JPH11216945A - インクジェット記録用シート - Google Patents

インクジェット記録用シート

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JPH11216945A
JPH11216945A JP10033536A JP3353698A JPH11216945A JP H11216945 A JPH11216945 A JP H11216945A JP 10033536 A JP10033536 A JP 10033536A JP 3353698 A JP3353698 A JP 3353698A JP H11216945 A JPH11216945 A JP H11216945A
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JP
Japan
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weight
ink
polyvinyl alcohol
receiving layer
parts
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JP10033536A
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English (en)
Inventor
Koichi Yasui
広一 保井
Hiroyuki Nemoto
浩幸 根本
Eriko Endou
江梨子 遠藤
Shiyunichirou Mukouyoshi
俊一郎 向吉
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク吸収性、乾燥性、耐水性に優れ、良好
な画像が得られ、しかも記録層の透明性に優れたインク
ジェット記録用シートを提供する。 【解決手段】 支持体上の少なくとも片面に、ポリビニ
ルピロリドンと、ポリウレタン樹脂エマルジョンと、ポ
リビニルアルコール及び/又は変性ポリビニルアルコー
ルと、カチオン性樹脂とを含有するインク受容層を設け
たことを特徴とするインクジェット記録用シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録用シートに関し、インクジェット記録適性に優れ、特
にインク受容層の透明性に優れるため、強光沢タイプ或
はオーバーヘッドプロジェクター(OHP)用等の光透
過性のインクジェット記録シートに好適なインクジェッ
ト記録用シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット方式による記録は、騒音
が少なく、高速記録が可能であり、かつ、多色化が容易
なために多方面で利用されている。ところで、近年イン
クジェット記録の高速化、記録画像の高精細化、フルカ
ラー化といった用途の拡大に伴い、さらに強光沢かつ高
画質、高記録濃度の品質が望まれてきており、例えば銀
塩方式の写真用印画紙に匹敵する様な光沢、記録品質が
求められている。さらに、OHP用、看板やショウウィ
ンドウ用等として光透過性記録用シートの要望も増えて
きている。
【0003】一般にインクジェット記録用紙としては、
インク吸収性に富むように工夫された上質紙や、表面に
多孔性顔料を塗工した塗工紙等が適用されている。しか
しながら、これらの用紙はすべて表面光沢の低い、いわ
ゆるマット調のインクジェット記録用紙が主体である。
また、上記の用紙はすべて不透明であり、透明な支持体
を適用したとしても塗工層は不透明であるため、十分な
透明性を有するシートは得られない。
【0004】透明性、あるいは光沢を有するインクジェ
ット記録用シートを得るために、特開昭59―1743
81号公報、特開昭60―92849号公報、特開昭6
0―132785号公報、特開昭60―145879号
公報、特開昭60―220750号公報、特開昭60―
224578号公報、特開昭61―32788号公報等
には、プラスチックフィルム上に澱粉、水溶性セルロー
ス誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン等の親水性高分子樹脂によるインク受容層を設けるこ
とが提案されている。しかし、これらの方法で得られる
記録紙はインク吸収性が遅いため、インクが滲みやす
く、乾燥性も不十分なため、印字面のべたつきが長期間
残り、取り扱いにくいと言った問題がある。更に、記録
