JP4584280B2 - インクジェット記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録媒体、特に塗工量が少なくとも高い光沢感を有するインクジェット記録媒体に関する。
近年、インクジェットプリンターの技術が急速に進歩し、一般的な銀塩写真法によるものと同等以上の画像品質を有する記録物が得られるようになってきた。これに伴い、インクジェット用の記録媒体にも、銀塩写真法に用いられる記録媒体と同等の、表面に高い光沢感を有するものが求められている。
かかる記録媒体としては、特許文献1等で提案されている、ポリエステルフィルム等のプラスチックフィルムや、原紙上にポリエチレンなどのプラスチックをラミネートした、いわゆるレジンコート紙を基材としたものがある。ところが、これらの技術により十分なインク吸収性を有する記録媒体を製造するためには、必然的に多量のインク吸収層を塗工、具体的には20g/m2以上、より好ましくは25g/m2以上のインク吸収層を塗工しなくてはならず、また表面に亀裂が生じないためには少なくとも60秒程度以上の乾燥時間が必要であって、その品質は高いものの生産性を含めたコスト面では必ずしも好ましいものとはいえなかった。
特許文献2等では、比較的低コストでインクジェット用光沢記録媒体を製造する手段として、原紙上に直接インク吸収性の塗工層を設け、その表面を加熱した金属表面に圧着することで光沢面を得る、いわゆるキャスト法を用いることが提案されている。この技術によれば、必要とされるインク吸収の一部を原紙に負担させることができ、たしかに比較的少ない塗工量で良好なインク吸収性を有するインクジェット記録媒体を得ることはできるが、上記の技術によるものに匹敵する光沢感と良好なインク吸収性を両立するためにはなお15g/m2程度以上の塗工量は必要であった。
このような多量の塗工量を設けた場合、必要な原材料の量が多くなるのみならず、乾燥に時間がかかることからキャスト処理の速度を遅くせざるを得ず、コスト面で不利であった。さらには、湿度変化に対してカールを生じ、プリンター上での搬送性が著しく悪化したり、記録媒体を折り曲げた際に塗工層が原紙から脱落したりするという問題があった。これに対し特許文献3では、比較的少ない塗工量で高い光沢を得るための技術として、下引き層を塗工した原反上に、重合体樹脂と特定の多価金属塩からなる塗工液を塗工し、キャスト処理することで記録媒体を製造することが提案されているが、本技術によれば、確かにインク吸収容量に優れた記録媒体を得ることができるものの、インクの吸収速度という点では甚だ不十分であり、近年の高速化されたインクジェットプリンターを用いて記録した場合、印刷された画像にムラやにじみが生じることが避けられなかった。
特開2001−150795号公報 特開昭63−264391号公報 特開平10−6639号公報
本発明の目的は、実現が従来困難であった、塗工量が少ない場合でも、良好な光沢、インク吸収容量およびインク吸収速度を有するインクジェット記録媒体を提供することにある。
基材上に、カチオン性のサブミクロン顔料およびポリビニルアルコールを含有してなる水性塗工組成物を塗布した後、直接法によりキャスト処理を行って製造されるインクジェット記録媒体であって、該水性塗工組成物が、サブミクロン顔料の100gにつき、1mmol以上20mmol以下の、一価陽イオンの硫酸塩を含有してなり、カチオン性のサブミクロン顔料がアルミナゾルまたは表面をアルミニウム化合物で修飾したシリカであるインクジェット記録媒体である。
本発明により、従来得られなかった、塗工量が少なくとも、良好な光沢、インク吸収容量およびインク吸収速度を有するインクジェット記録媒体が得られる。
