JP2628305B2 - 塗工板紙用組成物 - Google Patents

塗工板紙用組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、塗工板紙に非常に優れた印刷光沢と後加工
適性を付与することができ、かつ、塗工板紙を製造する
に際し極めて優れた水硬処理適性を付与させ得る塗工板
紙用組成物、特に該組成物の主たる接着剤としての合成
共重合体ラテックスに特徴を有する組成物に関する。
〔従来の技術〕
近年、生活の多様化及び高級化に伴い、今まで非塗工
板紙が使用されていた分野への塗工板紙の進出は目覚ま
しい。ところで、塗工板紙に要求される諸物性の内、接
着強度及びインキ着肉性以上に重要な物性に、印刷光沢
と後加工適性がある。
印刷光沢とは、塗工板紙にインキで印刷した後の「イ
ンキのテリ」のことである。「インキのテリ」を有した
塗工板紙は、当然商品価値が著しく高められる。印刷光
沢を高める手段として、例えば、塗工板紙用組成物とし
て使用される接着剤の使用量を増加させること、又、サ
チンホワイト及び軽質炭酸カルシウム等の使用量を増加
させること等が実施されている。
又、後加工適性とは、超印刷光沢の塗工板紙を得る方
法であるニス引き適性、箱を作製する場合の必須条件で
ある糊付け適性及び各種商品を硬質塩化ビニルシートで
パッキングする場合のブリスターパック適性のことであ
る。
ニス引き適性を向上させる手段としては、塗工板紙用
組成物として使用されている接着剤の使用量を増加させ
ること、又、糊付け適性とブリスターパック適性を向上
させる手段として、塗工板紙用組成物として使用されて
いる接着剤のうち、天然接着剤(主にカゼイン)よりも
合成共重合体ラテックス(主にスチレン−ブタジエン系
ラテックス)の使用比率を上げること等が実施されてい
る。
又、水硬処理適性とは、塗工板紙を製造するに際し、
塗工し乾燥された塗工板紙をマシンカレンダー及び高温
状態のグロスカレンダーに掛ける場合に、塗工板紙の耐
水性と白紙光沢及び印刷光沢を向上させる手段として、
マシンカレンダーにて約2〜3%亜鉛水溶液に通すが、
その際、塗工層自体の耐水性が劣っていると、水負け現
象を起こし、マシンカレンダー、更にグロスカレンダー
を汚すが、この汚れを起こさない適性のことを云う。こ
れらのカレンダー汚れが激しくなると、塗工板紙の品質
低下をもたらすだけでなく、生産性の大幅な低下をもも
たらす。
この対策として、塗工板紙に使用されている天然接着
剤(主にカゼイン)の使用量を増加することが実施され
ている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
前記諸対策のうち、サチンホワイト及び軽質炭酸カル
シウム等を使用すれば、確かに印刷光沢は向上するが、
塗料粘度の増加傾向が大きくなり、塗料固形分が上がら
ず、生産性の低下をもたらすと共に物性面では耐水性の
低下をきたす。
又、塗工板紙用組成物に使用されている接着剤の使用
量の増加により、確かに印刷光沢とニス引き適性は向上
するが、塗工層のポーラス性の大幅な減少により、イン
ク着肉性が悪化すると共に、白紙光沢もかなり低下す
る。
更に、塗工板紙用組成物に使用される接着剤のうち、
合成共重合体ラテックス(主にスチレン−ブタジエン系
ラテックス)の使用比率を増やせば、糊付け適性及びブ
リスターパック適性は向上するが、従来の合成共重合体
ラテックスでは、マシンカレンダー及びグロスカレンダ
ーへのベタツキ性が大きく、その結果水硬処理適性が大
幅に悪化する。
最後に塗工板紙用組成物に使用されている天然接着剤
(主にカゼイン)の使用量を増加させることにより、水
硬処理適性は大幅に改良されるが、天然接着剤による塗
料粘度の増加が大きく、塗料固形分が上がらず、生産性
が極端に低下するだけでなく、白紙光沢もかなり低下す
る傾向にある。
本発明者らは、塗工板紙に、優れた印刷光沢と後加工
適性を付与でき、かつ、塗工板紙を製造するに際し、極
めて優れた水硬処理適性を付与し得る塗工用組成物の接
着剤成分としての共重合体ラテックスについて鋭意検討
した。
〔問題点を解決するための手段〕
即ち、本発明は、脂肪族共役ジオレフィン系単量体32
