JP2007130875A - インクジェット記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】高いインク吸収性を保持しつつ、切断時のダストの発生の少ないインクジェット記録媒体を得る。
【解決手段】透気性の支持体上に、吸水性無機顔料と、バインダーとしてニトリルブタジエン共重合体、クロロプレン重合体から選ばれる少なくとも1種類の重合体を含有する下層塗工組成物と、サブミクロン顔料及びバインダーを含有する上層塗工組成物を順次塗工することによってなるインクジェット記録媒体。
【選択図】 なし
【解決手段】透気性の支持体上に、吸水性無機顔料と、バインダーとしてニトリルブタジエン共重合体、クロロプレン重合体から選ばれる少なくとも1種類の重合体を含有する下層塗工組成物と、サブミクロン顔料及びバインダーを含有する上層塗工組成物を順次塗工することによってなるインクジェット記録媒体。
【選択図】 なし
Description
本発明は、高いインク吸収性を保持しつつ、裁断時のダストの発生の少ないインクジェット記録媒体に関する。さらに、高いインク吸収性と裁断時のダストの発生が少ないという特徴を保持しながらも、キャスト処理により高い光沢性を付与することができるインクジェット記録媒体に関する。
近年、インクジェットプリンターの技術が急速に進歩し、一般的な銀塩写真法によるものと同等以上の画像品質を有する記録物が得られるようになってきた。これに伴い、インクジェット用の記録媒体にも、銀塩写真法に用いられる印画紙と同等の質感を有するものが求められている。
光沢を有するインクジェット記録媒体として従来、特許文献1で提案されているようなキャスト塗被紙が用いられている。しかし、本技術により製造された記録媒体は、ある程度の光沢は有するものの、塗層表面が傷の付きやすく銀塩写真に用いられる印画紙と同等の表面強度を有するとは到底いえないものであった。
特許文献2では、かかる課題を解決するために塗工層を電子線により硬化させることが提案されている。しかし、電子線による硬化装置は一般に大掛かりで、かつその保守や調整が極めて煩雑という問題がある。また、インクジェット記録媒体を実用化するにあたり、切断時のダストの発生が問題となっていた。
その新たな手段として、特許文献3にて、下層の結着剤にエチレン酢酸ビニル共重合体を用いることが提案されている。これにより切断時のダストの発生が改善するものの、キャスト処理を行った場合に、十分な光沢が得られなくなるという欠点があった。
特公平7−55579号公報
特開2004−330725号公報
特開2004−114475号公報
本発明の目的は、高いインク吸収性を保持しつつ、裁断時のダストの発生の少ないインクジェット記録媒体を提供することにある。さらに、高いインク吸収性と裁断時のダストの発生が少ないという特徴を保持しながらも、キャスト処理により高い光沢性を付与することができるインクジェット記録媒体を提供できることにある。
上記課題に対し検討を行った結果、透気性の支持体上に、吸水性無機顔料と、バインダーとしてニトリルブタジエン共重合体、クロロプレン重合体から選ばれる少なくとも1種類の重合体を含有する下層塗工組成物と、サブミクロン顔料及びバインダーを含有する上層塗工組成物を順次塗工することによってなるインクジェット記録媒体によって、裁断時のダストの発生の少ないインクジェット記録媒体を提供することが可能になった。
さらに、該吸水性無機顔料が、湿式合成シリカであることによって、特にインク吸収性に優れるインクジェット記録媒体を提供することが可能になった。
さらに、上層の塗工組成物に含まれるバインダーが、ポリビニルアルコールであることによって、特に裁断時のダストの発生の少ないインクジェット記録媒体を提供することが可能になった。
さらに、下層の塗工組成物にコロイダルシリカが含まれることによって、特に吸収性に優れるインクジェット記録媒体を提供することが可能になった。
さらに、上層にキャスト処理を施すことにより特に光沢性が高く、しかも高いインク吸収性と裁断時のダストの発生が少ないという特徴を有したインクジェット記録媒体を提供することが可能になった。
本発明により、高いインク吸収性を保持しつつ、裁断時のダストの発生の少ないインクジェット記録媒体を提供することができる。さらに、高いインク吸収性と裁断時のダストの発生が少ないという特徴を保持しながらも、キャスト処理により高い光沢性を付与することができるインクジェット記録媒体を提供することができる。
本発明において、透気性の支持体としては通常紙が用いられるが、必要に応じて不織布等紙以外の支持体を用いることもできる。
本発明において下層とは、記録媒体のより支持体に近い側に形成される塗工層をいい、下層塗工組成物とは、乾燥して下層を形成させるための液状の組成物をいう。また本発明において上層とは、記録媒体のより表面に近い側に形成される塗工層をいい、上層塗工組成物とは、乾燥して上層を形成させるための液状の組成物をいう。これらの塗工組成物は通常、水中に各材料を溶解ないし分散せしめた水性液の形で用いられる。本発明において通常、下層と上層は隣接しているが、下層と上層の相互作用を強く阻害しない範囲で、下層と上層の間に1層または2層以上の中間層を設けても良く、また下層と支持体の間及び上層の表面側にも1層または2層以上の塗工層を設けても良い。
本発明において吸水性無機顔料とは、アマニ油の代わりに水を用い、JIS K 5101に定められた吸油量の試験方法に準じた試験を行ったとき、終点までにその100gにつき100ml以上の水が使用される無機顔料をいい、その例としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、湿式合成シリカ、ケイソウ土、ケイ酸カルシウム、タルク、水酸化マグネシウム、ハロイサイト、活性白土、酸性白土、ハイドロタルサイト、アルミナ水和物、水酸化アルミニウム、ベントナイトクレー、ゼオライト、カオリン、焼成カオリン、セッコウ、酸化チタン、硫酸バリウム等を挙げることができる。これらの顔料は、その1種を単独で用いてもよく、またはそれらの2種以上を組み合わせて用いても良い。
