JPH10195244A - 共重合体ラテックスおよび紙塗工用組成物 - Google Patents

共重合体ラテックスおよび紙塗工用組成物

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JPH10195244A
JPH10195244A JP1780497A JP1780497A JPH10195244A JP H10195244 A JPH10195244 A JP H10195244A JP 1780497 A JP1780497 A JP 1780497A JP 1780497 A JP1780497 A JP 1780497A JP H10195244 A JPH10195244 A JP H10195244A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗工作業性に優れ、かつ表面強度、耐水強
度、インク受理性等にも優れた塗工紙を与えることがで
きる共重合体ラテックスおよびこれを用いた紙塗工用組
成物を提供する。 【解決手段】 共重合体ラテックスは、(a)脂肪族共
役ジエン系単量体、(b)エチレン性不飽和カルボン酸
単量体および(c)他の共重合可能なビニル系単量体か
らなる共重合体ラテックスにおいて、乳化剤が下記式
(1)で表されるアルキルベンゼンスルホン酸塩を全乳
化剤成分中に50〜95重量%含有する。 【化1】 (式中、R1 は炭素数3〜6のアルキル基を示し、R2
はそれとR1 との合計炭素数が9〜13となるアルキル
基を示し、MはK、NaまたはNH4 を示す。)紙塗工
用組成物は、前記共重合体ラテックスを含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙塗工用組成物の
構成成分として好適な共重合体ラテックスおよびこれを
用いた紙塗工用組成物に関し、さらに詳しくは、塗工作
業性に優れるとともに、表面強度、耐水強度、インク受
容性等にも優れた塗工紙を与えることのできる共重合体
ラテックスおよび該共重合体ラテックスを用いた紙塗工
用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、顔料と水性バインダーとを主
体とする紙塗工用組成物を紙に塗工し、印刷適性に優れ
た塗工紙が製造されており、該紙塗工用組成物の主バイ
ンダーとしては、その優れた接着強度から、一般に共重
合体ラテックスが使用されている。近年、印刷物の高級
化や印刷プロセスの高速化の流れに伴い、塗工紙に要求
される性能も厳しくなってきており、今日では表面強
度、耐水強度、インク受容性、印刷光沢、耐ブリスター
性等に優れた塗工紙が要求されるようになっている。ま
た、塗工紙の製造プロセスそのものも高速化しており、
塗工作業性の観点から、紙塗工用組成物から形成される
塗膜の耐水性および低粘着性(ベトツキ防止性)が強く
要求されている。しかしながら、これらの要求特性は互
いに背反する性質がほとんどであり、すべての特性をバ
ランスよく高いレベルで確保することは極めて困難であ
る。例えば、接着強度を改良する目的で、脂肪族共役ジ
エン系単量体の含有量を増加させ、得られる共重合体の
ガラス転移点を低くする方法が試みられているが、この
方法では、耐水性およびベトツキ防止性の特性低下が著
しい。また、逆にガラス転移点を高くすると、耐水性お
よびベトツキ防止性の点では良好であるが、接着強度お
よび印刷光沢の特性低下が著しい。このように、従来の
紙塗工用組成物では、塗工紙および塗膜について何れか
の特性が改良されたとしても、それらの幅広い特性に対
する前記諸要求を満たすのは困難であるのが現状であ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の技術
的背景のもとになされたものであり、その課題は、塗工
作業性に優れ、かつ表面強度、耐水強度、インク受容性
等にも優れた塗工紙を与えることができる共重合体ラテ
ックスおよび該共重合体ラテックスを用いた紙塗工用組
成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、第一
に、(a)脂肪族共役ジエン系単量体20〜70重量
%、(b)エチレン性不飽和カルボン酸単量体0.5〜
7重量%および(c)他の共重合可能なビニル系単量体
3〜73重量%からなる単量体混合物の共重合体を乳化
