JPH11293593A - オフセット輪転印刷用多層塗工紙 - Google Patents

オフセット輪転印刷用多層塗工紙

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JPH11293593A
JPH11293593A JP11999198A JP11999198A JPH11293593A JP H11293593 A JPH11293593 A JP H11293593A JP 11999198 A JP11999198 A JP 11999198A JP 11999198 A JP11999198 A JP 11999198A JP H11293593 A JPH11293593 A JP H11293593A
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JP
Japan
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weight
coated paper
copolymer latex
coating
polymerization
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JP11999198A
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English (en)
Inventor
Kenichi Yamazaki
健一 山崎
Wataru Fujiwara
渡 藤原
Sachiko Ikeda
佐知子 池田
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SUMIKA ABS LATEX KK
Original Assignee
SUMIKA ABS LATEX KK
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ブタジエン20〜40重量%、エチレン系不飽
和カルボン酸単量体1.0〜10重量%、アクリルアミ
ド0〜5重量%、及びその他の共重合可能な単量体45
〜79重量%からなる単量体を乳化重合して得られたゲ
ル含有量が0〜20%の共重合体ラテックスであって、
エチレン系不飽和カルボン酸単量体の全使用量X重量部
のうち、Y重量部を重合系内に存在せしめて重合を開始
し、前記XとYとが、0.2≦Y≦1および0.1≦Y
/(X−Y)≦0.5を満足する共重合体ラテックス
を、塗工原紙に片面当たり少なくとも2層以上の顔料塗
工層を設ける多層塗工紙の、塗工原紙に隣接する第1塗
工層用バインダーとする。 【効果】耐バッキングロール汚れ性に優れ、かつ良好な
耐ブリスター性と表面強度を有するオフセット輪転印刷
用多層塗工紙が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オフセット輪転印
刷用多層塗工紙に関するものである。さらに詳しくは、
耐ブリスター性および表面強度が極めて優れたオフセッ
ト輪転印刷用多層塗工紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、塗工紙は、その印刷効果が高い等
の理由から、非常に数多くの印刷物に利用されている。
季刊、月間紙等の定期刊行物の中にも、全ての頁に塗工
紙が使用される場合もかなり増えている。特に、メール
オーダービジネスにおけるダイレクトメールや商品カタ
ログ等においては、そのほとんどが全ての頁に塗工紙を
使用している。このような塗工紙は、通常カオリンや炭
酸カルシウム等の白色顔料とスチレン・ブタジエン系共
重合体ラテックス等のバインダーを主成分とする塗工液
を、ロールコーターやブレードコーター等の塗工機で塗
工原紙に塗工して作成されるが、白紙光沢や面感等の塗
工紙品質の改良の目的で、片面に二回以上塗工するいわ
ゆる多層塗工されることがある。
【0003】一方、印刷技術の進歩に伴って印刷工程の
高速化が進み、それに耐え得る品質の塗工紙が求められ
ている。すなわち、オフセット輪転印刷の分野では、塗
工紙が優れた表面強度を有すると同時に、良好な耐ブリ
スター性を有ることが求められている。特に前述の多層
塗工紙においては、優れた耐ブリスター性が要求され
る。
【0004】このため、ダブル塗工を含めた多層塗工に
よる塗工紙の改良技術も数多く紹介されている。例え
ば、特開昭63−196793、特開平1−17469
8、特開平1−250495、特開平2−26989
7、特開平3−161596号公報などである。
【0005】これらの技術は、特定のゲル含有量(有機
溶剤に対する不溶部の割合)を有する共重合体ラテック
スが良好な耐ブリスター性(インキ乾燥時の火膨れ現象