〜46重量部、アクリル酸及び/又はメタクリル酸単量体
を少なくとも0.5重量部含有するエチレン系不飽和酸単
量体1〜6重量部、シアン化ビニル単量体2〜10重量部
及びこれらと共重合し得る他のモノオレフィン系単量体
38〜65重量部からなる全量100重量部の単量体混合物を
一段で乳化重合させて得られる合成共重合体ラテックス
であって、該ラテックスの数平均粒子径が0.1〜0.25μ
の範囲にあり、トルエンに対する不溶解部分が75〜85%
であり、かつ、ケロシン油に対する膨潤指数が60%以下
である合成共重合体ラテックスを主たる接着剤として含
有することを特徴とする塗工板紙用組成物に関するもの
である。
本発明で用いる合成共重合体ラテックスに使用される
脂肪族共役ジオレフィン系単量体は、塗工膜に適度な弾
性を与えるとともに、水硬処理適性の目安である耐水性
と耐ベタツキ性に多大な影響を与える。この単量体とし
ては、例えばブタジエンやイソプレン等があり、32重量
部未満では、剛性が上がりすぎて十分な弾性が得られ
ず、接着強度、糊付け適性及びブリスターパック適性が
劣る。一方46重量部を超えると、塗工膜の剛性が低下し
すぎてやはり接着強度が低下するだけでなく、水硬処理
適性も大幅に低下する。
本発明で用いる合成共重合体ラテックスに使用される
エチレン系不飽和カルボン酸単量体は、塗工膜の機械的
安定性と接着強度に多大な影響を与える。この単量体に
は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、
フマール酸、イタコン酸及びジカルボン酸の無水物又は
モノアルキルエステル等がある。1重量部未満では、塗
工膜の十分な機械的安定性及び接着強度が得られない。
一方6重量部を超えると、塗工液粘度が上がりすぎて実
用には適さない。又、アクリル酸及びメタクリル酸は、
塗工板紙として重要な物性であるニス引き適性に対し多
大な効果を発揮する。この効果を発揮するのに必要な部
数は、少なくとも0.5重量部以上である。
本発明で用いる合成共重合体ラテックスに使用される
シアン化ビニル系単量体は、印刷光沢と水硬処理適性の
目安である耐ベタツキ性に多大な影響を与える。この単
量体は、例えば、アクリロニトリル及びメタクリロニト
リル等があり、2重量部未満では、印刷光沢と耐ベタツ
キ性に効果が認めにくい。一方10重量部を超えると、白
紙光沢と接着強度が急激に低下する。
本発明で用いる合成共重合体ラテックスに使用される
共重合可能なモノオレフィン系単量体は、塗工膜に適度
な剛性を与えるとともに、接着強度に多大な影響を与え
る。この単量体には、例えばスチレン、α−メチルスチ
レン及びビニルトルエン等で例示される芳香族単量体、
メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチル
アクリレート及び2−エチルヘキシルアクリレート等で
例示されるアクリレート系単量体、メチルメタクリレー
ト、エチクメタクリレート及びプロピルメタクリレート
等で例示されるメタクリレート系単量体等がある。更に
必要に応じてアクリルアミド及びメタクリルアミドの使
用も十分可能である。38重量部未満では、塗工膜の剛性
が不足し接着強度が出ない。更に水硬処理適性の目安の
一つである耐水性も低下する。一方65重量部を超える
と、塗工膜の剛性が出すぎてやはり接着強度が低下す
る。
本発明で用いる合成共重合体ラテックスの数平均粒子
径は、接着強度、印刷光沢及び水硬処理適性の目安であ
る塗工膜の耐水性と耐ベタツキ性に対し多大の影響を与
える。0.1μ未満では、塗工層中の合成共重合体ラテッ
クスのマイグレーションが大きく、却って接着強度が低
下するとともに白紙光沢も低下する。一方、0.25μを超
えると、やはり接着強度が低下するだけでなく、印刷光
沢及び水硬処理適性もかなり低下する。
本発明で用いる合成共重合体ラテックスフイルムのト
ルエンに対する不溶解部分は、本発明の水硬処理適性の
目安である耐水性と耐ベタツキ性、更には印刷光沢及び
接着強度に多大の影響を与える。このトルエンに対する
不溶解部分は、例えば、重合温度、使用する単量体の種
類及び粒子径等に影響されるが、最も影響されるもの
に、分子量調整剤がある。この分子量調整剤として、例
