JP2006264124A - インクジェット記録材料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の銀塩写真に匹敵する光沢を有し、ピットやトラレ等の表面欠陥が無く、長時間での連続操業も可能なインクジェット記録材料の製造方法を提供すること。
【解決手段】支持体上に顔料および結着剤を含有する少なくとも1層のインク受容層を設けた後、該インク受容層を凝固液を用いて凝固処理し、湿潤状態にある間に加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥して光沢仕上げするインクジェット記録材料の製造方法において、該インク受容層を凝固処理した後インク受容層面に再湿潤液を付与し、鏡面ドラム表面との圧接点において再湿潤液の液溜まりを形成させることを特徴とするインクジェット記録材料及の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、インクジェット記録方式を利用したプリンターやプロッターに使用されるインクジェット記録材料の製造方法に関するものである。特に、従来の銀塩写真に匹敵する光沢を有し、ピットやトラレ等の表面欠陥が無く優れた外観を有するインクジェット記録材料を得ることができる製造方法に関するものである。
インクジェット記録方式は、種々の作動原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙等の記録材料に付着させ、画像・文字等の記録を行うものである。インクジェットプリンターやプロッターは、高速印字性や低騒音性に優れ、記録パターンの融通性が大きく、現像−定着が不要等の特長があり、複雑な画像を正確、且つ迅速に形成することができる点で注目されている。特にコンピューターにより作成した文字や各種図形等の画像情報のハードコピー作成装置として、インクジェットプリンターやプロッターは、近年急速に普及している。又、インクジェット記録方式は複数個のインクノズルを使用することにより、多色記録を行うことも容易である。多色インクジェット方式により、形成されるカラー画像は、製版方式による多色印刷やカラー写真方式による印画に比較して、遜色のない記録を得ることが可能であり、更に作成部数が少ない用途においては、印刷技術や写真技術によるよりも安価で済むことから近年急速に普及してきている。
それゆえ、インクジェット記録材料の需要も増加傾向にあり、インクジェット方式プリンターの高性能化の他に、デジタルカメラやスキャナーといった周辺機器の充実化と普及化に伴って、インクジェット記録材料に要求される品質も年々高くなってきている。すなわち、インクジェット記録の高速化、記録画像の高精細化、フルカラー化といった用途が広範化する中、良好なインクジェット印字適性の他に、従来の銀塩写真の印画紙に匹敵するような表面光沢が高く、優れた外観を有するインクジェット記録材料が要求されてきている。
このような光沢を有するインクジェット記録材料として、キャストコーターを用いるキャストコート法で製造する方法がある。キャストコート法では、顔料と結着剤を主成分とする塗工液を透気性のある支持体上に塗工してインク受容層を設け、加熱した鏡面ドラム(以下、キャストドラムという)に圧接、乾燥させて光沢仕上げする方法である。キャストコート法としては、塗工層が湿潤状態にある間にキャストドラムに圧着して乾燥するウェットキャスト法(直接法)、湿潤状態の塗工層を凝固処理によりゲル状態にして、湿潤状態にある間にキャストドラムに圧接し乾燥するゲル化キャスト法(凝固法)、湿潤状態の塗工層を一旦乾燥あるいは半乾燥した後に再湿潤液により膨潤可塑化させ、キャストドラムに圧接し乾燥するリウェットキャスト法(再湿潤法)、の3種類が知られている。特に、リウェットキャスト法を用い、鏡面ドラム表面との圧接点において再湿潤液の液溜まりを形成させるインクジェットキャストコート紙の製造方法が提案されている(特許文献1参照)。
これらキャスト光沢紙の製造方法においては、いずれの方法も可塑状態にある塗工層を加熱されたキャストドラムに圧接、乾燥させ、塗工層表面に光沢を付与するという点では同一であるが、キャストドラム温度を高温とすることができ、高速度操業が可能であることから、ゲル化キャスト法が好ましく用いられている。