層が吸湿しやすいため高湿下でべとついたり、記録層の
耐水性も不十分なため、水滴や汗の付着で記録画像が滲
んでしまうといった問題も残っている。
【0005】そこで、上記問題を解決するために、特開
昭61−172786号公報には、ポリビニルピロリド
ンとポリビニルアルコールからなるインク受容層を形成
したものが提案されている。この方法で製造されている
記録紙は、インク乾燥性や高湿下でのべたつきが僅かに
良くなる傾向にはあるが、まだまだ不十分なレベルであ
り、耐水性についてもほとんど改善されていない。
【0006】また、特開昭61−189986号公報、
特開昭62−233284号公報、特開平02−305
82号公報には、親水性高分子に架橋剤を配合したイン
ク受容層を設けることが提案されている。また、特開平
1―229685号公報には、水溶性高分子とポリエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレートと水を必須成分
とする組成物を活性エネルギー線照射によって架橋させ
インク受容層を形成する方法が提案されている。確か
に、これらの方法では耐水性が向上するが、耐水性の強
さを上げるに伴い、インク吸収性が低下する傾向にある
ため、耐水性と印字品質のバランスをとることが困難で
あり、いまだ満足すべき結果を得るに至っていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な問題がなく、インク吸収性、乾燥性及び耐水性に優
れ、良好な画像が得られ、しかも記録層の透明性に優れ
たインクジェット記録用シートを提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の問
題点を改善する方法につき、鋭意検討を重ね結果、支持
体上の少なくとも片面に、ポリビニルピロリドンと、ポ
リウレタン樹脂エマルジョンと、ポリビニルアルコール
及び/又は変性ポリビニルアルコールと、カチオン樹脂
とを含有するインク受容層を設けることにより上記の問
題が解決できることを見いだし、本発明を完成させるに
至った。本発明は、以下の各発明を包含する。
【0009】(1)(A)ポリビニルピロリドンと、
(B)ウレタン樹脂エマルジョンと、(C)ポリビニル
アルコール及び/又は変性ポリビニルアルコールと、
(D)カチオン性樹脂とを含有するインク受容層を設け
たことを特徴とするインクジェット記録用シート。
(2)前記インク受容層における(A)ポリビニルピロ
リドン、(B)ウレタン樹脂エマルジョン、(C)ポリ
ビニルアルコール及び/又は変性ポリビニルアルコー
ル、及び(D)カチオン性樹脂の各成分の配合重量部数
が、A/(B+C+D)=90/10〜20/80、B
/C=80/20〜20/80、(B+C)/D=99
/1〜70/30であることを特徴とする前記(1)記
載の本発明のインクジェット記録用シート。(3)前記
支持体が、原紙に熱可塑性樹脂組成物を被覆したラミネ
ート紙、透明プラスチックフィルム、半透明プラスチッ
クフィルム及び白色プラスチックフィルムから選ばれた
支持体であることを特徴とする前記(1)又は(2)記
載の本発明のインクジェット記録用シート。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明のインクジェット記録用シートにおいて、
そのインク受容層に用いられるポリビニルピロリドンと
しては、一般に市販されているものが使用でき、特に限
定されるものではないが、重量平均分子量として10万
〜200万のものが好ましい。重量平均分子量が10万
未満であると、インク受容層の耐水性が劣ったり、イン
ク乾燥性が低下するおそれがある。また、重量平均分子
量が200万を超えると、インク吸収性が低下したり、
粘度も高くなりすぎるため取り扱い難く作業性が低下す
る。ポリビニルピロリドンの市販品としては、例えば、
BASF社製「ルビスコルKシリーズ」、ISP社製
「PVP Kシリーズ」がある。
【0011】本発明のインクジェット記録用シートにお
いて、そのインク受容層に用いられるウレタン樹脂エマ
ルジョンは、ポリオールと多価ポリイソシアネートを反
応させて得られるウレタン基含有ポリマーを乳化したも
のであり、公知の方法で製造することができる。ウレタ
ン樹脂としては、特に制限されるものではないが、ポリ
オール分子中にアルキレンオキシド鎖を含有するものが
カチオン性樹脂との相溶安定性において好ましい。