剤により乳化分散してなる共重合体ラテックスにおい
て、前記乳化剤が下記式(1)で表されるアルキルベン
ゼンスルホン酸塩を全乳化剤成分中に50〜95重量%
含有することを特徴とする共重合体ラテックス、
【0005】
【化1】
【0006】(式中、R1 は炭素数3〜6のアルキル基
を示し、R2 はそれとR1 との合計炭素数が9〜13と
なるアルキル基を示し、MはK、NaまたはNH4 を示
す。)からなる。
【0007】本発明の要旨は、第二に、前記共重合体ラ
テックスを含有することを特徴とする紙塗工用組成物、
からなる。
【0008】以下、本発明について詳述する。脂肪族共
役ジエン系単量体としては、例えば、1,3−ブタジエ
ン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−
1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタ
ジエン等を挙げることができ、特に1,3−ブタジエン
が好ましい。これらの脂肪族共役ジエン系単量体は、単
独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
この脂肪族共役ジエン系単量体は、得られる共重合体ラ
テックスに適度な柔軟性と伸びを与えるために必須の成
分であり、その使用割合は、共重合体ラテックスを製造
する際の全単量体の20〜70重量%、好ましくは25
〜65重量%である。脂肪族共役ジエン系単量体の使用
割合が、全単量体の20重量%未満では、塗膜の柔軟性
と伸びに劣り、一方全単量体の70重量%を越えると、
塗膜の耐水強度に劣るものとなる。また、エチレン性不
飽和カルボン酸単量体としては、例えば、アクリル酸、
メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、
フマル酸等を挙げることができ、特にアクリル酸、イタ
コン酸、フマル酸が好ましい。これらのエチレン性不飽
和カルボン酸単量体は、単独でまたは2種以上を混合し
て使用することができる。エチレン系不飽和カルボン酸
単量体の使用割合は、共重合体ラテックスを製造する際
の全単量体の0.5〜7重量%、好ましくは1〜6.5
重量%である。エチレン系不飽和カルボン酸単量体の使
用割合が、0.5重量%未満では、重合時のラテックス
の安定性が低下し、凝固物が生成し易くなり、また得ら
れるラテックスの機械的安定性や化学的安定性に劣り、
一方7重量部を越えると、得られるラテックスの粘度が
高くなり過ぎ、その取り扱いが難しくなり、塗工作業性
が低下し、実用性に欠けるものとなる。
【0009】前記脂肪族共役ジエン系単量体およびエチ
レン系不飽和カルボン酸単量体と共重合可能な他のビニ
ル系単量体としては、例えば、芳香族ビニル系単量体、
置換もしくは非置換のアルキル(メタ)アクリレート
類、シアン化ビニル系単量体、酢酸ビニル等を挙げるこ
とができる。これらのうち、芳香族ビニル系単量体とし
ては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メ
チルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−ク
ロロスチレン等を挙げることができ、特にスチレンが好
ましい。また、置換もしくは非置換のアルキル(メタ)
アクリレート類としては、例えば、メチル(メタ)アク
リレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル
(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレ
ート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル
(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリ
レート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシ
ル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)
アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ベ
ンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリ
レート、ステアリル(メタ)アクリレート、グリシジル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−シアノエ
チル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、2−ジエチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート等を挙げることができ、特にメチルメ
タクリレートが好ましい。さらに、シアン化ビニル系単
量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロ
ニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニ
リデン等を挙げることができ、特にアクリロニトリルが
好ましい。これらの共重合可能な他のビニル系単量体
は、単独でまたは2種以上を混合して使用することがで
きる。
【0010】本発明で使用される乳化剤は、前記式
(1)で表されるアルキルベンゼンスルホン酸塩(以
下、「乳化剤(1)」という。)を全乳化剤成分中に特
定割合で含有していることを特徴としている。式(1)
において、R1 の炭素数3〜6のアルキル基としては、
例えば、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル
基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、
n−ペンチル基、n−ヘキシル基等を挙げることができ
る。また、R2 のR1 との合計炭素数が9〜13となる
アルキル基としては、例えば、n−プロピル基、i−プ
ロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチ
ル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル
基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキ
シル基、n−ノニル基、n−デシル基等を挙げることが
できる。また、Mとしては、特にNaが好ましい。乳化
剤(1)としては、特に
【0011】
【化2】
【0012】
【化3】
【0013】
【化4】
【0014】
【化5】
【0015】が好ましい。また、乳化剤(1)と共に使
用される他の乳化剤としては、アニオン性界面活性剤、
ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等を挙げること
ができる。前記アニオン性界面活性剤としては、例え
ば、乳化剤(1)以外のアルキルベンゼンスルホン酸塩
類、高級アルコールの硫酸エステル塩類、脂肪族スルホ
ン酸塩類、ポリエチレングリコールアルキルエーテルの
硫酸エステル塩類等を挙げることができる。前記ノニオ
ン界面活性剤としては、例えば、ポリエチレングリコー
ルのアルキルエステル類、ポリエチレングリコールのア
ルキルエーテル類、ポリエチレングリコールのアルキル
フェニルエーテル類等を挙げることができる。前記両性
界面活性剤としては、例えば、アニオン部分としてカル
ボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、燐酸エステ
ル塩等の構造をもち、またカチオン部分としてアミン
塩、第4級アンモニウム塩等の構造をもつものを挙げる
ことができ、具体的にはラウリルベタイン、ステアリル
ベタイン等のベタイン類;ラウリルーβ−アラニン、ス
テアリル−β−アラニン、ラウリルジ(アミノエチル)
グリシン、オクチルジ(アミノエチル)グリシン等のア
ミノ酸類等が用いられる。これらの他の乳化剤は、単独
でまたは2種以上を混合して使用することができる。本
発明における全乳化剤成分中の乳化剤(1)の含有率
は、50〜95重量%、好ましくは55〜85重量%で
ある。乳化剤(1)の含有率が、50重量%未満では、
共重合体の耐水性に劣り、一方95重量%を越えると、
塗膜のインク受容性と塗工用組成物の洗浄性が大きく低
下するものとなる。
【0016】本発明の共重合体ラテックスは、(a)脂
肪族共役ジエン系単量体20〜70重量%、(b)エチ
レン性不飽和カルボン酸単量体0.5〜7重量%および
(c)他の共重合可能なビニル系単量体3〜73重量%
