JP2001172894A - 紙塗工用共重合体ラテックスの製造方法、紙塗工用共重合体ラテックス、および紙塗工用組成物 - Google Patents

紙塗工用共重合体ラテックスの製造方法、紙塗工用共重合体ラテックス、および紙塗工用組成物

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JP2001172894A
JP2001172894A JP35428199A JP35428199A JP2001172894A JP 2001172894 A JP2001172894 A JP 2001172894A JP 35428199 A JP35428199 A JP 35428199A JP 35428199 A JP35428199 A JP 35428199A JP 2001172894 A JP2001172894 A JP 2001172894A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗工紙の接着強度が大幅に改良され、かつ印
刷光沢などの塗工紙物性、ならびに再分散性、機械的安
定性、ベトツキ防止性等の塗工操業性に優れた紙塗工用
共重合体ラテックスの製造方法、紙塗工用共重合体ラテ
ックス、ならびに紙塗工用組成物を提供する。 【解決手段】 単量体をラジカル触媒および還元剤を含
む重合開始剤を用いて乳化重合する工程を含み、前記単
量体の反応工程中に前記還元剤の少なくとも一部を回分
的および連続的の少なくとも一方の方法で添加すること
により共重合体ラテックスを製造する方法であって、G
PCの測定から得られる分子量分布においてポリスチレ
ン換算の分子量で100万に対応する溶出時間より遅く
検出される成分の重量平均分子量が30,000〜40
0,000である共重合体ラテックスを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙塗工用共重合体
ラテックスに関し、詳しくは、接着強度、印刷光沢など
の塗工紙特性に優れ、かつ機械的安定性、ベトツキ防止
性などの塗工操業性に優れた紙塗工用共重合体ラテック
スの製造方法、紙塗工用共重合体ラテックス、ならびに
該紙塗工用共重合体ラテックスを用いた紙塗工用組成物
に関する。
【0002】
【背景技術】従来より、顔料と水性バインダとを主体と
した紙塗工用組成物を紙に塗工することにより、印刷適
性に優れた塗工紙が製造されている。共重合体ラテック
スは、その優れた接着強度から紙塗工用組成物の主バイ
ンダとして使用されている。
【0003】近年、印刷の高級化、高速化にともない、
塗工紙に要求される性能は厳しくなってきており、接着
強度、耐水強度、剛性、インキ転移性、印刷光沢などの
改良が要求されるようになった。
【0004】一方、塗工紙の製造そのものも高速化して
きており、塗工操業性の改良が強く要求されるようにな
ってきている。塗工操業性は、凝集物の発生の低減や耐
ロール汚れ性(ベトツキ防止性)の改良により向上させ
ることができる。
【0005】また、近年はコスト低減の目的からバイン
ダ量を低減する要求が高まっていることから、より少量
の添加量でも十分な接着強度を示すバインダが求められ
ている。共重合体ラテックスの接着強度を改良するため
に、例えば共重合体ラテックス中のゲル含量を調製する
方法や、共重合体の組成を調製するなどの改良方法が提
案されている。しかしながら、接着強度と他の特性とは
互いに背反することが多く、全ての特性をバランスよく
改良することは容易ではなかった。
【0006】例えば、共重合体ラテックスの接着強度を
改良する方法として、共重合体ラテックスを製造する際
に用いる共役ジエン化合物の量を増やして共重合体のガ
ラス転移温度を低くする方法が従来より行われてきた。
しかしながら、この方法では、ベトツキ防止性およびラ
テックスの機械的安定性を改善することは難しい。逆
に、ガラス転移温度を高くすると、機械的安定性、耐水
性、剛性は良好であるが、接着強度および印刷光沢を維
持することが難しい。
【0007】あるいは、官能基を有する単量体を多量に
用いて共重合体ラテックスを製造することにより、共重
合体ラテックスの接着強度を改良する方法もある。しか
しながら、この方法では、ラテックスの粘度が高くなる
ため、作業性が低下することが多い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、塗工
紙の接着強度が大幅に改良され、印刷光沢などの塗工紙
物性、ならびに再分散性、機械的安定性、ベトツキ防止
性などの塗工操業性に優れた紙塗工用共重合体ラテック
スを製造する方法、紙塗工用共重合体ラテックス、なら
びに前記紙塗工用共重合体ラテックスを用いた紙塗工用
組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の紙塗工用共重合
体ラテックスの製造方法は、(a)共役ジエン化合物1
0〜80重量%、(b)不飽和カルボン酸単量体0.0
1〜10重量%、(c)シアン化ビニル単量体0〜30
重量%、ならびに(d)前記(a)〜(c)と共重合可
能な他の単量体0〜89.99重量%からなる単量体
を、ラジカル触媒および還元剤を含む重合開始剤を用い
て乳化重合する工程を含み、前記単量体の反応工程中に
前記還元剤の少なくとも一部を回分的および連続的の少
なくとも一方の方法で添加することにより共重合体ラテ
ックスを製造する方法であって、ゲルパーミエーション
クロマトグラフィー(GPC)の測定から得られる分子
量分布において、ポリスチレン換算の分子量で100万
に対応する溶出時間より遅く検出される成分の重量平均
分子量が30,000〜400,000である共重合体
ラテックスを製造する。
【0010】本発明の紙塗工用共重合体ラテックスの製
造方法によれば、塗工紙の接着強度が大幅に改良され、
かつ印刷光沢などの塗工紙物性、ならびに再分散性、機
械的安定性、ベトツキ防止性などの塗工操業性に優れた
紙塗工用共重合体ラテックスを得ることができる。
【0011】また、前記単量体の反応工程中に、還元剤
の少なくとも一部を回分的、連続的、あるいはこの両者
を組み合わせて添加することにより、共重合体ラテック
スの機械的安定性・化学的安定性が向上する。
【0012】本発明の紙塗工用共重合体ラテックスの製
造方法の好ましい態様としては、以下に示すものがあ
る。
【0013】下記の単量体(A)成分を重合して得られ
る重合体(P)5〜80重量部の存在下で、下記の単量
体(B)成分20〜95重量部(ここで、(A)および
(B)の合計量は100重量部である)を、ラジカル触
媒および還元剤を含む重合開始剤を用いて乳化重合して
共重合体ラテックスを製造する方法であって、前記重合
体(P)のガラス転移温度が0℃以下であり、少なくと
も前記単量体(B)成分の反応工程中に、前記還元剤の
少なくとも一部を回分的および連続的の少なくとも一方
の方法で添加することにより紙塗工用共重合体ラテック
スを製造する紙塗工用共重合体ラテックスの製造方法で
ある。 単量体(A) 共役ジエン化合物 20〜99 (重量%) 不飽和カルボン酸単量体 0〜10 (重量%) シアン化ビニル単量体 0〜50 (重量%) 他の共重合可能な単量体 0〜79 (重量%) 単量体(B) 共役ジエン化合物 0〜80 (重量%) 不飽和カルボン酸単量体 0.01〜20 (重量%) シアン化ビニル単量体 0〜30 (重量%) 他の共重合可能な単量体 0〜99.99(重量%) ただし、単量体(A)と単量体(B)との合計が、以下