【0012】アルキレンオキシド鎖を含むポリオールと
しては、例えばポリエチレンオキシド、ポリエチレンオ
キシド−ポリプロピレンオキド共重合体、ポリエチレン
オキシド−ポリブチレンオキシド共重合体、ポリエチレ
ンオキシド−ポリアルキレンオキシド共重合体又はその
モノアルキルエーテル等のノニオン基含有化合物又はこ
れらを共重合して得られるポリエステルポリオールがあ
げられ、これらを単独又は2種類以上組み合わせて使用
することができる。多価イソシアネートとしては、例え
ばトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイゾ
シアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサ
メチレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネー
ト、トリジンジイソシアネート、イソホロンジイソシア
ネート、p−フェニレンジイソシアネート、キシレンジ
イソシアネート、リジンジイソシアネート、1,3,6
−ヘキサメチレントリイソシアネート等があげられ、単
独又は2種類以上組み合わせて使用することができる。
また、ウレタン樹脂エマルジョンの平均粒子径として
は、3μm以下のものが透明性やエマルジョンの安定性
の点で好ましい。
【0013】本発明で使用されるポリビニルアルコール
及び変性ポリビニルアルコールとしては、一般に市販さ
れているものが使用でき、特に限定されるものではな
い。ポリビニルアルコールとしては、鹸化度が50モル
%以上、重合度が200〜5000のものが望ましい。
因みに、鹸化度が50%未満では、水への溶解性が低下
しアルコール類の添加が必要となり、安全性や取り扱い
易さの点で不利となりやすく、インク乾燥性や画質も低
下するおそれがある。重合度が200未満では、インク
受容層の耐水性が劣ったり、インク乾燥性が低下するお
それがある。また、重合度が5000を超えるとインク
吸収性が低下し、粘度も高くなりすぎるため取り扱い難
く作業性が低下する。
【0014】変性ポリビニルアルコールとしては、共重
合変性ポリビニルアルコールや末端基変性ポリビニルア
ルコールを例示することができる。変性の種類として
は、例えば、アニオン基変性ポリビニルアルコール、カ
チオン基変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基
変性ポリビニルアルコール、シラノール基変性ポリビニ
ルアルコール、アセタール変性ポリビニルアルコール、
末端アルキル基変性ポリビニルアルコール等があげられ
る。変性ポリビニルアルコールの重合度、鹸化度は上記
のポリビニルアルコールと同様の範囲が好ましい。ま
た、これらポリビニルアルコールと変性ポリビニルアル
コールの使用は、それぞれ単独又は2種類以上を組み合
わせて使用してもよい。
【0015】インク受容層に含まれるカチオン性樹脂と
しては、インクジェト用インクの染料(例えば、水性直
接染料や水溶性酸性染料)のスルフォン基、カルボキシ
ル基などと不溶な塩を形成する各種樹脂類、2級アミ
ン、3級アミン、4級アンモニウム塩等を含有するカチ
オン性樹脂等をあげることができる。具体的な例とし
て、ポリエチレンイミン、ポリビニルピリジン、ポリビ
ニルアミン、ポリジメチルジアリルアンモニウムクロラ
イド、ポリアリルアミン塩酸塩、アリルアミン塩酸塩−
ジアリルアミン塩酸塩共重合体、エピクロルヒドリンポ
リアミド、ポリジアルキルアミノエチルアクリルアミ
ド、ポリエポキシアミンなどの化合物およびこれらの変
性物などがあげられる。驚くべきことに、これらはイン
ク染料と反応して不要な塩を形成するばかりでなく、イ
ンク受容層の耐水性も向上するため、水の滴下でのイン
クの流れ出しや、高湿環境での滲みを抑制する効果があ
る。
【0016】本発明のインク受容層のポリビニルピロリ
ドン(A)の配合量は、ウレタン樹脂エマルジョン
(B)と、ポリビニルアルコール及び/又は変性ポリビ
ニルアルコール(C)と、カチオン性樹脂(D)との合
計に対して、配合重量部数でA/(B+C+D)=90
/10〜20/80であることが好ましい。ポリビニル
ピロリドンの配合量が10重量部より少ないと、インク
吸収性が低下するため滲みを生じやすく、80重量部よ
り多いとインク乾燥性、耐水性の低下する恐れがある。
ウレタン樹脂エマルジョン(B)とポリビニルアルコー
ル及び/又は変性ポリビニルアルコール(C)との配合