かかる吸水性無機顔料の中でも湿式合成シリカは、少ない塗工量でも良好なインク吸収性を有するインクジェット記録媒体が得られることから特に好ましく使用される。本発明において湿式合成シリカとは、ケイ酸ナトリウム等のケイ酸塩と、硫酸等の酸を混和し、洗浄、熟成、粉砕等の工程を経て得られる多孔質の二酸化ケイ素をいい、その主要な製法としては沈降法及びゲル法が知られているが、本発明に係る下層塗工組成物には、そのいずれをも好ましく用いることができる。
本発明に係る下層塗工組成物に用いる湿式合成シリカの吸油量は、インク吸収性の観点からは高いほうが好ましいが、一方吸油量が高すぎると塗工層の強度が低下することがあるので好ましくない。具体的には、本発明の下層塗工組成物に用いる湿式合成シリカの吸油量は、1〜5ml/gであることが好ましく、2〜4ml/gであることがより好ましい。また、本発明の下層塗工組成物に用いる湿式合成シリカの粒径は、小さすぎると塗工組成物の粘度が高くなり塗工操作が困難になることがあるので好ましくなく、一方大きすぎるとキャスト処理後の記録媒体の光沢が発現しにくくなることがあるので好ましくない。具体的には、本発明の下層塗工組成物に用いる湿式合成シリカのマルヴァン法により測定される粒径は、2〜20μmであることが好ましく、3〜15μmであることがより好ましい。
本発明においてニトリルブタジエン共重合体とは、その70質量%以上がアクリロニトリル単位とブタジエン単位からなり、かつアクリロニトリル単位とブタジエン単位の質量比が15/85〜50/50の範囲にある重合体をいう。本発明に係るニトリルブタジエン共重合体には、アクリロニトリル及びブタジエンの他にメタクリロニトリル、スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリルアミドなど各種の単量体を共重合することが可能であり、とりわけ1〜10質量%の(メタ)アクリル酸を共重合した重合体を用いることで、裁断時のダストの発生が特に少ないインクジェット記録媒体が得られることから好ましい。ニトリルブタジエン共重合体は、ニトリルゴム、ニトリル−ブタジエンゴムないしNBR等の名称で呼ばれることがある。
ニトリルブタジエン共重合体は、通常界面活性剤の存在下で水性媒体中に分散したラテックス状態にて用いられる。本発明に使用するニトリルブタジエン共重合体としては、乳化重合により製造されたものが、塗工組成物に記録媒体の欠陥の原因となることがある凝集などを引き起こしにくいことから好ましく使用される。
本発明においてクロロプレン重合体とは、その70質量%以上がクロロプレン単位からなる重合体をいう。本発明に係るクロロプレン重合体とは、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリルアミド等の各種の単量体を共重合させることが可能であり、とりわけ1〜10質量%の(メタ)アクリル酸を共重合した重合体を用いることで、切断時のダストの発生が特に少ないインクジェット記録媒体が得られることから好ましい。
クロロプレン重合体は、通常界面活性剤の存在下で水性媒体中に分散したラテックス状態にて用いられる。本発明に使用するクロロプレン重合体としては、乳化重合により製造されたものが、塗工組成物に記録媒体の欠陥の原因となることがある凝集等を引き起こしにくいことから好ましく使用される。
本発明において、下層の塗工組成物に含まれるニトリルブタジエン重合体およびクロロプレン重合体の量は、少なすぎると断裁時のダスティングが発生しやすくなり、多すぎるとインクの吸収性が悪化することから、吸水性無機顔料の添加量に対して20〜60質量%であることが好ましく、25〜40質量%であることがより好ましい。
本発明において、下層の塗工組成物にニトリルブタジエン共重合体、クロロプレン重合体以外のバインダーを併用することもできる。併用しうるバインダーの例としては、ビニルピロリドン重合体、(メタ)アクリル酸重合体、(メタ)アクリルアミド重合体等の水溶性高分子化合物を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。ニトリルブタジエン共重合体およびクロロプレン重合体と、その他の併用するバインダーの比率は、併用するバインダー量が多すぎると断裁時のダスティングが発生しやすくなることから、(ニトリルブタジエン共重合体またはクロロプレン重合体)/その他の併用するバインダーの質量比が50/50〜100/0であることが好ましく、70/30〜100/0であることがより好ましい。また、下層の塗工組成物におけるバインダーの総量は、少なすぎると断裁時のダスティングが発生しやすくなり、多すぎるとインク吸収性が悪化することから、吸水性無機顔料の添加量に対して20〜60質量%であることが好ましく、25〜40質量%であることがより好ましい。
本発明において、下層の塗工組成物がコロイダルシリカを含むことで、とりわけインク吸収性に優れるインクジェット記録媒体が得られることから好ましい。本発明においてコロイダルシリカとは、ケイ酸ナトリウム等のケイ酸塩水溶液に、硫酸等の酸を作用させるか、陽イオン交換樹脂により金属イオンを除去した後に、熟成等の工程を経る等の方法で製造されるケイ酸重合体の水性分散物であり、通常BET法による比表面積が15〜700m2/gの球状のケイ酸粒子からなる。
