JP3605982B2 - 共重合体ラテックスおよび紙塗工用組成物 - Google Patents

共重合体ラテックスおよび紙塗工用組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、高濃度・高速塗工時の流動性と機械的安定性に優れ、かつ塗工紙性能および塗工操業性に優れた共重合体ラテックス、並びにこれを用いた紙塗工用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年における中性抄紙の実用化に伴い、紙塗工用組成物として、安価な炭酸カルシウムの多量使用により塗料が高濃度化しており、また塗工紙品質の向上に加えて、生産性向上等の目的でコーターの高速化、塗料コストや塗工時の乾燥エネルギーの低減化が図られている。そして、このような高濃度・高速塗工化の流れを反映して、塗料に対する要求性能もますます厳しくなってきており、今日では塗料の高流動性とともに、高速塗工にあってはさらに塗工ブレードによる操作等の機械的操作に対する安定性も必要とされている。
ところで、塗料を高濃度化すると一般に流動性が悪くなり、また高いせん段速度が作用する高速塗工下では、塗料の流動性がさらに悪影響を受け、ブリーディング等の問題を起こし易くなる。しかも機械的安定性の悪い塗料の場合は、バッキングロールが汚れやすくなったり、塗工ブレード刃先への粕付着が起こり、塗工時の作業性に大きく影響を与えるばかりでなく、塗工紙の品質低下という問題が生じる。
かかる高濃度塗料の高せん断速度下での流動性(以下、「高速流動性」という。)を改善する方法として、従来から、塗料の構成成分に関して、例えば、顔料については、粒子径の小さい重質炭酸カルシウムの使用比率を上げる方法が提案され、またバインダーについては、増粘作用の大きいカゼイン、澱粉等の天然水溶性バインダーの使用量を減らす方法のほか、合成バインダーであるカルボキシ変性ラテックスの場合は、ラテックスの小粒子化や、エチレン系不飽和カルボン酸の重合方法を改良する方法等(例えば、特開平6−173198号公報、特開平7−166495号公報、特開平7−70988号公報)が提案されている。しかしながら、これらの方法のうち、重質炭酸カルシウムの使用比率を増大させたり、天然水溶性バインダーの使用比率を減らす方法では、塗工紙の剛度低下につながり、塗料としての保水力や接着強度も損なわれる。またカルボキシ変性ラテックスの粒子径を小さくすると、塗料の高速流動性は改善されるが、ラテックス粒子の機械的安定性が低下して、高速塗工適性に問題を生じる。さらに、ラテックスの機械的安定性を高めるために、ラテックス中のエチレン系不飽和カルボン酸等の使用比率を高める方法も考えられるが、この場合は塗料の粘度が上がり、流動性が低下するという問題を生じる。このように、高速流動性と機械的安定性を同時に満足させることが極めて困難であるのが実状であり、その改善が望まれていた。
さらに、塗工紙製造における高速塗工化に伴い、塗工操業性の改良、特に主な障害であるロール汚れ性の改良、即ち共重合体ラテックスの粘着性の低減(べとつき防止性の向上)も強く要求されており、このような要求に叶うものとして、本出願人は既に、共重合体が−100〜+50℃の範囲に少なくとも2つのガラス転移点を有し、かつ最も高いガラス転移点と最も低いガラス転移点との差を5℃以上とすることにより、耐水性、剛度、インキ乾燥性、印刷光沢等の塗工紙性能に加えて、べとつき防止性が改善され塗工操業性に優れたカルボキシ変性共重合体ラテックスを提案している(特開平7−324112号公報)。しかしながら、かかる共重合体ラテックスについても、塗工紙性能をを損なうことなく、高速流動性の点でさらなる改善が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、特に紙塗工用組成物に使用されたとき、高濃度塗料の高速流動性が改善され、機械的安定性に優れ、しかもべとつき防止性が高いため塗工操業性に優れるとともに、接着強度、印刷光沢、剛度等の塗工紙性能にも優れた共重合体ラテックス、およびこれを用いた紙塗工用組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、第一に、
(a)脂肪族共役ジエン系単量体20〜80重量%、(b)水溶性エチレン系単量体0.5〜8重量%、並びに(c)前記(a)成分および(b)成分と共重合可能な他のビニル系単量体20〜79.5重量%(但し、(a)+(b)+(c)=100重量%)からなる共重合体ラテックスであって、該ラテックスの平均粒子径が50〜150nmであり、該ラテックス中に含まれるカリウムイオンとナトリウムイオンとのモル比(カリウムイオン/ナトリウムイオン)が0〜2であり、かつ粒子表面のゼータ電位が−80〜−10mVであることを特徴とする共重合体ラテックス、
