JP2004307667A - カーテン塗工用またはスプレー塗工用共重合体ラテックスおよびそれを含有する紙塗工用組成物 - Google Patents

カーテン塗工用またはスプレー塗工用共重合体ラテックスおよびそれを含有する紙塗工用組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】カーテン塗工またはスプレー塗工で塗工紙を製造する際に、バインダー所用量の増加、印刷光沢の低下などの問題を解決し、しかも、操業性が良好な紙塗工用組成物およびそれに使用する共重合体ラテックスを得る。
【解決手段】(a)脂肪族共役ジエン系単量体 23〜58重量部、(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体 0.1〜7重量部、(c)シアン化ビニル化合物5〜40重量部および、(d)単量体(a),(b)および(c)と共重合可能な他の単量体 0〜71.9重量部(ただし、(a)+(b)+(c)+(d)=100重量部)からなる単量体を乳化重合して得られる共重合体ラテックスであって、共重合体の平均粒子径が50nm〜150nmであることを特徴とするカーテン塗工用またはスプレー塗工用共重合体ラテックスおよびこれを含有する組成物。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は紙塗工用ラテックスおよび紙塗工用組成物に関し、詳しくはカーテン塗工またはスプレー塗工で塗工紙を製造する場合に、良好な操業性、塗工紙表面強度、耐水強度、印刷光沢を与える共重合体ラテックスおよびそれを含有する紙塗工用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に紙の外観や印刷適性を改良するために、カオリンや炭酸カルシウム等の白色顔料と水性バインダーを主成分とする組成物を塗工した塗工紙が製造されている。近年、雑誌のビジュアル化や新聞の折り込み広告、チラシ等の増加により、塗工紙の生産量は大きく増加してきた。これらの塗工紙は、今日主にブレードコーター、ゲートロールコーター、メータリングサイズプレスで塗工され製造されている。
このような塗工紙を製造するに当たっては、特にコスト面から少ない塗工量でいかに原紙を良好に被覆するかが大きな課題となる。被覆性を良好にするためには、原紙への押し込みが少なく、塗工層を嵩高にすることが肝要である。しかし、上記のコーターを使用した場合、その機構上、塗工液はかなり原紙に押し込まれ、塗工層は嵩高くはなりにくいという問題がある。
一方、カーテン塗工やスプレー塗工のような、いわゆる非接触型の塗工方式の場合、塗工液は原紙に押し込まれることはなく、また、塗工層は嵩高になることが知られている。しかし、カーテン塗工やスプレー塗工は、一般的には塗工紙の製造に用いられていない。その主な理由は次のようなものである。
上記のような非接触型塗工の場合、塗工層が嵩高になる反面、例えばブレード塗工の場合に比べて▲1▼塗工層の強度が弱くなる、▲2▼空隙の多い塗工層構造となるため、過度のインク吸収が生じて十分な印刷光沢が得られない、などの問題を生じる。これらを防ぐための手段として、バインダーを多く使用することが考えられるが、大変なコスト高となるため好ましくない。
また、例えば一般的なブレード塗工に匹敵する塗工速度でカーテン塗工を行った場合、塗工速度が速いためカーテン膜は激しいシェアを受けながら引き延ばされる。この際、塗料の高速流動性が不良であると、塗料が十分に延び広がることが出来ないために、連続した塗工層が形成出来なくなる。
またスプレー塗工方式の場合には、塗工原理上、塗料は細かなミストとして高圧でノズルから噴出される。この際、塗料の高速流動性が不良であると、ノズル先端から良好に噴出されなくなるために、やはり良好な塗工が出来ない。
したがって、これら非接触塗工において、例えばブレード塗工に匹敵するような高速の塗工速度で、良好な印刷適性が得られ、操業性の良好な、新たなラテックスの設計が要求されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、カーテン塗工またはスプレー塗工で塗工紙を製造する際に、上に述べたバインダー所用量の増加、印刷光沢の低下の問題を解決し、しかも、操業性が良好な紙塗工用組成物とそれに使用する共重合体ラテックスを得ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、カーテン塗工またはスプレー塗工用に、下記の共重合体ラテックスを含む紙塗工用組成物を用いることで、上記課題を達成できることが分かり、本発明を完成するに至った。即ち、本発明の共重合体ラテックスは、
(a)脂肪族共役ジエン系単量体 23〜58重量部、