の発生を抑制する性質)を与えることが紹介されている
特公昭59−3598号公報、或いは、シアン化ビニル
単量体を含む共重合体ラテックスが良好な印刷光沢を与
えることが紹介されている特公昭60−17879号公
報の技術を利用しているものであり、各塗工層に各々特
定の組成および特定のゲル含有量を有する共重合体ラテ
ックスを用いることによって、耐ブリスター性や印刷光
沢等を改良しようとするものである。
【0006】しかしながら、単に共重合体ラテックスの
ゲル含有量を低くするだけでは、塗工紙の耐ブリスター
性は向上するが、表面強度が低下するという問題があっ
た。
【0007】更に、共重合体ラテックスのゲル含有量を
低くすることにより、共重合体ラテックスの粘着性が強
くなり、塗工工程でバッキングロール汚れが発生すると
いう欠点があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前述の諸
事情に鑑み、現状の問題点を解決すべく鋭意検討した結
果、多層塗工紙において特定の塗工層に特定の重合方法
で作成した、特定のゲル含有量の共重合体ラテックスを
用いることで、上記問題点を解決することが出来ること
を見いだし、本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明は、塗工原紙に片面当たり少
なくとも2層以上の顔料塗工層を設ける多層塗工紙にお
いて、塗工原紙に隣接する第1塗工層が下記(A)の共
重合体ラテックスを含むことを特徴とする塗工工程での
耐バッキングロール汚れ性に優れ、強度、耐ブリスター
性に優れたオフセット輪転印刷用多層塗工紙を提供する
ものである。 (A)脂肪族共役ジエン系単量体20〜40重量% エチレン系不飽和カルボン酸単量体1.0〜10重量% エチレン系不飽和カルボン酸アミド単量体0〜5重量 及びその他の共重合可能な単量体45〜79重量% からなる単量体を乳化重合するに際し、エチレン系不飽
和カルボン酸単量体の全使用量X重量部のうち、Y重量
部を重合系内に存在せしめて重合を開始し、前記XとY
とが、下記の条件1および2を満たすように重合させて
得られた共重合体ラテックスであって、そのフィルムの
ゲル含有量が0〜20重量%である。 条件1:0.2≦Y≦1 条件2:0.1≦Y/(X−Y)≦0.5
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明における脂肪族共役ジエン系単量体として
は、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジ
エン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−ク
ロル−1,3−ブタジエン、置換直鎖共役ペンタジエン
類、置換および側鎖共役ヘキサジエン類などが挙げら
れ、1種または2種以上用いることができる。特に1,
3−ブタジエンが好ましい。
【0011】エチレン系不飽和カルボン酸単量体として
は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン
酸、フマール酸、イタコン酸などのモノまたはジカルボ
ン酸が挙げられ、1種または2種以上用いることができ
る。
【0012】不飽和カルボン酸アミド単量体としては、
アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールア
クリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,
N−ジメチルアクリルアミド等が挙げられ、1種または
2種以上用いることができる。特にアクリルアミドが好
ましい。
【0013】他の共重合可能な単量体としては、芳香族
ビニル単量体、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量
体、ヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単量体、シ
アン化ビニル単量体等が挙げられる。
【0014】芳香族ビニル系単量体としては、スチレ
ン、α−メチルスチレン、メチルα−メチルスチレン、
ビニルトルエンおよびジビニルベンゼン等が挙げられ、
1種または2種以上用いることができる。特にスチレン
が好ましい。
【0015】不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体
としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレー
ト、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチ
ルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ジメチル
フマレート、ジエチルフマレート、ジメチルマレエー
ト、ジエチルマレエート、ジメチルイタコネート、モノ
メチルフマレート、モノエチルフマレート、2−エチル
ヘキシルアクリレート、等が挙げられ、1種または2種
以上用いることができる。特にメチルメタクリレートが
好ましい。
【0016】ヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単
量体としては、β−ヒドロキシエチルアクリレート、β
−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピ
ルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、
ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタ
クリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタ
クリレート、ジ−(エチレングリコール)マレエート、
ジ−(エチレングリコール)イタコネート、2−ヒドロ
キシエチルマレエート、ビス(2−ヒドロキシエチル)
マレエート、2−ヒドロキシエチルメチルフマレートな
どが挙げられ、1種または2種以上用いることができ
る。特にβ−ヒドロキシエチルアクリレートが好まし
い。
【0017】シアン化ビニル単量体としては、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニ
トリル、α−エチルアクリロニトリルなどが挙げられ、
1種または2種以上用いることができる。特にアクリロ
ニトリル、メタクリロニトリルが好ましい。
【0018】本発明に用いられる共重合体ラテックス
(A)に使用される各単量体の量としては、脂肪族共役
ジエン系単量体は20〜40重量%である。20重量%
未満では塗工紙の表面強度が劣り、40重量%を超える
と塗工工程での、耐バッキングロール汚れ性が低下す
る。好ましくは25〜37重量%である。
【0019】エチレン系不飽和カルボン酸単量体は1〜
10重量%である。1重量%未満では共重合体ラテック
スの重合安定性が低下する。10重量%を超えるとラテ
ックスの粘度が高くなり過ぎ好ましくない。好ましく
は、1〜5重量%である。
【0020】本発明の目的を達成するためには、エチレ
ン系不飽和カルボン酸単量体の使用方法を限定すること
が重要であり、使用するエチレン系不飽和カルボン酸単
量体のうちの特定量が、実質的に重合が開始する以前に
重合系内に存在することが必要である。
【0021】すなわちエチレン系不飽和カルボン酸単量
体の全使用量X重量部と、重合が開始する前に重合系内
に存在するエチレン系不飽和カルボン酸単量体Y重量部
について、0.2≦Y≦1、0.1≦Y/(X−Y)≦
0.5という条件を満足させることが必要である。
【0022】エチレン系不飽和カルボン酸単量体の全使
用量X重量部と、重合が開始する前に重合系内に存在す
るエチレン系不飽和カルボン酸単量体Y重量部につい
て、前記の条件を満足しない場合、塗工紙の表面強度、
耐ブリスター性、耐バッキングロール汚れ性が低下す
る。
【0023】エチレン系不飽和カルボン酸アミド単量体
は0〜5重量%である。5重量%を超えると共重合体ラ
テックスの重合安定性が低下する。好ましくは、0.5
〜3重量%である。
【0024】全単量体が100重量%となるように、そ
の他の共重合可能な単量体は45〜79重量%使用され
る。
【0025】本発明に用いられる共重合体ラテックス
(A)のフィルムのゲル含有量は0〜20重量%であ
る。20重量%を越えると耐ブリスター性が低下する。
【0026】本発明でいうゲル含有量とは、共重合体ラ
テックスフィルムのトルエンに対する不溶部の割合のこ
とであり、具体的には、共重合体ラテックスを乾燥し
て、重量既知の共重合体ラテックスフィルムをトルエン
に浸せき後濾過して乾燥重量を秤量し、共重合体の乾燥
重量に対する、共重合体の有機溶剤不溶部の乾燥重量の
割合を計算することにより求められる。
【0027】また、第1塗工層に使用される共重合体ラ
テックスの量は、第1塗工層に使用される全顔料100
重量部に対して3重量部以上、30重量部以下であるこ
とが好ましく、3重量部未満では強度に対する効果が小
さくなり、30重量部を越えると経済性の点で好ましく
ない。
【0028】本発明において、第1塗工層以外の少なく
とも1つの塗工層が上記(A)の共重合体ラテックスを
含むことが耐ブリスター性の点で好ましい。
【0029】第一塗工層以外の塗工層に(A)の共重合