比は、配合重量部数でB/C=80/20〜20/80
がインク吸収性と耐水性のバランスの点で好ましい。カ
チオン性樹脂(D)の配合量は、(B+C)/D=99
/1〜70/30であることが好ましい。カチオン樹脂
の配合量が1重量部より少ないと、耐水性の低下する恐
れがあり、30重量部より多いとインク吸収性の低下す
る恐れがある。
【0017】本発明は、基材上に上記4種類の材料を含
有するインク受容層を設けることにより、インク受容層
の透明性に優れ、且つインク吸収性、乾燥性及び耐水性
に優れたインクジェット用記録シートを提供すものであ
る。本発明で使用される支持体としては、特に限定され
るものではない。強光沢タイプのシートを得る目的に
は、上質紙、中質紙、コート紙、アート紙、キャストコ
ート紙等の紙類、合成紙、白色フィルム、ラミネート紙
等が使用できる。この場合、本発明に係るインク受容層
が透明で表面での光の乱反射が少ないことより、印字濃
度が高く、光沢に優れたインクジェット記録用紙が得ら
れる。
【0018】光沢をより効果的に発現させる為には、イ
ンク受容層を形成するために使用される水系組成物に対
するバリヤー性の高い基材が好ましく、酸化チタンや硫
酸バリウム等の顔料を配合したり、多孔性化することに
より不透明白色化したポリエチレンテレフタレート、ポ
リ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリア
セテート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン等の白色不透明プラスチックフィルム等、更に紙基材
にポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂をラ
ミネートしたいわゆるラミネート紙が好適である。ラミ
ネート紙の場合、少なくともインク受容層を設ける側に
ラミネート層を設ける必要が有り、ラミネート層に酸化
チタンや硫酸バリウム等の顔料を配合し、白色度及び不
透明度を向上させたり、有色染料や有色顔料、蛍光増白
剤を配合し、みかけの白さや色相を調整することができ
る。更に、裏面にもラミネート層を設けカールの調整を
行なうことができる。また、基材上にインク受容層を付
与した後に、スーパーカレンダーを施すと、インク受容
層表面の平滑性が向上し光沢が増す。
【0019】本発明に係る記録シートは、インク受容層
が透明であることより、透明支持体を使用した場合、O
HP用シート等の光透過性記録媒体として好適なものと
なる。このような透明基材としては、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリ
イミド、ポリアセテート、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン等のプラスチックフィルムが例示され
る。支持体の厚さについては特に限定されるものではな
いが、取り扱い易さやコストの点から25〜500μ
m、より好ましくは50〜300μmである。
【0020】本発明の記録シートのインク受容層を構成
する塗工組成物中には、発明の効果を阻害しない範囲
で、上述したポリビニルピロリドン、ウレタン樹脂エマ
ルジョン、ポリビニルアルコールや変性ポリビニルアル
コール、カチオン性樹脂からなる必須成分以外の親水性
高分子、例えば各種変性ポリビニルピロリドン、水溶性
ウレタン樹脂、水溶性アクリル樹脂、カゼイン、澱粉、
澱粉誘導体、水溶性セルロース誘導体、ポリアクリル
酸、ポリアクリル酸金属塩、ポリアクリルアミド、ポリ
エチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、ポリビ
ニルメチルエーテル、、ゼラチン、カゼイン、キチン、
キトサン等を配合することができ、ポリオレフィン樹
脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、酢酸ビニル樹脂
等の樹脂エマルションや各種ラテックスを配合すること
もできる。
【0021】記録シートの表面のべたつきやブロッキン
グを防止する目的で、各種の無機や有機の顔料及び粒子
を添加できる。無機顔料としてはシリカ、クレー、タル
ク、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミウム、ゼオライト、
アルミナ等が挙げられ、有機の顔料や粒子としては、各