本発明において用いる基材としては通常紙が用いられるが、必要に応じて各種の不織布等、紙以外の材料を用いることもできる。本発明において基材として用いる紙の種類や坪量に特段の制限は無いが、キャスト処理における乾燥を短時間で完結させるためにはJIS P 8117(1998年版)により測定される透気抵抗度が50(s)以下であるものを用いることが好ましい。
本発明に用いる紙を構成するパルプとしては、各種の針葉樹、広葉樹から製造される、クラフトパルプ、亜硫酸パルプ等の化学パルプ、半化学パルプ、機械パルプを用いることが可能であるし、バガスパルプ、ケナフパルプ、リンターパルプ等のコットンパルプ、ワラパルプ、竹パルプ等の非木材パルプを用いることも可能である。本発明に用いる紙を構成するパルプとして白色度が低いものを用いると、それに含まれるリグニン由来等の着色性物質が塗工層に拡散し、著しい経時着色を引き起こす原因になるから、かかる着色を嫌う場合には、JIS P 8212(1998年版)に規定される白色度が75以上のものを用いることが好ましい。
本発明においてカチオン性のサブミクロン顔料とは、pH6において正のゼータ電位、好ましくは+10mV以上のゼータ電位を示すサブミクロン顔料であり、その例としては、ベーマイトゾル、擬ベーマイトゾル、γ−アルミナゾル等のアルミナゾルや、シリカゾル、ゲル法シリカ、沈降法シリカなどの湿式合成シリカをコロイドミル、高圧ホモジナイザー等の粉砕装置を用いて所要の粒径まで粉砕したシリカ等の表面をアルミニウム化合物で修飾したものである。これらのカチオン性のサブミクロン顔料は、その1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いても良い。
かかるカチオン性のサブミクロン顔料の中でも、表面をアルミニウム化合物で修飾したシリカゾルは、良好な光沢と良好なインク吸収性を高度に両立させられることから好ましく用いられる。特に、そのBET法により測定される比表面積が1gあたり100m2以上であるものを用いることによって、高い発色濃度が得られることから好ましい。
本発明において、塗工組成物にはポリビニルアルコールを含む。良好なインク吸収性と塗工層の強度を両立するため、本発明におけるサブミクロン顔料:ポリビニルアルコールの質量比は、100:2〜100:8にすることが好ましい。
本発明の塗工組成物は、サブミクロン顔料の質量100gあたり1mmol以上20mmol以下の硫酸イオンを含む。一般に、カチオン性のサブミクロン顔料を含有する塗工組成物に、硫酸イオンの如き多価アニオンを添加することは、サブミクロン顔料の凝集を引き起こし光沢が著しく低下したり、塗工組成物の粘度が上昇し塗工操作が著しく困難になることから好ましくないと考えられるが、本発明は、適量の硫酸イオンを塗工組成物に添加することで、塗工量が少ない場合でも良好な光沢およびインク吸収性を有するインクジェット記録媒体を製造する方法を提示するものである。かかる効果が得られる機構は検証されていないが、サブミクロン顔料の表面に対し適量の硫酸イオンが作用することにより形成された弱い高次構造が、光沢の発現およびインク吸収性に対し好ましい効果を発揮していると推定される。
本発明において塗工組成物中に硫酸イオンを含有せしめるための硫酸源としては、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸水素カリウム、硫酸アンモニウム等の一価陽イオンの硫酸塩である。ポリビニルアルコールが存在しない状態でサブミクロン顔料と一価陽イオンの硫酸塩を混合すると、過度の凝集が発生し高い光沢が得られないことがあるので、本発明においては、まずサブミクロン顔料とポリビニルアルコールを混合し、その後に一価陽イオンの硫酸塩を混合することが好ましい。