の条件を満たすものとする。
【0014】 共役ジエン化合物 10〜80 (重量%) 不飽和カルボン酸単量体 0.01〜10 (重量%) シアン化ビニル単量体 0〜30 (重量%) 他の共重合可能な単量体 0〜89.99(重量%) この紙塗工用共重合体ラテックスの製造方法によれば、
ラジカル触媒および還元剤を用いて、重合体(P)の存
在下で単量体(B)とを乳化重合する際に、単量体
(B)の反応工程中に、還元剤の少なくとも一部を回分
的、連続的、あるいはこの両者を組み合わせて添加する
ことにより、前記に示したのと同じ効果が得られる。ま
た、重合体(P)は、ガラス転移温度が0℃以下である
ことにより、高い耐衝撃性および良好な接着強度を有す
る共重合体ラテックスを得ることができる。
【0015】この場合、GPCの測定から得られる分子
量分布において、ポリスチレン換算の分子量で100万
に対応する溶出時間より遅く検出される成分の重量平均
分子量が30,000〜400,000である共重合体
ラテックスを製造することにより、前述した効果を奏す
ることができる。
【0016】また、重合開始剤は、ラジカル触媒、還元
剤、および酸化還元触媒の組み合わせからなることが好
ましい。重合開始剤は、ラジカル触媒、還元剤、および
酸化還元触媒の組み合わせからなることにより、接着強
度、再分散性、ベタツキ防止性、機械的安定性等に優れ
た共重合体ラテックスを得ることができる。
【0017】また、前記乳化重合は、反応容器内の温度
が5〜60℃で行われることが望ましい。反応容器内の
温度が5〜60℃の条件にて前記乳化重合を行うことに
より、特に、紙塗工用バインダとしてのドライピック強
度およびベタツキ防止性のバランスが良好な共重合体ラ
テックスを製造することができる。
【0018】また、本発明の紙塗工用共重合体ラテック
スは、(a)共役ジエン化合物10〜80重量%、
(b)不飽和カルボン酸単量体0.01〜10重量%、
(c)シアン化ビニル単量体0〜30重量%、ならびに
(d)前記(a)〜(c)と共重合可能な他の単量体0
〜89.99重量%からなる単量体を、ラジカル触媒お
よび還元剤を含む重合開始剤を用いて乳化重合する工程
を含み、前記単量体の反応工程中に前記還元剤の少なく
とも一部を回分的および連続的の少なくとも一方の方法
で添加することにより得られる共重合体ラテックスであ
って、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)の測定から得られる分子量分布において、ポリスチ
レン換算の分子量で100万に対応する溶出時間より遅
く検出される成分の重量平均分子量が30,000〜4
00,000である。
【0019】本発明の紙塗工用共重合体ラテックスによ
ると、前記構成を有することにより、前述した効果を奏
することができる。
【0020】本発明の紙塗工用組成物は、前述した紙塗
工用共重合体ラテックスの製造方法により得られた紙塗
工用共重合体ラテックスと顔料とを主成分とするもの
で、接着強度に優れ、かつ耐水強度などの他の塗工紙特
性も良好であり、各種の印刷用紙、特にオフセット印刷
用紙およびグラビア印刷用紙に好適である。
【0021】さらに、本発明の紙塗工用組成物において
は、顔料として中空重合体を使用する場合、中空重合体
粒子は、前記顔料の一部または全部に使用される。中空
重合体粒子とは、重合体層の内部に空孔を有する重合体
粒子をいう。中空重合体粒子は内部に空孔を有すること
から、例えば酸化チタンのように従来から用いられてい
る顔料と比較して軽量である。このため、前記顔料の一
部または全部が中空重合体粒子であることにより、塗工
紙の軽量化を図ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の紙塗工用共重合体
ラテックスの製造方法、紙塗工用共重合体ラテックス、
ならびに前記紙塗工用共重合体ラテックスを用いた紙塗
工用組成物について詳細に説明する。
【0023】(紙塗工用共重合体ラテックス) (単量体の組成)紙塗工用共重合体ラテックスの製造に
使用する(a)共役ジエン化合物は、得られる重合体に
適度な柔軟性と伸びを与え、耐衝撃性を付与するための
成分である。
【0024】(a)共役ジエン化合物の具体例として
は、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチ
ル1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエ
ン、2−メチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタ
ジエン、クロロプレン、2−クロル−1,3−ブタジエ
ン、シクロペンタジエンなどが挙げられる。これらは、
単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用すること
ができる。これらのうち、ブタジエンが特に好ましい。
【0025】(a)共役ジエン化合物の使用量は、全単
量体の使用量を100重量%として、10〜80重量
%、好ましくは、20〜75重量%の範囲から選択され
る。この使用量が10重量%未満では十分な接着強度を
得ることができず、一方80重量%を超えると、耐水性
および接着強度が低下して好ましくない。
【0026】紙塗工用共重合体ラテックスの製造に用い
ることができる(b)不飽和カルボン酸単量体、あるい
は水性媒体を用いて乳化重合する場合に(b)不飽和カ
ルボン酸単量体に変化するものの具体例として下記のも
のを挙げることができる。
【0027】(イ)アクリル酸、メタクリル酸、クロト
ン酸などのモノカルボン酸類 (ロ)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのジカル
ボン酸類 (ハ)マレイン酸メチル、イタコン酸メチル、β−メタ
アクリルオキシエチルアシッドヘキサハイドロフタレー
トなどのハーフエステル類 (ニ)上記(イ)、(ロ)の不飽和カルボン酸類の無水
物。例えば、アクリル酸無水物、マレイン酸無水物など
は、水性媒体中で乳化重合する際にカルボン酸に変化す
るので、乳化重合の際の単量体として用いることができ
る。 (ホ)(イ)〜(ニ)のカリウム塩、ナトリウム塩、ア
ンモニウム塩また、これらは、単独でも、2種以上を組
み合わせて使用することもできる。なかでも、(b)不
飽和カルボン酸単量体として、より好ましくは、上記
(イ)モノカルボン酸類、(ロ)ジカルボン酸類、
(ハ)ハーフエステル類、および(ニ)ジカルボン酸無
水物からなる群から選択される少なくとも1種を用い
る。
【0028】(b)不飽和カルボン酸単量体の使用量
は、全単量体の使用量を100重量%として、0.01
〜10重量%、好ましくは0.05〜6重量%の範囲か
ら選ばれる。この場合、単量体(b)の使用量が0.0
1重量%未満であると接着強度のほか、紙塗工用共重合
体ラテックスの機械的、化学的安定性が低下する。一
方、単量体(b)の使用量が10重量%を超えると、得
られるラテックスの粘度が高くなりすぎ、その取扱いが
難しくなるため、作業性が低下し、実用性が低下したも
のとなる。
【0029】(c)シアン化ビニル単量体としては、例
えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−ク
ロルメタクリロニトリル等が挙げられる。
【0030】(c)シアン化ビニル単量体の使用量は、
全単量体の使用量を100重量%として、0〜30重量
%、好ましくは0.05〜29.9重量%の範囲から選
ばれる。この場合、単量体(c)の使用量が30重量%
を超えると、共重合体が硬くなりすぎ、接着強度が劣
る。
【0031】(d)前記(a)〜(c)と共重合可能な
他の単量体(以下、「(d)他の単量体」ともいう)と
しては、好ましくは、分子中に重合性不飽和結合を1個
あるいは2個以上有する化合物を使用することができ
る。
【0032】(d)他の単量体としては、例えば、
(イ)芳香族ビニル化合物、(ロ)アクリル酸エステル
およびメタクリル酸エステル、(ハ)不飽和二塩基酸ア
ルキルエステル、(ニ)無水マレイン酸、(ホ)アクリ
ルアミドおよびメタクリルアミド、(ヘ)ビニルエステ
ル、(ト)ビニルエーテル、(チ)ハロゲン化ビニル、
(リ)アミノ基を有する塩基性単量体、(ヌ)ビニルピ
リジン、(ル)オレフィン、(ヲ)ケイ素含有α,β−
エチレン性不飽和単量体、(ワ)アリル化合物等が挙げ
られる。これらは単独で、あるいは2種以上を組み合わ
せて使用することができる。
【0033】(イ)芳香族ビニル化合物としては、例え
ば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレ
ン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、エチル
スチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン、ブロモス
チレン、ビニルベンジルクロリド、p−t−ブチルスチ
レン、クロロスチレン、アルキルスチレン、ジビニルベ
ンゼン、トリビニルベンゼン等が挙げられ、特に、スチ
レン、α−メチルスチレンが好ましい。
【0034】(ロ)アクリル酸エステルおよびメタクリ
ル酸エステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリ
レート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メ
タ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、
t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)
アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソ
アミルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メ
タ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシ
ル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレー
ト、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシ
ル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレー
ト、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチル−ヘキ
シル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、
グリシジル(メタ)アクリレート、エチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アク
リレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレ
ート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリ
トールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロ
パントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタ
ンテトラ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリ
レート、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニ
ル)プロパン、メトキシポリエチリングリコール(メ
タ)アクリレート、β−(メタ)アクリロイルオキシエ
チルハイドロジェンフタレート、β−(メタ)アクリロ
イルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、3−ク
ロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
ステアリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル
(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコ
ール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−
ジ(メタ)アクリロキシプロパン、2,2−ビス[4−
((メタ)アクリロキシエトキシ)フェニル]プロパ
ン、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシ・ジエ
トキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−
((メタ)アクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プ
ロパン、イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げら
れる。
【0035】(ハ)不飽和二塩基酸アルキルエステルと
しては、例えば、クロトン酸アルキルエステル、イタコ
ン酸アルキルエステル、フマル酸アルキルエステル、マ
レイン酸アルキルエステル等が挙げられる。
【0036】(ホ)アクリルアミドおよびメタクリルア
ミドとしては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−
メチロール(メタ)アクリルアミド、N−アルコキシ
(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
【0037】これらの単量体は単独で用いてもよいし、
2種以上混合して用いてもよい。
【0038】(d)他の単量体は、得られる共重合体に
適度の硬さ、弾性および耐水性を付与するために用いら
れる。
【0039】(d)他の単量体の使用量は、全単量体の
使用量を100重量%として0〜89.99重量%、好
ましくは20〜75重量%である。(d)他の単量体の
使用量が89.99重量%を超えると共重合体が硬くな
りすぎ、接着強度が低下する。
【0040】(ポリスチレン換算の分子量で100万に
対応する溶出時間より遅く検出される成分の重量平均分
子量、およびGPC測定ゲル含量)本発明の紙塗工用共