からなる単量体混合物の共重合体を乳化剤により乳化分
散してなる共重合体ラテックスからなるが、かかる共重
合体ラテックスは、好ましくは、前記(a)成分、
(b)成分および(c)成分からなる単量体混合物を、
乳化剤(1)を前記特定割合で含有する乳化剤および重
合開始剤の存在下、場合により公知の分子量調節剤、キ
レート化剤、無機電解質等の共存下で、乳化重合するこ
とにより製造される。前記重合開始剤としては、例え
ば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモ
ニウム等の水溶性重合開始剤;過酸化ベンゾイル、過酸
化ラウロイル、2、2’ーアゾビスイソビチロニトリル
等の油溶性開始剤;酸化剤と還元剤との組み合わせによ
るレドックス系開始剤等が、それぞれ単独であるいは2
種以上を組み合わせで使用することができる。前記分子
量調節剤としては、例えば、クロロホルム、四臭化炭素
等のハロゲン化炭化水素類;n−ヘキシルメルカプタ
ン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプ
タン、t−ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸等
のメルカプタン類;ジメチルキサントゲンジスルフィ
ド、ジ−i−プロピルキサントゲンジスルフィド等のキ
サントゲン類;αーメチルスチレンダイマー等の通常の
乳化重合に用いられるものが、単独でまたは2種以上を
混合して使用することができる。本発明における乳化重
合に際しては、反応容器に単量体混合物の全量を一括し
て仕込む方法、単量体混合物を重合の進行に伴って連続
的にまたは断続的に仕込む方法、単量体混合物の一部を
仕込んで重合を開始したのち、残りの単量体混合物を一
括してまたは連続的にもしくは断続的に仕込んで重合す
る方法等のいずれの方法でもよい。これらの場合、連続
的にあるいは断続的に添加される単量体混合物の組成は
同一であっても変化させてもよい。乳化重合の重合温度
は、通常、5〜85℃、好ましくは20〜80℃であ
り、重合時間は、通常、10〜30時間である。また、
乳化重合における最終的な重合転化率は、90%以上が
好ましい。本発明の共重合体ラテックスの粒子径は、通
常、50〜350nm、好ましくは70〜300nmで
ある。
【0017】次に、本発明における、前記共重合体ラテ
ックスを含有する紙塗工用組成物は、通常、前記共重合
体ラテックスを、無機顔料および/または有機顔料と共
に、さらに必要に応じて他のバインダー、助剤等を配合
し、混合して調製される。本発明の紙塗工用組成物にお
ける前記共重合体ラテックスの含有量(固形分として)
は、顔料100重量部に対して、通常、1〜30重量
部、好ましくは3〜25重量部である。共重合体ラテッ
クスの含有量が1重量部未満では、塗膜の接着強度が著
しく低下し、一方30重量部を越えると、塗膜のインク
乾燥性の低下が著しい。前記無機顔料としては、例え
ば、クレー、硫酸バリウム、酸化チタン、炭酸カルシウ
ム、サチンホワイト、酸化亜鉛等を挙げることができ、
また有機顔料としては、例えば、ポリスチレン粒子、尿
素ホルマリン樹脂等を挙げることができる。これらの顔
料は、目的に応じて、単独でまたは2種以上を混合して
使用することができる。また、前記他のバインダーとし
ては、例えば、カゼイン、カゼイン変性物、澱粉、澱粉
変性物、ポリビニールアルコール、カルボキシメチルセ
ルロース等の水溶性物質を、単独でまたは2種以上を混
合して使用することができる。さらに、前記助剤として
は、一般に使用される種々のラテックス用配合剤、例え
ば、耐水性改良剤、顔料分散剤、粘度調節剤、蛍光染
料、pH調節剤等を挙げることができる。本発明の紙塗
工用組成物は、特にオフセット印刷用紙に対する塗工剤
として好適に使用することができる他、凸版印刷、グラ
ビヤ印刷等の他の各種印刷用紙に対する塗工剤や、一般
用紙の塗工剤、カーペット裏打ち剤、接着剤、一般用塗
料等としても使用することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、実施例を挙げて、本発明の
実施の形態をさらに具体的に説明するが、本発明はその
主旨を越えない限り、以下の実施例に制約されるもので
はない。なお、実施例および比較例における「部」およ
び「%」は、ともに重量基準である。
【実施例】
実施例1 〈共重合体ラテックスの製造〉内容積10リットルのオ