本発明における塗工組成物への硫酸イオンの供給源として、硫酸亜鉛、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウムの如き多価金属イオンの硫酸塩は、必要な硫酸イオン量を添加した場合塗工組成物の粘度を著しく上昇させることから好ましくない。また当然のことながら、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の水難溶性硫酸塩は、必要な量の硫酸イオンを生成しないから、本発明の塗工組成物に硫酸イオンを含有せしめるための硫酸イオン源として用いることはできない。ただし、硫酸イオン源とする以外の目的で、これらの水難溶性硫酸塩を本発明の塗工組成物に添加することは可能である。
本発明において、塗工組成物中の一価陽イオンの硫酸塩の含有量は、サブミクロン顔料の質量100gあたり1mmol以上であることが必要であり、これを下回る含有量では良好な光沢およびインク吸収性は得られない。一方本発明において、塗工組成物中の一価陽イオンの硫酸塩の含有量がサブミクロン顔料の質量100gあたり20mmolを超える場合、得られる記録媒体の光沢が低下するし、また、塗工組成物の粘度が著しく上昇し、塗工操作が著しく困難にもなることから好ましくない。
また、本発明がその効果を発揮するためには、塗工される前の塗工組成物に一価陽イオンの硫酸塩を含有せしめることが必須であり、たとえば、キャスト処理後の記録媒体に一価陽イオンの硫酸塩を付与したり、キャスト処理の方式として後述する凝固法を用いる場合に、一価陽イオンの硫酸塩を実質的に含まない塗工組成物を原紙上に塗布した後、一価陽イオンの硫酸塩を含む凝固用薬液を付与したり、基材にあらかじめ一価陽イオンの硫酸塩を含有せしめる等の方法では本発明の効果を得ることはできない。
本発明においてキャスト処理とは、湿潤状態にある塗工層を加熱された鏡面に圧着し、鏡面形状を塗工層の表面に転写すると共に塗工層から水分を乾燥除去し記録媒体に光沢を付与する処理を言う。キャスト処理に使用する装置(キャスト装置)は通常、表面がクロムメッキされたシリンダーの表面に、弾性ロールを用いて連続的に塗工紙を圧着する構造の装置であるが、本発明には、同様の作用を有する他の構造の装置を用いても良い。
本発明のインクジェット記録媒体を製造するにあたり用いるキャスト処理の方式としては直接法と呼ばれる、塗工組成物を塗工後、塑性を失わないうちにそのままキャスト装置の鏡面に圧着する方式を用いる。直接法は、ウエット法と呼ばれる場合もある。本発明においては、塗工後の塗工組成物が塑性を失わない範囲であれば塗工組成物の水分を除去してもよいが、圧着される前に塑性が失われる程度まで水分を失ってしまうと、その後にあらためて水分を付与してももはや良好な光沢を得ることはできない。また、塑性を高めるために不足する水分を付与しても良いが、水分が多すぎると圧着部で絞られて所望の塗工量が得られなくなったり、紙面を通じて蒸発する水分の量が多くなって紙面に凹凸が生じ、質感を損なうことがある。具体的には、塗工後のウェブがキャスト装置のシリンダーに接触する直前における塗工層の水分率は40%を下回らないことが好ましく、また85%を上回らないことが好ましい。
また、直接法の範疇に含まれるキャスト処理の方式として、塗工された組成物に薬液(凝固液)を付与し、基材上でゲル化させてからキャスト装置の鏡面に圧着する凝固法ないしゲル化法が知られている。凝固法においても、塗工組成物に一価陽イオンの硫酸塩を含有させることで、本発明の効果である良好な光沢とインク吸収性を得ることができる。ただし前述したように、一価陽イオンの硫酸塩はあくまでも塗工前の塗工組成物に含有せしめねばならず、凝固液に一価陽イオンの硫酸塩を含有せしめても光沢向上の効果は得られない。
光沢紙を製造するためのキャスト処理の方式としては、他に間接法ないしリウエット法と呼ばれる、塗工組成物を塗工後、一旦乾燥させてから再度湿潤してキャスト装置の鏡面に圧着する方式がある。しかし、本発明の塗工組成物、すなわちカチオン性のサブミクロン顔料、ポリビニルアルコールおよび特定量の一価陽イオンの硫酸塩を含む水性塗工液を間接法でキャスト処理しても、従来知られている塗工組成物を用いた場合と比較して光沢が向上しないか、むしろほとんどの場合低下する。これは、上記した弱い凝集構造が、間接法においてはむしろ光沢を低下させる方向に作用するためと推定される。