本発明に用いるコロイダルシリカとしては、その比表面積が小さすぎるものを用いた場合キャスト処理後の光沢が発現しにくくなることがあり、その比表面積が大きすぎるものを用いた場合はインク吸収性を向上させる効果が十分でなくなることがあるから、BET法による比表面積が50〜500m2/gのものが好ましく用いられ、100〜350m2/gのものがより好ましく用いられる。また本発明におけるコロイダルシリカの添加量は、少なすぎるとインク吸収性向上の効果が十分でなくなることがあり、多すぎるとキャスト処理後の光沢が発現しにくくなることがあるから、吸水性無機顔料の添加量に対して10〜100質量%とすることが好ましく、15〜60質量%とすることがより好ましい。
本発明において、サブミクロン顔料とは、その分散液を基板上に散布し、走査型電子顕微鏡で観察したときに、観察野において粒子が占める面積の80%以上を、長辺1μm以下の粒子が占める無機顔料を指す。本発明の上層塗工組成物に用いるサブミクロン顔料の種類は特に制限されないが、ゲル法シリカ、沈降法シリカ、コロイダルシリカ、気相法シリカ、気相法アルミナ、擬ベーマイト等を例示することができる。特に、該観察野において粒子が占める面積の80%以上を、長辺400nm以下の粒子が占める無機顔料を用いることで、特に高い表面光沢が得られることから好ましい。また、該観察野において粒子が占める面積の80%以上を、長辺100nm以上の粒子が占める無機顔料を用いると、上層塗工組成物を塗工後高速に乾燥しても塗工層の裂け等の欠陥が生じにくいことから好ましい。
本発明の上層塗工組成物に用いるサブミクロン顔料としては、比表面積がある程度以上あるものを用いると高い印刷濃度が得られることから好ましい。一方比表面積が大きすぎるものを用いるとインクの吸収性が低下することがあるため好ましくない。具体的には、BET法による比表面積が60〜600m2/gのものを用いることが好ましく、150〜400m2/gのものを用いることがより好ましい。なお、このような比表面積を有する顔料は通常、直径数十nm以下の一次粒子が結合しその内部に空隙を有する高次構造を形成してなる顔料である。
本発明において、リウエット法にてキャスト処理を行う場合には、上層塗工組成物のサブミクロン顔料として擬ベーマイトを用いることで、特に光沢の高いインクジェット記録媒体が得られることから好ましい。
本発明の上層に用いるバインダーとしては、特に限定されないが、例えば、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白等の蛋白質類、酸化澱粉、エステル化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、スチレンブタジエン共重合体、ニトリルブタジエン共重合体、クロロプレン重合体、酢酸ビニル重合体、塩化ビニル重合体、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。これらはその1種を単独で用いてもよく、またはそれらの2種以上を組み合わせて用いても良い。特に、ポリビニルアルコールを使用することにより、裁断時のダストの発生が少なくなり好ましい。
本発明におけるバインダーの添加量は、少なすぎると乾燥時に亀裂が生じたり、形成されるインクジェット記録媒体の表面強度が不足することがあるので好ましくなく、一方でバインダーの添加量が多すぎるとインク吸収性が低下することがあるので好ましくない。具体的には、サブミクロン顔料の添加量に対して2〜40質量%であることが好ましく、5〜25質量%であることがより好ましい。
ポリビニルアルコールとしては、70mol%から100mol%までの種々のけん化度のポリビニルアルコールが使用できるが、本発明に用いるキャスト工程の方式としてリウエット法を用いる場合には、けん化度95mol%以下のものを用いると光沢が発現しやすくなることから好ましい。またシリル基、カルボキシル基、アミノ基、アセトアセチル基等種々の官能基を導入したり、エチレン等他の単量体をランダム的、グラフト的、またはブロック的に導入した変性ポリビニルアルコールも使用することができる。
本発明の上層塗工組成物のポリビニルアルコールは、その水溶液の粘度が高いものの方が、添加量が比較的少量であっても塗工された塗工組成物の乾燥時に亀裂が生じにくいので、その添加量を少なくすることができ、結果としてインク吸収性を向上させられるので好ましい。しかし反面、その水溶液の粘度が高すぎると、本発明により得られる塗工組成物の粘度が高くなりすぎて塗工操作が困難になることがあるから好ましくない。具体的には、JIS Z8803に基づき25℃においてウベローデ粘度計を使用して測定される固形分濃度4質量%の水溶液の粘度が15〜400mPa・秒であることが好ましく、30〜200mPa・秒であることがより好ましい。これらのポリビニルアルコールは、その1種を単独で用いても良いし、けん化度、粘度、変性等が異なる2種以上を組み合わせて用いても良い。
また、上層のバインダーにポリビニルアルコールを使用した場合は、下層塗工組成物にホウ酸またはその塩を添加すると、光沢を低下させることなく上層の塗工量を減らすことができ、その結果切断強度が向上しさらに良好である。ホウ酸またはその塩の添加量は、吸水性無機顔料に対して、ホウ素原子を基準にH3BO3に換算して0.2〜10質量%とすることが好ましく、0.4〜5質量%とすることがより好ましい。
本発明の各塗工層には、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、増粘剤、色味調整剤、蛍光増白剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等各種の添加剤を添加することもできる。
本発明において、各塗工層の塗工組成物を塗工する方法に特に制限はなく、エアナイフコーター、ブレードコーター、ロッドブレードコーター、バーコーター、リバースロールコーター、コンマコーター、ゲートロールコーター、フィルムトランスファーコーター、リップコーター、ダイコーター、カーテンコーター等各種の塗工方式を用いることができる。これらのうち、カーテンコーターは、得られる塗工層の均一性が高く、さらに上層の塗工に際しては塗工組成物の下層への浸透が生じにくく非常に良好な面質を与えるので、各塗工層、特に上層塗工組成物の塗工に好ましく使用される。本発明の塗工組成物を支持体上に塗工する量に特に制限はないが、インク吸収性と経済性を両立させるためには通常、固形分として各層がそれぞれ5〜20g/m2また両層の合計では10〜40g/m2を塗工することが好ましい。ただし、特に多量のインクを吸収することを求められる場合には、両層の合計で最大50g/m2程度を塗工することが好ましいこともある。