種スチレン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等の各種
プラスチック粒子や、セルロース微粉末や澱粉粒子が挙
げられる。
【0022】本発明の記録シートのインク受容層を構成
する塗工組成物中には、分散剤、架橋剤、増粘剤、消泡
剤、濡れ剤、蛍光染料、着色剤、帯電防止剤、防腐剤、
紫外線吸収剤等の各種助剤が必要に応じ適宜添加され
る。
【0023】上記材料をもって構成されるインク受容層
用塗工組成物は、一般に固形分濃度を5〜20重量%程
度に調整し、支持体上にバーコーター、ブレードコータ
ー、エアーナイフコーター、ロールコーター、グラビア
コーター、カーテンコーター、ダイコーター等の各種公
知公用の塗工装置により塗工、乾燥される。塗工量は乾
燥重量で1〜50g/m2 、より好ましくは3〜30g
/m2 程度である。1g/m2 より少ないとインクの吸
収が不十分となりやすく、インクが滲んだり、乾燥が遅
くなる傾向にある。50g/m2 を越えると得られる効
果が飽和するばかりでなく、コスト的に不利になった
り、カールが強くなるなどの不都合を生じる。なお、上
記塗工に際しては1回で塗工することはもちろん、数回
に分けて重ね塗りすることもできる。
【0024】また、カールの発生を抑制するために基材
のインク受容層を設けた面の反対側にカール防止層を設
けることもできる。この場合のカール防止層は、特に限
定されないが、湿度変化に伴うインク受容層の水分の吸
放出によりカールが発生するものと考えられるため、イ
ンク受容層と類似した組成のものを用いると効果的であ
る。
【0025】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的
に説明するが、勿論、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。また、例中の部および%は特に断らない限
り、それぞれ重量部及び重量%を示す。
【0026】実施例1 CSF(JIS P−8121)が250mlまで叩解
した針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)と、CSFが
280mlまで叩解した広葉樹晒クラフトパルプ(LB
KP)とを、重量比2:8の割合で混合し、濃度0.5
%のパルプスラリーを調製した。このパルプスラリー中
に下記の製紙用添加剤を、パルプ絶乾重量に対し下記の
添加量で添加し、十分に攪はんして分散させた。カチオ
ン化澱粉2.0%;アルキルケテンダイマー0.4%;
アニオン化ポリアクリルアミド樹脂0.1%;ポリアミ
ドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂0.7%。上記組
成のパルプスラリーを長網マシンで抄紙し、ドライヤ
ー、サイズプレス、マシンカレンダーを通し、坪量12
8g/m2 、緊度1.0g/m3 の原紙を製造した。上
記サイズプレス工程に用いたサイズプレス液は、カルボ
キシル変性ポリビニルアルコールと塩化ナトリウムとを
2:1の重量比で混合し、これを水に加えて加熱溶解
し、濃度5%に調製したもので、これを紙の両面に25
cc塗布した。
【0027】上記原紙の両面にコロナ放電処理を施した
後、これにバンバリーミキサーで混合分散した下記のポ
リオレフィン樹脂組成物1を原紙のフェルト面側に塗工
量が25g/m2 になるようにして、またポリオレフィ
ン樹脂組成物2(裏面用樹脂組成物)をワイヤー面側に
塗工量が25g/m2 になるようにして、T型ダイを有
する溶融押し出し機(溶融温度320℃)で塗布し、そ
の表面を鏡面を有するクーリングロールで冷却固化して
シート状支持体を製造した。なおポリオレフィン樹脂組
成物1中の、酸化防止剤は溶融押し出し工程におけるポ
リエチレンの酸化を防止するものであり、また群青と蛍
光増白剤はポリオレフィン樹脂含有層に青みと見掛けの
白さを持たせて目視感を向上させるものである。
【0028】(ポリオレフィン樹脂組成物1)長鎖型低
密度ポリエチレン樹脂(密度0.926g/m3 、メル
トインデックス20g/10分)35重量部、低密度ポ
リエチレン樹脂(密度0.919g/m3 、メルトイン
デックス2g/10分)50重量部、アナターゼ型二酸
化チタン(A−220;石原産業製)15重量部、ステ
アリン酸亜鉛0.1重量部、酸化防止剤(Irgano
x1010;チバガイギー製)0.03重量部、群青
(青口群青No.2000;第一化成製)0.09重量