からなる。
【0005】
本発明の要旨は、第二に、
前記共重合体ラテックスを含有することを特徴とする紙塗工用組成物、からなる。
【0006】
以下、本発明を詳細に説明する。
共重合体ラテックス
本発明における共重合体ラテックスは、該ラテックスを製造する際の単量体組成としては、(a)脂肪族共役ジエン系単量体20〜80重量%、(b)水溶性エチレン系単量体0.5〜8重量%、並びに(c)前記(a)成分および(b)成分と共重合可能な他のビニル系単量体20〜79.5重量%からなる単量体混合物から得られるものである。
本発明の共重合体ラテックスに使用される(a)脂肪族共役ジエン系単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等が挙げられ、好ましくは1,3−ブタジエンである。これらの(a)脂肪族共役ジエン系単量体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
かかる(a)脂肪族共役ジエン系単量体は、得られる共重合体に適度の柔軟性と伸びを与え、耐衝撃性を付与するために必須の成分であり、その使用割合は、全単量体に対して20〜80重量%、好ましくは30〜70重量%である。(a)脂肪族共役ジエン系単量体の使用割合が20重量%未満であると、共重合体が硬くなり過ぎ、接着強度が改良されず、一方80重量%を超えると、べとつき防止性が悪化する。
【0007】
また、(b)水溶性エチレン系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸単量体;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有ビニル系単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有ビニル系単量体;グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有ビニル系単量体等が挙げられる。これらの(b)水溶性エチレン系単量体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
かかる(b)水溶性エチレン系単量体の使用割合は、全単量体に対して0.5〜8重量%、好ましくは0.8〜6重量%、さらに好ましくは1.5〜4重量%である。(b)水溶性エチレン系単量体の使用割合が0.5重量%未満では、重合時のラテックスの安定性が悪く、多量の凝固物の発生を招き、一方8重量%を超えると、得られるラテックスの粘度が大きく上昇し、高速流動性が悪化する。
【0008】
本発明においては、前記(b)水溶性エチレン系単量体として、不飽和カルボン酸単量体を全単量体に対して0.5〜4重量%使用することが好ましく、さらに好ましくは1〜4重量%、特に好ましくは1.5〜3.5重量%である。この場合の不飽和カルボン酸単量体の使用割合が0.5重量%未満では、重合時のラテックスの安定性が低下したり、得られるラテックスの機械的安定性が不良となるおそれがあり、一方4重量%を超えると、高速塗工する際にブリーディング等の発生を招くおそれがある。
【0009】
一方、本発明においては、共重合体ラテックスの高速流動性を考慮すると、不飽和カルボン酸単量体の使用量をできるだけ少なくすることが好ましいが、極端に少なくすると、前述したような問題点のほかに、ラテックスがアルカリに対して敏感となり、重合後のラテックスを中和する際にアルカリを添加すると、凝集する場合がある。これを防ぐためには、アミド基含有ビニル系単量体を不飽和カルボン酸単量体と併用することが効果的である。この場合のアミド基含有ビニル系単量体の使用割合は、全単量体に対して、好ましくは0.1〜4重量%、さらに好ましくは0.1〜2重量%である。アミド基含有ビニル系単量体の使用割合が前記範囲にあることにより、ラテックスの安定性に優れたものとなる。また、不飽和カルボン酸単量体とアミド基含有ビニル系単量体との合計の使用割合は、全単量体に対して、好ましくは1.5〜4重量%、さらに好ましくは2〜3.5重量%である。
【0010】
さらに、(c)前記(a)成分および(b)成分と共重合可能な他のビニル系単量体(以下、「(c)他のビニル系単量体」という。)としては、例えば、芳香族ビニル化合物、置換もしくは非置換のアルキル(メタ)アクリレート類、シアン化ビニル化合物、酢酸ビニル等が挙げられる。
これらのうち、芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−クロルスチレン、m−クロルスチレン、p−クロルスチレン等が挙げられ、特にスチレンが好ましい。