本発明において、上層塗工組成物を塗工・乾燥させた後、キャスト処理を行うことにより、光沢性の高いインクジェット記録媒体を得ることも可能である。本発明においてキャスト処理とは、湿潤状態にある塗工層を加熱された鏡面に圧着し、鏡面形状を塗工層の表面に転写すると共に塗工層から水分を乾燥除去し記録媒体に光沢を付与する処理をいう。キャスト処理に使用する装置(キャスト装置)は通常、表面がクロムメッキされたシリンダーの表面に、弾性ロールを用いて連続的に塗工紙を圧着する構造の装置であるが、本発明には、同様の作用を有する他の構造の装置を用いても良い。本発明のインクジェット記録媒体を製造するにあたり用いるキャスト処理の方式としては、塗工組成物を塗工後一旦乾燥させてから再度水分を付与し、その後キャスト装置の鏡面に圧着するいわゆるリウエット法、上層塗工組成物、または上下両層の塗工組成物を塗工後、乾燥させずそのままキャスト装置の鏡面に圧着するいわゆる直接法等の方式を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
下層塗工組成物または上層塗工組成物を塗工・乾燥させた後またはその双方で、ソフトカレンダー、スーパーカレンダー等のカレンダー装置により平滑度を高めてからキャスト処理を行うことも可能である。
また、キャスト装置における鏡面からの剥離性を改善することを目的に油性物質または油性物質の水性分散物等の離型剤を、本発明の塗工組成物に添加したり、キャスト処理に先立ち塗工したり、キャスト方式としてリウエット法を用いる場合にはリウエットに用いる水に添加したりすることで、長時間にわたり安定した製造が可能になることから好ましい。本発明において離型剤として用いることができる物質の例としては、ジメチルオクチルアミン、ジメチルオクタデシルアミン等の高級アルキルアミンまたはそれらの塩、トリメチルオクチルアンモニウムクロリド、トリメチルオクタデシルアンモニウムクロリド等の高級アルキル四級アンモニウム塩、オレイン酸、ステアリン酸、カプリル酸等の高級カルボン酸またはそれらの塩、オクチルアルコール、オクタデシルアルコール等の高級アルコール、流動パラフィン、ポリエチレンワックス、シリコーン油等が挙げられる。
以下本発明の実施例を示す。なお、本実施例中で、特に明示しない限り部は質量部、%は質量%を示すものとする。
[実施例1]
[下層塗工組成物1の調製]
水350部に水酸化ナトリウム2部を溶解し、ここに湿式合成シリカ(トクヤマ社製ファインシールX−37B)100部を添加した後ノコギリ型ブレードを有する分散機を用いて十分に分散した。次いでニトリルブタジエン共重合体(日本ゼオン社製Nipol 1001)を固形分として30部、添加・混合して下層塗工組成物1を得た。なお、ここで用いた湿式合成シリカについて、アマニ油の代わりに水を用い、JIS K 5101に定められた吸油量の試験に準じた試験を行ったところ、終点までにその100gあたり300mlの水が使用された。
[下層塗工組成物1の調製]
水350部に水酸化ナトリウム2部を溶解し、ここに湿式合成シリカ(トクヤマ社製ファインシールX−37B)100部を添加した後ノコギリ型ブレードを有する分散機を用いて十分に分散した。次いでニトリルブタジエン共重合体(日本ゼオン社製Nipol 1001)を固形分として30部、添加・混合して下層塗工組成物1を得た。なお、ここで用いた湿式合成シリカについて、アマニ油の代わりに水を用い、JIS K 5101に定められた吸油量の試験に準じた試験を行ったところ、終点までにその100gあたり300mlの水が使用された。
[アルミナ水和物ゾルの調製]
水299部に酢酸1部を混合し、擬ベーマイト構造を有するアルミナ水和物(サソール社製Disperal HP14)100部を添加し、そのまま2時間攪拌して解膠し、固形分濃度25%のアルミナ水和物ゾルを得た。この分散物を水で100倍に希釈し、ガラス基板上に散布して走査型電子顕微鏡で観察したところ、観察野において粒子が占める面積の80%以上を、長辺100〜400nmの粒子が占めていた。
水299部に酢酸1部を混合し、擬ベーマイト構造を有するアルミナ水和物(サソール社製Disperal HP14)100部を添加し、そのまま2時間攪拌して解膠し、固形分濃度25%のアルミナ水和物ゾルを得た。この分散物を水で100倍に希釈し、ガラス基板上に散布して走査型電子顕微鏡で観察したところ、観察野において粒子が占める面積の80%以上を、長辺100〜400nmの粒子が占めていた。
[上層塗工組成物1の調製]
固形分として25部相当量の上記アルミナ水和物ゾルに、けん化度88mol%、4%水溶液の25℃における粘度95mPa・秒のポリビニルアルコール(クラレ社製PVA235)の10%水溶液を固形分として2部添加し、上層塗工組成物1を調製した。
固形分として25部相当量の上記アルミナ水和物ゾルに、けん化度88mol%、4%水溶液の25℃における粘度95mPa・秒のポリビニルアルコール(クラレ社製PVA235)の10%水溶液を固形分として2部添加し、上層塗工組成物1を調製した。
[インクジェット記録媒体の作製]
坪量157g/m2の原紙(三菱製紙社製ダイヤフォーム)上に、下層塗工組成物1を、乾燥後の塗工量が20g/m2となるようにエアナイフコーターを用いて塗工し、熱風型乾燥機を用いて乾燥させた。次いで、上層塗工組成物1を、乾燥後の塗工量が20g/m2となるようにエアナイフコーターを用いて塗工し、熱風型乾燥機を用いて乾燥させ、実施例1のインクジェット記録媒体を作製した。