えば、t−ドデシルメルカプタン、四塩化炭素、ブロモ
ホルム及びチオグリコール酸等がある。又、この分子量
調整剤は、一種又は二種以上でも当然使用可能である。
不溶解部分の含有量が75%未満では、水硬処理適性が悪
く、マシンカレンダー及びグロスカレンダーを汚し、更
に印刷光沢も低下する。一方85%を超えると、接着強度
が低下するだけでなく、後加工適性、即ち、ニス引き適
性、糊付け適性及びブリスターパック適性も低下する。
本発明で用いる合成共重合体ラテックスフイルムのケ
ロシン油に対する膨潤指数は、印刷インキの溶剤の一つ
として使用されているケロシン油に対する膨潤性を意味
する。この性質は、印刷光沢に多大の影響を与える。膨
潤指数は、重合温度及び分子量調整剤にも影響される
が、最も影響される因子は、使用される単量体の種類と
使用量である。膨潤指数は、60%以下であり、好ましく
は20〜50%である。60%を超えると、印刷光沢が急激に
低下する。
本発明で用いる合成共重合体ラテックスを得るための
重合方法は、バッチ重合及び連続重合何れの方法も可能
である。さらに粒子径を調整する場合に使用される界面
活性剤による方法及びシード(種)による方法の何れの
方法も当然可能である。更に重合温度は、中高温度の50
〜100℃が望ましい。
本発明で用いる合成共重合体ラテックスに使用される
乳化剤は、アニオン性のものが一般的である。例えば、
高級アルコールの硫酸エステル、アルキルベンゼンスル
ホン酸塩及び脂肪族スルホン酸塩等がある。又、重合開
始剤は、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム及
び過硫酸アンモニウム等の水溶性開始剤、過酸化ベンゾ
イル及びアゾビスイソブチロニトリル等の油溶性開始剤
及び酸化触媒と次亜硫酸ナトリウム及びホルムアルデヒ
ドのスルホン酸塩等の還元剤との併用である所謂レドッ
クス型触媒等がある。更に必要に応じてキレート剤及び
無機塩も当然使用可能である。
本発明に共用可能な他の接着剤としては、澱粉類、カ
ゼイン、アラビアゴム及びポリビニルアルコール等があ
る。又、顔料としては、クレー、二酸化チタン、サチン
白、炭酸カルシウム、及び合成顔料であるプラスチック
・ピグメント等が使用可能である。更に各種添加剤、例
えば、消泡剤、耐水化剤、滑剤及び分散剤の併用も当然
可能である。
本発明で用いる合成共重合体ラテックスを塗工板紙用
組成物の接着剤として使用した場合、顔料100重量部に
対して10〜25重量部が好ましい。10重量部未満では、接
着強度が低下するだけでなく印刷光沢も低下する。更に
後加工適性もかなり劣る。25重量部を超えると、白紙光
沢が低下するだけでなく、水硬処理適性の目安の一つで
ある耐ベタツキ性が低下する。
〔発明の効果〕
本発明における特異な合成共重合体ラテックスを塗工
板紙用組成物の接着剤として使用することにより、極め
て優れた印刷光沢と後加工適性を有する塗工板紙が得ら
れ、かつ、塗工板紙を製造するに際し、非常に優れた水
後処理適性を有していることが分かる。
〔実施例〕
次に実施例及び比較例を示す。以下の%及び部は、断
りがない限り重量表示である。なお、実施例及び比較例
における各種特性の測定方法は、次に示すとおりであ
る。
(1) 合成共重合体ラテックスフイルムのトルエンに
対する不溶解部分(%) イ.ポリプロピレンフイルム上にNo.26ワイヤーバーで
ラテックスを塗工し、23℃、65%RHの恒温恒湿室中に24
時間乾燥する。このラテックスフイルムの厚さは約30μ
である。
ロ.天秤で約0.5gの上記ラテックスフイルムを正確に秤
量し、300ccのトルエンに浸し、震盪器(ヤマト往復
型)で室温にて約6時間撹拌し、200メッシュの金網で
ろ過し、金網に残った残留物を乾燥し、秤量する。
ハ.不溶解部分は、次式によって求める。
(2) 合成共重合体ラテックスのケロシン油に対する
膨潤指数(%) イ.ポリプロピレンフイルム上にNo.26ワイヤーバーで
ラテックスを塗工し、23℃、65%RHの恒温恒湿室中に24
時間乾燥する。このラテックスフイルムの厚さは約30μ
である。
ロ.天秤で約0.5gの上記ラテックスフイルムを正確に秤
量(測定物重量)し、300ccのケロシン油(比重:約0.