本発明において、キャスト装置における鏡面からの剥離性を改善することを目的に油性物質または油性物質の水性分散物等の離型剤を、本発明の塗工組成物に添加したり、キャスト処理に先立ち塗工したりすることで、高速でのキャスト処理が可能になることから好ましい。本発明において離型剤として用いることができる物質としては、ジメチルオクチルアミン、ジメチルオクタデシルアミン等の高級アルキルアミン、トリメチルオクチルアンモニウムクロリド、トリメチルオクタデシルアンモニウムクロリドなどの高級アルキル四級アンモニウム塩、オレイン酸、ステアリン酸、カプリル酸などの高級カルボン酸またはそれらの塩、オクチルアルコール、オクタデシルアルコールなどの高級アルコール、植物油、グリセリントリステアレート、グリセリントリオレエート、グリセリントリラウレート等の脂肪酸トリグリセリド、植物油部分加水分解物、グリセリンジステアレート、グリセリンジオレエート、グリセリンジラウレート、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノオレエート、グリセリンモノラウレート、ソルビタンジオレエート、ソルビタンモノオレエート等の多価アルコール脂肪酸部分エステル、流動パラフィン、ポリエチレンワックス、シリコーン油などを例示することができる。
本発明の塗工組成物には、光沢発現の促進や、塗層強度の向上等の目的で、ホウ酸、ホウ酸塩、酢酸ジルコニウムアンモニウム等のジルコニウム塩、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、アルデヒド等の架橋剤を添加することも可能である。
本発明の塗工組成物にはまた、光沢発現の促進や、塗層強度の向上等の目的で、アクリル系、スチレン−アクリル系、ポリウレタン系等の熱可塑性樹脂分散物を添加する事もできる。なお、これらの樹脂がアニオン性であると、サブミクロン顔料との間で凝集構造を生成し、高い光沢が得られなくなることがあるから、ノニオン性またはカチオン性のものを用いることが好ましい。
本発明の塗工組成物にはまた、光沢発現の促進や、塗層強度の向上等の目的で、メチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、グアーガム、デンプン、デキストリン等の水溶性多糖類を添加することも可能である。
本発明のインクジェット記録媒体には、基材とキャスト処理により形成される塗工層との間に、色目の改善、インク吸収性のさらなる向上等の目的で、シリカ等の顔料とラテックス、ポリビニルアルコール等のバインダーからなる下塗り層を設けることも可能である。また、色目の改善、カールの抑制などの目的で、インク吸収層とは反対側の面に、カオリン、タルク、炭酸カルシウム等の顔料とポリビニルアルコール、デンプン、SBR等のバインダーからなる裏塗り層を設けることもできる。これらの層には、外観の改善等の目的に応じて、蛍光増白剤、着色剤等の各種薬剤を添加することができる。
以下本発明の実施例を示す。なお、本実施例中で、特に明示しない限り部は質量部、%は質量%を示すものとする。
[実施例1]
[下塗り層塗工組成物の調製]
水296部と50%水酸化ナトリウム水溶液4部(不揮発分2部)を混合し、不定形シリカ(トクヤマ社製ファインシールX37B)100部を添加し、ノコギリ状ブレードを有する分散機を用いて分散した。ここに蛍光増白剤を不揮発分として2部、けん化度98.5mol%、その4%水溶液の粘度が26mPa・秒であるポリビニルアルコール(クラレ社製クラレポバールPVA117)の10%水溶液400部(不揮発分40部)、メチルアミン−エピクロロヒドリン縮合物の50%水溶液30部(不揮発分15部)を添加し均一になるまで混合して下塗り層塗工組成物を調製した。