体ラテックスを使用する場合も当該塗工層に使用される
全顔料100重量部に対して3重量部以上、30重量部
以下であることが好ましい。
【0030】本発明に用いられる共重合体ラテックスの
乳化重合において、エチレン系不飽和カルボン酸単量体
以外の各種単量体成分の添加方法については特に制限す
るものではなく、一括添加方法、分割添加方法、連続添
加方法の何れでも採用することができるが、脂肪族共役
ジエン系単量体、エチレン系不飽和カルボン酸単量体、
エチレン系不飽和カルボン酸アミド単量体およびこれら
と共重合可能な他の単量体からなる単量体混合物の一部
にて重合を開始し、その後残りの単量体を重合系内に添
加する、いわゆる多段階添加法が好ましい。
【0031】更に、乳化重合の過程において共重合体ラ
テックス中に微細な凝固物を発生させないためには、重
合初期に重合系内に存在する単量体混合物の量が、全単
量体混合物100重量部のうち8〜30重量部であるこ
とが好ましい。
【0032】重合開始前に重合系内に存在するエチレン
系不飽和カルボン酸単量体の種類については、特にフマ
ール酸を含むことが、重合安定性上好ましい。
【0033】本発明に用いられる共重合体ラテックスの
乳化重合において、常用の連鎖移動剤、乳化剤、重合開
始剤、電解質、重合促進剤、キレート剤等を使用するこ
とができる。
【0034】本発明に用いられる共重合体ラテックスの
乳化重合で使用される連鎖移動剤としては、n−ヘキシ
ルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、t−オク
チルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ド
デシルメルカプタン、n−ステアリルメルカプタンなど
のアルキルメルカプタン、ジメチルキサントゲンサルフ
ァイド、ジイソプロピルキサントゲンジサルファイドな
どのキサントゲン化合物、α−メチルスチレンダイマ
ー、ターピノーレンなどの化合物や、テトラメチルチウ
ラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィ
ド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のチウラム
系化合物、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノ
ール、スチレン化フェノール等のフェノール系化合物、
アリルアルコール等のアリル化合物、ジクロルメタン、
ジブロモメタン、四塩化炭素、四臭化炭素等のハロゲン
化炭化水素化合物、α−ベンジルオキシスチレン、α−
ベンジルオキシアクリロニトリル、α−ベンジルオキシ
アクリルアミド等のビニルエーテル、トリフェニルエタ
ン、ペンタフェニルエタン、アクロレイン、メタアクロ
レイン、チオグリコール酸、チオリンゴ酸、2−エチル
ヘキシルチオグリコレート等が挙げられ、1種または2
種以上用いることができる。
【0035】これら連鎖移動剤の使用量により、共重合
体ラテックスのゲル含有量を調整することができるが、
単量体合計100重量部に対して0.05〜10重量部
用いることが好ましい。
【0036】乳化剤としては高級アルコールの硫酸エス
テル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフ
ェニルエーテルスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、脂
肪族カルボン酸塩、非イオン性界面活性剤の硫酸エステ
ル塩等のアニオン性界面活性剤あるいはポリエチレング
リコールのアルキルエステル型、アルキルフェニルエー
テル型、アルキルエーテル型等のノニオン性界面活性剤
が1種又は2種以上で用いられる。
【0037】重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過
硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の水溶性開始
剤、あるいはレドックス系開始剤あるいは、過酸化ベン
ゾイル等の油溶性開始剤が使用できる。
【0038】その他必要に応じて、電解質やキレート剤
等の通常使用される助剤を使用することができる。
【0039】また、上記乳化重合においては、さらにシ
クロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、4−
メチルシクロヘキセン、1−メチルシクロヘキセン等の
環内に不飽和結合を1つ有する環状の不飽和炭化水素の
他、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサン等の化合物を
使用してもよい。