(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体 0.1〜7重量部、
(c)シアン化ビニル化合物5〜40重量部および、
(d)単量体(a),(b)および(c)と共重合可能な他の単量体 0〜71.9重量部(ただし、(a)+(b)+(c)+(d)=100重量部)からなる単量体を乳化重合して得られる共重合体ラテックスであって、平均粒子径が50nm〜150nmであることを特徴とする共重合体ラテックスである。
本発明で得られた共重合体ラテックスを用いると、塗料の高速流動特性が大幅に改善され、非常に良好な作業性を得ることが出来ると共に、非接触塗工方式で得られる塗工紙の特徴である、空隙の多い塗工層構造であっても、過度のインク吸収を防いで良好な印刷光沢をも得ることが出来る。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明の共重合体ラテックスの製造に使用される(a)脂肪族共役ジエン系単量体としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、クロロプレンなどが挙げられるが、好ましくは1,3−ブタジエンである。これらの(a)脂肪族共役ジエン系単量体は、1種単独で、あるいは2種以上を併用することができる。
かかる(a)脂肪族共役ジエン系単量体は、得られる共重合体に適度な柔軟性と伸びを与え、耐衝撃性を付与するために必須の成分であり、その使用割合は23〜58重量部、好ましくは30〜50重量部である。この(a)成分が23重量部未満であると、共重合体が硬くなり過ぎ、接着強度が改良されない。とくにカーテン塗工方式やスプレー塗工方式といった非接触塗工方式の場合には、原紙への塗料の押し込みが為されないためにアンカー効果が小さく、共重合体ラテックスが十分な強度を持たない場合には、塗工紙強度の低下が著しい。
一方、(a)成分が58重量部を越えると粘着性が高くなり過ぎて、汚れの発生などの操業性が悪化する。また、耐水強度や印刷光沢も低下する。
【0006】
前記(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸などが挙げられる。これらの(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体は、1種単独で、あるいは2種以上を併用することもできる。
かかる(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体の使用量は、全単量体に対して0.1〜7重量%、好ましくは0.3〜5重量部であり、更に好ましくは0.5〜3.5重量部である。(b)成分が0.1重量部未満では、重合時のラテックスの安定性が悪く、多量の凝固物の発生を招く。一方(b)成分が7重量%を超えると、塗工液粘度が高くなりすぎ塗工に支障をきたす。
【0007】
また、(c)シアン化ビニル化合物としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。かかる(c)シアン化ビニル化合物の使用量は5〜40重量部であり、好ましくは10〜35重量部、更に好ましくは10〜30重量部である。(c)成分が5重量部未満では、共重合体ラテックスへのインク溶剤の吸収が十分に抑制されないため、非接触塗工方式で得られる塗工層の特徴である空隙の多い塗工層構造において、インクの過度の吸収を抑制することが出来ず、十分な印刷光沢が得られない。また(c)成分が40重量部を超えると、極端な耐水強度の低下を生じ、かつ塗工紙の退色度(経時的に生じる黄ばみ)が悪くなる。
【0008】
(d)単量体(a)、(b)および(c)と共重合可能な他のビニル系単量体としては芳香族ビニル化合物、アルキル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、アクリルアミド系化合物、N−メチロールアクリルアミドなどが挙げられる。
これらのうち、芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロルスチレンなどが挙げられ、特にスチレンが好ましい。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−シアノエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、特にメチルメタアクリレートが好ましい。
さらにアクリルアミド系化合物としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