[下塗り層の塗工]
市販の坪量157g/m2の非塗工紙(三菱製紙社製ダイヤフォーム)上に、上の下塗り層塗工組成物を、乾燥後の塗工量が5g/m2となるようにエアナイフコーターを用いて塗工し、エアドライヤで乾燥し、下塗り層を塗工した原反を作製した。
[塗工組成物の調製]
水250部、不揮発分40%のカチオン性コロイダルシリカ(グレースデビソン社製Ludox Cl−P)250部(不揮発分100部)に、けん化度88mol%、その4%水溶液の粘度が40mPa・秒であるポリビニルアルコール(クラレ社製クラレポバールPVA224)の10%水溶液50部(不揮発分5部)を添加し攪拌混合した。これを攪拌しながら、不揮発分4%の硫酸アンモニウム水溶液3.4部(不揮発分0.136部)、水90部にモノオレイン酸グリセリンエステル10部を混合しホモジナイザーで均一になるまで処理したもの10部(不揮発分1部)を添加して塗工組成物を調製した。なお、計算上この塗工組成物はカチオン性コロイダルシリカ100gにつき硫酸アンモニウ1.0mmolを含む。
[キャスト処理]
上で作製した下塗り層塗工原反上に、乾燥後の塗工量が5g/m2となるように上の塗工組成物を塗工し、95℃に加熱したキャスト装置のシリンダーに圧着し、乾燥後に引き剥がすことでインクジェット記録媒体を作製した。
[実施例2]
塗工組成物に加える硫酸アンモニウム水溶液の量を16.5部(不揮発分0.66部)とした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を作製した。なお、計算上この塗工組成物はカチオン性コロイダルシリカ100gにつき硫酸アンモニウム5.0mmolを含む。
[実施例3]
塗工組成物に加える硫酸アンモニウム水溶液の量を66.0部(不揮発分2.64部)とした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を作製した。なお、計算上この塗工組成物はカチオン性コロイダルシリカ100gにつき硫酸アンモニウム20.0mmolを含む。
[実施例4]
[塗工組成物の調製]
水298部に酢酸2部を混合し、攪拌しながらアルミナ水和物(擬ベーマイト ドイツ サソールジャーマニー社製Disperal HP−14)の100部を加え、そのまま2時間攪拌を続けアルミナ水和物のゾルを調製した。ここに、その4%水溶液の粘度が40mPa・秒であるポリビニルアルコール(クラレ社製クラレポバールPVA224)の10%水溶液100部(不揮発分10部)を添加し攪拌混合した。これを攪拌しながら、不揮発分4%の硫酸アンモニウム水溶液3.4部(不揮発分0.136部)、水90部にモノオレイン酸グリセリンエステル10部を混合しホモジナイザーで均一になるまで処理したもの10部(不揮発分1部)を添加して塗工組成物を調製した。なお、計算上この塗工組成物はアルミナ水和物100gにつき硫酸アンモニウム1.0mmolを含む。
[キャスト処理]
塗工組成物として、上で調製したものを用いた以外には、実施例1と同一の操作でインクジェット記録媒体を作製した。
[実施例5]
塗工組成物に加える硫酸アンモニウム水溶液の量を16.5部(不揮発分0.66部)とした以外は、実施例4と同様にしてインクジェット記録媒体を作製した。なお、計算上この塗工組成物はアルミナ水和物100gにつき硫酸アンモニウム5.0mmolを含む。
[実施例6]
塗工組成物に加える硫酸アンモニウム水溶液の量を66.0部(不揮発分2.64部)とした以外は、実施例4と同様にしてインクジェット記録媒体を作製した。なお、計算上この塗工組成物はアルミナ水和物100gにつき硫酸アンモニウム20.0mmolを含む。
[比較例1]
塗工組成物に硫酸アンモニウム水溶液を添加しなかった以外には、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を作製した。