8、沸点:150〜250℃、キシダ化学(株))に室温にて24
時間浸し、余分なケロシン油を拭きとり、正確に秤量
(含ケロシン油物重量)する。
ハ.膨潤指数は、次式によって求める。
(3) 耐ベタツキ性(水硬処理適性の目安) 実施例で示した方法で作製されたカレンダー掛け前の
塗工板紙に2%亜鉛水溶液をNo.0番のワイヤーバーにて
塗工し、直ちにカレンダーに掛ける(温度60℃、面圧7K
g/cm2、1回通し)。この時のカレンダー汚れを肉眼に
て判定する。
(4) 耐水性(水硬処理適性の目安) 実施例で示した方法で作製されたカレンダー掛け前の
塗工板紙を塗工後できるだけ速やかにRI印刷適性試験機
を使用してウエット強度試験を行う要領にて実施する。
塗工表面の剥離具合を肉眼にて判定する。数字が小さい
程良好である。
(5) ラテックスの粒子径 希釈した合成共重合体ラテックスを未処理のまま四塩
化オスミウム(OsO4)で硬化させ、透過式電子顕微鏡を
用いて写真を撮り、次式によって数平均粒子径、重量平
均粒子径及び均一度を求める。
fiは粒子径がdiなる粒子径の分率 (6) 塗工液の粘度 塗工液粘度をBL型粘度計(60rpm、No.4)で測定す
る。
(7) 接着強度(ドライ強度) RI−II型印刷機(明製作所製)により、タックNo.15
の試験用インクを使用し、数回重ね刷りを行う。印刷面
の破壊の程度を肉眼にて判定する。数字が小さい程良好
である。
(8) 耐水強度(ウエット強度) RI−II型印刷機(明製作所製)を用いてモルトンロー
ルで塗工板紙表面上に給水を行い、その直後に、タック
No.15の試験用インクで印刷し、印刷面の破壊の程度を
肉眼にて判定する。数字が小さい程良好である。
(9) 白紙光沢 村上式GM−26D型光沢度計を使用し、75゜の測定角で
測定する。数字が大きい程良好である。
(10) 印刷光沢 RI−II型印刷機(明製作所製)を用い、市販のオフセ
ット印刷インク(紅)を0.3cc使用して1回印刷する。2
4時間恒温室に置き、村上式GM−26D型光沢度計を使用、
75゜の測定角で測定する。数字が大きい程良好である。
(11)糊付け適性 所定の方法で作製された塗工板紙の塗工面と非塗工面
との初期接着性をダウ式糊付け試験機(熊ケ谷理機製)
を使用して測定した。接着剤は、サイビノールDBA−133
(酢ビエマルジョン:サイデン化学製)を使用した。
良←◎−○−△→劣 (12)ブリスターパック適性 イ.所定の方法で作製された塗工板紙にRI−II型印刷機
(明製作所製)を使用し、市販のオフセット印刷インク
(紅)0.2ccをベタ刷りする。
ロ.乾燥後、ブリスターパック用接着剤(ブリスターパ
ックNo.11/シンナー#450:1/1、荒川塗料製)を用い
て、No.12のロットバーで印刷された塗工板紙に塗工
し、120×20秒で熱風乾燥機にて乾燥する。
ハ.上記試料にブリスターパック用硬質塩化ビニルシー
トをのせヒートシーラー(120〜140℃、2〜7Kg/cm2
4〜6秒)にて圧着し、直ちに塗工板紙表面と硬質塩化
ビニルシート面とを剥がす。
ニ.塗工板紙表面の破壊状態を観測する。原紙内部より
破壊されているもの程良好である。
良←◎−○−△→劣 (13)ニス引き適性 イ.所定の方法で作製された塗工板紙に、RI−II型印刷
機(明製作所製)を使用し、市販のオフセット印刷イン
ク墨0.1cc、紅8cc及び黄0.1ccを均一に練ったものをベ
タ刷りする。
ロ.上記試料にNo.12ロットバーを使用し、ニス(テル
コート/シンナー#450:1/1、荒川塗料製)を塗工す
る。この試験を風乾(4〜5時間)乾燥する。
ハ.ロ.で作製された試料をグロスカレンダーにかける
(温度80℃、面圧2Kg/cm2、1回通し)。
ニ.ハ.で作製された試料の「テリ」と「ムラ」の状態
を観察する。「テリ」であり、かつ、「ムラ」の少ない
もの程良好である。
良←◎−○−△→劣 実施例1〜6 比較例1〜11 容量7のオートクレーブに、水80部、アルキルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム0.1部、フマール酸2.5部及び