キャストコート法においては、塗工層表面がキャストドラムに接して乾燥され、塗工層中に含まれる水分は全て支持体(紙層)を通過して反対側へ抜け、蒸発することになるが、乾燥が不十分であったり、水分が支持対側に抜けきれずに塗工層側に残ってしまった場合等、得られたキャスト光沢紙の塗工層表面には微小なピンホール状の凹み欠陥(以下、ピットという)や塗工層の一部が、キャストドラム表面に付着する剥離不良(以下、トラレという)が発生し易くなる。このため操業条件を工夫してこれらのトラブルを解消することが必要となっている。また、これらが長時間の連続操業中に多発すると、塗工面が荒れ、表面光沢が低下し外観上好ましく無い。また、キャストドラムからの安定した離型性を維持することが難しくなり、ついには紙全体がキャストドラム表面に貼り付いて離型しなくなってしまう場合があり操業上も好ましくない。
特に、ゲル化キャスト法では、塗工層を特定の酸又は塩の凝固液で一旦ゲル化状態にさせてからキャストドラムに圧接することから、キャストドラム温度を100℃以上に上げた操業が可能であるが、表面温度が90℃以上のキャストドラムでは可塑化された塗工層が粘着し易くなり、安定した離型性を維持しながら連続した操業が難しく、とりわけ高速度操業ではピット、トラレ等の表面欠陥が発生し易い状態となりやすい。
このように従来の銀塩写真に匹敵するような表面光沢が高く、ピットやトラレ等の表面欠陥が無く優れた外観を有するインクジェット記録材料の製造においては、高速度の操業をやめて低速度での操業にしたり、あるいは1日に何回も操業を停止して、キャストドラム表面の手入れをするといった断続操業を余儀なくされているのが現状であり、ピットやトラレが発生しにくく、また長時間でも安定して連続操業できるような製造方法が望まれている。
特開平8−300804号公報
本発明の課題は、上述したような従来技術における問題点を解消し、従来の銀塩写真に匹敵する光沢を有し、ピットやトラレ等の表面欠陥が無く、長時間での連続操業も可能なインクジェット記録材料の製造方法を提供することである。
本発明の課題は以下に述べる手段によって解決される。
すなわち、支持体上に顔料および結着剤を含有する少なくとも1層のインク受容層を設けた後、該インク受容層を凝固液を用いて凝固処理し、湿潤状態にある間に加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥して光沢仕上げするインクジェット記録材料の製造方法において、該インク受容層を凝固処理した後インク受容層面に再湿潤液を付与し、鏡面ドラム表面との圧接点において再湿潤液の液溜まりを形成させることを特徴とするインクジェット記録材料の製造方法である。
該再湿潤液のインク受容層面への付与点が、該インク受容層を凝固処理した後から鏡面ドラムに圧接するまでの間であることが好ましい。また、該インク受容層の最表層が光沢発現層であることが好ましい。さらに、湿該再湿潤液に離型剤を含有することが好ましい。
本発明により、従来の銀塩写真に匹敵する光沢を有し、ピットやトラレ等の表面欠陥が無く、長時間での連続操業も可能なインクジェット記録材料の製造方法を提供することできる。
本発明のインクジェット記録材料の製造方法は、支持体上に顔料および結着剤を含有する少なくとも1層のインク受容層を設けた後、該インク受容層を凝固液を用いて凝固処理し、湿潤状態にある間に加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥して光沢仕上げするインクジェット記録材料の製造方法において、該インク受容層を凝固処理した後インク受容層面に再湿潤液を付与し、キャストドラム表面との圧接点において再湿潤液の液溜まりを形成させることを特徴とする。
本発明において、インク受容層を凝固処理した後、インク受容層面に再湿潤液を付与してキャストドラム表面との圧接点において液溜まりを形成させることにより、キャストドラム表面との圧接点でインク受容層との密着性を高めることができ、密着ムラによる斑点や光沢ムラの発生を伴うことがなくなり、また、ゲル化したインク受容層とキャストドラム表面との隙間に入り込む空気を追い出す役目を持っており、ピットやトラレ対策に有効である。インク受容層とキャストドラム表面との圧接点とは、通常はウェブがキャストドラムと接し始める点のことであり、キャストドラムとニップロールとのニップ部のことである。
また、この再湿潤液をキャストドラムに圧接させる前に付与して、キャストドラム表面との圧接点において液溜まりを形成させることにより、キャストドラムとの圧接点上で直接再湿潤液を付与して液溜まりを形成させる場合に比べ、キャストドラム温度の設定温度からの温度低下を抑えることができるため好ましい。再湿潤液を直接圧接点上に付与した場合、再湿潤液とキャストドラムとの温度差によって、圧接部分でのキャストドラムの温度分布の均一性が損なわれ、これに起因する光沢ムラやピット、トラレ等の表面欠陥が発生し易くなることがある。