[比較例2]
塗工組成物に加える硫酸アンモニウム水溶液の量を2.7部(不揮発分0.11部)とした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を作製した。なお、計算上この塗工組成物はカチオン性コロイダルシリカ100gにつき硫酸アンモニウム0.82mmolを含む。
[比較例3]
塗工組成物に加える硫酸アンモニウム水溶液の量を80部(不揮発分3.2部)とした以外は実施例1と同様にして塗工組成物を調製したが、この塗工組成物は塗工可能な流動性を有さなかった。なお、計算上この塗工組成物はカチオン性コロイダルシリカ100gにつき硫酸アンモニウム24mmolを含む。
[比較例4]
塗工組成物に硫酸アンモニウム水溶液を添加しなかった以外は、実施例4と同様にしてインクジェット記録媒体を作製した。
[比較例5]
塗工組成物に加える硫酸アンモニウム水溶液の量を2.7部(不揮発分0.11部)とした以外は、実施例4と同様にしてインクジェット記録媒体を作製した。なお、計算上この塗工組成物はアルミナ水和物100gにつき硫酸アンモニウム0.82mmolを含む。
[比較例6]
塗工組成物に加える硫酸アンモニウム水溶液の量を80部(不揮発分3.2部)とした以外は、実施例4と同様にして塗工組成物を調製したが、この塗工組成物は塗工可能な流動性を有さなかった。なお、計算上この塗工組成物はアルミナ水和物100gにつき硫酸アンモニウム24mmolを含む。
[比較例7]
比較例1の塗工組成物を、乾燥後の塗工量が5g/m2となるように実施例の下塗り層塗工原反上に塗工後、2%の硫酸アンモニウム水溶液を1.56g/m2塗工し、次いで95℃に加熱したキャスト装置のシリンダーに圧着し、乾燥後に引き剥がすことでインクジェット記録媒体を作製した。なお、計算上この工程において付与された硫酸アンモニウムの量はコロイダルシリカ100gにつき5mmolである。
[比較例8]
比較例4の塗工組成物を、乾燥後の塗工量が5g/m2となるように実施例の下塗り層塗工原反上に塗工後、2%の硫酸アンモニウム水溶液を1.49g/m2塗工し、次いで95℃に加熱したキャスト装置のシリンダーに圧着し、乾燥後に引き剥がすことでインクジェット記録媒体を作製した。なお、計算上この工程において付与された硫酸アンモニウムの量はアルミナ水和物100gにつき5mmolである。
[比較例9]
実施例1の塗工組成物を下塗り層塗工原反上に塗工後、一旦乾燥させ、次いで水中に0.6秒間浸漬し、塗工層を湿潤してから95℃に加熱したキャスト装置のシリンダーに圧着し、乾燥後に引き剥がすことでインクジェット記録媒体を作製した。
[比較例10]
実施例4の塗工組成物を下塗り層塗工原反上に塗工後、一旦乾燥させ、次いで水中に0.6秒間浸漬し、塗工層を湿潤してから95℃に加熱したキャスト装置のシリンダーに圧着し、乾燥後に引き剥がすことでインクジェット記録媒体を作製した。
[比較例11]
塗工組成物として、水350部、不揮発分40%のアニオン性コロイダルシリカ(グレースデビソン社製Ludox HS−40)250部(不揮発分100部)に、不揮発分45%、乾固物の軟化温度85〜90℃のポリウレタン水性分散物(大日本インキ化学工業社製ボンディックHW−311)100部(不揮発分45部)を添加し攪拌混合した。これを攪拌しながら、七水和物として4%を含有する硫酸亜鉛水溶液25部(七水和物として1部)、水90部にオレイン酸アンモニウム10部を混合しホモジナイザーで均一になるまで処理したもの10部(不揮発分1部)を添加したものを調製したが、この塗工組成物は塗工可能な流動性を有さなかった。なお、計算上この塗工組成物はコロイダルシリカ100gにつき硫酸亜鉛3.5mmol、コロイダルシリカおよびポリウレタン水性分散物の不揮発分の合計量100gにつき硫酸亜鉛2.4mmolを含む。