ートクレーブに、水150部、過硫酸カリウム1部、重
亜硫酸ナトリウム0.5部、単量体混合物としてブタジ
エン40部、スチレン37部、メチルメタクリレート1
0部、アクリロニトリル10部、イタコン酸1部および
フマル酸2部、分子量調節剤としてt−ドデシルメルカ
プタン1部およびα−メチルスチレンダイマー1.5
部、乳化剤(1)として前記式(2)、式(3)、式
(4)あるいは式(5)で表される各アルキルベンゼン
スルホン酸ナトリウムの混合物からなり、構成比率が式
(2)/式(3)/式(4)/式(5)=20/20/
30/30である乳化剤(以下、「乳化剤(1a)」と
いう。)0.6部、他の乳化剤として下記式(6)ある
いは式(7)で表される各アルキルベンゼンスルホン酸
ナトリウムの混合物からなり、構成比率が式(6)/式
(7)=20/80である乳化剤(以下、「乳化剤
(b)」という。)0.2部およびラウリン酸ナトリウ
ム0.2部を一括して仕込み、65℃で20時間重合さ
せて、表1に示す共重合体ラテックスを製造した。この
場合の最終的な重合転化率は98%であった。この共重
合体ラテックスを、共重合体ラテックス(A1)とす
る。
【0019】
【化6】
【0020】
【化7】
【0021】共重合体ラテックス(A1)について、粒
子径およびトルエン不溶分を下記のようにして測定し
た。 粒子径:コールター社製のサブミクロンアナライザー
(モデルN4)を用いて、常法により測定した。 トルエン不溶分:共重合体ラテックス(A1)をpH
8.0に調整したのち、i−プロパノールで凝固させ
た。次いで、この凝固物を洗浄、乾燥したのち、所定量
(約0.03g)の試料を所定量(100ミリリット
ル)のトルエン中に20時間浸漬した。その後、試料を
120メッシュの金網でろ過し、得られた残存固形分の
仕込み全固形分に対する割合を求めた。以上の結果を、
表1に示す。
【0022】実施例2 〈共重合体ラテックスの製造〉内容積10リットルのオ
ートクレーブに、水150部、過硫酸カリウム1部、重
亜硫酸ナトリウム0.5部、単量体混合物(初期添加
分)としてブタジエン25部、スチレン7部、アクリロ
ニトリル10部、イタコン酸0.5部およびアクリル酸
0.5部、分子量調節剤(初期添加分)としてt−ドデ
シルメルカプタン0.3部、乳化剤(1)(初期添加
分)として乳化剤(1a)0.6部、他の乳化剤(初期
添加分)として乳化剤(b)0.4部を一括して仕込
み、45℃で6時間重合させた。次いで、重合転化率が
70%以上であることを確認したのち、単量体混合物
(後添加分)としてブタジエン20部、スチレン19.
5部、アクリロニトリル10部、メチルメタクリレート
6部、アクリル酸0.5部およびイタコン酸1部、分子
量調節剤(後添加分)としてtードデシルメルカプタン
0.4部およびαーメチルスチレンダイマー0.5部
を、60℃で7時間にわたって連続的に添加しつつ重合
を継続させ、さらに連続添加終了後6時間にわたって7
0℃で重合させた。この場合の最終的な重合転化率は9
9%であった。この共重合体ラテックスを、共重合体ラ
テックス(A2)とする。共重合体ラテックス(A2)
の粒子径およびトルエン不溶分を、実施例1と同様にし
て測定した。以上の結果を、表1に示す。
【0023】実施例3〜4 〈共重合体ラテックスの製造〉表1に示す単量体混合物
(初期添加分および後添加分)、分子量調節剤(初期添
加分および後添加分)並びに乳化剤成分(初期添加分お
よび後添加分)を用いた以外は、実施例2と同様にし
て、共重合体ラテックスを製造した。これらの場合の最
終的な重合転化率はともに98%であった。これらの共
重合体ラテックスを、それぞれ共重合体ラテックス(A
3)、共重合体ラテックス(A4)とする。共重合体ラ
テックス(A3)および(A4)の粒子径およびトルエ
ン不溶分を、実施例1と同様にして測定した。以上の結
果を、表1に示す。
【0024】実施例5 〈共重合体ラテックスの製造〉内容積10リットルのオ
ートクレーブに、水100部、過硫酸カリウム1部、重
亜硫酸ナトリウム0.5部、単量体混合物(初期添加
分)としてブタジエン3部、スチレン2部、メチルメタ
クリレート2部およびアクリロニトリル2部、分子量調
節剤(初期添加分)としてtードデシルメルカプタン
0.1部、乳化剤(1)(初期添加分)として乳化剤
(1a)0.6部、他の乳化剤として乳化剤(b)0.