【0040】このような化合物の使用量は単量体合計1
00重量部に対して0.1〜30重量部であることが塗
工紙の表面強度および重合安定性の面で好ましい。
【0041】また、上記乳化重合における水の使用量は
単量体合計100重量部に対して90〜400重量部で
あることが重合安定性の面で好ましい。
【0042】本発明に用いられる共重合体ラテックスを
塗工液の一成分として用いる場合としては、例えば分散
剤を溶解させた水中に、顔料、水溶性高分子、各種添加
剤とともに該共重合体ラテックスを添加して混合し、均
質な分散液として用いる方法を採用することできる。
【0043】ここで、分散剤としては、ピロリン酸ナト
リウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸
ナトリウム等を挙げることが出来る。
【0044】また、顔料としては、例えばクレー、焼成
クレー、デラミクレー、重質炭酸カルシウム、沈降性炭
酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、タ
ルク、サチンホワイト等の鉱物性白色顔料やプラスチッ
クピグメント、バインダーピグメント、中空合成ピグメ
ント等の有機系合成白色顔料など紙塗工の分野で常用の
顔料が使用でき、これらを1種または2種以上併用して
各層に使用することができる。
【0045】また、該水溶性高分子としては、澱粉、酸
化澱粉、エステル化澱粉等の変性澱粉、大豆蛋白、カゼ
インなどの天然バインダー、あるいはポリビニルアルコ
ール、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸
塩、ポリアクリルアミドおよびその誘導体、マレイン酸
共重合物、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
【0046】また、各種添加剤としては、例えば消泡剤
(ポリグリコール、脂肪酸エステル、リン酸エステル、
シリコーンオイルなど)、レベリング剤(ロート油、ジ
シアンジアミド、尿素など)、防腐剤、耐水化剤、離型
剤(ステアリン酸カルシウム、パラフィンエマルジョン
など)、蛍光染料等が挙げられ、必要に応じて添加され
る。
【0047】本発明の多層塗工紙は、塗工原紙に片面当
たり少なくとも2層以上の顔料塗工層を有する。各塗工
層の形成は、水性の塗工液を塗工原紙上に順次塗工する
ことによって行われる。塗工方法としては、例えばブレ
ード塗工、ゲートロール塗工、ロール塗工、エアーナイ
フ塗工、バー塗工などの公知の塗工技術を用いることが
でき、各塗工層の塗工方法を各々変えても差し支えな
い。
【0048】片面当たりの塗工層の数は特に限定されな
いが、工程の繁雑さや経済的な制約がある場合には3層
以下が好ましく、更に好ましくは2層である。
【0049】本発明の多層塗工紙の塗工工程と乾燥工程
を含む製造工程としては、第1層目の塗工液を塗工後、
乾燥工程を経てから第2層目の塗工液を塗工し、同様に
して更に後段の塗工層を形成させる方法を用いても良い
し、あるいは、全ての層の塗工液を連続的に順次塗工し
た後、乾燥工程を経て塗工層を形成させる方法(ウェッ
ト・オン・ウェット方式)を用いても良い。
【0050】また、塗工乾燥後、スーパーカレンダーや
マシンカレンダー等に代表される公知の表面仕上げ処理
が適用できる。
【0051】
【実施例】以下に、本発明の優れた効果を明示するため
に、実施例および比較例を挙げ、本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、これら
の実施例によって限定されるものではない。なお、実施
例および比較例中に示した割合を示す部および%は、特
に断りの無い限り、重量を基準としたものである。
【0052】また、実施例および比較例における各種物
性の試験方法は、次に示す通りである。
【0053】ゲル含有量 共重合体ラテックスを水酸化ナトリウムにて、PH=
8.0に調整する。次に、ガラス板上にその共重合体ラ
テックスを塗り、80℃の熱風乾燥機内で4時間乾燥し
て厚さ約0.5mmのラテックスフィルムを作製する。
その後、ラテックスフィルム約1.0gを正確に秤量
後、400ccのトルエン中に入れ48時間放置溶解
し、300メッシュの金網で濾過後、乾燥し、金網上の
トルエン不溶分(ゲル)を秤量し、ゲル含有量を算出す
る。
【0054】ドライピック RI印刷機で各塗工紙試料を同時に印刷し、ピッキング
を発生させた。ピッキングの程度を肉眼で判定し、5点
から1点まで相対的に評価した。点数の高いものほど良
好である。
【0055】耐ブリスター性 両面印刷した塗工紙試料を20℃、相対湿度60%の雰
囲気中で約1昼夜調湿し、これを温度の可変調節できる