[比較例12]
塗工組成物として、水193部、不揮発分45%、乾固物の軟化温度85〜90℃のポリウレタン水性分散物(大日本インキ化学工業社製ボンディックHW−311)222部(不揮発分100部)を添加し攪拌混合した。これを攪拌しながら、七水和物として4%を含有する硫酸亜鉛水溶液100部(七水和物として4部)、水90部にオレイン酸アンモニウム10部を混合しホモジナイザーで均一になるまで処理したもの10部(不揮発分1部)を添加したものを用いた以外には実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を作製した。なお、計算上この塗工組成物はポリウレタン水性分散物の不揮発分100gにつき硫酸亜鉛13.9mmolを含む。
[光沢の評価]
肉眼観察により、光沢感を(最良)5−1(最悪)の5段階に分類した。
[インク吸収性の評価]
インク吸収性の良否は、インクジェットプリンターにより評価画像を印刷し、インク吸収容量やインク吸収速度の不足に起因する各種の画像欠陥が発生するか否かを観察することにより評価した。具体的には、印刷をキヤノン製Pixus iP3100インクジェットプリンターを用い、所定の評価画像を印刷した。得られた画像の品質、特に異なる色の境界部のにじみ、およびベタ画像の均一性により、インク吸収性を(最良)5−1(最悪)の5段階に分類した。
Figure 0004584280
各実施例および各比較例、特に実施例1と比較例1、実施例4と比較例4を比較することで、本発明により、塗工量が少なくとも良好な光沢感とインク吸収性を有するインクジェット記録媒体が得られることが分かる。実施例1と比較例2、実施例4と比較例5を比較して分かるように、本発明においては、カチオン性サブミクロン顔料の100gあたり1mmol以上の一価陽イオンの硫酸塩を含有せしめることが必須であり、一価陽イオンの硫酸塩の量がこれを下回る場合、本発明の効果である良好な光沢を得ることが出来ず、また比較例3および6により分かるように、カチオン性サブミクロン顔料の100gあたり20mmolを超える量の一価陽イオンの硫酸塩を含有せしめることは、塗工組成物の流動性を著しく悪化させることから好ましくない。
実施例2と比較例7および9、実施例4と比較例8および10を比較して分かるように、本発明の効果は一価陽イオンの硫酸塩を塗工前の塗工組成物に含有せしめ、直接法によるキャスト処理を行う場合にのみ発揮されるものであって、塗工組成物を基材に塗工後に一価陽イオンの硫酸塩を含有せしめたり、塗工後の間接法によるキャスト処理を行う場合には一価陽イオンの硫酸塩を含有せしめることの効果は得られない。
また比較例11から分かるように、硫酸イオンの供給源として、多価陽イオンの硫酸塩を用いた場合には、塗工組成物が著しく増粘して塗工操作が不可能になり、また比較例12から分かるように、硫酸イオンの供給源として、多価陽イオンの硫酸塩を増粘しない程度の少量用いても、本発明の目的を達することは不可能である。

Claims (1)

  1. 基材上に、カチオン性のサブミクロン顔料およびポリビニルアルコールを含有してなる水性塗工組成物を塗布した後、直接法によりキャスト処理を行って製造されるインクジェット記録媒体であって、該水性塗工組成物が、サブミクロン顔料の100gにつき、1mmol以上20mmol以下の、一価陽イオンの硫酸塩を含有してなり、カチオン性のサブミクロン顔料がアルミナゾルまたは表面をアルミニウム化合物で修飾したシリカであることを特徴とするインクジェット記録媒体。
JP2007093659A 2007-03-30 2007-03-30 インクジェット記録媒体 Expired - Fee Related JP4584280B2 (ja)

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