これら(d)成分は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもかまわない。(d)成分は、共重合体に、主として目的に応じた適度なガラス転移温度を与えるために使用するものであり、その使用割合は0〜71.9重量部である。
【0009】
本発明で使用される単量体を乳化重合するに際しては、水性媒体中で乳化剤、重合開始剤、分子量調節剤などを用いて製造することができる。
ここで、乳化剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが単独で、あるいは2種以上を併用して使用できる。
ここで、アニオン性界面活性剤としては、例えば高級アルコールの硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、ポリエチレングリコールアルキルエーテルの硫酸エステルなどが挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、通常のポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルエーテル型、アルキルフェニルエーテル型などが用いられる。
【0010】
両性界面活性剤としては、アニオン部分としてカルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、燐酸エステル塩を、カチオン部分としてはアミン塩、第4級アンモニウム塩を持つものが挙げられ、具体的にはラウリルベタイン、ステアリルベタインなどのベタイン類、ラウリル−β−アラニン、ステアリル−β−アラニン、ラウリルジ(アミノエチル)グリシン、オクチルジ(アミノエチル)グリシン、などのアミノ酸タイプのものなどが用いられる。
【0011】
重合開始剤としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの水溶性重合開始剤、過酸化ベンゾイル、ラウリルパーオキサイド、2,2’−アゾビスイソブチルニトリルなどの油溶性重合開始剤、還元剤との組み合わせによるレドックス系重合開始剤などが、それぞれ単独であるいは組み合わせで使用できる。
【0012】
また、分子量調節剤、キレート化剤、無機電解質なども公知のものが使用できる。分子量調節剤としては、クロロホルム、四臭化炭素などのハロゲン化炭化水素類、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸などのメルカプタン類、ジメチルキサントゲンジサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンジサルフィドなどのキサントゲン類、ターピノーレン、α−メチルスチレンダイマー、1,1−ジフェニルエチレンなど通常の乳化重合で使用可能なものを全て使用できる。
【0013】
本発明の共重合体ラテックスの平均粒子径は、50〜150nm、好ましくは55〜130nm、さらに好ましくは60〜110nmである。共重合体ラテックスの平均粒子径が150nmを超えると、共重合体ラテックスを含有する紙塗工用組成物の高速流動性が低下し、一般的なブレード塗工に匹敵する高速の塗工速度でカーテン塗工を行った場合、カーテン膜が激しいシェアを受けながら引き延ばされるため、塗料が十分に延び広がることが出来ず、連続した塗工層が形成出来なくなる。また、共重合体ラテックスの平均粒子径が50nm未満だと、もはや塗工液の流動性は改良されず、白紙光沢やインキ転移性が著しく低下する。
共重合体ラテックスの平均粒子径を本発明の範囲にするためには、乳化剤の種類と使用量、重合開始剤の種類と使用量、極性基を有する単量体の種類と使用量、モノマー濃度、重合温度等で調整することができる。好ましい調整方法としては、乳化剤使用量の増量があげられる。
【0014】
重合方法としては、単量体の一部を重合した後、その残りを連続的にあるいは断続的に添加する方法、あるいは単量体を重合のはじめから連続的に添加する方法等が挙げられる。
重合温度は、通常、20〜85℃、好ましくは25〜80℃である。重合時間は、通常10〜30時間である。
【0015】
本発明の共重合体ラテックスが用いられる紙塗工用組成物は、無機あるいは有機顔料に、前記共重合体ラテックス、さらに必要に応じて他のバインダー、種々の助剤を配合して使用される。前記共重合体ラテックスの配合量は、通常、顔料100重量部に対して共重合体ラテックス5〜30重量部(固形分として)、好ましくは5〜25重量部である。共重合体ラテックスが5重量部未満であると、接着強度が著しく低下し、一方30重量部を超えるとインク乾燥性の低下が著しい。
【0016】
