度調節可能なオートクレーブ中に、水224質量部、前記で合成したシードラテックスを、固形分換算で10質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.95質量部、過硫酸カリウム1.3質量部、表1に示した初期仕込み成分を添加し、50℃まで昇温し、亜硫酸水素ナトリウム0.04質量部、硫酸第一鉄・7水和物0.0012質量部を添加して重合を開始した。重合開始から0.75時間目に温度を60℃まで昇温し、表1の一段目成分単量体混合液、および、あらかじめ別の容器で調整した水5.0634部、亜硫酸水素ナトリウム0.1566部からなる水溶液をそれぞれ4.75時間、7.25時間かけて一定速度で連続的に添加した。重合開始から5.5時間目から、表1の二段目成分単量体混合液を2.5時間かけて一定速度で連続的に添加した。重合開始から8時間後に63℃まで昇温し、そのまま重合を継続し、重合転化率が98〜100%になった時点で常温まで冷却して重合を終了した。得られた共重合体ラテックスを水酸化ナトリウムでpH7に調整し、ポリアクリル酸ナトリウム(アロンT−50(東亜合成))を1.5質量部添加し、スチームストリッピング法で未反応単量体を除去し、減圧下で蒸留を行い、固形分を48質量%となるように調整した。(共重合体ラテックスR3)。
(比較例合成例4)
撹拌装置と温度調節用ジャケットを取り付けた耐圧反応容器に水125部、アデカリアソープSE1025N:旭電化工業株式会社製(ポリオキシアルキレン鎖と硫酸基を有する反応性乳化剤)3部を仕込み、窒素置換の後、内温を80℃に昇温した。さらに、ブタジエン35部、スチレン45部、メクリル酸メチル13部、アクリル酸2部、メタクリル酸5部の合計100部よりなる単量体混合物と、t−ドデシルメルカプタン2.5部との油性混合液、並びに、水28部、ペルオキソ二硫酸ナトリウム1.2部、水酸化ナトリウム0.2部、前記と同じ反応性乳化剤1部からなる水溶液を、調製後窒素置換を行い、それぞれ5時間および6時間かけて一定の流速で添加した。
そして、80℃の温度をそのまま1時間保って重合反応を完了した後、冷却した。次いで、生成した共重合体ラテックスを水酸化ナトリウムでpHを7に調整してからスチームストリッピング法により未反応の単量体を除去し、固形分濃度が48%になるように調整した。(共重合体ラテックスR4)
(比較例1〜4)
実施例1において、共重合体ラテックスの種類を表6に示すとおりとした以外は、実施例1と同様にして紙塗工用組成物を調整した。
Claims (7)
- (A)脂肪族共役ジエン単量体由来の構造単位を20〜80質量%、(B)不飽和カルボン酸単量体由来の構造単位を4〜10質量%、及び(C)その他共重合可能な単量体由来の構造単位を5〜76質量%(但し、(A)、(B)、(C)の合計100質量%)有する共重合体を含有し、透過型電子顕微鏡で測定した数平均粒子径が30〜80nm、固形分48質量%における粘度が50〜400mPa・sである、共重合体ラテックスならびに炭酸カルシウムを60質量%以上含有する顔料を含有することを特徴とする紙塗工用組成物。
- 前記共重合体ラテックスの(C)成分として、α,β−不飽和ニトリル化合物に由来する構造単位を5〜40質量%有する共重合体ラテックスを含有することを特徴とする請求項1記載の紙塗工用組成物。
- 前記共重合体ラテックスの(C)成分として、芳香族ビニル化合物由来の構造単位を5〜40質量%有する共重合体ラテックスを含有することを特徴とする請求項1記載の紙塗工用組成物。
- 前記共重合体ラテックスの数平均粒子径が30〜75nmであることを特徴とする請求項1記載の紙塗工用組成物。
- 前記共重合体ラテックスの粘度が80〜400mPa・Sであることを特徴とする請求項1記載の紙塗工用組成物。
- 共重合体ラテックスを顔料100質量部に対し固形分換算で3〜6質量部含むことを特徴とする請求項1記載の紙塗工用組成物。
- 上記1〜6のいずれかの請求項に記載の紙塗工用組成物を塗布し乾燥してなる塗工層を有する塗工紙。
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