部、蛍光増白剤(UVITEX OB;チバガイギー
製)0.3重量部。 (ポリオレフィン樹脂組成物2)高密度ポリエチレン樹
脂(密度0.954g/m3 、メルトインデックス20
g/10分)65重量部、低密度ポリエチレン樹脂(密
度0.924g/m3 、メルトインデックス4g/10
分)35重量部。
【0029】引き続き、上記シート状支持体のポリオレ
フィン樹脂組成物1を設けた側に、下記のインク受容層
用塗工液を、乾燥重量で15g/m2 になるように、バ
ーコーターで塗工、乾燥した。 (インク受容層用塗工液) 1.ポリビニルピロリドン(ルビスコルK−90:BA
SF製、平均分子量120万)70重量部、 2.ウレタン樹脂エマルジョン(ハイドランHW−95
0:大日本インキ化学工業製)9重量部、 3.アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール(ゴー
セファイマーZ200:日本合成化学工業製)15重量
部、 4.エピクロルヒドリンポリアミド樹脂(WS−53
5:日本PMC製)6重量部、 5.ブロッキング防止剤(エースA:王子コーンスター
チ製、澱粉粒子:粒子径10〜20μm)1重量部。
【0030】実施例2 実施例1で用いたシート状支持体の片面に、下記のイン
ク受容層用塗工液を、乾燥重量で15g/m2 になるよ
うに、ダイコーターで塗工、乾燥した。 (インク受容層用塗工液) 1.ポリビニルピロリドン(ルビスコルK−90:BA
SF製、平均分子量120万)30重量部、 2.ウレタン樹脂エマルジョン(ハイドランHW−97
0:大日本インキ化学工業製)21重量部、 3.アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール(ゴー
セファイマーZ200:日本合成化学工業製)35重量
部、 4.エピクロルヒドリンポリアミド樹脂(WS−53
5:日本PMC製)14重量部、 5.ブロッキング防止剤(エース:王子コーンスターチ
製、澱粉粒子:粒子径10〜20μm)1重量部。
【0031】実施例3 実施例1で用いたシート状支持体の片面に、下記のイン
ク受容層用塗工液を、乾燥重量で15g/m2 になるよ
うに、ダイコーターで塗工、乾燥した。 (インク受容層用塗工液) 1.ポリビニルピロリドン(ルビスコルK−90:BA
SF製、平均分子量120万)30重量部、 2.ウレタン樹脂エマルジョン(ハイドランHW−97
0:大日本インキ化学工業製)21重量部、 3.アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール(ゴー
セファイマーZ200:日本合成化学工業製)20重量
部、 4.部分鹸化ポリビニルアルコール(PVA205:ク
ラレ製)15重量部、 5.エピクロルヒドリンポリアミド樹脂(WS−53
5:日本PMC製)14重量部、 6.ブロッキング防止剤(エースA:王子コーンスター
チ製、澱粉粒子:粒子径10〜20μm)1重量部。
【0032】実施例4 実施例1で用いたシート状支持体の片面に、下記のイン
ク受容層用塗工液を、乾燥重量で15g/m2 になるよ
うに、ダイコーターで塗工、乾燥した。 (インク受容層用塗工液) 1.ポリビニルピロリドン(ルビスコルK−90:BA
SF製、平均分子量120万)30重量部、 2.ウレタン樹脂エマルジョン(ハイドランHW−97
0:大日本インキ化学工業製)24重量部、 3.アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール(ゴー
セファイマーZ200:日本合成化学工業製)35重量
部、 4.エピクロルヒドリンポリアミド樹脂(WS−53
5:日本PMC製)7重量部、 5.モノアリルアミン塩酸塩−ジアリルアミン塩酸塩共
重合体(PAA−D11−HCl:日東紡績製)7重量
部、 6.ブロッキング防止剤(エースA:王子コーンスター
チ製、澱粉粒子:粒子径10〜20μm)1重量部。
【0033】実施例5 100μm厚のPETフィルム(メリネックスD35
3:ICIジャパン製)の片面に、実施例2と同様のイ
ンク受容層用塗工液を、乾燥重量で10g/m2になる
ように、バーコーターで塗工、乾燥した。
【0034】実施例6 実施例1で用いたシート状支持体の片面に、下記のイン
ク受容層用塗工液を、乾燥重量で、 1.ポリビニルピロリドン(ルビスコルK−90:BA
SF製、平均分子量120万)95重量部、 2.ウレタン樹脂エマルジョン(ハイドランHW−95