3部およびラウリン酸ナトリウム0.1部を一括して仕
込み、65℃で2時間重合させた。次いで、重合転化率
が90%以上であることを確認したのち、単量体混合物
(後添加分)としてブタジエン41部、スチレン27
部、アクリロニトリル14部、メタクリル酸メチル6
部、アクリル酸1.5部およびイタコン酸1.5部、分
子量調節剤(後添加分)としてtードデシルメルカプタ
ン0.7 部およびαーメチルスチレンダイマー1.5
部を、75℃で5時間にわたって連続的に添加して重合
を継続させ、さらに連続添加終了後5時間にわたって7
5℃で重合させた。この場合の重合転化率は98%であ
った。この共重合体ラテックスを、共重合体ラテックス
(A5)とする。共重合体ラテックス(A5)の粒子径
およびトルエン不溶分を、実施例1と同様にして測定し
た。以上の結果を、表1に示す。
【0025】実施例6 〈共重合体ラテックスの製造〉表1に示す単量体混合物
(初期添加分および後添加分)、分子量調節剤(初期添
加分および後添加分)並びに乳化剤成分(初期添加分お
よび後添加分)を用いた以外は、実施例5と同様にし
て、共重合体ラテックスを製造した。この場合の最終的
な重合転化率は99%であった。この共重合体ラテック
スを、共重合体ラテックス(A6)とする。共重合体ラ
テックス(A6)の粒子径およびトルエン不溶分を、実
施例1と同様にして測定した。以上の結果を、表1に示
す。
【0026】実施例7〜12 〈紙塗工用組成物の調製と評価〉実施例1〜6で製造し
た各共重合体ラテックスを用いて、下記の配合処方によ
り、各オフセット印刷用紙塗工用組成物を調製した。 配合処方 共重合体ラテックス(固形分として) 10.0部 カオリンクレー 70.0部 炭酸カルシウム 30.0部 顔料分散剤 0.2部 水酸化ナトリウム 0.1部 デンプン 4.0部 水 全固形分が60%となる量 各オフセット印刷用紙塗工用組成物を塗被原紙上に、塗
工量が片面18.0±0.5g/m2 となるように、電
動式ブレードコーター(熊谷理器(株)製)を用いて塗
工したのち、150℃の電気式熱風乾燥機にて15秒間
乾燥した。次いで、得られた各塗工紙を温度23℃、湿
度50%の恒温恒湿槽内に一昼夜放置したのち、線圧1
00kg/cm、ロール温度50℃の条件によるスーパ
ーカレンダー処理を4回行った。得られた各塗工紙の性
能評価を、下記の方法により行った。 1)ドライピック強度 RI印刷機で印刷したときのピッキングの程度を、肉眼
にて5段階で評価した。ピッキング現象の少ないものほ
ど高得点とした。数値は、5段階評価を6回行ったとき
の平均値で示した。 2)ウエットピック強度 RI印刷機を用いて、各塗工紙の表面を吸水ロールで湿
らしてから、RI印刷機で印刷したときのピッキングの
程度を、肉眼にて5段階で評価した。ピッキング現象の
少ないものほど高得点とした。数値は、5段階評価を6
回行ったときの平均値で示した。 3)インク受容性 RI印刷機を用いて、各塗工紙の表面に、水を付着させ
たゴムロールで水を付与したのち、オフセット用墨イン
クで印刷し、インクの濃さを濃度計(大日本スクリーン
(株)製)により測定した。インク濃度値が大きいもの
ほど、インク受容性に優れている。 4)ベトツキ防止性 各共重合体ラテックスをマイラーフィルムに、ワイヤー
バーを用いて塗工したのち、140℃で30秒間乾燥し
て、塗膜を形成させた。この塗膜と黒羅紗紙を合わせ
て、線圧200kg/cm、ロール温度35℃の条件
で、カレンダーに通して圧着させたのち、黒羅紗紙をマ
イラーフィルムより剥離させ、黒羅紗紙繊維のラテック
スフィルム上への転移の程度を、肉眼にて5段階で評価
した。転移の少ないものほど高得点とした。数値は、5
段階評価を6回行ったときの平均値で示した。 5)紙塗工用組成物の洗浄性 各紙塗工用組成物をマイラーフィルムに、ワイヤーバー