また、アルキル(メタ)アクリレート類としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−シアノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、特にメチルメタアクリレートが好ましい。
また、シアン化ビニル化合物としては、例えば、(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデン等が挙げられ、特にアクリロニトリルが好ましい。
これらの(c)他のビニル系単量体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
(c)他のビニル系単量体は、共重合体に、主として目的に応じた適度なガラス転移点を与えるために使用されるものであり、その使用割合は、全単量体に対して20〜79.5重量%、好ましくは25〜69重量%である。(c)他のビニル系単量体の使用割合が20重量%未満では、べとつき防止性が低下し、一方79.5重量%を超えると、共重合体が硬くなり過ぎ、接着強度が劣る。
【0011】
本発明の共重合体ラテックスの平均粒子径は、50〜150nm、好ましくは50〜120nm、さらに好ましくは50〜110nmである。共重合体ラテックスの平均粒子径が50nmより小さいと、紙塗工用組成物としたとき、流動性、光沢発現性、インキ転移性等が低下し、一方150nmより大きくても、紙塗工用組成物としたときの高速流動性が低下する。
共重合体ラテックスの平均粒子径は、重合時の水、乳化剤、重合開始剤等の使用量を調節することにより制御することができる。
【0012】
本発明の共重合体ラテックスは、該ラテックス中に含まれるカリウムイオンとナトリウムイオンとのモル比(カリウムイオン/ナトリウムイオン)(以下、「K/Naイオン比」という。)が0〜2、好ましくは0〜1.5、特に好ましくは0〜1である。K/Naイオン比が2を超えると、紙塗工用組成物の高速流動性が低下し、好ましくない。また、K/Naイオン比が0〜2の範囲内では、K/Naイオン比が0あるいはほぼ0の場合は、特に高速流動性が優れ、またK/Naイオン比が0より有意に大きく、例えば0.01〜2の場合は、特に耐水強度が優れている。
本発明の共重合体ラテックスにおけるK/Naイオン比は、例えば、重合時に使用かれる重合開始剤および/または乳化剤や、重合時および/または重合後に添加されるpH調整剤、各種添加剤等の試剤に由来するカリウムイオンとナトリウムイオンの量により適宜調節することができる。
【0013】
また、本発明の共重合体ラテックスは、粒子表面のゼータ電位が−80〜−10mV、好ましくは−70〜−10mV、特に好ましくは−65〜−20mVである。このゼータ電位が−80mVよりも低いと、紙塗工用組成物としたときの高速流動性が低下するため、高速塗工する際には好ましくなく、一方−10mVよりも高いと、重合時のラテックスの安定性が低下するため好ましくない。
【0014】
さらに、本発明の共重合体ラテックスとしては、ガラス転移点が−100〜+50℃の範囲に少なくとも2つ存在し、最も高いガラス転移点と最も低いガラス転移点との差が5℃以上、好ましくは10℃以上、さらに好ましくは15℃以上であるものが好ましい。共重合体ラテックスの低いガラス転移点が−100℃より低いと、べとつき防止性が低下する傾向があり、一方高いガラス転移点が+50℃より高いと、接着強度が低下する傾向がある。本発明における好ましい共重合体ラテックスのガラス転移点は、−100〜+50℃の範囲に少なくとも2つ存在すればよく、3つ以上存在することもできるが、紙塗工用組成物としては、2つ存在することが特に好ましい。また、共重合体ラテックスの最も高いガラス転移点と最も低いガラス転移点との差が前記条件を満足するとき、性能バランスに優れた紙塗工用組成物を得ることができる。
【0015】
本発明において、さらに好ましい共重合体ラテックスは、低いガラス転移点が−100〜0℃の範囲に少なくとも1つ存在し、かつ高いガラス転移点が−5〜+50℃の範囲に少なくとも1つ存在するものであり、特に好ましい共重合体ラテックスは、低いガラス転移点が−90〜−5℃の範囲に少なくとも1つ存在し、かつ高いガラス転移点が0〜+40℃の範囲に少なくとも1つ存在するものである。このようなガラス転移点を有する共重合体ラテックスは、紙塗工用組成物としたとき、より優れた印刷適性と塗工操業性を発現することができる。