重合体ラテックスは、ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィー(GPC)の測定から得られる分子量分布にお
いて、ポリスチレン換算の分子量で100万に対応する
溶出時間より遅く検出される成分の重量平均分子量が3
0,000〜400,000であり、好ましくは40,
000〜200,000である。この場合、ポリスチレ
ン換算の分子量で100万に対応する溶出時間より遅く
検出される成分の重量平均分子量が30,000未満で
あると、良好な接着強度が得られず、一方、かかる成分
の重量平均分子量が400,000より大きいと、良好
な接着強度が得られるが、得られるラテックスの粘度が
高くなりすぎ、その取扱いが難しくなるため作業性が低
下し、実用性が低下してしまう。
【0041】ここでいうポリスチレン換算の分子量で1
00万に対応する溶出時間より遅く検出される成分の重
量平均分子量とは、ゲルパーミレーションクロマトグラ
フィーにてポリスチレン換算により求めた値のことであ
る。かかる成分の重量平均分子量は、重合温度、分子量
調節剤、開始剤の量や種類等の重合処方により制御する
ことができる。
【0042】すなわち、GPCの測定から得られる分子
量分布において、ポリスチレン換算の分子量で100万
に対応する溶出時間より遅く検出される成分とは、図1
に示すように、縦軸に検出量、横軸に溶出時間をとった
溶出曲線1において、溶出曲線1と横軸で囲まれた部分
を全面積Sとした場合、ポリスチレン換算の分子量で1
00万に対応する溶出時間T1より遅く検出される成分
(S2)をいう。
【0043】また、GPC測定ゲル含量は、好ましくは
0〜95%、さらに好ましくは0〜90%である。95
%を超えると、接着強度が劣るので好ましくない。な
お、本発明において、GPC測定ゲル含量とは、前記ポ
リスチレン換算の分子量で100万に対応する溶出時間
より早く検出される成分の含量をいう。GPC測定ゲル
含量は、下記の式で求められる。
【0044】GPC測定ゲル含量(%) = S1/
(S1+S2) × 100 本発明において、GPCは、例えば以下の条件で測定さ
れる。
【0045】(試料の調整)固形分を48重量%に調製
した共重合体ラテックス0.3gに水1gと、常法に従
い洗浄、水洗したカチオン交換樹脂約1gとを加え、陽
イオンを除去する。次に、テトラヒドロフラン50ml
を加えて2時間放置し、溶解させる。続いて、ポリテト
ラフルオロエチレン製メンブレインフィルター(ポアサ
イズ3μm、アドバンテック(ADVANTEC)社製)で濾過
し、濾液を測定試料とする。
【0046】 (装置、測定条件など) 測定装置:HLC−8020(東ソー(株)製) 充填剤の種類、粒子径:ポリスチレンゲル 30μm GMH HR−H(30) (東ソー(株)製) カラムサイズ:7.8mm2D×300mm 溶媒:テトラヒドロフラン 試料濃度:0.3重量% 注入量:30μl 流速:1ml/分 温度:40℃ 検出器:示差屈折率計 なお、測定に際しては、分子量既知のポリスチレン標準
物質を用いて、予め検量線を作成し、ポリスチレン換算
の分子量として表した。
【0047】(紙塗工用共重合体ラテックスの製造方
法)本発明の紙塗工用共重合体ラテックスの製造方法
は、前述した単量体(a)〜(d)を、ラジカル触媒お
よび還元剤を含む重合開始剤を用いて乳化重合する工程
を含み、前記単量体の反応工程中に前記還元剤の少なく
とも一部を回分的および連続的の少なくとも一方の方法
で添加することにより製造され、GPCの測定から得ら
れる分子量分布において、ポリスチレン換算の分子量で
100万に対応する溶出時間より遅く検出される成分の
重量平均分子量が30,000〜400,000である
共重合体ラテックスを製造する方法である。
【0048】本発明の共重合体ラテックスの製造方法の
好ましい態様としては、後述する単量体(A)成分を重
合して得られる重合体(P)5〜80重量部の存在下
で、後述する単量体(B)成分20〜95重量部(ここ
で、(A)および(B)の合計量は100重量部であ
る)をラジカル触媒および還元剤を含む重合開始剤を用
いて乳化重合して共重合体ラテックスを製造する方法で
あって、重合体(P)のガラス転移温度(Tg)が0℃
以下であって、少なくとも前記単量体(B)成分の反応
工程中に、前記還元剤の少なくとも一部を回分的および
連続的の少なくとも一方の方法で添加することにより行
われる方法がある。
【0049】この場合、単量体(A)および単量体
(B)は、以下の組成からなる。 単量体(A) 共役ジエン化合物 20〜99 (重量%) 不飽和カルボン酸単量体 0〜10 (重量%) シアン化ビニル単量体 0〜50 (重量%) 他の共重合可能な単量体 0〜79 (重量%) 単量体(B) 共役ジエン化合物 0〜80 (重量%) 不飽和カルボン酸単量体 0.01〜20 (重量%) シアン化ビニル単量体 0〜30 (重量%) 他の共重合可能な単量体 0〜99.99(重量%) ただし、単量体(A)と単量体(B)との合計が、以下
の条件を満たすものとする。
【0050】 共役ジエン化合物 10〜80 (重量%) 不飽和カルボン酸単量体 0.01〜10 (重量%) シアン化ビニル単量体 0〜30 (重量%) 他の共重合可能な単量体 0〜89.99(重量%) 重合体(P)と単量体(B)の重合方法としては、重合
により重合体(P)を得た後、同一の重合系内で重合体
(P)の存在下で、単量体(B)との重合を行うことに
より共重合体ラテックスを得ることもできるし、あるい
は別の重合容器で重合を行うことにより得られた重合体
(P)の存在下で、単量体(B)を重合させることによ
って本発明の共重合体ラテックスを得ることもできる。
【0051】ここで、単量体(B)を重合体(P)を含
む系に添加して重合を行う場合、単量体(B)の添加方
法としては、重合系内への単量体(B)の一括添加、回
分的添加、または連続的添加のいずれの方法を用いても
よく、あるいはこれらを組み合わせてもよい。ここで、
回分的添加とは、複数回に分けて添加するという意味で
あり、連続的とは、所定時間内において所定量を継続し
て添加するという意味である。単量体(B)を回分的ま
たは連続的に重合系内に添加することにより、反応が一
気に進行して反応熱が発生し、かかる反応熱によって重
合系内の温度が急激に上昇するのを防止することができ
る。
【0052】また、この場合、製造する紙塗工用共重合
体ラテックスの共重合体成分が、GPCの測定から得ら
れる分子量分布において、ポリスチレン換算の分子量で
100万に対応する溶出時間より遅く検出される成分の
重量平均分子量が30,000〜400,000である
ことが望ましい。前記共重合体成分が前述した分子量の
範囲にあることにより、前述した効果を奏することがで
きる。
【0053】次に、本発明の共重合体ラテックスの製造
方法において、乳化重合の際に用いる重合開始剤、乳化
剤、分子量調節剤等や、重合の際の条件等について説明
する。
【0054】(重合開始剤)ラジカル触媒は、熱または
還元性物質の存在下でラジカル分解して単量体の付加重
合を行わしめるもので、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリ
ウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩に代表される無