この再湿潤液については特に限定されず、例えば水単独、または水に各種薬品を添加したものを使用してもよい。
再湿潤液を付与する方法は、インク受容層面に付与することができる限り特に制限されず公知の方法(例えばロール方式、スプレー方式、カーテン方式等)の中から適宜選択して用いることができる。
また、この再湿潤液は離型剤を含有することが好ましい。離型剤としては、例えばステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸及びその金属塩、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンエマルジョン等の炭化水素類、アセチルアルコール等の高級アルコール、樹脂、シリコン樹脂、各種界面活性剤、炭素数6〜22の脂肪族炭化水素基を有する燐酸エステル及びそのアミン塩、レシチン等、従来キャスト光沢紙の製造に使用されているものから適宜選択して用いることができる。これら離型剤を含む再湿潤液を使用することにより、キャストドラムからの離型性が顕著に向上し、長時間での連続操業が可能になる。
この離型剤の好ましい添加量は0.01〜3.0質量%、特に好ましくは0.03〜2.0質量%である。添加量が0.01質量%に満たない場合にはその効果が十分発揮されないことがあり、また添加量が3.0質量%を越える場合には、逆に光沢が低下したり、インクのハジキや記録濃度の低下が生じる場合がある。
本発明におけるゲル化キャスト法における凝固液は、湿潤状態の塗工層中の結着剤を凝固する作用を持ち、例えば、蟻酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、塩酸、硫酸等のカルシウム、亜鉛、マグネシウム等の各種の塩が用いられる。特に、結着剤としてポリビニルアルコールを用いた場合には、凝固液としてホウ酸またはホウ酸塩を含有する液を用いることが好ましい。ホウ酸、ホウ酸塩の濃度を適宜調整することにより、凝固時の固さを適度なものとすることができインク受容層に良好な光沢感を付与することができる。
凝固液を付与する方法は、塗工層に付与することができる限り特に制限されず、公知の方法(例えばロール方式、スプレー方式、カーテン方式等)の中から適宜選択して用いることができる。
本発明における支持体とは、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等の木材パルプ及びケナフ、バガス、竹、コットン等の非木材パルプと従来公知の顔料を主成分として、バインダー及びサイズ剤や定着剤、歩留まり向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤等の各種添加剤を1種以上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等の各種装置で製造された原紙、更に原紙に、澱粉、ポリビニルアルコール等でのサイズプレスやアンカーコート層を設けた原紙や、それらの上にコート層を設けたアート紙、コート紙、キャストコート紙等の塗工紙も含まれる。この様な原紙及び塗工紙に、そのまま本発明における塗層を設けても良いし、平坦化をコントロールする目的で、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置を使用しても良い。また、該支持体の坪量としては、通常40〜300g/m2であるが、特に制限されるものではない。
本発明におけるインク受容層とは、顔料と結着剤を主成分とする塗被組成物から構成されるものである。インク受容層に用いられる顔料としては、公知の白色顔料を1種以上用いることができる。例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料が挙げられる。インク吸収性の点からは、多孔質顔料が好適であり、特に、発色性の点でも優れている合成非晶質シリカが好ましい。