本発明の共重合体ラテックスは、このように、特定の温度範囲内に異なるガラス転移点を有する重合体部分が同一粒子内に共存する異相構造を有することにより、当該ラテックスを含有する紙塗工用組成物が、高速塗工適性、塗料特性、塗工紙性能、塗工操業性等のバランスに優れたものとなり、各種の印刷用紙、特にオフセット印刷用紙に対して極めて好適に使用することができる。
【0016】
本発明において、前記特定の温度範囲内に少なくとも2つのガラス転移点を有する好ましい共重合体ラテックスは、特に、下記する重合体部分Aと重合体部分Bとからなることが好ましい。
即ち、重合体部分Aは、(a)脂肪族共役ジエン系単量体25〜100重量%、好ましくは35〜90重量%、(b)水溶性エチレン系単量体0〜10重量%、好ましくは0〜5重量%、さらに好ましくは0〜3重量%、および(c)他のビニル系単量体0〜75重量%、好ましくは7〜52重量%(但し、(a)+(b)+(c)=100重量%)からなり、かつガラス転移点が−100〜0℃、好ましくは−90〜−3℃、さらに好ましくは−70〜−5℃の範囲にある(共)重合体部分である。
重合体部分Aにおける(a)脂肪族共役ジエン系単量体の使用割合が全単量体に対して25重量%未満では、共重合体が硬くなり過ぎ、接着強度が低下する傾向があり、(b)水溶性エチレン系単量体の使用割合が全単量体に対して10重量%を超えると、ラテックスの粘度が大きくなり、塗工操業性が低下する傾向があり、(c)他のビニル系単量体の使用割合が全単量体に対して75重量%を超えると、共重合体が硬くなり過ぎ、接着強度が低下する傾向がある。また、重合体部分Aのガラス転移点が0℃より高いと、接着強度が低下する傾向がある。
また、重合体部分Bは、(a)脂肪族共役ジエン系単量体10〜60重量%、好ましくは20〜50重量%、(b)水溶性エチレン系単量体0.5〜30重量%、好ましくは0.8〜20重量%、さらに好ましくは1〜10重量%、および(c)他のビニル系単量体10〜89.5重量%、好ましくは40〜79重量%(ただし、(a)+(b)+(c)=100重量%)からなり、かつガラス転移点が−5〜+50℃、好ましくは0〜+45℃、さらに好ましくは+5〜+40℃、の範囲にある(共)重合体部分である。
重合体部分Bにおける(a)脂肪族共役ジエン系単量体の使用割合が全単量体に対して10重量%未満では、共重合体が硬くなり過ぎ、接着強度が低下する傾向があり、一方60重量%を超えると、べとつき防止性が低下する傾向がある。また、(b)水溶性エチレン系単量体の使用割合が全単量体に対して0.5重量%未満では、重合時の安定性が低下したり、得られるラテックスの機械的安定性が低下する傾向があり、一方30重量%を超えると、ラテックスの粘度が大きくなり、塗工操業性が低下する傾向がある。また、(c)他のビニル系単量体の使用割合が全単量体に対して10重量%未満では、べとつき防止性が低下する傾向があり、一方89.5重量%を超えると、共重合体が硬くなり過ぎ、接着強度が低下する傾向がある。また、重合体部分Bにおけるガラス転移点が+50℃より高いと、接着強度が低下する傾向がある。
なお、重合体部分Aおよび重合体部分Bにおける「(共)重合体」とは、単独重合体および共重合体の少なくとも一方から構成されることを意味する。
また、重合体部分Aと重合体部分Bとの割合(A/B)は、全共重合体100重量部に対して、好ましくは10/90〜80/20、さらに好ましくは15/85〜75/25、特に好ましくは20/80〜70/30である。この割合が10/90未満であると、接着強度が不足する場合があり、一方80/20を超えると、べとつき防止性が低下する傾向がある。
【0017】
本発明の共重合体ラテックスは、K/Naイオン比が特定の範囲にあり、かつ特定の範囲のゼータ電位を有することに特徴があり、かかる共重合体ラテックスを使用することにより、優れた紙塗工用組成物を得ることができる。即ち、この共重合体ラテックスは、粒子表面の電荷密度が小さいために、高せん断速度下における顔料との相互作用がより小さくなり、高速流動性に優れたものとなる。
さらに、本発明の共重合体ラテックスは、ラテックス粒子中にガラス転移点の低い重合体部分と高い重合体部分とが共存することにより、より優れた塗工紙性能と塗工操業性を発現することができる。即ち、ガラス転移点の低い重合体部分によって、例えば高速印刷における変形速度の極めて大きい衝撃的な変形に対して高い耐性を示し、それにより高い接着強度を発現することができる。また、ガラス転移点の高い重合体部分によって、強度、剛度等の塗工紙性能を高いレベルに維持することができ、かつべとつき防止性が改善されることから、より優れた塗工操業性を発現できることとなる。
【0018】
本発明の共重合体ラテックスの最低造膜温度は、好ましくは0〜60℃であり、さらに好ましくは5〜50℃、特に好ましくは10〜40℃である。最低造膜温度が0℃より低いと、べとつき防止性が低下する傾向があり、一方60℃より高いと、接着強度が低下する傾向がある。