スチレン−アクリル酸変性シードラテックス(数平均粒
子径0.03μ)1.1部を仕込む。次にブタジエン36部、ス
チレン37部、メチルメタクリレート18部、アクリロニト
リル5部、アクリル酸1.5部及び四塩化炭素8部の混合
物と水30部、過硫酸カリウム1.0部、アルキルベンゼン
スルホン酸ナトリウム0.1部及び苛性カリ0.3部を別々に
作製し、80℃の重合温度で、夫々を別個に5時間追添し
た。その後2時間そのままの状態に保った。この合成共
重合体ラテックスの重合率は98%であった。直ちにスト
リッピングを行い、苛性ソーダでpHを8.0に合わせて合
成共重合体ラテックスAを得た。このラテックスの数平
均粒子径は0.18μであった。
以下第1表に示す単量体混合物と分子量調整剤を用い
て同様の方法で合成共重合体ラテックスB〜F及びa〜
kを得た。これらの数平均粒子径は第1表に示す。これ
らの合成共重合体ラテックスを用いて下記に示す処方に
より各種特性値を評価した。
塗工液組成物 重量部 カオリン・クレー(VW−90) 30 カオリン・クレー(高畑カオリン) 50 重質炭酸カルシウム(エスカロン#1500) 20 分散剤(DispexT−40) 0.3 カゼイン 6 合成共重合体ラテックス 14 固形分が夫々40%になるように塗工液を調整し、塗工
用板紙原紙に片面16〜17g/m2になるようにバーにて塗工
し、乾燥機にて乾燥した(150℃、30秒)。次にガラス
丸棒にて、3%亜鉛水溶液を塗布し、直ちにスーパーカ
レンダー処理(35℃、8Kg/cm2、1回通し)を行い、更
にグロスカレンダー処理(130℃、4Kg/cm2、2回通し)
を行い、試験片とした。評価結果を第2表に示す。
第2表より、比較例1は、低ブタジエン量のもので、
接着強度、耐水強度、白紙光沢、更に後加工適性等が悪
い。比較例2は、高ブタジエン量のもので、耐水強度と
水硬処理適性がかなり低下する。比較例3は、低アクリ
ロニトリル量のもので、印刷光沢と水硬処理適性が劣
る。比較例4は、高アクリロニトリル量のもので、接着
強度と白紙光沢が悪い。比較例5は、小粒子径ほもの
で、接着強度、白紙光沢、更に糊付け適性とブリスター
パック適性等が劣る。比較例6は、大粒子径のもので、
耐水性、印刷光沢、接着強度、更に耐水性がかなり劣
る。比較例7は、低不溶解部分のもので、接着強度、耐
水強度、更に水硬処理適性が劣る。比較例8は、高不溶
解部分のもので、接着強度、耐水強度、更に糊付け適性
とブリスターパック適性が低下する。比較例9は、高ケ
ロシン油に対する膨潤指数のもので、印刷光沢が極端に
低下する。比較例10は、低アクリル酸量のもので、ニス
引き適性が悪い。比較例11は、低カルボン酸量のもの
で、耐水強度と糊付け適性、更にブリスターパック適性
が低下する。
実施例7〜10 比較例12〜15 実施例1と6の合成共重合体ラテックスAとFを用い
て上記塗工液中の合成共重合体ラテックスの使用量を第
3表に示す如く変えた場合の各種特性値の結果について
示す。なお試験片の作製方法は、上記方法と全く同様で
ある。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】脂肪族共役ジオレフィン系単量体32〜46重
    量部、アクリル酸及び/又はメタクリル酸単量体を少な
    くとも0.5重量部含有するエチレン系不飽和酸単量体1
    〜6重量部、シアン化ビニル単量体2〜10重量部及びこ
    れらと共重合し得る他のモノオレフィン系単量体38〜65
    重量部からなる全量100重量部の単量体混合物を一段で
    乳化重合させて得られる合成共重合体ラテックスであっ
    て、該ラテックスの数平均粒子径が0.1〜0.25μの範囲
    にあり、トルエンに対する不溶解部分が75〜85%であ
    り、かつ、ケロシン油に対する膨潤指数が60%以下であ
    る合成共重合体ラテックスを主たる接着剤として含有す
    ることを特徴とする塗工板紙用組成物。
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