機系触媒、ならびにクメンハイドロパーオキサイド、ジ
イソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメ
ンタンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサ
イド類等の有機系触媒を使用することができる。
【0055】また、還元剤としては、例えば、エルソル
ビン酸、エルソルビン酸ナトリウム、エルソルビン酸カ
リウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、
アスコルビン酸カリウム、糖類、ロンガリットソディウ
ムホルムアルデヒドスルホキシレート、亜硫酸水素ナト
リウム・亜硫酸水素カリウム・亜硫酸ナトリウム・亜硫
酸カリウム等の亜硫酸塩、ピロ亜硫酸水素ナトリウム・
ピロ亜硫酸水素カリウム・ピロ亜硫酸ナトリウム・ピロ
亜硫酸カリウム等のピロ亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウ
ム、チオ硫酸カリウム、亜燐酸、亜燐酸ナトリウム・亜
燐酸カリウム・亜燐酸水素ナトリウム・亜燐酸水素カリ
ウム等の亜燐酸塩、ピロ亜燐酸、ピロ亜燐酸ナトリウム
・ピロ亜燐酸カリウム・ピロ亜燐酸水素ナトリウム・ピ
ロ亜燐酸水素カリウム等のピロ亜燐酸塩、メルカプタン
が挙げられる。これらの還元剤は、好ましくは、単量体
100重量%に対して0.01〜10重量%が使用され
る。
【0056】また、ラジカル触媒および還元剤のより具
体的な添加方法として、例えば、両者を別々の供給配管
から同時に連続的に重合反応器に添加する方法、ラジカ
ル触媒が還元剤よりも過剰に存在する重合系内に還元剤
を連続的に添加する方法、還元剤がラジカル触媒よりも
過剰に存在する重合系内に開始剤を連続的に添加する方
法が挙げられる。なお、ラジカル触媒と還元剤との等量
比は、100/1から1/100の間とするのが好まし
い。
【0057】さらに、ラジカル触媒および還元剤に加え
て、酸化還元触媒を重合系内に添加して乳化重合を行う
ことができる。酸化還元触媒としては、金属触媒、例え
ば、2価の鉄イオン、3価の鉄イオン、銅イオンなどが
挙げられる。前述した還元剤と同様に、酸化還元触媒
も、重合系にそれぞれ回分的、連続的あるいはこの両者
を組み合わせて添加することができる。ラジカル触媒、
還元剤、および酸化還元触媒の好ましい組み合わせとし
て、ラジカル触媒として過硫酸カリウム、還元剤として
亜硫酸水素ナトリウム、および酸化還元触媒として硫酸
第一鉄を用いたものが挙げられる。
【0058】(重合温度)重合温度の範囲は、反応容器
内の温度が5℃から60℃の間であることが好ましく、
20℃から60℃の間であることがより好ましく、30
℃から60℃の間であることがさらに好ましい。この範
囲の温度で得られた共重合体ラテックスは、紙塗工用バ
インダとしてのドライピック強度およびベタツキ防止性
のバランスが良好である。
【0059】(乳化剤)ここで、乳化剤としては、アニ
オン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活
性剤などを単独で、あるいは2種以上を併用して使用で
きる。
【0060】アニオン性界面活性剤としては、例えば高
級アルコールの硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホ
ン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、ポリエチレングリコール
アルキルエーテルの硫酸エステルなどが挙げられる。
【0061】ノニオン性界面活性剤としては、通常のポ
リエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキル
エーテル型、アルキルフェニルエーテル型などが用いら
れる。
【0062】両性界面活性剤としては、アニオン部分と
してカルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、燐
酸エステル塩を、カチオン部分としてアミン塩、第4級
アンモニウム塩を含むものが挙げられ、具体的にはラウ
リルベタイン、ステアリルベタインなどのベタイン類、
ラウリル−β−アラニン、ステアリル−β−アラニン、
ラウリルジ(アミノエチル)グリシン、オクチルジ(ア
ミノエチル)グリシンなどのアミノ酸タイプのものなど
が用いられる。
【0063】これら乳化剤のうち、アルキルベンゼンス
ルホン酸塩がより好ましく使用され、ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウムがさらに好ましく使用される。
【0064】乳化剤の使用量は、全単量体100重量%
当り通常0.05〜2重量%であるのが好ましく、0.
05〜1重量%であるのがより好ましい。乳化剤の使用
量が2重量%を超えると、耐水性が低下し、紙塗工用組
成物の泡立ちが著しくなって塗工時に問題となる。
【0065】また、これらの乳化剤は、重合系にそれぞ
れ回分的、連続的あるいはこの両者を組み合わせて添加
されるのが好ましい。
【0066】(分子量調節剤)本発明の共重合体ラテッ
クスの製造工程において、乳化重合に使用する分子量調
節剤には特に制限はなく、具体的には、n−ヘキシルメ
ルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシル
メルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ヘキサ
デシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、
t−テトラデシルメルカプタン、チオグリコール酸など
のメルカプタン類、ジメチルキサントゲンジスルフィ
ド、ジエチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロピ
ルキサントゲンジスルフィドなどのキサントゲンジスル
フィド類、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラ
エチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジ
スルフィドなどのチウラムスルフィド類、クロロホル
ム、四塩化炭素、四臭化炭素、臭化エチレンなどのハロ
ゲン化炭化水素類、ペンタフェニルエタン、α−メチル
スチレンダイマーなどの炭化水素類、およびアクロレイ
ン、メタクロレイン、アリルアルコール、2−エチルヘ
キシルチオグリコレート、ターピノーレン、α−テルネ
ピン、γ−テルネピン、ジペンテン、1,1−ジフェニ
ルエチレンなどを挙げることができる。これらは単独で
も、あるいは2種以上を組み合わせて使用することもで
きる。これらのうち、メルカプタン類、キサントゲンジ
スルフィド類、チウラムジスルフィド類、1,1−ジフ
ェニルエチレン、α−メチルスチレンダイマーなどがよ
り好適に使用される。
【0067】分子量調節剤の使用量は、好ましくは全単
量体100重量%当り0〜20重量%、より好ましくは
0.05〜15重量%、さらに好ましくは0.1〜10
重量%である。この分子量調節剤の使用量が全単量体1
00重量%当り20重量%を超えると、接着強度が低下
するため好ましくない。