【0019】
本発明の共重合体ラテックスは、所定の単量体混合物を、水性媒体中、乳化剤、重合開始剤、分子量調節剤等の存在下における公知の乳化重合法により製造することができる。
前記乳化剤としては、例えば、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等を、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、高級アルコールの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、ポリエチレングリコールアルキルエーテルの硫酸エステル塩等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、通常のポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルエーテル型、アルキルフェニルエーテル型等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、アニオン部分としてカルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、燐酸エステル塩等を有し、カチオン部分としてアミン塩、第4級アンモニュウム塩等を有するものが挙げられ、具体的には、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン等のベタイン類;ラウリル−β−アラニン、ステアリル−β−アラニン、ラウリルジ(アミノエチル)グリシン、オクチルジ(アミノエチル)グリシン等のアミノ酸タイプ等が挙げられる。
前記重合開始剤としては、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の水溶性重合開始剤;過酸化ベンゾイル、ラウロイルパーオキサイド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等の油溶性重合開始剤;酸化剤と還元剤との組み合わせによるレドックス系重合開始剤等が、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
前記分子量調節剤としては、例えば、クロロホルム、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素類;n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸等のメルカプタン類;ジメチルキサントゲンジサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンジサルフィド等のキサントゲン類や、ターピノーレン、α−メチルスチレンダイマー等、通常の乳化重合で使用可能なものを全て、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
さらに、乳化重合に際しては、公知のpH調整剤、キレート化剤、無機電解質等を添加することもできる。
【0020】
重合方法としては、
▲1▼シード重合と同様にして、予め重合体部分Aを別の重合容器を用いて乳化重合により製造したのち、所定量の該重合体部分Aを添加して、共重合体部分Bを乳化重合により製造する方法、
▲2▼重合体部分Aと重合体部分Bとを、同一重合容器内で少なくとも2段の多段階の乳化重合により製造する方法
等が挙げられる。
前記重合方法において、単量体混合物の仕込み方法としては、例えば、単量体混合物を全量一括で仕込む方法、単量体混合物の一部を重合したのち、残りを連続的あるいは断続的に添加する方法、単量体混合物を重合当初から連続的あるいは断続的に添加する方法等が挙げられ、またこれらの仕込み方法を組み合わせることもできる。
重合温度は、通常、重合体部分Aを製造する場合は、好ましくは5〜80℃、さらに好ましくは5〜50℃であり、また共重合体部分Bを製造する場合は、好ましくは20〜80℃、さらに好ましくは20〜60℃である。重合時間は、通常10〜30時間である。
【0021】
紙塗工用組成物
本発明の紙塗工用組成物は、通常、前記共重合体ラテックスを、無機あるいは有機の顔料に、さらに必要に応じて他のバインダー、種々の助剤等と共に、配合して調製される。
紙塗工用組成物における前記共重合体ラテックスの配合量は、顔料100重量部に対して、通常、共重合体ラテックス1〜30重量部(固形分として)、好ましくは3〜25重量部である。共重合体ラテックスの配合量が1重量部未満であると、接着強度が低下する傾向があり、一方30重量部を超えると、インク乾燥性が低下する傾向がある。