前記無機顔料としてはカオリン、硫酸バリウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、サチンホワイト、タルク、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛等が、また有機顔料としてはポリスチレンラテックス、尿素ホルマリン樹脂などを挙げることができる。これらは目的に応じて、単独でも、あるいは2種以上組み合わせても使用することができる。
【0017】
本発明の共重合体ラテックスは、カーテン用あるいはスプレー塗工用の紙塗工用組成物、特にオフセット印刷用の紙塗工用組成物において、接着剤として好適に使用される。また、この紙塗工用組成物は、前記共重合体ラテックスに加えて、カゼイン、カゼイン変性物、澱粉、澱粉変性物、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースなどの水溶性物質を必要に応じて組み合わせて使用できる。
【0018】
また、その紙塗工用組成物においては、一般に使用されている種々の配合剤、例えば、耐水性改良剤、顔料分散剤、粘度調節剤、着色顔料、蛍光染料およびpH調節剤を任意に配合することができる。
さらに、その紙塗工用組成物は、シートオフセット印刷用紙およびウエッブオフセット印刷用紙に好適に使用され、その他、凸版印刷、グラビア印刷などの各種印刷用紙および紙のコーティング剤にも使用することができる。
【0019】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に制約されるものではない。なお、実施例において割合を示す「部」および「%」はそれぞれ重量部および重量%を意味する。
共重合体ラテックスの製造
(実施例1〜5)
攪拌機を備え、温度調節の可能なオートクレーブ中に、水200部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部、過硫酸ナトリウム1部を仕込み、次いで表1に示す成分を一括で仕込み、60℃で1時間反応させた。その後、やはり表1に示す1段目ならびに2段目成分を10部/時間の速度で連続的に添加し重合を継続させ、さらに連続添加終了後6時間にわたって70℃で反応させた。最終的な重合転化率は98%であった。得られた共重合体ラテックスについて、ガラス転移温度、ラテックス平均粒子径、トルエン不溶分および差ΔTを以下の方法で求めた。その結果を表1に示す。
【0020】
(比較例1〜5)
攪拌機を備え、温度調節の可能なオートクレーブ中に、水200部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部、過硫酸ナトリウム1部を仕込み、次いで表2に示す1段目成分を一括で仕込み、60℃で1時間反応させた。その後、やはり表2に示す2段目成分を10部/時間の速度で連続的に添加し重合を継続させ、さらに連続添加終了後6時間にわたって70℃で反応させた。最終的な重合転化率は、98%であった。
得られた共重合体ラテックスについて、ガラス転移温度、ラテックス平均粒子径、トルエン不溶分および差ΔTを以下の方法で求めた。その結果を表2に示す。
【0021】
a.ガラス転移温度
得られた共重合体ラテックスを100℃で20時間真空乾燥を行い、フィルムを作製した。この乾燥フィルムを示差走査熱量計(DSC:デュポン社製)を用いてASTM法に準じて測定した。
b.ラテックス平均粒子径
得られた共重合体ラテックスの平均粒子径は、コールター社製のサブミクロンアナライザー(モデルN4)で、常法により求めた。
c.トルエン不溶分
得られた共重合体ラテックスのトルエン不溶分は以下のようにして測定した。共重合体ラテックスをpH8.0に調製した後、イソプロパノールで凝固し、この凝固物を洗浄、乾燥した後、所定量(約0.03g)の試料を所定量(100ml)のトルエンに20時間浸漬する。その後、120メッシュの金網で濾過し、得られる残存固形分の仕込の全固形分に対する重量%を求めた。
d.粘着性の評価
ラテックスをポリエチレンテレフタレートフィルム上にNo.18ロッドにより塗布し、120℃で30秒間、乾燥し、皮膜を形成させる。この皮膜と黒羅紗紙を合わせて、ベンチスーパーカレンダー(由利ロール(株)製 ダブルテストカレンダー)により線圧200kg/m,温度70℃の条件下で圧着させる。両者をひきはがして、黒羅紗紙のラテックスへの転写の程度を目視で5段階で評価する。転写の少ないものほど高得点とした。数値は測定回数6回の平均値で示した。
【0022】
カーテン塗工での評価
(紙塗工用組成物の調製)
実施例1〜5および比較例1〜5で製造した共重合体ラテックスを用いて、下記の処方によりカーテン塗工用でオフセット印刷用紙向けの紙塗工用組成物を調製した。
配合;
カオリンクレー 70.0部
炭酸カルシウム 30.0部
分散剤 0.2部