オイルバス中に投げ込み、ブリスターの発生した最低温
度(℃)を求めた。最低温度が高いほど耐ブリスター性
が良い。
【0056】耐バッキングロール汚れ性 両面印刷塗工紙を調湿(8%)し、NBRゴムシート上
にのせ、その上から約100℃に加熱した金属ロールに
より、線圧約20kg/cmの圧力にて圧着した。その
後、塗工紙をゴムシートからはがしNBRゴムシート上
の汚れの程度を肉眼で判定し、汚れないものを○、やや
汚れたものを△、かなり汚れたものを×として評価し
た。
【0057】共重合体ラテックスの作製 100リットルのオートクレーブに、水100重量部、
過硫酸カリウム1.0部及び表1および表2に示す、表
中“/”をはさんで左側の部数の単量体混合物、乳化
剤、連鎖移動剤、助剤等を仕込だ後、70℃で1時間重
合を行った。その後表1および表2に示す、表中“/”
をはさんで右側の単量体混合物、乳化剤、連鎖移動剤、
助剤等を6時間かけて連続添加した。重合転化率が97
%になるまで重合を継続し終了した。得られた共重合体
ラテックスを水酸化ナトリウムを用いてPH8に調整し
た後、水蒸気蒸留で未反応単量体等を除去し、300メ
ッシュ金網で濾過し共重合体ラテックスA−1〜A−
4、B―1〜B―6を得た。
【0058】得られた共重合体ラテックスのゲル含有量
の測定を行い、結果を表1および表2に示した。
【0059】第1塗工層用塗工液の作成 表3に示した配合処方に従って、表1および表2の共重
合体ラテックスを用いて、固形分濃度58%の第1塗工
層用の塗工液を作成した。
【0060】第2塗工層用塗工液の作成 表4に示した配合処方に従って、表1および表2の共重
合体ラテックスを用いて、固形分濃度64%の第2塗工
層用の塗工液を作成した。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
【0065】2層塗工紙の作成 市販の塗工熱風乾燥装置(株式会社オオスギ製 MLC
−100S型)を用いて、塗工原紙(坪量64g/m
2)の両面に、得られた塗工液を塗工し、各塗工層を形
成させ、2層塗工紙C―1〜C―12を作成した。な
お、この形成順序および塗工量は塗工原紙の表裏で同一
となるようにした。
【0066】また、各塗工層の形成は、全て次に示す様
な同一の条件下で行った。 塗工条件 :前記の塗工熱風乾燥装置に#3〜#6の
ワイヤーバーを適宜用い、第1塗工層および第2塗工層
の塗工量がともに乾燥後の重量で7g/m2・片面にな
るように塗工した。塗工速度は46m/min.に設定
した。 乾燥条件 :塗工から0.5秒後に、150℃に保っ
た塗工熱風乾燥装置内で、温度190℃、風速36m/
sec.の熱風により4秒間乾燥した。
【0067】得られた各塗工紙を、相対湿度65%、温
度20℃の条件下で一昼夜調湿した後、線圧70Kg/
cm、温度60℃、通紙速度7m/min、4回通紙の
条件でスーパーカレンダー処理し、各塗工紙の物性試験
に供した。これら多層塗工紙の紙質評価結果を表5〜表
6に示した。
【0068】
【発明の効果】上記の通り、本発明における共重合体ラ
テックスを使用することで、塗工工程での耐バッキング
ロール汚れ性に優れ、かつ良好な耐ブリスター性と表面
強度を有する、良好な印刷適性を有する従来に無いオフ
セット輪転印刷用多層塗工紙が得られる。
【0069】
【表5】
【0070】
【表6】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗工原紙に片面当たり少なくとも2層以
    上の顔料塗工層を設ける多層塗工紙において、塗工原紙
    に隣接する第1塗工層が下記(A)の共重合体ラテック
    スを含むことを特徴とするオフセット輪転印刷用多層塗
    工紙。 (A)脂肪族共役ジエン系単量体20〜40重量% エチレン系不飽和カルボン酸単量体1.0〜10重量% エチレン系不飽和カルボン酸アミド単量体0〜5重量 及びその他の共重合可能な単量体45〜79重量% からなる単量体を乳化重合するに際し、エチレン系不飽
    和カルボン酸単量体の全使用量X重量部のうち、Y重量
    部を重合系内に存在せしめて重合を開始し、前記XとY
    とが、下記の条件1および2を満たすように重合させて
    得られた共重合体ラテックスであって、そのフィルムの
    ゲル含有量が0〜20重量%である。 条件1:0.2≦Y≦1 条件2:0.1≦Y/(X−Y)≦0.5
  2. 【請求項2】 第1塗工層以外の少なくとも1つの塗工
    層が上記(A)の共重合体ラテックスを含むことを特徴
    とする請求項1記載のオフセット輪転印刷用多層塗工
    紙。
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