紙塗工用組成物に使用される無機顔料としては、例えば、クレー、硫酸バリウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、サチンホワイト、タルク、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛等が挙げられ、また有機顔料としては、例えば、ポリスチレン粒子、尿素ホルマリン樹脂等が挙げられる。これらの顔料は、目的に応じて、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
紙塗工用組成物に使用される助剤としては、例えば、一般に使用されている耐水性改良剤、顔料分散剤、粘度調節剤、着色顔料、蛍光染料、pH調節剤等が挙げられる。
また、本発明の紙塗工用組成物は、特にオフセット印刷用に使用される場合、顔料バインダーとして、前記共重合体ラテックスに加え、カゼイン、カゼイン変性物、澱粉、澱粉変性物、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース等の水溶性物質を必要に応じて併用することもできる。
本発明の紙塗工用組成物は、オフセット枚葉印刷用紙およびオフセット輪転印刷用紙に対して特に好適に使用されるが、そのほか凸版印刷、グラビア印刷等の他の各種印刷用紙にも有用であり、また紙用コーティング剤、カーペットバッキング剤、接着剤、塗料等として使用することもできる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、実施例を挙げて本発明の実施の形態をさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に制約されるものではない。実施例および比較例における「部」および「%」はともに重量基準である。
【実施例】
(共重合体ラテックスの製造と評価)
実施例1〜5および8
攪拌機および温度調節器を備えたオートクレーブに、1段目成分として、水200部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部および重亜硫酸ナトリウム0.5部と、表1に示す単量体、分子量調節剤および重合開始剤とを一括して仕込んだのち、45℃で6時間反応させて、重合体部分Aを製造した。このときの重合転化率は70%以上であった。
次いで、2段目成分として、表1に示す単量体および分子量調節剤を、60℃で7時間にわたって連続的に添加して重合を継続させ、連続添加終了後さらに6時間にわたって70℃で反応させて、重合体部分Bを製造した。最終の重合転化率は98〜99%であった。その後、水酸化ナトリウム水溶液でpHを7.8に調整したのち、減圧下で所定の濃度に濃縮した。
【0023】
得られた各共重合体ラテックスについて、平均粒子径、トルエン不溶分、ガラス転移点、K/Naイオン比およびゼータ電位を、以下の方法により求めた。その結果を、表2に示す。
平均粒子径
コールター社製のサブミクロンアナライザー(モデルN4)を用いて、常法により求めた。
トルエン不溶分
各共重合体ラテックスをpH8.0に調整したのち、イソプロパノールで凝固させ、凝固物を洗浄、乾燥した。次いで、所定量(約0.03g)の乾燥試料をを所定量(100ml)のトルエン中に20時間浸漬したのち、120メッシュの金網でろ過して、残存固形分の仕込み全固形分に対する割合を求めた。
ガラス転移点
各共重合体ラテックスを基材上に塗布したのち、100℃で20時間真空乾燥させて、フィルムを作製した。この乾燥フィルムについて、示差走査熱量計(DSC:デュポン社製)を用いて、ASTM法に準じて測定した。
K/Na イオン比
各共重合体ラテックスを所定の濃度に希釈したのち遠心分離し、得られた上澄み液について、液体クロマトグラフィーによりカリウムイオンとナトリウムイオンを定量し、その値よりK/Naイオン比を算出した。
ゼータ電位
得られた共重合体ラテックスのゼータ電位は、ブルークヘイブン インスツルメント社製のゼータポテンシャル アナライザーにて、常法により求めた。
【0024】
(共重合体ラテックスの製造と評価)
実施例6〜7
実施例1〜5および8と同様のオートクレーブに、1段目成分として、水200部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部、重亜硫酸ナトリウム0.5部、t−ドデシルメルカプタン0.2部およびα−メチルスチレンダイマー0.5部と、表1に示す重合開始剤、単量体および他の成分を一括して仕込んだのち、45℃で6時間反応させて、重合体部分Aを製造した。このときの重合転化率は70%以上であった。