【0068】また、分子量調節剤の重合系内への添加方
法は、一括添加、回分的添加、連続的添加、あるいはこ
れらの組み合わせのいずれでもよい。
【0069】本発明においては、必要により種々の重合
調節剤を添加してもよい。例えば、pH調節剤、各種キ
レート剤などを使用することができる。
【0070】pH調節剤としては、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸水素ナトリ
ウム、炭酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウムなどが
挙げられる。各種キレート剤としては、エチレンジアミ
ン四酢酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0071】(紙塗工用組成物)本発明の製造方法によ
り得られた共重合ラテックスは、紙塗工用組成物に好適
に用いることができる。
【0072】本発明の製造方法により得られた共重合体
ラテックスから製造された紙塗工用組成物は、無機顔料
あるいは有機顔料に、上記共重合体ラテックス、さらに
必要に応じて他のバインダ、水溶性高分子や各種添加剤
など種々の助剤が配合されて用いられる。上記共重合体
ラテックスの配合量は、好ましくは顔料100重量%に
対して共重合体ラテックス0.5〜100重量%(固形
分として)、より好ましくは1〜100重量%、特に好
ましくは1〜30重量%である。共重合体ラテックスが
0.5重量%未満であると、接着強度が低下し、一方1
00重量%を超えるとインク乾燥性が低下する。
【0073】また、前記無機顔料としては、例えば、カ
オリンクレー、硫酸バリウム、酸化チタン、炭酸カルシ
ウム、サチンホワイト、タルク、水酸化アルミニウム、
酸化亜鉛などを使用することができる。また、有機顔料
としては、例えば、ポリスチレンラテックス、尿素ホル
マリン樹脂などを使用することができる。これらは目的
に応じて、単独でもあるいは2種以上組み合わせて使用
することができる。
【0074】また、顔料の一部または全部を中空重合体
粒子とすることもできる。ここで、中空重合体粒子と
は、重合体層の内部に空孔を有する重合体粒子をいう。
【0075】中空重合体粒子の平均粒子径は、好ましく
は50〜10,000nmであり、中空重合体粒子の中
空容積率は、好ましくは20〜80%である。また、中
空重合体粒子の重合体成分は、上記の(a)、(b)、
(c)および(d)から選択される単量体から重合され
たものであることが好ましく、特に好ましくは芳香族ビ
ニル化合物、アクリル酸エステル、およびメタクリル酸
エステルのうち少なくとも1以上を含む単量体から重合
されたものである。また、中空重合体粒子の重合体成分
は、架橋構造であってもよい。また、中空重合体粒子の
ガラス転移温度(Tg)は、好ましくは25℃以上であ
る。
【0076】他のバインダとしては、例えば、澱粉、酸
化澱粉、大豆蛋白、カゼインなどの天然バインダ、ある
いはポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルラテック
ス、アクリル系ラテックスなどの合成ラテックスを使用
することができる。
【0077】さらに、一般に使用されている種々の助
剤、例えば分散剤(ピロリン酸ナトリウム、ヘキサメタ
リン酸ナトリウムなど)、消泡剤(ポリグリコール、脂
肪酸エステル、リン酸エステル、シリコンオイルな
ど)、レベリング剤(ロート油、ジシアンアミド、尿素
など)、防腐剤、耐水化剤(ホルマリン、ヘキサミン、
メラミン樹脂、尿素樹脂、グリオキサルなど)、離型剤
(ステアリン酸カルシウム、パラフィンエマルジョンな
ど)、蛍光染料、カラー保持性向上剤(カルボキシメチ
ルセルロース、アルギン酸ナトリウムなど)を必要に応
じて、本発明の紙塗工用組成物に配合することができ
る。
【0078】本発明の紙塗工用組成物、特にオフセット
印刷紙用の紙塗工用組成物には、顔料接着剤として、上
記共重合体ラテックスに加えて、カゼイン、カゼイン変
性物、澱粉、澱粉変性物、ポリビニルアルコール、カル
ボキシメチルセルロース等の水溶性物質を必要に応じて
組み合わせて使用することができる。
【0079】本発明の紙塗工用組成物においては、一般
に使用されている種々の配合剤、例えば、耐水強度改良
剤、顔料分散剤、粘度調節剤、着色顔料、蛍光染料、お
よびpH調節剤を任意に配合することができる。
【0080】また、本発明の製造方法により得られた共
重合体ラテックスは、オフセット印刷用またはグラビア
印刷用のバインダとして好適に使用されるが、オフセッ
ト印刷用またはグラビア印刷用以外の用途、例えば凸版
印刷などの各種印刷用紙、および紙のコーティング剤に
使用することができる。
【0081】さらに、本発明の紙塗工用組成物は、例え
ばエアーナイフコータ、ブレードコータ、ロールコー
タ、アプリケータなどの公知の方法によって、原紙に塗
工される。
【0082】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
る。なお、実施例中の「%」および「部」は、特に記載
がない限りそれぞれ重量%および重量%を意味するもの
である。
【0083】(実施例1〜4) (紙塗工用共重合体ラテックスの製造方法)攪拌装置お
よび温度調節機を備えた耐圧反応容器に、表1に示され
る1段目成分を仕込み、窒素で重合系内を置換した後、
続いて重合系の反応容器内の温度を45℃に昇温し約1
時間重合を行い重合体(P)を形成する。ここで、重合
転化率が70%以上に到達したのを確認した後、2段目
成分、および還元剤水溶液の1/3量を3時間かけて連
続的に重合系内に添加し、次いで、3段目成分、および
還元剤水溶液の1/3量を3時間かけて連続的に重合系
内に添加した。その後、重合を完結させるために、残り
1/3量の還元剤水溶液をさらに3時間かけて連続的に
添加した。最終的な重合転化率は99%であった。
【0084】得られた共重合体ラテックスを、水酸化ナ
トリウムを用いてpH7.5に調製した後、水蒸気を吹
き込んで未反応単量体を除去し、さらに加熱水蒸気蒸留
によって固形分濃度50%の共重合体ラテックスを得
た。
【0085】得られた各共重合体ラテックスについて、
GPC測定によって、ポリスチレン換算の分子量100
万に対応する溶出時間より遅く検出される成分(以下、
「成分(X)」とする)の重量平均分子量、およびGP
C測定ゲル含量を求めた。前記重量平均分子量およびG
PC測定ゲル含量は、既述の方法によって求めた。さら
に、各共重合体ラテックスについて、大塚電子社製の粒
子径測定装置(LPA−3100)を用いて粒子径を測
定した。
【0086】なお、表1において、1段目成分中の単量
体合計は本発明にいう単量体(A)成分に相当し、2段
目成分の単量体合計と3段目成分中の単量体合計との和
は本発明にいう単量体(B)成分に相当する。
【0087】(紙塗工用組成物の調整)実施例1〜4で
製造した共重合体ラテックスを用いて、下記の処方によ
り、オフセット印刷用紙塗工用組成物を調整した。 配合; カオリンクレー 70.0部 炭酸カルシウム 30.0部 分散剤 0.2部 水酸化ナトリウム 0.1部 澱粉 4.0部 ラテックス(固形分として) 10.0部 水 全固形分が60%となるように適当量添加 この紙塗工用組成物を、塗工紙の片面に塗工量が13.