水酸化ナトリウム 0.1部
澱粉 4.0部
ラテックス(固形分として) 13.0部
水 全固形分が45%となるように適当量添加
【0023】
(塗工紙の作成と評価)
この紙塗工用組成物を塗被原紙上に、塗工量が片面10.0±0.5g/mとなるように、ラボカーテンコーター(SMT社製)で塗工し、150℃の熱風乾燥機にて20秒間乾燥した。得られた塗工紙を温度23℃、湿度50%の恒温恒湿槽に1昼夜放置し、その後、線圧100kg/cm,ロール温度50℃の条件でスーパーカレンダー処理を4回行った。得られた塗工紙の性能評価は以下の方法により行った。
1)ドライピック強度
RI印刷機(明製作所製)で印刷したときのピッキングの程度を肉眼で判定し、5段階で評価した。ピッキング現象の少ないものほど高得点とした。数値は測定回数6回の平均値で示した。
2)ウェットピック強度
RI印刷機を用いて、塗工紙表面を吸水ロールで湿してから、RI印刷機で印刷したときのピッキングの程度を肉眼で判定し、5段階で評価した。ピッキング現象の少ないものほど高得点とした。数値は測定回数6回の平均値で示した。
3)印刷光沢
RI印刷機を用いてオフセット用インキをベタ塗りし、村上式光沢計を使用して60度の角度で測定した。
4)操業性
塗工液をラボカーテンコーターのヘッドを通して1時間循環させた。循環中スリットを閉塞させたものは×、閉塞させなくても、スリットからの流れ、すなわち、塗工液のカーテンがを乱れたものは△に、全く異常のないものを○とした。
5)退色度
作成した塗工紙を、JAPAN TAPPI No.21に基づき、ギヤ老化試験機に供し、スガ試験器株式会社製 SMカラーコンピューターにより、試験前の塗工紙のYI値と試験後のYI値との差(△YI)により評価した。
【0024】
スプレー塗工での評価
上記カーテンコーター用に調製した塗工用組成物を粘度が100mPa.sになるように希釈した。この紙塗工用組成物をスプレーで塗被原紙上に、塗工量が片面10.0±0.5g/mとなるように塗工した。その後はカーテンコーターの場合と同様に、150℃の熱風乾燥機にて20秒間乾燥した。得られた塗工紙を温度23℃、湿度50%の恒温恒湿槽に1昼夜放置し、その後、線圧100kg/cm,ロール温度50℃の条件でスーパーカレンダー処理を4回行った。
【0025】
【表1】
Figure 2004307667
【0026】
【表2】
Figure 2004307667
【0027】
(実施例の効果)
表−2に示す比較例1は共重合体ラテックスのシアン化ビニル化合物量が5重量部未満の場合で、塗工層への過度なインク吸収が生じている。その結果、明らかに印刷光沢が低く好ましくない。また比較例2、3は共重合体ラテックスのシアン化ビニル化合物量が40重量部以上の場合で、極度な耐水強度の低下を生じ、かつ退色度試験においては、白色度の低下が著しい結果となっており好ましくない。
また比較例4、5は共重合体ラテックスの粒子径が150nmよりも大きい場合で、高速流動性が優れないために、良好な操業性が得られていない。
一方、表1に示す実施例から明らかな通り、本発明で得られる共重合体ラテックスは、本発明の目的を十分に達成している。すなわち、強度、ウエット強度が強く、印刷光沢が良好で、かつ高速流動性が良好なために良好な操業性を示している。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によって、生産性に優れ、良好な被覆性、白紙光沢、印刷光沢、印刷強度、耐水性、耐印刷モットリング性等をバランス良く備える顔料塗工紙をカーテン塗工またはスプレー塗工で効率良く製造することが可能な方法を提供することができる。
本発明の顔料塗工紙は、オフセット印刷用紙、グラビア印刷用紙、凸版印刷用紙、ノンカーボン紙、感熱紙、電子写真用紙、感熱プリンター用紙、熱転写プリンター用紙等に好適に用いることができる。

Claims (2)

  1. (a)脂肪族共役ジエン系単量体 23〜58重量部、(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体 0.1〜7重量部、(c)シアン化ビニル化合物5〜40重量部および、(d)単量体(a),(b)および(c)と共重合可能な他の単量体 0〜71.9重量部(ただし、(a)+(b)+(c)+(d)=100重量部)からなる単量体を乳化重合して得られる共重合体ラテックスであって、平均粒子径が50nm〜150nmであることを特徴とするカーテン塗工用またはスプレー塗工用共重合体ラテックス
  2. 請求項1記載の共重合体ラテックスを含有するカーテン塗工用またはスプレー塗工用組成物
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