次いで、2段目成分として、表1に示す単量体および分子量調節剤を一括して添加し、60℃まで昇温し、一括添加後さらに10時間にわたって60℃で反応させて、重合体部分Bを製造した。最終の重合転化率は98%であった。その後、水酸化ナトリウム水溶液でpHを7.8に調整したのち、減圧下で所定の濃度に濃縮した。
得られた各共重合体ラテックスについて、平均粒子径、トルエン不溶分、ガラス転移点、K/Naイオン比およびゼータ電位を、実施例1〜5および8と同様にして求めた。その結果を、表2に示す。
【0025】
(紙塗工用組成物の調製と評価)
実施例9〜16
実施例1〜8で得た各共重合体ラテックスを用いて、下記の処方によりオフセット印刷用の紙塗工用組成物を調製した。
処方
共重合体ラテックス(固形分) 10.0部
カオリンクレー 70.0部
炭酸カルシウム 30.0部
分散剤 0.2部
水酸化ナトリウム 0.1部
澱粉 4.0部
水 全固形分が60%となる量
得られた各紙塗工用組成物について、下記する高速塗工適性試験、塗料特性試験、塗工紙性能試験および塗工操業性試験を行った。
〈高速塗工適性試験〉
各紙塗工用組成物を坪量64g/mの上質塗工原紙に、CLC(CYLINDRICAL LABORATORY COATE:ウェアハウザー社製)を用い、1500m/分の塗工スピードで塗工したのち、乾燥し、得られた塗工紙の表面におけるスピッツ等の発生程度を目視により観察して、下記基準で評価した。
◎;発生せず、○;極く僅かに発生、△;僅かに発生、×;著しく発生(実用上不可)。
〈塗料特性試験〉
▲1▼熱時の機械的安定性
各紙塗工用組成物を水で濃度50%に希釈し、#300メッシュ金網でろ過したのち、50℃に加温した。次いで、試料150gを容器(容器ジャケットは予め50℃温水を循環させておく。)に採り、マロン試験機(理学工学(株)製)により荷重15Kg×25分の負荷を掛けたのち、#300メッシュ金網でろ過し、乾燥し、ろ過残渣量を測定して、試料の全固形分に対する割合を算出した。▲2▼高速流動性
ハーキュレス粘度計(熊谷理機工業(株)製)を用いて、試料温度25℃、6600rpmの条件における粘度を測定した。
【0026】
〈塗工紙性能試験〉
各紙塗工用組成物を塗被原紙上に、塗工量が片面18.0±0.5g/mとなるように、電動式ブレードコーター(熊谷理機工業(株)製)を用いて塗工したのち、150℃の電気式熱風乾燥機にて15秒間乾燥した。次いで、得られた塗工紙を、温度23℃、湿度50%の恒温恒湿槽内に1昼夜放置したのち、線圧100kg/cm、ロール温度50℃の条件によるスーパーカレンダー処理を4回行って、塗工紙の性能評価を、以下の方法により行った。
▲1▼ドライピック強度
RI印刷機で印刷したときのピッキングの程度を目視により観察し、ピッキング現象の少ないものほど高得点として、5段階で評価した。数値は、測定回数6回の平均値で示した。
▲2▼ウェットピック強度
RI印刷機を用いて、塗工紙表面を吸水ロールで湿らしてから、RI印刷機で印刷したときのピッキングの程度を目視により観察し、ピッキング現象の少ないものほど高得点として、5段階で評価した。数値は、測定回数6回の平均値で示した。
▲3▼印刷光沢
RI印刷機を用いて、オフセット用インキをベタ塗りし、村上式光沢計を使用して、角度60度で測定した。
▲4▼剛度
JIS P8143に準じて、自動クラーク剛度試験機(熊谷理機工業(株)製)を用いて測定した。
〈塗工操業性試験〉
▲1▼べとつき防止性
各共重合体ラテックスをポリエチレンテレフタレートフィルム上に、No.18ロッドにより塗布したのち、120℃で30秒間乾燥して、皮膜を形成させた。次いで、この皮膜と黒羅紗紙とを合わせて、ベンチスーパーカレンダーにより、線圧200kg/m、温度70℃の条件下で圧着させたのち、両者を引き剥がしたときの、黒羅紗紙のラテックスへの転写の程度を目視により観察し、転写の少ないものほど高得点として、5段階で評価した。数値は、測定回数6回の平均値で示した。
各紙塗工用組成物の評価結果を、表3に示す。
その結果、実施例8〜14の紙塗工用組成物は、実施例1〜7で得た本発明の共重合体ラテックスを用いたものであり、接着強度(ドライピック強度、ウェットピック強度)に優れ、かつ印刷光沢、剛度およびべとつき防止性が何れも優れていた。
【0027】
【表1】
Figure 0003605982
【0028】
【表2】
Figure 0003605982
【0029】
【表3】
Figure 0003605982
【0030】
(共重合体ラテックスの製造と評価)
比較例1