坪量157g/m2の原紙(三菱製紙社製ダイヤフォーム)上に、下層塗工組成物1を、乾燥後の塗工量が20g/m2となるようにエアナイフコーターを用いて塗工し、熱風型乾燥機を用いて乾燥させた。次いで、上層塗工組成物1を、乾燥後の塗工量が20g/m2となるようにエアナイフコーターを用いて塗工し、熱風型乾燥機を用いて乾燥させ、実施例1のインクジェット記録媒体を作製した。
[下層塗工組成物2の調製]
水350部に水酸化ナトリウム2部を溶解し、BET比表面積230m2/gのコロイダルシリカ(日産化学工業社製スノーテックス40、固形分40%)を固形分として15部添加した。さらに湿式合成シリカ(トクヤマ社製ファインシールX−37B)100部を添加した後ノコギリ型ブレードを有する分散機を用いて十分に分散した。次いでニトリルブタジエン共重合体(日本ゼオン社製Nipol 1001)を固形分として30部、添加・混合して下層塗工組成物2を得た。
水350部に水酸化ナトリウム2部を溶解し、BET比表面積230m2/gのコロイダルシリカ(日産化学工業社製スノーテックス40、固形分40%)を固形分として15部添加した。さらに湿式合成シリカ(トクヤマ社製ファインシールX−37B)100部を添加した後ノコギリ型ブレードを有する分散機を用いて十分に分散した。次いでニトリルブタジエン共重合体(日本ゼオン社製Nipol 1001)を固形分として30部、添加・混合して下層塗工組成物2を得た。
[下層塗工組成物3の調製]
水350部に四ホウ酸ナトリウム十水和物6部(H3BO3換算で0.97部)を溶解し、ここに湿式合成シリカ(トクヤマ社製ファインシールX−37B)100部を添加した後ノコギリ型ブレードを有する分散機を用いて十分に分散した。次いで、ニトリルブタジエン共重合体(日本ゼオン社製Nipol 1001)を固形分として30部、添加・混合して下層塗工組成物3を得た。
水350部に四ホウ酸ナトリウム十水和物6部(H3BO3換算で0.97部)を溶解し、ここに湿式合成シリカ(トクヤマ社製ファインシールX−37B)100部を添加した後ノコギリ型ブレードを有する分散機を用いて十分に分散した。次いで、ニトリルブタジエン共重合体(日本ゼオン社製Nipol 1001)を固形分として30部、添加・混合して下層塗工組成物3を得た。
[下層塗工組成物4の調製]
水350部に四ホウ酸ナトリウム十水和物6部(H3BO3換算で0.97部)を溶解し、BET比表面積230m2/gのコロイダルシリカ(日産化学工業社製スノーテックス40、固形分40%)を固形分として15部添加した。さらに湿式合成シリカ(トクヤマ社製ファインシールX−37B)100部を添加した後ノコギリ型ブレードを有する分散機を用いて十分に分散した。次いで、ニトリルブタジエン共重合体(日本ゼオン社製Nipol 1001)を固形分として30部、添加・混合して下層塗工組成物4を得た。
水350部に四ホウ酸ナトリウム十水和物6部(H3BO3換算で0.97部)を溶解し、BET比表面積230m2/gのコロイダルシリカ(日産化学工業社製スノーテックス40、固形分40%)を固形分として15部添加した。さらに湿式合成シリカ(トクヤマ社製ファインシールX−37B)100部を添加した後ノコギリ型ブレードを有する分散機を用いて十分に分散した。次いで、ニトリルブタジエン共重合体(日本ゼオン社製Nipol 1001)を固形分として30部、添加・混合して下層塗工組成物4を得た。
[下層塗工組成物5の調製]
樹脂として、ニトリルブタジエン共重合体(日本ゼオン社製Nipol 1001)の代わりに、クロロプレン重合体(東ソー社製スカイプレンラテックスGFL−890)を用いた以外には、下層塗工組成物1と同様にして下層塗工組成物5を作製した。
樹脂として、ニトリルブタジエン共重合体(日本ゼオン社製Nipol 1001)の代わりに、クロロプレン重合体(東ソー社製スカイプレンラテックスGFL−890)を用いた以外には、下層塗工組成物1と同様にして下層塗工組成物5を作製した。
[下層塗工組成物6の調製]
樹脂として、ニトリルブタジエン共重合体(日本ゼオン社製Nipol 1001)の代わりに、クロロプレン重合体(東ソー社製スカイプレンラテックスGFL−890)を用いた以外には、下層塗工組成物4と同様にして下層塗工組成物6を作製した。
樹脂として、ニトリルブタジエン共重合体(日本ゼオン社製Nipol 1001)の代わりに、クロロプレン重合体(東ソー社製スカイプレンラテックスGFL−890)を用いた以外には、下層塗工組成物4と同様にして下層塗工組成物6を作製した。
[下層塗工組成物7の調製]
樹脂として、ニトリルブタジエン共重合体(日本ゼオン社製Nipol 1001)を固形分として30部の代わりに、ニトリルブタジエン共重合体(日本ゼオン社製Nipol 1001)を固形分として22部と、スチレンブタジエン共重合体(JSR社製0623N)を固形分として8部を用いた以外には、下層塗工組成物2と同様にして下層塗工組成物7を作製した。
樹脂として、ニトリルブタジエン共重合体(日本ゼオン社製Nipol 1001)を固形分として30部の代わりに、ニトリルブタジエン共重合体(日本ゼオン社製Nipol 1001)を固形分として22部と、スチレンブタジエン共重合体(JSR社製0623N)を固形分として8部を用いた以外には、下層塗工組成物2と同様にして下層塗工組成物7を作製した。
[下層塗工組成物8の調製]
樹脂として、ニトリルブタジエン共重合体(日本ゼオン社製Nipol 1001)を固形分として30部の代わりに、クロロプレン重合体(東ソー社製スカイプレンラテックスGFL−890)を固形分として22部と、スチレンブタジエン共重合体(JSR社製0623N)を固形分として8部を用いた以外には、下層塗工組成物2と同様にして下層塗工組成物8を作製した。