0±0.5gとなるように、電動式ブレードコータ(熊
谷理器(株)製)を用いて塗工し、150℃の電気式熱
風乾燥機にて15秒乾燥させた。得られた塗工紙を23
℃、湿度50%の恒温恒湿槽に1昼夜放置し、その後、
線圧100kg/cm、ロール温度50℃の条件でスー
パーカレンダー処理を4回行った。得られた塗工紙の性
能評価は以下の方法にて行った。
【0088】(1)ドライピック強度 RI印刷機で印刷したときのピッキングの強度を肉眼で
判定し、5段階で評価した。ピッキング現象が少ないも
のほど高得点とした。数値は測定回数6回の平均値で示
した。
【0089】(2)ウエットピック強度 RI印刷機を用いて、塗工紙表面を給水ロールで湿して
からR1印刷機で印刷したときのピッキングの強度を肉
眼で判定し、5段階で評価した。ピッキング現象が少な
いものほど高得点とした。数値は測定回数6回の平均値
で示した。
【0090】(3)印刷光沢 RI印刷機を用いてオフセット用インキをベタ塗りし、
村上式光沢計を使用して入射角60度で測定した。
【0091】(4)ラテックス再分散性 ラテックスを黒羅紗紙上にNo.18ロッドにより塗布
し、室温で1分間乾燥させた後、直ちに40℃の温水で
3分間洗浄した。かかる黒羅紗紙を室温で乾燥させた
後、黒羅紗紙上に残るラテックス皮膜の程度を5段階で
評価した。ラテックス皮膜の程度が小さいものほど高得
点とした。数値は測定回数3回の平均値で示した。
【0092】(5)ベトツキ防止性 ラテックスをポリエチレンテレフタラートフィルム上に
No.18ロッドにより塗布し、120℃で30秒間乾
燥させ、皮膜を形成させる。この皮膜と黒羅紗紙とを合
わせて、ベンチスーパーカレンダーにより線圧200k
g/m、湿度70℃の条件で圧着させる。両者を引き剥
がして、黒羅紗紙のラテックスへの転写の程度を目視で
5段階で評価した。転写の程度が少ないものほど高得点
とした。数値は測定回数6回の平均値で示した。
【0093】(6)機械的安定性 市販のマロン式機械的安定度試験機を用いて、共重合体
ラテックス(固形分濃度30重量%、試料120g)
に、ロータ回転数1,000rpm、ロータ荷重15k
g、回転時間15分の条件で機械的剪断を与えた後、1
20メッシュの金網に残る凝集物を捕捉した。捕捉した
凝集物を乾燥させた後、元の試料固形分重量に対する凝
集物の割合を重量%で求めた。
【0094】(7)ミスドット率(グラビア印刷適性の
指標) 大蔵省印刷局式グラビア印刷試験機(熊谷理器(株)
製)を用い、インクは大日本インキ(株)製、DICグ
ラビアインキOG104紅をザンカップNo.3で9秒
になるようトルエンで希釈したものを用い、印刷速度1
00m/分、線圧20kg/cmで印刷し、ミスドット
の発生状態を観察することにより、ミスドット率を測定
した。ミスドット率は、数値の小さいほど良好である。
【0095】(8)カレンダーロール汚れ耐性 スーパーカレンダー掛け前の塗工紙の塗工面にアルミニ
ウムシートを重ね、ロール温度60℃、線圧250kg
/cmでスーパーカレンダーに通した後、塗工紙とアル
ミニウムシートを剥離し、アルミニウムシートの汚れ具
合を光沢低下(%)で表示した。数値が小さいほど汚れ
が少ないことを示す。
【0096】上記の方法による評価の結果を表2に示し
た。
【0097】(実施例5、6)攪拌装置および温度調節
機を備えた耐圧反応容器に、表1に示される1段目成分
を仕込み、窒素で重合系内を置換した後、重合系の反応
容器内の温度を45℃に昇温し約1時間重合を行い重合
体(P)を形成する。ここで、重合転化率が70%以上
に到達したのを確認した後、次いで2段目成分および還
元剤水溶液の1/4量を重合系内に一括して添加した。
ここで、1段目成分および2段目成分の重合転化率が7
0%以上に到達したのを確認した後、3段目成分および
還元性水溶液の2/4量を2時間かけて重合系内に連続
的に添加した。その後、重合を完結させるために、残り
1/4量の還元剤水溶液をさらに3時間かけて連続的に
添加し重合を継続させた。最終的な重合転化率は98%
であった。
【0098】得られた共重合体ラテックスについて、実
施例1〜4と同じ方法でpH調整、濃縮を実施し、平均
粒子径および成分(X)の重量平均分子量等を求めた。
その結果を表2に示す。
【0099】実施例5、6においては、下記に示す配合
比によりグラビア印刷用紙塗工用組成物を調製した。 配合; カオリンクレー 100.0部 分散剤 0.2部 水酸化ナトリウム 0.1部 澱粉 1.0部 ラテックス(固形分として) 7.0部 水 全固形分が60%となるように適当量添加 これらの組成物に、さらに適当量の水酸化ナトリウム水
溶液を添加して、組成物のpHを9.0に調製した。続
いて、得られた組成物を54g/m2のコート厚紙の片
面に、塗工量が13±0.5g/m2になるように、電
動式ブレードコータを用いて塗工した。得られた塗工紙
を室温20℃、相対湿度65%の室内に一昼夜放置し、
その後、ロール温度50℃、線圧200kg/m2の条
件でスーパーカレンダー処理を4回行い、前述の試験を
実施した。
【0100】以上の方法により得られた塗工紙につい
て、前述したドライピック強度、ミスドット率、カレン
ダーロール汚れ耐性について評価を行った。得られた紙
塗工用組成物の評価結果を表2に示す。
【0101】
【表1】
【0102】
【表2】 (比較例1〜3)攪拌装置および温度調節機を備えた耐
圧反応容器に、表3に示される1段目成分を仕込み、窒
素で重合系内を置換し、続いて重合系の反応容器内の温
度を50℃に昇温した後1時間重合を行った。次に、2
段目成分、および開始剤水溶液の1/3量を7時間かけ
て連続的に重合系内に添加した。次いで、3段目成分お
よび開始剤水溶液の1/3量を3時間かけて連続的に系
内に添加した。その後、重合を完結させるために、重合
温度を75℃に昇温し、さらに、残り1/3量の開始剤
水溶液を4時間かけて連続的に添加した。最終的な重合
転化率は99%であった。
【0103】得られた共重合体ラテックスについての処
理、評価は実施例と同様に行った。
【0104】また、比較例1、2については、オフセッ
ト印刷用の紙塗工用組成物の調整および性能評価を行
い、比較例3については、グラビア印刷用の紙塗工用組
成物の調整および性能評価を行った。以上の結果を表4
に示す。
【0105】実施例1〜6は、本発明の製造方法により
得られた共重合体ラテックスおよびそれを用いた紙塗工
用組成物である。表2に示される結果から明らかなよう
に、本発明の共重合体ラテックスは、GPCの測定から
得られる分子量分布において、ポリスチレン換算の分子
量で100万に対応する溶出時間より遅く検出される成
分の重量平均分子量が30,000〜400,000で
あることにより、高い接着強度を有する。さらに、印刷
光沢、ベトツキ防止性、機械的安定性、再分散性に優れ
ている。
【0106】比較例1、2は、共重合体ラテックスの重
量平均分子量が範囲未満の例であり、ドライピック強
度、ベトツキ防止性、機械的安定性が劣る。比較例3