実施例1〜5および8と同様のオートクレーブに、水100部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.3部および重亜硫酸ナトリウム0.5部と、表4に示す単量体、分子量調節剤および重合開始剤とを一括して仕込み、45℃で7時間反応させたのち、60℃に昇温し、さらに7時間にわたって反応させた。最終の重合転化率は98%であった。その後、水酸化ナトリウム水溶液でpHを7.8に調整したのち、減圧下で所定の濃度に濃縮した。
得られた共重合体ラテックスについて、平均粒子径、トルエン不溶分、ガラス転移点、K/Naイオン比およびゼータ電位を、実施例1〜5および8と同様にして求めた。その結果を、表5に示す。
【0031】
(共重合体ラテックスの製造と評価)
比較例2〜4
実施例1〜5および8と同様のオートクレーブに、1段目成分として、水200部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.8部および重亜硫酸ナトリウム0.5部と、表4に示す単量体、分子量調節剤および重合開始剤とを一括して仕込み、45℃で6時間反応させた。このときの重合転化率は70%以上であった。
次いで、2段目成分として、表4に示す単量体および分子量調節剤を、60℃で7時間にわたって連続的に添加して重合を継続させ、連続添加終了後さらに6時間にわたって60℃で反応させた。最終の重合転化率は98〜99%であった。その後、水酸化ナトリウム水溶液でpH7.8に調整したのち、減圧下で所定の濃度に濃縮した。
得られた共重合体ラテックスについて、平均粒子径、トルエン不溶分、ガラス転移点、K/Naイオン比およびゼータ電位を、実施例1〜5および8と同様にして求めた。その結果を、表5に示す。
【0032】
(共重合体ラテックスの製造と評価)
比較例5
重合後のpH調整に際して、水酸化ナトリウムに代えて水酸化カリウムを用いた以外は、実施例5と同様にして共重合体ラテックスを製造した。
得られた共重合体ラテックスについて、平均粒子径、トルエン不溶分、ガラス転移点、K/Naイオン比およびゼータ電位を、実施例1〜5および8と同様にして求めた。その結果を、表5に示す。
【0033】
(紙塗工用組成物の調製と評価)
比較例6〜10
比較例1〜5で得た各共重合体ラテックスを用い、実施例8〜16と同様にして、オフセット印刷用の紙塗工用組成物を調製して、高速塗工適性試験、塗料特性試験、塗工紙性能試験および塗工操業性試験を行った。
各紙塗工用組成物の評価結果を、表6に示す。
その結果、K/Naイオン比が2を越え(比較例10)、あるいはゼータ電位が−80mVより低くなる(比較例9)と、何れも高せん断速度下におけるみかけ粘度が著しく高くなることが明らかである。また、共重合体ラテックスの平均粒子径が50〜150nmの範囲外であり(比較例1および比較例3)、あるいは水溶性エチレン系単量体の使用割合が8重量%を超える(比較例2)と、何れも高速塗工適性および塗料特性が低下する。
【0034】
【表4】
Figure 0003605982
【0035】
【表5】
Figure 0003605982
【0036】
【表6】
Figure 0003605982
【0037】
【発明の効果】
本発明の共重合体ラテックスは、特定の単量体組成、平均粒子径、カリウムイオンとナトリウムイオンとのモル比およびゼータ電位を有することにより、例えば高濃度・高速塗工時においても、高度の流動性を維持でき、かつ機械的安定性に優れ、しかもべとつき防止性が高く塗工操業性に優れるとともに、接着強度、印刷光沢、剛度等の塗工紙性能にも優れた紙塗工用組成物をもたらすことができる。
また、本発明の紙塗工用組成物は、前記優れた諸特性を有し高速塗工に適しており、特にオフセット印刷用紙に対して極めて好適に使用することができるほか、凸版印刷、グラビア印刷等の他の各種印刷用紙にも有用であり、極めて工業的価値の高いものである。

Claims (2)

  1. (a)脂肪族共役ジエン系単量体20〜80重量%、(b)水溶性エチレン系単量体0.5〜8重量%、並びに(c)前記(a)成分および(b)成分と共重合可能な他のビニル系単量体20〜79.5重量%(但し、(a)+(b)+(c)=100重量%)からなる共重合体ラテックスであって、該ラテックスの平均粒子径が50〜150nmであり、該ラテックス中に含まれるカリウムイオンとナトリウムイオンとのモル比(カリウムイオン/ナトリウムイオン)が0〜2であり、かつ粒子表面のゼータ電位が−80〜−10mVであることを特徴とする共重合体ラテックス。
  2. 請求項1記載の共重合体ラテックスを含有することを特徴とする紙塗工用組成物。
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