また、インク受容層に用いられる結着剤としては、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉誘導体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリビニルアルコール又はその誘導体、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体等の等のアクリル系重合体等のアクリル系重合体ラテックス、エチレン酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス、あるいはこれら各種重合体のカルボキシ基等の官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテックス、メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹脂等の水性接着剤、ポリメチルメタクリレート等のアクリル酸エステルやメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂等の合成樹脂系接着剤を挙げることができる。
結着剤の配合量としては、顔料100質量部に対して、3〜70質量部、好ましくは、5〜50質量部であり、3質量部未満ではインク受容層の塗層強度が不足するすることがあり、70質量部を越えるとインクの吸収性が低下することがある。
インク受容層を形成するための塗工液には、顔料および結着剤に加え、必要に応じて、界面活性剤、着色染料、着色顔料、カチオン性のインク染料定着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤等の公知の各種添加剤を添加することもできる。
インク受容層の塗工量としては、要求される光沢、インク吸収性、支持体の種類等により異なるが、1〜40g/m2、より好ましくは5〜20g/m2の範囲が好ましい。
インク受容層の塗工装置としては、各種ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ロッドブレードコーター、カーテンコーター、ショートドウェルコーター、サイズプレス等を挙げることができ、オンマシンあるいはオフマシンで塗工することができる。
本発明におけるインク受容層の最表層は光沢発現層であることが好ましい。光沢発現層は、コロイド粒子と結着剤を主成分とする塗被組成物から構成されるものであることが好ましい。コロイド粒子とは、その分散粒子径が数nmから数百nmの、いわゆるコロイド次元にあるものであればよく、例えば、コロイダルシリカ、ベーマイト、擬ベーマイト等のアルミナゾルやコロイダルアルミナ、カチオン性アルミニウム酸化物又はその水和物、あるいは特公昭47−26959号公報に開示されているようなコロイド状シリカ粒子表面をアルミナコーティングした粒子等の無機粒子、ポリスチレン、メチルメタクリレート、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体等の有機高分子微粒子が挙げられ、これらを2種以上併用することも可能である。
更に、光沢発現層に用いられる結着剤としては、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉誘導体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリビニルアルコール又はその誘導体、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体等のアクリル系重合体等のアクリル系重合体ラテックス、エチレン酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス、あるいはこれら各種重合体のカルボキシル基等の官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテックス、メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹脂等の水性結着剤、ポリメチルメタクリレート等のアクリル酸エステルやメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂等の合成樹脂系接着剤等を挙げることができる。
結着剤の配合量は、コロイド粒子100質量部に対して、5〜70質量部、好ましくは5〜50質量部であり、5質量部未満では、光沢発現層の塗層強度が不足することがあり、70質量部を超えるとインク吸収性が低下することがある。
更に、光沢発現層を形成するための塗工液には、顔料および結着剤に加え、必要に応じて、界面活性剤、着色染料、着色顔料、カチオン性のインク染料定着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤等の公知の各種添加剤を添加することもできる。
光沢発現層の塗工量としては、インク受容層の平滑性やサイズ性、要求される光沢により異なるが、2g/m2以上あれば良い。