樹脂として、ニトリルブタジエン共重合体(日本ゼオン社製Nipol 1001)を固形分として30部の代わりに、クロロプレン重合体(東ソー社製スカイプレンラテックスGFL−890)を固形分として22部と、スチレンブタジエン共重合体(JSR社製0623N)を固形分として8部を用いた以外には、下層塗工組成物2と同様にして下層塗工組成物8を作製した。
[上層塗工組成物2の調製]
固形分として25部相当量の上記アルミナ水和物ゾルに、スチレンブタジエン共重合体(日本ゼオン社製Nipol 1502)を固形分として3部添加し、上層塗工組成物2を調製した。
固形分として25部相当量の上記アルミナ水和物ゾルに、スチレンブタジエン共重合体(日本ゼオン社製Nipol 1502)を固形分として3部添加し、上層塗工組成物2を調製した。
[気相法シリカ分散液の調製]
水392部を攪拌しながら、400mPa・秒の粘度を有するジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合体の50%水溶液8部(固形分4部)、気相法シリカ(BET法による比表面積90m2/g)100部を添加し、ブレード型分散機を使用して予備分散した。得られた予備分散液をコロイドミルで処理して、固形分濃度20.8%の気相法シリカ分散液を得た。この分散物を水で100倍に希釈し、ガラス基板上に散布して走査電子顕微鏡で観察したところ、観察野において粒子が占める面積の80%以上を、長辺が100〜400nmの粒子が占めていた。
水392部を攪拌しながら、400mPa・秒の粘度を有するジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合体の50%水溶液8部(固形分4部)、気相法シリカ(BET法による比表面積90m2/g)100部を添加し、ブレード型分散機を使用して予備分散した。得られた予備分散液をコロイドミルで処理して、固形分濃度20.8%の気相法シリカ分散液を得た。この分散物を水で100倍に希釈し、ガラス基板上に散布して走査電子顕微鏡で観察したところ、観察野において粒子が占める面積の80%以上を、長辺が100〜400nmの粒子が占めていた。
[上層塗工組成物3の調製]
固形分として20.8部相当量の上記気相法シリカ分散液に、けん化度88mol%、4%水溶液の25℃における粘度95mPa・秒のポリビニルアルコール(クラレ社製PVA235)の10%水溶液を固形分として3部添加し、上層塗工組成物3を調製した。
固形分として20.8部相当量の上記気相法シリカ分散液に、けん化度88mol%、4%水溶液の25℃における粘度95mPa・秒のポリビニルアルコール(クラレ社製PVA235)の10%水溶液を固形分として3部添加し、上層塗工組成物3を調製した。
[実施例2〜12]
下層塗工組成物、上層塗工組成物、乾燥後の上層塗布量を表1に示すように変更した以外には、実施例1と同様にして実施例2〜12のインクジェット記録媒体を作製した。
下層塗工組成物、上層塗工組成物、乾燥後の上層塗布量を表1に示すように変更した以外には、実施例1と同様にして実施例2〜12のインクジェット記録媒体を作製した。
[実施例13]
原紙上に、下層塗工組成物1を、乾燥後の塗工量が20g/m2となるようにエアナイフコーターを用いて塗工し、熱風型乾燥機を用いて乾燥させた。次いで得られた塗工紙をソフトカレンダーを用いて処理した後、上層塗工組成物1を、乾燥後の塗工量が20g/m2となるようにエアナイフコーターを用いて塗工し、熱風型乾燥機を用いて乾燥させた。さらに得られた塗工紙をソフトカレンダーを用いて処理した。この塗工紙の塗工面を、水に5秒間接触させて湿潤した後、温度95℃に加熱したキャスト装置の鏡面クロムメッキシリンダーに、線圧20kN/m、速度20m/minで圧着し、乾燥後にシリンダーより剥離することで実施例13のインクジェット記録媒体を作製した。
原紙上に、下層塗工組成物1を、乾燥後の塗工量が20g/m2となるようにエアナイフコーターを用いて塗工し、熱風型乾燥機を用いて乾燥させた。次いで得られた塗工紙をソフトカレンダーを用いて処理した後、上層塗工組成物1を、乾燥後の塗工量が20g/m2となるようにエアナイフコーターを用いて塗工し、熱風型乾燥機を用いて乾燥させた。さらに得られた塗工紙をソフトカレンダーを用いて処理した。この塗工紙の塗工面を、水に5秒間接触させて湿潤した後、温度95℃に加熱したキャスト装置の鏡面クロムメッキシリンダーに、線圧20kN/m、速度20m/minで圧着し、乾燥後にシリンダーより剥離することで実施例13のインクジェット記録媒体を作製した。
[実施例14〜19]
下層塗工組成物、上層塗工組成物、乾燥後の上層塗布量を表1に示すように変更した以外には、実施例13と同様にして実施例14〜19のインクジェット記録媒体を作製した。
下層塗工組成物、上層塗工組成物、乾燥後の上層塗布量を表1に示すように変更した以外には、実施例13と同様にして実施例14〜19のインクジェット記録媒体を作製した。
[実施例20]
樹脂として、ニトリルブタジエン共重合体(日本ゼオン社製Nipol 1001)をニトリルブタジエン共重合体(日本ゼオン社製Nipol 1042)に変更した下層塗工組成物9を用いた以外には、実施例1と同様にして実施例20のインクジェット記録媒体を作製した。
樹脂として、ニトリルブタジエン共重合体(日本ゼオン社製Nipol 1001)をニトリルブタジエン共重合体(日本ゼオン社製Nipol 1042)に変更した下層塗工組成物9を用いた以外には、実施例1と同様にして実施例20のインクジェット記録媒体を作製した。
[実施例21]
樹脂として、ニトリルブタジエン共重合体(日本ゼオン社製Nipol 1001)をニトリルブタジエン共重合体(日本ゼオン社製Nipol 1043)に変更した下層塗工組成物10を用いた以外には、実施例1と同様にして実施例21のインクジェット記録媒体を作製した。