を用いて塗工したのち、100℃で10秒間乾燥して、
塗膜を形成させた。次いで、マイラーフィルムを水中に
浸漬し、10分後の状態を、肉眼にて5段階で評価し
た。溶解部分の面積が大きいものほど高得点とした。数
値は、5段階評価を6回行ったときの平均値で示した。
各塗工紙の評価結果を、表2に示す。
【0027】比較例1〜5 〈共重合体ラテックスの製造〉比較例1は、表3に示す
単量体混合物、分子量調節剤および乳化剤成分を用いた
以外は、実施例1と同様にして、共重合体ラテックスを
製造し、また比較例2〜5は、単量体混合物(初期添加
分および後添加分)、分子量調節剤(初期添加分および
後添加分)並びに乳化剤成分(初期添加分および後添加
分)を用いた以外は、実施例2と同様にして、各共重合
体ラテックスを製造した。これらの場合の最終的な重合
転化率は97〜99%であった。これらの比較例は、乳
化剤(1)の含有量が、全乳化剤成分中の50〜95重
量%の範囲外である。得られた共重合体ラテックスを、
順次共重合体ラテックス(B1)〜(B5)とする。共
重合体ラテックス(B1)〜(B5)の粒子径およびト
ルエン不溶分を、実施例1と同様にして測定した。以上
の結果を、表3に示す。
【0028】比較例6〜10 〈紙塗工用組成物の調製と評価〉比較例1〜5で製造し
た各共重合体ラテックスを用い、実施例7〜12と同様
にして、各オフセット印刷用紙塗工用組成物を調製した
のち、各塗工紙を得て、性能評価を行った。評価結果を
表4に示す。その結果、比較例6〜10では、乳化剤
(1)を全乳化剤成分中の50〜95重量%の範囲で含
有していないため、得られた各塗工紙は何れも、ドライ
ピック強度、ウエットピック強度、インク受容性、ベト
ツキ防止性に劣り、かつ各紙塗工用組成物は何れも洗浄
性に劣っている。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】
【発明の効果】本発明の共重合体ラテックスは、紙塗工
用組成物の構成成分として極めて好適に使用することが
できる。また、本発明の紙塗工用組成物は、従来の紙塗
工用組成物では達成出来なかった、高度の表面強度、耐
水強度、インク受容性、ベトツキ防止性および洗浄性を
示し、当該技術分野で要求される幅広い特性について、
優れた性能バランスを有するものであり、極めて工業的
価値の高いものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)脂肪族共役ジエン系単量体20〜
    70重量%、(b)エチレン性不飽和カルボン酸単量体
    0.5〜7重量%および(c)他の共重合可能なビニル
    系単量体3〜73重量%からなる単量体混合物の共重合
    体を乳化剤により乳化分散してなる共重合体ラテックス
    において、前記乳化剤が下記式(1)で表されるアルキ
    ルベンゼンスルホン酸塩を全乳化剤成分中に50〜95
    重量%含有することを特徴とする共重合体ラテックス。 【化1】 (式中、R1 は炭素数3〜6のアルキル基を示し、R2
    はそれとR1 との合計炭素数が9〜13となるアルキル
    基を示し、MはK、NaまたはNH4 を示す。)
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の共重合体ラテックスを
    含有することを特徴とする紙塗工用組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007131964A (ja) * 2005-11-09 2007-05-31 Asahi Kasei Chemicals Corp 共重合体ラテックス組成物、印刷紙塗被用塗料組成物、及び印刷用塗工紙

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