光沢発現層の塗工装置としては、各種ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、ロッドブレードコーター、カーテンコーター、ショートドウェルコーター、サイズプレス等を挙げることができる。
実施例
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限定されるものではない。なお、「部」及び「%」は、特に明示しない限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を表す。
(支持体の作製)
濾水度450mlCSFのLBKP100部、軽質炭酸カルシウム/重質炭酸カルシウム/タルクの比率が30/35/35の顔料5部、市販アルキルケテンダイマー0.1部、市販カチオン性ポリアクリルアミド0.03部、市販カチオン化澱粉1.0部、硫酸バンド0.5部を水に添加してスラリーを調製後、長網抄紙機を用いて坪量160g/m2で抄造して支持体を得た。
(インク受容層塗工液の調製)
水580部を攪拌しながら、シリカゾル(スノーテックス−O:固形分20%、日産化学工業株式会社製)150部、合成非晶質シリカ(ミズカシルP78F:水沢化学工業株式会社製)100部、蛍光増白剤(ケイコールBBL:固形分50%、日本曹達株式会社製)2部、ポリビニルアルコール(PVA−117:クラレ株式会社製)の10%水溶液250部、ジメチルアミン−エピクロロヒドリン縮合物(カチオマスターPD−10:固形分50%、四日市合成株式会社製)50部を順次配合し、「インク受容層塗工液」を調製した。
(光沢発現層塗工液の調製)
水285.5部を攪拌しながら、シリカゾル(スノーテックスXL:固形分40%、日産化学工業株式会社製)250部、スチレン−ブタジエン系ラテックス(JSR−0691:固形分48%、日本合成ゴム株式会社製)62.5部、オレイン酸カリウム2部を順次配合し、「光沢発現層塗工液」を調製した。
(凝固液の調製)
凝固液として、ホウ酸(朝日化学工業社製)の固形分濃度3%水溶液を用いた。
(再湿潤液Aの調製)
再湿潤液として、水を用いた。
(再湿潤液Bの調製)
再湿潤液Bとして、離型剤(ステアリン酸カルシウム)固形分濃度1%で含有する水を用いた。
作製した支持体上に「インク受容層塗工液」をエアーナイフコーターにて絶乾質量10g/m2となるように塗工し、その後「凝固液」をスプレー方式で付与しインク受容層を一旦ゲル化させてから、キャストドラム表面との圧接点に「再湿潤液A」をスプレー方式で直接付与し、キャストドラム表面との圧接点において液溜まりを形成させながら、インク受容層をキャストドラムに圧接、乾燥しキャストドラムより剥離することによって実施例1のインクジェット記録材料を得た。
作製した支持体上に「インク受容層塗工液」をエアーナイフコーターにて絶乾質量10g/m2となるように塗工、乾燥し、さらに「光沢発現層塗工液」を絶乾質量4g/m2となるように塗工し、その後「凝固液」をスプレー方式で付与し光沢発現層を一旦ゲル化させてから、キャストドラム表面との圧接点に「再湿潤液A」をスプレー方式で直接付与し、キャストドラム表面との圧接点において液溜まりを形成させながら、光沢発現層をキャストドラムに圧接、乾燥しキャストドラムより剥離することによって実施例2のインクジェット記録材料を得た。
作製した支持体上に「インク受容層塗工液」をエアーナイフコーターにて絶乾質量10g/m2となるように塗工し、その後「凝固液」をスプレー方式で付与しインク受容層を一旦ゲル化させてから、キャストドラム表面との圧接点までの間で「再湿潤液A」をスプレー方式で付与し、キャストドラム表面との圧接点において液溜まりを形成させながら、インク受容層をキャストドラムに圧接、乾燥しキャストドラムより剥離することによって実施例3のインクジェット記録材料を得た。
作製した支持体上に「インク受容層塗工液」をエアーナイフコーターにて絶乾質量10g/m2となるように塗工、乾燥し、さらに「光沢発現層塗工液」を絶乾質量4g/m2となるように塗工し、その後「凝固液」をスプレー方式で付与し光沢発現層を一旦ゲル化させてから、キャストドラム表面との圧接点までの間で「再湿潤液A」をスプレー方式で付与し、キャストドラム表面との圧接点において液溜まりを形成させながら、光沢発現層をキャストドラムに圧接、乾燥しキャストドラムより剥離することによって実施例4のインクジェット記録材料を得た。
実施例1の「再湿潤液A」の代わりに「再湿潤液B」を使用した以外は、実施例1と同様にして、実施例5のインクジェット記録材料を得た。