樹脂として、ニトリルブタジエン共重合体(日本ゼオン社製Nipol 1001)をニトリルブタジエン共重合体(日本ゼオン社製Nipol 1043)に変更した下層塗工組成物10を用いた以外には、実施例1と同様にして実施例21のインクジェット記録媒体を作製した。
[実施例22]
樹脂として、クロロプレン重合体(東ソー社製スカイプレンラテックスGFL−890)をクロロプレン重合体(東ソー社製スカイプレンラテックスGFL−820)に変更した下層塗工組成物11を用いた以外には、実施例9と同様にして実施例22のインクジェット記録媒体を作製した。
樹脂として、クロロプレン重合体(東ソー社製スカイプレンラテックスGFL−890)をクロロプレン重合体(東ソー社製スカイプレンラテックスGFL−820)に変更した下層塗工組成物11を用いた以外には、実施例9と同様にして実施例22のインクジェット記録媒体を作製した。
[実施例23]
樹脂として、クロロプレン重合体(東ソー社製スカイプレンラテックスGFL−890)をクロロプレン重合体(東ソー社製スカイプレンラテックス770)に変更した下層塗工組成物12を用いた以外には、実施例9と同様にして実施例23のインクジェット記録媒体を作製した。
樹脂として、クロロプレン重合体(東ソー社製スカイプレンラテックスGFL−890)をクロロプレン重合体(東ソー社製スカイプレンラテックス770)に変更した下層塗工組成物12を用いた以外には、実施例9と同様にして実施例23のインクジェット記録媒体を作製した。
[比較例1〜3]
下層塗工組成物の樹脂として、ニトリルブタジエン共重合体(日本ゼオン社製Nipol 1001)の代わりに、固形分が同量となるようにスチレンブタジエン共重合体(JSR社製0623N)を用いた以外には、実施例1、2及び4と同様にして、それぞれ比較例1〜3のインクジェット記録媒体を作製した。
下層塗工組成物の樹脂として、ニトリルブタジエン共重合体(日本ゼオン社製Nipol 1001)の代わりに、固形分が同量となるようにスチレンブタジエン共重合体(JSR社製0623N)を用いた以外には、実施例1、2及び4と同様にして、それぞれ比較例1〜3のインクジェット記録媒体を作製した。
[比較例4〜7]
下層塗工組成物の樹脂として、スチレンブタジエン共重合体(JSR社製0623N)の代わりに、固形分が同量となるように表2に示す樹脂を用いた以外には、比較例1と同様にして比較例4〜7のインクジェット記録媒体を作製した。
下層塗工組成物の樹脂として、スチレンブタジエン共重合体(JSR社製0623N)の代わりに、固形分が同量となるように表2に示す樹脂を用いた以外には、比較例1と同様にして比較例4〜7のインクジェット記録媒体を作製した。
[比較例8〜9]
下層塗工組成物の樹脂の固形分を30部から70部に変更した以外には、比較例1及び比較例4と同様にして比較例8及び9のインクジェット記録媒体を作製した。
下層塗工組成物の樹脂の固形分を30部から70部に変更した以外には、比較例1及び比較例4と同様にして比較例8及び9のインクジェット記録媒体を作製した。
[比較例10]
下層塗工組成物の樹脂として、ニトリルブタジエン共重合体(日本ゼオン社製Nipol 1001)の代わりに、固形分が同量となるようにスチレンブタジエン共重合体(JSR社製0623N)を用いた以外には、実施例13と同様にして比較例10のインクジェット記録媒体を作製した。
下層塗工組成物の樹脂として、ニトリルブタジエン共重合体(日本ゼオン社製Nipol 1001)の代わりに、固形分が同量となるようにスチレンブタジエン共重合体(JSR社製0623N)を用いた以外には、実施例13と同様にして比較例10のインクジェット記録媒体を作製した。
[比較例11]
上層塗工組成物1を上層塗工組成物2に変更した以外には、比較例10と同様にして比較例11のインクジェット記録媒体を作製した。
上層塗工組成物1を上層塗工組成物2に変更した以外には、比較例10と同様にして比較例11のインクジェット記録媒体を作製した。
[比較例12]
上層塗工組成物1を上層塗工組成物3に変更した以外には、比較例10と同様にして比較例12のインクジェット記録媒体を作製した。
上層塗工組成物1を上層塗工組成物3に変更した以外には、比較例10と同様にして比較例12のインクジェット記録媒体を作製した。
[比較例13〜16]
下層塗工組成物の樹脂として、スチレンブタジエン共重合体(JSR社製0623N)の代わりに、表2に示す樹脂を用いた以外には、比較例10と同様にして比較例13〜16のインクジェット記録媒体を作製した。
下層塗工組成物の樹脂として、スチレンブタジエン共重合体(JSR社製0623N)の代わりに、表2に示す樹脂を用いた以外には、比較例10と同様にして比較例13〜16のインクジェット記録媒体を作製した。
[比較例17〜18]
下層塗工組成物の樹脂の固形分を30部から70部に変更した以外には、比較例10及び比較例13と同様にして比較例17及び18のインクジェット記録媒体を作製した。
下層塗工組成物の樹脂の固形分を30部から70部に変更した以外には、比較例10及び比較例13と同様にして比較例17及び18のインクジェット記録媒体を作製した。
[写像性の評価]
光沢の評価は、視覚的な光沢との相関性に優れる写像性を測定することによって行った。なお、測定はスガ試験器社製写像性測定器を用い、測定角45°、光学くし幅2.0mmにて行った。本方法による測定においては一般に、60以上の写像性を与える記録媒体は高い光沢感を有し、65以上の写像性を与える記録媒体は非常に高い光沢感を有する。
光沢の評価は、視覚的な光沢との相関性に優れる写像性を測定することによって行った。なお、測定はスガ試験器社製写像性測定器を用い、測定角45°、光学くし幅2.0mmにて行った。本方法による測定においては一般に、60以上の写像性を与える記録媒体は高い光沢感を有し、65以上の写像性を与える記録媒体は非常に高い光沢感を有する。
[印字濃度の評価]