0:大日本インキ化学工業製)2重量部、 3.アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール(ゴー
セファイマーZ200:日本合成化学工業製)2重量
部、 4.エピクロルヒドリンポリアミド樹脂(WS−53
5:日本PMC製)1重量部、 5.ブロッキング防止剤(エースA:王子コーンスター
チ製、澱粉粒子:粒子径10〜20μm)1重量部。
【0035】実施例7 実施例1で用いたシート状支持体の片面に、下記のイン
ク受容層用塗工液を、乾燥重量で15g/m2 になるよ
うに、ダイコーターで塗工、乾燥した。 (インク受容層用塗工液) 1.ポリビニルピロリドン(ルビスコルK−90:BA
SF製、平均分子量120万)10重量部、 2.ウレタン樹脂エマルジョン(ハイドランHW−97
0:大日本インキ化学工業製)27重量部、 3.アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール(ゴー
セファイマーZ200:日本合成化学工業製)45重量
部、 4.エピクロルヒドリンポリアミド樹脂(WS−53
5:日本PMC製)18重量部、 5.ブロッキング防止剤(エースA:王子コーンスター
チ製、澱粉粒子:粒子径10〜20μm)1重量部。
【0036】比較例1 実施例1で用いたシート状支持体の片面に、下記のイン
ク受容層用塗工液を、乾燥重量で15g/m2 になるよ
うに、バーコーターで塗工、乾燥した。 (インク受容層用塗工液) 1.ポリビニルピロリドン(ルビスコルK−90:BA
SF製、平均分子量120万)30重量部、 2.ウレタン樹脂エマルジョン(ハイドランHW−97
0:大日本インキ化学工業製)21重量部、 3.アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール(ゴー
セファイマーZ200:日本合成化学工業製)35重量
部、 4.ブロッキング防止剤(エースA:王子コーンスター
チ製、澱粉粒子:粒子径10〜20μm)1重量部。
【0037】比較例2 実施例1で用いたシート状支持体の片面に、下記のイン
ク受容層用塗工液を、乾燥重量で15g/m2 になるよ
うに、バーコーターで塗工、乾燥した。 (インク受容層用塗工液) 1.ポリビニルピロリドン(ルビスコルK−90:BA
SF製、平均分子量120万)30重量部、 2.ウレタン樹脂エマルジョン(ハイドランHW−97
0:大日本インキ化学工業製)21重量部、 3.エピクロルヒドリンポリアミド樹脂(WS−53
5:日本PMC製)14重量部、 4.ブロッキング防止剤(エースA:王子コーンスター
チ製、澱粉粒子:粒子径10〜20μm)1重量部。
【0038】比較例3 実施例1で用いたシート状支持体の片面に、下記のイン
ク受容層用塗工液を、乾燥重量で15g/m2 になるよ
うに、バーコーターで塗工、乾燥した。 (インク受容層用塗工液) 1.ポリビニルピロリドン(ルビスコルK−90:BA
SF製、平均分子量120万)30重量部、 2.アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール(ゴー
セファイマーZ200:日本合成化学工業製)35重量
部、 3.エピクロルヒドリンポリアミド樹脂(WS−53
5:日本PMC製)14重量部、 4.ブロッキング防止剤(エースA:王子コーンスター
チ製、澱粉粒子:粒子径10〜20μm)1重量部。
【0039】比較例4 実施例1で用いたシート状支持体の片面に、下記のイン
ク受容層用塗工液を、乾燥重量で15g/m2 になるよ
うに、バーコーターで塗工、乾燥した。 (インク受容層用塗工液) 1.ウレタン樹脂エマルジョン(ハイドランHW−95
0:大日本インキ化学工業製)21重量部、 2.アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール(ゴー
セファイマーZ200:日本合成化学工業製)35重量
部」、 3.エピクロルヒドリンポリアミド樹脂(WS−53
5:日本PMC製)14重量部、 4.ブロッキング防止剤(エースA:王子コーンスター
チ製、澱粉粒子:粒子径10〜20μm)1重量部。
【0040】この様にして得られたインクジェット記録
用紙のインクジェット記録適性を表1にまとめて示し
た。なお、上記の評価については下記の如き方法で評価
を行った。
【0041】(インクジェット記録適性)インクジェッ
トプリンターMJ−800C(水性染料インク)を用い