実施例2の「再湿潤液A」の代わりに「再湿潤液B」を使用した以外は、実施例2と同様にして、実施例6のインクジェット記録材料を得た。
実施例3の「再湿潤液A」の代わりに「再湿潤液B」を使用した以外は、実施例3と同様にして、実施例7のインクジェット記録材料を得た。
実施例4の「再湿潤液A」の代わりに「再湿潤液B」を使用した以外は、実施例4と同様にして、実施例8のインクジェット記録材料を得た。
(比較例1)
実施例1の「再湿潤液A」を付与しなかった以外は実施例1と同様にして、比較例1のインクジェット記録材料を得た。
(比較例2)
実施例2の「再湿潤液A」を付与しなかった以外は実施例2と同様にして、比較例2のインクジェット記録材料を得た。
評価方法
(キャストドラムの離型性)
10000mの長さのウェブを連続してキャストコート処理した後の、キャストドラムからキャスト面が離れるときの状態を目視して次のように評価した。
○:キャスト面がドラムから全く抵抗なく離れる。
△:キャスト面がドラムにわずかに付着しており、やや離れにくい。
×:キャスト面がドラムに付着しており、離れにくい。
○△、△×はそれぞれの中間程度を示す。
(キャストドラムの表面汚れ)
10000mの長さのウェブを連続してキャストコート処理した後の、キャストドラム表面を目視で観察し、次のように評価した。
○:清浄であり、さらに連続操業が可能。
△:白く薄い汚れが若干付着しているが、もう少し連続操業は可能。
×:汚れが多く、操業を停止してドラム表面を拭き直す必要がある。
○△、△×はそれぞれの中間程度を示す。
(光沢度)
インクジェット記録材料のキャスト処理した面の光沢度は、連続してキャストコート処理した10000m後のサンプルを採取し、塗工面を光沢度計(GM−26D型 株式会社村上色彩技術研究所製)を使用し、JIS−Z−8741の方法で測定した75°鏡面光沢度を表す。
(ピット/トラレ)
インクジェット記録材料のキャスト処理した面から無作為に選定した部分の表面を10倍のルーペで観察し、ピット/トラレの様子を確認した。
◎:存在しない。
○:殆ど存在しない。
△:散見される。
×:非常に多い。
◎○、○△、△×はそれぞれの中間程度を示す。
Figure 2006264124
(結果について)
本発明の実施例1〜8では、ゲル化キャスト法を用いるインクジェット記録材料の製造方法において、該インク受容層を凝固処理した後インク受容層面に再湿潤液を付与し、鏡面ドラム表面との圧接点において再湿潤液の液溜まりを形成させることによって、ピットやトラレ等の表面欠陥が改良された優れた外観を有するインクジェット記録材料を得ることできた。
実施例3、4、7、8では、再湿潤液のインク受容層面への付与点が、該インク受容層を凝固処理した後から鏡面ドラムに圧接するまでの間であることにより、ピット、トラレ等の表面欠陥がさらに改良することができた。実施例5〜8では再湿潤液に離型剤を含有しており、さらに長時間での連続操業が可能であった。
比較例では再湿潤液を全く使わなかったため、キャストドラム表面との圧接点で液溜まりが出来ず、キャストドラムとの密着ムラによるピットやトラレが発生し易く、離型性も悪い結果となった。

Claims (4)

  1. 支持体上に顔料および結着剤を含有する少なくとも1層のインク受容層を設けた後、該インク受容層を凝固液を用いて凝固処理し、湿潤状態にある間に加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥して光沢仕上げするインクジェット記録材料の製造方法において、該インク受容層を凝固処理した後インク受容層面に再湿潤液を付与し、鏡面ドラム表面との圧接点において再湿潤液の液溜まりを形成させることを特徴とするインクジェット記録材料の製造方法。
  2. 該再湿潤液のインク受容層面への付与点が、該インク受容層を凝固処理した後から鏡面ドラムに圧接するまでの間であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録材料の製造方法。
  3. 該インク受容層の最表層が光沢発現層であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録材料の製造方法。
  4. 該再湿潤液に離型剤を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録材料の製造方法。
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