セイコーエプソン社製PM−900C形インクジェットプリンターを用いて黒ベタ画像を印字し、マクベスRD−918型により、光学反射濃度を測定した。
セイコーエプソン社製PM−900C形インクジェットプリンターを用いて黒ベタ画像を印字し、マクベスRD−918型により、光学反射濃度を測定した。
[インク吸収性の評価]
セイコーエプソン社製PM−900C形インクジェットプリンターを用いて所定の評価画像を印刷し、各記録媒体のインク吸収性を、画像の細部の判読性を基準とし次の5段階に分類した。A(細部まで鮮明に画像が判読できる)、B(若干画像が崩れているものの、十分に判読可能である)、C(画像の原型が50%程度崩れているが、判読可能である)、D(画像の原型はほとんど崩れているものの、辛うじて判読可能である)、E(画像が全く判読できない)。
セイコーエプソン社製PM−900C形インクジェットプリンターを用いて所定の評価画像を印刷し、各記録媒体のインク吸収性を、画像の細部の判読性を基準とし次の5段階に分類した。A(細部まで鮮明に画像が判読できる)、B(若干画像が崩れているものの、十分に判読可能である)、C(画像の原型が50%程度崩れているが、判読可能である)、D(画像の原型はほとんど崩れているものの、辛うじて判読可能である)、E(画像が全く判読できない)。
[切断時のダストの評価]
記録媒体を23℃50%RH環境下で24時間調湿した後、試料を、塗工面を表面にして定規に沿ってカッターにて切断し、その時のこば落ちの程度と切断面の破損状態を次の5段階に分類した。A(全くこば落ちがなく、切断面の破損も全くない)、B(若干のこば落ちは見られたが、切断面はほとんど破損が見られない)、C(こば落ちが見られ、切断面の片面は破損していたが、他面には全く破損が見られなかった)、D(こば落ちが見られ、切断面の片面は破損が激しく、他面は若干の破損が見られた)、E(たくさんのこば落ちが見られ、切断面は両面とも激しい破損が見られた)。
記録媒体を23℃50%RH環境下で24時間調湿した後、試料を、塗工面を表面にして定規に沿ってカッターにて切断し、その時のこば落ちの程度と切断面の破損状態を次の5段階に分類した。A(全くこば落ちがなく、切断面の破損も全くない)、B(若干のこば落ちは見られたが、切断面はほとんど破損が見られない)、C(こば落ちが見られ、切断面の片面は破損していたが、他面には全く破損が見られなかった)、D(こば落ちが見られ、切断面の片面は破損が激しく、他面は若干の破損が見られた)、E(たくさんのこば落ちが見られ、切断面は両面とも激しい破損が見られた)。
各実施例、各比較例で得られた記録媒体の写像性、印字濃度、インク吸収性、切断時のダストの評価を表3、表4に示す。
実施例1〜12、20〜23と比較例1〜7を比較することにより、本発明により、高いインク吸収性を保持しながら、切断時のダスト発生の少ないインクジェット記録媒体が得られることが分かる。なお、従来の技術、例えば比較例8及び比較例9でも切断時のダスト発生の少ないインクジェット記録媒体を得ることは可能であったが、樹脂の増量のためインク吸収性が大きく低下してしまうことが分かる。
実施例13〜19、比較例10〜16を比較することにより、本発明により、高いインク吸収性と裁断時のダストの発生が少ないという特徴を保持しながらも、キャスト処理により高い光沢性を付与したインクジェット記録媒体が得られることが分かる。さらに、従来の技術、例えば比較例17及び比較例18でも切断時のダスト発生の少ないインクジェット記録媒体を得ることは可能であったが、樹脂の増量のため光沢性やインク吸収性が大きく低下してしまうことが分かる。
実施例1、5、6、9、13、18と実施例3、7、8、10、16、17、19を比較することにより、下層塗工組成物中にコロイダルシリカを添加することにより、インク吸収性が特に良好となることが分かる。
実施例1、13と実施例2、14を比較することにより、上層塗工組成物中の樹脂としてポリビニルアルコールを使用することにより、特に切断時のダスト発生が少なくなることが分かる。
Claims (5)
- 透気性の支持体上に少なくとも下層と上層を設けてなるインクジェット記録媒体において、下層が吸水性無機顔料およびバインダーとしてニトリルブタジエン共重合体、クロロプレン重合体から選ばれる少なくとも1種類の重合体を含有する塗工組成物から形成されてなり、かつ上層がサブミクロン顔料およびバインダーを含有する塗工組成物から形成されてなるインクジェット記録媒体。
- 下層の塗工組成物に含まれる吸水性無機顔料が、湿式合成シリカであることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録媒体。
- 上層の塗工組成物に含まれるバインダーが、ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録媒体。
- 下層の塗工組成物にコロイダルシリカが含まれることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のインクジェット記録媒体。
- 前記上層をキャスト処理して製造されてなる請求項1〜4のいずれか1項記載のインクジェット記録媒体。
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JP2005326040A JP2007130875A (ja) | 2005-11-10 | 2005-11-10 | インクジェット記録媒体 |
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- 2005-11-10 JP JP2005326040A patent/JP2007130875A/ja active Pending
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