て印字を行なった。 (画質=ベタ印字部の均一性)各色のベタ印字部の印字
ムラ(濃淡ムラ)を目視にて評価した。 ○:印字ムラがほとんど無く良好なレベル。 ○−:印字ムラがやや目立つが、実用上問題とならない
レベル。 △:印字ムラがやや目立ち、実用上問題となるレベル。 ×:印字ムラが著しく、実用上重大な問題となるレベ
ル。 (インク乾燥性)印字後一定時間後に印字部を指で擦
り、インクの乾燥具合を評価した。 ○:印字後10分以内に乾燥した。 △:印字後10〜30分で乾燥した。 ×:印字後30分経っても乾燥しなかった。
【0042】(印字耐水性)印字部を1分間水浴中に浸
漬し風乾後のインクの流れ具合を評価した。 ○:全くインクの流れが見られない、或いはわずかにイ
ンクの流れは見られるが、画像を十分維持していた。 △:インクが流れているが、わずかに画像を維持してい
た。 ×:ほとんどインクが流れてしまい、画像の形跡が見ら
れなかった。 (白紙光沢)JIS−P8142に準じて白紙部の75
°光沢を測定した。 (ヘイズ=曇り価)反射・透過率計HR−100(村上
色彩技術研究所製)を用いて測定した。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】表1の結果か明らかなように、本発明
は、インク受容層に前記(A)、(B)、(C)及び
(D)の各成分の全てを一緒に含有しているインクジェ
ット記録シートを形成することによって、インク吸収
性、インク乾燥性に優れ、良好な画質が得られ、耐水
性、光沢度或いは透明度の優れたインクジェット記録用
シートを提供することができたものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 向吉 俊一郎 東京都江東区東雲1−10−6 王子製紙株 式会社情報用紙開発究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上の少なくとも片面に、(A)ポ
    リビニルピロリドンと、(B)ポリウレタン樹脂エマル
    ジョンと、(C)ポリビニルアルコール及び/又は変性
    ポリビニルアルコールと、(D)カチオン性樹脂とを含
    有するインク受容層を設けたことを特徴とするインクジ
    ェット記録用シート。
  2. 【請求項2】 前記インク受容層における(A)ポリビ
    ニルピロリドン、(B)ウレタン樹脂エマルジョン、
    (C)ポリビニルアルコール及び/又は変性ポリビニル
    アルコール、及び(D)カチオン性樹脂の各成分の配合
    重量部数が、A/(B+C+D)=90/10〜20/
    80、B/C=80/20〜20/80、(B+C)/
    D=99/1〜70/30であることを特徴とする請求
    項1記載のインクジェット記録用シート。
  3. 【請求項3】 前記支持体が、原紙に熱可塑性樹脂組成
    物を被覆したラミネート紙、透明プラスチックフィル
    ム、半透明プラスチックフィルム及び白色プラスチック
    フィルムから選ばれた支持体であることを特徴とする請
    求項1又は2記載のインクジェット記録用シート。
JP10033536A 1998-02-02 1998-02-02 インクジェット記録用シート Pending JPH11216945A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002011942A (ja) * 2000-06-30 2002-01-15 Dainippon Ink & Chem Inc 電飾用記録材
WO2005023543A2 (en) 2003-09-03 2005-03-17 Ppg Industries Ohio, Inc. Water resistant ink jet printable sheet

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002011942A (ja) * 2000-06-30 2002-01-15 Dainippon Ink & Chem Inc 電飾用記録材
WO2005023543A2 (en) 2003-09-03 2005-03-17 Ppg Industries Ohio, Inc. Water resistant ink jet printable sheet

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