は、共重合体ラテックスの重量平均分子量が範囲未満の
例であり、ミスドット率およびドライ強度が劣る。
【0107】
【表3】
【0108】
【表4】 以上のように、本発明の紙塗工用共重合体ラテックスの
製造方法により得られた紙塗工用共重合体ラテックスお
よびそれを用いた紙塗工用組成物は、接着強度、再分散
性、印刷光沢、ベトツキ防止性に優れている。さらに、
機械的安定性が向上し、塗工操業性、印刷操業性、印刷
適性に優れたものであり、極めて工業的価値が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】GPC測定で得られる、縦軸に検出量、横軸に
溶出時間を示す溶出曲線である。
【符号の説明】
1 溶出曲線 S 溶出曲線、縦軸、および横軸で囲まれた面積(全
面積) S1 ポリスチレン換算の分子量で100万に対応する
溶出時間T1より早く検出される成分 S2 ポリスチレン換算の分子量で100万に対応する
溶出時間T1より遅く検出される成分 T1 分子量100万の重合体が検出される時間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 理 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 4L055 AG11 AG12 AG27 AG48 AG63 AG70 AG71 AG74 AG76 AH02 AH37 AJ04 EA30 EA32 FA13 FA15 FA30 GA19

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)共役ジエン化合物10〜80重量
    %、 (b)不飽和カルボン酸単量体0.01〜10重量%、 (c)シアン化ビニル単量体0〜30重量%、ならびに (d)前記(a)〜(c)と共重合可能な他の単量体0
    〜89.99重量%からなる単量体を、ラジカル触媒お
    よび還元剤を含む重合開始剤を用いて乳化重合する工程
    を含み、前記単量体の反応工程中に前記還元剤の少なく
    とも一部を回分的および連続的の少なくとも一方の方法
    で添加することにより共重合体ラテックスを製造する方
    法であって、 ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の
    測定から得られる分子量分布において、ポリスチレン換
    算の分子量で100万に対応する溶出時間より遅く検出
    される成分の重量平均分子量が30,000〜400,
    000である共重合体ラテックスを製造する、紙塗工用
    共重合体ラテックスの製造方法。
  2. 【請求項2】 下記の単量体(A)成分を重合して得ら
    れる重合体(P)5〜80重量部の存在下で、下記の単
    量体(B)成分20〜95重量部(ここで、(A)およ
    び(B)の合計量は100重量部である)を、ラジカル
    触媒および還元剤を含む重合開始剤を用いて乳化重合し
    て共重合体ラテックスを製造する方法であって、 前記重合体(P)のガラス転移温度が0℃以下であり、 少なくとも前記単量体(B)成分の反応工程中に、前記
    還元剤の少なくとも一部を回分的および連続的の少なく
    とも一方の方法で添加することにより共重合体ラテック
    スを製造する、紙塗工用共重合体ラテックスの製造方
    法。 単量体(A) 共役ジエン化合物 20〜99 (重量%) 不飽和カルボン酸単量体 0〜10 (重量%) シアン化ビニル単量体 0〜50 (重量%) 他の共重合可能な単量体 0〜79 (重量%) 単量体(B) 共役ジエン化合物 0〜80 (重量%) 不飽和カルボン酸単量体 0.01〜20 (重量%) シアン化ビニル単量体 0〜30 (重量%) 他の共重合可能な単量体 0〜99.99(重量%) ただし、単量体(A)と単量体(B)との合計が、以下の条件を満たすものとす る。 共役ジエン化合物 10〜80 (重量%) 不飽和カルボン酸単量体 0.01〜10 (重量%) シアン化ビニル単量体 0〜30 (重量%) 他の共重合可能な単量体 0〜89.99(重量%)
  3. 【請求項3】 請求項2において、 ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の
    測定から得られる分子量分布において、ポリスチレン換
    算の分子量で100万に対応する溶出時間より遅く検出
    される成分の重量平均分子量が30,000〜400,
    000である共重合体ラテックスを製造する、紙塗工用
    共重合体ラテックスの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかにおいて、 重合開始剤は、ラジカル触媒、還元剤、および酸化還元
    触媒の組み合わせからなる、紙塗工用共重合体ラテック
    スの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかにおいて、 前記乳化重合は、反応容器内の温度が5〜60℃で行わ
    れる、紙塗工用共重合体ラテックスの製造方法。
  6. 【請求項6】 (a)共役ジエン化合物10〜80重
    量%、 (b)不飽和カルボン酸単量体0.01〜10重量%、 (c)シアン化ビニル単量体0〜30重量%、ならびに (d)前記(a)〜(c)と共重合可能な他の単量体0
    〜89.99重量%からなる単量体を、ラジカル触媒お
    よび還元剤を含む重合開始剤を用いて乳化重合する工程
    を含み、前記単量体の反応工程中に前記還元剤の少なく
    とも一部を回分的および連続的の少なくとも一方の方法
    で添加することにより得られる共重合体ラテックスであ
    って、 ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の
    測定から得られる分子量分布において、ポリスチレン換
    算の分子量で100万に対応する溶出時間より遅く検出
    される成分の重量平均分子量が30,000〜400,
    000である、紙塗工用共重合体ラテックス。
  7. 【請求項7】 請求項2〜5のいずれかに記載の紙塗工
    用共重合体ラテックスの製造方法により得られた紙塗工
    用共重合体ラテックスまたは請求項6に記載の紙塗工用
    共重合体ラテックスと、顔料とを主成分とする、紙塗工
    用組成物。
  8. 【請求項8】 請求項7において、 顔料の一部または全部が中空重合体粒子である、紙塗工
    用組成物。
  9. 【請求項9】 請求項7または8において、 オフセット印刷用に用いられる、紙塗工用組成物。
  10. 【請求項10】 請求項7または8において、 グラビア印刷用に用いられる、紙塗工用組成物。
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